JPH06298685A - 3,5−ジフルオロビフェニル誘導体 - Google Patents

3,5−ジフルオロビフェニル誘導体

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JPH06298685A
JPH06298685A JP5088597A JP8859793A JPH06298685A JP H06298685 A JPH06298685 A JP H06298685A JP 5088597 A JP5088597 A JP 5088597A JP 8859793 A JP8859793 A JP 8859793A JP H06298685 A JPH06298685 A JP H06298685A
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JP
Japan
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liquid crystal
compound
substituted
formula
substituted phenyl
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Application number
JP5088597A
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English (en)
Inventor
Masashi Osawa
政志 大澤
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
Sadao Takehara
貞夫 竹原
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I) 【化1】 (R:炭素原子数1〜7のアルコキシル基により置換さ
れていてもよい炭素原子数1〜10の直鎖状アルキル
基、又は炭素原子数2〜10のアルケニル基)で表わさ
れる化合物及びそれを含有する液晶組成物。 【効果】 この化合物は、ネマチック液晶として現在汎
用されている母体液晶との相溶性に優れており、母体液
晶のN−I点を低下させることなく、融点を効果的に低
下させることができ、しかもしきい値電圧を低下させる
ことができる。また、シアノ基が存在しないので、高い
電圧保持率を得ることも可能である。従って、この化合
物は、ワープロやノートパソコン等に利用されているS
TN液晶表示や、アクティブマトリックス駆動の液晶テ
レビなど高速応答性を重視する液晶表示装置の構成材料
として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気光学的表示材料とし
て有用な、新規な3,5−ジフルオロビフェニル誘導体
である液晶性化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、最近では、ワープロ、コンピュータ端末ディスプ
レイ等、情報表示素子として用いられ、電子装置と人と
のインターフェースとして重要性を増してきている。
【0003】液晶を用いた表示方式は、(1)電界効果
(FEM)型、(2)動的散乱(DSM)型及び(3)
熱効果(TEM)型の3つに大別される。これらの効果
を利用した種々の表示方式が提案されているが、現在ま
でのところ実用化されているのは、電界効果型を用いた
表示方式である。この電界効果型には、ねじれネマチッ
ク(TN)型、超ねじれネマチック(STN)型、ゲス
ト−ホスト(GH)型、電界制御複屈折(ECB)型、
コレステリック−ネマチック相転移(CN−PT)型、
表面安定化強誘電性液晶(SSFLC)型等がある。こ
の中で、現在主流となっているのは、TN型及びSTN
型である。このうち、STN型では、駆動方式の改良等
により、ある程度までは容量の増加は可能となったが、
近年の大表示容量要求に対しては、もはや限界となっ
た。そこで、表示画素ごとにしきい特性をもつ非線形素
子を用いた、MIM(Metal Insurator Metal)方式、
能動素子を用いたTFT(Thin Film Transistor)方式
等のアクティブマトリックス方式が実用化され、大容量
化に向けて急速に発展しつつある。
【0004】これらの液晶表示方式に用いられる液晶材
料には、各々の表示方式の特徴に応じて種々の特性が要
求されているが、広い温度範囲で動作可能なこと、低電
圧駆動が可能であることは、共通して特に重要な要求特
性である。更に、アクティブマトリックス方式には高い
電圧保持率が要求される。
【0005】広い温度範囲で駆動を可能とするために
は、広い温度範囲で液晶相、特にネマチック相を示す液
晶組成物が必要であり、このような組成物を調製するた
めには、母体液晶のネマチック相−等方性液体相転移温
度(N−I点)を上昇させる化合物も重要であるが、逆
に組成物の融点を低下させ、低温域でのネマチック相温
度範囲を拡大する化合物も必要である。
【0006】また、低電圧駆動を可能とするためには、
しきい値電圧(Vth)の低い化合物、あるいは添加によ
り組成物のVthを低下できる化合物が必要である。しき
い値電圧(Vth)を低下させる化合物としては、例え
ば、シアノ基を有する化合物が知られているが、この化
合物は液晶組成物の電圧保持率を大きく低下させてしま
う傾向を有しているので、低電圧駆動及び高電圧保持率
が要求されるアクティブマトリックス駆動方式に用いる
ことは非常に困難であった。
【0007】このようなことから、シアノ基が存在せ
ず、しかも組成物のしきい値電圧(V th)を低下できる
化合物が必要とされている。現在、シアノ基が存在せ
ず、アクティブマトリックス駆動方式に使用可能な化合
物としては、例えば式(a)
【0008】
【化2】
【0009】の化合物が知られている。しかしながら、
この式(a)の化合物は、現在汎用されている母体液晶
に混合した場合、母体液晶のN−I点を上昇させること
はできるものの、同時にVthも大きく上昇させてしまう
という欠点を有しており、また、組成物の融点を低下さ
せ、組成物のネマチック相温度範囲を拡大する効果もほ
とんど認められなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、シアノ基が存在しない化合物であって、液
晶組成物に混合した場合、組成物のN−I点を低下させ
ることなく融点を大きく低下させ、しかもVthを低下さ
せることができるアクティブマトリックス駆動用の新規
化合物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、一般式(I)
【0012】
【化3】
【0013】(式中、Rは炭素原子数1〜7のアルコキ
シル基により置換されていてもよい炭素原子数1〜10
のアルキル基、又は炭素原子数2〜10のアルケニル基
を表わすが、炭素原子数1〜10の直鎖状アルキル基が
好ましく、特に炭素原子数2〜4の直鎖状アルキル基が
好ましく、シクロヘキサン環はトランス配置を表わ
す。)で表わされる3,5−ジフルオロビフェニル誘導
体を提供する。
【0014】本発明の一般式(I)の化合物において、
thのより低い化合物を得る場合、Rは炭素原子数1〜
7のアルコキシル基又は炭素原子数2〜17のアルコキ
シアルキル基が好ましく、N−I点のより高い化合物あ
るいは粘性のより低い化合物を得る場合、Rは炭素原子
数2〜10のアルケニル基が好ましい。
【0015】本発明に係わる一般式(I)で表わされる
化合物は、例えば、次の製造工程に従って製造すること
ができる。
【0016】
【化4】
【0017】(上記中、Rは一般式(I)におけると同
じ意味を表わし、Xは臭素原子又は沃素原子を表わし、
シクロヘキサン環はトランス配置を表わす。)
【0018】1−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼン
をマグネシウムと反応させてグリニヤール試剤とした
後、パラジウム等の触媒の存在下に一般式(II)の化
合物と反応させることにより一般式(I)の化合物を製
造することができる。
【0019】本発明に係わる一般式(I)で表わされる
化合物は、以下に示すように優れた特徴を有する。第1
表は、現在汎用されている低いしきい値電圧(Vth)を
有する母体液晶(A)90重量%及び本発明に係わる式
(I−1)
【0020】
【化5】
【0021】の化合物10重量%からなる混合液晶
(B)について測定した、N−I点、Vthを掲示し、比
較のために母体液晶(A)90重量%及び前述の式
(a)の化合物10重量%からなる混合液晶(C)、及
び母体液晶(A)についても同様に測定した、N−I
点、Vthを掲示したものである。
【0022】尚、母体液晶(A)は、
【0023】
【化6】
【0024】(式中、シクロヘキサン環はトランス配置
を表わす。)から成るものである。
【0025】
【表1】
【0026】上記第1表から、本発明に係わる式(I−
1)の化合物は母体液晶(A)のしきい値電圧(Vth
を低下させているが、これとは逆に、式(a)の化合物
はV thを大きく上昇させてしまっている。従って、比較
の式(a)の化合物を用いて、しきい値電圧の低い液晶
組成物を得ることはできないことが明らかである。
【0027】また、本発明の一般式(I)の化合物は組
成物の融点を低下させる効果を有する。例えば、
【0028】
【化7】
【0029】(式中、シクロヘキサン環はトランス配置
を表わす。)からなる母体液晶(D)を調製した。この
母体液晶(D)はN−I点及び電圧保持率が高く、高速
応答性にも優れているので、特にアクティブマトリック
ス用として有用であるが、融点が11℃と高いものであ
った。
【0030】この母体液晶(D)90重量%及び本発明
の式(I−1)の化合物10重量%からなる混合液晶の
融点は−10℃であり、融点は21度も低下している。
これに対して、母体液晶(D)90重量%及び比較の式
(a)の化合物10重量%からなる混合液晶は、融点が
+8℃であり、ほとんど融点が低下していないことが明
らかである。このことから、本発明の一般式(I)で表
わされる化合物は、液晶組成物のネマチック相温度範囲
を拡大、特に低温側に拡大できる化合物として有用であ
る。
【0031】また、本発明の一般式(I)の化合物はシ
アノ基が存在しないので、この化合物を含有する組成物
は電圧保持率が高い。
【0032】以上のことから、本発明に係わる式(I−
1)の化合物は、液晶組成物のネマチック相温度範囲を
特に低温域に拡大することができ、しかも高い電圧保持
率を得ることができるので、特に低電圧駆動可能なTF
T等のアクティブマトリックス駆動用として好適である
ことが理解できる。
【0033】このように、一般式(I)で表わされる化
合物と混合して使用することのできるネマチック液晶化
合物の好ましい代表例としては、例えば、4−置換安息
香酸4−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキサ
ンカルボン酸4−置換フェニルエステル、4−置換シク
ロヘキサンカルボン酸4’−置換ビフェニリルエステ
ル、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)
安息香酸4−置換フェニルエステル、4−(4−置換シ
クロヘキシル)安息香酸4−置換フェニルエステル、4
−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換シクロ
ヘキシルエステル、4,4’−置換ビフェニル、1−
(4−置換フェニル)−4−置換シクロヘキサン、4,
4”−置換ターフェニル、1−(4’−置換ビフェニリ
ル)−4−置換シクロヘキサン、1−(4−置換シクロ
ヘキシル)−4−(4−置換フェニル)シクロヘキサ
ン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリミジン、
2−(4−置換ビフェニリル)−5−置換ピリミジン、
1−(4−置換シクロヘキシル)−2−(4−置換シク
ロヘキシル)エタン、1−(4−置換シクロヘキシル)
−2−(4−置換フェニル)エタン、1−[4−(4−
置換シクロヘキシル)シクロヘキシル]−2−(4−置
換フェニル)エタン、1−[4−(4−置換フェニル)
シクロヘキシル]−2−(4−置換シクロヘキシル)エ
タン、1−(4−置換フェニル)−2−(4−置換フェ
ニル)エチン、1−[4−(4−置換シクロヘキシ
ル)]−2−(4−置換フェニル)エチンなどを挙げる
ことができる。
【0034】特に、アクティブマトリックス用として
は、4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置換フェニ
ル)−4−置換シクロヘキサン、4,4”−置換ターフ
ェニル、1−(4’−置換ビフェニリル)−4−置換シ
クロヘキサン、1−(4−置換シクロヘキシル)−4−
(4−置換フェニル)シクロヘキサン、1−(4−置換
シクロヘキシル)−2−(4−置換シクロヘキシル)エ
タン、1−(4−置換シクロヘキシル)−2−(4−置
換フェニル)エタン、1−[4−(4−置換シクロヘキ
シル)シクロヘキシル]−2−(4−置換フェニル)エ
タン、1−[4−(4−置換フェニル)シクロヘキシ
ル]−2−(4−置換シクロヘキシル)エタン、1−
(4−置換フェニル)−2−(4−置換フェニル)エチ
ン、1−[4−(4−置換シクロヘキシル)]−2−
(4−置換フェニル)エチンなどを挙げることができ
る。
【0035】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0036】(実施例1) 3,5−ジフルオロ−4’
−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)ビフェニ
ルの合成
【0037】
【化8】
【0038】マグネシウム1.1gをテトラヒドロフラン5m
lに懸濁し、1−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼン
7.1g(36.8ミリモル)のテトラヒドロフラン35ml溶液を、
テトラヒドロフランが穏やかに還流を続ける速度で滴下
した。滴下終了後、更に1時間加熱還流した。室温まで
放冷した後、過剰のマグネシウムを濾別した。濾液を4
−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−1−ヨ
ードベンゼン10.0g(30.5ミリモル)、塩化パラジウム0.2
gのテトラヒドロフラン50ml溶液に室温で30分間滴下
した。滴下後、更に4時間加熱還流させ、室温まで放冷
した。10%塩酸を反応液が弱酸性になるまで加え、反
応生成物を酢酸エチル200mlで抽出した。有機層を飽和
食塩水で洗浄した後に無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶
媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)を用いて精製し
て、3,5−ジフルオロ−4’−(トランス−4−プロ
ピルシクロヘキシル)ビフェニル7.3g(23.2ミリモル)を
得た。更に、エタノールから再結晶させて融点を測定し
たところ、58.2℃であった。また、冷却下でネマチ
ック相を示すが、結晶化のため相転移温度は測定できな
かった。
【0039】(実施例2) 液晶組成物の調製(1)
【0040】
【化9】
【0041】(式中、シクロヘキサン環はトランス配置
を表わす。)からなる母体液晶(A)を調製したとこ
ろ、N−I点と20℃におけるしきい値電圧(Vth)は
次の通りであった。
【0042】 N−I点 54.5℃ Vth 1.60V この母体液晶(A)90重量%及び実施例1の
【0043】
【化10】
【0044】の化合物10重量%からなる混合液晶
(B)を調製したところ、N−I点と20℃におけるV
thは次の通りであった。 N−I点 54.0℃ Vth 1.58V 以上の結果から、実施例1の化合物は、母体液晶のN−
I点をほとんど低下させずにVthを低下させていること
が理解できる。
【0045】(実施例3) 液晶組成物の調製(2)
【0046】
【化11】
【0047】(式中、シクロヘキサン環はトランス配置
を表わす。)からなる高速応答性に優れたアクティブマ
トリックス用の母体液晶(D)を調製したところ、その
融点は+11℃であった。
【0048】この液晶組成物(D)90重量%及び実施
例1の
【0049】
【化12】
【0050】の化合物10重量%からなる混合液晶を調
製したところ、融点は−10℃であり、21度も低下し
た。
【0051】(比較例)比較のために、母体液晶(A)
90重量%及びアクティブマトリックス用として使用可
能な式(a)
【0052】
【化13】
【0053】の化合物10重量%からなる混合液晶
(C)を調製したところ、N−I点と20℃におけるV
thは次の通りであった。 N−I点 59.8℃ Vth 1.64V 以上の結果から、式(a)の化合物は母体液晶のN−I
点を上昇させるものの、しきい値電圧も大きく上昇させ
てしまうことが理解できる。
【0054】(比較例2)前述の液晶組成物(D)90
重量%及び式(a)の化合物10重量%からなる混合液
晶を調製したところ、その融点は+8℃であり、融点は
3度しか低下しなかった。
【0055】
【発明の効果】本発明の一般式(I)で表わされる化合
物は、ネマチック液晶として現在汎用されている母体液
晶との相溶性に優れており、しきい値電圧(Vth)を低
下させることができ、また、シアノ基が存在しないの
で、高い電圧保持率を得ることができる。更に、液晶組
成物の融点を効果的に低下させることができるので、広
範なネマチック相を有する液晶組成物を得ることができ
る。
【0056】従って、本発明の一般式(I)で表わされ
る化合物は、ワープロやノートパソコン等に利用されて
いるSTN液晶表示や、アクティブマトリックス駆動の
液晶テレビなど、高速応答性を重視する液晶表示装置の
構成材料として有用な液晶材料である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素原子数1〜7のアルコキシル基により
    置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル
    基、又は炭素原子数2〜10のアルケニル基を表わ
    す。)で表わされる化合物。
  2. 【請求項2】 Rが炭素原子数1〜10の直鎖状アルキ
    ル基である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の一般式(I)で表わされ
    る化合物を含有する液晶組成物。
JP5088597A 1993-04-15 1993-04-15 3,5−ジフルオロビフェニル誘導体 Pending JPH06298685A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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