JP3362801B2 - アンカーボルトの天端固定具 - Google Patents

アンカーボルトの天端固定具

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鉄筋配筋とともに型
枠内に設置されたアンカーボルトを固定保持することに
よって、コンクリート打設の際にアンカーボルトが倒れ
或いは移動するのを防止するための天端の固定具に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】基礎コンクリート内に埋設されるアンカ
ーボルトは、通常、鉄筋配筋とともに予め設置された状
態で、前記コンクリートを打設して、そのコンクリート
内に埋設するが、このコンクリート打設の際に、アンカ
ーボルトが倒れたり或いは移動するのを防止するため
に、そのアンカーボルトの上端部分を何らかの形で保持
することが行われている。従来においては、このアンカ
ーボルトの上端部分を固定保持するため、通常、そのア
ンカーボルトの上端と型枠との間に跨って固定プレート
等を取付け、これによって、そのアンカーボルト天端部
分を保持することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の装置におい
て、アンカーボルトは、固定プレートを介して型枠へ固
定保持されており、型枠自体がメタルフォームのように
精度が良く且つコンクリートの打設の際の側圧等によっ
て動かない強度の高いものである限り、特に支障はな
い。しかしながら、木製型枠のように、現場の大工工事
等によって型枠組みが行われるものにおいては、必ずし
も精度良く組立てられるとは考えられず、また、打設の
際の側圧によってその型枠天端部分が外方に膨らんで移
動する可能性があり、このために、その型枠とともにア
ンカーボルトの位置が狂うこととなって、コンクリート
打設後の位置の修正作業を行わなければならないという
欠点がある。
【0004】この発明は、このような従来の欠点を解消
して、アンカーボルトの天端を鉄筋配筋側へ固定するこ
とによって、そのアンカーボルト天端を精度良く保持し
且つコンクリート打設時に移動することがないようにし
た固定具を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明では、型枠内において垂直方向に配置され
るアンカーボルト上端への係止部を一端に備え、他端
に、鉄筋配筋への係止部を備えるとともに、前記アンカ
ーボルトへ係止部は、前記型枠内へ打設されたコンクリ
ートの硬化直前にアンカーボルトより取り外し可能とさ
れ、鉄筋配筋への係止部は、同じくコンクリートの硬化
直前に鉄筋配筋から取り外し可能に、この鉄筋配筋へ上
方から嵌合して係止されていることを特徴とする。
【0006】また、同じくこの出願の請求項2の発明で
は、タンバックルの一方の端部の雄螺子部先端にアンカ
ーボルトの上端への係止部を設け、他方の雄螺子部先端
に鉄筋配筋への係止部を設けていることを特徴とする。
【0007】
【作用】アンカーボルトの天端は、上記固定具を介して
鉄筋配筋側に固定保持されるので、型枠が現場の大工工
事等によって組立てられる精度の低いものであっても、
確実に精度良く保持することができる。また、上記タン
バックルによって、そのアンカーボルト天端と鉄筋配筋
との間の間隔を微調整することができ、そのアンカーボ
ルト天端部分の位置を正確に位置出しすることができる
とともに、コンクリート打設後の修正作業も容易に行な
うことができる。
【0008】
【実施例】図1及び図2において、(1)は、この発明
の固定具であって、この固定具(1)は、両端に雄螺子
(2)(3)を備えたタンバックル(4)と、そのタン
バックル(4)の一方の雄螺子(2)先端に取付けた鉄
筋配筋への係止部(5)と、他方の雄螺子(3)先端に
設けたアンカーボルト天端への係止部(6)とから構成
されている。鉄筋配筋への係止部(5)は、プレート材
を逆U字型に折曲げ形成した形状とされ、他方、アンカ
ーボルト上端への係止部(6)は、側面から見て倒くの
字型に折曲げ形成したプレートからなり、その先端部分
に、ボルト穴(7)が形成されている。
【0009】(9)は、捨コンクリート(8)等の地盤
上に設置された土台であり、この土台(9)の水平プレ
ート(10)へ、アンカーボルト(11)の下端を挿入して
ナットで締め付け固定し、これによって、アンカーボル
ト(11)(11)…を上方に垂直に立設している。このア
ンカーボルト(11)は、コンクリート打設後に柱脚の下
端を固定するためのものであって、各柱脚の位置毎に4
本のアンカーボルト(11)(11)…を立設している。
(12)は、平面から見て方形に形成された上下複数個の
スタラップ筋、(14)は、各スタラップ筋(12)(12)
…の各コーナー部の内側間に跨って配置された4本の縦
筋であり、これら縦筋(14)とスタラップ筋(12)とに
よって、柱ユニット筋(15)を構成しており、この柱ユ
ニット筋(15)が、上記アンカーボルト(11)(11)…
の外側を囲むようにして設置されている。
【0010】他方(17)は、前記柱ユニット筋(15)
に跨って設置される基礎梁部分の梁筋ユニットであっ
て、この梁筋ユニット(17)は、基礎長手方向の端面側
から見て長方形状に形成されたスタラップ筋(18)と、
各スタラップ筋(18)(18)…のコーナー部間に跨って
配置された4本の横筋(19)とからなり、これらスタラ
ップ筋(18)と横筋(19)を予め一体に組立てたもの
を、土台ブロック(20)上に設置して配置するようにし
ている。この場合スタラップ筋(18)(18)…間の間隔
は、通常、建物のモジュール芯に合わせて設置されるよ
うになっており、それゆえ、このスタラップ筋(18)の
位置は、常に同じ位置に精度良く設置されるようになっ
ている。
【0011】次に、上記固定具(1)の取付け方法を説
明すると、まず、アンカーボルト(11)の上端部には、
連結プレート(22)が設置されて、この連結プレート
(22)によって、各4本のアンカーボルト(11)天端間
を互いの位置関係を保持するようにして固定されるよう
になっている。即ち、この連結プレート(22)は、各コ
ーナー部分にアンカーボルト(11)の本数に応じてボル
ト穴(23)が形成されており、このボルト穴(23)へ、
アンカーボルト(11)の上端を挿入して保持するように
なっている。そして、この状態において、更にその連結
プレート(22)の上部側から、前記固定具(1)におけ
るアンカーボルトへの係止部(6)のボルト穴(7)
を、そのアンカーボルト(11)上端へ外嵌し、更にその
上からナット(24)を螺合して、連結プレート(22)下
側のナット(25)との間で、相互に締め付けて固定す
る。他方、鉄筋配筋への係止部(5)は、その下端解放
部分を、前記梁筋ユニット(17)におけるスタラップ筋
(18)の上部水平部(18a) へ、上方から嵌合し、このよ
うにして、固定具(1)を、梁筋ユニット(17)とアン
カーボルト(11)上端とに跨って固定する。このとき、
中央部分のタンバックル(4)の本体(26)を適当に回
転させて、アンカーボルト(25)の位置が狂わないよう
正確な位置に調整する。
【0012】上記の状態で、型枠内にコンクリートを打
設し、その打設したコンクリートが完全に硬化する前
に、固定具(1)を取り外すものである。その場合、再
び、前記タンバックル(4)を回転させて、アンカーボ
ルト(11)の天端の位置を微調整することによって、そ
のアンカーボルト(11)が確実に正確な位置に保持され
た状態でコンクリートが硬化することになる。
【0013】図3〜図5は、固定具(1)の別の実施例
を示している。この固定具(1)においては、従来と同
じく中央部にタンバックル(4)を備えているが、その
一方の雄螺子部(3)先端に取付けたアンカーボルトへ
の係止部(6)は、アンカーボルト(11)の上端へ側方
から取付けできるよう、スリット状のボルト穴(7)と
し、他方の雄螺子部(2)先端の鉄筋配筋への係止部
(5)は、先端方向から見て逆U字形に折曲げられたプ
レート材を、その雄螺子部(2)から垂直に下方へ垂下
させた形状として、その下端部分に、前記スタラップ筋
(18)の水平部(18a) へ上方から係止できるよう下端に
解放されたスリット(27)を形成している。
【0014】なお上記実施例の固定具(1)は、何れ
も、コンクリートの硬化直前に取り外しするように構成
されている。
【0015】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、従来
のようにアンカーボルトの上端を型枠側へ連結するので
はなく、鉄筋配筋へ連結して固定するものであり、それ
ゆえ、現場の大工作業等によって組立てる型枠のように
精度の低い型枠を用いる場合であっても、このアンカー
ボルト上端をその位置に精度良く保持できるという効果
がある。しかも、この発明の固定具は、型枠内に打設さ
れたコンクリートが硬化する直前に、両端の係止部をア
ンカーボルト及び鉄筋配筋より取り外し可能とされてい
るから、このように取り外すことによって再使用が可能
であり、それだけ低コストに施工できる効果がある。
に、鉄筋配筋を、実施例のように、建物のモジュール芯
などによって、そのモジュール芯に合わせて設置される
ようなユニット鉄筋の場合に特に有効である。
【0016】加えて、この出願の請求項2の発明では、
中間部分にタンバックルを設けることによって、取付け
時の鉄筋とアンカーボルト間の間隔を調整して、そのア
ンカーボルトの位置を正確な位置となるように調整する
ことができるという利点があるとともに、コンクリート
打設後においても、そのタンバックルによって、より正
確に微調整できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例において、固定具を鉄筋配筋
とアンカーボルトへ固定する前の状態を示す斜視図であ
る。
【図2】同じく固定具の取付け状態を示す側面図であ
る。
【図3】この発明の固定具の他の実施例を示す側面図で
ある。
【図4】同じく平面図である。
【図5】同じく鉄筋配筋への固定部の端部側から見た側
面図である。
【符号の説明】
(1) 固定具 (2) 雄螺子部 (3) 雄螺子部 (4) タンバックル (5) 鉄筋配筋への係止部 (6) アンカーボルト上端への係止部 (11) アンカーボルト (17) 梁筋ユニット (18a) 梁筋ユニットの上部水平部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 27/00 E02D 27/08 E04B 1/41 502

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型枠内において垂直方向に配置されるア
    ンカーボルト上端への係止部を一端に備え、他端に、鉄
    筋配筋への係止部を備えるとともに、前記アンカーボル
    トへ係止部は、前記型枠内へ打設されたコンクリートの
    硬化直前にアンカーボルトより取り外し可能とされ、鉄
    筋配筋への係止部は、同じくコンクリートの硬化直前に
    鉄筋配筋から取り外し可能に、この鉄筋配筋へ上方から
    から嵌合して係止されていることを特徴とするアンカー
    ボルトの天端固定具。
  2. 【請求項2】 タンバックルの一方の端部の雄螺子部先
    端にアンカーボルトの上端への係止部を設け、他方の雄
    螺子部先端に鉄筋配筋への係止部を設けていることを特
    徴とする請求項1のアンカーボルトの天端固定具。
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