JPH019288Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、オーデイオコード、特にスピーカコ
ード用導体として使用される複合撚線の改良に係
わるものである。

従来よりオーデイオコード用導体として良好な
音質を得るためには、導体断面積が大きく、導体
素線の細い方が良いとされている。

そのため、極細素線を使用した複合撚線が提案
されている。

一方、スピーカーコードなどでは、信号伝送時
の機械的振動を抑えるため、撚線導体上にプラス
チツクテープを導体を圧縮するように巻きつける
ことにより、音質が向上することが確認されてい
る。

しかしながら、両者の技術を組合せた断面積の
大きい複合撚線の場合、一括集合した後に、その
外周からプラスチツクテープを巻いても、その圧
縮効果は分散されてしまい、十分な効果を得るこ
とは難しい欠点があつた。

本考案の目的は、前記した従来技術の欠点を解
消し、プラスチツクテープによる導体圧縮の効果
を有効に活用でき、良好な音質を得ることのでき
るオーデイオコード用複合導体を提供することに
ある。

すなわち、本考案の要旨は、複合導体の子撚作
業の後に、この子撚導体を圧縮するように圧力定
在形絶縁層を設け、しかる後、これらを一括集合
して複合導体とすることにある。

添付図面は本考案複合導体を示すもので、１は
細心導体を複数本撚合せて成る子撚導体郡であ
り、その上には圧力定在形絶縁層２が設けられて
おり、さらにこれらが複数本集合撚されている。

この後、この複合導体は所定の絶縁体、シール
ド、シース等が設けられ、オーデイオコードが完
成される。導体１としては、純度の高い銅線、即
ち無酸素銅が好ましく、この場合音質が一層優れ
ている。

圧力定在形絶縁層２としては、テープ巻き付け
る際、十分な張力を加えながら巻き付ける方法と
熱収縮性プラスチツクフイルムを用いる方法があ
る。

そのため、前者にはポリエステル等、十分な抗
張力をもつテープを用いる必要がある。

後者の場合、熱収縮性プラスチツクフイルムを
巻き付けた後、加熱処理する必要があり、熱収縮
の圧力により導体に定常的な圧縮力を与えるもの
である。

尚、従来の一括圧縮形複合導体では、完成形状
が丸形に限られていたが、本考案の場合、子撚の
時点でテープを巻くため、完成形状は丸形に限ら
れず、圧縮された子撚導体を平行に並べ、その上
に絶縁体を設けた平形導体形状にも応用できる。

以上説明した通り本考案は、細心導体素線を使
用した大サイズ導体でありながら、十分な圧縮効
果をもつた複合導体が実現される。

また、この構造の場合、子撚導体のそれぞれが
プラスチツクテープにより絶縁されているため、
導体の表面積が大きくなり、表皮効果による高周
波抵抗の増加を軽減することができる。

この結果、本考案導体をオーデイオ用コードに
使用した場合、従来の導体にくらべ、歪が少く、
高域減衰の少ない良好な音質が得られ、その実用
的価値は非常に大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案導体の一実施例を示す断面説
明図である。 １：導体、２：圧力定在形絶縁層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 細心導体を燃合せた子撚導体郡を、さらに複数
   個一括集合撚して成る複合導体であり、該子撚導
   体郡の外周に圧力定在形絶縁層を設けて構成され
   たことを特徴とするオーデイオコード用導体。