JP3379143B2 - 樹脂積層体の製造方法 - Google Patents

樹脂積層体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表皮や基材などの樹脂
部材に発泡層を積層形成する樹脂積層体の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】表皮に発泡層を積層する従来の技術とし
て、特開昭58−171921号公報のものが知られて
いる。この方法では、表皮を所定の形状に真空賦形し、
この表皮を成形装置の成形型に設置し、これに発泡性樹
脂ビーズを堆積させて、蒸気により熱溶着させることに
より、表皮上に補強用の発泡層を形成する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この方法では、上記発
泡性樹脂ビーズは、蒸気により与えられる熱で熱溶着す
るのであるが、その熱溶着に適する温度範囲は、一般に
狭い。つまり、蒸気の温度範囲が僅かに異なっても、発
泡樹脂ビーズは、熱溶着しなかったり、溶融して形崩れ
する。一方、表皮も、このような狭い温度範囲で表面の
一部が溶融して発泡層に溶着する必要があるが、発泡性
樹脂ビーズの発泡温度と僅かに異なっても、溶融し過ぎ
て形崩れが生じたり、未溶融で溶着しない。したがっ
て、発泡層に接着される表皮は、その樹脂材料がきわめ
て限定されるという問題があった。
【0004】また、樹脂積層体として、表皮、発泡層お
よび基材を積層した構成のものでは、基材を車両のボデ
ィに取り付けるためには基材に所定以上の強度を必要と
している。基材を所定以上の強度とするには、ポリプロ
ピレンなどのオレフィン系樹脂の場合には、融点の高い
樹脂材料を用いる必要がある。しかし、融点の高い樹脂
材料を用いた場合には、この融点に近い発泡性樹脂ビー
ズがないため基材との融点の差から十分に接着しないと
いう問題があった。
【0005】本発明は、上記従来の技術の問題点を解消
するためになされたものであり、表皮や基材などの樹脂
部材に、発泡性樹脂ビーズで形成した発泡層を強固に熱
溶着する樹脂積層体の製造方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた請求項1の本発明は、樹脂部材と発泡層とを
熱溶着することにより樹脂積層体を製造する樹脂積層体
の製造方法において、オレフィン系の第1樹脂材料と、
オレフィン系の樹脂材料であって上記第1樹脂材料と熱
溶着する性質を有しかつ該第1樹脂材料より融点の低い
第2樹脂材料とを混合して成形された樹脂部材を準備す
る工程と、上記第2樹脂材料と熱溶着する性質を有する
オレフィン系の樹脂材料からなる発泡層を形成するとと
もに上記樹脂部材に熱溶着させる工程と、を備えること
を特徴とする。
【0007】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
において、第2樹脂材料が発泡層を形成する発泡性樹脂
ビーズと熱溶着する性質を有するオレフィン系の樹脂材
料でありかつ発泡性樹脂ビーズの発泡温度に融点を有す
樹脂材料からなり、該発泡性樹脂ビーズを熱溶着させ
つつ発泡層を形成する工程を備えたものである。
【0008】
【作用】請求項1に係る本発明では、表皮や基材等を形
成する樹脂部材は、オレフィン系の第1樹脂材料と、オ
レフィン系の樹脂材料であって第1樹脂材料と熱溶着す
る性質を有しかつ第1樹脂材料より融点の低い第2樹脂
材料とを混合して形成する。この樹脂部材は、第2樹脂
材料と同系の樹脂材料から形成された発泡層に熱溶着さ
れる。このとき、樹脂部材は、第1樹脂材料より融点の
低い第2樹脂材料を含んでいるから、発泡層に対して優
れた熱溶着性を有する。また、樹脂部材は、発泡層との
溶着性をさほど考慮していない融点の高い第1樹脂材料
も含んでおり、第1樹脂材料の融点の高い性質からその
機械的強度を高めたり、樹脂部材本来の性質を活かした
樹脂材料の選択が可能になる。
【0009】また、請求項2の発明は、樹脂部材の第2
樹脂材料として、発泡層を形成する発泡性樹脂ビーズと
熱溶着する性質を有するオレフィン系の樹脂材料であり
かつ発泡性樹脂ビーズの発泡温度に融点を有する樹脂材
料を用いて、発泡性樹脂ビーズを互いに熱溶着させつつ
発泡層を形成すると共に、発泡層と樹脂部材とを熱溶着
する。この場合において、第2樹脂材料は、発泡性樹脂
ビーズと同一の材料であるから、一層熱溶着性が高い。
【0010】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。
【0011】図1は本実施例にかかる樹脂積層体のうち
車両ボディに装着されるインストルメントパネル1を示
す外観図、図2はその要部の断面図である。なお、図2
は以下の説明を分かり易くするために、厚さ方向の寸法
を拡大して示している。このインストルメントパネル1
は、図2に示すようにボディ(図示省略)側に固定され
る基材2と、発泡性樹脂ビーズを充填溶着させた発泡層
3と、シボ模様等を賦形した意匠面5aを有する表皮5
とを積層することにより構成されている。
【0012】上記基材2は、平滑な内面2aを有した
1.0mm〜5.0mmの厚さである。基材2には、多
数の窓部8が形成されている。
【0013】上記基材2は、融点の異なる2種類の樹脂
材料を混合して射出成形された硬質材であり、例えば、
オレフィン系の樹脂材料である融点160℃〜165℃
のポリプロピレン(PP)と、融点145℃〜150℃
のPPとを混合することにより形成されている。同一の
PPであっても融点の違う樹脂材料とするには、分子量
の異なるものを用いればよく、つまり低融点とするには
低分子量のものを、高融点とするには高分子量のものを
用いればよい。低融点の樹脂材料の割合は、5重量%〜
50重量%であることが望ましく、特に好ましくは20
重量%〜30重量%である。これは、低融点の樹脂材料
が5重量%未満であると発泡層3との熱溶着性が低下
し、一方、50重量%以上であると、高融点の樹脂材料
の割合が減少して、基材2自体の強度が低下するからで
ある。
【0014】上記発泡層3は、発泡性樹脂ビーズを蒸気
で熱溶着させたものであり、5mm〜30mmの厚さで
ある。上記表皮5は、熱可塑性樹脂からなるシート材で
あり、0.20mm〜1.5mmの厚さである。上記発
泡層3は、オレフィン系樹脂であるポリプロピレン(P
P)から形成されており、その融点は140℃〜160
℃である。表皮5は、オレフィン系の熱可塑性エラスト
マ(PPおよび柔軟剤等)形成され、その融点が16
0℃〜170℃である。
【0015】次にインストルメントパネル1を製造する
方法について説明する。インストルメントパネル1の製
造工程は、まず、基材2および表皮5などを製造する工
程を行なう。このうち、基材2は、上述したPPの低融
点の樹脂材料と高融点の樹脂材料とを混合し、これを射
出成形することにより製造する。その後に、表皮の加熱
工程、真空成形工程および熱溶着工程を経ることにより
行なわれる。
【0016】まず、表皮5の加熱工程は、図3に示すよ
うに、加熱装置12を用いて行なう。加熱装置12は、
上部ヒータ12aおよび下部ヒータ12bを備え、その
間に加熱室12cを有している。この加熱工程では、表
皮5を形成する表皮用シート5Aの端部をクランプ13
で保持して、これを加熱装置12の加熱室12cに移動
し、上部ヒータ12aおよび下部ヒータ12bにより表
皮5の上面と下面とをそれぞれ約160℃に加熱する。
【0017】次に、真空成形工程および熱溶着工程を行
なう。両工程は、図4および図5に示す成形装置15を
用いて行なうが、まず、成形装置15の構成および動作
について説明する。成形装置15は、下成形部16と上
成形部17とを備えている。下成形部16は、外枠18
と、この外枠18内に固定された成形型19とを備えて
おり、上記外枠18の底面と成形型19の下面とにより
囲まれた圧力室21を有している。圧力室21は、外枠
18の底中央部に形成された通気孔22を介して管路2
3に接続され、さらに管路23を通じて真空ポンプ(図
示省略)に接続されている。
【0018】上記成形型19は、表皮5の意匠面5aを
成形する成形面25を有している。また、成形型19
は、金属粉とセラミック粉を混合し、これを焼結した多
孔質体から形成されており、多孔質であることから、圧
力室21と成形面25との間で通気可能である。よっ
て、表皮5は、成形面25に設置した後、真空ポンプに
より吸引すると成形面25に吸引密着可能になってい
る。
【0019】一方、上成形部17は、外枠31と、この
外枠31に固定され、かつ支持面33を有する成形部3
5とを備えており、この成形部35には、通気用透孔3
6及び材料供給透孔37が複数個形成されている。上記
外枠31と成形部35とに囲まれた空間は、蒸気室39
になっており、この蒸気室39に、バルブ43付きの管
路45が接続されると共にバルブ47付きの管路49が
接続されている。管路45からの蒸気(熱媒体)は、バ
ルブ43→蒸気室39→成形部35の通気用透孔36→
基材2の窓部8→表皮5と基材2との間隙51を流れ、
該間隙51で一時停留した後に、上記窓部8→通気用透
孔36→蒸気室39→バルブ47→管路49の経路で流
れていく。なお、上成形部17には、表皮5と基材2と
の間の間隙51に発泡性樹脂ビーズMを供給するための
管路53が設けられている。
【0020】次に成形装置15を用いて、インストルメ
ントパネル1を製造する工程について説明する。まず、
予備加熱した表皮用シート5Aを下成形部16の成形型
19に設置する。このとき表皮用シート5Aを成形面2
5上に設置する。この状態にて、真空ポンプを駆動する
と、多孔質の成形型19を通じて表皮用シート5Aに対
して吸引力が加わって、表皮用シート5Aは、図4に示
すように、成形面25の形状に賦形されて表皮5とな
る。続いて、上成形部17の成形部35に、予め所定形
状に製造した基材2を仮止する。
【0021】次に、図5に示すように、上成形部17を
下降させて下成形部16に対して型締めする。この型締
めにより、基材2は上成形部17に密着した状態で固定
されると共に、表皮5の端部が下成形部16と上成形部
17との間の合わせ面16a,17aで固定される。こ
のとき、基材2は、表皮5に対して所定の間隙51(約
15mm)を隔てて設置される。つまり成形型19の成
形面25は、凹所に形成されているので、基材2を設置
したときに、所定の間隙51が形成される。
【0022】なお、図6に示すように、成形部35の多
数形成された通気用透孔36のうち、基材2の窓部8に
一致する通気用透孔36が間隙51への蒸気を供給する
通路となり、他の通気用透孔36が基材2によって封止
されている。
【0023】続いて、材料供給装置(図示省略)から管
路53及び基材2の窓部8を介して発泡性樹脂ビーズM
を上記間隙51に供給する。この発泡性樹脂ビーズM
は、発泡剤を含有するポリプロピレンから形成され、こ
れを11倍から45倍に発泡することにより平均粒径φ
3mmに形成されたものであり、ソフト感を備えてい
る。発泡性樹脂ビーズMの量は、上記間隙151を完全
に満たす量にて定められる。
【0024】発泡性樹脂ビーズMを供給した後、バルブ
43を開いて、管路45を通じて、蒸気を蒸気室39に
送り込む。この蒸気室39の蒸気は、成形部35の通気
用透孔36、基材2の窓部8を通じて間隙51に送り込
まれ、バルブ47が閉じているから該間隙51に一時停
留して発泡性樹脂ビーズMに熱を与える。上記間隙51
の蒸気は、バルブ47を開けることにより、窓部8、通
気用透孔36を抜けて、蒸気室39、管路49を通じて
排出される。蒸気により熱を与えられた発泡性樹脂ビー
ズMは、互いに熱溶着して発泡層3を形成する。このと
き、発泡層3は、基材2および表皮5と同じPPから形
成され、しかも、基材2は、発泡層3とほぼ同じ低い融
点の樹脂材料を含んでいるから、それらの接する部分に
て熱溶着して一体的なインストルメントパネル1とな
る。
【0025】上述したように発泡層3と基材2との熱溶
着性は、基材2の低融点の樹脂材料に依拠するところで
あるが、その低融点の樹脂材料を混合割合とその熱溶着
性についての実験を行なった。表1は高融点162℃の
樹脂材料と、低融点146℃の樹脂材料との混合割合を
変えて、それらの溶着状態および溶着性の良否を判定し
たものである。ここで、溶着状態は、両者の間に剥す方
向への力を加えて両者を引き離した場合の両界面の状態
から判定し、界面剥離の場合には、両界面が不十分な接
着状態を示し、界面破壊の場合には、両界面が融合して
接着した強度の高い接着状態を示している。判定は、界
面剥離に対して界面破壊が面積割合で30%未満の場合
には不良×、30%〜60%の範囲の場合にはほぼ良好
△、60%を越える場合には良好○とした。
【0026】表1から明かなように、試料No.1〜3
の低融点樹脂材料が5重量%以下の場合には不良であ
り、試料No.4〜7の低融点樹脂材料が多く含まれて
いるほど熱溶着性が優れていることが分かった。
【0027】
【表1】
【表2】
【0028】したがって、基材2に混合する樹脂材料と
して、低融点樹脂では、発泡性樹脂ビーズの発泡温度に
融点を有するもので選択し、一方、高融点樹脂材料で
は、基材2の強度や他の性質を加味してその基材2の本
来の機能を重視して選択することができる。よって、基
材2の樹脂材料の選択の幅が広がり、樹脂積層体を種々
の用途に用いることが可能となる。
【0029】また、基材2の内面2aは、平滑面で形成
されているから、発泡層3との熱溶着性もよい。つま
り、発泡性樹脂ビーズMが熱溶着して形成される発泡層
3の表面は凹凸であるから、基材2の内面2aを凹凸と
すると、両者の接触面積が減少して熱溶着性が低下する
からである。
【0030】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能であり、例えば次のよ
うな変形も可能である。
【0031】(1) 基材2の低融点の樹脂材料とし
て、発泡性樹脂ビーズMと同一の樹脂材料を用いてもよ
い。この場合に、低融点の樹脂材料は、発泡性樹脂ビー
ズMをそのまま用いたり、使用済みの発泡製品を粉砕し
てこれを用いてもよい。表2は高融点162℃の樹脂材
料に、発泡性樹脂ビーズMと同一の低融点146℃の樹
脂材料からなりかつ発泡体を粉砕したものを製造し、両
樹脂材料の割合を変えた各種の試料について熱溶着性を
調べた。表2の試料No.9から分かるように、低融点
の材料としての使用済みの粒子体は発泡性樹脂ビーズM
と同一の材料であるから、表1の場合より少ない低融点
樹脂材料の量(5重量%)でもほぼ良好な熱溶着性が得
られた。
【0032】(2) 上記実施例では、低融点と高融点
の樹脂材料を混合して製造した樹脂部材として基材2を
用いたが、発泡層と熱溶着するための樹脂部材であれば
如何なる用途の部材であってもよく、例えば、表皮5や
発泡層3内に一部または全部を埋設するインサート部材
等に適用することができる。
【0033】(3) 上記実施例では、インストルメン
トパネルの製造工程として、発泡性樹脂ビーズMを熱溶
着させつつ基材2および表皮5も熱溶着するようにした
が、これに限らず、他の方法であってもよい。例えば、
発泡性樹脂ビーズを予め発泡した発泡層と、低融点と高
融点の2種類の樹脂材料を含む表皮とを準備し、表皮を
予熱して発泡層に重ね合わせ、表皮を真空吸引させるこ
とにより両部材を熱溶着してもよい。また、基材を融点
の異なる2種類の樹脂材料から形成した場合には、基材
と発泡層とを低圧プレスすることにより熱溶着してもよ
い。
【0034】(4) 基材2のオレフィン系樹脂材料と
しては、ポリプロピレン系の他に、ポリエチレン等から
なるソリッド樹脂を用いることができる。また、上記実
施例では、同一材料(PP)による低融点および高融点
の各樹脂材料を用いたが、同じ系統の材料であれば異な
った種類の樹脂材料であればよい。例えば、PPの高融
点材料に低融点のポリエチレン(PE)を混合してもよ
い。この場合において、PPにPEを混合した場合に
は、PEはPPより融点が低いものを製造しやすいの
で、僅かに混合するだけ熱溶着性に優れ、しかも、高融
点のPPの量の割合を多くできるので、基材2の強度を
高めることができる。さらに、混合する融点の異なる樹
脂材料としては、上記実施例では2種類の場合について
説明したが、これに限定されず、他の用途や機能を付加
すべく3種類の樹脂材料を混合してもよい。
【0035】(5) 発泡層3のオレフィン系樹脂材料
としては、ポリプロピレン系の発泡性樹脂ビーズの他
に、例えば、ポリエチレン系の発泡製樹脂ビーズを用い
ることができる。なお、発泡層3をクッション層とする
場合には、発泡性樹脂ビーズの粒径として、1mm〜5
mm程度が好ましく、特に2.5mm〜4mmが望まし
い。
【0036】(6) 表皮5のオレフィン系樹脂材料と
しては、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、SEBS
系(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック
共重合体)等を適用することができる。
【0037】(7) 上記実施例のように表皮及び基材
を成形型に設置した後に樹脂ビーズを供給する順序の他
に、表皮上に発泡性樹脂ビーズを堆積させ、その後に基
材で封止する順序や、上記基材上に発泡性樹脂ビーズを
堆積させ、これに表皮で封止する順序などの工程を採る
ことができる。
【0038】(8) 上記実施例では、車両用内装部材
として、インストルメントパネルを用いたが、これに限
らず各種の部材に用いることができるのは勿論である。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、樹
脂部材を第1樹脂材料と、第1樹脂材料より融点の低い
第2樹脂材料から形成することにより、第1樹脂材料か
ら形成される部分が融点の高い性質から樹脂部材に強度
の高い性質を与え、第2樹脂材料の融点の低い性質から
樹脂部材に発泡層との熱溶着性に優れた性質を与える。
したがって、本発明の方法によれば、優れた強度を備え
ると共に発泡層と強固に熱溶着した樹脂積層体を提供す
ることができる。
【0040】また、請求項2の発明によれば、第2樹脂
材料に、発泡層を形成する発泡性樹脂ビーズと熱溶着す
る性質を有するオレフィン系の樹脂材料でありかつ発泡
性樹脂ビーズの発泡温度に融点を有する樹脂材料を用い
ているから、樹脂部材をより一層発泡層と強固に熱溶着
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂成形方法により製造した車両用内
装部材を示す外観図である。
【図2】本発明の樹脂成形方法により製造した車両用内
装部材を示す断面図である。
【図3】熱溶着性樹脂フィルムを表皮用シートで予熱し
ている工程を示す説明図である。
【図4】同実施例に係る成形装置における型締め前の状
態を示す断面図である。
【図5】同実施例に係る成形装置における発泡性樹脂ビ
ーズを充填している状態を示す断面図である。
【図6】図5の要部を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1…インストルメントパネル 2…基材 2a…内面 3…発泡層 5…表皮 5A…表皮用シート 5a…意匠面 8…窓部 12…加熱装置 12a…上部ヒータ 12b…下部ヒータ 12c…加熱室 13…クランプ 15…成形装置 16…下成形部 16a,17a…合わせ面 17…上成形部 18…外枠 19…成形型 21…圧力室 22…通気孔 23…管路 25…成形面 31…外枠 33…支持面 35…成形部 36…通気用透孔 37…材料供給透孔 39…蒸気室 43…バルブ 45…管路 49…管路 51…間隙 53…管路 M…発泡性樹脂ビーズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−344227(JP,A) 特開 昭60−208233(JP,A) 特開 平5−147121(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 44/00 - 44/60 B29C 51/12 B32B 5/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂部材と発泡層とを熱溶着することに
    より樹脂積層体を製造する樹脂積層体の製造方法におい
    て、オレフィン系の第1樹脂材料と、上記第1樹脂材料と混
    合する性質を有しかつ該第1樹脂材料より融点の低いオ
    レフィン系の第2樹脂材料とを 混合して成形された樹脂
    部材を準備する工程と、 上記第2樹脂材料と熱溶着する性質を有するオレフィン
    系の樹脂材料からなる発泡層を形成し、上記樹脂部材に
    熱溶着させる工程と、 を備えることを特徴とする樹脂積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記樹脂部材の第2樹脂材料は、発泡層
    を形成する発泡性樹脂ビーズと熱溶着する性質を有する
    オレフィン系の樹脂材料でありかつ発泡性樹脂ビーズの
    発泡温度に融点を有する樹脂材料からなり、該発泡性樹
    脂ビーズを熱溶着させつつ発泡層を形成する工程を備え
    た請求項1に記載の樹脂積層体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007100135A1 (ja) 2006-03-03 2007-09-07 Dipsol Chemicals Co., Ltd. 亜鉛又は亜鉛合金上に黒色の3価クロム化成皮膜を形成するための処理水溶液及び黒色3価クロム化成皮膜の形成方法

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