JP3363614B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、一般に半導体装置
製造方法に関するものであり、より特定的には、層間絶
縁膜の耐クラック性を向上させるように改良された半導
体装置の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】スピンオングラス(SOG)法は、層間
絶縁膜の平坦化手法として、一般的に、LSI製造プロ
セスに適用されている。SOG材料は、主に、無機SO
Gと有機SOGの2種類に大別される。無機SOGは、
耐クラック性が乏しく、厚膜形成による十分な、層間膜
の平坦化を行なうことは困難である。一方、有機SOG
は、膜中に有機成分(たとえばメチル基)を含んでお
り、良好な耐クラック性を有しているが、膜中に含まれ
る有機成分が分解し、生成する水分によりビアホール信
頼性が劣化する欠点を持つ。そこで、近年、これらの材
料に代わるものとして、厚膜形成が可能な無機SOGと
して、図3に示すHSQ(ハイドロゼンシルセスキオキ
サン)が注目されており、この材料に関するプロセスが
開発されている。 【0003】HSQについては、バランスらの論文(Ju
ne 9-10, 1992 VMIC Conference )や、プラマニクらの
論文(June 8-9, 1993 VMIC Conference)に詳述されて
いる。HSQは、図3に示すように、立方体のポリマ構
造を有している。プラマニクらによれば、この材料を、
スピン塗布後、400℃の窒素雰囲気で焼成すると、次
式(1)に示すように、ポリマの末端基であるSi−H
基がSi−OH基に変化し、さらに、式(2)に示す脱
水反応により、Si−O−Si結合を生成し、ポリマ同
士が結合し、最終的に薄膜を形成する。 【0004】 Si−H+O→Si−OH…(1) Si−OH+Si−OH→Si−O−Si+H2 O…(2) 次に、HSQを用いる、従来の層間絶縁膜の形成フロー
について説明する。 【0005】図4(a)を参照して、素子、絶縁層が形
成されたシリコン基板11を準備する。シリコン基板1
1の上にアルミ配線パターン12を形成する。アルミ配
線パターン12の表面を被覆するように、シリコン基板
11の上に第1のプラズマ酸化膜13を形成する。 【0006】図4(b)を参照して、第1のプラズマ酸
化膜13でその表面が被覆されたアルミ配線パターン1
2を覆うように、第1のプラズマ酸化膜13の上に、H
SQで形成されたSOG膜(以下HSQ−SOG膜とい
う)14を形成する。その後、HSQ−SOG膜14
を、400℃の窒素雰囲気で、30分間窒素シンタを行
なって、焼成する。 【0007】図4(c)を参照して、焼成されたHSQ
−SOG膜14を覆うように、シリコン基板11の上に
第2のプラズマ酸化膜16を形成する。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】HSQ−SOG膜は、
既に、Si−O−Si結合を、その膜内に含むため、従
来の無機SOG(脱水反応により、Si−O−Si結合
を形成する)で問題になっていた材料自身の収縮による
クラックは発生しにくい。 【0009】しかしながら、ポリマの構造が立体構造で
あることから、Si−H基を介した架橋反応の起こる確
率が低く、膜自身の強度を十分高くすることができなか
った。その結果、膨張率の大きいアルミニウム等の上に
膜形成を行なった場合、アルミニウムからの外部応力に
よりクラックが発生しやすいという問題点があった。 【0010】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、耐クラック性を向上させた、
HSQを含む層間絶縁膜を有する、半導体装置の製造方
を提供することを目的とする。 【0011】 【0012】 【0013】 【課題を解決するための手段】この発明に従う半導体装
置の製造方法においては、まず、半導体基板の上に金属
配線パターンを形成する。上記金属配線パターンの表面
を被覆するように、上記半導体基板の上に第1の酸化膜
を形成する。上記第1の酸化膜で被覆された上記金属配
線パターンを覆うように、上記半導体基板の上にSi−
O−Si結合およびSi−H基を含み、かつ立体的な分
子構造を有する、HSQのポリマ膜を形成する。上記ポ
リマ膜に不活性ガスによるプラズマ処理を施し、それに
よって、上記ポリマ膜中に不活性ガスを導入する。プラ
ズマ処理された上記ポリマ膜の上に、第2の酸化膜を形
成する。 【0014】 【0015】 【作用】この発明に従う半導体装置の製造方法によれ
ば、HSQで形成された、Si−O−Si結合およびS
i−H基を含み、かつ立体的な分子構造を有するポリマ
膜に、不活性ガスによるプラズマ処理を施す。このと
き、不活性ガスのラジカルは、ポリマ膜中に侵入し、膜
中に含まれるポリマと衝突し、Si−O−Si結合を切
断し、結果として立体的なポリマの分子構造を分解し、
これを平面的な分子構造へと変化させる。この平面的な
分子構造は、この後行なわれるシンタ炉による窒素シン
タの際に架橋反応を促進する。 【0016】 【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。 【0017】実施例1 図1(a)を参照して、素子、絶縁層が形成されたシリ
コン基板1を準備する。シリコン基板1の上に、アルミ
配線パターン2を形成する。アルミ配線パターン2の表
面を被覆するように、シリコン基板1の上に第1のプラ
ズマ酸化膜3を形成する。第1のプラズマ酸化膜3は、
プラズマCVD法で形成される。形成条件は、形成温度
が400℃、圧力が8Torr、高周波パワーが500
Wで、原料ガスにTEOS(Tetraethoxysilane )と酸
素を用いる。第1のプラズマ酸化膜3の膜厚は、200
0Åである。 【0018】図1(b)を参照して、第1のプラズマ酸
化膜3の上に、スピン塗布により、HSQ−SOG膜4
を形成する。本実施例では、2000回転で、膜厚が6
000ÅのHSQ−SOG膜4を形成した。HSQ−S
OG膜4を塗布装置で塗布した直後に、同一装置内で、
ホットプレートにより、仮焼成する。焼成温度は100
℃で1分、200℃で1分、300℃で1分である。 【0019】図1(c)を参照して、HSQ−SOG膜
4の表面を不活性ガスによるプラズマで処理する。本実
施例では、窒素プラズマを使用した。窒素プラズマはN
+ イオンまたはNラジカル5を含む。窒素プラズマ処理
は、第1のプラズマ酸化膜3を形成したものと同一のプ
ラズマCVD装置を使用し、処理温度が400℃、圧力
が8Torr、高周波パワーが500Wで、原料ガスに
窒素を用いて行なった。N+ イオンまたはNラジカル5
は、シリコン基板1上の電界効果または拡散により、H
SQ−SOG膜4上に到達し、さらに、HSQ−SOG
膜4中に侵入する。 【0020】HSQ−SOG膜4は、非常に気体を透過
させやすい性質を持っており、N+イオンまたはNラジ
カル5は、容易にHSQ−SOG膜4中に侵入する。H
SQ−SOG膜4中に侵入したこれらN+ イオンまたは
Nラジカル5は、HSQ−SOG膜4中に含まれるポリ
マと衝突し、Si−O−Si結合を切断し、結果とし
て、立体的なポリマの分子構造を分解し、これを平面的
な分子構造へと変化させる。この平面的な分子構造が、
この後行なわれるシンタ炉による窒素シンタの際に、架
橋反応を促進し、膜強度を高める。そのため、HSQ−
SOG膜4は、アルミ配線2からの外部応力に対し、十
分な耐クラック性を有するようになる。 【0021】図1(d)を参照して、第2のプラズマ酸
化膜6を、第1のプラズマ酸化膜3と同一装置、同一条
件で形成する。図示しないが、この後、この上に第2の
アルミ配線を形成すると、半導体装置は完成する。 【0022】図2は、本発明に従って形成した層間絶縁
膜(窒素プラズマ有り)のクラックの発生頻度を、従来
法により形成した層間絶縁膜の場合(窒素プラズマ無
し)と比較して示した図である。この実験では、図1
(a)−(c)まで行なった状態に、さらに窒素シンタ
を30分間および60分間行ない、クラックの発生を観
察した。図2には、0.3μm、0.4μm、0.5μ
mのアルミ配線の配線間幅(溝幅)において発生したク
ラック数が示されている。また、60箇所でクラックの
発生を観察した。図2より明らかなように、窒素プラズ
マを行なっていない場合、クラックが多数発生している
が、窒素プラズマの処理を行なうことによりクラックが
発生しなくなる。この結果より、窒素プラズマ処理がク
ラック防止に非常に効果を示すことが明らかとなった。 【0023】実施例2 実施例1では、窒素プラズマ処理を例示したが、この発
明はこれに限られるものでなく、アルゴンプラズマ処理
を行なっても、実施例1と同様の効果を実現する。 【0024】なお、上記実施例では金属配線パターンと
してアルミ配線を例示したが、この発明はこれに限られ
ない。 【0025】 【0026】 【発明の効果】以上説明したとおり、この発明に従う半
導体装置の製造方法によれば、HSQで形成された、
i−O−Si結合およびSi−H基を含み、かつ立体的
な分子構造を有するポリマ膜に不活性ガスによるプラズ
マ処理を施し、それによってポリマ膜中に不活性ガスを
導入する。このとき、不活性ガスのラジカルは、ポリマ
膜中に侵入し、ポリマ膜中に含まれるポリマと衝突し、
Si−O−Si結合を切断し、結果として立体的なポリ
マの分子構造を分解し、これを平面的な分子構造へと変
化させる。この平面的な分子構造は、この後行なわれる
シンタ炉による窒素シンタの際に、架橋反応を促進し、
膜強度を高める。それゆえに、得られるポリマ膜は、ア
ルミ配線からの外部応力に対して十分な耐クラック性を
有するようになる。その結果、十分な平坦性、十分な層
間膜絶縁耐圧を持つ高信頼性の層間絶縁膜を有する半導
体装置を与えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】 実施例1に係る半導体装置の製造方法の順序
の各工程における半導体装置の断面図である。 【図2】 実施例2に係る方法によって形成した層間絶
縁膜と従来法を適用して形成した層間絶縁膜の、クラッ
クの発生頻度を示す図である。 【図3】 本発明において使用されるSOG材料である
HSQのポリマ構造を示す図である。 【図4】 層間絶縁膜の従来の形成方法を示す図であ
る。 【符号の説明】 1 シリコン基板、2 アルミ配線パターン、3 第1
のプラズマ酸化膜、4HSQ−SOG膜、5 プラズマ
により生成したN+ イオンまたはNラジカル、6 第2
のプラズマ酸化膜。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3205 H01L 21/321 H01L 21/3213 H01L 21/768 H01L 21/312 H01L 21/314 - 21/318 H01L 21/47 H01L 21/471 - 21/473

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 半導体基板の上に金属配線パターンを形
    成する工程と、 前記金属配線パターンの表面を被覆するように前記半導
    体基板の上に第1の酸化膜を形成する工程と、 前記第1の酸化膜で被覆された前記金属配線パターンを
    覆うように、前記半導体基板の上にハイドロゼンシルセ
    スキオキサンでポリマ膜を形成する工程と、 前記ポリマ膜に不活性ガスによるプラズマ処理を施し、
    それによって、前記ポリマ膜中に不活性ガスを導入する
    工程と、 プラズマ処理された前記ポリマ膜の上に第2の酸化膜を
    形成する工程と、を備えた半導体装置の製造方法。
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