JP4359484B2 - 樹脂封止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークがモールド金型に搬入されクランプされて樹脂封止が行なわれる樹脂封止装置に関する。
半導体装置製造用の樹脂封止装置の一例として、トランスファ成形により樹脂封止部(パッケージ部)が形成される樹脂封止装置が用いられている。この樹脂封止装置は、半導体チップが樹脂基板、リードフレームなどの基板上に搭載されたワーク或いは半導体用基板などのワークが、キャビティ凹部が形成されたモールド金型に搬入されてクランプされ、ポットに装填された樹脂材をプランジャによりランナゲートを通じてキャビティ凹部へ移送して樹脂封止されるようになっている。
樹脂封止後のワークは、ディゲート部へ搬送されてスクラップ(成形品カル及び成形品ランナゲート)をディゲートピンで押して基板より剥離させるか、或いは成形品カルの両側の基板をチャックによりクランプして回転させることでゲートブレイクが行われていた(特許文献1参照)。
特開平5−326584号公報
しかしながら、パッケージ部の厚さが薄いワークのスクラップをディゲートピンで部分的に押して基板より剥離させると、荷重の偏りによりパッケージ部の破損が生じる。
また、マップ状に配置された半導体チップが一括して封止される場合にはスクラップも大型になり、ディゲートピンで部分的に押すと荷重の偏りによりスクラップが破損して回収が困難になる。
更に、パッケージ部が薄く、ワーク(特に樹脂基板)の面積が大きい場合には、樹脂封止後のパッケージ部の硬化が進むと樹脂部分がシュリンクすることにより基板の反りが大きくなり、製品が不良品となるおそれがある。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、パッケージ部及びスクラップ部を破損することなくキャビティプレートより分離可能な樹脂封止装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備える。
即ち、ワークと、該ワークの樹脂封止部の外形及び厚さを規定するキャビティ孔が穿孔されたキャビティプレートとがプレス部に搬入され、モールド金型と位置合わせしてクランプすることにより樹脂封止され、樹脂封止後のワークよりスクラップ部を除去するディゲート部を具備した樹脂封止装置であって前記ディゲート部はキャビティプレートをクランプする上下クランプユニットを備え、該上下クランプユニットは、前記キャビティプレートの透孔を通じて前記スクラップ部に当接するスクラップ用ディゲートブロックと、透孔を通じてパッケージ部に当接する該パッケージ部と同等のクランプ面を有するワーク用ディゲートブロックとを具備し前記上下クランプユニットによりキャビティプレートがクランプされた状態で、先ず前記スクラップ用ディゲートブロックによりスクラップを押動してゲートブレイクを行うと共に前記ワーク用ディゲートブロックをパッケージ部に所定時間当接させ、次いで前記ワーク用ディゲートブロックにより前記パッケージ部を前記スクラップと逆向きに押動してゲートブレイクが行われることを特徴とする。
また、前記スクラップ部又はワークをクランプする上下クランプユニットの一部に可動ブロックが設けられており、キャビティプレートの透孔を通じてスクラップ部又はパッケージ部を押動するスクラップ用ディゲートブロック又はワーク用ディゲートブロックと前記可動ブロックとの間でスクラップ部又はワークが各々クランプされた状態から押動されて前記キャビティプレートから各々分離することを特徴とする。
本発明に係る樹脂封止装置を用いれば、ディゲート部はキャビティプレートが上下クランプユニットによりクランプされた状態で、キャビティプレートの透孔を通じてスクラップ及びパッケージ部を押動するので、スクラップ及びワークをキャビティプレートから各々分離させる際の荷重の偏りが少なく、板厚が薄く面積が大きいパッケージ部およびスクラップを破損せずにキャビティプレートから分離できる。
特に、上下クランプユニットによりキャビティプレートをクランプし、ワーク用ディゲートブロックをパッケージ部に当接させることにより、パッケージ部の樹脂硬化を促進しつつ基板の反りを矯正することができる。
また、スクラップ用ディゲートブロック又はワーク用ディゲートブロックと可動ブロックとの間でスクラップ部又はワークをクランプした状態でキャビティプレートから分離することにより、荷重の偏りや反りなどの変形が生じ難く、スクラップ部又はワークをキャビティプレートから精度よく分離することができる。
以下、本発明に係る樹脂封止装置の好適な実施の形態について添付図面と共に詳述する。
本願発明は、ワークと、該ワークの樹脂封止部の外形及び厚さを規定する透孔が穿孔されたキャビティプレートとがプレス部に搬入され、モールド金型と位置合わせしてクランプすることにより樹脂封止が行なわれ、樹脂封止後のワークよりスクラップ部を除去するディゲート部を具備した樹脂封止装置について広く適用可能である。
先ず、樹脂封止装置の概略構成について図1乃至図3を参照して説明する。本実施例はトランスファ成形方式を採用した樹脂封止装置について例示する。図2において、キャビティプレート1は、モールド金型のクランプ面と略平行なトラック面2上を周回移動するようになっている。このトラック面2に沿ってプレヒート部3、プレス部4、ディゲート部5及びクリーナー部6が設けられている。
半導体チップが基板上に搭載されたワークW或いは半導体用基板などのワークWは、ワーク供給部7より基板プレヒート部8へ送り出される。ワークWは供給マガジン9に収容されており、該供給マガジン9からプッシャー10によってワークWが基板プレヒート部8へ送り出される。基板プレヒート部8は、基板温度と金型温度との温度差を縮小して成形時間を短縮するために設けられる。
プレヒート部3は、プレス部4の搬送方向上流側に設けられ、キャビティプレート1をプレヒートする。キャビティプレート1は、板厚が薄く熱容量が少ないことから、成形サイクルを短縮し、成形品質を維持するためにはプレス部4へ搬入される前に予め120°〜130°程度に余熱しておくことが望ましい。
プレヒート部3の下方には、樹脂供給部が設けられている。樹脂供給部は、例えばパーツフィーダーから整列して送り出された樹脂材(樹脂タブレットなど)をカセットなどに収容し、該カセットがタブレット補給位置とローダーへの受渡し位置との間を上下に往復移動するようになっている。
図示しないローダーは基板プレヒート部8とプレス部4との間を往復移動する。ローダーは、基板プレヒート部8に移動してプレヒートされたワークWを保持し、樹脂供給部へ移動して樹脂材を保持し、これらをプレス部4の下型へ搬入する。また、ローダーによるプレス部4へのワーク搬入動作とタイミングを合わせて若しくは個別に搬送アームによりプレヒートされたキャビティプレート1がプレス部4の上型側へ搬入される。
キャビティプレート1は、図3(a)(b)に示す支持枠体11に4箇所に突設されたピン12に嵌合させて位置決めされて支持されている。キャビティプレート1及び支持枠体11は、搬送アーム13(図1参照)に設けられたピン、突起などに嵌合させ、位置決めして重ね合わせたまま搬送される。支持枠体11及び搬送アーム13には、キャビティプレート1の金型クランプ面に相当するステージエリアを包含するように中空孔14が形成されている。中空孔14は、キャビティプレート1に対して各工程で作業を行う際に、支持枠体11及び搬送アーム13と干渉しないように設けられている。複数若しくは1基の搬送アーム13は、プレヒート部3、プレス部4、ディゲート部5及びクリーナー部6にそれぞれ一時停止しながら周回移動し、トラック面2の内外へ退避することなく、中空孔14内に形成される各ステージエリアでキャビティプレート1やワークWに対して作業が行われるようになっている。尚、搬送アーム13に重ね合わされた支持枠体11及びキャビティプレート1は、プレヒート部3やプレス部4に設けられたリフター装置15によりリフトアップ可能に載置されている(図2参照)。
図2において、キャビティプレート1は一例として矩形状の金属プレートが用いられる。キャビティプレート1には複数箇所にポット孔16やキャビティ孔17が所定ピッチで穿孔されている。また、キャビティプレート1にはプレス部4の上型及び下型に設けられた位置決め突部(例えば位置決めピン)と嵌合してX−Y方向の位置決めを行う嵌合孔が穿孔されている。
キャビティプレート1には、金型と同様の鋼材、例えばステンレススチール、チタン、ニッケル合金などが用いられ、樹脂封止部(パッケージ部)の厚さに応じて、板厚0.3〜1.0mm程度のものが用いられる。尚、キャビティプレート1は金属製に限らず、耐熱性、耐摩耗性、搬送に耐え得る剛性があれば他の部材でも良く、ポリイミド樹脂のような樹脂製板材であっても良い。また、キャビティプレート1のプレート面(両面又は片面)やポット孔16やキャビティ孔17の孔壁面には、成形品との離型性を考慮して必要に応じてテフロン(登録商標)樹脂やフッソ樹脂等がコーティングされていても良い。
搬送アーム13の周回機構について説明する。図2において、トラック面2の中心部には、プーリ(スプロケットホイール)18、19間に無端状のベルト(チェーン)20が巻き回されている。ベルト20は、周回用モータ21によりモータ側プーリ18を介して回転駆動される。ベルト20には、図示しないガイドブロックを介して搬送アーム13が片持ち状に連繋している。ガイドブロックは、ベルト20に沿って配設された図示しないガイドレールに連繋して周回移動するようになっている。
図2において、プレス部4は、モールド金型を構成する固定型である上型と可動型である下型とを備えている。下型は例えば電動モータ等を用いた型締め機構により上下動するようになっている。上型側には、上型クランプ面に長尺状のリリースフィルム22を供給するフィルム搬送機構23が設けられている。フィルム搬送機構23は供給リールから巻取りリールへ同期をとってリリースフィルム22を所定ピッチで送るようになっている。
型閉じする場合は、下型が上動し、搬送アーム13及び支持枠体11の中空孔14(図3参照)へ進入して上型クランプ面へリフトアップされたキャビティプレート1をクランプする。このとき、ワークWは半導体チップがキャビティ孔17に進入し、基板がキャビティプレート面へ押し当てられる。また、下型のポットはキャビティプレート1のポット孔16と位置合わせしてクランプされる。下型にはポット内に装填される樹脂材を押動するプランジャを備えた公知のトランスファ機構が設けられている。ワークWをクランプした状態でトランスファ機構を作動させると、プランジャが溶融した封止樹脂をキャビティプレート1とリリースフィルム22との間に形成された樹脂路を通じてキャビティ孔17内へ圧送りして樹脂封止される。
リリースフィルム22は、封止樹脂に接触する部位を覆うものであり、本実施例では上型の樹脂路を覆ってクランプ面に吸引されて張設される。リリースフィルム22は、モールド金型の加熱温度に耐えられる耐熱性を有するもので、上型面より容易に剥離するものであって、柔軟性、伸展性を有するフィルム材、例えば、PTFE、ETFE、PET、FEP、フッ素含浸ガラスクロス、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリジン等が好適に用いられる。上記リリースフィルム22を用いることでモールド金型の樹脂封止部のエジェクタピン及び樹脂封止後に金型面をクリーニングするクリーナー部を設ける必要がない。
樹脂封止が終了すると、下型が下動してキャビティプレート1より下方へ離間させた後、リフター装置15を作動させてリフトアームをリフトダウンさせると、パッケージ部(樹脂封止部)とリリースフィルム22とが分離してキャビティプレート1が支持枠体11と共に搬送アーム13上に載置される。成形後のキャビティプレート1は、周回用モータ21を起動してディゲート部5へ搬送される。また、リリースフィルム22は、次の成形動作に備えて所定ピッチだけ先に送られる。
図2において、キャビティプレート1が、ディゲート部5へ搬送されると、キャビティプレート1を上クランプユニットA及び下クランプユニットB(図1参照)にて挟持してキャビティ孔17に露出するパッケージ部24及びスクラップ部(成形品カル及び成形品ランナゲート)25(図3参照)を各々押動してキャビティプレート1からワークWとスクラップ部24のゲートブレイクが行われる。離型後のワークWは、図2に示すディゲートパレット26に載置されたまま、一旦搬送アーム13より下方へ移動して、ワーク収納部(収納マガジン)27へ移送される。また、スクラップ部25は、吸着パッド33により吸着保持されシュート34へ移送されて排出される。
図2において、ディゲート後のキャビティプレート1は、搬送アーム13に載置されたままクリーナー部6へ搬送される。クリーナー部6には、キャビティプレート1の上下面に接離動可能なクリーニングブラシ29a、29bが設けられている。クリーニングブラシ29a、29bはフードカバー29dに覆われており、フードカバー29dには図示しない吸引装置に接続する吸引ダクト29cが各々接続されている。このクリーナー部6を、クリーニングブラシ29a、29bにより上下プレート面をブラッシングしながら図2の矢印方向へ往復動させることで、キャビティプレート1のクリーニングが行われる。このクリーニング工程は、キャビティプレート1の成形動作を通じて繰り返し行えるので、十分なクリーニングが行える。
次に、ディゲート部5の構成について図1及び図4を参照して説明する。
図1において、ディゲート部5には、キャビティプレート1及びワークWをクランプする上クランプユニットA及び下クランプユニットBが設けられている。
図4において、下クランプユニットBにはディゲートパレット26が設けられている。ディゲートパレット26には、透孔(ポット孔16)を通じてスクラップ部25をクランプするスクラップ用ディゲートブロック30が突き上げ可能に設けられている。また、ディゲートパレット26の上面には、分離後のワークWを載置するワーク載置部31が設けられている。上クランプユニットAには成形品保持装置28が設けられている。成形品保持装置28には、透孔(キャビティ孔17)に形成されたパッケージ部24をクランプする該パッケージ部と同等のクランプ面を有するワーク用ディゲートブロック32が突き下げ可能に設けられている。また、成形品保持装置28には、分離後のスクラップ部25を吸着保持するための吸着パッド33が設けられている。更に、成形品保持装置28には、ワークWをクランプする際に、ワーク用ディゲートブロック32やスクラップ部25にエアブローて冷却するための図示しない冷却装置が設けられている。
図1において、成形品保持装置28はキャビティプレート1が移送されたディゲート部5とスクラップ部25を排出するシュート34との間を往復移動可能に設けられている。成形品保持装置28は、図示しないサーボモータにより回転駆動されるボールねじ35に連繋しており、該サーボモータを正逆回転駆動することにより往復動するようになっている。また、成形品保持装置28はワークW及びキャビティプレート1をクランプするため、シリンダ37により上下動するようになっている。
ディゲートパレット26は、キャビティプレート1が移送されたディゲート部5とワーク収納部27との間を往復動可能に設けられている。ディゲートパレット26は、図示しないサーボモータにより回転駆動されるボールねじに連繋しており、該サーボモータを正逆回転駆動することにより、ガイドレール38に沿って往復動するようになっている。また、ディゲートパレット26は、ワークW及びキャビティプレート1をクランプするため、シリンダ40により上下動するようになっている。
ディゲートパレット26はワークWを搭載してワーク収納部27の近傍まで搬送すると、ワーク収納装置41へワーク載置部31に載置されたワークWが受け渡される。ワーク収納装置41は、昇降用シリンダ43によりワーク収納部27の収納位置まで上昇し、プッシャー42を作動させてワークWをワーク収納部27へ収納するようになっている。
次に、樹脂封止後のワークWのディゲート動作について図4乃至図7を参照して説明する。尚、図4乃至図7において搬送アーム13の図示は省略されている。
図4において、プレス部4で樹脂封止されたワークWは、上型44と下型45が型開きすると、キャビティプレート1と共に支持枠体11に支持されたまま搬送アーム13(図1参照)上にリフトダウンされ、該搬送アーム13に載置されたまま、トラック面2に沿ってディゲート部5へ搬送される。このとき、ワークWがプレス部4からディゲート部5へ搬送される途中に成形品(パッケージ部24)及びスクラップ部25の脱落の有無を検出する透過型のセンサ46が設けられている。センサ46は、図4のワークWにおいては、両側パッケージ部24と中央のスクラップ部25に対応してトラック面2の幅方向に3箇所に設けられる。パッケージ部24及び/又はスクラップ部25の欠損が検出されると、ワークWの搬送を停止するようになっている。
図5(a)において、キャビティプレート1がディゲート部5へ搬送されると、成形品保持装置28が下動してキャビティプレート1に当接して位置合わせが行われる。このとき、吸着パッド33がエア吸引を開始してスクラップ部(成形品カル)25に吸着し、ワーク用ディゲートブロック32はキャビティ孔17に形成されたパッケージ部24に当接する。
次に、図5(b)においてディゲートパレット26が上昇し、搬送アーム13及び支持枠体11の中空孔14へ進入して成形品保持装置28とでキャビティプレート1をクランプする。このとき、ワーク載置部31とワーク(基板)Wとの間には分離用の隙間47が形成されており、スクラップ用ディゲートブロック30はポット孔16を通じてスクラップ部25に当接する。また、キャビティプレート1がクランプされる際に、パッケージ部24及びスクラップ部25に図示しない冷却装置によりエアブローを行って樹脂の硬化を促進させる。
次に、図6(a)において、ディゲートパレット26に設けられたスクラップ用ディゲートブロック30によりスクラップ部25を押動して突き上げ、スクラップ部(成形品カル及び成形品ランナゲート)25をキャビティプレート1から分離する。分離したスクラップ部25は吸着パッド33に吸着保持されている。また、成形品保持装置28に設けられたワーク用ディゲートブロック32をワークWに所定時間当接させてパッケージ部24の硬化を促進しつつ基板の反りを矯正する。次いで、図6(b)において、成形品保持装置28に設けられたワーク用ディゲートブロック32によりパッケージ部24を押動して突き下げ、ワークWをキャビティプレート1から分離する。分離したワークWはワーク載置部31に載置されている。
図7において、吸着パッド33にスクラップ部25を保持したままシリンダ37(図1参照)を作動させて成形品保持装置28を上昇させ、図示しないサーボモータを起動して成形品保持装置28をボールねじ35に沿ってシュート34まで水平方向へ移動させ、吸着を停止してスクラップ部25を排出する。また、ワークWを載置したままシリンダ40(図1参照)を作動させてディゲートパレット26を下降させ、図示しないサーボモータを起動してディゲートパレット26を水平方向にワーク収納部27側へ移送する。ディゲートパレット26はワーク収納装置41にワークWを受け渡すと元の位置に戻り。ワーク収納装置41はワークWをワーク収納部27へ収納する(図1参照)。
キャビティプレート1は、ワークW及びスクラップ部25が分離されると、搬送アーム13によりクリーニング部6へ搬送され、ディゲート部5には樹脂封止された次のワークWが搭載されたキャビティプレート1が搬入される。
次に、ディゲート部5の他の構成について図8及び図9を参照して説明する。上記実施例と同一部材には同一番号を付して説明を援用するものとする。
図8において、本実施例は、キャビティプレート1をクランプする下クランプユニットBの一部にワークWをクランプ可能な可動ブロック48が設けられている。具体的には、ディゲートパレット26のワーク載置部に相当する部位に可動ブロック48がコイルスプリング49を介して支持されている。この場合、キャビティプレート1を成形品保持装置28とディゲートパレット26によりクランプした状態で、ワークWをスクラップ用ディゲートブロック32と可動ブロック48とでクランプできるので、パッケージ部24の冷却する際の反り矯正効果を向上させることができる。
ディゲート動作は、先ずキャビティプレート1がクランプ状態において、スクラップ用ディゲートブロック30を突き上げてスクラップ部25を分離した後、ワーク用ディゲートブロック32をコイルスプリング49の弾性力に抗して突き下げてワークWを分離する。
図9において、本実施例もキャビティプレート1をクランプする下クランプユニットBの一部にスクラップ部25をクランプ可能な可動ブロック48が設けられている。但し、図8と異なる点は、ワークWの向きが上下反対になっている点、ディゲートパレット26のスクラップ部25に対向する部位に可動ブロック48がコイルスプリング49を介して支持されている点、ディゲートパレット26のパッケージ部24に対向する位置にワーク用ディゲートブロック32が設けられている点、成形品保持装置28のワーク当接部には、基板を吸着する吸着パッド33が設けられている点、成形品保持装置28のスクラップ部25に対向する位置にスクラップ用ディゲートブロック30が設けられている点である。
図示しないが、プレス部4はキャビティプレート1の下面側を樹脂路に用いてワークWの樹脂封止が行われる。
ディゲート動作は、先ずキャビティプレート1がクランプ状態において、スクラップ用ディゲートブロック30をコイルスプリング49の弾性力に抗して突き下げてスクラップ部25を分離した後、ワーク用ディゲートブロック32を突き上げてワークWを分離する。即ち、スクラップ用ディゲートブロック30と可動ブロック48との間でスクラップ部25をクランプした状態でキャビティプレート1から分離する。よって、ディゲート時のスクラップ部25への荷重の偏りが発生し難いため、破損することがない。
分離後のワークWは成形品保持装置28の吸着パッド33に吸着されたまま搬出される。また、可動ブロック48に残存するスクラップ部25は、ディゲートパレット26から回収されるようになっている。
以上、本発明の好適な実施例について種々述べてきたが、樹脂封止装置は上述したトランスファ成形方式について例示したが、圧縮成形方式の樹脂封止装置にも適用可能である。また、キャビティプレート1は、金属プレートが好適であるがこれに限定されるものではなく、耐熱性、耐摩耗性、柔軟性を有し封止樹脂が付着し難いものであれば、材質は任意である。パッケージ部24の冷却は、専用の冷却装置を用いても、ワーク用ディゲートブロック32から直接エアブローしても、両者を併用しても何れでも良い。また、ワークWは半導体チップが搭載された基板2aにパッケージ部24が形成される場合について説明したが、ワークWとして半導体用基板のみを用いて、チップ搭載エリアの周囲を囲むようにリング状の樹脂封止部が形成されるようにしても良い等、発明の本旨を逸脱しない範囲で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
ディゲート部の構成を示す説明図である。 樹脂封止装置のレイアウト構成を示す平面図である。 キャビティプレート、支持枠体、搬送アーム及びリフター装置の配置を示す上視図及び断面説明図である。 ディゲート動作を説明する状態図である。 ディゲート動作を説明する状態図である。 ディゲート動作を説明する状態図である。 ディゲート動作を説明する状態図である。 他例に係るディゲート部の構成を示す説明図である。 他例に係るディゲート部の構成を示す説明図である。
符号の説明
A 上クランプユニット
B 下クランプユニット
1 キャビティプレート
2 トラック面
3 プレヒート部
4 プレス部
5 ディゲート部
6 クリーナー部
7 ワーク供給部
8 基板プレヒート部
9 供給マガジン
10、42 プッシャー
11 支持枠体
12 ピン
13 搬送アーム
14 中空孔
15 リフター装置
16 ポット孔
17 キャビティ孔
18、19 プーリ
20 ベルト
21 周回用モータ
22 リリースフィルム
23 フィルム搬送機構
24 パッケージ部
25 スクラップ部
26 ディゲートパレット
27 ワーク収納部
28 成形品保持装置
29a、29b クリーニングブラシ
29c 吸引ダクト
29d フードカバー
30 スクラップ用ディゲートブロック
31 ワーク載置部
32 ワーク用ディゲートブロック
33 吸着パッド
34 シュート
35 ボールねじ
37、40、43 シリンダ
38 ガイドレール
41 ワーク収納装置
44 上型
45 下型
46 センサ
47 隙間
48 可動ブロック
49 コイルスプリング

Claims (2)

  1. ワークと、該ワークの樹脂封止部の外形及び厚さを規定するキャビティ孔が穿孔されたキャビティプレートとがプレス部に搬入され、モールド金型と位置合わせしてクランプすることにより樹脂封止され、樹脂封止後のワークよりスクラップ部を除去するディゲート部を具備した樹脂封止装置であって
    前記ディゲート部はキャビティプレートをクランプする上下クランプユニットを備え、該上下クランプユニットは、前記キャビティプレートの透孔を通じて前記スクラップ部に当接するスクラップ用ディゲートブロックと、透孔を通じてパッケージ部に当接する該パッケージ部と同等のクランプ面を有するワーク用ディゲートブロックとを具備し前記上下クランプユニットによりキャビティプレートがクランプされた状態で、先ず前記スクラップ用ディゲートブロックによりスクラップを押動してゲートブレイクを行うと共に前記ワーク用ディゲートブロックをパッケージ部に所定時間当接させ、次いで前記ワーク用ディゲートブロックにより前記パッケージ部を前記スクラップと逆向きに押動してゲートブレイクが行われることを特徴とする樹脂封止装置。
  2. 前記スクラップ部又はワークをクランプする上下クランプユニットの一部に可動ブロックが設けられており、キャビティプレートの透孔を通じてスクラップ部又はパッケージ部を押動するスクラップ用ディゲートブロック又はワーク用ディゲートブロックと前記可動ブロックとの間でスクラップ部又はワークが各々クランプされた状態から押動されて前記キャビティプレートから各々分離することを特徴とする請求項1記載の樹脂封止装置。
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