JP4848255B2 - 樹脂モールド方法および樹脂モールド装置 - Google Patents
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Description
また、被成形品を樹脂モールド金型にセットする方法として、樹脂モールド金型に被成形品をセットするセット凹部を設け、このセット凹部に被成形品を位置合わせしてセットする方法もある。また、被成形品が位置ずれしないように、被成形品を金型面にエア吸着して支持することもなされる(特許文献1参照)。
また、被成形品が位置ずれしないように金型面に被成形品を吸着すると、フィルム基板が変形するといった問題や、金型面をクリーニングした際にフィルム基板を金型面にエア吸着するためのエア吸着孔が詰まってしまうといった問題がある。
すなわち、可撓性を有する被成形品を樹脂モールドする樹脂モールド方法において、前記被成形品に設けられた位置決め用の識別部を検知して前記被成形品をプレート治具の所定位置に装着し、前記プレート治具を樹脂モールド金型に対して位置決めすることにより、前記被成形品が装着されたプレート治具を樹脂モールド金型にセットし、前記プレート治具とともに前記被成形品を前記樹脂モールド金型によりクランプして樹脂モールドすることを特徴とする。なお、可撓性を有する被成形品としては、たとえば可撓性を有するフィルム基板に半導体チップを搭載した製品がある。プレート治具は平板体に形成され、被成形品はプレート治具に支持された状態で搬送される。また、位置決め用の識別部としては、位置決め用に被成形品に形成されたマーク、被成形品に形成された配線パターン等が利用できる。
また、前記プレート治具を樹脂モールド金型に対して位置決めする際に、樹脂モールド金型に設けられた位置決めピンに、プレート治具の本体であるプレートの側面を当接して位置決めすることにより、樹脂モールド金型に容易に被成形品を位置合わせして樹脂モールドすることができる。
前記装着部においては、被成形品に形成された識別部を検知して、被成形品をプレート治具の所定位置に位置決めして装着する。また、樹脂モールド金型においては、プレート治具を樹脂モールド金型に位置決めすることにより、被成形品が樹脂モールド金型に対して位置決めされて樹脂モールドされる。
前記プレート治具は、プレート治具の本体であるプレートと、該プレートに取り付けられ、プレートの表面との間で被成形品の側縁部を弾性的にクランプして被成形品をプレート治具に支持するセットバネとを備えたものが好適に使用できる。
被成形品は検知機構によりプレート治具上における位置ずれが検知され、補正手段によってプレート治具の所定位置に位置合わせされる。なお、補正手段として、被成形品を給排する給排機構が利用できる。
(樹脂モールド装置の全体構成)
図1は、本発明に係る樹脂モールド装置の全体構成を示す平面図である。本実施形態の樹脂モールド装置は、プレート治具10により被成形品5を支持した状態で樹脂モールドすることが特徴的である。
樹脂モールド装置は、被成形品5の供給部8とプレート治具10の供給部20とを備える。被成形品5はフィルム基板の一方の面に半導体チップが搭載されたもので、供給部8には、被成形品5を積み重ね方向に所定間隔をあけて収納したマガジンがセットされる。 プレート治具10も供給部20内に配置された棚状に形成された支持部材により、積み重ね方向に所定間隔をあけて収納されている。
図2(a)は、プレート治具の供給部20にプレート治具10が収納されている状態を示す平面図、図2(b)は断面図、図2(c)は断面の拡大図である。図2(a)に示すように、プレート治具10は平面形状が長方形の平板体に形成され、被成形品5の対向する側縁部を弾性的に挟圧して支持する4個のセットバネ12が装着されて形成されている。セットバネ12は被成形品5の外形形状に合わせて、プレート治具10での配置位置が決められる。
プレート11の材質はとくに限定されるものではないが、本実施形態ではステンレス板によって形成した。
図3、4に、プレート治具10に被成形品5を位置合わせして装着する装着部30の構成を示す。装着部30は、プレート治具10をセットするセットテーブル32と、セットテーブル32にプレート治具10をエア吸着して支持するエア吸着機構とを備える。セットテーブル32には、プレート治具10を位置合わせしてセットするためのセットピン33と、セットバネ12を上位置に押し上げる押動機構36と、必要に応じてプレート治具10を加熱するヒータ37とが設けられる。
エア吸着機構は、セットテーブル32に内設されたエア流路34と、エア流路34に連通して設けられた吸引装置35とを備える。エア流路34はセットテーブル32の上面(プレート治具10をセットするセット面)でエア吸着孔34aとして開口する。
本実施形態では、弾発スプリング14の付勢力によりセットバネ12がプレート11のセット面に向けて弾性的に押接されるように設けたが、セットバネ12自体に弾性をもたせ、セットバネ12の基端部をプレート11の上面に固定してセットバネ12の先端部が弾性的にプレート11のセット面に押接されるようにしてもよい。この場合には、セットバネ12の先端側の下面に押動機構36の当接ロッドを当接させ、セットバネ12を押し上げるようにすることによって、セットバネ12をプレート11のセット面から離間させることができ、セットバネ12とプレート11の表面との間で被成形品の側縁部をクランプすることができる。
被成形品5はプレート治具10の外形位置を基準として位置出しする。これは樹脂モールド金型においてプレート治具10を位置決めする際に、プレート治具10の外形位置(プレート治具10の側面位置等)を基準として位置決めするからである。
図5、6に、プレス装置40に装着される樹脂モールド金型50の構成を示す。樹脂モールド金型50は、キャビティ42aが形成された上型42と、プレート治具10とともに被成形品5がセットされる下型44とを備える。図6に、上型42に形成されるキャビティ42aの平面配置を示す。被成形品5に6個の半導体チップ6が搭載され、半導体チップ6ごとにキャビティ42aが個別に形成されている。
続いて、上述した樹脂モールド装置により被成形品5を樹脂モールドする作用について説明する。
まず、被成形品5をプレス装置40に供給する前段階の操作として、装着部30においてプレート治具10に被成形品5をセットする。
供給部20の側方から供給部20にローダー70を進入させ、ローダー70によりプレート治具10をチャックして供給部20から引き出し、次いでセットテーブル32にプレート治具10をセットする。ローダー70はメカニカルチャックあるいはエア吸着によってプレート治具10をチャックして支持する。
プレート治具10の側面をセットピン33によりガイドすることによって、セットテーブル32にプレート治具10を位置合わせしてセットする。プレート治具10を予熱しておく必要がある場合は、ヒータ37によりセットテーブル32をあらかじめ加温し、セットテーブル32にセットしたプレート治具10が加温されるようにする。
プレート治具10に被成形品5をセットする際には、セットテーブル32にプレート治具10を位置合わせして吸引装置35によりプレート治具10をセットテーブル32にエア吸着した状態で行う。
セットテーブル32に設けられている押動機構36の当接ロッドを駆動してセットバネ12を押し上げ、プレート11の上面とセットバネ12との間に被成形品5を挿入する隙間をあけ、被成形品5をセットバネ12とプレート11との間に差し込む。
被成形品5の位置ずれを補正する際に、ローダー70によらずに、被成形品5をエア吸着して支持する補正用のチャック装置を設け、このチャック装置により位置ずれを補正するようにしてもよい。
被成形品5が所定位置に位置決めされたら、押動機構36の駆動を解除し、被成形品5の側縁部をセットバネ12とプレート11の表面との間でクランプする。被成形品5は弾発スプリング14の弾性力によってプレート11に保持される。
本実施形態では、被成形品5に搭載されている半導体チップ6のごとにスポット状に封止用の樹脂80を供給したが、複数の半導体チップについて一括して樹脂モールドするような場合で、被成形品5の比較的広い領域にわたって樹脂を供給する場合であっても、プレート治具10によって被成形品5を支持することにより、搬送時に被成形品5が変形したりすることがなく、被成形品5を搬送する操作を確実に行うことができる。
被成形品5を支持したプレート治具10を下型44にセットする際には、下型44に設けた位置決めピン45にプレート治具10の側面を当接させるようにしてプレート治具10を下型44に位置決めする。
プレート治具10を下型44に位置決めしたところで、真空装置46を作動させ、プレート治具10を下型44に吸着支持する。
プレート治具10から成形品62を取り外す場合も、装着部30におけると同様に、プレート治具10に成形品62を支持した状態で取り外し用のテーブルにプレート治具10をセットし、プレート治具10に設けられたセットバネ12を押し上げて成形品62をプレート治具10から取り外し、オフローダー72により成形品62をチャックして収納部60に成形品62を収納する。
なお、本実施形態では、1個の被成形品5について1枚ずつプレート治具10を使用し、使用後のプレート治具10は、順次プレート治具の収納部55に収納する構成としたが、別の方法として、使用後のプレート治具10をプレート治具の供給部20に戻す機構を設け、複数枚のプレート治具10を循環使用しながら樹脂モールドする構成とすることもできる。
図5に示す樹脂モールド金型50では下型44に被成形品5とともにプレート治具10をセットして樹脂モールドする。他の構成として、上型42に被成形品5とともにプレート治具10をセットして樹脂モールドする樹脂モールド金型51の例を図8に示す。
プレート治具10の構成、すなわちガイドピン13にセットバネ12を取り付ける構造、セットバネ12により被成形品5の側縁部をプレート11の表面との間でクランプして被成形品5をプレート治具10に支持する構造については前述した実施形態におけると同様である。
上型42にプレート治具10を位置決めするための位置決めピン45を設けることは前述した実施形態におけると同様である。
この状態から、プレス機構によりプレート治具10とともに被成形品5をクランプ開始する。まず、弾発スプリング44dが圧縮開始され、キャビティ44a内で溶融した樹脂82がキャビティブロック44bによりキャビティ44a内で押圧され、キャビティ44aに樹脂82が充填される。最終的に樹脂モールド金型が型締めされた時点で、パッケージの厚さが規定される。
本実施形態においても、被成形品5をプレート治具10に支持した状態でプレート治具10を上型42に位置決めして樹脂モールドすることにより、被成形品5を樹脂モールド金型に対して正確に位置決めして樹脂モールドすることができる。
樹脂モールド金型(下型あるいは上型)にプレート治具10をセットする際には、プレート治具10に設けたガイド溝11bに位置決めピン45を各々嵌合させてセットする。ガイド溝11bはプレート治具10の各辺の中央に位置しているから、樹脂モールド金型にプレート治具10をセットした際にプレート治具10が加熱されて熱膨張しても、プレート治具10の金型面上での位置ずれ量を小さく抑えることが可能となる。
また、プレート治具10の外形形状を、異種の被成形品5を樹脂モールドする際にも共通化しておくことにより、樹脂モールド金型におけるプレート治具10のセット位置や装着部30におけるセッティングを共通化することができ、樹脂モールド金型や装着部30を汎用的に利用できるという利点もある。
また、図8に示す例のように、プレート治具10を金型面にエア吸着するエア吸着孔を樹脂モールド領域(キャビティ等)の外側に配置することにより、樹脂モールド領域をクリーニングした際にエア吸着孔が詰まるといった問題を回避することができる。
6 半導体チップ
8 被成形品の供給部
10 プレート治具
11 プレート
11b ガイド溝
12 セットバネ
13 ガイドピン
18 ラック
20 プレート治具の供給部
30 装着部
32 セットテーブル
33 セットピン
36 押動機構
38 検知機構
40 プレス装置
42 上型
42a キャビティ
43 真空装置
44 下型
44a キャビティ
45 位置決めピン
46 真空装置
48a 上型ベース
48b 上ベース
49a 下型ベース
49b 下ベース
50、51 樹脂モールド金型
55 プレート治具の収納部
60 被成形品の収納部
62 成形品
70 ローダー
72 オフローダー
80、82 樹脂
Claims (6)
- 可撓性を有する被成形品を樹脂モールドする樹脂モールド方法において、
前記被成形品に設けられた位置決め用の識別部を検知して前記被成形品をプレート治具の所定位置で、前記プレート治具の本体であるプレートに取り付けたセットバネと前記プレートの表面との間に、前記被成形品の側縁部を弾性的にクランプして支持することにより、前記被成形品を前記プレート治具に装着し、
前記プレート治具を樹脂モールド金型に対して位置決めすることにより、前記被成形品が装着されたプレート治具を樹脂モールド金型にセットし、
前記プレート治具とともに前記被成形品を前記樹脂モールド金型によりクランプして樹脂モールドすることを特徴とする樹脂モールド方法。 - 前記プレート治具を樹脂モールド金型に対して位置決めする際に、
樹脂モールド金型に設けられた位置決めピンに、プレート治具の本体であるプレートの側面を当接して位置決めすることを特徴とする請求項1記載の樹脂モールド方法。 - 可撓性を有する被成形品を樹脂モールドする樹脂モールド装置であって、
前記被成形品が収納される被成形品の供給部と、
本体であるプレートと該プレートに取り付けられたセットバネとを備えて前記プレートの表面と前記セットバネとの間で前記被成形品の側縁部を弾性的にクランプして前記被成形品を支持するプレート治具が収納されるプレート治具の供給部と、
前記被成形品に設けられた位置決め用の識別部を検知して前記被成形品を前記プレート治具の所定位置に装着する装着部と、
前記被成形品が装着されたプレート治具を樹脂モールド金型に位置決めする位置決め手段が設けられ、プレート治具とともに被成形品をクランプして樹脂モールドする樹脂モールド金型が装着されたプレス装置と、
前記樹脂モールド金型により樹脂成形された成形品が収納される成形品の収納部と、
前記被成形品、成形品およびプレート治具を、前記被成形品の供給部、前記プレート治具の供給部、前記装着部、前記プレス装置および前記成形品の収納部に給排する給排機構とを備えていることを特徴とする樹脂モールド装置。 - 前記装着部は、
前記プレート治具が固定支持されるセットテーブルと、
前記プレート治具をセットテーブルの所定位置にセットするセットピンと、
前記プレート治具に被成形品をセットする際に、前記セットバネを押し上げて、セットバネと前記プレートの表面との間に被成形品の側縁部を挿入する間隔をあけ、所定位置に被成形品が位置合わせされた際に、前記セットバネの押し上げを解除し、前記被成形品がセットバネとプレートの表面との間で弾性的にクランプされるようにセットバネを押動する押動機構と、
前記被成形品に設けられた位置決め用の識別部を検知して前記被成形品のプレート治具における位置ずれを検知する検知機構と、
該検知機構による検知結果に基づいて、被成形品を前記所定位置に位置合わせする補正手段とを備えていることを特徴とする請求項3記載の樹脂モールド装置。 - 前記被成形品が装着されたプレート治具を樹脂モールド金型に位置決めする位置決め手段として、前記プレート治具の本体であるプレートの側面が当接する位置決めピンが設けられていることを特徴とする請求項3または4記載の樹脂モールド装置。
- 前記プレート治具の本体であるプレートが平面形状で矩形に形成され、前記プレートの各辺の中央位置にガイド溝が設けられ、
前記樹脂モールド金型に前記ガイド溝に係合する位置決めピンが設けられていることを特徴とする請求項3または4記載の樹脂モールド装置。
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