JP3360314B2 - フルオロトラン誘導体 - Google Patents
フルオロトラン誘導体Info
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Description
て有用である新規なフルオロトラン誘導体である液晶化
合物に関する。
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子
手帳、プリンター、コンピュータ、テレビ等に用いられ
ている。液晶表示方式としては、TN(捩れネマチッ
ク)型、STN(超捩れネマチック)型、DS(動的光
散乱)型、GH(ゲストホスト)型あるいはFLC(強
誘電性液晶)等が知られているが、TN型及びSTN型
が、現在最もよく用いられている。また駆動方式として
も従来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動が
一般的になり、表示容量も増加した。
要求されているが、広い温度範囲で動作可能なことと、
しきい値電圧が低いことは共通して特に重要な要求特性
である。
よってMol.Cryst.Liq.Cryst.63 45(1981)に報告されて
いるように、セル外観を損なう原因となるセル表面での
干渉縞の発生を防止するために、セルに充填させる液晶
材料の屈折率異方性(Δn)とセルの厚さ(d)μmの
積をある特定の値に設定する必要がある。実用的に使用
される液晶セルでは、Δn・dの値が0.5、1.0、1.6ま
たは2.2のいずれかに設定されている。このようにΔn
・dの値が一定値に設定されているため、Δnの値の大
きな液晶材料を使用することにより、dの値を小さくす
ることができる。dの値が小さくなると、応答時間
(τ)は、下記の関係式(1)
晶材料は応答速度が速く、しかも干渉縞のない液晶セル
を作製するのに極めて重要である。
転移温度(以下、N−I点という。)を上昇させ、同時
にしきい値電圧を低下させ、しかもΔnを大きくする化
合物は、ワープロ等に搭載されているSTN型液晶表示
や、画素毎に能動素子あるいは非線形素子を配した液晶
テレビなど、高速応答性を重視する液晶表示に有用な液
晶材料である。
nを大きくさせる目的で用いられている化合物には式
(a)
かしながら、上記の式(a)の化合物を混合した場合、
得られる液晶組成物のΔnは大きくなるものの、しきい
値電圧は充分に低いものとはいえなかった。
成物に混合した際にΔnを大きくさせ、且つしきい値電
圧を低下させることができる新規化合物を提供すること
にある。
決するために、一般式(I)
アルキル基を表わし、Xはフッ素原子又はトリフルオロ
メチル基を表わす。)で表わされる化合物を提供する。
本発明に係わる一般式(I)で表わされる化合物は、例
えば、次の製造方法に従って製造することができる。
で、Rは炭素原子数1〜10の直鎖状アルキル基を表わ
し、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表わ
し、Y及びZは各々独立的に、沃素原子又は臭素原子を
表わす。)
パラジウム触媒の存在下、一般式(III)の化合物と
反応させることにより、一般式(IV)の化合物を製造
する。 第2段階:一般式(IV)の化合物を水素化ナトリウム
等の強塩基と反応させ、一般式(V)の化合物を製造す
る。 第3段階:一般式(V)の化合物を銅とパラジウム触媒
の存在下、一般式(VI)の化合物と反応させて、本発
明の一般式(I)の化合物を製造する。
れる化合物の代表的なものの例を第1表に掲げる。
を、Iは等方性液体相をそれぞれ表わす。)
化合物は、例えば、正又は負の誘電率異方性を有する他
のネマチック液晶化合物との混合物の状態で電界効果型
表示セルの材料として使用することができる。
合物と混合して使用することのできるネマチック液晶化
合物の好ましい代表例としては、例えば、4−置換安息
香酸4−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキサ
ンカルボン酸4−置換フェニルエステル、4−置換シク
ロヘキサンカルボン酸4’−置換ビフェニリルエステ
ル、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)
安息香酸4−置換フェニルエステル、4−(4−置換シ
クロヘキシル)安息香酸4−置換フェニルエステル、4
−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換シクロ
ヘキシルエステル、4,4’−置換ビフェニル、1−
(4−置換フェニル)−4−置換シクロヘキサン、4,
4”−置換ターフェニル、1−(4’−置換ビフェニリ
ル)−4−置換シクロヘキサン、1−(4−置換シクロ
ヘキシル)−4−(4−置換フェニル)シクロヘキサ
ン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリミジン、
2−(4’−置換ビフェニリル)−5−置換ピリミジン
などを挙げることができる。
晶(A)80重量%及び第1表中のNo.1〜No.4の化合
物20重量%から成る各液晶組成物のΔn及び20℃に
おけるしきい値電圧を掲示し、比較のために母体液晶
(A)80重量%及び式(a)の化合物20重量%から
成る混合液晶、更に母体液晶(A)についても、同様に
Δn及び20℃におけるしきい値電圧を掲示したもので
ある。
o.4の化合物は、母体液晶(A)のしきい値電圧を十分
に低下させ、しかもΔnを同時に上昇させる効果を有す
ることが明らかである。
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
−プロピルシクロヘキシル)フェニル]−2−(3,
4,5−トリフルオロフェニル)エチン(No.1の化合
物)の合成
シクルヘキシル)フェニル]−1−ブチン−3−メチル
−3−オールの合成 4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−1−
ヨ−ドベンゼン13.3g(40.5ミリモル)と3−メチル−
1−ブチン−3−オール5.1g(60.7ミリモル)をトリエ
チルアミン40mlに溶解した。ヨウ化銅(I)0.15gとジ
クロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(II)0.2gを加え、1時間室温で攪拌した。水100ml
を加え、反応生成物を酢酸エチル100mlで抽出し、更に
有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン/酢酸エチル
=4/1)を用いて精製して、1−[(トランス−4−
プロピルシクロヘキシル)フェニル]−1−ブチン−3
−メチル−3−オール11.5g(40.5ミリモル)を得た。
クロヘキシル)フェニルエチンの合成 水素化ナトリウム1.5gをトルエン20mlに懸濁し、1−
[(トランス−4−プロピルシクルヘキシル)フェニ
ル]−1−ブチン−3−メチル−3−オールを、トルエ
ン70mlに溶解し、室温で30分間で滴下した。滴下終了
後、更に1時間加熱還流させた。室温まで放冷した後に
水100mlに加え、更に有機層を水、飽和食塩水で順次洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した
後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(展開溶媒:ヘキサン)を用いて精製して、4−(ト
ランス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニルエチン
8.4g(37.8ミリモル)を得た。
ピルシクロヘキシル)フェニル]−2−(3,4,5−
トリフルオロフェニル)エチンの合成 4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニ
ルエチン6.6g(29.7ミリモル)と1−ブロモ−3,4,
5−トリフルオロベンゼン6.3g(29.8ミリモル)をトリ
エチルアミン24ml及びジメチルホルムアミド60mlに溶解
した。ヨウ化銅(I)0.1gとジクロロ−ビス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(II)0.1gを加え、30
分間室温で攪拌し、更に3時間加熱還流させた。水100m
lを加え、反応生成物をトルエン100mlで抽出し、更に有
機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を留去した後、得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサ
ン)を用いて精製して、1−[4−(トランス−4−プ
ロピルシクロヘキシル)フェニル]−2−(3,4,5
−トリフルオロフェニル)エチン7.4g(21.0ミリモル)
を得た。尚、この化合物の相転移温度は第1表に示した
通りである。
チルシクロヘキシル)フェニル]−2−(3,4,5−
トリフルオロフェニル)エチン(No.3の化合物)及び
1−[4−(トランス−4−ブチルシクロヘキシル)フ
ェニル]−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)
エチン(No.4の化合物)を得た。尚、これらの化合物
の相転移温度は第1表に示した通りである。
−プロピルシクロヘキシル)フェニル]−2−(3,5
−ジフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)エチ
ン(No.2の化合物)の合成
シル)フェニルエチン1.3g(5.9ミリモル)と1−ブロ
モ−3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメチルベン
ゼン1.5g(5.7ミリモル)をトリエチルアミン10ml及び
ジメチルホルムアミド25mlに溶解した。ヨウ化銅(I)
0.1gとジクロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラ
ジウム(II)0.1gを加え、30分間室温で攪拌し、更
に3時間加熱還流させた。反応終了後、水50mlを加え、
反応生成物をトルエン50mlで抽出し、更に有機層を水、
飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(展開溶媒:ヘキサン)を用いて精製して、4−
(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル]
−2−(3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメチル
フェニル)エチン2.1g(5.2ミリモル)を得た。尚、こ
の化合物の相転移温度は第1表に示した通りである。
び20℃におけるしきい値電圧を測定したところ、次の
通りであった。 Δn 0.092 しきい値電圧(20℃) 1.60V この母体液晶(A)80重量%及び実施例1で得られた
No.1
調製し、Δn及びしきい値電圧を測定したところ、次の
通りであった。 Δn 0.117 しきい値電圧(20℃) 1.53V
化合物20重量%及び母体液晶(A)80重量%から成
る液晶組成物を調製し、Δn及びしきい値電圧を測定し
たところ、次の通りであった。
化合物20重量%及び母体液晶(A)80重量%から成
る液晶組成物を調製し、Δn及びしきい値電圧を測定し
たところ、次の通りであった。
2
調製し、Δn及びしきい値電圧を測定したところ、次の
通りであった。 Δn 0.117 しきい値電圧(20℃) 1.49V 以上の結果から、本発明の一般式(I)の化合物は、母
体液晶のΔnを大きくさせ、且つしきい値電圧を低下さ
せる効果を有することが明らかである。
調製し、Δn及びしきい値電圧を測定したところ、次の
通りであった。 Δn 0.122 しきい値電圧(20℃) 1.82V この結果から、式(a)の化合物は、母体液晶のΔnを
大きくさせるものの、しきい値電圧を大きく上昇させて
しまうことが明らかである。
物は、ネマチック液晶として現在汎用されている母体液
晶との相溶性に優れており、母体液晶のΔnを大きくさ
せ、且つしきい値電圧を低下させることができる。
る化合物は、ワープロ等に搭載されているSTN液晶表
示や、画素毎に能動素子、非線形素子を配した液晶テレ
ビなど高速応答性を重視する液晶表示素子に有用な液晶
材料である。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素原子数1〜10の直鎖状アルキル基を
表わし、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表
わす。)で表わされる化合物を含有する液晶組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の一般式(I)で表わされ
る化合物を含有する画素毎に能動素子又は非能動素子を
配した液晶ディスプレイ用液晶組成物。 - 【請求項3】 請求項1記載の一般式(I)で表わされ
る化合物を含有するSTN用液晶組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19206592A JP3360314B2 (ja) | 1992-07-20 | 1992-07-20 | フルオロトラン誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19206592A JP3360314B2 (ja) | 1992-07-20 | 1992-07-20 | フルオロトラン誘導体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0640971A JPH0640971A (ja) | 1994-02-15 |
JP3360314B2 true JP3360314B2 (ja) | 2002-12-24 |
Family
ID=16285046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19206592A Expired - Lifetime JP3360314B2 (ja) | 1992-07-20 | 1992-07-20 | フルオロトラン誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3360314B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5956739U (ja) * | 1982-10-07 | 1984-04-13 | 黒谷 信子 | シリコンウエハ等の水切乾燥装置 |
TWI385240B (zh) * | 2008-11-25 | 2013-02-11 | Ind Tech Res Inst | 液晶化合物及包括此化合物之液晶組合物 |
-
1992
- 1992-07-20 JP JP19206592A patent/JP3360314B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0640971A (ja) | 1994-02-15 |
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