JP3365757B2 - 集積回路及びその製造方法 - Google Patents

集積回路及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、集積回路
及びその製造に関する。より詳細には、本発明は、可溶
リンクを利用する集積回路の回路密度を高め又は基板の
損傷を減少させる、あるいはその両方を行うための改善
された技術に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路(IC)及びその製造技
術は周知である。典型的な集積回路では、シリコン基板
上に多数の半導体素子を製造することができる。所望の
機能を達成するために、一般に、選択された装置を結合
するための複数の導体が設けられる。
【0003】集積回路によっては、導電リンクが、製造
後にレーザや電力を使用して切断又は溶断させることの
できるヒューズに結合される。ダイナミック・ランダム
・アクセス・メモリ(DRAM)回路では、たとえば、
意図しない電荷の蓄積からトランジスタのゲート・スタ
ックの一部分を保護するために、製造中にヒューズを使
用することがある。ICの製造が実質的に完了した後
で、ヒューズを溶断又は切断して、保護電流経路がまる
で存在しなかったかのようにDRAM回路が機能できる
ようにすることができる。あるいは、ヒューズ・リンク
を使用して導体線の経路を変更し、それにより回路の機
能を修正することができる。
【0004】レーザ可溶リンクは、一般に、レーザ・エ
ネルギーを加えることによってヒューズを爆発的に切る
ことができる金属線である。レーザ・エネルギーが、リ
ンク材料の一部分を蒸発させ一部を溶融する。一般に、
可溶リンクは薄く、アルミニウム又はポリシリコンで作
られ、あるいはチップ導体と同じ金属で作ることもでき
る。動作に際しては、所定のアーク(スポット)のレー
ザ・エネルギーの短いパルスをリンクに当てる。
【0005】電気可溶リンクは、電力を印加してリンク
材料の一部を蒸発、溶融させ、あるいは電気的不連続す
なわち「開路」を形成することによって溶断させること
ができる金属線を含む。一般に、電気可溶リンクは、金
属導体(アルミニウムなど)又はポリシリコンからな
る。動作に際し、ヒューズを切るために短い電力パルス
が印加される。
【0006】必ずしもすべてのリンクを溶断させるわけ
ではないので、隣接するヒューズが反射光又は熱エネル
ギーによって溶断されないようにすることが重要であ
る。所望のヒューズだけを溶断し隣接するヒューズを意
図せずに溶断しないようにするために、現在、2つの方
法が使用されている。第1の方法は、単にヒューズをス
ポットの直径の2つか3つ分だけ離すことである。第2
の方法は、隣接するヒューズの間に金属壁を作成する。
これらの方法は両方とも、ヒューズのピッチを大きく
し、使用チップ面積を大きくすることになる。
【0007】可溶リンクが、チップ導体と同じ材料で作
成され、より厚くなり、耐熱金属層(タングステンや様
々なケイ化物)を含む複合層で作られ、又は高反射金属
(銅/アルミニウム)からなる場合は、レーザでヒュー
ズを溶断させることは、より難しいものになる。
【0008】そのような可溶リンク材料の背景にある原
動力は、論理チップの速度要件を高めることである。さ
らに一般的には、DRAM回路内の冗長アレイ要素のイ
ネーブル・ビットとアドレス・ビットを設定するために
ヒューズが使用されることがある。
【0009】図1は、主メモリ・アレイ102を有する
代表的なダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ集
積回路を示す。主メモリ・アレイ102内の不良主アレ
イ要素の交換を容易にするために、図のような冗長アレ
イ104が設けられる。ヒューズ・アレイ106の複数
のヒューズが、ヒューズ・ラッチ・アレイ108とヒュ
ーズ・デコーダ回路110を介して冗長アレイ104に
結合される。不良主メモリ・アレイ要素を交換するため
に、ヒューズ・アレイ106の個々のヒューズを溶断又
は切断し、その値を、デコーダ回路が必要とする「1」
又は「0」に設定することができる。
【0010】動作中、一般に、ヒューズ・アレイ106
内のヒューズの値が、電源投入時にヒューズ・ラッチ・
アレイ108にロードされる。次に、実行時間中に、そ
れらの値が、ヒューズ・デコーダ回路110によってデ
コードされ、それにより特定の不良の主メモリ・アレイ
要素を冗長アレイ104の特定の冗長要素と交換するの
が容易になる。不良の主メモリ・アレイ要素を冗長アレ
イ要素と交換する技術は、当技術分野では周知であり、
簡潔にするために本明細書では詳しく考察しない。
【0011】以上のように、ヒューズ・アレイ106内
のヒューズ・リンクは、レーザ光線又は電力により選択
的に溶断又は切断することができる。ヒューズは、溶断
された後、高導電状態から高抵抗(すなわち、非導通)
状態に変化する。溶断されたヒューズは、そこに電流が
流れるのを阻止し、電流経路に開路を提供する。図2を
参照すると、ヒューズ・アレイ要素106のヒューズ・
リンク202、204、206及び208が、溶断され
ていない(すなわち、導通)の状態で示される。図3に
おいて、レーザ光線又は電力を使用して1つのヒューズ
・リンク204が切断又は溶断され、電流の流れが阻止
される。
【0012】レーザ光線を使用してヒューズ・リンクを
設定、切断、又は溶断させると、主にヒューズ設定作業
中のレーザ・エネルギーの吸収によって、ヒューズ・リ
ンクの下の領域又は隣接する可溶リンクがレーザ誘導損
傷を受けることがあることが分かった。レーザ誘導損傷
を受ける可能性があるため、従来のシステムにおいて、
一般に、ヒューズ・リンクの下の領域には、半導体素子
(たとえば、トランジスタ)がなく、ヒューズが離間さ
れている。
【0013】可溶リンクの下に能動素子がないとき、あ
るいは、他の近接した可溶リンクがないときでも、基板
自体が、ある程度レーザ誘導損傷を受けることがある。
これは、特に短波長レーザが使用されるとき、一般に代
表的な基板材料であるシリコンがレーザ・エネルギーを
吸収し易いためである。このため、ヒューズ設定作業用
の従来のシステムには、赤外線レーザなどの比較的長い
波長を有するレーザが使用されていた。
【0014】赤外線レーザは、下の基板へのレーザ誘導
損傷を最小にするのに有効ではあるが、比較的長い波長
を有するレーザの使用は、いくつかの望ましくない妥協
を伴う。たとえば、比較的長い波長の赤外線レーザは、
ヒューズ設定作業中に基板上に比較的大きいスポットを
形成し、ヒューズ・リンクを互いにどれだけ近接させて
収容できるかを制限する。たとえば、約1ミクロンの波
長を有する赤外線レーザの場合、基板上に形成されるス
ポットは、幅が波長の2倍すなわち約2〜2.5ミクロ
ンである。
【0015】比較的長い波長を有するレーザに関連する
欠点を、以下に、図4と図5を参照して説明する。図4
は、ヒューズ・リンク202、204、206及び20
8を含むヒューズ・アレイ106の一部分の断面図であ
る。図4では、ヒューズ・リンク202、204、20
6及び208がパッシベーション層302に封入されて
いる。基板304が、図に示したようにヒューズ・リン
クの下にある。図4の図は、説明を容易にするためにき
わめて簡略化されており、ヒューズ・アレイ106は、
周知の従来の他の層及び/又は構成要素を含むことがで
きる。
【0016】図5において、図4のヒューズ・リンク2
04を、レーザ光線を使用して溶断又は切断した。ヒュ
ーズ・リンク204の場所に、使用するレーザ光線の波
長の約2倍の直径Cのボイド310がある。レーザ・ス
ポットの直径Cは、隣接するヒューズ・リンク間の最小
ヒューズ・ピッチ312の下限を決定する。ヒューズ
が、所与のレーザ波長に対して接近しすぎている場合、
隣接するヒューズ・リンクが意図せずに溶断又は切断さ
れ、ICが不良になることがある。
【0017】短い波長のレーザを使用すると、レーザ・
スポットの直径Cが小さくなり、それに伴ってヒューズ
・ピッチが最小になる。しかし、短い波長のレーザは、
シリコン基板が短波長レーザからレーザ・エネルギーを
きわめて吸収しやすいため、従来のシステムにおいて下
にある基板の損傷の可能性が大幅に高まる。短い波長レ
ーザを使用して従来のシステムのヒューズ・アレイ10
6のヒューズ・リンクを設定する場合は、領域320に
過度の基板損傷が生じ、集積回路の欠陥及び故障が起こ
る可能性がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】以上を考慮して、レー
ザ又は電気的に可溶リンクを有する集積回路を製造する
ための改善された技術が従来から必要とされている。よ
り具体的にはヒューズ素子が溶断する際に生じる損傷の
大きさを小さくする改善されたレーザ又は電気ヒューズ
・リンク構造及びその方法が従来から必要とされてい
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明の目
的は、主メモリ・アレイ要素を有する主メモリ・アレイ
と、主メモリ・アレイに結合され、冗長メモリ・アレイ
要素を含む冗長メモリ・アレイと、レーザ・エネルギー
の印加により主メモリ要素のうちの不良要素を冗長メモ
リ・アレイ要素のうちの少なくとも1つと選択的に置き
換える少なくとも1つのレーザ・ヒューズ・リンクと、
レーザ・ヒューズ・リンクとレーザ・エネルギー供給源
との間に位置決めされた少なくとも1つの空隙部分とを
含む、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ集積
回路のための構造及び方法を提供することである。
【0020】レーザ・ヒューズ・リンクは、第1の導電
層と、第1の導電層の上の第2の導電層とを含み、空隙
部分は、第2の導電層内にある。また、レーザ・ヒュー
ズ・リンクは、レーザ・エネルギーがヒューズ・リンク
に達することを可能にするヒューズ窓を含むことがあ
り、空隙は、ヒューズ・リンクとヒューズ窓の間にあ
る。空隙は、ヒューズ・リンクからヒューズ窓の方にエ
ネルギーとヒューズ材料を導く。ダイナミック・ランダ
ム・アクセス・メモリは、空隙内に導電アイランドを含
む。導電アイランドは、ヒューズ・リンクにレーザ・エ
ネルギーを集中させる。
【0021】本発明の集積回路は、主素子と、少なくと
も1つのヒューズによって主素子に選択的に置き換えら
れる冗長素子を含む。ヒューズは、また、少なくとも1
つのヒューズ・リンク領域を有する第1の層と、第1の
層上の第2の層と、集積回路内の隣接する素子から遠く
にヒューズ材料を導くようにヒューズ・リンク領域に対
して位置決めされた第2の層内の空隙とを含む。第1の
層は導電層を含み、第2の層は導電層を含む。ヒューズ
窓は、レーザ・エネルギーがヒューズ・リンク領域に達
することを可能にする。空隙は、ヒューズ・リンク領域
とヒューズ窓の間にある。空隙は、ヒューズ・リンク領
域からヒューズ窓の方にエネルギーとヒューズ材料を導
く。集積回路はまた、空隙内の導電アイランドを含む。
導電アイランドは、ヒューズ・リンク領域にレーザ・エ
ネルギーを集中させる。
【0022】集積回路のヒューズ構造を形成する方法
は、ヒューズ・リンク層と、ヒューズ・リンク層の上の
第2の層と、及び第2の層内の少なくとも1つの空隙を
形成する段階とを含み、それによって、空隙が、集積回
路内の隣接する素子から遠くにヒューズ材料を導くよう
にヒューズ・リンク領域に対して位置決めされる。第2
の層は、付着プロセスを含み、また第2の層は、ダマシ
ーン・プロセスを含む。絶縁層は、第2の層の上に形成
され、ヒューズ・リンク層は導電層を含み、第2の層は
導電層である。第2の層の上のヒューズ窓は、レーザ・
エネルギーがヒューズ・リンク層に達することを可能に
し、空隙は、ヒューズ・リンク層とヒューズの間にあ
る。空隙は、ヒューズ・リンク層からヒューズ窓の方に
エネルギーとヒューズ材料を導く。導電アイランドは、
空隙内に形成される。導電アイランドは、ヒューズ・リ
ンクにレーザ・エネルギーを集中させる。
【0023】
【発明の実施の形態】ヒューズ・リンクが溶断する際に
周囲の構造への損傷を防ぐために、ヒューズ・リンクに
隣接して空隙を形成して、ヒューズ切断プロセス中に放
出されるエネルギー及び蒸発ヒューズ材料の一部分を吸
収することができる。本発明は、切断ヒューズからのエ
ネルギー及び材料を、普通ならば損傷を受ける可能性の
ある構造から遠くに導く独特かつ好都合に形成され独特
に配置された空隙を含む。
【0024】より具体的には、図6ないし図9に、本発
明のヒューズ構造/プロセスの第1の実施形態を示す。
図6は、スパッタリングなど従来の付着技術、フォトリ
ソグラフィ及びプラズマ・エッチングによって形成され
た金属線スタック(たとえば、第1の導電性「R1」構
造)の断面を示す。線スタックは、誘電体基板450、
厚さ5nm〜50nmの第1の薄い導電(Ti)下層4
02、厚さ10nm〜1000nmの第2の導電(Al
Cu合金)層401を含む。この構造で、AlCu合金
層401は、可溶要素又はヒューズ・リンクとして働
く。
【0025】この開示が示されれば当業者ならわかるよ
うに、本発明の構造は、任意の数の類似の構造及び材料
を使用して形成することができる。たとえば、導電層4
02は、下にライナを有するダマシーン・プロセスによ
って形成されたバリア金属層である。たとえば、導電層
とライナは、誘電体基板上に付着又は化学機械的平面化
(CMP)を使用して形成される。基板は、リソグラフ
ィとエッチングを使用してヒューズ構造の形状にパター
ン化することが好ましい。そのようなダマシーン構造に
おいて、図8に示した空隙410と類似の方法で空隙を
形成するためにくり抜かれたバリア層の一部分に、コン
タクトが形成される。
【0026】二酸化ケイ素などの中間層誘電(ILD)
層400(たとえば、第2のコンタクト「C2」層)
が、パターン形成された金属スタックの上に10nm〜
1000nmの厚さに付着される。C2層400は、ヒ
ューズ材料402に加えられるレーザ・エネルギーに対
して透明である。ILD層400は、従来のリソグラフ
ィと、CF4、CHF3、C48、CO、Ar、O2、N2
などのガスを使用する反応性イオン・エッチング(RI
E)などのドライエッチング技術を使用してパターン形
成され、レイアウト設計と一致するようにC2コンタク
ト400の領域403を開口する。
【0027】図7に示したように、厚さ10nm〜10
00nmのAlCu層405と、厚さ10nm〜50n
mTiN層404からなる類似の金属線スタックの形の
第2の導電性「R2」構造は、BCl3、HCl、C
2、He、N2、Arなどのガスを使用するリソグラフ
ィや反応性イオン・エッチング(RIE)などの選択的
付着及びエッチング技術を使用して付着されパターン形
成される。
【0028】C2コンタクト400の開口部403から
露出したTiN層401の領域は、50℃〜300℃の
温度のドライ・エッチング(フッ素を含む)などの等方
性プロセスを使用してエッチングされる。そのようなエ
ッチングは、TiN層401だけに影響を及ぼし、中間
層誘電体400とヒューズ材料402を大きく変化させ
ることはない。図8に示したように、このエッチング・
プロセスは、TiNをくり抜き、C2パターン400の
間に空隙410とTiNのアイランド406を形成す
る、TiNアイランド406は、レーザでヒューズを溶
断させる場合に次の光学的エネルギーの吸収を助けIL
D400の機械的支持を行うために空隙410に残す。
【0029】図9において、二酸化ケイ素などの端子ビ
ア(terminal via(TV))誘電体407が、付着され
てパターン形成され、従来の技術を使用してヒューズ窓
408と結合パッド窓409が形成される。ヒューズが
溶断されるとき、レーザ・エネルギーをヒューズ窓40
8から導くか、又は過電圧/電流をヒューズ要素402
に印加して、AlCu合金のその領域を溶融/蒸発させ
てヒューズを切る。
【0030】前述の特定の材料及び解決策は単なる例に
過ぎず、この開示を示されれば当業者ならわかるよう
に、図9に示した構造を形成するために、任意の数の類
似の材料を使用することができる。どの材料を利用する
かは、主に製造する集積回路素子の特定の要件によって
決まる。
【0031】層401の空になったアンダーカット領域
410は、ヒューズ溶断プロセスで層402から除去さ
れた材料を集め、したがってレーザ・ヒューズ溶断の場
合に、隣接領域に対する削磨損傷を局所化し、あるいは
電気溶断ヒューズの場合には、ヒューズの蒸発によって
生じる損傷を局所化する働きをする。
【0032】図10は、本発明の以上の実施形態を示す
フローチャートである。より具体的には、ブロック50
1で、ヒューズ層402が形成される。ブロック502
で、合金層401などの機能層が、ヒューズ層402の
上に形成される。ブロック503で、二酸化ケイ素40
0などのレーザ透明材料が、機能層401の上に形成さ
れる。
【0033】所与の集積回路のために選択された材料の
組成と関係なく、本発明の1つの特徴(本発明のどの材
料の実施形態にも含まれる)は、レーザ窓408とヒュ
ーズ材料402との間に空隙を配置することである。空
隙をこのように配置することによって、レーザ・エネル
ギーを最初に受けるヒューズ材料402の表面が、熱的
に分離される。したがって、レーザ・エネルギーは、ヒ
ューズ材料402の表面により多く集中し、ヒューズ材
料402をより確実かつ高速に蒸発/溶融させる。
【0034】これと反対に、従来の空隙は、ヒューズ材
料の下に(たとえば、レーザ・エネルギーの方向と反対
側に)形成される。したがって、従来の構造の場合、レ
ーザ・エネルギーを最初に受けるヒューズ・リンクの表
面は、隣りの材料層と接触しており、このヒューズ材料
の表面は、本発明のヒューズ・リンクと違って真に熱的
に分離されていない。
【0035】さらに、空隙をレーザ窓408の方向に設
けることによって、ヒューズ・リンクを切断するために
レーザ・エネルギーを使用するか過電圧/電流を使用す
るかに関係なく、ヒューズ切断プロセスによって放出さ
れるエネルギーと材料は、図5と関連して前に考察した
装置のように、誘電体材料400の方向でかつヒューズ
材料の下にある可能性のある集積回路装置から離れる方
向に導かれる。したがって、本発明により、ヒューズ切
断プロセスによって生じる損傷(ひび割れや融解など)
は、主に、コンタクト層400に限定される。したがっ
て、チタン層411の下の集積回路素子を破損させる可
能性は、下の集積回路素子の方向に空隙を含むヒューズ
構造に比べて大幅に低下する。
【0036】ヒューズ材料と周囲の構造を形成するため
に選択される材料と関係なく、本発明のもう1つの重要
な特徴は、空隙の形成に既存の層を利用することであ
る。より具体的には、空隙410を形成する銅/アルミ
ニウム合金401は、集積回路素子の異なる部分で有効
な機能を実行するために利用される層である。反応性イ
オン・エッチングにおける反応薬剤を慎重に選択するこ
とによって、本発明により、既存の層(この構造では合
金401など)を利用して、本発明を実施するのに必要
な処理段階の数が少なくなる。
【0037】さらに、前述のように、ヒューズ材料40
2がレーザ・エネルギーを吸収しやすいように空隙41
0内にアイランド406を残してもよい。換言すると、
空隙410内のアイランド406は、レーザ窓408か
ら送られるレーザ・エネルギーを集中させ、ヒューズ材
料402内のアイランド406の箇所におけるエネルギ
ー吸収を高める。
【0038】ブロック504で、機能層401が、たと
えば前述の等方性エッチング・プロセスを使用してオー
バーエッチングされ、空隙410とアイランド406が
形成される。ブロック505で、引き続き追加の処理に
よって、絶縁層407、追加の導電層404、405な
どの層が形成される。
【0039】次に、ブロック506で、ヒューズが電気
的に切断されるかレーザ・エネルギーで切断されるかに
応じて処理が続行される。ヒューズがレーザ・エネルギ
ーで切断される場合は、ブロック507に示すように、
ヒューズ窓408が、レーザ透過材料400の上に形成
される。次に、ブロック508で、レーザ・エネルギー
が加えられヒューズ402が切断される。これと反対
に、ヒューズが電気的に切断される場合は、過電圧/電
流がヒューズ402に印加されてそれを切断する。プロ
セスは、ブロック510で終了する。
【0040】本発明のもう1つの利点は、ヒューズが、
当該の集積回路チップのどこか他の場所で相互接続構造
として使用される既存の金属線スタック構造を使用する
ため、本発明のヒューズ構造が、従来のプロセスに追加
の付着段階を加えないことである。
【0041】まとめとして、本発明の構成に関して以下
の事項を開示する。
【0042】(1)主メモリ・アレイ要素を有する主メ
モリ・アレイと、前記主メモリ・アレイに結合され、冗
長メモリ・アレイ要素を含む冗長メモリ・アレイと、レ
ーザ・エネルギーの印加に基づいて、前記メイン・メモ
リ要素のうちの不良要素を前記冗長メモリ・アレイ要素
のうちの少なくとも1つで選択的に置き換える少なくと
も1つのレーザ・ヒューズ・リンクと、前記レーザ・ヒ
ューズ・リンクと前記レーザ・エネルギーの供給源との
間に位置する少なくとも1つの空隙部分とを含む、ダイ
ナミック・ランダム・アクセス・メモリ集積回路。 (2)前記レーザ・ヒューズ・リンクが、前記第1の導
電層と、前記第1の導電層の上の第2の導電層を含み、
前記空隙部分が、前記第2の導電層内にある、上記
(1)に記載のダイナミック・ランダム・アクセス・メ
モリ。 (3)主素子と、少なくとも1つのヒューズにより前記
主素子に選択的に置き換えられる冗長素子とを含み、前
記ヒューズが、少なくとも1つのヒューズ・リンク領域
を有する第1の層と、前記第1の層の上の第2の層と、
前記ヒューズ・リンク領域に対して位置決めされ、前記
集積回路内の隣接する素子から遠くにヒューズ材料を導
くための前記第2の層内の空隙とを含む集積回路。 (4)前記第2の層の上の絶縁層をさらに含み、前記第
1の層が導電層を含み、前記第2の層が導電層を含む、
上記(3)に記載の集積回路。 (5)前記レーザ・エネルギーが前記ヒューズ・リンク
領域に達することができるようにするヒューズ窓をさら
に含み、前記空隙が、前記ヒューズ・リンク領域と前記
ヒューズ窓の間にある、上記(1)又は(3)に記載の
集積回路。 (6)前記空隙が、前記ヒューズ・リンク領域から前記
ヒューズ窓の方にエネルギーとヒューズ材料を導く、上
記(5)に記載の集積回路。 (7)前記空隙内に導電アイランドをさらに含む、上記
(1)又は(3)に記載の集積回路。 (8)前記導電アイランドが、前記ヒューズ・リンク領
域にレーザ・エネルギーを集中させる、上記(7)に記
載の集積回路。 (9)集積回路を形成する方法であって、ヒューズ・リ
ンク層を形成する段階と、前記ヒューズ・リンク層の上
に第2の層を形成する段階と、前記第2の層内に、ヒュ
ーズ材料を前記集積回路内の隣接する素子から遠くに導
くよう前記ヒューズ・リンク領域に対して位置決めされ
た、少なくとも1つの空隙を形成する段階とを含む方
法。 (10)前記ヒューズ・リンク層を形成する前記段階と
前記第2の層を形成する前記段階とが、付着プロセスを
含む、上記(9)に記載の方法。 (11)前記ヒューズ・リンク層を形成する段階と、前
記第2の層を形成する段階とが、ダマシーン・プロセス
を含む、上記(9)に記載の方法。 (12)前記第2の層の上に絶縁層を形成する段階をさ
らに含み、前記ヒューズ・リンク層が導電層を含み、前
記第2の層が導電層を含む、上記(9)に記載の方法。 (13)前記第2の層の上に、レーザ・エネルギーが前
記ヒューズ・リンク層に達することを可能にする、ヒュ
ーズ窓を形成する段階を有し、前記空隙が、前記ヒュー
ズ・リンク層と前記ヒューズ窓の間にある、上記(9)
に記載の方法。 (14)前記空隙が、前記ヒューズ・リンク層から前記
ヒューズ窓の方にエネルギーとヒューズ材料を導く、上
記(13)に記載の方法。 (15)前記空隙内に導電アイランドを形成する段階を
さらに含む、上記(9)に記載の方法。 (16)前記導電アイランドが、前記ヒューズ・リンク
にレーザ・エネルギーを集中させる、上記(15)に記
載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】考察を容易にするための代表的なダイナミック
・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)集積回路を
示す図である。
【図2】複数の従来のヒューズ・リンクをその溶断され
ていない(すなわち導通)状態で示す図である。
【図3】図2のヒューズ・リンクをその溶断された(す
なわち、非導通)状態で示す図である。
【図4】ヒューズ設定操作後にレーザ・スポットが上に
形成された基板上の複数のヒューズ・リンクを示す図で
ある。
【図5】ヒューズ設定操作後にレーザ・スポットが上に
形成された基板上の複数のヒューズ・リンクを示す図で
ある。
【図6】可溶リンクの上に空隙領域を含む本発明の実施
形態を示す図である。
【図7】可溶リンクの上に空隙領域を含む本発明の実施
形態を示す図である。
【図8】可溶リンクの上に空隙領域を含む本発明の実施
形態を示す図である。
【図9】可溶リンクの上に空隙領域を含む本発明の実施
形態を示す図である。
【図10】本発明の好ましい実施形態を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
102 主メモリ・アレイ 104 冗長アレイ 106 ヒューズ・アレイ要素 108 ヒューズ・ラッチ・アレイ 110 ヒューズ・デコーダ回路 202 ヒューズ・リンク 204 ヒューズ・リンク 206 ヒューズ・リンク 208 ヒューズ・リンク 302 パッシベーション層 304 基板 310 ボイド 320 領域 400 コンタクト層 401 機能層 402 ヒューズ材料 403 開口部 404 導電層 405 導電層 406 アイランド 407 絶縁層 408 ヒューズ窓 409 結合パッド窓 410 空隙 411 チタン層 450 誘電基板
フロントページの続き (73)特許権者 591209109 シーメンス アクチェンゲゼルシャフト SIEMENS AKTIENGESE LLSCHAFT ドイツ連邦共和国 D−80333 ミュン ヘン ヴィッテルスバッハ−プラッツ 2 (72)発明者 アクセル・ブリンツンガー アメリカ合衆国12524 ニューヨーク州 フィッシュキル アスペン・コート 20 (72)発明者 エドワード・ダブリュー・キエウラ アメリカ合衆国12533 ニューヨーク州 ヴァーバンク アール・アール2 ボッ クス 337 (72)発明者 チャンドラセカル・ナラーヤン アメリカ合衆国12533 ニューヨーク州 ホープウェル・ジャンクション ケンジ ントン・ドライブ 62 (72)発明者 カール・ジェイ・ラデンス アメリカ合衆国12540 ニューヨーク州 ラグランジェヴィル カチラー・ドライ ブ 35 (56)参考文献 特開 昭63−307758(JP,A) 特開 昭58−64061(JP,A) 特開 平10−107146(JP,A) 特開 平6−61353(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/82 H01L 21/8242 H01L 27/108

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主メモリ・アレイ要素を有する主メモリ・
    アレイと、 前記主メモリ・アレイに結合され、冗長メモリ・アレイ
    要素を含む冗長メモリ・アレイと、 レーザ・エネルギーの印加に基づいて、前記主メモリ・
    アレイ要素のうちの不良要素を前記冗長メモリ・アレイ
    要素のうちの少なくとも1つで選択的に置き換える少な
    くとも1つのレーザ・ヒューズ・リンクと、 前記レーザ・ヒューズ・リンクと前記レーザ・エネルギ
    ーの供給源との間に位置する少なくとも1つの空隙部分
    とを含む、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ
    集積回路。
  2. 【請求項2】前記レーザ・ヒューズ・リンクが、第1の
    導電層と、前記第1の導電層の上の第2の導電層とを含
    み、前記空隙部分が、前記第2の導電層内にある、請求
    項1に記載の集積回路。
  3. 【請求項3】前記レーザ・エネルギーが前記ヒューズ・
    リンク領域に達することができるようにするヒューズ窓
    をさらに含み、前記空隙が、前記ヒューズ・リンク領域
    と前記ヒューズ窓の間にある、請求項1に記載の集積回
  4. 【請求項4】主素子と、 少なくとも1つのヒューズにより前記主素子に選択的に
    置き換えられる冗長素子とを含み、 前記ヒューズが、 少なくとも1つのヒューズ・リンク領域を有する第1の
    層と、 前記第1の層の上の第2の層と、 前記ヒューズ・リンク領域に対して位置決めされ、前記
    集積回路内の隣接する素子から遠くにヒューズ材料を導
    くための前記第2の層内の空隙と 前記レーザ・エネルギーが前記ヒューズ・リンク領域に
    達することができるよ うにするヒューズ窓と、 を含み、前記空隙が、前記ヒューズ・リンク領域と前記
    ヒューズ窓の間にある、 集積回路。を含む集積回路。
  5. 【請求項5】前記第2の層の上の絶縁層をさらに含み、
    前記第1の層が導電層を含み、前記第2の層が導電層を
    含む、請求項に記載の集積回路。
  6. 【請求項6】前記空隙が、前記ヒューズ・リンク領域か
    ら前記ヒューズ窓の方にエネルギーとヒューズ材料を導
    く、請求項に記載の集積回路。
  7. 【請求項7】前記空隙内に導電アイランドをさらに含
    む、請求項1又はに記載の集積回路。
  8. 【請求項8】前記導電アイランドが、前記ヒューズ・リ
    ンク領域にレーザ・エネルギーを集中させる、請求項7
    に記載の集積回路。
  9. 【請求項9】集積回路を製造する方法であって、 ヒューズ・リンク層を形成する段階と、 前記ヒューズ・リンク層の上に第2の層を形成する段階
    と、 前記第2の層内に、ヒューズ材料を前記集積回路内の隣
    接する素子から遠くに導くよう前記ヒューズ・リンク領
    域に対して位置決めされた、少なくとも1つの空隙を形
    成する段階と 前記第2の層の上に、レーザ・エネルギーが前記ヒュー
    ズ・リンク層に達することを可能にする、ヒューズ窓を
    形成する段階と を含み、前記空隙が、前記ヒューズ・リ
    ンク層と前記ヒューズ窓の間にある、 方法。
  10. 【請求項10】前記ヒューズ・リンク層を形成する段階
    と前記第2の層を形成する段階とが、付着プロセスを含
    む、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記ヒューズ・リンク層を形成する段階
    と、前記第2の層を形成する段階とが、ダマシーン・プ
    ロセスを含む、請求項9に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記第2の層の上に絶縁層を形成する段
    階をさらに含み、前記ヒューズ・リンク層が導電層を含
    み、前記第2の層が導電層を含む、請求項9に記載の方
    法。
  13. 【請求項13】前記空隙が、前記ヒューズ・リンク層か
    ら前記ヒューズ窓の方にエネルギーとヒューズ材料を導
    く、請求項に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記空隙内に導電アイランドを形成する
    段階をさらに含む、請求項9に記載の方法。
  15. 【請求項15】前記導電アイランドが、前記ヒューズ・
    リンクにレーザ・エネルギーを集中させる、請求項14
    に記載の方法。
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