JP3331654B2 - フルオロトラン誘導体 - Google Patents

フルオロトラン誘導体

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JP3331654B2
JP3331654B2 JP00908393A JP908393A JP3331654B2 JP 3331654 B2 JP3331654 B2 JP 3331654B2 JP 00908393 A JP00908393 A JP 00908393A JP 908393 A JP908393 A JP 908393A JP 3331654 B2 JP3331654 B2 JP 3331654B2
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政志 大澤
晴義 高津
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気光学的表示材料とし
て有用な、新規なフルオロトラン誘導体である液晶化合
物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、最近ではワープロ、コンピュータ端末ディスプレ
イ等、情報表示素子として用いられ、電子装置と人との
インターフェースとして重要性を増してきている。
【0003】液晶を用いた表示方式は、(1)電界効果
(FEM)型、(2)動的散乱(DSM)型、及び
(3)熱効果(TEM)型の3つに大別される。これら
の効果を利用した種々の表示方式が提案されているが、
現在までのところ、実用化されているのは電界効果型を
用いた表示方式である。また、電界効果型には、ねじれ
ネマチック(TN)型、超ねじれネマチック(STN)
型、ゲスト−ホスト(GH)型、電界制御複屈折(EC
B)型、コレステリック−ネマチック相転移(CN−P
T)型、表面安定化強誘電性液晶(SSFLC)型等が
ある。この中で、現在主流となっているのは、TN型及
びSTN型である。このうち、STN型では、駆動方式
の改良等により、ある程度までは容量の増加は可能とな
ったが、近年の大表示容量要求に対しては、もはや限界
となった。そこで、表示画素ごとに、しきい特性をもつ
非線形素子を用いたMIM(Metal Insurator Metal)
方式、能動素子を用いたTFT(Thin Film Transisto
r)方式等のアクティブマトリックス方式が実用化さ
れ、大容量化に向けて急速に発展しつつある。
【0004】これらの液晶表示表示方式に用いられる液
晶材料には、各々の表示方式の特徴に応じて種々の特性
が要求されているが、広い温度範囲で動作可能なこと、
低電圧駆動が可能であること、更に応答時間が速いこと
は、共通して特に重要な要求特性である。
【0005】低電圧駆動を満足させるためには、液晶組
成物に混合した際にしきい値電圧を上昇させない化合物
が必要であり、また広い温度範囲で駆動を可能とするた
めには、ネマチック相−等方性液体相転移温度(以下、
N−I点という。)を上昇させる化合物が必要である。
応答時間を速くするためには、液晶組成物の粘度を低く
することにより可能であるが、以下のような方法によっ
ても応答時間を速くすることが可能である。
【0006】即ち、液晶表示用TN型セルにおいて、セ
ルの厚さ(d)μmと応答時間(τ)との間には比例関
係があり、dの値を小さくすることにより応答時間の速
い液晶セルを得ることができる。しかしながら、セル外
観を損なう原因となるセル表面での干渉縞の発生を防止
するために、セルに充填させる液晶材料の屈折率異方性
(Δn)とセルの厚さ(d)μmの積(Δn・d)をあ
る特定の値に設定する必要がある。
【0007】実用的に使用される液晶セルでは、Δn・
dの値が0.5、1.0、1.6又は2.2のいずれかに設定されて
いる。このようにΔn・dの値が一定値に設定されてい
るため、dを小さくするためには、Δnの値の大きな液
晶材料が必要である。
【0008】また、強い白濁性を要求されるポリマー分
散型液晶表示素子には、Δnの大きな液晶材料が有効で
ある。現在、Δnが大きく、液晶組成物のN−I点を上
昇させることのできる化合物としては式(a)
【0009】
【化2】
【0010】で表わされる化合物が知られている。しか
しながら、上記式(a)の化合物は、現在汎用されてい
るネマチック母体液晶に混合した際に、Δn及びN−I
点を上昇させることはできるものの、しきい値電圧も大
きく上昇させてしまうという欠点を有していた。更に
は、母体液晶90重量%及び式(a)の化合物10重量
%からなる混合液晶を調製すると、調製した初期には均
一に溶解した混合液晶が得られるものの、室温に放置す
ると数日後には析出物が認められ、相溶性の点でも問題
を有していた。
【0011】本発明が解決しようとする課題は、液晶組
成物のしきい値電圧を上昇させることなくΔn及びN−
I点を上昇させ、更には母体液晶との相溶性に優れる新
規化合物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために一般式(I)
【0013】
【化3】
【0014】(式中、Rは炭素原子数1〜10の直鎖状
アルキル基を表わすが、好ましくは炭素原子数2〜5の
直鎖状アルキル基を表わし、Xは水素原子又はフッ素原
子を表わし、シクロヘキサン環はトランス配置を表わ
す。)で表わされる化合物を提供する。
【0015】本発明の一般式(I)で表わされる化合物
は、例えば、次の製造方法に従って製造することができ
る。
【0016】
【化4】
【0017】(上記中、R、Xは一般式(I)における
と同じ意味を表わし、Yは沃素原子又は臭素原子をそれ
ぞれ表わす。)
【0018】第1段階:一般式(II)の化合物を銅と
パラジウム触媒の存在下、一般式(III)の化合物と
反応させることにより、一般式(IV)の化合物を製造
する。 第2段階:一般式(IV)の化合物を水素化ナトリウム
等の強塩基と反応させ、一般式(V)の化合物を製造す
る。 第3段階:一般式(V)の化合物を銅とパラジウム触媒
の存在下、一般式(VI)の化合物と反応させ、本発明
の一般式(I)の化合物を製造する。
【0019】斯くして製造された一般式(I)で表わさ
れる化合物の代表的なものの例を第1表に掲げる。
【0020】
【表1】
【0021】(表中、Cは結晶相を、Nはネマチック相
を、Iは等方性液体相をそれぞれ表わす。)
【0022】本発明に係わる一般式(I)で表わされる
化合物の効果は、後述の実施例にも示したが、以下の例
からも明らかである。第2表は、現在汎用されており、
低いしきい値電圧を有する母体液晶(A)90重量%及
び第1表の(No.1)の化合物10重量%からなる混
合液晶、また母体液晶(A)90重量%及び(No.
2)の化合物10重量%からなる各混合液晶について測
定したΔn、N−I点及び20℃におけるしきい値電圧
をそれぞれ掲示したものである。
【0023】更に、比較のために母体液晶(A)90重
量%及び前述の式(a)の化合物10重量%からなる混
合液晶及び母体液晶(A)自体について同様に測定した
Δn、N−I点及び20℃におけるしきい値電圧を掲示
した。
【0024】尚、母体液晶(A)は、
【0025】
【化5】
【0026】からなるものである。
【0027】
【表2】
【0028】上記第2表から、本発明に係わる(No.
1)及び(No.2)の化合物は、母体液晶(A)のN
−I点及びΔnを上昇させているが、しきい値電圧はほ
とんど上昇させていない。これに対して、式(a)の化
合物はN−I点及びΔnを大きく上昇させるものの、同
時にしきい値電圧も大きく上昇させてしまうことが明ら
かである。
【0029】また、これとは別に、第2表の(No.
1)あるいは(No.2)の化合物を含有する混合液晶
と同じN−I点になるように、母体液晶(A)に式
(a)の化合物を混合し、上記と同様にしきい値電圧及
びΔnを測定したところ、結果は以下のとおりであっ
た。
【0030】
【表3】
【0031】第3表から、式(a)の化合物を用いて、
本発明の化合物を含有する混合液晶と同じN−I点にな
るように混合液晶を調製すると、式(a)の化合物の混
合量が少なくなっているので、しきい値電圧の上昇は第
2表の混合液晶ほどではないことが明らかである。しか
しながら、本発明の化合物を含有する混合液晶と比較す
ると、依然としてしきい値電圧は高いことが明らかであ
る。また、Δnは大きく低下し、本発明の化合物を含有
する混合液晶よりも小さいことが明らかである。
【0032】また、第2表の(No.1)の化合物を含
有する混合液晶と、第3表の[(A)96+(a)4]
の混合液晶はしきい値電圧が同じであるが、式(a)の
化合物を含有する混合液晶のほうは、N−I点が低く、
Δnも小さいことが明らかである。このことから、式
(a)の化合物を用いてしきい値電圧の低い混合液晶を
調製しようとすると、同時にN−I点及びΔnも大きく
低下してしまうことが明らかである。
【0033】従って、式(a)の化合物は、その添加量
をいくら調製しても、N−I点、しきい値電圧及びΔn
の特性を同時に満足させることができず、実用的な液晶
組成物を調製する上で好ましくないものであることが理
解できる。
【0034】また、第2表の(No.1)あるいは(N
o.2)の化合物を含有する混合液晶は、いずれも−2
0℃の低温域に長時間放置しても析出物は認められず、
母体液晶との相溶性にも優れていることが明らかであ
る。
【0035】これに対して、第2表の式(a)の化合物
を含有する混合液晶は、調製した初期には上記のような
特性を示すものの、室温で数日間放置したところ、析出
物が認められ、実用的な液晶組成物を調製する上で、相
溶性の点からも問題がある。
【0036】以上のことから、本発明の一般式(I)で
表わされる化合物は、母体液晶との相溶性に優れ、N−
I点及びΔnを上昇させ、同時にしきい値電圧を低下さ
せる非常に優れたものであることが理解できる。
【0037】本発明の一般式(I)で表わされる化合物
と混合して使用することのできるネマチック液晶化合物
の好ましい代表例としては、例えば、4−置換安息香酸
4−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキサンカ
ルボン酸4−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘ
キサンカルボン酸4’−置換ビフェニリルエステル、4
−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)安息香
酸4−置換フェニルエステル、4−(4−置換シクロヘ
キシル)安息香酸4−置換フェニルエステル、4−(4
−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換シクロヘキシ
ルエステル、4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置
換フェニル)−4−置換シクロヘキサン、4,4”−置
換ターフェニル、1−(4’−置換ビフェニリル)−4
−置換シクロヘキサン、1−(4−置換シクロヘキシ
ル)−4−(4−置換フェニル)シクロヘキサン、2−
(4−置換フェニル)−5−置換ピリミジン、2−(4
−置換ビフェニリル)−5−置換ピリミジン、1−(4
−置換シクロヘキシル)−2−(4−置換シクロヘキシ
ル)エタン、1−(4−置換シクロヘキシル)−2−
(4−置換フェニル)エタン、1−[4−(4−置換シ
クロヘキシル)シクロヘキシル]−2−(4−置換フェ
ニル)エタン、1−[4−(4−置換フェニル)シクロ
ヘキシル]−2−(4−置換シクロヘキシル)エタン、
1−(4−置換フェニル)−2−(4−置換フェニル)
エチン、1−[4−(4−置換シクロヘキシル)]−2
−(4−置換フェニル)エチンなどを挙げることができ
る。
【0038】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0039】(実施例1) 1−[4−[トランス−4
−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘ
キシル]フェニル]−2−(3,4−ジフルオロフェニ
ル)エチン(No.1の化合物)の合成
【0040】
【化6】
【0041】(1) 4−[4−[トランス−4−(ト
ランス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシ
ル]フェニル]−2−メチル−3−ブチン−2−オール
の合成 4−[トランス−4−(トランス−4−プロピルシクロ
ヘキシル)シクロヘキシル]−1−ヨ−ドベンゼン7.8g
(19ミリモル)と2−メチル−3−ブチン−2−オール2.
4g(29ミリモル)をトリエチルアミン30mlに溶解した。ヨ
ウ化銅(I)0.1gとジクロロ−ビス(トリフェニルホス
フィン)パラジウム(II)0.1gを加え、1時間室温で
攪拌した。反応終了後、水100mlを加え、反応生成物を
酢酸エチル100mlで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で
順次洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を留去した後、(ヘキサン/トルエン=1/1)の混
合溶媒から再結晶させて、4−[4−[トランス−4−
(トランス−4−プロピルシクルヘキシル)シクロヘキ
シル]フェニル]−2−メチル−3−ブチン−2−オー
ル5.6g(15ミリモル)を得た。
【0042】(2) 4−[トランス−4−(トランス
−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル]フェ
ニルエチンの合成 水素化ナトリウム1gをトルエン20mlに懸濁し、上記
(1)で得た4−[4−[トランス−4−(トランス−
4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル]フェニ
ル]−2−メチル−3−ブチン−2−オール5.6g(15ミ
リモル)のトルエン25ml溶液を、室温で30分間で滴下
した。滴下後、1時間加熱還流させた。室温まで放冷
し、水100mlに加え、有機層を水、飽和食塩水で順次洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:
ヘキサン)を用いて精製して、4−[トランス−4−
(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキ
シル]フェニルエチン4.4g(14ミリモル)を得た。
【0043】(3) 1−[4−[トランス−4−(ト
ランス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシ
ル]フェニル]−2−(3,4−ジフルオロフェニル)
エチンの合成 上記(2)で得た4−[トランス−4−(トランス−4
−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル]フェニル
エチン5.5g(19ミリモル)と1−ブロモ−3,4−ジフル
オロベンゼン3.7g(19ミリモル)を、トリエチルアミン20
ml及びジメチルホルムアミド20mlに溶解した。この溶液
にヨウ化銅(I)0.1gとジクロロ−ビス(トリフェニル
ホスフィン)パラジウム(II)0.1gを加え、30分間
室温で攪拌し、更に4時間加熱還流させた。反応終了
後、水100mlを加え、反応生成物をトルエン100mlで抽出
し、有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)を用い
て精製して、1−[4−[トランス−4−(トランス−
4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル]フェニ
ル]−2−(3,4−ジフルオロフェニル)エチン5.1g
(12ミリモル)を得た。更に、これをエタノールから再結
晶させて精製物を得た。この精製物の相転移温度は第1
表に示した。
【0044】(実施例2) 1−[4−[トランス−4
−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘ
キシル]フェニル]−2−(3,4,5−トリフルオロ
フェニル)エチン(No.2の化合物)の合成
【0045】
【化7】
【0046】4−[トランス−4−(トランス−4−プ
ロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル]フェニルエチ
ン7.3g(24ミリモル)と1−ブロモ−3,4,5−トリフ
ルオロベンゼン5.0g(24ミリモル)を、トリエチルアミン
30ml及びジメチルホルムアミド30mlに溶解した。ヨウ化
銅(I)0.1gとジクロロ−ビス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(II)0.1gを加え、30分間室温で攪
拌し、更に4時間加熱還流させた。反応終了後、水100m
lを加え、反応生成物をトルエン100mlで抽出し、有機層
を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)を用いて精製し
て、1−[4−[トランス−4−(トランス−4−プロ
ピルシクロヘキシル)シクロヘキシル]フェニル]−2
−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチン3.7g
(8.4ミリモル)を得た。更に、これをエタノールから再
結晶させて精製物を得た。この精製物の相転移温度は第
1表に示した。
【0047】(実施例3) 液晶組成物の調製(1)
【0048】
【化8】
【0049】からなる母体液晶(A)を調製し、Δn、
N−I点及び20℃におけるしきい値電圧を測定したと
ころ、次の通りであった。 Δn 0.092 N−I点 54.5℃ しきい値電圧(20℃) 1.60V この母体液晶(A)90重量%及び実施例1の(No.
1)
【0050】
【化9】
【0051】の化合物10重量%からなる混合液晶を調
製し、同様にΔn、N−I点及び20℃におけるしきい
値電圧を測定したところ、次の通りであった。 Δn 0.106 N−I点 72.6℃ しきい値電圧(20℃) 1.70V このことから、(No.1)の化合物は、母体液晶のΔ
n、N−I点を上昇させ、しかもしきい値電圧をあまり
上昇させていないことが明らかである。また、この混合
液晶を−20℃の低温域に放置しても析出物は認められ
ず、(No.1)の化合物は母体液晶との相溶性に優れ
ていることが理解できる。
【0052】(実施例4) 液晶組成物の調製(2) 実施例3と同様に、母体液晶(A)90重量%及び実施
例2の(No.2)
【0053】
【化10】
【0054】の化合物10重量%からなる混合液晶を調
製し、Δn、N−I点及び20℃におけるしきい値電圧
を測定したところ、次の通りであった。 Δn 0.104 N−I点 66.2℃ しきい値電圧(20℃) 1.64V このことから、(No.2)の化合物は、母体液晶のΔ
n、N−I点を上昇させ、しかもしきい値電圧をほとん
ど上昇させていないことが明らかである。また、この混
合液晶を同様に−20℃の低温域に放置しても析出物は
認められず、(No.2)の化合物は母体液晶との相溶
性に優れていることが理解できる。
【0055】(比較例1)母体液晶(A)90重量%及
び式(a)
【0056】
【化11】
【0057】の化合物10重量%からなる混合液晶を調
製し、Δn、N−I点及び20℃におけるしきい値電圧
を測定したところ、次の通りであった。 Δn 0.113 N−I点 84.1℃ しきい値電圧(20℃) 1.83V このことから、式(a)の化合物は、母体液晶のΔn、
N−I点を上昇させるものの、同時にしきい値電圧も大
きく上昇させてしまうことが明らかである。また、この
混合液晶を室温で放置したところ、数日で析出物が認め
られ、式(a)の化合物は母体液晶との相溶性の点で問
題があることが理解できる。
【0058】(比較例2)実施例3の混合液晶と比較す
るために、混合液晶のN−I点が72.6℃になるよう
に、式(a)の化合物6重量%及び母体液晶94重量%
からなる混合液晶を調製し、Δn及び20℃におけるし
きい値電圧を測定したところ、次の通りであった。
【0059】 Δn 0.105 N−I点 72.6℃ しきい値電圧(20℃) 1.74V このことから、式(a)の化合物は、(No.1)の化
合物と比較して、しきい値電圧を大きく上昇させてしま
うことが明らかであり、Δn、N−I点及びしきい値電
圧特性を同時に満足できるものではないことが理解でき
る。
【0060】(比較例3)実施例4の混合液晶と比較す
るために、混合液晶のN−I点が66.2℃になるよう
に、式(a)の化合物4重量%及び母体液晶96重量%
からなる混合液晶を調製し、Δn及び20℃におけるし
きい値電圧を測定したところ、次の通りであった。
【0061】 Δn 0.100 しきい値電圧(20℃) 1.70V このことから、式(a)の化合物は、(No.2)の化
合物と比較して、しきい値電圧を大きく上昇させてしま
うことが明らかであり、Δn、N−I点及びしきい値電
圧特性を同時に満足できるものではないことが理解でき
る。
【0062】
【発明の効果】本発明の一般式(I)で表わされる化合
物は、ネマチック液晶として現在汎用されている母体液
晶との相溶性に優れており、母体液晶のしきい値電圧を
上昇させることなく、Δn、N−I点を上昇させること
ができる。
【0063】従って、本発明の一般式(I)で表わされ
る化合物は、ワープロ等に搭載されているSTN液晶表
示や、画素毎に能動素子、非線形素子を配した液晶テレ
ビなど高速応答性を重視する液晶表示に有用な液晶材料
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素原子数1〜10の直鎖状アルキル基を
    表わし、Xは水素原子又はフッ素原子を表わす。)で表
    わされる化合物。
  2. 【請求項2】 Xが水素原子である請求項1記載の化合
    物。
  3. 【請求項3】 Xがフッ素原子である請求項1記載の化
    合物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の一般式(I)で表わされ
    る化合物を含有する液晶組成物。
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