JP4327985B2 - 樹脂封止装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する利用分野】
本発明は被成形品供給ユニットより被成形品をプレス部に搬入するローダーと、プレス部より成形品を成形品収納ユニットへ取り出すアンローダーとが移動レール部を共用して移動することにより樹脂封止する樹脂封止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造装置として用いられる樹脂封止装置の構成について、図6及び図7を参照して説明する。図6において、樹脂封止装置は、モールド金型51を備えたプレス部52を中心にしてその周囲に供給マガジン53に収納したリードフレーム、樹脂基板などの被成形品を供給テーブル54へ供給する被成形品供給部55、樹脂タブレットを貯蔵する保管部56、樹脂タブレットを整列供給するボールフィーダ57及びリニアフィーダ58、及び樹脂タブレットを装填されて供給テーブル54へ供給するタブレットホルダー59を備えた樹脂タブレット供給部60、モールド金型51より取り出された成形品をゲートブレイクして不要樹脂を分離するディゲート部61、不要樹脂を分離した成形品を収納する収納マガジン62を備えた成形品収納部63、装置全体の動作を制御する制御部64などが設けられている。
【0003】
被成形品及び樹脂タブレットは供給テーブル54へ供給されると、ローダー65に保持されて型開きしたモールド金型51へ搬入される。また、成形品はモールド金型51より離型されるとアンローダー66に保持され、アンローダ66は金型面をクリーニングしながら成形品をディゲート部61へ搬出する。アンローダー66は、ディゲート部61において基板の反りを防止するため成形品を押さえたまま保持し、成形品にエアーが吹き付けられて冷却される。そして、基板がツイストされて成形品と不要樹脂とが分離され、アンローダー66は成形品のみをディゲート部61に受け渡してから次の成形品を取り出すため移動する。上記ローダー65及びアンローダー66は、プレス部52の上方に架設されたガイドレール67を共用して移動するようになっており、ローダー65は供給テーブル54とモールド金型51との間、アンローダー66はモールド金型51とディゲート部61との間を各々往復移動するようになっている(特開平3−286817号参照)。
【0004】
次に、図7に示す樹脂封止装置は、成形品の数を増減したり、多品種少量生産にも対応できるよう、モールド金型70a〜70dを各々含むプレス機能のみを有するプレスユニット71a〜71dを基本ユニット72のプレス着脱部73に対して分離可能に設けたものである。基本ユニット72には、供給マガジン74に収納したリードフレーム、樹脂基板などの被成形品をターンテーブル75へ供給する被成形品供給部76、樹脂タブレットを収納するタブレットカセット77からタブレットホルダー78へ樹脂タブレットを装填して供給する樹脂タブレット供給部79、プレスユニット71a〜71dより取り出された成形品を成形品ピップアップ80により保持してゲートブレイクして不要樹脂を分離するディゲート部81、不要樹脂を分離した成形品を収納する収納マガジン82を備えた成形品収納部83を備えている。
【0005】
被成形品及び樹脂タブレットはローダーユニット84に備えたローダー85に保持されて型開きしたモールド金型70a〜70dへ搬入される。また、成形品はモールド金型70a〜70dより離型されると、ローダーユニット84に備えたアンローダー86に保持され、該アンローダー86は金型面をクリーニングしながら成形品をディゲート部81へ搬出する。上記ローダーユニット84に備えたローダー85及びアンローダー86は上下に重なるように設けられており、基本ユニット72に設けられたガイドレール87を平面上位置で共用して各々独自に移動するようになっている。
【0006】
ローダー85は、待機位置Xにおいて旋回して向きを変えてターンテーブル75より被成形品を保持し、タブレットホルダー78より樹脂タブレットを各々保持する。そして、ローダー85は、搬入先のプレスユニット71a〜71dへ向きを合わせて旋回した後、ガイドレール87に沿って搬送位置Y又はZへ移動して所要のプレスユニットへ被成形品及び樹脂タブレットを搬入する。また、アンローダー86は、搬送位置B又はCに待機しており、成形動作が終了したプレスユニット71a〜71dの型開きしたモールド金型70a〜70dより離型された成形品を保持して取り出し、ガイドレール87に沿って待機位置Xに移動してから必要に応じてディゲート部81へ向きを合わせるべく旋回して移載する。各プレスユニット71a〜71dにおいて、アンローダ86が型開きしたモールド金型70a〜70dへ進入して成形品を取り出すのと入れ替わりにローダー85が次の被成形品及び樹脂タブレットを当該モールド金型へ搬入するようになっている(特開平10−58457号参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、実装基板の微細配線化、高集積化に伴い、半導体パッケージも小型化して高密度実装化しており、QFN(Quad・Flat・Non−leaded)タイプのパッケージ、BGA(ボールグリッドアレイ)タイプのパッケージ、CSP(チップサイズパッケージ)などが実用化されている。例えば、QFNのようにインナーリードの一部をパッケージから露出させたり、BGAタイプ或いはフリップチップ実装タイプの半導体パッケージにおいては、接続端子(バンプ、はんだボールなど)の端部を露出させて樹脂封止したい、或いは複数の半導体チップを一括して樹脂封止したいという要請がある。この場合、モールド金型にリリースフィルムを張設して樹脂封止するのが好ましい場合があった。
また、製品によっては、半導体パッケージの熱放散性を高めるため、放熱板(ヒートシンクをチップと共に樹脂封止したいと言う要請もある。また、キャビティダウンタイプのパッケージのように、キャビティ周囲の基板面に端子接続面が形成されている場合には基板上に樹脂路を形成できないため、上下金型の間に中間金型プレート(中間型)を挿脱して樹脂封止したいと言う要請もあった。
【0008】
しかしながら、図6に示す樹脂封止装置は、モールド金型51を有するプレス部52の周囲にローダー65及びアンローダ66、被成形品供給部55、樹脂タブレット供給部60、ディゲート部61、成形品収納部63などに囲まれているため、様々なニーズに応えて樹脂封止装置の多機能化を図るためには、設置スペースや作業スペースに乏しく装置を改変するのが困難であった。特にモールド金型51の上方を通過してローダー65及びアンローダ66が共用して移動するガイドレール67が設けられているため、これを回避して他の機能部を設けるのは困難である。
【0009】
また、図7に示す樹脂封止装置は、複数プレスを有しているため、特に基本ユニット72、ガイドレール87、プレスユニット71c、71dに囲まれたプレスユニット71a、71bは装置の多機能化を図るためには上記図6と同様に、装置を改変するのが困難である。
【0010】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、装置の多機能化、設計の自由度を向上させて容易に拡張したり改変することができる樹脂封止装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次の構成を備える。
即ち、被成形品供給ユニットより被成形品をプレス部に搬入するローダーと、前記プレス部より成形品を成形品収納ユニットへ取り出すアンローダーとが移動レール部を共用して移動することにより樹脂封止する樹脂封止装置であって前記被成形品供給ユニットと前記成形品収納ユニットとの間に、前記プレス部を搭載可能な増設レールユニットが挿脱可能に設けられ、前記被成形品供給ユニット、前記増設レールユニット及び前記成形品収納ユニットは、前記ローダー及びアンローダーが移動可能な移動レール部及び前記アンローダーの吸引ダクトにダクト連結部を介して接続可能な吸引ダクトが各々台座部に併設されており、前記供給側移動レール部、増設側移動レール部及び収納側移動レール部の一方端が前記台座部より延出した延出部と他方端が当該台座部より短く形成された空隙部を各々有し、前記供給側移動レール部の延出部が前記増設側移動レール部の空隙部と嵌め合い、前記増設側移動レール部の延出部が前記収納側移動レール部の空隙部と嵌め合うことで供給側移動レール部、増設側移動レール部、収納側移動レール部が直状に連結され、かつ供給側吸引ダクト、増設側吸引ダクト、収納側吸引ダクトがダクト連結部を介して直状に連結されて一の集塵機と接続されて前記被成形品供給ユニットと成形品供給ユニットとの間に少なくとも1以上の増設レールユニットが増設されることを特徴とする。
【0012】
また、被成形品供給ユニット、成形品収納ユニット及び増設レールユニットのうちいずれか又は全てに、生産性を向上させたり、多品種少量生産に対応するためプレス部が設けられていても良い。
また、被成形品供給ユニット、成形品収納ユニット及び増設レールユニットのうちいずれかに、プレス部の金型面に移動レール部と略平行にリリースフィルムを張設するフィルムユニットのフィルム供給部及び/又はフィルム巻取り部が設けられていても良い。
また、異なる製品に対応して多機能化するため、被成形品供給ユニット、成形品収納ユニット及び増設レールユニットのうちいずれかに、プレス部に封止樹脂を供給する樹脂供給部が設けられていても良く、或いはプレス部の上型と下型との間に中間型を挿脱する中間型供給部が設けられていても良く、更にはプレス部に放熱板を供給する放熱板供給部が設けられていても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について添付図面と共に詳述する。樹脂封止装置は、被成形品をプレス部に搬入するローダーと、プレス部より成形品を成形品取出部へ取り出すアンローダーとが移動レール部を共用して樹脂封止するように構成されている。
[第1実施例]
本実施例は、増設レールユニットにプレス部を搭載して増設した態様を示す。図1(a)(b)は樹脂封止装置のレイアウト構成を示す平面図及び増設レールユニットの平面図、図2(a)(b)は図1(a)の樹脂封止装置の右側面図及び移動レール部の拡大説明図である。
【0014】
図1(a)において、先ず樹脂封止装置の概略構成について説明する。樹脂封止装置は被成形品供給ユニットAと成形品収納ユニットBとの間に増設レールユニットCを分離可能に備えている。被成形品供給ユニットA、成形品収納ユニットB及び増設レールユニットCのそれぞれが移動レール部と台座部を有しており、台座部には各種機能部を備えることが可能である。各種機能部として、供給部、整列部、受渡部、取出部、ディゲート部、収納部、プレス部、フィルムユニット等が適宜設置されている。以下、各ユニットの構成について説明する。
【0015】
[被成形品供給ユニットA]
図1(a)において、1は基板供給部であり、供給マガジン2に収納したリードフレーム、樹脂基板などの基板を整列部であるターンテーブル3へ向きを揃えて供給し、該ターンテーブル3から受渡部である供給位置4まで図示しない送り出し機構により送り出される。供給位置4には、基板の加熱手段を設けても良い。
5は樹脂タブレット供給部であり、樹脂タブレットを送り出すリニアフィーダ(図示せず)から樹脂タブレットをタブレットホルダー6へ装填し、該タブレットホルダー6を供給位置まで移動して供給する。
【0016】
7はプレス部であり、モールド金型8及び該モールド金型8を型締め型開きする公知の型開閉機構及びモールド金型8のキャビティに樹脂圧を印加しながら封止樹脂を送り出す公知のトランスファ機構などが装備されている。プレス部7は、供給側台座部9に設けられており、モールド金型8にリリースフィルム10を張設するフィルムユニットFが取付け可能になっている。尚、成形品収納ユニットB及び増設レールユニットCにプレス部を備えた場合にも、フィルムユニットFを同様に取付可能になっている(図示せず)。
【0017】
フィルムユニットFは、プレス部7の両側にフィルム供給部11及びフィルム巻取り部12を備えており、リリースフィルム10は移動レール部と直交する方向に張設されている。リリースフィルム10は、QFNのようにインナーリードの一部をパッケージから露出させたり、BGAタイプ或いはフリップチップ実装タイプの半導体パッケージにおいては、接続端子(バンプ、はんだボールなど)の端部を露出させて樹脂封止する場合などに好適に用いられる。リリースフィルム10は、モールド金型8の加熱温度に耐えられる耐熱性を有するもので、金型面より容易に剥離するものであって、柔軟性、伸展性を有するフィルム材、例えば、PTFE、ETFE、PET、FEP、フッ素含浸ガラスクロス、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリジン等が好適に用いられる。リリースフィルム10は、モールド金型8のパーティング面に形成された吸着穴よりエアーを吸引することで、金型面に密着して張設される。尚、プレス部7は、必ずしも具備されているものではなく、該プレス部7の代わりに必要に応じて供給側台座部9に他の機能部を搭載しても良い。被成形品供給ユニットAの台座幅を狭くしてプレス部7を省略しても良い。また、インラインのように外部から被成形品が供給される場合には、被成形品供給ユニットAに設けられた供給部、整列部等は省略しても良い。
【0018】
13は供給側移動レール部であり、供給位置4で基板を受け取って保持し、タブレットホルダー6より樹脂タブレットを受け取って保持するローダー14やプレス部7などから成形品を取出すアンローダー15が共用して移動可能になっている。ローダー14及びアンローダー15は、供給側移動レール部13を含む移動レール部を所要位置へ移動してプレス部7含む所要のプレス部に一方向から進退移動するようになっている。供給側移動レール部13は、他のユニットとのレールどうしの接続性や拡張性を考慮して一方側端(図1(a)の右側)に延出部13aが設けられ、他方側端(図1(a)の左側)にレールの長さを短く形成して生じた空隙部13bが設けられている。
【0019】
16はアンローダー15の吸引ダクトに接続可能な供給側吸引ダクトであり、供給側移動レール部13に併設されている。供給側吸引ダクト16の一端は集塵機17に連結しており、他端にはダクト連結部16aが設けられている。ダクト連結部16aには増設レールユニットCの吸引ダクト30が連結可能になっている。アンローダー15は、プレス部7より成形品を取り出す際に、アンローダー側吸引ダクトが供給側吸引ダクト16のダクト連結部16aに形成された連結孔(図示せず)に連結して、型開きしたモールド金型8に進退移動する際に上下金型面をクリーニングしながら吸引動作を行い、樹脂かすなどの塵を集塵機17へ集塵するようになっている。
【0020】
[成形品収納ユニットB]
図1(a)において、18は成形品取出部であり、いずれかのプレス部よりアンローダー15により取出された成形品を下方に待機している移動テーブル19へ受け渡される。アンローダ15は、成形品を移動テーブル19へ受け渡すと次の成形品の取出し動作に移行する。移動テーブル19は成形品を載置してディゲート部20へ搬送する。ディゲート部20は、移動テーブル19へ載置されて搬送された成形品を押えて冷却すると共に基板をツイストすることによりゲートブレイクし不要樹脂を分離する。不要樹脂は図示しないスクラップボックスへ回収される。移動テーブル19は成形品のみを載置して成形品収納部21へ搬送する。成形品収納部21において、移動テーブル19に搬送された成形品を成形品ピックアップ22により一端保持する。そして、移動テーブル19が成形品取出部18へ向かって移動すると、下方に設けられた収納マガジン23へ必要に応じて旋回して向きを揃えて収納する。
【0021】
24はプレス部であり、モールド金型8及び該モールド金型8を型締め型開きする公知の型開閉機構及びモールド金型8のキャビティに樹脂圧を印加しながら封止樹脂を送り出す公知のトランスファ機構などが装備されている。プレス部24は、収納側台座部25に設けられており、フィルムユニットFなどを設けることも可能である。尚、プレス部24は、必ずしも具備されているものではなく、該プレス部24の代わりに必要に応じて収納側台座部25に他の機能部を搭載しても良い。また、成形品収納ユニットBの台座幅を狭くしてプレス部24を省略しても良い。また、インラインのように外部へ成形品が搬出される場合には、成形品収納ユニットBに設けられたディゲート部、収納部等は省略しても良い。
【0022】
26は収納側移動レール部であり、プレス部24へ被成形品及び樹脂タブレットを搬入するローダー14やプレス部24などから成形品を取出すアンローダー15が共用して移動可能になっている。収納側移動レール部26は、他のユニットとのレールどうしの接続性や拡張性を考慮して一方側端(図1(a)の右側)に延出部26aが設けられ、他方側端(図1(a)の左側)にレールの長さを短く形成して生じた空隙部26bが設けられている。
【0023】
27は収納側吸引ダクトであり、収納側移動レール部26に併設されている。収納側吸引ダクト27の一端は、後述する増設レールユニットCの吸引ダクト30に設けられたダクト連結部30aに連結しており、他端にはダクト連結部27aが設けられている。アンローダー15は、プレス部24より成形品を取り出す際に、アンローダー側吸引ダクトが収納側吸引ダクト27のダクト連結部27aに形成された連結孔(図示せず)に連結して、型開きしたモールド金型8に進退移動する際に金型面をクリーニングしながら吸引動作を行い、樹脂かすなどの塵を被成形品供給ユニットAに設けられた集塵機17へ集塵するようになっている。
【0024】
[増設レールユニットC]
増設レールユニットCは、被成形品供給ユニットAと成形品収納ユニットBとの間に挿脱可能に設けられている。28は増設側移動レール部であり、被成形品供給ユニットAと成形品収納ユニットBとの間に増設レールユニットCを増設した際にローダー14及びアンローダー15が共用して移動可能になっている。この増設側移動レール部28は、供給側移動レール部13と収納側移動レール部26との間を連結してローダー14及びアンローダー15が移動可能になっている(図1(a)参照)。増設側移動レール部28は、他の増設レールユニットCや被成形品供給ユニットA、成形品収納ユニットBとの接続用に一方側端(図1(b)の右側)に延出部28aが設けられ、他方側端(図1(b)の左側)にレールの長さを短く形成して生じた空隙部28bが設けられている。
【0025】
29は増設側台座部であり、増設側移動レール部28を支持すると共にプレス部31やフィルムユニットFなどの様々な機能を有する機能部を搭載可能になっている。増設レールユニットCは、被成形品供給ユニットAと成形品収納ユニットBとの間に移動レール部どうしが連続するように挿入された後、増設側台座部29と供給側台座部9との間、増設側台座部29と収納側台座部25との間、増設側台座部29どうしの間を各々ボルト締めして連結されている。尚、増設レールユニットCごと他の増設レールユニットCに変更することは可能であるが、各種機能部の大きさを考慮しておけば、該機能部だけの交換も可能である。
【0026】
また、増設側移動レール部28には増設側吸引ダクト30が併設されており、一端側にはアンローダー15のアンローダー側吸引ダクトに接続可能なダクト連結部30aが設けられている。増設側吸引ダクト30は、被成形品供給ユニットAと成形品収納ユニットBとの間に増設レールユニットCを増設した際に、供給側移動レール部13及び収納側移動レール部26に各々設けられた供給側吸引ダクト16及び収納側吸引ダクト27間にダクト連結部16a及びダクト連結部30aを介して各々連結して集塵機17へ連通するようになっている(図1(a)参照)。
【0027】
本実施例では、図1(a)に示すように、プレス部31を搭載した増設レールユニットCを被成形品供給ユニットAと成形品収納ユニットBとの間に2台分増設している。増設レールユニットCと被成形品供給ユニットAとは、増設側移動レール部28と供給側移動レール部13とが、空隙部28bに延出部13aが嵌め込まれて連結しており、供給側吸引ダクト16のダクト連結部16aに増設側吸引ダクト30の一端が連結している。また、増設レールユニットCと成形品収納ユニットBとは、延出部28aが空隙部26bに嵌め込まれて連結しており、増設側吸引ダクト30のダクト連結部30aに収納側吸引ダクト27の一端が連結している。また、増設レールユニットCどうしは、一方(図1(a)の左側)の延出部28aが他方の空隙部28bに嵌め込まれて連結しており、一方のダクト連結部30aに他方の増設側吸引ダクト30の一端が連結している。
【0028】
ここで、プレス部31を搭載した増設レールユニットCの構成について図2(a)(b)を参照して説明する。
増設側台座部29は、レール台座部29aとベース台座部29bとを備えており、ベース台座部29bには、プレス部31が搭載されている。レール台座部29aとベース台座部29bとは一体に形成されていても或いは分離可能に構成されていても良い。分離可能にした場合には、機能部の大きさによってはベース台座部29bの長さLを変更すればよいという利点がある。尚、ここでは、長さLは機能部であるフィルムユニットFの大きさに合わせて設定されている。
【0029】
レール台座部29aには、増設側移動レール部28が搭載されている。増設側移動レール部28には、レール支持部32の上にレールブロック33が固定されている。レールブロック33の幅方向(図2(b)の左右方向)両側には、L字状に切欠かれたアングル部33aが設けられており、該アングル部33aには移動レール34が位置決め固定されている。また、レール支持部32には、ダクト保持部32aが設けられており、増設側吸引ダクト30が移動レール34に沿って保持されている。移動レール34の高さ位置Hは、ローダー14(図2(b)参照)及びアンローダー15(図2(a)参照)に備えた進退機構14a、15aのモールド金型8への進退位置に合わせて設けられており、レール台座29a上にスペーサーなどを介在させてレール支持部32の高さを調節できるようになっている。また、レール台座部29aには、ベース台座部29bに搭載される機能部の制御ユニット(本実施例ではプレス部及びフィルムユニットの制御ユニット)35が設けられている。尚、被成形品供給ユニットA、成形品供給ユニットBの台座部も、レール台座部とベース台座部を有していても良い。
【0030】
ローダー14及びアンローダー15は、被成形品供給ユニットA、成形品収納ユニットB及び増設レールユニットCのいずれかのレール支持部32に設けられた駆動軸39、40に回転駆動される駆動側プーリと従動側プーリとの間に掛け渡されたタイミングベルトに、ベルト連結片14c、15cにより各々連繋している。ローダー14及びアンローダー15は、図示しない駆動源により各駆動軸39、40を所定方向に回転駆動させることにより移動レール34上を各ユニット間にわたって移動するようになっている。ローダー14及びアンローダー15の下面には、移動レール34をスライドするスライドガイド14d、15dが設けられている。また、ローダー14及びアンローダー15に具備した進退機構14a、15aはガイドローラ14b、15bを備えており、各プレス部のプレスポストに設けられた進入ガイド41の凹溝にガイドローラ14b、15bが案内されて進退機構14a、15aが進退移動するようになっている(図2(a)参照)。ガイドローラ14b、15b及び進入ガイド41は、プレス部に対して各種機能部が進退方向と直交方向(図2の紙面に垂直方向)に進退移動する場合に備えて上下に移動調整可能になっている。
【0031】
また、ベース台座部29bには、プレス部31が搭載されている。プレス部31には、モールド金型8を開閉する公知の型開閉機構や、キャビティへ封止樹脂に樹脂圧を加えながら送り出す公知のトランスファ機構などが装備されている。尚、図2(a)では、被成形品供給ユニットAのプレス部7に設けられたフィルムユニットFを2点鎖線で示す。モールド金型(上型)8の両側には、リリースフィルムのフィルム供給部11は装置奥側(移動レール部側)に設けられており、フィルム巻取り部12は装置手前側に設けられている。フィルム供給部11及びフィルム巻取り部12は、フィルムカバー11a、12aを回動させて、フィルムロールを各々着脱できるようになっている。
【0032】
また、フィルムユニットFは、上型のみならず下型の両側に設けても良い。この場合、例えば装置奥側に設けられたフィルム供給部11はフィルムロール装着(又は交換)する場合の作業スペースに乏しいため、モールド金型8が型開きした状態でフィルム供給部11を上下に移動可能にして移動レール部側の空いたスペースからフィルムカバー11aを回動させてフィルムロールを着脱するようにしても良い。
【0033】
上記構成によれば、増設レールユニットCを被成形品供給ユニットAと成形品収納ユニットBとの間に移動レール部どうしが連続するように挿脱可能に設けたので、更に各ユニットの台座は搭載される(或いは搭載を予定する)機能部により大きさを設定すれば良く、各種機能部の追加変更が行い易くなり、よって樹脂封止装置を拡張又は改変して多機能化を容易に実現でき、設計の自由度を高めることができる。また、ローダー14及びアンローダー15が共用する増設側移動レール部28には、アンローダー15の吸引ダクトに接続可能な増設側吸引ダクト30が併設されているので、増設レールユニットCの増設作業も容易に行える。
また、被成形品供給ユニットA及び成形品収納ユニットBにプレス部7、24を有する場合には、ユニット分割が最小限で済み、該ユニットA、Bどうしを連結して樹脂封止装置の組立を容易に行える。また、被成形品供給ユニットA及び成形品収納ユニットBのプレス部7、24は変更、取り外しすることで多機能化(作業スペースの形成を含む)できる。また、増設側台座部29は、増設側移動レール部28を支持するレール台座部29aに機能部を搭載可能なベース台座部29bが分離可能に設けられている場合には、機能部に応じて大きさを任意に設定でき、装置の拡張性が増加する。
また、増設レールユニットCのベース台座部29bにプレス部31が搭載されている場合には、生産性を向上させたり、多品種少量生産に対応するための装置の改変を容易にできる。
また、プレス部が装置全体で複数搭載されている場合には、任意のプレス部を除冷装置として機能させることもできる。現在複数チップを一括して片面モールドしてダイサーで個片化する製法が採用されてきているが、パッケージ部(成形部)が片面であり成形面積が大きいため、経時的にパッケージ部が収縮して反り易く、単にパッケージ部を押さえるだけでは反りがとれずダイサーで切断し難くなる。そこで、任意のプレス部に平坦面を有する除冷用モールド金型を設置して、温度を適宜設定してパッケージ部をクランプして除冷することで反りを解消できる。また、プレス部の代わりに専用の除冷機能部を設けても良い。
【0034】
[第2実施例]
次に、図3を参照して樹脂封止装置の他例について説明する。尚、第1実施例と同一部材には同一番号を付して説明を援用する。
本実施例では、被成形品供給ユニットAと成形品収納ユニットBとの間に、プレス部31を搭載した増設レールユニットC1が2台増設され、増設レールユニットC1間に機能部を搭載していない増設レールユニットC2を1台増設してスペースを形成している。また、被成形品供給ユニットA及び成形品収納ユニットBには、プレス部7やプレス部24は取り外されてスペースを形成している。増設レールユニットC1と被成形品供給ユニットA及び成形品収納ユニットB間及び増設レールユニットC1と増設レールユニットC2間の移動レール部どうしの接続構成や吸引ダクトどうしの接続構成は第1実施例と同様である。
【0035】
被成形品供給ユニットAの供給側台座部9、成形品収納ユニットBの収納側台座部25及び増設レールユニットC2のベース台座部29bの空いたスペースを利用して各プレス部31の両側にフィルムユニットFa、Fbを配設し、リリースフィルムを移動レール部と略平行に走らせるように設けた。具体的には、供給側台座部9にフィルム供給部11が設けられ、増設レールユニットC2のベース台座部29bにはフィルム巻取り部12及びフィルム供給部11が設けられ、収納側台座部25には、フィルム巻取り部12が各々設けられている。フィルムユニットFa、Fbに用いられるリリースフィルム10は同一厚さサイズのものを用いても良いが、製品によって異なる厚さサイズのフィルムを装着しても良い。
【0036】
上記構成によれば、フィルムユニットFa、Fbをリリースフィルム10が移動レール部と直交する方向に張設して設ける場合より、繰出し側及び巻取り側のフィルムロールの着脱作業スペースが確保できるので、各種厚さのフィルムを交換する場合の作業性が良い。
【0037】
[第3実施例]
次に、図4を参照して樹脂封止装置の他例について説明する。尚、第1実施例と同一部材には同一番号を付して説明を援用する。
本実施例では、被成形品供給ユニットAと成形品収納ユニットBとの間に、プレス部31を搭載した増設レールユニットCを1台と、ラッピングタブレットや液状樹脂などを供給する増設側樹脂供給部36を搭載した増設レールユニットDを1台増設している。被成形品供給ユニットAには本体側樹脂供給部37が供給側台座部9に搭載されている。成形品収納ユニットBにはプレス部24が収納側台座部25に搭載されている。
【0038】
また、被成形品供給ユニットAには、供給マガジン2を収容した被成形品供給部1が設けられていても良いが、代わりに前工程の基板製造工程から直接ターンテーブル3へ供給されるようにしても良い。また、成形品収納ユニットBの成形品収納部21には、成形品ピックアップ22及び収納マガジン23が設けられていてもよいが、代わりに後工程の切断、曲げ、個片化工程等の他の製造工程へ供給されるようにしても良い。これらの場合には、樹脂封止装置のインライン化が実現できる。
また、増設レールユニットCと被成形品供給ユニットA間、増設レールユニットDと成形品収納ユニットB間及び増設レールユニットCと増設レールユニットD間の移動レール部どうしの接続構成や吸引ダクト間の接続構成は第1実施例と同様である。
【0039】
本実施例では、プレス部31やプレス部24に対して、本体側樹脂供給部37又は増設側樹脂供給部36よりラッピングタブレットや液状樹脂などをローダー14により供給して樹脂封止するようにしても良いし、該本体側樹脂供給部37よりプレス部31へ、増設側樹脂供給部36よりプレス部24へ各々供給して樹脂封止するようにしても良い。
【0040】
また、キャビティダウンタイプのパッケージのように、キャビティ周囲の基板上に端子接続面が形成されている場合には、基板上に樹脂路を形成できないため、上下金型の間に中間金型プレート(中間型)を挿脱して樹脂封止するのが好都合である。そこで、本体側樹脂供給部37又は増設側樹脂供給部36の代わりに、プレス部の上型と下型との間に中間型を挿脱する本体側中間型供給部及び増設側中間型供給部が各々搭載されていても良い。この場合には、本体側中間型供給部よりプレス部31へ、増設側中間型供給部よりプレス部24へ各々中間型を供給するのが好ましい。
【0041】
上記構成によれば、製品の種類に応じて液状樹脂やラッピングタブレットなどを供給して樹脂封止したり、モールド金型8に中間型を挿脱して樹脂封止できるので、樹脂封止装置の多機能化を任意の設計レイアウトで容易に実現できる。
【0042】
[第4実施例]
次に、図5を参照して樹脂封止装置の他例について説明する。尚、第1実施例と同一部材には同一番号を付して説明を援用する。
本実施例では、被成形品供給ユニットAと成形品収納ユニットBとの間に、プレス部31を搭載した増設レールユニットCを2台と、その両側に各プレス部に放熱板を供給する増設側放熱板供給部38を搭載した増設レールユニットEを1台ずつ合計2台増設している。被成形品供給ユニットAにはプレス部7が供給側台座部9に搭載されている。成形品収納ユニットBにはプレス部24が収納側台座部25に搭載されている。
また、増設レールユニットCどうし間、増設レールユニットCと増設レールユニットE間、増設レールユニットEと被成形品供給ユニットA間、及び増設レールユニットEと成形品収納ユニットB間の移動レール部どうしの接続構成や吸引ダクト間の接続構成は第1実施例と同様である。
【0043】
半導体パッケージの熱放散性を高めるため、放熱板(ヒートシンクを基板実装された半導体チップに搭載して樹脂封止する場合、プレス部7、プレス部24やプレス部31に対して、増設側放熱板供給部38より放熱板をローダー14により供給して樹脂封止するようにしても良い。或いは増設側放熱板供給部38より両側に配置された各プレス部へ各々放熱板を供給して樹脂封止するようにしても良い。
【0044】
上記構成によれば、通常の半導体パッケージ製造用の樹脂封止装置を、放熱板を備えた半導体パッケージ製造用に改変でき、樹脂封止装置の多機能化を任意の設計レイアウトで容易に実現できる。
【0045】
以上、本発明の好適な実施例について種々述べてきたが、本発明は上述した第1実施例〜第4実施例に限定されるのではなく、増設レールユニットに設けられた各種機能部は、プレス部の金型クリーニングユニットなどでも良く、更に他の機能部であっても良い等、発明の精神を逸脱しない範囲で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0046】
【発明の効果】
本発明に係る樹脂封止装置を用いると、増設レールユニットを被成形品供給ユニットと成形品収納ユニットとの間に移動レール部どうしが連続するように挿脱可能に設けたので、樹脂封止装置を拡張又は改変して多機能化を容易に実現でき、設計の自由度を高めることができる。また、ローダー及びアンローダーが共用する移動レール部には、アンローダーの吸引ダクトに接続可能な吸引ダクトが併設されているので、増設レールユニットの増設作業も容易に行える。
また、各ユニットは、移動レール部と機能部を搭載可能な台座部とを備え、機能部の変更、取り外しができるので、多機能化(作業スペ−スの形成を含む)し易く、装置レイアウトの自由度が高く汎用性を高めることができる。また、台座部には、移動レール部を支持するレール台座部に機能部を搭載可能なベース台座部が分離可能に設けられている場合には、機能部に応じて大きさを設定でき、装置の拡張性が増加する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る樹脂封止装置のレイアウト構成を示す平面図及び増設レールユニットの平面図である。
【図2】図1(a)の樹脂封止装置の右側面図及び移動レール部の拡大説明図である。
【図3】第2実施例に係る樹脂封止装置のレイアウト構成を示す平面図である。
【図4】第3実施例に係る樹脂封止装置のレイアウト構成を示す平面図である。
【図5】第4実施例に係る樹脂封止装置のレイアウト構成を示す平面図である。
【図6】従来の樹脂封止装置のレイアウト構成を示す平面図である。
【図7】従来の樹脂封止装置のレイアウト構成を示す平面図である。
【符号の説明】
A 被成形品供給ユニット
B 成形品収納ユニット
C、D、E 増設レールユニット
F フィルムユニット
1 基板供給部
2 供給マガジン
3 ターンテーブル
4 供給位置
5 樹脂タブレット供給部
6 タブレットホルダー
7、24、31 プレス部
8 モールド金型
9 供給側台座部
10 リリースフィルム
11 フィルム供給部
12 フィルム巻取り部
13 供給側移動レール部
14 ローダー
15 アンローダー
16 供給側吸引ダクト
17 集塵機
18 成形品取出部
19 移動テーブル
20 ディゲート部
21 成形品収納部
22 成形品ピックアップ
23 収納マガジン
25 収納側台座部
26 収納側移動レール部
27 収納側吸引ダクト
28 増設側移動レール部
29 増設側台座部
29a レール台座部
29b ベース台座部
30 増設側吸引ダクト
32 レール支持部
33 レールブロック
34 移動レール
35 制御ユニット
36 増設側樹脂供給部
37 本体側樹脂供給部
38 増設側放熱板供給部
39、40 駆動軸
41 進入ガイド

Claims (1)

  1. 被成形品供給ユニットより被成形品をプレス部に搬入するローダーと、前記プレス部より成形品を成形品収納ユニットへ取り出すアンローダーとが移動レール部を共用して移動することにより樹脂封止する樹脂封止装置であって
    前記被成形品供給ユニットと前記成形品収納ユニットとの間に、前記プレス部を搭載可能な増設レールユニットが挿脱可能に設けられ、
    前記被成形品供給ユニット、前記増設レールユニット及び前記成形品収納ユニットは、前記ローダー及びアンローダーが移動可能な移動レール部及び前記アンローダーの吸引ダクトにダクト連結部を介して接続可能な吸引ダクトが各々台座部に併設されており、
    前記供給側移動レール部、増設側移動レール部及び収納側移動レール部の一方端が前記台座部より延出した延出部と他方端が当該台座部より短く形成された空隙部を各々有し、前記供給側移動レール部の延出部が前記増設側移動レール部の空隙部と嵌め合い、前記増設側移動レール部の延出部が前記収納側移動レール部の空隙部と嵌め合うことで供給側移動レール部、増設側移動レール部、収納側移動レール部が直状に連結され、かつ供給側吸引ダクト、増設側吸引ダクト、収納側吸引ダクトがダクト連結部を介して直状に連結されて一の集塵機と接続されて前記被成形品供給ユニットと成形品供給ユニットとの間に少なくとも1以上の増設レールユニットが増設されることを特徴とする樹脂封止装置。
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