JP3376196B2 - 真空精錬装置及びその運転方法 - Google Patents

真空精錬装置及びその運転方法

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JP3376196B2
JP3376196B2 JP34573995A JP34573995A JP3376196B2 JP 3376196 B2 JP3376196 B2 JP 3376196B2 JP 34573995 A JP34573995 A JP 34573995A JP 34573995 A JP34573995 A JP 34573995A JP 3376196 B2 JP3376196 B2 JP 3376196B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は真空精錬装置及びそ
の運転方法に関し、例えば、溶鋼の脱ガス処理や合金添
加処理等の真空精錬を連続操業で行う場合に適用して特
に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、溶鋼中の水素、酸素、窒素等のガ
ス成分や溶鋼中の炭素を除去する方法として、減圧下で
溶鋼を処理する真空精錬法が用いられている。また、そ
の真空精錬時に、溶鋼の成分調整のための合金添加処理
が行われるのが一般的である。
【0003】図8に、環流式真空脱ガス法又は循環脱ガ
ス法と呼ばれるRH真空精錬法を実施するための従来の
装置を示す。
【0004】このRH真空精錬法では、図示の如く、2
本の浸漬管10a、10bを備えた真空槽10を用い、
この真空槽10の2本の浸漬管10a、10bを取鍋1
1内の溶鋼12に浸漬する。そして、真空槽10の内部
を真空排気し、浸漬管10a、10bを介して真空槽1
0内を循環する溶鋼の脱ガスを行う。
【0005】真空槽10は、ガスクーラー14及び連結
ダクト15を介して排気ポンプに接続している。排気ポ
ンプは、一般に、多段エジェクターを備えたスチーム・
エジェクター・ポンプで構成される。
【0006】本例の場合には、連結ダクト15が3段の
ブースター1B〜3Bを介してコンデンサー1Cに接続
され、コンデンサー1Cとコンデンサー2Cとの間に遮
断弁である吸入弁4EVを介してエジェクター4Eが設
けられている。また、コンデンサー2Cとコンデンサー
3Cとの間には、並列に2本のエジェクター5EA 、5
B が設けられ、エジェクター5EB に吸入弁5EVB
が設けられている。エジェクター5EA には吸入弁が設
けられていない。更に、コンデンサー3Cとアフター・
コンデンサーAC1 との間には、やはり並列に2本のエ
ジェクター6EA 、6EB が吸入弁6EVA 、6EVB
を夫々介して設けられている。更に、コンデンサー1C
とアフター・コンデンサーAC2 との間に吸入弁SEV
を介してスターティング・エジェクターSEが設けられ
ている。コンデンサー1C〜3C及びアフター・コンデ
ンサーAC1 、AC2 で凝縮された水蒸気はシールタン
クSLTに集められる。
【0007】次に、この真空精錬装置の運転方法を説明
する。
【0008】まず、真空槽10の浸漬管10a、10b
を溶鋼12に浸漬した後、排気ポンプを駆動して、真空
槽10の内部を排気する。この時、図示は省略したが、
浸漬管10a、10bの一方にアルゴンガスを導入し、
エアー・リフト・ポンプの原理によって溶鋼を吸い上げ
る。これにより、溶鋼は真空槽10の内部に流入飛散
し、脱ガスされた後、他方の浸漬管から自重により排出
される。
【0009】排気ポンプの駆動方法は、まず、大気圧7
60Torrから180Torrの間は、スターティング・エジ
ェクターSEとエジェクター6EA 、6EB のみを作動
させ、真空度が180Torrになった時に、吸入弁SEV
を閉じてスターティング・エジェクターSEを停止し、
新たにエジェクター5EA 、5EB を作動させる。そし
て、真空度が115Torrになった時に、エジェクター4
Eを作動させ、更に、真空度が55Torrになった時に、
エジェクター5EB 、6EB を停止し、ブースター3B
を作動させる。この時、エジェクター5EB の吸入弁5
EVB は閉じるが、エジェクター6EB の吸入弁6EV
B は開けたままとする。更に、真空度が5Torrになった
時に、ブースター2Bを作動させ、真空度が2Torrにな
った時に、ブースター1Bを作動させる。
【0010】以上に説明したのはRH真空精錬法の場合
であるが、真空精錬法には、この他に、1本の浸漬管を
備えた真空槽を上下動させながら真空精錬を行うDH真
空精錬法や、取鍋全体を真空槽の中に入れて真空精錬を
行う取鍋真空精錬法が良く知られている。これらの真空
精錬法でも、排気系は、上述した例とほぼ同様の構成で
ある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明したような
従来の真空精錬装置では、連続操業時の2回目以降の真
空精錬においても、その2回目以降の真空精錬の開始時
に改めて大気圧から真空槽と排気系とを同時に排気する
構成であるため、真空槽内が脱ガスや脱炭に特に有効な
例えば10Torr以下の真空度に達するまでの時間が比較
的長く、その結果、脱ガスや脱炭の効率が悪かった。
【0012】そこで、本発明の目的は、連続操業時の2
回目以降の真空精錬において、真空槽内を比較的短時間
で所望の高真空にすることができて脱ガスや脱炭の効率
の良い真空精錬装置及びその運転方法を提供することで
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
本発明の真空精錬装置は、真空槽と、排気ポンプと、前
記排気ポンプを前記真空槽に連結する連結ダクトと、前
記連結ダクトと前記真空槽との間に設けられた第1の遮
断弁と、前記連結ダクトに接続された所定の内容積を有
する予備タンクと、前記予備タンクと前記連結ダクトと
の間に設けられた第2の遮断弁と、前記排気ポンプのう
ちの一つのエジェクターと、前記第1の遮断弁と前記真
空槽との間の前記連結ダクトとを接続する排気用バイパ
ス管と、前記排気用バイパス管の所定部位に設けられた
第3の遮断弁とを含む。
【0014】また、本発明の真空精錬装置の運転方法
は、前記第1の遮断弁を閉じ、前記第2の遮断弁を開い
た状態で、前記排気ポンプを駆動して、前記第1の遮断
弁よりも前記排気ポンプ側の排気系及び前記予備タンク
内を排気する第1のステップと、前記第3の遮断弁を開
き、前記排気系及び前記真空槽内を同時に並行して排気
する第2のステップと、前記第3の遮断弁を閉じて前記
エジェクターを停止し、前記真空槽と前記排気系及び前
記予備タンクとの均圧処理を行う第3のステップと、前
記第1の遮断弁を開き、前記第2の遮断弁を閉じて、前
記真空槽及び前記排気系を同時に排気する第4のステッ
プと、前記第2の遮断弁を開き、前記予備タンク内が所
定の圧力以下になった時点で、前記第2の遮断弁を閉じ
る第5のステップと、前記第1の遮断弁を閉じ、前記排
気ポンプの駆動を停止させる第6のステップと、前記第
2の遮断弁を開き、前記排気系及び前記予備タンク内を
真空保持する第7のステップとを含む。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を好ましい実施の形
態に従い具体的に説明する。
【0016】図1に、本発明の第1の実施の形態による
真空精錬装置を示す。
【0017】図1に示すように、この第1の実施の形態
においては、図8に示したと同様のRH真空精錬法を実
施するための真空槽10に接続されたガスクーラー14
と連結ダクト15との間に排気遮断弁ボックス16が設
けられている。この排気遮断弁ボックス16の中には排
気遮断弁17が設けられ、この排気遮断弁17により連
結ダクト15が排気遮断弁ボックス16の内部から遮断
されるようになっている。連結ダクト15と排気遮断弁
ボックス16の内部とは均圧用バイパス管18で互いに
連絡しており、この均圧用バイパス管18に遮断弁であ
る均圧弁19が設けられている。
【0018】また、連結ダトク15に、予備タンク遮断
弁31を介して予備タンク30が接続されている。
【0019】更に、真空槽10とガスクーラー14との
間に、真空槽10を大気圧に復圧するための復圧用エア
ーリーク弁13が設けられている。また、真空槽10に
は槽内真空計21が設けられ、排気ポンプのブースター
1Bの直前の連結ダクト15にはブースター前真空計2
2が設けられている。
【0020】その他の構成は、図8に示した従来の装置
と同様であり、図8に示した装置と対応する部分には同
一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0021】次に、この第1の実施の形態による真空精
錬装置の運転方法を図2のフローチャートに従い説明す
る。
【0022】まず、ステップS1において、真空槽10
の浸漬管10a、10bを溶鋼12に浸漬する。
【0023】次に、ステップS2において、真空精錬を
開始する前に、排気ポンプの吸入弁SEV、4EV、5
EVB 、6EVA 、6EVB を夫々開にし、予備タンク
遮断弁31が開いた状態及び排気遮断弁17及び均圧弁
19が夫々閉じた状態で、排気ポンプを駆動する。これ
により、排気遮断弁17より排気ポンプ側の排気系(及
び予備タンク30)が事前排気されるが、その際、ブー
スター前真空計22により検出される真空度に応じて、
上述した従来の場合と同様、排気ポンプの作動させるエ
ジェクターを適宜変更する。
【0024】次に、ステップS3において、ブースター
前真空計22により、ブースター1Bの直前の真空度が
10Torr以下になったか否かを検出し、10Torr以下に
なった時点で、次のステップS4に進む。
【0025】ステップS4では、均圧弁18を開き、排
気系と真空槽10との均圧処理を開始する。そして、こ
の時に、真空槽10における真空精錬を開始し、溶鋼1
2の脱ガス及び脱炭を行う。
【0026】次のステップS5では、真空槽10と排気
系との圧力差が50Torr以下になったか否かを検出し、
圧力差が50Torr以下になった時点で、次のステップS
6に進む。
【0027】ステップS6では、排気遮断弁17を開
き、また、予備タンク遮断弁31を閉じて、排気系と真
空槽10とを排気する。この時、予備タンク30を排気
系から切り離すことにより、排気系と真空槽10とが効
率良く排気される。
【0028】次のステップS7では、例えば、真空精錬
の最終段階で通常行われる溶鋼の合金調整時に予備タン
ク遮断弁31を開き、予備タンク30内を真空排気す
る。
【0029】次に、ステップS8において、予備タンク
30内の圧力が5Torr以下になったか否かを検出し、5
Torr以下になった時点で次のステップS9に進む。この
検出はブースター前真空計22を用いて行うことができ
るが、予備タンク30に別の真空計を設けて行っても良
い。
【0030】次のステップS9では、予備タンク遮断弁
31を閉じ、予備タンク30を排気系から一旦切り離し
て真空保持する。
【0031】そして、次のステップS10で、均圧弁1
8及び排気遮断弁17を夫々閉じ、排気系を真空保持し
た状態で排気ポンプを停止して、合金調整を含む真空精
錬を終了する。
【0032】次に、ステップS11で、予備タンク遮断
弁31を開いて予備タンク30を排気系に連通させ、排
気系と予備タンク30とを真空保持した状態で次の真空
精錬に備える。
【0033】そして、2回目以降の真空精錬では、上述
したステップS1〜S11を繰り返す。
【0034】この第1の実施の形態の構成によれば、比
較的内容積の大きな予備タンク30を排気系に連通させ
た状態で次の真空精錬まで排気系を真空保持するので、
2回目以降の真空精錬においては、排気系の真空度がか
なり高い状態から排気を始められ、従って、排気の時間
を大幅に短縮することができる。また、排気系と真空槽
10との均圧処理の際、排気系に比較的内容積の大きな
予備タンク30が連通しているために、排気系側の内容
積が大きくなって、真空槽10を含む全体の真空度をか
なり下げることができる。これらの目的のためには、予
備タンク30の内容積は、少なくとも排気系の70%程
度あれば良い。
【0035】図3に、上に説明した運転による装置内で
の真空度の変化を示す。
【0036】この図3は2回目以降の真空精錬の場合を
示しており、上述したステップS2に相当するの時点
での排気系の真空度が大気圧(760Torr)よりかなり
低くなっている。即ち、1回目の真空精錬時には、この
の段階は大気圧(760Torr)から始まるが、2回目
以降は、その前の回の真空精錬操業時に、排気系と予備
タンク30を高真空に保持した状態で処理を終了するの
で、2回目以降は、真空度がかなり高い状態から排気を
始めることができる。
【0037】の段階は、排気ポンプによって排気系と
予備タンク30を排気する工程で、の段階、即ち、排
気系の真空度が10Torr以下になった時点で、排気系と
真空槽10との均圧処理を開始する。また、この時に真
空精錬を開始する。そして、の段階(図では約110
Torr)で均圧処理が終了し、以後は、一旦予備タンク3
0を切り離した状態で排気系と真空槽10のみを排気ポ
ンプで排気しながら真空精錬を続行する。そして、図に
は示していないが、真空精錬の最終段階(真空度が5To
rr以下)で、予備タンク30を排気系に連通させて、予
備タンク30内を5Torr以下にした後、その回の真空精
錬を終了する。そして、次の回の真空精錬まで、排気系
と予備タンク30を真空保持する。
【0038】この図3に、図8において説明した従来の
真空精錬装置の運転時間と真空度との関係を併せて示す
が、従来の場合は、連続操業時の2回目以降において
も、1回目と同様、真空精錬の開始とほぼ同時に、大気
圧(760Torr)から排気系と真空槽10とを排気す
る。この図3から分かるように、本発明の第1の実施の
形態による真空精錬装置及びその運転方法によれば、従
来と比較して、特に、2回目以降の操業時に、真空槽1
0内が例えば10Torr以下の所望の真空度に達するまで
の時間が大幅に短縮されている。即ち、真空槽10内が
所望の真空度に達するまでの時間は、排気系と予備タン
ク30を事前排気するの段階から計っても大幅に短縮
されている。従って、本発明の第1の実施の形態によれ
ば、連続操業の際の効率が良くなる。
【0039】図4に、真空精錬による溶鋼中の炭素濃度
の経時変化を示す。この図4において、横軸は処理時間
(分)、縦軸は炭素濃度(ppm)を夫々示す。この図
4から分かるように、○で示す本発明の第1の実施の形
態による真空精錬では、実線で示す従来の真空精錬に比
べて、炭素濃度が急激に低下し、且つ、より低いレベル
にまで達している。即ち、本発明の構成により、短時間
での極低炭素鋼の安定溶製の可能なことが分かる。
【0040】以上に説明した本発明の第1の実施の形態
によれば、主として連結ダクト15からなる排気系と真
空槽10との間に排気遮断弁17を設け、且つ、比較的
内容積の大きな予備タンク30を予備タンク遮断弁31
を介して連結ダクト15に接続し、連続操業の各回にお
いて、排気系と予備タンク30を高真空に保持した状態
で真空精錬処理を終了するので、次の回の真空精錬時
に、真空槽10内を従来よりも短時間で例えば10Torr
以下の所望の真空度にすることができ、脱ガス及び脱炭
の効率を向上させることができて、例えば、短時間での
極低炭素鋼の安定溶製が可能となる。
【0041】なお、上述した第1の実施の形態において
は、均圧用バイパス管18と均圧弁19を設け、これら
によって排気系と真空槽10とを或る程度均圧化してか
ら排気遮断弁17を開くようにしたが、均圧用バイパス
管18及び均圧弁19を設けず、排気系と真空槽10と
の差圧が大きな状態で排気遮断弁17を開くようにして
も良い。その場合には、排気遮断弁17として、大きな
推力を持った遮断弁装置が必要となるため、排気遮断弁
17の設備費は高くなるが、比較的細径の均圧用バイパ
ス管18を通じての均圧処理を行わない分、処理時間を
短縮することができる。
【0042】図5に、本発明の第2の実施の形態による
真空精錬装置を示す。
【0043】図5に示すように、この第2の実施の形態
においては、排気ポンプのスターティング・エジェクタ
ーSEと排気遮断弁ボックス16との間に排気用バイパ
ス管20が設けられている。この排気用バイパス管20
には、2か所に遮断弁である吸入弁SEV2 、SEV3
が設けられ、排気ポンプのコンデンサー1Cとスターテ
ィング・エジェクターSEとの間に遮断弁である吸入弁
SEV1 が設けられている。
【0044】それ以外は、図1で説明した第1の実施の
形態による真空精錬装置と同じ構成である。従って、上
述した第1の実施の形態による真空精錬装置と対応する
部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略す
る。
【0045】次に、この第2の実施の形態による真空精
錬装置の運転方法を図6のフローチャートに従い説明す
る。
【0046】まず、ステップS1において、真空槽10
の浸漬管10a、10bを溶鋼12に浸漬する。
【0047】次に、ステップS2において、真空精錬を
開始する前に、吸入弁SEV1 、4EV、5EVB 、6
EVA 、6EVB を夫々開き、排気遮断弁17、均圧弁
19及び吸入弁SEV2 、SEV3 を夫々閉じた状態
で、スターティング・エジェクターSE及びエジェクタ
ー6EA 、6EB を夫々作動させ、排気遮断弁17より
排気ポンプ側の排気系(予備タンク30を含む)のみを
事前排気する。
【0048】次に、ステップS3において、ブースター
前真空計22により、ブースター1Bの直前の真空度が
180Torr以下になったか否かを検出し、180Torr以
下になった時点で、次のステップS4に進む。
【0049】ステップS4では、吸入弁SEV1 を閉
じ、吸入弁SEV2 、SEV3 を夫々開く。また、エジ
ェクター5EA 、5EB を夫々作動させる。これによ
り、排気遮断弁17より排気ポンプ側の排気系(予備タ
ンク30を含む)と真空槽10とが並行して排気され
る。即ち、真空槽10がスターティング・エジェクター
SEにより排気用バイパス管20を介して排気され、一
方、排気系(予備タンク30を含む)がエジェクター5
A 、5EB 、6EA 、6EB により連結ダクト15を
介して排気される。そして、この時、真空精錬が開始さ
れ、溶鋼の脱ガス及び脱炭が行われる。
【0050】次に、ステップS5において、槽内真空計
21により、真空槽10内の真空度が180Torr以下に
なったか否かを検出し、180Torr以下になった時点
で、次のステップS6に進む。
【0051】ステップS6では、吸入弁SEV2 、SE
3 を夫々閉じ、スターティング・エジェクターSEを
停止する。次いで、ステップS7において、均圧弁18
を開き、吸入弁4EVを閉じて、真空槽10と排気系
(予備タンク30を含む)との均圧処理を開始する。
【0052】次のステップS8では、真空槽10と排気
系(予備タンク30を含む)との圧力差が50Torr以下
になったか否かを検出し、圧力差が50Torr以下になっ
た時点で、次のステップS9に進む。
【0053】ステップS9では、排気遮断弁17を開く
とともに、予備タンク遮断弁31を閉じて、予備タンク
30を排気系から切り離す。また、吸入弁4EVを開に
し、エジェクター4Eを作動させる。これにより、真空
槽10と排気系(予備タンク30を含まず)とがエジェ
クター4E、5EA 、5EB 、6EA 、6EB により連
結ダクト15を介して同時に排気される。
【0054】そして、この状態で、図8で説明した従来
の場合とほぼ同様に真空精錬を続行する。即ち、図6の
フローチャートではステップの図示を省略したが、真空
度が55Torrになった時点で、エジェクター5EB 、6
B を停止し、ブースター3Bを作動させる。この時、
エジェクター5EB の吸入弁5EVB は閉じるが、エジ
ェクター6EB の吸入弁6EVB は開けたままとする。
更に、真空度が5Torrになった時点で、ブースター2B
を作動させ、真空度が2Torrになった時に、ブースター
1Bを作動させる。
【0055】そして、次のステップS10において、例
えば、真空精錬の最終段階で通常行われる溶鋼の合金調
整時に、予備タンク30内の圧力調整を行う。このステ
ップS10は、図2のフローチャートで説明したステッ
プS7〜S9と同じ処理である。即ち、まず、予備タン
ク遮断弁31を開いて、予備タンク30内を真空排気
し、予備タンク30内の圧力が5Torr以下になった時点
で、予備タンク遮断弁31を閉じ、予備タンク30を排
気系から切り離して真空保持する。
【0056】そして、次のステップS11で、均圧弁1
8及び排気遮断弁17を夫々閉じ、排気系を真空保持し
た状態で排気ポンプを停止して、合金調整を含む真空精
錬を終了する。
【0057】次いで、ステップS12において、予備タ
ンク遮断弁31を開き、予備タンク30と排気系とを真
空保持した状態で次の真空精錬に備える。
【0058】そして、2回目以降の真空精錬では、上述
したステップS1〜S12を繰り返す。
【0059】以上に説明した本発明の第2の実施の形態
においては、図5に示すように、排気用バイパス管20
により排気遮断弁ボックス16と排気ポンプのスターテ
ィング・エジェクターSEとを直接連結している。そし
て、真空精錬開始前に、排気系(予備タンク30を含
む)のみを事前排気し、排気系が所定の真空度に達した
時点で、通常は停止するスターティング・エジェクター
SEを用いて排気系とは別に真空槽10を直接排気す
る。即ち、排気系と真空槽10とを並行して排気する。
更に、真空槽10が所定の真空度に達した時点で、連結
ダクト15と排気遮断弁ボックス16との間に設けた均
圧弁19を介し、排気系(予備タンク30を含む)と真
空槽10とを均圧化する。しかる後、排気遮断弁17を
開け、予備タンク遮断弁31を閉じて、排気系(予備タ
ンク30は含まず)と真空槽10とを同時に排気する。
【0060】図7に、この第2の実施の形態による装置
内での真空度の変化を示す。
【0061】この図7は2回目以降の真空精錬の場合を
示しており、図6のステップS2に相当するの段階の
開始時点での排気系の真空度が大気圧(760Torr)よ
りかなり低くなっている。即ち、1回目の真空精錬時に
は、このの段階は大気圧(760Torr)から始まる
が、2回目以降は、その前の回の真空精錬操業時に、排
気系と予備タンク30を高真空に保持した状態で処理を
終了するので、2回目以降は、で示すように、排気系
の真空度がかなり高い状態から排気を始めることができ
る。
【0062】そして、の段階では、真空精錬開始前に
排気系(予備タンク30を含む)のみを事前排気し、排
気系の真空度が180Torrに達した時点で、の段階に
移る。の段階では、排気系(予備タンク30を含む)
と真空槽10とを並行して排気するとともに、真空精錬
を開始する。そして、真空槽10の真空度が180Torr
に達した時点で、の段階に移り、排気系(予備タンク
30を含む)と真空槽10とを均圧化する。の時点で
均圧化が達成された後は、予備タンク30を排気系から
切り離して、排気系(予備タンク30を含まず)と真空
槽10とを同時に排気しながら真空精錬を続行する。そ
して、図には示していないが、真空精錬の最終段階(真
空度が5Torr以下)で、予備タンク30を再び排気系に
連通させ、予備タンク30内を5Torr以下にした後、そ
の回の真空精錬を終了する。そして、次の回の真空精錬
まで、排気系と予備タンク30とを互いに連通させた状
態で真空保持する。
【0063】この図7にも、図8において説明した従来
の真空精錬装置の運転時間と真空度との関係を併せて示
すが、この本発明の第2の実施の形態による真空精錬装
置及びその運転方法においても、従来と比較して、特
に、2回目以降の操業時に、例えば10Torr以下の所望
の真空度に達するまでの時間が大幅に短縮されている。
また、この本発明の第2の実施の形態においては、上述
した第1の実施の形態と比較して、予備タンク30を含
む排気系を事前排気する時間が大幅に短縮されている。
従って、全体の操業時間をより短縮することができる。
【0064】なお、この第2の実施の形態においても、
均圧用バイパス管18及び均圧弁19を設けず、排気系
と真空槽10との差圧が大きな状態で排気遮断弁17を
開くようにして良い。その場合には、排気遮断弁17と
して、大きな推力を持った遮断弁装置が必要となるた
め、排気遮断弁17の設備費は高くなるが、比較的細径
の均圧用バイパス管18を通じての均圧処理を行わない
分、処理時間を短縮することができる。
【0065】以上、本発明をRH真空精錬法に適用した
例を説明したが、本発明は、DH真空精錬法や取鍋真空
精錬法の場合にも殆ど同様にして適用が可能である。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、特に、連続操業の2回
目以降の真空精錬時に、真空槽を所望の真空度にするま
での時間が従来よりも短縮し、従って、脱ガスや脱炭等
の真空精錬の効率及び能力が向上する。更に、エジェク
ターと第1の遮断弁と真空槽との間の連結ダクトとを接
続する排気用バイパス管及び当該バイパス管に第3の遮
断弁を設けることにより、排気系が所定の真空度に達し
た時点でも、排気系の排気を継続しつつエジェクターを
活用して真空槽を排気し、即ち排気系及び真空槽の2系
列の排気を並行して行うことができ、真空度にするまで
の時間を更に短縮させ、更に効率の良い真空精錬が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による真空精錬装置
の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による真空精錬装置
の運転方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態による真空精錬装置
及び従来の運転時間と真空度との関係を示すグラフであ
る。
【図4】本発明及び従来の脱ガス処理における溶鋼中の
炭素濃度変化を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の実施の形態による真空精錬装置
の構成を示す概略図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による真空精錬装置
の運転方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態による真空精錬装置
及び従来の運転時間と真空度との関係を示すグラフであ
る。
【図8】従来の真空精錬装置の構成を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
10 真空槽 11 取鍋 12 溶鋼 13 復圧用エアーリーク弁 14 ガスクーラー 15 連結ダクト 16 排気遮断弁ボックス 17 排気遮断弁 18 均圧用バイパス管 19 均圧弁 20 排気用バイパス管 21 槽内真空計 22 ブースター前真空計 30 予備タンク 31 予備タンク遮断弁 1B〜3B ブースター 4E、5EA 、5EB 、6EA 、6EB エジェクター SE スターティング・エジェクター 4EV、5EVB 、6EVA 、6EVB 、SEV1 〜S
EV3 吸入弁 1C〜3C コンデンサー AC1 、AC2 アフター・コンデンサー SLT シールタンク
フロントページの続き (72)発明者 田中 選一 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社 君津製鐵所内 (72)発明者 武谷 利広 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社 君津製鐵所内 (72)発明者 新沼 茂 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社 君津製鐵所内 (72)発明者 富田 健司 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社 君津製鐵所内 (72)発明者 相田 英二 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社 君津製鐵所内 (56)参考文献 特開 平7−278645(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 7/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空槽と、 排気ポンプと、 前記排気ポンプを前記真空槽に連結する連結ダクトと、 前記連結ダクトと前記真空槽との間に設けられた第1の
    遮断弁と、 前記連結ダクトに接続された所定の内容積を有する予備
    タンクと、 前記予備タンクと前記連結ダクトとの間に設けられた第
    2の遮断弁と、 前記排気ポンプのうちの一つのエジェクターと、前記第
    1の遮断弁と前記真空槽との間の前記連結ダクトとを接
    続する排気用バイパス管と、 前記排気用バイパス管の所定部位に設けられた第3の遮
    断弁とを含むことを特徴とする真空精錬装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の真空精錬装置の運転方
    法であって、 前記第1の遮断弁を閉じ、前記第2の遮断弁を開いた状
    態で、前記排気ポンプを駆動して、前記第1の遮断弁よ
    りも前記排気ポンプ側の排気系及び前記予備タンク内を
    排気する第1のステップと、 前記第3の遮断弁を開き、前記排気系及び前記真空槽内
    を同時に並行して排気する第2のステップと、 前記第3の遮断弁を閉じて前記エジェクターを停止し、
    前記真空槽と前記排気系及び前記予備タンクとの均圧処
    理を行う第3のステップと、 前記第1の遮断弁を開き、前記第2の遮断弁を閉じて、
    前記真空槽及び前記排気系を同時に排気する第4のステ
    ップと、 前記第2の遮断弁を開き、前記予備タンク内が所定の圧
    力以下になった時点で、前記第2の遮断弁を閉じる第5
    のステップと、 前記第1の遮断弁を閉じ、前記排気ポンプの駆動を停止
    させる第6のステップと、 前記第2の遮断弁を開き、前記排気系及び前記予備タン
    ク内を真空保持する第7のステップとを含むことを特徴
    とする真空精錬装置の運転方法。
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