JP3373901B2 - スピーカー用複合ケーブル - Google Patents
スピーカー用複合ケーブルInfo
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Description
プとスピーカーを接続するスピーカー用ケーブルに関
し、特にスピーカーをバイワイヤリング法でドライブす
るのに使用するスピーカー用複合ケーブルの改良に関す
るものである。
にアンプAと低音域用スピーカーS1を第一の絶縁心線
対C1 で接続し、アンプAと高音域用スピーカーS2 を
第二の絶縁心線対C2 で接続してスピーカーをドライブ
する方式である(実公昭58−11111号公報)。な
おSBはスピーカーボックスを示す。
カー用複合ケーブルは、第一の絶縁心線対C1 と第二の
絶縁心線対C2 に、同じ材質、同じ構造の絶縁心線対を
使用している。また最近、バイワイヤリング専用の複合
ケーブルも提案されている(特願平3−50145
号)。
ピーカー用複合ケーブルは、低音域、高音域に合った導
体、絶縁体の材質の検討がなされていないので、まだ音
質に改良の余地が残されている。
いる複合ケーブルは、低音域と高音域の境界であるクロ
スオーバー周波数付近での音のつながりに違和感をなく
し、音域を広げる等の効果があるが、低音域、高音域で
必ずしも好ましい音色が得られるとは限らない。
導体、絶縁体の材質を検討し、さらに音質の優れたスピ
ーカー用複合ケーブルを提供することにある。
材質による音質傾向を評価するため、次に示す各種の銅
線を用いてそれぞれ図1の構造のスピーカー用ケーブル
を試作し、比較試聴をした。 6N−OFC(A):高純度(99.9999 %)無酸素
銅線(軟銅線) OFC(A) :無酸素銅線(軟銅線) TPC(A) :タフピッチ銅線(軟銅線) OFC(H) :無酸素銅線(硬銅線) Sn入り銅(H) :0.15%錫入り銅合金線(硬銅
線) GC−OFC(H):過焼鈍無酸素銅線(硬銅線) PCOCC(H) :加熱鋳型鋳造法による無酸素
銅線(硬銅線)
素線80本を同心撚りした撚線導体1に、厚さ0.5mm
の絶縁体2を被覆して絶縁心線3とし、この絶縁心線3
を2本、介在4と共に対撚りして、さらに厚さ約1mmの
ポリ塩化ビニルシース5を被覆したものである。撚線導
体1には〜の銅素線を使用し、絶縁体2には各ケー
ブルともポリプロピレンを使用して、7種類のケーブル
を試作した。
奏でる曲では、各楽器の音がクリアーに明快に分離して
聞こえるかどうか、この解像度を主眼にした。この理由
は高音域の音には解像度が不可欠であり、これが損なわ
れると音質全体がぼけてしまう傾向があるからである。
また低音域の判定は、ほぼ500Hz以下の音の音量の
多少を充実感として評価した。試作した7種類のケーブ
ルの試聴結果は表1のとおりであった。
02による。音質傾向の記号は次のとおりである。 □:解像度より低音の充実感が優先する音 ○:良好な解像度の音 ◎:きわめて良好な解像度の音
低音域の充実感との関係をグラフに示すと図2のとおり
である。以上の結果によると、低音域用には引張強さ3
00MPa以下の軟銅線が適しており、高音域用には引
張強さ360MPa以上の硬銅線が適していることが分
かる。
縁心線対と高音域用の絶縁心線対とを有するスピーカー
用複合ケーブルにおいて、低音域用の絶縁心線の導体に
は引張強さ300MPa以下の銅素線を撚り合わせた撚
線を使用し、高音域用の絶縁心線の導体には引張強さ3
60MPa以上の銅素線を撚り合わせた撚線を使用する
こととしたものである。
するため、次に示す各種の絶縁材料を用いて図1の構造
のスピーカー用ケーブルを試作し、比較試聴をした。 PVC :ポリ塩化ビニル LDPE :低密度ポリエチレン SiR :シリコンゴム HDPE :高密度ポリエチレン FEP :フロロエチレンプロピレン PP :ポリプロピレン XSRPVC:半硬質架橋ポリ塩化ビニル
1としては各ケーブルとも0.18mmφのPCOCCを
80本を同心撚りした撚線を用いた。試聴の判定基準も
前述のとおりである。上記の7種類の絶縁材料を絶縁体
として使用した7種類のケーブルの試聴結果は表2のと
おりであった。
IS−C−3005による引張試験で、絶縁体の伸びが
100%の時の引張強さである。音質傾向の記号は表1
と同じである。また絶縁体の100%モジュラスと、音
の解像度および低音域の充実感との関係をグラフに示す
と図3のとおりである。
%モジュラス14MPa以下の絶縁材料が適しており、
高音域用には100%モジュラス16MPa以上の絶縁
材料が適していることが分かる。
縁心線対と高音域用の絶縁心線対とを有するスピーカー
用複合ケーブルにおいて、低音域用の絶縁心線の絶縁体
には100%モジュラス14MPa以下の絶縁材料を使
用し、高音域用の絶縁心線の絶縁体には100%モジュ
ラス16MPa以上の絶縁材料を使用することとしたも
のである。
質を個別に検討したが、これらの結果を総合すると、低
音域用の絶縁心線には、低音域に適する導体と絶縁体を
使用し、高音域用の絶縁心線には、高音域に適する導体
を絶縁体を使用することが好ましいことは明らかであ
る。
縁心線対と高音域用の絶縁心線対とを有するスピーカー
用複合ケーブルにおいて、低音域用の絶縁心線には引張
強さ300MPa以下の銅素線の撚線に100%モジュ
ラス14MPa以下の絶縁体を被覆したものを使用し、
高音域用の絶縁心線には引張強さ360MPa以上の銅
素線の撚線に100%モジュラス16MPa以上の絶縁
体を被覆したものを使用することとしたものである。
求項1の発明の実施例を示す。このスピーカー用複合ケ
ーブルは、導体の材質が異なる低音域用の絶縁心線対1
1と高音域用の絶縁心線対12とを有している。
φのOFC軟銅線(引張強さ240MPa)80本を同
心撚りした撚線導体13に、厚さ0.3mmのポリプロピ
レン14を被覆して絶縁心線15とし、この絶縁心線1
5を2本、介在と共に対撚りしたものである。
mmφのOFC硬銅線(引張強さ480MPa)72本を
ロープ撚りした撚線導体16に、厚さ0.45mmのポリ
プロピレン17を被覆して絶縁心線18とし、この絶縁
心線18を2本、介在と共に対撚りしたものである。
域用絶縁心線対12を介在と共に撚り合わせ、その上に
押さえ巻き19を施し、シース20を被覆して、スピー
カー用複合ケーブルとした。
音域用絶縁心線、高音域用絶縁心線ともOFC軟銅線の
撚線導体を使用した複合ケーブル」および「低音域用絶
縁心線、高音域用絶縁心線ともOFC硬銅線の撚線導体
を使用した複合ケーブル」と比較試聴した結果では、低
音域の充実度と高音域の音の解像度が共に良好であっ
た。
引張強さ300MPa以下の軟銅線を使用し、高音域用
に引張強さ360MPa以上の硬銅線を使用した、他の
絶縁心線の組み合わせでも同じ傾向の結果が得られた。
なお表1に掲げた導体のうちの軟銅線と硬銅線の組み合
わせでは、低音域用に6N−OFC(A)を、高音域用
にPCOCC(H)を使用した場合に、最も良好な低音
域の充実と高音域の分離性が得られた。しかし導体の組
み合わせは表1に記載した導体に限られるものではな
く、ケーブル全体の音質設計を考慮して、低音域用は引
張強さ300MPa以下の軟銅線の中から、高音域用は
引張強さ360MPa以上の硬銅線の中から任意に選択
することができる。
例を説明する。このスピーカー用複合ケーブルは、絶縁
体の材質が異なる低音域用の絶縁心線対21と高音域用
の絶縁心線対22とを有している。
φのPCOCC硬銅線80本を同心撚りした撚線導体2
3に、厚さ0.3mmの低密度ポリエチレン(100%モ
ジュラス12MPa)24を被覆して絶縁心線25と
し、この絶縁心線25を2本、介在と共に対撚りしたも
のである。
mmφのPCOCC硬銅線72本をロープ撚りした撚線導
体26に、厚さ0.45mmのポリプロピレン(100%
モジュラス23MPa)27を被覆して絶縁心線28と
し、この絶縁心線28を2本、介在と共に対撚りしたも
のである。
域用絶縁心線対22を介在と共に撚り合わせ、その上に
押さえ巻き19を施し、シース20を被覆して、スピー
カー用複合ケーブルとした。
音域用絶縁心線、高音域用絶縁心線とも低密度ポリエチ
レンの絶縁体を使用した複合ケーブル」および「低音域
用絶縁心線、高音域用絶縁心線ともポリプロピレンの絶
縁体を使用した複合ケーブル」と比較試聴した結果で
は、低音域の充実度と高音域の音の解像度がともに良好
であった。
00%モジュラス14MPa以下の絶縁体を使用し、高
音域用に100%モジュラス16MPa以上の絶縁体を
使用した、他の絶縁心線の組み合わせでも同じ傾向の結
果が得られた。なお表2に掲げた絶縁体の組み合わせで
は、低音域用にSiRを、高音域用にXSRPVCを使
用した場合に、最も良好な低音域の充実と高音域の分離
性が得られた。しかし絶縁体の組み合わせは表2に記載
した絶縁体に限られるものではなく、ケーブル全体の音
質設計を考慮して、低音域用は100%モジュラス14
MPa以下の絶縁材料の中から、高音域用は100%モ
ジュラス16MPa以上の絶縁材料の中から任意に選択
することができる。
例を説明する。このスピーカー用複合ケーブルは、導体
および絶縁心線の材質がそれぞれ異なる低音域用の絶縁
心線対31と高音域用の絶縁心線対32とを有してい
る。
φのOFC軟銅線(引張強さ240MPa)80本を同
心撚りした撚線導体33に、厚さ0.3mmの低密度ポリ
エチレン(100%モジュラス12MPa)34を被覆
して絶縁心線35とし、この絶縁心線35を2本、介在
と共に対撚りしたものである。
mmφのPCOCC硬銅線(引張強さ590MPa)72
本をロープ撚りした撚線導体36に、厚さ0.45mmの
ポリプロピレン(100%モジュラス23MPa)37
を被覆して絶縁心線38とし、この絶縁心線38を2
本、介在と共に対撚りしたものである。
域用絶縁心線対32を介在と共に撚り合わせ、その上に
押さえ巻き19を施し、シース20を被覆して、スピー
カー用複合ケーブルとした。
音域用絶縁心線、高音域用絶縁心線ともOFC軟銅線の
撚線導体を使用した複合ケーブル」、「低音域用絶縁心
線、高音域用絶縁心線ともOFC硬銅線の撚線導体を使
用した複合ケーブル」、「低音域用絶縁心線、高音域用
絶縁心線とも低密度ポリエチレンの絶縁体を使用した複
合ケーブル」および「低音域用絶縁心線、高音域用絶縁
心線ともポリプロピレンの絶縁体を使用した複合ケーブ
ル」と比較試聴した結果では、低音域の充実度と高音域
の音の解像度が共に優れていた。
音域用の絶縁心線と高音域用の絶縁心線にそれぞれ、そ
の帯域に適した導体材質または絶縁体材質を選定したこ
とにより、従来より良好な低音域の充実感、高音域の解
像度を得ることができ、音質、音場感の改善に効果があ
る。
構造を示す断面図。
導体の引張強さと音質の関係を示すグラフ。
絶縁体の100%モジュラスと音質の関係を示すグラ
フ。
複合ケーブルを示す断面図。
複合ケーブルを示す断面図。
複合ケーブルを示す断面図。
プロピレン絶縁体 16:OFC硬銅線撚線導体 17:ポリ
プロピレン絶縁体 19:押さえ巻き 20:シー
ス 23:PCOCC硬銅線撚線導体 24:低密
度ポリエチレン絶縁体 26:PCOCC硬銅線撚線導体 27:ポリ
プロピレン絶縁体 33:OFC軟銅線 34:低密
度ポリエチレン絶縁体 36:PCOCC硬銅線撚線導体 37:ポリ
プロピレン絶縁体
Claims (3)
- 【請求項1】低音域用の絶縁心線対と高音域用の絶縁心
線対とを有するスピーカー用複合ケーブルにおいて、低
音域用の絶縁心線の導体は引張強さ300MPa以下の
銅素線の撚線からなり、高音域用の絶縁心線の導体は引
張強さ360MPa以上の銅素線の撚線からなることを
特徴とするスピーカー用複合ケーブル。 - 【請求項2】低音域用の絶縁心線対と高音域用の絶縁心
線対とを有するスピーカー用複合ケーブルにおいて、低
音域用の絶縁心線の絶縁体は100%モジュラス14M
Pa以下の絶縁材料からなり、高音域用の絶縁心線の絶
縁体は100%モジュラス16MPa以上の絶縁材料か
らなることを特徴とするスピーカー用複合ケーブル。 - 【請求項3】低音域用の絶縁心線対と高音域用の絶縁心
線対とを有するスピーカー用複合ケーブルにおいて、低
音域用の絶縁心線は引張強さ300MPa以下の銅素線
の撚線に100%モジュラス14MPa以下の絶縁体を
被覆したものからなり、高音域用の絶縁心線は引張強さ
360MPa以上の銅素線の撚線に100%モジュラス
16MPa以上の絶縁体を被覆したものからなることを
特徴とするスピーカー用複合ケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21348493A JP3373901B2 (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | スピーカー用複合ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21348493A JP3373901B2 (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | スピーカー用複合ケーブル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0757561A JPH0757561A (ja) | 1995-03-03 |
JP3373901B2 true JP3373901B2 (ja) | 2003-02-04 |
Family
ID=16639967
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21348493A Expired - Fee Related JP3373901B2 (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | スピーカー用複合ケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3373901B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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---|---|---|---|---|
JP4900938B2 (ja) * | 2006-11-16 | 2012-03-21 | 住友電気工業株式会社 | ドロップケーブル |
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-
1993
- 1993-08-06 JP JP21348493A patent/JP3373901B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0757561A (ja) | 1995-03-03 |
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