JPH0640971A - フルオロトラン誘導体 - Google Patents

フルオロトラン誘導体

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JPH0640971A
JPH0640971A JP4192065A JP19206592A JPH0640971A JP H0640971 A JPH0640971 A JP H0640971A JP 4192065 A JP4192065 A JP 4192065A JP 19206592 A JP19206592 A JP 19206592A JP H0640971 A JPH0640971 A JP H0640971A
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Masashi Osawa
政志 大沢
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
Sadao Takehara
貞夫 竹原
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I) 【化1】 (R:炭素原子数1〜10の直鎖状アルキル基、X:F
又はCF3)で表わされる化合物。 【効果】 この化合物は、混合によって液晶組成物のΔ
nを大きくさせ、且つしきい値電圧を低下させる効果を
有する。従って、ワープロ等に搭載されているSTN型
液晶表示装置や、画素毎に能動素子、非線形素子を配し
た液晶テレビなどの高速応答性を重視する液晶表示素子
に有用な液晶材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気光学的表示材料とし
て有用である新規なフルオロトラン誘導体である液晶化
合物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子
手帳、プリンター、コンピュータ、テレビ等に用いられ
ている。液晶表示方式としては、TN(捩れネマチッ
ク)型、STN(超捩れネマチック)型、DS(動的光
散乱)型、GH(ゲストホスト)型あるいはFLC(強
誘電性液晶)等が知られているが、TN型及びSTN型
が、現在最もよく用いられている。また駆動方式として
も従来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動が
一般的になり、表示容量も増加した。
【0003】これらの液晶表示セルには、種々の特性が
要求されているが、広い温度範囲で動作可能なことと、
しきい値電圧が低いことは共通して特に重要な要求特性
である。
【0004】また、TN型セルにおいては、G.Bauerに
よってMol.Cryst.Liq.Cryst.63 45(1981)に報告されて
いるように、セル外観を損なう原因となるセル表面での
干渉縞の発生を防止するために、セルに充填させる液晶
材料の屈折率の異方性(Δn)とセルの厚さ(d)μm
の積をある特定の値に設定する必要がある。実用的に使
用される液晶セルでは、Δn・dの値が0.5、1.0、1.6
または2.2のいずれかに設定されている。このようにΔ
n・dの値が一定値に設定されているため、Δnの値の
大きな液晶材料を使用することにより、dの値を小さく
することができる。dの値が小さくなると、応答時間
(τ)は、下記の関係式(1)
【0005】
【数1】
【0006】により速くなる。従って、Δnの大きな液
晶材料は応答速度が速く、しかも干渉縞のない液晶セル
を作製するのに極めて重要である。
【0007】液晶組成物のネマチック相−等方性液体相
転移温度(以下、N−I点という。)を上昇させ、同時
にしきい値電圧を低下させ、しかもΔnを大きくする化
合物は、ワープロ等に搭載されているSTN型液晶表示
や、画素毎に能動素子あるいは非線形素子を配した液晶
テレビなど、高速応答性を重視する液晶表示に有用な液
晶材料である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】現在、液晶組成物のΔ
nを大きくさせる目的で用いられている化合物には式
(a)
【0009】
【化2】
【0010】で表わされる化合物等が知られている。し
かしながら、上記の式(a)の化合物を混合した場合、
得られる液晶組成物のΔnは大きくなるものの、しきい
値電圧は充分に低いものとはいえなかった。
【0011】本発明が解決しようとする課題は、液晶組
成物に混合した際にΔnを大きくさせ、且つしきい値電
圧を低下させることができる新規化合物を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、一般式(I)
【0013】
【化3】
【0014】(式中、Rは炭素原子数1〜10の直鎖状
アルキル基を表わし、Xはフッ素原子又はトリフルオロ
メチル基を表わす。)で表わされる化合物を提供する。
本発明に係わる一般式(I)で表わされる化合物は、例
えば、次の製造方法に従って製造することができる。
【0015】
【化4】
【0016】(上記一般式(I)〜(VI)の各式中
で、Rは炭素原子数1〜10の直鎖状アルキル基を表わ
し、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表わ
し、Y及びZは各々独立的に、沃素原子又は臭素原子を
表わす。)
【0017】第1段階:一般式(II)の化合物を銅と
パラジウム触媒の存在下、一般式(III)の化合物と
反応させることにより、一般式(IV)の化合物を製造
する。 第2段階:一般式(IV)の化合物を水素化ナトリウム
等の強塩基と反応させ、一般式(V)の化合物を製造す
る。 第3段階:一般式(V)の化合物を銅とパラジウム触媒
の存在下、一般式(VI)の化合物と反応させて、本発
明の一般式(I)の化合物を製造する。
【0018】斯くして製造される一般式(I)で表わさ
れる化合物の代表的なものの例を第1表に掲げる。
【0019】
【表1】
【0020】(表中、Cは結晶相を、Nはネマチック相
を、Iは等方性液体相をそれぞれ表わす。)
【0021】本発明に係わる一般式(I)で表わされる
化合物は、例えば、正又は負の誘電率異方性を有する他
のネマチック液晶化合物との混合物の状態で電界効果型
表示セルの材料として使用することができる。
【0022】このように、一般式(I)で表わされる化
合物と混合して使用することのできるネマチック液晶化
合物の好ましい代表例としては、例えば、4−置換安息
香酸4−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキサ
ンカルボン酸4−置換フェニルエステル、4−置換シク
ロヘキサンカルボン酸4′−置換ビフェニリルエステ
ル、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)
安息香酸4−置換フェニルエステル、4−(4−置換シ
クロヘキシル)安息香酸4−置換フェニルエステル、4
−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換シクロ
ヘキシルエステル、4,4’−置換ビフェニル、1−
(4−置換フェニル)−4−置換シクロヘキサン、4,
4”−置換ターフェニル、1−(4’−置換ビフェニリ
ル)−4−置換シクロヘキサン、1−(4−置換シクロ
ヘキシル)−4−(4−置換フェニル)シクロヘキサ
ン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリミジン、
2−(4’−置換ビフェニリル)−5−置換ピリミジン
などを挙げることができる。
【0023】下記第2表は、現在汎用されている母体液
晶(A)80重量%及び第1表中のNo.1、No.2の化合物
20重量%から成る各液晶組成物のΔn及び20℃にお
けるしきい値電圧を掲示し、比較のために母体液晶
(A)80重量%及び式(a)の化合物20重量%から
成る混合液晶、更に母体液晶(A)についても、同様に
Δn及び20℃におけるしきい値電圧を掲示したもので
ある。
【0024】尚、母体液晶(A)は、
【0025】
【化5】
【0026】から成るものである。
【0027】
【表2】
【0028】上記第2表から、本発明に係わるNo.1及び
No.2の化合物は、母体液晶(A)のしきい値電圧を十分
に低下させ、しかもΔnを同時に上昇させる効果を有す
ることが明らかである。
【0029】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0030】(実施例1) 1−[4−(トランス−4
−プロピルシクロヘキシル)フェニル]−2−(3,
4,5−トリフルオロフェニル)エチンの合成
【0031】
【化6】
【0032】(1) 1−[(トランス−4−プロピル
シクルヘキシル)フェニル]−1−ブチン−3−メチル
−3−オールの合成 4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−1−
ヨ−ドベンゼン13.3g(40.5ミリモル)と3−メチル−
1−ブチン−3−オール5.1g(60.7ミリモル)をトリエ
チルアミン40mlに溶解した。ヨウ化銅(I)0.15gとジ
クロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(II)0.2gを加え、1時間室温にて攪拌した。水100m
lを加え、反応生成物を酢酸エチル100mlで抽出し、更に
有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン/酢酸エチル
=4/1)を用いて精製して、1−[(トランス−4−
プロピルシクロヘキシル)フェニル]−1−ブチン−3
−メチル−3−オール11.5g(40.5ミリモル)を得た。
【0033】(2) 4−(トランス−4−プロピルシ
クロヘキシル)フェニルエチンの合成 水素化ナトリウム1.5gをトルエン20mlに懸濁し、1−
[(トランス−4−プロピルシクルヘキシル)フェニ
ル]−1−ブチン−3−メチル−3−オールを、トルエ
ン70mlに溶解し、室温で30分間で滴下した。滴下終了
後、更に1時間加熱還流させた。室温まで放冷した後に
水100mlに加え、更に有機層を水、飽和食塩水で順次洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した
後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(展開溶媒:ヘキサン)を用いて精製して、4−(ト
ランス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニルエチン
8.4g(37.8ミリモル)を得た。
【0034】(3) 1−[4−(トランス−4−プロ
ピルシクロヘキシル)フェニル]−2−(3,4,5−
トリフルオロフェニル)エチンの合成 4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニ
ルエチン6.6g(29.7ミリモル)と1−ブロモ−3,4,
5−トリフルオロベンゼン6.3g(29.8ミリモル)をトリ
エチルアミン24ml及びジメチルホルムアミド60mlに溶解
した。ヨウ化銅(I)0.1gとジクロロ−ビス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(II)0.1gを加え、30
分間室温で攪拌し、更に3時間加熱還流させた。水100m
lを加え、反応生成物をトルエン100mlで抽出し、更に有
機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を留去した後、得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサ
ン)を用いて精製して、1−[4−(トランス−4−プ
ロピルシクロヘキシル)フェニル]−2−(3,4,5
−トリフルオロフェニル)エチン7.4g(21.0ミリモル)
を得た。尚、この化合物の相転移温度は第1表に示した
通りである。
【0035】(実施例2) 1−[4−(トランス−4
−プロピルシクロヘキシル)フェニル]−2−(3,5
−ジフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)エチ
ンの合成
【0036】
【化7】
【0037】4−(トランス−4−プロピルシクロヘキ
シル)フェニルエチン1.3g(5.9ミリモル)と1−ブロ
モ−3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメチルベン
ゼン1.5g(5.7ミリモル)をトリエチルアミン10ml及び
ジメチルホルムアミド25mlに溶解した。ヨウ化銅(I)
0.1gとジクロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラ
ジウム(II)0.1gを加え、30分間室温で攪拌し、更
に3時間加熱還流させた。反応終了後、水50mlを加え、
反応生成物をトルエン50mlで抽出し、更に有機層を水、
飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(展開溶媒:ヘキサン)を用いて精製して、4−
(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル]
−2−(3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメチル
フェニル)エチン2.1g(5.2ミリモル)を得た。尚、こ
の化合物の相転移温度は第1表に示した通りである。
【0038】(実施例3) 液晶組成物の調製(1)
【0039】
【化8】
【0040】から成る母体液晶(A)を調製し、Δn及
び20℃におけるしきい値電圧を測定したところ、次の
通りであった。 Δn 0.092 しきい値電圧(20℃) 1.60V この母体液晶(A)80重量%及び実施例1で得られた
【0041】
【化9】
【0042】の化合物20重量%から成る液晶組成物を
調製し、Δn及びしきい値電圧を測定したところ、次の
通りであった。 Δn 0.117 しきい値電圧(20℃) 1.53V
【0043】(実施例4) 液晶組成物の調製(2) 母体液晶(A)80重量%及び実施例2で得られた
【0044】
【化10】
【0045】の化合物20重量%から成る液晶組成物を
調製し、Δn及びしきい値電圧を測定したところ、次の
通りであった。 Δn 0.117 しきい値電圧(20℃) 1.49V 以上の結果から、本発明の一般式(I)の化合物は、母
体液晶のΔnを大きくさせ、且つしきい値電圧を低下さ
せる効果を有することが明らかである。
【0046】(比較例1) 母体液晶(A)80重量%及び式(a)
【0047】
【化11】
【0048】の化合物20重量%から成る液晶組成物を
調製し、Δn及びしきい値電圧を測定したところ、次の
通りであった。 Δn 0.122 しきい値電圧(20℃) 1.82V この結果から、式(a)の化合物は、母体液晶のΔnを
大きくさせるものの、しきい値電圧を大きく上昇させて
しまうことが明らかである。
【0049】
【発明の効果】本発明の一般式(I)で表わされる化合
物は、ネマチック液晶として現在汎用されている母体液
晶との相溶性に優れており、母体液晶のΔnを大きくさ
せ、且つしきい値電圧を低下させることができる。
【0050】従って、本発明の一般式(I)で表わされ
る化合物は、ワープロ等に搭載されているSTN液晶表
示や、画素毎に能動素子、非線形素子を配した液晶テレ
ビなど高速応答性を重視する液晶表示素子に有用な液晶
材料である。
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 フルオロトラン誘導体
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、Rは炭素原子数1〜10の直鎖状アルキル基を
表わし、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表
わす。)で表わされる化合物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気光学的表示材料とし
て有用である新規なフルオロトラン誘導体である液晶化
合物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子
手帳、プリンター、コンピュータ、テレビ等に用いられ
ている。液晶表示方式としては、TN(捩れネマチッ
ク)型、STN(超捩れネマチック)型、DS(動的光
散乱)型、GH(ゲストホスト)型あるいはFLC(強
誘電性液晶)等が知られているが、TN型及びSTN型
が、現在最もよく用いられている。また駆動方式として
も従来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動が
一般的になり、表示容量も増加した。
【0003】これらの液晶表示セルには、種々の特性が
要求されているが、広い温度範囲で動作可能なことと、
しきい値電圧が低いことは共通して特に重要な要求特性
である。
【0004】また、TN型セルにおいては、G.Bauerに
よってMol.Cryst.Liq.Cryst.63 45(1981)に報告されて
いるように、セル外観を損なう原因となるセル表面での
干渉縞の発生を防止するために、セルに充填させる液晶
材料の屈折率異方性(Δn)とセルの厚さ(d)μmの
積をある特定の値に設定する必要がある。実用的に使用
される液晶セルでは、Δn・dの値が0.5、1.0、1.6ま
たは2.2のいずれかに設定されている。このようにΔn
・dの値が一定値に設定されているため、Δnの値の大
きな液晶材料を使用することにより、dの値を小さくす
ることができる。dの値が小さくなると、応答時間
(τ)は、下記の関係式(1)
【0005】
【数1】
【0006】により速くなる。従って、Δnの大きな液
晶材料は応答速度が速く、しかも干渉縞のない液晶セル
を作製するのに極めて重要である。
【0007】液晶組成物のネマチック相−等方性液体相
転移温度(以下、N−I点という。)を上昇させ、同時
にしきい値電圧を低下させ、しかもΔnを大きくする化
合物は、ワープロ等に搭載されているSTN型液晶表示
や、画素毎に能動素子あるいは非線形素子を配した液晶
テレビなど、高速応答性を重視する液晶表示に有用な液
晶材料である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】現在、液晶組成物のΔ
nを大きくさせる目的で用いられている化合物には式
(a)
【0009】
【化2】
【0010】で表わされる化合物等が知られている。し
かしながら、上記の式(a)の化合物を混合した場合、
得られる液晶組成物のΔnは大きくなるものの、しきい
値電圧は充分に低いものとはいえなかった。
【0011】本発明が解決しようとする課題は、液晶組
成物に混合した際にΔnを大きくさせ、且つしきい値電
圧を低下させることができる新規化合物を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、一般式(I)
【0013】
【化3】
【0014】(式中、Rは炭素原子数1〜10の直鎖状
アルキル基を表わし、Xはフッ素原子又はトリフルオロ
メチル基を表わす。)で表わされる化合物を提供する。
本発明に係わる一般式(I)で表わされる化合物は、例
えば、次の製造方法に従って製造することができる。
【0015】
【化4】
【0016】(上記一般式(I)〜(VI)の各式中
で、Rは炭素原子数1〜10の直鎖状アルキル基を表わ
し、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表わ
し、Y及びZは各々独立的に、沃素原子又は臭素原子を
表わす。)
【0017】第1段階:一般式(II)の化合物を銅と
パラジウム触媒の存在下、一般式(III)の化合物と
反応させることにより、一般式(IV)の化合物を製造
する。 第2段階:一般式(IV)の化合物を水素化ナトリウム
等の強塩基と反応させ、一般式(V)の化合物を製造す
る。 第3段階:一般式(V)の化合物を銅とパラジウム触媒
の存在下、一般式(VI)の化合物と反応させて、本発
明の一般式(I)の化合物を製造する。
【0018】斯くして製造される一般式(I)で表わさ
れる化合物の代表的なものの例を第1表に掲げる。
【0019】
【表1】
【0020】(表中、Cは結晶相を、Nはネマチック相
を、Iは等方性液体相をそれぞれ表わす。)
【0021】本発明に係わる一般式(I)で表わされる
化合物は、例えば、正又は負の誘電率異方性を有する他
のネマチック液晶化合物との混合物の状態で電界効果型
表示セルの材料として使用することができる。
【0022】このように、一般式(I)で表わされる化
合物と混合して使用することのできるネマチック液晶化
合物の好ましい代表例としては、例えば、4−置換安息
香酸4−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキサ
ンカルボン酸4−置換フェニルエステル、4−置換シク
ロヘキサンカルボン酸4’−置換ビフェニリルエステ
ル、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)
安息香酸4−置換フェニルエステル、4−(4−置換シ
クロヘキシル)安息香酸4−置換フェニルエステル、4
−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換シクロ
ヘキシルエステル、4,4’−置換ビフェニル、1−
(4−置換フェニル)−4−置換シクロヘキサン、4,
4”−置換ターフェニル、1−(4’−置換ビフェニリ
ル)−4−置換シクロヘキサン、1−(4−置換シクロ
ヘキシル)−4−(4−置換フェニル)シクロヘキサ
ン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリミジン、
2−(4’−置換ビフェニリル)−5−置換ピリミジン
などを挙げることができる。
【0023】下記第2表は、現在汎用されている母体液
晶(A)80重量%及び第1表中のNo.1〜No.4の化合
物20重量%から成る各液晶組成物のΔn及び20℃に
おけるしきい値電圧を掲示し、比較のために母体液晶
(A)80重量%及び式(a)の化合物20重量%から
成る混合液晶、更に母体液晶(A)についても、同様に
Δn及び20℃におけるしきい値電圧を掲示したもので
ある。
【0024】尚、母体液晶(A)は、
【0025】
【化5】
【0026】から成るものである。
【0027】
【表2】
【0028】上記第2表から、本発明に係わるNo.1〜N
o.4の化合物は、母体液晶(A)のしきい値電圧を十分
に低下させ、しかもΔnを同時に上昇させる効果を有す
ることが明らかである。
【0029】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0030】(実施例1) 1−[4−(トランス−4
−プロピルシクロヘキシル)フェニル]−2−(3,
4,5−トリフルオロフェニル)エチン(No.1の化合
物)の合成
【0031】
【化6】
【0032】(1) 1−[(トランス−4−プロピル
シクルヘキシル)フェニル]−1−ブチン−3−メチル
−3−オールの合成 4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−1−
ヨ−ドベンゼン13.3g(40.5ミリモル)と3−メチル−
1−ブチン−3−オール5.1g(60.7ミリモル)をトリエ
チルアミン40mlに溶解した。ヨウ化銅(I)0.15gとジ
クロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(II)0.2gを加え、1時間室温で攪拌した。水100ml
を加え、反応生成物を酢酸エチル100mlで抽出し、更に
有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン/酢酸エチル
=4/1)を用いて精製して、1−[(トランス−4−
プロピルシクロヘキシル)フェニル]−1−ブチン−3
−メチル−3−オール11.5g(40.5ミリモル)を得た。
【0033】(2) 4−(トランス−4−プロピルシ
クロヘキシル)フェニルエチンの合成 水素化ナトリウム1.5gをトルエン20mlに懸濁し、1−
[(トランス−4−プロピルシクルヘキシル)フェニ
ル]−1−ブチン−3−メチル−3−オールを、トルエ
ン70mlに溶解し、室温で30分間で滴下した。滴下終了
後、更に1時間加熱還流させた。室温まで放冷した後に
水100mlに加え、更に有機層を水、飽和食塩水で順次洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した
後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(展開溶媒:ヘキサン)を用いて精製して、4−(ト
ランス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニルエチン
8.4g(37.8ミリモル)を得た。
【0034】(3) 1−[4−(トランス−4−プロ
ピルシクロヘキシル)フェニル]−2−(3,4,5−
トリフルオロフェニル)エチンの合成 4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニ
ルエチン6.6g(29.7ミリモル)と1−ブロモ−3,4,
5−トリフルオロベンゼン6.3g(29.8ミリモル)をトリ
エチルアミン24ml及びジメチルホルムアミド60mlに溶解
した。ヨウ化銅(I)0.1gとジクロロ−ビス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(II)0.1gを加え、30
分間室温で攪拌し、更に3時間加熱還流させた。水100m
lを加え、反応生成物をトルエン100mlで抽出し、更に有
機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を留去した後、得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサ
ン)を用いて精製して、1−[4−(トランス−4−プ
ロピルシクロヘキシル)フェニル]−2−(3,4,5
−トリフルオロフェニル)エチン7.4g(21.0ミリモル)
を得た。尚、この化合物の相転移温度は第1表に示した
通りである。
【0035】(実施例2)実施例1と同様にして、1−
[4−(トランス−4−エチルシクロヘキシル)フェニ
ル]−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチ
ン(No.3の化合物)及び1−[4−(トランス−4−
ブチルシクロヘキシル)フェニル]−2−(3,4,5
−トリフルオロフェニル)エチン(No.4の化合物)を
得た。尚、これらの化合物の相転移温度は第1表に示し
た通りである。
【0036】(実施例3) 1−[4−(トランス−4
−プロピルシクロヘキシル)フェニル]−2−(3,5
−ジフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)エチ
ン(No.2の化合物)の合成
【0037】
【化7】
【0038】4−(トランス−4−プロピルシクロヘキ
シル)フェニルエチン1.3g(5.9ミリモル)と1−ブロ
モ−3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメチルベン
ゼン1.5g(5.7ミリモル)をトリエチルアミン10ml及び
ジメチルホルムアミド25mlに溶解した。ヨウ化銅(I)
0.1gとジクロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラ
ジウム(II)0.1gを加え、30分間室温で攪拌し、更
に3時間加熱還流させた。反応終了後、水50mlを加え、
反応生成物をトルエン50mlで抽出し、更に有機層を水、
飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(展開溶媒:ヘキサン)を用いて精製して、4−
(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル]
−2−(3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメチル
フェニル)エチン2.1g(5.2ミリモル)を得た。尚、こ
の化合物の相転移温度は第1表に示した通りである。
【0039】(実施例4) 液晶組成物の調製(1)
【0040】
【化8】
【0041】から成る母体液晶(A)を調製し、Δn及
び20℃におけるしきい値電圧を測定したところ、次の
通りであった。 Δn 0.092 しきい値電圧(20℃) 1.60V この母体液晶(A)80重量%及び実施例1で得られた
No.1
【0042】
【化9】
【0043】の化合物20重量%から成る液晶組成物を
調製し、Δn及びしきい値電圧を測定したところ、次の
通りであった。 Δn 0.117 しきい値電圧(20℃) 1.53V
【0044】同様にして、実施例2で得られたNo.3の
化合物20重量%及び母体液晶(A)80重量%から成
る液晶組成物を調製し、Δn及びしきい値電圧を測定し
たところ、次の通りであった。
【0045】 Δn 0.113 しきい値電圧(20℃) 1.45V
【0046】同様にして、実施例2で得られたNo.4の
化合物20重量%及び母体液晶(A)80重量%から成
る液晶組成物を調製し、Δn及びしきい値電圧を測定し
たところ、次の通りであった。
【0047】 Δn 0.114 しきい値電圧(20℃) 1.50V (実施例4) 液晶組成物の調製(2) 母体液晶(A)80重量%及び実施例2で得られたNo.
【0048】
【化10】
【0049】の化合物20重量%から成る液晶組成物を
調製し、Δn及びしきい値電圧を測定したところ、次の
通りであった。 Δn 0.117 しきい値電圧(20℃) 1.49V 以上の結果から、本発明の一般式(I)の化合物は、母
体液晶のΔnを大きくさせ、且つしきい値電圧を低下さ
せる効果を有することが明らかである。
【0050】(比較例1)母体液晶(A)80重量%及
び式(a)
【0051】
【化11】
【0052】の化合物20重量%から成る液晶組成物を
調製し、Δn及びしきい値電圧を測定したところ、次の
通りであった。 Δn 0.122 しきい値電圧(20℃) 1.82V この結果から、式(a)の化合物は、母体液晶のΔnを
大きくさせるものの、しきい値電圧を大きく上昇させて
しまうことが明らかである。
【0053】
【発明の効果】本発明の一般式(I)で表わされる化合
物は、ネマチック液晶として現在汎用されている母体液
晶との相溶性に優れており、母体液晶のΔnを大きくさ
せ、且つしきい値電圧を低下させることができる。
【0054】従って、本発明の一般式(I)で表わされ
る化合物は、ワープロ等に搭載されているSTN液晶表
示や、画素毎に能動素子、非線形素子を配した液晶テレ
ビなど高速応答性を重視する液晶表示素子に有用な液晶
材料である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素原子数1〜10の直鎖状アルキル基を
    表わし、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表
    わす。)で表わされる化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の一般式(I)で表わされ
    る化合物を含有する液晶組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5956739U (ja) * 1982-10-07 1984-04-13 黒谷 信子 シリコンウエハ等の水切乾燥装置
TWI385240B (zh) * 2008-11-25 2013-02-11 Ind Tech Res Inst 液晶化合物及包括此化合物之液晶組合物

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JPS6244526Y2 (ja) * 1982-10-07 1987-11-25
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