JP2884732B2 - フルオロトラン系化合物 - Google Patents
フルオロトラン系化合物Info
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- JP2884732B2 JP2884732B2 JP19874390A JP19874390A JP2884732B2 JP 2884732 B2 JP2884732 B2 JP 2884732B2 JP 19874390 A JP19874390 A JP 19874390A JP 19874390 A JP19874390 A JP 19874390A JP 2884732 B2 JP2884732 B2 JP 2884732B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電気光学的表示材料として有用な新規なフル
オロトラン系化合物に関する。
オロトラン系化合物に関する。
液晶表示セルの中で現在主流をなすものは、電界効果
型セルの一種のTN型セルである。このTN型セルにおいて
は、G.BauerによってMol.Cryst.Liq.Cryst.63 45(198
1)に報告されているように、セル外観を損う原因とな
るセル表面での干渉縞の発生を防止するために、セルに
充填される液晶材料の屈折率の異方性(△n)とセルの
厚さ(d)μmの積を或る特定の値に設定する必要があ
る。実用的に使用される液晶セルでは、△n・dの値が
0.5、1.0、1.6又は2.2のいずれかに設定されている。こ
のように△n・dの値が一定値に設定されるから、△n
の値の大きな液晶材料を使用すれば、dの値を小ならし
めることができる。dの値が小となれば、応答時間
(τ)は、よく知られたτ∝d2の関係式に従って小とな
る。従って、△nの値の大きな液晶材料は、応答速度が
速く、然も干渉縞のない液晶セルを作製するのに極めて
重要な材料である。
型セルの一種のTN型セルである。このTN型セルにおいて
は、G.BauerによってMol.Cryst.Liq.Cryst.63 45(198
1)に報告されているように、セル外観を損う原因とな
るセル表面での干渉縞の発生を防止するために、セルに
充填される液晶材料の屈折率の異方性(△n)とセルの
厚さ(d)μmの積を或る特定の値に設定する必要があ
る。実用的に使用される液晶セルでは、△n・dの値が
0.5、1.0、1.6又は2.2のいずれかに設定されている。こ
のように△n・dの値が一定値に設定されるから、△n
の値の大きな液晶材料を使用すれば、dの値を小ならし
めることができる。dの値が小となれば、応答時間
(τ)は、よく知られたτ∝d2の関係式に従って小とな
る。従って、△nの値の大きな液晶材料は、応答速度が
速く、然も干渉縞のない液晶セルを作製するのに極めて
重要な材料である。
一方、実用可能な液晶材料の多くは、通常、室温付近
にネマチック相を有する化合物と室温より高い温度領域
にネマチック相を有する化合物から成る数種またはそれ
以上の成分を混合することによって調製される。現在実
用的に使用される上記の如き混合液晶の多くは、少なく
とも−30℃〜+65℃の全温度範囲に亘ってネマチック相
を有することが要求されているが、液晶表示セルの応用
製品の多様化に伴ない、ネマチック液晶温度範囲を更に
高温側に拡張した液晶材料が要望されており、このた
め、ネマチック相−等方性液体相(N−I)転移温度
(以下、N−I点という。)の高いネマチック液晶化合
物が必要とされている。
にネマチック相を有する化合物と室温より高い温度領域
にネマチック相を有する化合物から成る数種またはそれ
以上の成分を混合することによって調製される。現在実
用的に使用される上記の如き混合液晶の多くは、少なく
とも−30℃〜+65℃の全温度範囲に亘ってネマチック相
を有することが要求されているが、液晶表示セルの応用
製品の多様化に伴ない、ネマチック液晶温度範囲を更に
高温側に拡張した液晶材料が要望されており、このた
め、ネマチック相−等方性液体相(N−I)転移温度
(以下、N−I点という。)の高いネマチック液晶化合
物が必要とされている。
発明者らはこのような要求に応える大きな△nと高い
N−I点を有するネマチック液晶化合物として、特開昭
60−152427号において一般式 で表される化合物を提供した。
N−I点を有するネマチック液晶化合物として、特開昭
60−152427号において一般式 で表される化合物を提供した。
しかしながら、この化合物は、現在母体液晶として実
用的に汎用されているネマチック混合液晶との相溶性に
劣るという欠点を有していた。
用的に汎用されているネマチック混合液晶との相溶性に
劣るという欠点を有していた。
本発明が解決しようとする課題は、△nが大きく、N
−I点が高く、現在母体液晶として実用的に汎用されて
いるネマチック混合液晶との相溶性に優れた液晶化合物
を提供することにある。
−I点が高く、現在母体液晶として実用的に汎用されて
いるネマチック混合液晶との相溶性に優れた液晶化合物
を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するために、一般式
(I) (式中、Rは炭素原子1〜5の直鎖状アルキル基を表わ
し、nは2〜7の整数を表わし、XはH又はFを表わ
し、 はトランス装置のシクロヘキサン環を表わす。) で表わされる化合物を提供する。
(I) (式中、Rは炭素原子1〜5の直鎖状アルキル基を表わ
し、nは2〜7の整数を表わし、XはH又はFを表わ
し、 はトランス装置のシクロヘキサン環を表わす。) で表わされる化合物を提供する。
本発明に係わる一般式(I)で表される化合物は、次
の製造方法に従って製造することができる。
の製造方法に従って製造することができる。
(上記一般式(II)及び(III)におけるR、n及びX
は夫々、一般式(I)におけるR、n及びXと同じ意味
をもつ)。
は夫々、一般式(I)におけるR、n及びXと同じ意味
をもつ)。
式(II)の化合物をジエチルアミンの如き塩基の存在
下に、N,N−ジメチルホルムアルデヒドの如き溶媒中
で、ジクロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジ
ウム(II)とヨウ化第1銅を触媒として、式(III)の
化合物と反応させて本発明に係る式(I)の化合物を製
造する。
下に、N,N−ジメチルホルムアルデヒドの如き溶媒中
で、ジクロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジ
ウム(II)とヨウ化第1銅を触媒として、式(III)の
化合物と反応させて本発明に係る式(I)の化合物を製
造する。
斯くして製造される一般式(I)で表わされるの化合
物の代表的なものの転移温度を第1表に掲げる。
物の代表的なものの転移温度を第1表に掲げる。
(表中、Cは結晶相、Nはネマチック相、Iは等方性液
体相を夫々表わす。) 本発明に係わる一般式(I)の化合物は、弱い正の誘
電率異方性を有するネマチック液晶化合物であり、従っ
て例えば、負の誘電率の異方性を有する他のネマチック
液晶化合物との混合物の状態で動的光散乱型表示セルの
材料として使用することができ、また正又は負の誘電率
の異方性を有する他のネマチック液晶化合物との混合物
の状態で電界効果型表示セルの材料として使用すること
ができる。
体相を夫々表わす。) 本発明に係わる一般式(I)の化合物は、弱い正の誘
電率異方性を有するネマチック液晶化合物であり、従っ
て例えば、負の誘電率の異方性を有する他のネマチック
液晶化合物との混合物の状態で動的光散乱型表示セルの
材料として使用することができ、また正又は負の誘電率
の異方性を有する他のネマチック液晶化合物との混合物
の状態で電界効果型表示セルの材料として使用すること
ができる。
一般式(I)で表される化合物と混合して使用するこ
とのできる液晶化合物の好ましい代表例としては、例え
ば、4−置換安息香酸4′−置換フェニルエステル、4
−置換シクロヘキサンカルボン酸4′−置換フェニルエ
ステル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4′−置換
ビフェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキサンカ
ルボニルオキシ)安息香酸4′−置換フェニルエステ
ル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4′−置
換フェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキシル)
安息香酸4′−置換シクロヘキシルエステル、4−置換
4′−置換ビフェニル、4−置換フェニル−4′−置換
シクロヘキサン、4−置換4″−置換ターフェニル、4
−置換ビフェニル4′−置換シクロヘキサン、2−(4
−置換フェニル)−5−置換ピリミジンなどを挙げるこ
とができる。
とのできる液晶化合物の好ましい代表例としては、例え
ば、4−置換安息香酸4′−置換フェニルエステル、4
−置換シクロヘキサンカルボン酸4′−置換フェニルエ
ステル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4′−置換
ビフェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキサンカ
ルボニルオキシ)安息香酸4′−置換フェニルエステ
ル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4′−置
換フェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキシル)
安息香酸4′−置換シクロヘキシルエステル、4−置換
4′−置換ビフェニル、4−置換フェニル−4′−置換
シクロヘキサン、4−置換4″−置換ターフェニル、4
−置換ビフェニル4′−置換シクロヘキサン、2−(4
−置換フェニル)−5−置換ピリミジンなどを挙げるこ
とができる。
第2表はネマチック液晶材料として現在母体液晶とし
て汎用されている混合液晶(A)の85重量%と第1表に
示した式(I)の化合物No.1の15重量%とから成る混合
液晶について測定されたN−Iと屈折率の異方性(△
n)を掲示し、比較のために混合液晶(A)自体につい
て測定されたN−I点と△nを掲示したものである。
て汎用されている混合液晶(A)の85重量%と第1表に
示した式(I)の化合物No.1の15重量%とから成る混合
液晶について測定されたN−Iと屈折率の異方性(△
n)を掲示し、比較のために混合液晶(A)自体につい
て測定されたN−I点と△nを掲示したものである。
尚、混合液晶(A)は 20重量%の 16重量%の 16重量%の 8重量%の 8重量%の 8重量%の 8重量%の 8重量%の 及び 8重量%の から成るものである。
第2表に掲示したデータから、一般式(I)で表わさ
れる化合物は、混合液晶(A)のN−I点を実用上充分
なまでに上昇させ、△nを大幅に上昇せしめ、而もVth
をさほど上昇させないことが理解できる。
れる化合物は、混合液晶(A)のN−I点を実用上充分
なまでに上昇させ、△nを大幅に上昇せしめ、而もVth
をさほど上昇させないことが理解できる。
本発明の効果は、下記の比較実験によっても明らかさ
れる。化学構造が、本発明に係わる一般式(I)で表わ
される化合物に類似しており、且つ混合液晶のN−I点
及び△nを高める目的で開発された式 の公知化合物を前記の混合液晶(A)に添加したとこ
ろ、−30℃における混合液晶(A)に対する溶解度は6
%であった。この時の混合液晶のN−I点は62.1℃で、
△nは0.101であった。
れる。化学構造が、本発明に係わる一般式(I)で表わ
される化合物に類似しており、且つ混合液晶のN−I点
及び△nを高める目的で開発された式 の公知化合物を前記の混合液晶(A)に添加したとこ
ろ、−30℃における混合液晶(A)に対する溶解度は6
%であった。この時の混合液晶のN−I点は62.1℃で、
△nは0.101であった。
これに対し本発明に係る化合物の1つ、即ち式 の化合物の−30℃における混合液晶(A)に対する溶解
度は17%であった。この時の混合液晶のN−I点は67.5
℃で、△nは0.117であった。
度は17%であった。この時の混合液晶のN−I点は67.5
℃で、△nは0.117であった。
これらの事実から本発明に係わる一般式(I)の化合
物は、代表的な公知の類似化合物に比べて、現在母体液
晶として実用的に汎用されているネマチック混合液晶に
多量に添加し得るため、その結果、N−I点と△nを大
幅に上昇させ、Vthをさほど上昇させないことが理解で
きるであろう。
物は、代表的な公知の類似化合物に比べて、現在母体液
晶として実用的に汎用されているネマチック混合液晶に
多量に添加し得るため、その結果、N−I点と△nを大
幅に上昇させ、Vthをさほど上昇させないことが理解で
きるであろう。
実施例1 式 の化合物3.58g(0.0100モル)をジエチルアミン4.1mlに
溶解し、この溶液にジクロロ−ビス(トリフェニルホス
フィン)パラジウム(II)7mg(0.010ミリモル)とヨウ
化第1銅19mg(0.10ミリモル)を加え、これらを室温で
撹拌しながら、3,4−ジフルオロフェニルアセチレン1.3
g(0.0100モル)をN,N−ジメチルホルムアミド5mlに溶
かした溶液を滴下した後、室温で24時間放置した。この
反応液を冷希塩酸水溶液中に撹拌しながら加えて酸性と
した後、反応生成物をトルエンで抽出した。抽出液を水
洗、乾燥した後、この液からトルエンを留去して、反応
生成物を得た。
溶解し、この溶液にジクロロ−ビス(トリフェニルホス
フィン)パラジウム(II)7mg(0.010ミリモル)とヨウ
化第1銅19mg(0.10ミリモル)を加え、これらを室温で
撹拌しながら、3,4−ジフルオロフェニルアセチレン1.3
g(0.0100モル)をN,N−ジメチルホルムアミド5mlに溶
かした溶液を滴下した後、室温で24時間放置した。この
反応液を冷希塩酸水溶液中に撹拌しながら加えて酸性と
した後、反応生成物をトルエンで抽出した。抽出液を水
洗、乾燥した後、この液からトルエンを留去して、反応
生成物を得た。
得られた反応生成物を、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーを用いて分離精製した後、エタノールから再結
晶させて精製し、下記化合物2.76g(0.0075モル)を得
た。
ラフィーを用いて分離精製した後、エタノールから再結
晶させて精製し、下記化合物2.76g(0.0075モル)を得
た。
実施例2 実施例1において、3,4−ジフルオロフェニルアセチ
レンに代えて、4−フルオロフェニルアセチレン1.20g
(0.0100モル)を使用した以外は、実施例1と同様にし
て、下記化合物を得た。
レンに代えて、4−フルオロフェニルアセチレン1.20g
(0.0100モル)を使用した以外は、実施例1と同様にし
て、下記化合物を得た。
〔発明の効果〕 本発明の一般式(I)で表わされる化合物は、N−I
転移温度が高く、しかも△nが大きいものであり、現在
母体液晶として実用的に汎用されているネマチック混合
液晶に混合することによってN−I点と△nを引き上げ
ることができる。更に公知の構造類似化合物と比べ、現
在母体液晶として実用的に汎用されているネマチック混
合液晶に対する低温での溶解度が大きいため、より高い
N−I点と△nを有する混合液晶を作製することができ
る。
転移温度が高く、しかも△nが大きいものであり、現在
母体液晶として実用的に汎用されているネマチック混合
液晶に混合することによってN−I点と△nを引き上げ
ることができる。更に公知の構造類似化合物と比べ、現
在母体液晶として実用的に汎用されているネマチック混
合液晶に対する低温での溶解度が大きいため、より高い
N−I点と△nを有する混合液晶を作製することができ
る。
従って、本願発明の一般式(I)で表わされる化合物
は、広い温度範囲で、特に高温域で駆動可能で、応答速
度が速く、然も干渉縞のない液晶セルを作製するための
材料として有用である。
は、広い温度範囲で、特に高温域で駆動可能で、応答速
度が速く、然も干渉縞のない液晶セルを作製するための
材料として有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】一般式 (式中、Rは炭素原子1〜5の直鎖状アルキル基を表わ
し、nは2〜7の整数を表わし、XはH又はFを表わ
し、 はトランス装置のシクロヘキサン環を表わす。) で表わされる化合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19874390A JP2884732B2 (ja) | 1990-07-26 | 1990-07-26 | フルオロトラン系化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19874390A JP2884732B2 (ja) | 1990-07-26 | 1990-07-26 | フルオロトラン系化合物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0482854A JPH0482854A (ja) | 1992-03-16 |
JP2884732B2 true JP2884732B2 (ja) | 1999-04-19 |
Family
ID=16396238
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19874390A Expired - Fee Related JP2884732B2 (ja) | 1990-07-26 | 1990-07-26 | フルオロトラン系化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2884732B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0589331B1 (de) * | 1992-09-25 | 1997-04-09 | MERCK PATENT GmbH | Acetylen Derivate und sie enthaltende flüssigkristalline Mischungen |
-
1990
- 1990-07-26 JP JP19874390A patent/JP2884732B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0482854A (ja) | 1992-03-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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