JP3373902B2 - スピーカー用複合ケーブル - Google Patents
スピーカー用複合ケーブルInfo
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Description
プとスピーカーを接続するスピーカー用ケーブルに関
し、特にスピーカーをバイワイヤリング法でドライブす
るのに使用するスピーカー用複合ケーブルの改良に関す
るものである。 【0002】 【従来の技術】バイワイヤリング法は、図4に示すよう
にアンプAと低音域用スピーカーS1を第一の絶縁心線
対C1 で接続し、アンプAと高音域用スピーカーS2 を
第二の絶縁心線対C2 で接続してスピーカーをドライブ
する方式である(実公昭58−11111号公報)。な
おSBはスピーカーボックスである。 【0003】バイワイヤリング法に用いる従来のスピー
カー用複合ケーブルは、第一の絶縁心線対C1 と第二の
絶縁心線対C2 に、同じ材質、同じ構造の絶縁心線対を
使用している。また最近、バイワイヤリング専用の複合
ケーブルも提案されている(特願平3−50145
号)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来使用されているス
ピーカー用複合ケーブルは、低音域、高音域に合った導
体材質の検討がなされていないので、まだ音質に改良の
余地が残されている。また特願平3−50145号で提
案されている複合ケーブルは、低音域と高音域の境界で
あるクロスオーバー周波数付近での音のつながりに違和
感をなくし、音域を広げる等の効果があるが、低音域、
高音域で必ずしも好ましい音色が得られるとは限らな
い。 【0005】本発明の目的は、低音域、高音域に合った
導体の材質を検討し、さらに音質の優れたスピーカー用
複合ケーブルを提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段とその作用】導体の材質に
よる音質傾向を評価するため、次に示す各種の銅線を用
いてそれぞれ図1の構造のスピーカー用ケーブルを試作
し、比較試聴をした。 6N−OFC(A):高純度(99.9999 %)無酸素
銅線(軟銅線) OFC(A) :無酸素銅線(軟銅線) TPC(A) :タフピッチ銅線(軟銅線) OFC(H) :無酸素銅線(硬銅線) Sn入り銅(H) :0.15%錫入り銅合金線(硬銅
線) GC−OFC(H):過焼鈍無酸素銅線(硬銅線) PCOCC(H) :加熱鋳型鋳造法による無酸素
銅線(硬銅線) 【0007】図1のケーブル構造は、0.18mmφの銅
素線80本を同心撚りした撚線導体1に、厚さ0.5mm
の絶縁体2を被覆して絶縁心線3とし、この絶縁心線3
を2本、介在4と共に対撚りして、さらに厚さ約1mmの
ポリ塩化ビニルシース5を被覆したものである。撚線導
体1には〜の銅素線を使用し、絶縁体2には各ケー
ブルともポリプロピレンを使用して、7種類のケーブル
を試作した。 【0008】試聴の判定基準は、例えばオーケストラの
奏でる曲では、各楽器の音がクリアーに明快に分離して
聞こえるかどうか、この解像度を主眼にした。この理由
は高音域の音には解像度が不可欠であり、これが損なわ
れると音質全体がぼけてしまう傾向があるからである。
また低音域の判定は、ほぼ500Hz以下の音の音量の
多少を充実感として評価した。試作した7種類のケーブ
ルの試聴結果は表1のとおりであった。 【0009】 【表1】 【0010】表1における結晶粒の長さとは、結晶粒の
素線長手方向の平均長である。ただしGC−OFC
(H)とPCOCC(H)は結晶粒の長さが長すぎて測
定できないので、線引前の母材の結晶粒の大きさから推
定した理論値である。音質傾向の記号は次のとおりであ
る。 □:解像度より低音の充実感が優先する音 △:中程度の解像度の音 ◎:きわめて良好な解像度の音 【0011】また結晶粒の素線長手方向の平均長の素線
径に対する倍率と、音質傾向との関係をグラフに表すと
図2のとおりである。以上の結果によると、低音域用に
は結晶粒の素線長手方向の平均長が素線径の300倍以
下の銅素線が適しており、高音域用には結晶粒の素線長
手方向の平均長が素線径の350倍以上の銅素線が適し
ていることが分かる。 【0012】そこで本発明は、低音域用の絶縁心線対と
高音域用の絶縁心線対とを有するスピーカー用複合ケー
ブルにおいて、低音域用の絶縁心線の導体には、結晶粒
の素線長手方向の平均長が素線径の300倍以下の銅素
線を撚り合わせた撚線を使用し、高音域用の絶縁心線の
導体には、結晶粒の導体長手方向の平均長が素線径の3
50倍以上の銅素線を撚り合わせた撚線を使用すること
としたものである。 【0013】 【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。図
3は本発明の一実施例を示す。このスピーカー用複合ケ
ーブルは、導体の材質が異なる低音域用の絶縁心線対1
1と高音域用の絶縁心線対12とを有している。 【0014】低音域用の絶縁心線対11は、0.18mm
φの6N−OFC軟銅線(結晶粒の素線長手方向の平均
長が素線径の1倍以下)80本を同心撚りした撚線導体
13に、厚さ0.3mmのポリプロピレン14を被覆して
絶縁心線15とし、この絶縁心線15を2本、介在と共
に対撚りしたものである。 【0015】また高音域用の絶縁心線12は、0.18
mmφのPCOCC硬銅線(結晶粒の素線長手方向の平均
長が素線径の1万倍以上)72本をロープ撚りした撚線
導体16に、厚さ0.45mmのポリプロピレン17を被
覆して絶縁心線18とし、この絶縁心線18を2本、介
在と共に対撚りしたものである。 【0016】上記構成の低音域用絶縁心線対11と高音
域用絶縁心線対12を介在と共に撚り合わせ、その上に
押さえ巻き19を施し、シース20を被覆して、スピー
カー用複合ケーブルとした。 【0017】この実施例の複合ケーブルの音質は、「低
音域用絶縁心線、高音域用絶縁心線とも6N−OFC軟
銅線の撚線導体を使用した複合ケーブル」および「低音
域用絶縁心線、高音域用絶縁心線ともPCOCC硬銅線
の撚線導体を使用した複合ケーブル」と比較試聴した結
果では、低音域の充実度と高音域の音の解像度が共に良
好であった。 【0018】また、低音域用に結晶粒の素線長手方向の
平均長が素線径の300倍以下の銅素線を撚り合わせた
撚線を使用し、高音域用に結晶粒の素線長手方向の平均
長が素線径の350倍以上の銅素線を撚り合わせた撚線
を使用した、他の絶縁心線の組み合わせでも同じ傾向の
結果が得られた。なお表1に掲げた導体のうちでは、低
音域用にOFC(A)を、高音域用にPCOCC(H)
を使用した場合に、最も良好な低音域の充実と高音域の
分離性が得られた。ただし導体の組み合わせは表1に記
載した導体の種類や導体素線に限られるものではなく、
ケーブル全体の音質設計を考慮して、結晶粒の素線長手
方向の平均長が、低音域用は素線径の300倍以下、高
音域用は素線径の350倍以上の銅素線の中から任意に
選択することができる。 【0019】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、低
音域用の絶縁心線と高音域用の絶縁心線にそれぞれ、そ
の帯域に適した導体材質を選定したことにより、従来よ
り良好な低音域の充実感、高音域の解像度を得ることが
でき、音質、音場感の改善に効果がある。
の構造を示す断面図。 【図2】 スピーカー用ケーブルの絶縁心線に使用する
導体の、結晶粒の長さと音質傾向との関係を示すグラ
フ。 【図3】 本発明の一実施例に係るスピーカー用複合ケ
ーブルを示す断面図。 【図4】 バイワイヤリング法の説明図。 【符号の説明】 11:低音域用の絶縁心線対 12:高音域用の絶縁心線対 13:6N−OFC軟銅線 14:ポリプロピレン絶縁体 15:絶縁心線 16:PCOCC硬銅線 17:ポリプロピレン絶縁体 18:絶縁心線 19:押さえ巻き 20:シース
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】低音域用の絶縁心線対と高音域用の絶縁心
線対とを有するスピーカー用複合ケーブルにおいて、低
音域用の絶縁心線の導体は、結晶粒の素線長手方向の平
均長が素線径の300倍以下の銅素線を撚り合わせた撚
線からなり、高音域用の絶縁心線の導体は、結晶粒の導
体長手方向の平均長が素線径の350倍以上の銅素線を
撚り合わせた撚線からなることを特徴とするスピーカー
用複合ケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21348593A JP3373902B2 (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | スピーカー用複合ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21348593A JP3373902B2 (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | スピーカー用複合ケーブル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0757562A JPH0757562A (ja) | 1995-03-03 |
JP3373902B2 true JP3373902B2 (ja) | 2003-02-04 |
Family
ID=16639984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21348593A Expired - Fee Related JP3373902B2 (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | スピーカー用複合ケーブル |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3373902B2 (ja) |
-
1993
- 1993-08-06 JP JP21348593A patent/JP3373902B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH0757562A (ja) | 1995-03-03 |
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