JP3357269B2 - リリースフィルムを用いる樹脂モールド装置及び樹脂モールド方法 - Google Patents

リリースフィルムを用いる樹脂モールド装置及び樹脂モールド方法

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JP3357269B2
JP3357269B2 JP19100397A JP19100397A JP3357269B2 JP 3357269 B2 JP3357269 B2 JP 3357269B2 JP 19100397 A JP19100397 A JP 19100397A JP 19100397 A JP19100397 A JP 19100397A JP 3357269 B2 JP3357269 B2 JP 3357269B2
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂封止型の半導体
装置等の電子部品の製造に適用されるリリースフィルム
を用いる樹脂モールド装置及び樹脂モールド方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】本出願人は先に金型のパーティング面を
リリースフィルムで被覆して樹脂モールドすることによ
り樹脂封止型の半導体装置を製造する樹脂モールド装置
を提案した(特開平8-142105号、特開平8-142109号等)
。図7はリリースフィルムを用いる樹脂モールド装置
の概略構成を示す。同図で10a、10bは各々上型2
0aと下型20bのパーティング面を被覆するリリース
フィルムである。リリースフィルム10a、10bは1
回もしくは複数回の樹脂モールド操作ごと、プレス装置
を挟む一方側から他方側へ所定長さずつ搬送するように
して供給される。22はリリースフィルム10a、10
bを卷回するリールである。
【0003】図8は上型20aと下型20bのパーティ
ング面をリリースフィルム10a、10bで被覆し、リ
リースフィルム10a、10bを介して被成形品12を
クランプして樹脂モールドした状態を示す。図で中心線
CLの左半部に被成形品12をクランプした状態、右半
部にキャビティ14に樹脂16を充填した状態を示す。
リリースフィルム10a、10bにより上型20aと下
型20bのパーティング面を被覆する方法は、パーティ
ング面で開口するエア吸着孔18からリリースフィルム
10a、10bをエアにより吸引して吸着支持する方法
による。
【0004】19はキャビティ14の内底面で開口する
キャビティ吸着孔である。リリースフィルム10a、1
0bを前記エア吸着孔18からエア吸引してパーティン
グ面に平らに吸着支持した後、キャビティ吸着孔19か
らエア吸引することによって図のようにリリースフィル
ム10a、10bはキャビティ14の内面形状に沿って
吸着支持される。なお、リリースフィルム10a、10
bにはFEPフィルム、PETフィルム、フッ素含浸ガ
ラスクロス、ポリ塩化ビニリデン、ETFEフィルム等
の柔軟性および耐熱性を有するフィルムが用いられる。
これらのフィルムはエア吸引によって簡単にキャビティ
14の内面に沿って吸着支持される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
にパーティング面をリリースフィルムで被覆して樹脂モ
ールドする場合、リリースフィルムをパーティング面に
吸着した際に、フィルム面にしわが生じることがある。
これは、リリースフィルムのエア吸着が均等になされな
いといった吸着時の問題による他に、リリースフィルム
ムがパーティング面に接することによって金型の熱によ
って加熱され、リリースフィルム自体が伸びることも原
因している。
【0006】従来の樹脂モールド装置ではエア吸着孔1
8とキャビティ吸着孔19によってリリースフィルムを
パーティング面に吸着支持する他は、リリースフィルム
が加熱されて伸びる問題を解消する手段をとくに設けて
いない。しかしながら、リリースフィルムにしわが生じ
た場合、とくにキャビティ14の内面を被覆する部分に
しわが生じた場合は成形品の外面にそのまましわの形状
があらわれるから、直接の不良原因となる。また、リリ
ースフィルムにしわが生じることによって被成形品を的
確にクランプできなくなり、樹脂成形精度が劣るように
なる。
【0007】このようにリリースフィルムを用いる樹脂
モールド装置ではしわが生じないようにリリースフィル
ムをパーティング面に吸着支持することは不良発生を防
止する上で非常に重要である。なお、図8に示す樹脂モ
ールド装置はモールド用に押し出し成形して作製した樹
脂をラッピングフィルムで密封したラッピング樹脂22
をポット24に供給して樹脂モールドする例であるが、
リリースフィルムをパーティング面に吸着支持した際に
リリースフィルムにしわが生じないようにすることは、
ラッピング樹脂を使用して樹脂モールドする場合も、通
常の樹脂タブレットや顆粒状樹脂を使用する場合も共通
であり、また、両面樹脂モールドする製品の場合も片面
樹脂モールドする製品の場合も共通である。
【0008】本発明はこれらの問題点を解消すべくなさ
れたものであり、その目的とするところは、樹脂モール
ド金型のパーティング面をリリースフィルムで被覆して
樹脂モールドする際に、リリースフィルムにしわが生じ
ないようにして確実に良品を製造できるようにするリリ
ースフィルムを用いる樹脂モールド装置及び樹脂モール
ド方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため次の構成を備える。すなわち、樹脂モールド金
型のパーティング面に吸着支持したリリースフィルムを
介して被成形品をクランプすることにより樹脂モールド
するリリースフィルムを用いる樹脂モールド装置におい
て、前記パーティング面に、エア機構に連絡し前記リリ
ースフィルムをエア吸引して吸着支持するエア吸着孔を
開口して設け、前記樹脂モールド金型に設けたキャビテ
ィ凹部の周囲のパーティング面に、前記リリースフィル
ムのたるみ分をエア吸引してたるみを吸収するたるみ吸
収溝をキャビティ凹部の周囲に独立した溝状に設けたこ
とを特徴とする。また、樹脂モールド金型のパーティン
グ面に吸着支持したリリースフィルムを介して被成形品
をクランプすることにより樹脂モールドするリリースフ
ィルムを用いる樹脂モールド装置において、前記パーテ
ィング面に、エア機構に連絡し前記リリースフィルムを
エア吸引して吸着支持するエア吸着孔を開口して設け、
前記樹脂モールド金型のキャビティ凹部に対向する金型
側のパーティング面に設けた逃げ凹部の周囲に、前記リ
リースフィルムのたるみ分をエア吸引してたるみを吸収
するたるみ吸収溝を設けたことを特徴とする。また、前
記たるみ吸収溝が、キャビティ凹部の周囲に独立した複
数の溝状に設けられていること、キャビティ凹部に連絡
して設けられたエアベントと共通に設けられていること
を特徴とする。また、前記たるみ吸収溝の底面に、リリ
ースフィルムのたるみをたるみ吸収溝に引き込むエアの
吸引機構に連絡するエア吸引孔が開口して設けられてい
ることを特徴とする。
【0010】樹脂モールド金型のパーティング面に吸着
支持したリリースフィルムを介して被成形品をクランプ
することにより樹脂モールドするリリースフィルムを用
いる樹脂モールド方法において、前記パーティング面で
開口するエア吸着孔から前記リリースフィルムをエア吸
引して該パーティング面にリリースフィルムを吸着支持
し、前記パーティング面に設けたたるみ吸収溝から前記
リリースフィルムをエア吸引して該たるみ吸収溝にリリ
ースフィルムのたるみ分を吸収した後、前記被成形品を
クランプして樹脂モールドすることを特徴とする。ま
た、前記リリースフィルムとして、ヒートシンク、フォ
イルあるいは印刷された文字等の樹脂モールド時に成形
樹脂に転写される転写物が設けられたものを使用するこ
とを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて説明する。図1は本発明に係る樹脂モールド装置
の一実施形態を示す断面図で、樹脂モールド装置の主要
部分である金型部分の構成を示す。本実施形態の樹脂モ
ールド装置はBGA基板を被成形品12として、片面樹
脂モールドによって製品とする装置であり、モールド用
樹脂として樹脂タブレット30を供給して樹脂モールド
する装置である。被成形品12を片面樹脂モールドする
ため下型20bにのみキャビティ凹部14aを設け、リ
リースフィルム10は上型20aのパーティング面のみ
被覆するように構成している。
【0012】図1では中心線CLの左半部に型開き状態
で下型20bに被成形品12をセットした状態、中心線
CLの右半部に被成形品12をクランプしてキャビティ
14に樹脂16を充填した状態を示す。22aは上型2
0aを支持する上型ベース、22bは下型20bを支持
する下型ベースである。24は上型ベース22aと下型
ベース22bに内設したヒータである。25は上型ベー
ス22aを支持する固定プラテンである。下型ベース2
2bは可動プラテン(不図示)に支持され型開閉方向に
昇降駆動される。
【0013】本実施形態の樹脂モールド金型ではポット
26を挟む両側に被成形品12を1枚ずつセットして樹
脂モールドする。27は被成形品12を下型20b上で
位置決めするガイドピンである。28は各々のキャビテ
ィ凹部14aの内底面に端面が位置するよう設置したエ
ジェクタピンである。エジェクタピン28は樹脂モール
ド後にキャビティ凹部14aから樹脂成形品を突き出し
て離型する作用をなす。
【0014】リリースフィルム10を吸着支持する上型
20aのパーティング面はキャビティ凹部を設けないた
め略平坦面に形成される。本実施形態では上型20aの
略全面を一連のリリースフィルム10によって被覆す
る。そのため、上型20aのパーティング面の略全体を
覆う幅の長尺状のリリースフィルム10を順次上型20
aのパーティング面上に搬送して樹脂モールドするよう
に構成した。
【0015】リリースフィルム10を上型20aのパー
ティング面にエア吸着する方法は、従来例と同様に上型
20aのパーティング面で開口するエア吸着孔18によ
ってパーティング面にリリースフィルム10をエア吸着
する方法による。エア吸着孔18は上型20aの後部で
エア吸引用の流路32に連通し、流路32は金型外のエ
ア機構に連絡する。
【0016】図2に上型20aのパーティング面にリリ
ースフィルム10を配置した状態の平面図を示す。リリ
ースフィルム10がパーティング面の略全面を覆い、被
成形品12をセットする長手方向に沿ってエア吸着孔1
8が列状に配置されている。27aはガイドピン孔であ
る。上述したように、上型20aのパーティング面は略
平坦面に形成されているが、被成形品12をクランプす
る際には被成形品12の背面にリリースフィルム10を
挟んでクランプするから、上型20aのパーティング面
にこのリリースフィルム10の厚さを逃がすための逃が
し凹部40を設ける。
【0017】この逃がし凹部40は被成形品12をクラ
ンプした際にキャビティ凹部14aの内側部分でリリー
スフィルム10の厚さによって被成形品12が押し出さ
れることを防止するためのものである。逃がし凹部40
の深さ寸法はクランプ時のリリースフィルム10の圧縮
度を考慮して設定する。
【0018】前述したように、リリースフィルムを用い
る樹脂モールド装置では、リリースフィルムをパーティ
ング面にエア吸着した際にリリースフィルムが金型の熱
で熱膨張して伸びることによりリリースフィルムにしわ
が生じることが問題となっている。本実施形態の樹脂モ
ールド装置では、この問題を解消するため、逃がし凹部
40の周囲にリリースフィルム10のたるみを吸収する
ためのたるみ吸収溝42を設けた。たるみ吸収溝42は
図2に示すように逃がし凹部40の各辺、すなわちキャ
ビティ凹部14aの各辺と平行に辺長と略等しい長さの
細幅の溝状に形成する。
【0019】42aはたるみ吸収溝42の略中央部に設
けたエア吸引孔である。このエア吸引孔42aは上型2
0aの背面側で金型外のエアの吸引機構に連絡するエア
流路に連絡する。たるみ吸収溝42はリリースフィルム
10をパーティング面にエア吸着した際に、加熱されて
伸びたリリースフィルム10の伸び分を溝内に引き込
み、リリースフィルム10にたるみが生じることを防止
する作用を有する。すなわち、リリースフィルム10が
パーティング面にエア吸着されることにより、たるみ吸
収溝42の開口部もリリースフィルム10で塞がれる。
エア吸引孔42aからエア吸引するとリリースフィルム
10をたるみ吸収溝42に引き込む作用が生じ、これに
よってリリースフィルム10が加熱されて伸びた分を引
き込むことができる。
【0020】図3はたるみ吸収溝42の正面断面図と側
面断面図を示す。図はエア吸引孔42aからエア吸引す
ることにより、たるみ吸収溝42にリリースフィルム1
0が部分的に引き込まれた様子を示す。たるみ吸収溝4
2はキャビティ凹部14aを囲む均等位置に配置されて
いるから、各々のたるみ吸収溝42からリリースフィル
ム10をエア吸引することによりキャビティ凹部14a
に対応する範囲で均等にリリースフィルム10を吸引し
てこの範囲でしわが生じることを防止することができ
る。
【0021】本実施形態の樹脂モールド装置を用いて樹
脂モールドする際は、まず、型開きした状態で下型20
bに被成形品12をセットすると共に、上型20aにつ
いてはリリースフィルム10をパーティング面上まで所
定長さ分だけ引き出し、リリースフィルム10をパーテ
ィング面に近づけたところでエア吸着孔18からエア吸
着することによりパーティング面にリリースフィルム1
0をエア吸着する。リリースフィルム10をエア吸着し
た後、エア吸引孔42aからエア吸引してリリースフィ
ルム10が加熱されて伸びる分をたるみ吸収溝42に引
き込むようにする。
【0022】次いで、この状態のままリリースフィルム
10を介して被成形品12を上型20aと下型20bと
でクランプし、ポット26から溶融樹脂をキャビティ1
4内に充填し、樹脂を硬化させる。実施形態の樹脂モー
ルド装置の場合は、被成形品12の上型20a側の面は
リリースフィルム10によって完全に遮蔽され、被成形
品12の半導体チップ12を搭載した面のみ樹脂モール
ドされる。樹脂成形後は、エジェクタピン28によって
成形品を突き出して離型する。
【0023】リリースフィルム10は1回の樹脂成形操
作ごとに新たにパーティング面上に引き出して使用して
もよいし、数回の樹脂成形操作ごとに新しくリリースフ
ィルム10を所定長さ分だけ引き出して使用するように
してもよい。1回の樹脂成形サイクルが完了したら、再
び被成形品12および樹脂タブレット30をセットし、
次回の操作に移る。こうして、リリースフィルム10に
より被成形品12の片面を被覆して連続操作により樹脂
モールドすることができる。
【0024】本樹脂モールド装置では上型20aのパー
ティング面にリリースフィルム10をエア吸着した際
に、たるみ吸収溝42にリリースフィルム10を引き込
むようにしたことにより、リリースフィルム10が加熱
された際の伸びを吸収することができ、これによってリ
リースフィルム10しわが生じることを防止することが
でき、被成形品12のクランプが的確にできなくなって
成形不良が発生するといったことを防止することが可能
になる。
【0025】上記実施形態の樹脂モールド装置は、リリ
ースフィルム10で被覆するパーティング面にキャビテ
ィ凹部が形成されていない例であるが、以下に、リリー
スフィルムで被覆するパーティング面にキャビティ凹部
が形成されている場合の例を示す。図4は上記実施形態
と同様に広幅のリリースフィルム10によってパーティ
ング面の略全面を被覆する場合の例である。この樹脂モ
ールド装置はポット26を平面形状で細長の矩形状に形
成し、ポット26にスティック状に成形したモールド用
の樹脂を供給して樹脂モールドする。
【0026】ポット26の両側にキャビティ凹部14a
が配置され、キャビティ凹部14aの周囲にたるみ吸収
溝42aを配置した構成は上記実施形態の構成と同様で
ある。キャビティ凹部14aの底面には底面の辺部分を
囲むようにスリット状にキャビティ吸着孔19が開口し
ている。リリースフィルム10をパーティング面にエア
吸着するエア吸着孔18はリリースフィルム10の長手
方向に均等間隔で列状に配置されている。
【0027】本実施形態の樹脂モールド装置でもリリー
スフィルム10が加熱されることによる伸びを吸収する
方法は上記実施形態と同様であり、エア吸着孔18によ
りリリースフィルム10をパーティング面にエア吸着し
た後、たるみ吸収溝42の内側に設けたエア吸引孔42
aからエア吸引して、たるみ吸収溝42にリリースフィ
ルム10のたるみを引き込むことによる。
【0028】通常は、パーティング面にリリースフィル
ム10をエア吸着した後、たるみ吸収溝42にリリース
フィルム10を引き込んで、リリースフィルム10が伸
びることによるたるみを吸収した後、キャビティ吸着孔
19からエア吸引してキャビティ凹部14aの内面形状
に沿ってリリースフィルム10をエア吸着する。もちろ
ん、キャビティ吸着孔19からエア吸引した後、たるみ
吸収溝42にリリースフィルム10を引き込んでもよ
く、キャビティ吸着孔19によるエア吸引操作の前後で
たるみ吸収溝42にリリースフィルム10を引き込むよ
うにしてもよい。
【0029】このようにパーティング面でまずリリース
フィルム10をエア吸着してから、たるみ吸収溝42で
リリースフィルム10をエア吸引してたるみを引き込む
方法は、リリースフィルム10からフィルムに接着され
たヒートシンク、フォイルあるいは印刷された文字等を
転写する場合に、キャビティ内で転写物を正確に位置決
めして転写できるという利点がある。すなわち、リリー
スフィルム10をパーティング面に位置決めしてエア吸
着孔18でリリースフィルム10を吸着支持した際には
キャビティピッチに合わせてリリースフィルム10に接
着されている転写物は正確に位置決めされており、その
後、リリースフィルム10が伸びた場合でもキャビティ
凹部14aの周囲に設けたたるみ吸収溝42から均等に
リリースフィルム10を引き込むことによって転写物の
位置を変えずに支持することが可能になるからである。
【0030】なお、図4で50はパーティング面に設け
たエアベントである。エアベントはキャビティに樹脂を
充填した際にキャビティ内からエアを排出できるよう
に、わずかにパーティング面を研削して形成した部位で
ある。51はキャビティとエアベント50とを連絡する
分岐部である。本実施形態の樹脂モールド装置ではたる
み吸収溝42をキャビティ凹部14aの周囲に均等に配
置し、かつエアベント50を独立に設けるように設定し
た。
【0031】図5は上記実施形態と同様にパーティング
面にキャビティ凹部14aを設けた例で、上記実施形態
とは異なりポット26の両側に配置する被成形品12の
配置位置に合わせて1枚ずつ、すなわち2連でリリース
フィルム10を供給して樹脂モールドする例である。リ
リースフィルム10の長手方向に沿ってパーティング面
にエア吸着孔18を開口させて設けること、キャビティ
凹部14aの底面にスリット状にキャビティ吸着孔19
を設けることは上記実施形態と同様である。
【0032】本実施形態においてもキャビティ凹部14
aの周囲にキャビティ凹部14aの辺長と略同じ長さで
たるみ吸収溝42を配置する。ただし、本実施形態では
隣接するキャビティ凹部14a間の間隔が狭いため、隣
接するキャビティ凹部14aの中間のパーティング面に
設けるエアベント50とたるみ吸収溝42とを共通に配
置する構成としている。
【0033】上述したようにエアベント50はパーティ
ング面をわずかに研削して凹部を設けたもので、これに
比較してたるみ吸収溝42はかなり深く凹部状に形成す
る。図6にエアベント50とたるみ吸収溝42とを共通
に配置した部位の断面図を示す。エアベント50は分岐
部51を介してキャビティに連絡する。リリースフィル
ム10はたるみ吸収溝42の底部で開口するエア吸引孔
42aからエア吸引することによって伸びが吸収され、
樹脂モールド時にはエアベント50からエアを排出して
樹脂モールドされる。
【0034】なお、本実施形態の樹脂モールド装置では
リリースフィルム10の幅方向に配置するたるみ吸収溝
42がキャビティ凹部14aに接近して配置されるのに
対して、リリースフィルム10の長手方向に配置される
たるみ吸収溝42はキャビティ凹部14aから若干離れ
て配置されている。このため、リリースフィルム10の
長手方向に配置したたるみ吸収溝42に引き込まれるリ
リースフィルム10の伸び分が大きくなることを考慮し
て、長手方向に配置するたるみ吸収溝42の溝幅を幅方
向に配置するたるみ吸収溝42の溝幅よりも広く設定し
ている。このように設定することは、同一のキャビティ
凹部14aの範囲内で均等にリリースフィルム10の伸
びを吸収するために必要である。
【0035】上述したように、本発明に係る樹脂モール
ド装置は、被成形品の片面を樹脂モールドする場合も両
面を樹脂モールドする場合も、リリースフィルムでパー
ティング面を被覆した際に、リリースフィルムにしわ等
の不整部分が生じることを効果的に防止することができ
る。リリースフィルムに生じる不整部分は金型の熱によ
ってリリースフィルムが熱膨張することによる場合もあ
るし、リリースフィルムをパーティング面に吸着する際
に生じるといった場合もあるが、本発明に係る樹脂モー
ルド装置はその発生原因にかかわらず不整部分を有効に
解消することができる。
【0036】たるみ吸収溝42の寸法および形状等も適
宜設定することができ、たとえばキャビティ凹部14a
の周囲に上記実施形態で示したたるみ吸収溝42より
小型のたるみ吸収溝42を均等間隔で配置したり、キャ
ビティ凹部14aの周囲から若干離れた部位、たとえば
リリースフィルム10の側縁部近傍に配置したりするこ
ともできる。また、たるみ吸収溝42に設けるエア吸引
孔42aも一つのたるみ吸収溝42内で複数個配置して
もよい。また、上記実施形態ではキャビティ凹部14a
の周囲にたるみ吸収溝42を独立させて複数設ける構成
としているが、これらのたるみ吸収溝42を連通させて
設けるようにしてもよい。
【0037】また、たるみ吸収溝42を配置する場合
に、必ずしもキャビティ凹部14aを囲む配置としなく
てもよく、たとえば長手方向と幅方向に配置する一方の
みとしてもよい。転写物がある場合は正確に転写できる
ようにするため、ピッチ方向、すなわち長手方向に配置
するたるみ吸収溝42は必須となる。また、長手方向と
幅方向に配置するたるみ吸収溝42に連絡するエア吸引
回路を別々の回路とすることもできる。
【0038】また、たるみ吸収溝42の他の作用とし
て、リリースフィルム10の裏面側に回り込んだ樹脂か
す等の異物をたるみ吸収溝42から吸引して排出するク
リーニング作用もある。たるみ吸収溝42の溝の幅をや
や広くし、エア吸引孔42aの数を増やすようにする
と、クリーニング効果を上げることができる。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る樹脂モールド装置によれ
ば、上述したように、パーティング面に吸着支持された
リリースフィルムのたるみをたるみ吸収溝によって吸収
して樹脂モールドすることができるから、リリースフィ
ルムを用いて樹脂モールドする際の問題点である、パー
ティング面にリリースフィルムを吸着支持した際のしわ
等の不整部分の発生を防止し、これによって品質の良い
樹脂モールドを可能とし、不良品の発生を効果的に防止
することができる。とくに、たるみ吸収溝をキャビティ
凹部の周囲に配置することによってキャビティ部分でし
わ等が生じることを防止して好適な樹脂モールドを可能
にする等の著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】リリースフィルムを用いて片面樹脂モールド製
品を製造する樹脂モールド装置の構成を示す断面図であ
る。
【図2】パーティング面でのたるみ吸収溝の配置を示す
平面図である。
【図3】たるみ吸収溝の正面断面図および側面断面図で
ある。
【図4】たるみ吸収溝の他の配置例を示す説明図であ
る。
【図5】たるみ吸収溝のさらに他の配置例を示す説明図
である。
【図6】たるみ吸収溝とエアベントの配置を示す正面断
面図および側面断面図である。
【図7】リリースフィルムを用いる樹脂モールド装置の
概略構成を示す説明図である。
【図8】リリースフィルムを用いる樹脂モールド装置に
より樹脂モールドする状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10、10a、10b リリースフィルム 12 被成形品 14 キャビティ 14a キャビティ凹部 16 樹脂 18 エア吸着孔 19 キャビティ吸着孔 20a 上型 20b 下型 22a 上型ベース 22b 下型ベース 24 ヒータ 26 ポット 30 樹脂タブレット 40 逃げ凹部 42 たるみ吸収溝 42a エア吸引孔 50 エアベント 51 分岐部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/56 H01L 21/56 T // B29L 31:34 B29L 31:34 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 33/18 B29C 33/68 B29C 45/02 B29C 45/14 B29C 45/34 H01L 21/56

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂モールド金型のパーティング面に吸
    着支持したリリースフィルムを介して被成形品をクラン
    プすることにより樹脂モールドするリリースフィルムを
    用いる樹脂モールド装置において、 前記パーティング面に、エア機構に連絡し前記リリース
    フィルムをエア吸引して吸着支持するエア吸着孔を開口
    して設け、 前記樹脂モールド金型に設けたキャビティ凹部の周囲の
    パーティング面に、前記リリースフィルムのたるみ分を
    エア吸引してたるみを吸収するたるみ吸収溝をキャビテ
    ィ凹部の周囲に独立した溝状に設けたことを特徴とする
    リリースフィルムを用いる樹脂モールド装置。
  2. 【請求項2】 樹脂モールド金型のパーティング面に吸
    着支持したリリースフィルムを介して被成形品をクラン
    プすることにより樹脂モールドするリリースフィルムを
    用いる樹脂モールド装置において、 前記パーティング面に、エア機構に連絡し前記リリース
    フィルムをエア吸引して吸着支持するエア吸着孔を開口
    して設け、 前記樹脂モールド金型のキャビティ凹部に対向する金型
    側のパーティング面に設けた逃げ凹部の周囲に、前記リ
    リースフィルムのたるみ分をエア吸引してたるみを吸収
    するたるみ吸収溝を設けたことを特徴とするリリースフ
    ィルムを用いる樹脂モールド装置。
  3. 【請求項3】 前記たるみ吸収溝が、キャビティ凹部の
    周囲に独立した複数の溝状に設けられていることを特徴
    とする請求項記載のリリースフィルムを用いる樹脂モ
    ールド装置。
  4. 【請求項4】 前記たるみ吸収溝が、キャビティ凹部に
    連絡して設けられたエアベントと共通に設けられている
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載のリリース
    フィルムを用いる樹脂モールド装置。
  5. 【請求項5】 前記たるみ吸収溝の底面に、リリースフ
    ィルムのたるみをたるみ吸収溝に引き込むエアの吸引機
    構に連絡するエア吸引孔が開口して設けられていること
    を特徴とする請求項1、2、3または4記載のリリース
    フィルムを用いる樹脂モールド装置。
  6. 【請求項6】 樹脂モールド金型のパーティング面に吸
    着支持したリリースフィルムを介して被成形品をクラン
    プすることにより樹脂モールドするリリースフィルムを
    用いる樹脂モールド方法において、 前記パーティング面で開口するエア吸着孔から前記リリ
    ースフィルムをエア吸引して該パーティング面にリリー
    スフィルムを吸着支持し、 前記パーティング面に設けたたるみ吸収溝から前記リリ
    ースフィルムをエア吸引して該たるみ吸収溝にリリース
    フィルムのたるみ分を吸収した後、 前記被成形品をクランプして樹脂モールドすることを特
    徴とするリリースフィルムを用いる樹脂モールド方法。
  7. 【請求項7】 前記リリースフィルムとして、ヒートシ
    ンク、フォイルあるいは印刷された文字等の樹脂モール
    ド時に成形樹脂に転写される転写物が設けられたものを
    使用することを特徴とする請求項6記載の樹脂モールド
    方法。
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