JP3433756B2 - ジフルオロシクロプロパン誘導体 - Google Patents

ジフルオロシクロプロパン誘導体

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JP3433756B2
JP3433756B2 JP01867793A JP1867793A JP3433756B2 JP 3433756 B2 JP3433756 B2 JP 3433756B2 JP 01867793 A JP01867793 A JP 01867793A JP 1867793 A JP1867793 A JP 1867793A JP 3433756 B2 JP3433756 B2 JP 3433756B2
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真治 小川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気光学的液晶表示材料
として有用な、ジフルオロシクロプロパン誘導体である
新規化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子
手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いら
れるようになっている。液晶表示方式としては、その代
表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩
れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲス
ト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液晶)等が知
られているが、このうち現在最もよく用いられているの
はTN型及びSTN型である。また駆動方式としても従
来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動が一般
的になり、更に単純マトリックス方式、最近ではアクテ
ィブマトリックス方式が実用化されている。これらのう
ち、アクティブマトリックス方式によると、最も高画質
の表示が可能であり、視野角が広く、高精細化、カラー
化が容易で、動画表示も可能であるので、今後の液晶表
示方式の主流になると考えられている。
【0003】このアクティブマトリックス表示方式に用
いられる液晶材料には、通常の液晶表示方式のものと同
様に種々の特性が要求されているが、特に(1)比抵抗
が高く、電圧保持率に優れること、(2)しきい値電圧
(Vth)が低いこと、(3)温度範囲が広いこと等が重
要である。
【0004】通常、液晶表示におけるしきい値電圧は式
(1)
【0005】
【数1】
【0006】(式中、kは比例定数を、Kは弾性定数
を、Δεは誘電率異方性をそれぞれ表わす。)で表わさ
れるが、この式からわかるように、しきい値電圧を低く
するためには液晶材料の弾性定数を小さくするか、ある
いは誘電率異方性を大きくする必要がある。
【0007】ところが、誘電率異方性の大きい液晶化合
物は極性が大きく、高い比抵抗値や電圧保持率を得るこ
とはかなり困難である。そのため、こうした目的には弾
性定数が小さい液晶材料が必要である。しかしながら、
弾性定数の小さい2環性の化合物は、組成物の液晶相の
上限温度を大幅に低下させてしまう傾向を有するものが
ほとんどである。
【0008】一方、液晶組成物の温度範囲を特に高温域
に広げるためには、3環性あるいは4環性の液晶相上限
温度の高い化合物を組成物に添加する必要がある。しか
しながら、このように上限温度の高い化合物は弾性定数
が大きく、組成物のしきい値電圧を上昇させる傾向を有
するものが多い。
【0009】そのため、誘電率異方性があまり大きくな
く、液晶相温度範囲が高温域まで広く、且つしきい値電
圧の低い液晶組成物を得ることはかなり困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、以上の目的に応じ、組成物の液晶相上限温
度を上昇させると同時に、しきい値電圧を低下させる化
合物を提供し、またその化合物を含有し、温度範囲が広
く、且つしきい値電圧の低い液晶組成物を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、一般式(I)
【0012】
【化2】
【0013】(式中、R1は炭素原子数1〜10の直鎖
状アルキル基を表わすが、好ましくは炭素原子数1〜5
の直鎖状アルキル基を表わし、R2は水素原子又は炭素
原子数1〜5の直鎖状アルキル基を表わすが、好ましく
は水素原子又は炭素原子数1〜3の直鎖状アルキル基を
表わす。R2がアルキル基である場合、シクロプロパン
環はトランス配置又はシス配置であるが、トランス配置
が好ましく、また、シクロヘキサン環はトランス配置を
表わす。)で表わされるジフルオロシクロプロパン誘導
体を提供する。
【0014】本発明の一般式(I)で表わされる化合物
は、対応する一般式(II)
【0015】
【化3】
【0016】(式中、R1、R2及びシクロヘキサンの配
置は一般式(I)におけると同じ意味を表わす。)で表
わされるアルケニルベンゼン誘導体を、ジフルオロクロ
ロ酢酸塩と反応させてジフルオロシクロプロパン化する
ことにより、容易に得ることができる。この時、R2
アルキル基である場合、トランス体の一般式(II)の
化合物からはトランス体の一般式(I)の化合物が、シ
ス体の一般式(II)の化合物からはシス体の一般式
(I)の化合物が得られる。
【0017】トランス体の一般式(II)の化合物は一
般式(III)
【0018】
【化4】
【0019】(式中、R1、R2及びシクロヘキサン環の
配置は一般式(I)におけると同じ意味を表わす。)で
表わされるベンジルアルコール誘導体を脱水することに
よって得ることができる。
【0020】一般式(III)の化合物は一般式(I
V)
【0021】
【化5】
【0022】(式中、R1、R2及びシクロヘキサン環の
配置は一般式(I)におけると同じ意味を表わす。)で
表わされるフェニルケトン誘導体を還元することによっ
て得ることができる。
【0023】また、これとは別に、一般式(V)
【0024】
【化6】
【0025】(式中、R1及びシクロヘキサン環の配置
は一般式(I)におけると同じ意味を表わし、ZはMg
Cl、MgBr、MgI又はLiを表わす。)で表わさ
れるフェニル金属化合物と一般式(VI)
【0026】
【化7】
【0027】(式中、R2は一般式(I)におけると同
じ意味を表わす。)で表わされるアルデヒドを反応させ
ることによっても得ることができる。ここで、一般式
(IV)の化合物は一般式(VII)
【0028】
【化8】
【0029】(式中、R1及びシクロヘキサン環の配置
は一般式(I)におけると同じ意味を表わす。)で表わ
されるシクロヘキシルベンゼン誘導体と一般式(VII
I)
【0030】
【化9】
【0031】(式中、R2は一般式(I)におけると同
じ意味を表わす。)で表わされるカルボン酸クロリド
を、ルイス酸触媒下で反応させることによって得ること
ができる。 あるいは、一般式(VIII)の化合物に
代えて、対応するカルボン酸無水物を用いても同様に得
ることができる。
【0032】また、シス体の一般式(II)の化合物は
一般式(IX)
【0033】
【化10】
【0034】(式中、R1及びシクロヘキサン環の配置
は一般式(I)におけると同じ意味を表わす。)で表わ
されるベンズアルデヒド誘導体と一般式(X)
【0035】
【化11】
【0036】(式中、R2は一般式(I)におけると同
じ意味を表わし、Phはフェニル基を表わす。)で表わさ
れるWittig反応剤を反応させることによって得る
ことができる。
【0037】一般式(IX)の化合物は、一般式(V)
の化合物とオルト蟻酸エステルを反応させた後、アセタ
ールを加水分解することによって得ることができ、もし
くはホルムアルデヒドを反応させた後、得られたアルコ
ールを酸化することによっても得ることができる。ま
た、一般式(VII)の化合物とシュウ酸ジクロリドを
ルイス酸存在下で反応させた後、得られた酸クロリドを
還元することによっても得ることができる。
【0038】斯くして製造された一般式(I)で表わさ
れる化合物の代表例を第1表に掲げる。
【0039】
【表1】
【0040】(表中、Crは結晶相を、SBはスメクチ
ックB相を、Iは等方性液体相をそれぞれ表わす。)
【0041】第1表から、一般式(I)で表わされる化
合物は単独ではネマチック相を示さないものもある。し
かしながら、後述の実施例にも示したように、本発明の
一般式(I)の化合物は、組成物に添加することによっ
て組成物のネマチック相上限温度を高温域に上昇させる
ことが可能である。
【0042】本発明の一般式(I)で表わされる化合物
は、他のネマチック液晶化合物との混合物の状態で、特
にTN型あるいはSTN型といった電界効果型表示セル
の材料として、組成物の温度範囲を高温域に拡大すると
同時に、しきい値電圧を低下させる目的に使用すること
ができ、アクティブマトリックス駆動用液晶材料の構成
成分として特に適している。
【0043】このように、一般式(I)で表わされる化
合物と混合して使用することのできるネマチック液晶化
合物の好ましい代表例としては、例えば、4−置換安息
香酸4−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキサ
ンカルボン酸4−置換フェニルエステル、4−置換シク
ロヘキサンカルボン酸4’−置換ビフェニリルエステ
ル、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)
安息香酸4−置換フェニルエステル、4−(4−置換シ
クロヘキシル)安息香酸4−置換フェニルエステル、4
−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換シクロ
ヘキシルエステル、4,4’−置換ビフェニル、1−
(4−置換フェニル)−4−置換シクロヘキサン、4,
4”−置換ターフェニル、1−(4’−置換ビフェニリ
ル)−4−置換シクロヘキサン、1−(4−置換シクロ
ヘキシル)−4−(4−置換フェニル)シクロヘキサ
ン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリミジン、
2−(4’−置換ビフェニリル)−5−置換ピリミジン
などを挙げることができ、特にアクティブマトリックス
用としては、4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置
換フェニル)−4−置換シクロヘキサン、4,4”−置
換ターフェニル、1−(4’−置換ビフェニリル)−4
−置換シクロヘキサン、1−(4−置換シクロヘキシ
ル)−4−(4−置換フェニル)シクロヘキサンなどが
好ましい。
【0044】一般式(I)の化合物の効果は後述の実施
例にも示したが、以下の例からも明らかである。ネマチ
ック液晶材料として現在汎用されている母体液晶(A)
を調製した。
【0045】
【化12】
【0046】(上記中、シクロヘキサン環はトランス配
置を表わし、「%」は「重量%」を表わす。)この母体
液晶(A)は54.5℃以下でネマチック相を示し、誘
電率異方性(Δε)は6.7であり、これを用いて作製
したTNセルのしきい値電圧(Vth)は1.60Vであ
った。
【0047】この母体液晶(A)80重量%及び第1表
中の(No.2)の化合物20重量%からなる液晶組成
物(M−1)を調製した。この(M−1)のネマチック
相の上限温度は58.1℃であり、Δεは5.3とかな
り小さくなった。ところが、この組成物を用いて同様に
してセルを作製し、Vthを測定したところ、Δεがかな
り小さくなったにもかかわらず、1.48Vと低下し
た。これは(No.2)の化合物の弾性定数(K)が、
3環化合物としてはかなり低いことによるものと考えら
れる。
【0048】これに対し、(No.2)の化合物に代え
て、(No.2)の化合物の類似構造を有するが、ジフ
ルオロシクロプロパン環のない式(R−1)
【0049】
【化13】
【0050】の化合物20重量%及び母体液晶(A)8
0重量%からなる液晶組成物(N−1)を調製した。
(N−1)のネマチック相の上限温度は64.8℃と
(M−1)に比べて高く、Δεは7.0とやや大きくな
った。しかしながら、同様にしてセルを作製し、Vth
測定したところ、Δεが大きいにもかかわらず、1.6
0Vと(M−1)に比べてかなり高くなった。このこと
から、式(R−1)の化合物の弾性定数は、(No.
2)の化合物に比べると、かなり大きいと考えられる。
【0051】以上の結果から、一般式(I)で表わされ
る化合物は、ネマチック相を示す母体液晶の液晶上限温
度を上昇させると同時に、しきい値電圧(Vth)を効果
的に低下させることが明らかである。
【0052】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0053】なお、相転移温度の測定は温度調節ステー
ジを備えた偏光顕微鏡及び示差走査熱量計(DSC)を
併用して行った。また、化合物の構造は核磁気共鳴スペ
クトル(1H−NMR)、赤外吸収スペクトル(I
R)、質量スペクトル(MS)等により確認した。IR
における(KBr)は錠剤成形による測定を表わす。N
MRにおけるCDCl3は溶媒を表わし、sは1重線、
mは多重線を表わす。MSにおけるM+は親ピークを表
わす。また、組成物における「%」は「重量%」を表わ
す。
【0054】(実施例1) 1−[トランス−4−(ト
ランス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシ
ル]−4−(トランス−3−プロピル−2,2−ジフル
オロシクロプロピル)ベンゼン(No.2の化合物)の
合成
【0055】
【化14】
【0056】(1−a) 1−[4−[トランス−4−
(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキ
シル]フェニル]−1−ペンタノンの合成 無水塩化アルミニウム10.3gのジクロロメタン70
ml懸濁液を0℃に冷却し、吉草酸クロリド9.3gを
加えて攪拌溶解した後、[トランス−4−(トランス−
4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル]ベンゼ
ン20gのジクロロメタン35ml溶液を、攪拌下15
分間で滴下し、更に15分間攪拌した後、室温に戻して
1時間攪拌した。反応終了後、反応液を氷水中にあけ、
有機層を分離し、水層から反応生成物をジクロロメタン
で抽出し、分離した有機層を合わせ、水、次いで飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥した。溶
媒を溜去して、1−[4−[トランス−4−(トランス
−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル]フェ
ニル]−1−ペンタノンの粗結晶24.5gを得た。
【0057】(1−b) 1−[4−[トランス−4−
(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキ
シル]フェニル]−1−ペンタノールの合成 上記(1−a)で得た1−[4−[トランス−4−(ト
ランス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシ
ル]フェニル]−1−ペンタノンの粗結晶24.0gを
テトラヒドロフラン(THF)40mlに溶解した。こ
の溶液を水素化アルミニウムリチウム2.47gのTH
F60ml懸濁液に、室温で15分間で滴下した。更に
室温で2時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液
を加えて過剰の水素化物を分解し、更に塩酸を加え、デ
カンテーションにより沈澱物を除去した。沈澱物をトル
エンで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水乾燥した
後、溶媒を溜去して、1−[4−[トランス−4−(ト
ランス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシ
ル]フェニル]−1−ペンタノールの粗結晶24.1g
を得た。
【0058】(1−c) 1−[トランス−4−(トラ
ンス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル]
−4−(1−ペンテニル)ベンゼンの合成 上記(1−b)で得た1−[4−[トランス−4−(ト
ランス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシ
ル]フェニル]−1−ペンタノール20gのトルエン2
50ml溶液に硫酸水素カリウム1.0gを加え、水を
除去しながら4時間加熱還流した後、放冷し、反応液を
水にあけ、反応生成物をトルエンで抽出した。有機層を
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)を用いて精製
して、1−[トランス−4−(トランス−4−プロピル
シクロヘキシル)シクロヘキシル]−4−(1−ペンテ
ニル)ベンゼンの白色結晶18.9gを得た。
【0059】(1−d) 1−[トランス−4−(トラ
ンス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル]
−4−(トランス−3−プロピル−2,2−ジフルオロ
シクロプロピル)ベンゼンの合成 上記(1−c)で得た1−[トランス−4−(トランス
−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル]−4
−(1−ペンテニル)ベンゼン3gを、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル9mlに溶解した。この溶液に
3,5−ジ−t−ブチルカテコール35mgを加えて1
65℃に加熱し、ジフルオロクロロ酢酸ナトリウム7.
8gのジエチレングリコールジメチルエーテル22ml
溶液を内温を160℃以上に保ちながら、45分間で滴
下した。更に165℃で2時間攪拌した後、放冷し、反
応液を水にあけ、反応生成物をトルエンで抽出した。有
機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)を用い
て精製して、1−[トランス−4−(トランス−4−プ
ロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル]−4−(トラ
ンス−3−プロピル−2,2−ジフルオロシクロプロピ
ル)ベンゼンの白色結晶3.3gを得た。更にエタノー
ルから再結晶させて精製し、その相転移温度を測定した
ところ、融点は151.3℃であり、157.2℃まで
スメクチックB相を示し、それ以上の温度で等方性液体
相となった。
【0060】IR(KBr):1510,1465,1
445,1290,1260,1240,1180,1
135,920,830cm-1 NMR:δ=0.9〜1.8(m,34H),2.3〜
2.8(m,2H),7.2(s,4H) MS:m/e=402(M+
【0061】(実施例2) 1−[トランス−4−(ト
ランス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシ
ル]−4−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)ベン
ゼン(No.1の化合物)の合成 実施例1において、吉草酸クロリドに代えて、無水酢酸
を用いた以外は実施例1と同様にして、1−[トランス
−4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)シク
ロヘキシル]−4−(2,2−ジフルオロシクロプロピ
ル)ベンゼンを得た。この化合物の相転移温度は第1表
に示した。
【0062】IR(KBr):1520,1465,1
445,1380,1315,1300,1240,1
225,1045,1025,950,935,825
cm-1 NMR:δ=0.9〜1.8(m,28H),2.3〜
2.8(m,2H),7.2(s,4H) MS:m/e=360(M+
【0063】(実施例3) 液晶組成物の調製
【0064】
【化15】
【0065】(上記中、シクロヘキサン環はトランス配
置を表わす。)からなる母体液晶(A)を調製したとこ
ろ、54.5℃以下でネマチック(N)相を示した。そ
の物性値及びこれを用いて作製したTNセルのしきい値
電圧(Vth)は以下の通りであった。
【0066】誘電率異方性(Δε) 6.7 屈折率異方性(Δn) 0.092 しきい値電圧(Vth) 1.60V
【0067】この母体液晶(A)80%及び実施例1の
(No.2)の化合物20%からなる液晶組成物(M−
1)を調製した。この(M−1)のN相の上限温度(T
N-I)及びその物性値は以下の通りであった。
【0068】N相の上限温度(TN-I) 58.1℃ 誘電率異方性(Δε) 5.3 屈折率異方性(Δn) 0.090 しきい値電圧(Vth) 1.48V
【0069】このことから、(M−1)は母体液晶
(A)と比較して、N相の上限温度が上昇しており、誘
電率異方性(Δε)が非常に小さくなっているにもかか
わらず、しきい値電圧は低下していることが明らかであ
る。前述の式(1)から考えて、(No.2)の化合物
の弾性定数(K)はかなり小さいと考えられる。
【0070】また、この組成物(M−1)を低温で長時
間放置したが、析出物等は全く観察されなかった。従っ
て、(No.2)の化合物は従来の液晶化合物との相溶
性にも優れていることが理解できる。
【0071】(比較例1)実施例3において、(No.
2)の化合物に代えて、(No.2)の化合物の類似構
造を有するが、ジフルオロシクロプロパン環のない式
(R−1)
【0072】
【化16】
【0073】の化合物20%及び母体液晶(A)80%
からなる液晶組成物(N−1)を調製した。この(N−
1)のN相の上限温度(TN-I)及びその物性値は以下
の通りであった。
【0074】N相の上限温度(TN-I) 64.8℃ 誘電率異方性(Δε) 7.0 屈折率異方性(Δn) 0.093 しきい値電圧(Vth) 1.60V
【0075】このことから、(N−1)はN相の上限温
度が(M−1)に比べて高いものの、しきい値電圧(V
th)も高く、Δεは(M−1)とは逆に大きくなったこ
とが明らかである。前述の式(1)から考えて、式(R
−1)の化合物の弾性定数は、(No.2)の化合物に
比べるとかなり大きいと考えられる。
【0076】
【発明の効果】本発明に係わる一般式(I)で表わされ
る化合物は、工業的にも容易に製造でき、熱、光、水等
に対し、化学的に安定であり、ネマチック液晶として現
在汎用されている母体液晶との相溶性にも優れている。
しかも、母体液晶に少量添加することにより、ネマチッ
ク相上限温度を低下させることなく、しきい値電圧(V
th)を効果的に低下させることが可能である。
【0077】従って、温度範囲が広く、且つ低電圧駆動
が要求される各種液晶表示素子、特にアクティブマトリ
ックス駆動用の液晶材料として非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−122656(JP,A) 特開 平5−78272(JP,A) 日本化学会誌,1992年,12,1401−11 頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 23/18 C09K 19/30 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1は炭素原子数1〜10の直鎖状アルキル基
    を表わし、R2は水素原子又は炭素原子数1〜5の直鎖
    状アルキル基を表わす。)で表わされる化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の一般式(I)で表わされ
    る化合物を含有する液晶組成物。
JP01867793A 1993-02-05 1993-02-05 ジフルオロシクロプロパン誘導体 Expired - Fee Related JP3433756B2 (ja)

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日本化学会誌,1992年,12,1401−11頁

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