JP2000229893A - ジアルケニル化合物 - Google Patents

ジアルケニル化合物

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JP2000229893A
JP2000229893A JP11031212A JP3121299A JP2000229893A JP 2000229893 A JP2000229893 A JP 2000229893A JP 11031212 A JP11031212 A JP 11031212A JP 3121299 A JP3121299 A JP 3121299A JP 2000229893 A JP2000229893 A JP 2000229893A
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真治 小川
Sadao Takehara
貞夫 竹原
Haruyoshi Takatsu
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ネマチック相温度範囲が広く、低閾値電圧及
び減粘効果に優れた液晶性化合物としてジアルケニル化
合物を提供し、さらにこれを用いて高速で低電圧駆動可
能な液晶組成物を提供する。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (R及びR':独立してH原子、C数1〜5のアルキル基、R
及び/又はR'がアルキル基の場合、それに隣接する二重
結合はトランス(E)又はシス(Z)配置、m及びn:m≦n、独
立して2〜8の整数、L:-CH2=CH2-、-CH2-CH2-、-CH2-)
の新規化合物及びそれを含有するネマチック液晶組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規液晶性化合物で
ある、ジアルケニル化合物、より詳しくは2-アルケニル
-7-アルケニル-9,10-ジヒドロフェナントレン、2-アル
ケニル-7-アルケニルフェナントレン、2-アルケニル-7-
アルケニルフルオレン及びそれを含有する液晶組成物に
関する。これらは電気光学的液晶表示用、特にネマチッ
ク液晶表示用材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子
手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いら
れるようになっている。液晶表示方式としては、その代
表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩れネ
マチック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲスト・ホス
ト)型あるいはFLC(強誘電性液晶)等があり、また駆
動方式としても従来のスタティック駆動からマルチプレ
ックス駆動が一般的になり、さらに単純マトリックス方
式、最近ではアクティブマトリックス方式が実用化され
ている。
【0003】これらの表示方式や駆動方式に応じて、液
晶材料としても種々の特性が要求されているが、低駆動
電圧、高速応答性は中でも非常に重要な特性である。応
答の高速化のためには直接的には(i)粘性を小さくする
か、あるいは(ii)弾性定数を大きくすることが必要であ
る。また、液晶表示における閾値電圧は式(1)
【0004】
【数1】
【0005】(式中、kは比例定数を、Kは弾性定数を、
Δεは誘電率異方性をそれぞれ表す。)で表されるが、
この式からわかるように閾値電圧を低減するためには弾
性定数を小さくするか、あるいは誘電率異方性を大きく
する必要がある。このことから、高速応答性と低閾値電
圧を両立させるためには、粘度が小さく誘電率異方性の
大きい化合物が必要となる。
【0006】液晶材料の粘性を小さくするためには、液
晶組成物中に粘性の小さい液晶性化合物(いわゆる減粘
剤)を適量添加することが一般的である。減粘剤として
は通常、2環性のn型液晶性化合物が用いられることが多
いが、液晶組成物に添加した場合にそのネマチック相上
限温度(TN-I)をあまり低下させないならば、化合物単
独では必ずしもネマチック液晶性を示す必要はない。
【0007】応答の高速化には液晶材料の屈折率異方性
も重要な物性である。液晶素子の応答を高速化するため
には、素子のセル厚を薄くすることが非常に効果的であ
るが、干渉縞の発生によるセルの色むらを防止するため
には、セル厚(d(μm))と屈折率異方性(Δn)の積
(Δn・d)がある一定の値(0.5、1.0、1.6、2.2)をと
らなければならず、通常は0.5あるいは1.0に設定され
る。そのため、屈折率異方性の大きいことも重要とな
る。
【0008】こうした目的にかなうような液晶性化合物
として本発明者らは、式(II)
【0009】
【化2】
【0010】で表されるジアルケニルビフェニル誘導体
を開発し報告(特開平9-328443)している。しかし、こ
の(II)の化合物は高速応答性には優れているもの
の、ネマチック相上限温度を低下させてしまう上、閾値
電圧も上昇させてしまうという問題点があり、表示品質
の向上の要求には応え難くなってきているのが実情であ
る。
【0011】従って、屈折率異方性の比較的大きい液晶
性化合物であって、かつ液晶組成物に添加した場合のネ
マチック相温度範囲が広く、閾値電圧を上昇させない減
粘材料が要求されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、以上の目的に応じるため、ネマチック相温
度範囲が広く、低閾値電圧及び減粘効果に優れた液晶性
化合物としてジアルケニル化合物を提供し、さらにこれ
を用いて高速で低電圧駆動可能な液晶組成物を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、 1.一般式(I)
【0014】
【化3】
【0015】(式中、R及びR'はそれぞれ独立して水素
原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、R及び/
又はR'がアルキル基の場合、それに隣接する二重結合は
トランス(E)又はシス(Z)配置を表し、m及びnはm≦nであ
ってそれぞれ独立して2〜8の整数を表し、Lは-CH2=CH
2-、-CH2-CH2-又は-CH2-を表す。)で表されるジアルケ
ニル化合物。 2.一般式(I)において、R及びR'が共に水素原子で
あるところの上記1記載のジアルケニル化合物。 3.一般式(I)において、m及びnがそれぞれ独立して
2〜4の整数であるところの上記1又は2記載のジアルケニ
ル化合物。 4.一般式(I)において、m=2であり、nが2〜4の整数
であるところの上記1又は2記載のジアルケニル化合物。 5.一般式(I)において、m=n=2であるところの上記1
又は2記載のジアルケニル化合物。 6.一般式(I)で表されるジアルケニル化合物を含有
する液晶組成物。 7.一般式(I)において、R及びR'が共に水素原子で
あり、m及びnがそれぞれ独立して2〜4の整数であるとこ
ろのジアルケニル化合物を含有する液晶組成物。 8.一般式(I)において、R及びR'が共に水素原子で
あり、m=n=2であるところのジアルケニル化合物を含有
する液晶組成物。 9.上記6、7又は8記載の液晶組成物を構成要素とする
液晶素子。 を前記課題を解決するための手段として見出した。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一例について説明
する。
【0017】本発明は、一般式(I)
【0018】
【化4】
【0019】で表されるジアルケニル化合物を提供す
る。
【0020】式中、R及びR'はそれぞれ独立的に水素又
は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、好ましくは水素
又は炭素原子数1〜3の直鎖状アルキル基を表し、さらに
好ましくは水素を表す。R及び/又はR'がアルキル基の
場合、それに隣接する二重結合はトランス(E)又はシス
(Z)配置を表すが、好ましくはトランス(E)配置を表
す。m及びnはm≦nであってそれぞれ独立的に2〜8の整数
を表すが好ましくは2〜4を表す。さらに側鎖があまり長
くなると減粘効果が低下するのでm+nは6以下であること
がさらに好ましく、特にmは2が好ましい。Lは-CH2=CH
2-、-CH2-CH2-又は-CH2-を表す。
【0021】従って、一般式(I)で表される化合物の
うち好ましいのは以下の(Ia)〜(If)
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】の各化合物であり、この中でも(Ia)、
(Ig)、(Im)が特に好ましい。
【0026】一般式(I)の化合物は以下のようにして
合成できる。すなわち、一般式(IIIa)
【0027】
【化8】 (式中、R及びnは一般式(I)におけると同じ意味を表
し、MはMgCl、MgBr、MgI、Li、B(OH)2、TiR1R2、SiR3R4
R5又はSnR6R7R8等の有機金属基を表す。ここでR1〜R8
低級アルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表
す。)で表される有機金属化合物と、一般式(IVa)
【化9】
【0028】(式中、X及びYは独立的に塩素、臭素、ヨ
ウ素、p-トルエンスルホニル基、メタンスルホニル基あ
るいはトリフルオロメタンスルホニル基等の脱離基を表
す。)で表される化合物とを遷移金属触媒の存在下に反
応させる。ここで遷移金属触媒としてはパラジウム(0)
系、パラジウム(II)系及びニッケル(II)系等が一般的に
用いられる。得られた一般式(V)
【0029】
【化10】
【0030】(式中、R及びnは一般式(I)におけると
同じ意味を表し、Yは一般式(IVa)におけると同じ
意味を表す。)で表される化合物と、一般式(III
b)
【0031】
【化11】
【0032】(式中、R'及びmは一般式(I)における
と同じ意味を表し、Mは一般式(IIIa)におけるMと
同じ意味を表す。)とを遷移金属触媒の存在下に反応さ
せることにより製造することができる。
【0033】特にR=R'でありかつm=nである場合には一
般式(IV)
【化12】
【0034】(式中、Xは一般式(IVa)におけると
同じ意味を表す。)で表される化合物と、一般式(II
I)
【化13】
【0035】(式中、R及びnは一般式(I)における
と同じ意味を表し、Mは一般式(IIIa)におけると
同じ意味を表す。)の過剰量とを遷移金属触媒の存在下
に反応させることにより1工程で製造することができ
る。
【0036】また、一般式(I)において、R=R'であり
かつm=nである場合は、式(VI)
【化14】
【0037】の2,6-ジホルミル化合物に、式(VII)
【0038】
【化15】
【0039】のウィッティヒ反応剤を反応させ、次いで
酸で加水分解する工程をn回繰り返し、一般式(VII
I)
【0040】
【化16】
【0041】(式中、nは一般式(I)におけると同じ
意味を表す。)の化合物を得、これに一般式(IX)
【化17】 (式中、Rは一般式(I)におけると同じ意味を表
す。)のウィッティヒ反応剤を反応させることで(I)
を得ることができる。
【0042】また、一般式(I)において、R=R'=Hであ
りかつm=n=2である場合は、一般式(X)
【0043】
【化18】
【0044】(式中、ZはH、OH、OR9又はハロゲンを表
し、R9は低級アルキル基を表す。)の化合物を、水素化
アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム等で還
元して式(XI)
【化19】 のジオールを得た後、臭化水素酸と反応させ式(XI
I)
【0045】
【化20】
【0046】の化合物を得て、これに式(XIII)
【0047】
【化21】
【0048】で表されるアリルグリニャール反応剤を反
応させることによって製造することができる。
【0049】斯くして製造された一般式(I)で表され
る化合物の代表例を第1表に掲げる。
【0050】
【表1】
【0051】(表中、Cは結晶相を、Iは等方性液体相を
それぞれ表す。) 斯くして製造された本発明の化合物を液晶組成物中に添
加することにより得られる優れた効果は以下の通りであ
る。
【0052】一般式(I)で表される化合物の中で代表
的な化合物の一つである(Ig)
【化22】
【0053】20重量%及びホスト液晶組成物(H)
【0054】
【化23】
【0055】80重量%からなる液晶組成物(M-1)を調
製した。
【0056】ここで(H)の物性値は以下の通りであ
る。 ネマチック相上限温度(TN-I): 116.7℃ 応答時間(τr=τd): 25.3m秒 閾値電圧(Vth): 2.14V 屈折率異方性(Δn): 0.090 ここで、応答時間は厚さ4.5μmのTNセルに封入した場合
に、立ち上がり時間(τr)と立ち下がり時間(τd)が
等しくなる電圧印加時の測定値である。また、測定は20
℃で行った。
【0057】このとき、(M-1)の物性値は以下の通りで
あった。 TN-I: 100.2℃ 応答時間(τr=τd): 21.0m秒 閾値電圧(Vth): 2.47V 屈折率異方性(Δn): 0.118 この結果から式(Ib)は、応答速度を改善し、屈折率
異方性も拡大していることがわかる。
【0058】これに対して、一般式(I)の化合物と類
似構造を有する式(II)
【0059】
【化24】
【0060】の化合物20重量%及びホスト液晶(H)
80重量%からなる液晶組成物(MR-1)の物性値は以下の
通りであった。 TN-I: 76.4℃ 閾値電圧(Vth): 2.62V 応答時間(τr=τd): 18.0m秒 屈折率異方性(Δn): 0.113 以上から明らかなように、(II)は(H)に添加する
ことにより応答の改善には優れているものの、ネマチッ
ク相上限温度を40℃も低下させ、閾値電圧も大幅に上昇
させてしまう。一方、本発明に関わる(Ib)の応答の
改善は(II)に及ばないものの、ネマチック相上限温
度は24℃も高く、閾値電圧も0.15Vも低く、屈折率異方
性の拡大も大きいことがわかる。
【0061】従って、本発明の一般式(I)の化合物
は、他のネマチック液晶化合物との混合物の状態で、TN
型あるいはSTN型等の電界効果型表示セル用として、特
に低粘性高速応答性の材料として好適に使用することが
できる。また(I)の化合物は分子内に強い極性基を持
たないので、大きい比抵抗と高い電圧保持率を得ること
が容易であり、アクティブマトリックス駆動用液晶材料
の構成成分として使用することも可能である。本発明は
このように一般式(I)で表される化合物の少なくとも
1種類をその構成成分として含有する液晶組成物をも提
供するものである。 この組成物中において、(I)の
化合物と混合して使用することのできるネマチック液晶
化合物の好ましい代表例としては、例えば、4-置換安息
香酸4-置換フェニル、4-置換シクロヘキサンカルボン酸
4-置換フェニル、4-置換シクロヘキサンカルボン酸4'-
置換ビフェニリル、4-(4-置換シクロヘキサンカルボニ
ルオキシ)安息香酸4-置換フェニル、4-(4-置換シクロ
ヘキシル)安息香酸4-置換フェニル、4-(4-置換シクロ
ヘキシル)安息香酸4-置換シクロヘキシル、4,4'-置換
ビフェニル、1-(4-置換シクロヘキシル)-4-置換ベン
ゼン、4,4'-置換ビシクロヘキサン、1-[2-(4-置換シ
クロヘキシル)エチル]-4-置換ベンゼン、1-(4-置換
シクロヘキシル)-2-(4-置換シクロヘキシル)エタ
ン、4,4"-置換ターフェニル、4-(4-置換シクロヘキシ
ル)-4'-置換ビフェニル、4-[2-(4-置換シクロヘキシ
ル)エチル]-4'-置換ビフェニル、4-(4-置換フェニ
ル)-4'-置換ビシクロヘキサン、4-[2-(4-置換シクロ
ヘキシル)エチル]-4'-置換ビフェニル、4-[2-(4-置換
シクロヘキシル)エチル]シクロヘキシル-4'-置換ベン
ゼン、4-[2-(4-置換フェニル)エチル]-4'-置換ビシク
ロヘキサン、1-(4-置換フェニルエチニル)-4-置換ベ
ンゼン、1-(4-置換フェニルエチニル)-4-(4-置換シ
クロヘキシル)ベンゼン、2-(4-置換フェニル)-5-置
換ピリミジン、2-(4'-置換ビフェニリル)-5-置換ピリ
ミジン及び上記各化合物においてベンゼン環が側方置換
基を有する化合物等を挙げることができる。
【0062】このうちアクティブマトリックス駆動用と
しては4,4'-置換ビフェニル、1-(4-置換シクロヘキシ
ル)-4-置換ベンゼン、4,4'-置換ビシクロヘキサン、1
-[2-(4-置換シクロヘキシル)エチル]-4-置換ベンゼ
ン、1-(4-置換シクロヘキシル)-2-(4-置換シクロヘ
キシル)エタン、4,4"-置換ターフェニル、4-(4-置換
シクロヘキシル)-4'-置換ビフェニル、4-[2-(4-置換
シクロヘキシル)エチル]-4'-置換ビフェニル、4-(4-
置換フェニル)-4'-置換ビシクロヘキサン、4-[2-(4-
置換シクロヘキシル)エチル]-4'-置換ビフェニル、4-
[2-(4-置換シクロヘキシル)エチル]シクロヘキシル-
4'-置換ベンゼン、4-[2-(4-置換フェニル)エチル]-4'
-置換ビシクロヘキサン、1-(4-置換フェニルエチニ
ル)-4-置換ベンゼン、1-(4-置換フェニルエチニル)
-4-(4-置換シクロヘキシル)ベンゼン及び上記におい
てベンゼン環がフッ素置換されている化合物が適してい
る。
【0063】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0064】化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル
(NMR)、質量スペクトル(MS)及び赤外吸収スペクト
ル(IR)により確認した。NMRにおいて溶媒としてCDCl3
を用い、tは3重線、mは多重線を表す。また、Jはカップ
リング定数を表す。MSにおけるM+は親ピークを表す。ま
た転移温度の測定はホットステージを備えた偏光顕微鏡
で行った。組成物の「%」は『重量%』を表す。 (実施例1) 2,6−ビス(3−ブテニル)フェナントレ
ンの合成。
【0065】
【化25】
【0066】9,10-ジヒドロフェナントレン100gの1,2-
ジクロロエタン120mL及び酢酸1L溶液に水250mL、濃硫酸
4mL、ヨウ素169g、過塩素酸水和物127gを加え50℃で14
時間加熱撹拌した。室温に冷却後、水1Lを加えトルエン
にて抽出し、溶媒を留去して2,7-ジヨード-9,10-ジヒド
ロフェナントレンの粗体を得た。酢酸エチル700mL及び
トルエン230mLの混合溶媒から再結晶し2,7-ジヨード-9,
10-ジヒドロフェナントレン158gを得た。
【0067】2,7-ジヨード-9,10-ジヒドロフェナントレ
ン21gのベンゼン100mL溶液にN-ブロモこはく酸イミド1
0.6g及び2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル)80mgを
加え撹拌した。1時間以上かけゆっくりと還流温度まで
昇温し、そのまま1時間加熱還流した。室温に冷却後溶
媒を濃縮した後、結晶をエタノール50mLで2回洗浄して
2,7-ジヨードフェナントレン20.2gを得た。
【0068】2,7-ジヨードフェナントレンのトルエン16
0mL懸濁液を-40℃まで冷却しn-ブチルリチウム(1.6Mヘ
キサン溶液)83mLを1時間で滴下した。-25〜-20℃で2時
間撹拌した後ジメチルホルムアミド9.8gのトルエン20mL
溶液を滴下した。同温度で1時間撹拌後、水を加え反応
を停止しトルエンで抽出した。溶媒を濃縮しフェナント
レン-2,7-ジカルバルデヒドの粗体を得た。
【0069】前工程で得た、フェナントレン-2,7-ジカ
ルバルデヒド13gを乾燥させたテトラヒドロフラン(TH
F)250mL中に懸濁させ、これに氷冷下水素化アルミニウ
ムリチウム1.3gを粉体ロートから徐々に加えた。室温ま
で昇温後少量の水で残留する水素化物を分解した後、少
量の塩酸で塩を沈殿させ上澄みをデカントした。濃縮
後、酢酸エチルから再結晶して2,7-ビス(ヒドロキシメ
チル)フェナントレン8.4gを得た。
【0070】2,7-ビス(ヒドロキシメチル)フェナント
レン8.4gを臭化水素酸(47%)100mLに懸濁させた。100℃
で5時間加熱した後、室温まで冷却し結晶を濾過して2,7
-ビス(ブロモメチル)フェナントレン12gを得た。
【0071】2,7-ビス(ブロモメチル)フェナントレン
9.5gのTHF90mL溶液に氷冷下2Mアリルマグネシウムクロ
リドTHF溶液39mLを滴下した。同温度で1時間撹拌し、室
温まで昇温後、氷水にあけヘキサンで抽出し、水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥させた。溶媒を溜去
して得られた粗生成物8.4gをシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン)で精製しさらにエタノールから
低温で再結晶させて、表記化合物5.6gを得た。 相転移温度: 84℃(Cr→I) MS: 286 (M+)1 HNMR:δ=2.4(m,4H),2.8(t,J=5.2Hz,4H),4.8〜5.2(m,4
H),5.6〜6.0(m,2H)7.2〜7.8(m,8H) また、前記で得た2,7-ジヨードフェナントレンに、1当
量の3-ブテニルマグネシウムクロリド、次いで4-ペンテ
ニルマグネシウムクロリドを触媒量のテトラキス(トリ
フェニルホスフィン)パラジウム(0)存在下に反応させる
ことで、2-(3-ブテニル)-7-(4-ペンテニル)フェナント
レンを得た。
【0072】同様にして以下の化合物を得た。
【0073】上記における4-ペンテニルマグネシウムク
ロリドを5-ヘキセニルマグネシウムクロリドに換える以
外は同様にして、2-(3-ブテニル)-7-(5-ヘキセニル)フ
ェナントレンを得た。
【0074】また、4-ペンテニルマグネシウムクロリド
をトランス-3-ペンテニルマグネシウムクロリドに換え
る以外は同様にして、2-(3-ブテニル)-7-(トランス-3-
ペンテニル)フェナントレンを得た。
【0075】また、4-ペンテニルマグネシウムクロリド
をトランス-4-ヘキセニルマグネシウムクロリドに換え
る以外は同様にして、2-(3-ブテニル)-7-(トランス-4-
ヘキセニル)フェナントレンを得た。
【0076】更に、前記で得た2,7-ジヨードフェナント
レンに、2当量の4-ペンテニルマグネシウムクロリドを
触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム(0)存在下に反応させることで、2,7-ビス(4-ペンテニ
ル)フェナントレンを得た。
【0077】上記における1等量の4-ペンテニルマグネ
シウムクロリドを5-ヘキセニルマグネシウムクロリドに
換える以外は同様にして、2-(4-ペンテニル)-7-(5-ヘキ
セニル)フェナントレンを得た。
【0078】また、1等量の4-ペンテニルマグネシウム
クロリドをトランス-3-ペンテニルマグネシウムクロリ
ドに換える以外は同様にして、2-(4-ペンテニル)-7-(ト
ランス-3-ペンテニル)フェナントレンを得た。
【0079】また、1等量の4-ペンテニルマグネシウム
クロリドをトランス-4-ヘキセニルマグネシウムクロリ
ドに換える以外は同様にして、2-(4-ペンテニル)-7-(ト
ランス-4-ヘキセニル)フェナントレンを得た。
【0080】更に、前記で得た2,7-ジヨードフェナント
レンに、2当量の5-ヘキセニルマグネシウムクロリドを
触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム(0)存在下に反応させることで、2,7-ビス(5-ヘキセニ
ル)フェナントレンを得た。
【0081】上記における1等量の5-ヘキセニルマグネ
シウムクロリドをトランス-3-ペンテニルマグネシウム
クロリドに換える以外は同様にして、2-(5-ヘキセニル-
7-(トランス-3-ペンテニル)フェナントレンを得た。
【0082】また、1等量の5-ヘキセニルマグネシウム
クロリドをトランス-4-ヘキセニルマグネシウムクロリ
ドに換える以外は同様にして、2-(5-ヘキセニル)-7-(ト
ランス-4-ヘキセニル)フェナントレンを得た。
【0083】更に、前記で得た2,7-ジヨードフェナント
レンに、2当量のトランス-3-ペンテニルマグネシウムク
ロリドを触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム(0)存在下に反応させることで、2,7-ビス(ト
ランス-3-ペンテニル)フェナントレンを得た。
【0084】上記における1等量のトランス-3-ペンテニ
ルマグネシウムクロリドをトランス-4-ヘキセニルマグ
ネシウムクロリドに換える以外は同様にして、2-(トラ
ンス-3-ペンテニル)-7-(トランス-4-ヘキセニル)フェナ
ントレンを得た。
【0085】更に、前記で得た2,7-ジヨードフェナント
レンに、2当量のトランス-4-ヘキセニルマグネシウムク
ロリドを触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム(0)存在下に反応させることで、2,7-ビス(ト
ランス-4-ヘキセニル)フェナントレンを得た。 (実施例2) 2,6−ビス(3−ブテニル)フルオレンの
合成。
【0086】実施例1において、9,10-ジヒドロフェナン
トレンに換えてフルオレンを用いた以外は実施例1と同
様にして、2,6−ビス(3−ブテニル)フルオレンを得
た。
【0087】更に、実施例1における9,10-ジヒドロフェ
ナントレンに換えてフルオレンを用いて得た2,7-ジヨー
ドフルオレンに、1当量の3-ブテニルマグネシウムクロ
リド、引き続き4-ペンテニルマグネシウムクロリドを触
媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0)存在下に反応させることにより、2-(3-ブテニル)-7-
(4-ペンテニル)フルオレンを得た。
【0088】上記における4-ペンテニルマグネシウムク
ロリドを5-ヘキセニルマグネシウムクロリドに換える以
外は同様にして、2-(3-ブテニル)-7-(5-ヘキセニル)フ
ルオレンを得た。
【0089】また、4-ペンテニルマグネシウムクロリド
をトランス-3-ペンテニルマグネシウムクロリドに換え
る以外は同様にして、2-(3-ブテニル)-7-(トランス-3-
ペンテニル)フルオレンを得た。
【0090】また、4-ペンテニルマグネシウムクロリド
をトランス-4-ヘキセニルマグネシウムクロリドに換え
る以外は同様にして、2-(3-ブテニル)-7-(トランス-4-
ヘキセニル)フルオレンを得た。
【0091】更に、前記における2,7-ジヨードフルオレ
ンに、2当量の4-ペンテニルマグネシウムクロリドを触
媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0)存在下に反応させることで、2,7-ビス(4-ペンテニ
ル)フルオレンを得た。
【0092】また、1等量の4-ペンテニルマグネシウム
クロリドを5-ヘキセニルマグネシウムクロリドに換える
以外は同様にして、2-(4-ペンテニル)-7-(5-ヘキセニ
ル)フルオレンを得た。
【0093】また、1等量の4-ペンテニルマグネシウム
クロリドをトランス-3-ペンテニルマグネシウムクロリ
ドに換える以外は同様にして、2-(4-ペンテニル)-7-(ト
ランス-3-ペンテニル)フルオレンを得た。
【0094】また、1等量の4-ペンテニルマグネシウム
クロリドをトランス-4-ヘキセニルマグネシウムクロリ
ドに換える以外は同様にして、2-(4-ペンテニル)-7-(ト
ランス-4-ヘキセニル)フルオレンを得た。
【0095】更に、前記における2,7-ジヨードフルオレ
ンに、2当量の5-ヘキセニルマグネシウムクロリドを触
媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0)存在下に反応させることで、2,7-ビス(5-ヘキセニ
ル)フルオレンを得た。
【0096】また、1等量の5-ヘキセニルマグネシウム
クロリドをトランス-3-ペンテニルマグネシウムクロリ
ドに換える以外は同様にして、2-(5-ヘキセニル-7-(ト
ランス-3-ペンテニル)フルオレンを得た。
【0097】また、1等量の5-ヘキセニルマグネシウム
クロリドをトランス-4-ヘキセニルマグネシウムクロリ
ドに換える以外は同様にして、2-(5-ヘキセニル)-7-(ト
ランス-4-ヘキセニル)フルオレンを得た。
【0098】更に、前記における2,7-ジヨードフルオレ
ンに、2当量のトランス-3-ペンテニルマグネシウムクロ
リドを触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム(0)存在下に反応させることで、2,7-ビス(トラ
ンス-3-ペンテニル)フルオレンを得た。
【0099】また、1等量のトランス-3-ペンテニルマグ
ネシウムクロリドをトランス-4-ヘキセニルマグネシウ
ムクロリドに換える以外は同様にして、2-(トランス-3-
ペンテニル)-7-(トランス-4-ヘキセニル)フルオレンを
得た。
【0100】更に、前記における2,7-ジヨードフルオレ
ンに、2当量のトランス-4-ヘキセニルマグネシウムクロ
リドを触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム(0)存在下に反応させることで、2,7-ビス(トラ
ンス-4-ヘキセニル)フルオレンを得た。 (実施例3) 2,6−ビス(3−ブテニル)-9,19-ジヒド
ロフェナントレンの合成。
【0101】実施例1において、N-ブロモこはく酸イミ
ドによる脱水素工程を省く事以外は実施例1と同様にし
て、2,6−ビス(3−ブテニル)-9,10-ジヒドロフェナン
トレンを得た。
【0102】更に、実施例1で得た2,7-ジヨード-9,10-
ジヒドロフェナントレンに、1当量の3-ブテニルマグネ
シウムクロリド、引き続き4-ペンテニルマグネシウムク
ロリドを触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム(0)存在下に反応させることにより、2-(3-ブ
テニル)-7-(4-ペンテニル)-9,10-ジヒドロフェナントレ
ンを得た。
【0103】同様にして以下の化合物を得た。
【0104】上記における4-ペンテニルマグネシウムク
ロリドを5-ヘキセニルマグネシウムクロリドに換える以
外は同様にして、2-(3-ブテニル)-7-(5-ヘキセニル)-9,
10-ジヒドロフェナントレンを得た。
【0105】また、4-ペンテニルマグネシウムクロリド
をトランス-3-ペンテニルマグネシウムクロリドに換え
る以外は同様にして、2-(3-ブテニル)-7-(トランス-3-
ペンテニル)-9,10-ジヒドロフェナントレンを得た。
【0106】また、4-ペンテニルマグネシウムクロリド
をトランス-4-ヘキセニルマグネシウムクロリドに換え
る以外は同様にして、2-(3-ブテニル)-7-(トランス-4-
ヘキセニル)-9,10-ジヒドロフェナントレンを得た。
【0107】更に、前記における2,7-ジヨード-9,10-ジ
ヒドロフェナントレンに、2当量の4-ペンテニルマグネ
シウムクロリドを触媒量のテトラキス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム(0)存在下に反応させることで、2,
7-ビス(4-ペンテニル)-9,10-ジヒドロフェナントレンを
得た。
【0108】また、1等量の4-ペンテニルマグネシウム
クロリドを5-ヘキセニルマグネシウムクロリドに換える
以外は同様にして、2-(4-ペンテニル)-7-(5-ヘキセニ
ル)-9,10-ジヒドロフェナントレンを得た。
【0109】また、1等量の4-ペンテニルマグネシウム
クロリドをトランス-3-ペンテニルマグネシウムクロリ
ドに換える以外は同様にして、2-(4-ペンテニル)-7-(ト
ランス-3-ペンテニル)-9,10-ジヒドロフェナントレンを
得た。
【0110】また、1等量の4-ペンテニルマグネシウム
クロリドをトランス-4-ヘキセニルマグネシウムクロリ
ドに換える以外は同様にして、2-(4-ペンテニル)-7-(ト
ランス-4-ヘキセニル)-9,10-ジヒドロフェナントレンを
得た。
【0111】更に、前記における2,7-ジヨード-9,10-ジ
ヒドロフェナントレンに、2当量の5-ヘキセニルマグネ
シウムクロリドを触媒量のテトラキス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム(0)存在下に反応させることで、2,
7-ビス(5-ヘキセニル)-9,10-ジヒドロフェナントレンを
得た。
【0112】また、1等量の5-ヘキセニルマグネシウム
クロリドをトランス-3-ペンテニルマグネシウムクロリ
ドに換える以外は同様にして、2-(5-ヘキセニル-7-(ト
ランス-3-ペンテニル)-9,10-ジヒドロフェナントレンを
得た。
【0113】また、1等量の5-ヘキセニルマグネシウム
クロリドをトランス-4-ヘキセニルマグネシウムクロリ
ドに換える以外は同様にして、2-(5-ヘキセニル)-7-(ト
ランス-4-ヘキセニル)-9,10-ジヒドロフェナントレンを
得た。
【0114】更に、前記における2,7-ジヨード-9,10-ジ
ヒドロフェナントレンに、2当量のトランス-3-ペンテニ
ルマグネシウムクロリドを触媒量のテトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム(0)存在下に反応させるこ
とで、2,7-ビス(トランス-3-ペンテニル)-9,10-ジヒド
ロフェナントレンを得た。
【0115】また、1等量のトランス-3-ペンテニルマグ
ネシウムクロリドをトランス-4-ヘキセニルマグネシウ
ムクロリドに換える以外は同様にして、2-(トランス-3-
ペンテニル)-7-(トランス-4-ヘキセニル)-9,10-ジヒド
ロフェナントレンを得た。
【0116】更に、前記における2,7-ジヨード-9,10-ジ
ヒドロフェナントレンに、2当量のトランス-4-ヘキセニ
ルマグネシウムクロリドを触媒量のテトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム(0)存在下に反応させるこ
とで、2,7-ビス(トランス-4-ヘキセニル)-9,10-ジヒド
ロフェナントレンを得た。 (実施例4) 液晶組成物の調製 低粘性で特にアクティブマトリックス駆動用として好適
なホスト液晶(H)
【0117】
【化26】
【0118】を調製した。この(H)の物性値は以下の
通りである。 ネマチック相上限温度(TN-I): 116.7℃ 応答時間(τr=τd): 25.3m秒 閾値電圧(Vth): 2.14V 屈折率異方性(Δn): 0.090 ここで、応答時間は厚さ4.5μmのTNセルに封入した場
合に、立ち上がり時間(τr)と立ち下がり時間(τd)
が等しくなる電圧印加時の測定値である。このホスト液
晶(H)80%及び実施例1で得た(Ig)
【0119】
【化27】
【0120】20%からなる液晶組成物(M-1)を調製した。
このとき、(M-1)の物性値は以下の通りであった。 TN-I: 100.2℃ 閾値電圧(Vth): 2.47V 応答時間(τr=τd): 21.0m秒 屈折率異方性(Δn): 0.118 このように、ネマチック相上限温度(TN-I)は降下して
いるが、応答時間を大幅に改善していることがわかる。
また、屈折率異方性も増大している。
【0121】従って、一般式(I)の化合物は低閾値電
圧、高速応答性液晶組成物の構成成分として非常に有用
であることがわかる。 (比較例1)実施例4において、本発明の(Ig)の化合
物に換えて、(Ig)と類似構造を有するビフェニル骨
格である式(II)
【0122】
【化28】
【0123】の化合物20%及びホスト液晶(H)80%からな
る液晶組成物(MR-1)を調製した。この物性値は以下の通
りであった。 TN-I: 76.4℃ 閾値電圧(Vth): 2.62V 応答時間(τr=τd): 18.0m秒 屈折率異方性(Δn): 0.113 以上から明らかなように、(II)はホスト液晶(H)
に添加することにより応答性を大幅に改善させている
が、ネマチック相上限温度を大幅に低下させ、閾値電圧
をかなり上昇させてしまっている。また、屈折率異方性
の拡大も(Ig)の場合より小さい。
【0124】従って、本発明の一般式(I)の化合物は
従来から知られているビフェニル系の減粘性液晶性化合
物と比較して、応答速度の改善はやや劣るものの、ネマ
チック相上限温度が広く、閾値電圧の上昇も少ない。ま
た、屈折率異方性を上昇させる効果も大きいことが明ら
かとなった。
【0125】
【発明の効果】本発明により提供されるジアルケニル化
合物は、実施例にも示したように市販の入手容易な化合
物から工業的にも容易に製造することができる。また、
得られたジアルケニル化合物を含有する液晶組成物は、
従来用いられている同様あるいは類似骨格を有する減粘
性液晶性化合物と比較して、そのネマチック相上限温度
が広く、閾値電圧の上昇が少なく、屈折率異方性を増大
する効果に優れるため、実用的液晶として特に高速応答
を必要とする液晶表示用として極めて有用である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R及びR'はそれぞれ独立して水素原子又は炭素
    原子数1〜5のアルキル基を表し、R及び/又はR'がアル
    キル基の場合、それに隣接する二重結合はトランス(E)
    又はシス(Z)配置を表し、m及びnはm≦nであってそれぞ
    れ独立して2〜8の整数を表し、Lは-CH2=CH2-、-CH2-CH2
    -又は-CH2-を表す。)で表されるジアルケニル化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(I)において、R及びR'が共に
    水素原子であるところの請求項1記載のジアルケニル化
    合物。
  3. 【請求項3】 一般式(I)において、m及びnがそれぞ
    れ独立して2〜4の整数であるところの請求項1又は2記載
    のジアルケニル化合物。
  4. 【請求項4】 一般式(I)において、m=2であり、nが
    2〜4の整数であるところの請求項1又は2記載のジアルケ
    ニル化合物。
  5. 【請求項5】 一般式(I)において、m=n=2であると
    ころの請求項1又は2記載のジアルケニル化合物。
  6. 【請求項6】 一般式(I)で表されるジアルケニル化
    合物を含有する液晶組成物。
  7. 【請求項7】 一般式(I)において、R及びR'が共に
    水素原子であり、m及びnがそれぞれ独立して2〜4の整数
    であるところのジアルケニル化合物を含有する液晶組成
    物。
  8. 【請求項8】 一般式(I)において、R及びR'が共に
    水素原子であり、m=n=2であるところのジアルケニル化
    合物を含有する液晶組成物。
  9. 【請求項9】 請求項6、7又は8記載の液晶組成物を構
    成要素とする液晶素子。
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