JP3356209B2 - 複数垂直フォーマット用集中制御システム - Google Patents

複数垂直フォーマット用集中制御システム

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JP3356209B2
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    • H04N9/16Picture reproducers using cathode ray tubes
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  • Two-Way Televisions, Distribution Of Moving Picture Or The Like (AREA)
  • Electrotherapy Devices (AREA)
  • Radiation-Therapy Devices (AREA)
  • Selective Calling Equipment (AREA)
  • Soil Working Implements (AREA)
  • Guiding Agricultural Machines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一般的に言え
ば、テレビジョン装置における集中(コンバーゼンス)
制御システムの分野に関し、特に、互いに異なる複数の
垂直フォーマット、例えば、ラスタの垂直方向の高さが
それぞれ異なる複数の垂直フォーマットに適応して良好
に動作し得る集中制御システムに関する。
【0002】
【発明の背景】集中制御システムはテレビジョン装置が
用いている垂直フォーマットにあうものでなければなら
ない。採用されるべき垂直フォーマットは、テレビジョ
ン装置中の表示手段のアスペクト比とビデオ源(ビデオ
ソース)の画像のアスペクト比の関数である。画像(イ
メージ)すなわち画面のアスペクト比は画像の垂直方向
の高さに対する画像の水平方向の幅の相対的な比(画像
の幅:画像の高さ)である。大部分のテレビジョン装置
では、表示手段のアスペクト比は4:3である。これは
通常の陰極線管の画像表示領域の形をとる表示手段で
も、投射型テレビジョン装置用のスクリーンとしての表
示手段でも同様である。同様に、殆どのビデオ源のアス
ペクト比も4:3である。このような状況では、単一の
標準垂直フォーマットを使用するだけでよい。垂直フォ
ーマットに何の変更も加えなくてよいことが予想される
場合には、ある決まった集中制御システムを構成するこ
とができる。
【0003】しかし、全てのビデオ源が4:3のアスペ
クト比のものから得られるとは限らない。例えば、映画
をテレビジョン信号として再生あるいは伝送する場合に
は、フィルム・フォーマットからビデオテープ・フォー
マットに写しかえられる。4:3のアスペクト比は、殆
どのテレビジョン装置が動作し得る唯一のアスペクト比
であるために、上記のような映画をビデオフォーマット
に変換する場合、アスペクト比を4:3に変えるのが普
通であった。
【0004】この方法に伴う困難さの1つの興味深い例
は、16:9のアスペクト比を持つようなワイドスクリ
ーン源、例えばシネマスコープである。16:9のアス
ペクト比は広いアスペクト比と考えられる。フィルム源
をビデオテープに転写するときには、例えば、フライン
グスポット・テレシネ装置のような装置が用いられる。
フライングスポット・テレシネ装置は4:3のアスペク
ト比のビューイングウインドー(ファインダ)即ちフレ
ームを持っている。通常は、オペレータがウインドーを
前後左右に動かして、フィルム中の動作の中心を追いか
け、必要な場合にはクロッピングを行なう。クロッピン
グとはフィルム上の画像の一部例えば不所望部分あるい
は不必要部分を削除する処理をいう。この場合は例えば
フィルム上の画像の左右の部分を多少除く。このような
やり方は、しばしば芸術上の観点から見て望ましくない
結果を生みだすことがある。クレジットライン(情報等
の提供者への謝意の文字等)が現れている場合やアクシ
ョンがフィルム画面の水平方向の全体にわたって現れて
いるような場合には、結果は満足できないものになる。
フライングスポット技法によって得られる結果を図2の
(a)によって例示する。図2の(a)には、16:9
源からの画像情報を、4:3のアスペクト比のスクリー
ンを持つテレビジョン装置によって表示すると、元の1
6:9の画像の右側と左側とで画像情報が一部失われる
ことが示されている。
【0005】別の方法では、ワイドスクリーン画像はそ
の水平幅が4:3アスペクト比の左右限界内におさまる
まで縮小することもできる。このようにした場合には、
図2の(b)に示すように画像の垂直の高さが小さくな
ってしまう。映像源はその全体が表示されるが、それが
占める部分はテレビジョン装置のスクリーン全体よりも
小さくなってしまう。通常は、上下の周辺領域のスプリ
アス信号を防止するために、ハッチングを施して示した
領域に対応する画面の上部と下部に黒いバーが伝送され
る。このフォーマットは「郵便受け」と呼ばれることが
ある。同時に垂直の高さを圧縮せずに水平の幅を圧縮す
ると、表示された画像は歪んでしまい、例えば、垂直方
向に大きく引延ばされてしまう。例えば元の画面にあっ
た円は長軸が垂直方向に延びた楕円として現れる。
【0006】ワイドアスペクト比のビデオ源を表示する
ために提案されている別の方法は、対応するワイドアス
ペクト比のスクリーンを持つテレビジョン装置を提供す
ることである。この方法は、16:9アスペクト比のビ
デオ信号を伝送することが可能であり、また、テレビジ
ョン装置が16:9のアスペクト比のラスタを生成する
偏向システムを備えている場合には良い解決法である。
しかしながら、そのようなビデオ源はまだ少なく、実
際、殆どのビデオ源のアスペクト比は4:3である。
4:3のアスペクト比を持つ典型的なオリジナルのビデ
オ画像は16:9のアスペクト比のスクリーンの全体を
占めないことは理解できよう。ブランクの周縁領域がス
クリーンの左右両側またはその一方に現われることにな
る。
【0007】4:3のアスペクト比を持つビデオ源は、
元の4:3アスペクト比画像の幅がワイドアスペクト
比、例えば16:9、の表示手段の幅に一致するまでラ
スタを拡大することによって、ワイドアスペクト比の表
示手段を持つテレビジョン装置で表示することができ
る。このような垂直フォーマットは垂直過走査(オーバ
スキャン)モードあるいは垂直過走査フォーマットと呼
ばれていた。ビデオ源画像の上下部分に沿ういくらかの
情報内容が失われてしまうが、これによって得られる画
像はワイドアスペクト比の表示である。
【0008】垂直のフォーマットを、高さ(以下、「垂
直」または「垂直方向の」という語が前置されていても
いなくても画面またはラスタの垂直方向の高さをいう)
が異なるフォーマット、例えば上述した垂直過走査モー
ドに変更する場合には、集中(コンバーゼンス)制御シ
ステムに関して特別な問題が生じる。その問題とは、水
平走査線が、それぞれの垂直モード即ちフォーマットご
とに、表示手段上で異なる垂直位置に位置付けされてし
まう状態になるということで、垂直モードの1つにあう
集中制御システムは別の垂直モードには適さないし、そ
の逆の場合も同様である。ある集中制御システムが互い
に異なる垂直フォーマットに適合できるためには、その
集中制御システムの動作を変更するために何らかの手段
を講じる必要がある。垂直フォーマットは一般には、ラ
スタの高さ、即ち垂直方向の長さによって相互に区別さ
れる。同じビデオ表示手段でも、垂直フォーマットが異
なれば、ラスタの上側及び下側の境界線位置も異なる。
【0009】例えば、表示スクリーンの有効(アクティ
ブな)走査領域は、集中制御の目的で行と列からなるマ
トリクスに分割することができる。この行列の両境界線
は、網目格子を形成する。行と列の数、従って、区画の
数はある程度任意で、必要とする補正の所要範囲と得ら
れるラスタに望まれる完全度とによって決まる。工場
で、あるいはサービスマンが整合を行なう場合には、緑
の寸法形状と赤及び青の静的調整が最初に行なわれる。
その後で、全ての格子点における補正信号の正確な値
が、その点における赤、緑及び青のラスタを重ね合わせ
ることによって決められる。これらの正確な値は、例え
ば非揮発性デジタルメモリに記憶され、その特定の装置
についての必要とされる各補正信号に対する整合情報を
表わす。
【0010】隣接する格子点間に補正信号の滑らかな遷
移を与えるためには、垂直水平両方向に補間を行なう必
要がある。表示の各区画は、その区画の四隅を規定して
いる4つの格子点における値によって規定される。その
区画内のすべての点における適切な補正信号を得るため
には、格子点における既知の値から2次元補間をする必
要がある。水平方向の補間は比較的容易に、例えば、補
正値の低域通過濾波によって、行なうことができる。こ
の直接的な方法が可能なのは、各水平線が走査されるに
つれてその各1本の水平線上で既知の値が順次現れるか
らである。例えば、点Aにおけるある補間値から点Bの
水平方向にすぐ隣接する補正値へ滑らかに移行するに
は、点AとBの間の格子間隔に等しい期間中、値V
A を、ついで同じ期間値VB を順次出力させる必要があ
る。フィルタの応答時間が格子間隔と実質的に等しい限
り、補正信号は値VA から値VB へ滑らかに遷移する。
この応答時間は、デジタル−アナログ変換器の出力にお
けるフィルタと、集中補正手段、例えば集中補正コイル
を駆動する集中電力増幅器の応答時間とに左右される。
【0011】垂直方向の補間は、はるかに難しい。なぜ
なら、垂直方向に隣接する格子点の既知の値は各1本の
線上で走査方向に順次前後に続く配列をなしていな
いからである。垂直補間はこの分野で公知のようにデジ
タルまたはアナログドメイン(領域)で行なわれる。デ
ジタル集中制御システムは、例えば、ビデオ表示器の1
つのチャンネルについて集中補正格子を規定する格子座
標値を記憶するデジタルメモリと、格子座標値とこれら
格子座標値の中間の値とに応答する集中補正信号発生器
と中間値を決めるアナログ補間回路とを含む。中間値を
決めるアナログ補間回路は、例えば、格子座標値用のデ
ジタル−アナログ変換器と、隣接する垂直格子点の値に
次々と補数係数を乗算する手段と、で構成できる。
【0012】デジタルまたはアナログ補間回路を用いた
デジタル集中システムは次の米国特許に開示されてい
る。米国特許第4,401,922号、第4,422,
019号、第4,437,110号、第4,473,8
44号、第4,549,117号、第4,553,16
4号、第4,635,117号、第4,672,275
号。
【0013】複数の垂直フォーマットに対して補正を与
える必要のある集中制御システムの別の問題は、図3と
図4を参照することにより理解できる。図3と図4の各
々において、参照番号10を付けて示した点線長方形
は、テレビジョン装置に表示されたビデオ画面の外周縁
を表わしている。このような画面は、直視型テレビジョ
ン装置の陰極線管の画像表示領域であるか、投射型テレ
ビジョン装置のスクリーンである。図3と図4の各々に
おいて、スクリーンは、例えば、16:9のアスペクト
比を有し、このアスペクト比は典型的なワイドスクリー
ン映画フォーマットのアスペクト比である。図3と図4
の各々において参照番号12で示した濃い黒の実線の長
方形は第1の垂直フォーマットについてのラスタの外周
縁を表わす。この第1の垂直フォーマットを論議の目的
で標準のまたは正常な垂直フォーマットと呼ぶことにす
る。図4で参照番号14で示した黒の点線は、第1の、
即ち標準垂直フォーマットより高さが大きいラスタを有
する第2の垂直フォーマットの拡張周縁を表わしてい
る。論議のために、このフォーマットを垂直過走査フォ
ーマットと呼ぶ。この垂直過走査フォーマットのラスタ
は4:3のアスペクト比を有している。
【0014】集中制御信号はビデオ信号源の各水平走査
線について生成されねばならない。必要とされる集中補
正は装置自体の関数である。集中補正係数、即ち集中補
正値は、ビデオ源あるいは垂直フォーマットとは関係な
しに、スクリーン上の任意の与えられた点に対して同じ
でなければならない。この分野で公知の技術によれば、
集中補正信号は各水平走査線について、1番目の水平走
査線に対する補正信号が1番目の水平走査線に一致し、
2番目の水平走査線に対する補正信号が2番目の水平走
査線に一致する、・・・・というように生成することが
できる。1番目の目に見える(以下、可視)水平走査線
に対する補正信号は1番目の可視水平走査線に一致す
る。図3において、1番目の可視水平走査線は、ラスタ
の右側に沿って番号を付して示した1番目と2番目の水
平格子線の間にくる。
【0015】詳しく説明すると、この1番目の走査線は
上の方の点線境界10の真下に生じる。この同じ水平走
査線は、図4の過走査垂直フォーマットでは1番目と2
番目の水平格子線間の領域がスクリーンの境界10の上
辺部分よりもはるかに上にあるために目には見えない。
図4に示したラスタでは、1番目の可視水平走査線は3
番目と4番目の水平格子線の間、詳しくは、点線で示し
た境界10の上辺部分の真下に現れる。従って、図3の
ラスタの1番目の可視水平走査線に適した集中補正信号
は、図4のラスタでは、1番目の可視走査線ではない別
の可視水平走査線に適用しなければならない。これは、
スクリーン上の与えられた任意の点に対する集中補正値
は同じでなければならないからである。
【0016】各交点すなわち、前記の点または格子点
A、A′;B、B′;・・・・N、N′;O、O′を有
する水平及び垂直格子線によって規定される格子がそれ
ぞれの垂直フォーマットで相互に一致しないという事実
があるために別の問題が生じる。この事実は、垂直方向
に隣接する水平の格子線相互間に水平走査線が存在する
ことによる。各フィールド中の伝送された水平走査線の
数はビデオ源の関数であって、偏向処理回路構成の関数
ではない。図3と図4の両方のラスタに対する垂直偏向
回路構成を同じ伝送源が駆動する限り、図4に示すラス
タの垂直高さ(以下、垂直方向の高さの意)がより大き
いことにより、図4のラスタについては、水平走査線の
相互間隔がより大きくならねばならない。あるテレビジ
ョン装置は、例えば、伝送された水平周波数の2倍、2
H、での順次走査の機能を備えている。各垂直フォーマ
ットで2H走査が用いられると、1Hシステムの場合よ
りも走査線の数は多くなるが、その水平走査線相互間の
間隔は、過走査モードでは依然として大きい。
【0017】従って、水平格子線の数は同じでも垂直高
さが大きい集中補正格子では、水平走査線相互間の間隔
が大きくなる。この因子は水平及び垂直格子線の交点に
相当する既知の補正値相互間の中間集中補正値を生成す
るために用いられる補間回路の動作に関係してくる。こ
のことは、精巧な集中制御システムをより全体的に考察
することにより理解できる。
【0018】ある種のテレビジョン装置は、たとえ垂直
フォーマットが決まったものであっても、精巧な集中制
御システムを必要とする。例えば、投射型テレビジョン
装置は、それぞれ赤、青、緑のラスタを投射する3本の
投射陰極線管を含んでいる。各ビデオ投射管によって投
射された画像は互いに適切に整合せねばならない。3本
の陰極線管の全てについて実質的に正しいラスタを得る
ために必要な補正を行なうためにアナログ波形が用いら
れてきた。一般に、従来のアナログ波形発生器はラスタ
の一次不整は補正するが、上記のようなテレビジョン装
置で通常見られるもっと複雑な歪みを補正することはで
きない。
【0019】より複雑な補正信号を発生するために、デ
ジタル集中補正システムが開発されている。このような
システムのある種のものでは、非常に広い格子の、各水
平走査線に沿って決められた出来る限り多くの点の各々
について、デジタル補正値が記憶される。この方法は最
高の補正を与えることができるが、実施するのは困難で
費用がかかる。このようなシステムの別のものでは、も
っと少ない数の補正値が記憶されていて、デジタル補間
回路がこの既知の値に基づいて中間の値を決定する。デ
ジタル補間器は良好な結果をもたらすが、やはり実施す
るには費用がかかる。多くの場合、例えばデジタル−ア
ナログ変換器という様な或る種の構成部品には、所望の
解像度を得るためには必要な或る最少ビット数があるの
で、デジタル補間器を集積回路として構成することは難
かしい。システムの第3の種類のものにおいては、より
少ない数の補正値がデジタル的に記憶され、補間はアナ
ログ領域で行なわれる。このような回路は、より低価格
で充分な精度と解像度を与えることができるので、有用
であることがわかった。
【0020】さらに、走査周波数、例えば、2Hの順次
走査周波数は全ての国において、また、全てのテレビジ
ョン装置において同じであるわけではないという事実も
考慮しなければならない。あるテレビジョン装置は1ま
たはそれ以上の垂直周波数、例えば50Hz、100H
z、60Hz及び120Hzで動作できる。これらの周
波数は、ヨーロッパや米国における主要電源周波数、即
ち、50Hzと60Hzに基づく走査周波数に対応す
る。50Hzの非飛越2H走査によって、1フィールド
当たり625本の水平走査線が生成される。60Hzの
非飛越2H走査では1フィールド当たり525本の水平
走査線が生じ、100Hzの飛越2H走査では1フィー
ルド当たり312.5本の水平走査線が、また、120
Hzの飛越2H走査では1フィールド当たり262.5
本の水平走査線が生成される。このことは、各垂直フォ
ーマット、例えば、通常の垂直フォーマットにも過走査
フォーマットにもあてはまる。
【0021】
【発明の概要】互いに異なる垂直フォーマットでも動作
する集中制御システムを提供することがこの発明の一態
様である。この発明のこの態様によれば、それぞれ異な
る垂直方向の高さを持つラスタを有する複数の垂直モー
ドで動作し得る垂直偏向回路用の集中制御システムは、
使用可能な垂直モードの1つにおける動作を開始させる
ための選択器と、この選択器に応答して集中補正信号を
発生する回路とを含んでいる。補正信号は、既知の集中
補正値から、及び既知の値の補間によって生成される。
集中補正はデジタル回路によって記憶し、順次規則的に
処理され、補間はアナログ回路によって行なうようにす
ることができる。この発明の1つの態様によれば、直視
型陰極線管の表示領域か、あるいは、投射型テレビジョ
ン装置のスクリーンに表示されたビデオ表示はほぼ1
6:9のアスペクト比を持つようにできる。別の垂直フ
ォーマットはほぼ4:3のアスペクト比を持つものとす
ることができる。
【0022】この発明の一態様による集中補正信号を発
生する回路は、異なる垂直モード、即ちフォーマット、
例えば、通常モードと過走査モードに対する選択可能な
補正信号のセットを発生するための、集中補正値からな
る異なるセット用のデジタルデータ記憶装置を含むもの
とすることができる。これらの集中補正値のセットは水
平走査線と実質的に平行な格子線の異なるセットを規定
する。格子線の隣接するものは、異なる垂直フォーマッ
トでは異なる間隔で相互に隔てられている。隣接する水
平格子線間の間隔は、垂直方向の高さが大きいラスタを
持つ垂直フォーマットほど大きくなっている。
【0023】この発明の別の態様によれば、異なる水平
走査周波数で、各垂直モードについて、飛越し及び非飛
越し形で動作し得る補間回路を有する集中制御システム
が提供される。発明のこの態様によれば、既知の集中補
正値を処理する補間回路は水平偏向回路に応答する。補
間間隔は水平走査周波数に応じて調整できる。補間間隔
の数は各フィールド中の水平走査線の数に合うようにな
っている。発明のこの態様による1つの実施例において
は、補間回路は、各水平走査周波数に対する選択可能な
基準入力信号を有するデジタル−アナログ変換器と、デ
ジタル−アナログ変換器を変調するアップ/ダウンカウ
ンタで、各垂直モード即ちフォーマットに対する補正波
形の周期を調整するために選択可能とされた最大計数値
を有する形式のアップ/ダウンカウンタとを持ったもの
とすることができる。発明のこの態様による別の実施例
においては、補間回路は、固定基準入力を有するデジタ
ル−アナログ変換器と、このデジタル−アナログ変換器
を変調する可変ステップカウンタで、各垂直モード即ち
フォーマットに対して周期を調整するための選択可能な
ステップを有する形式の可変ステップカウンタとを有す
るものとすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】ラスタ18の走査領域を図3に示
す。この走査領域はマトリクスを形成する複数の区画あ
るいはブロック、例えば、30、32等によって規定さ
れている。ラスタ20の走査領域が図4に示されてお
り、この領域はブロック、例えば30′、32′等によ
り規定されたマトリクスを含んでいる。領域または部分
22、22′を規定している各マトリクスの最上部の行
は、垂直リトレースに必要な時間、60Hzの2H順次
走査信号ではほぼ825μ秒、を表わす。
【0025】領域または部分24、24′を規定してい
る左端の3列は各水平リトレースに必要な時間、これは
同じ2H信号に対しては約10μ秒である、を表わす。
それぞれ垂直及び水平リトレース時間を表わしている領
域または部分22、22′及び24、24′は非有効
(アクティブでない)な走査領域である。残りの領域ま
たは部分26、26′が有効走査領域である。有効走査
領域26と格子の大きさは、例えば、投射型テレビジョ
ン装置の投射スクリーンあるいは直視型テレビジョンの
陰極線管の画像表示部分の外周10よりもいくらか大き
い。有効走査領域26′と格子は、外周縁10によって
規定される表示領域よりかなり大きい。上部ピンクッシ
ョンは、補正を行なわなければ、1番目の水平走査線で
もその中央部が下方に湾曲して表示の可視部分に入り込
んでしまうほどひどいこともある。従って、それが見え
ることを予定していない水平走査線であっても、全ての
水平走査線について集中補正を施さねばならない。ある
いは、これにかえて、目に見えない水平走査線は、集中
歪みを補正しないのであれば、消去(ブランク)しても
よい。
【0026】有効走査領域26、26′の各々は12行
16列のマトリクスにより規定されており、これらの行
と列は13本の水平格子線と17本の垂直格子線とを有
する集中補正格子を規定している。これらの線には対応
する番号が付されている。隣接する垂直格子線間の水平
走査時間は約1.68μ秒である。各行に必要な横断水
平走査線の数、即ち、垂直方向に隣接する格子点間の距
離は、走査周波数と、フレームが飛越しか非飛越しかと
よって決まる。図示の格子で、2H走査周波数の場
合、50Hzの非飛越し走査では1行当たり48本の
線、60Hzの非飛越し走査では1行当たり40本、1
00Hzの飛越し走査では1行当たり24本、120H
zの飛越し走査では1行当たり20本の線となる。
【0027】水平走査線の間隔は、過走査モードでは、
同数の走査線でより大きな垂直寸法を横断しなければな
らないために、大きくなる。図5において、垂直偏向回
路2は垂直周波数信号fV に同期した垂直偏向電流IV
を発生する。垂直偏向回路2はモード選択器4に応答す
る。このモード選択器4は、各々が異なる垂直高さのラ
スタによって特徴付けられるような複数の垂直モード即
ちフォーマットの1つを特定する命令情報を垂直偏向回
路に供給する。モード選択器4は、例えばボタン6によ
って生成されるようなモード選択信号に応答するように
してもよい。図示したように、ボタン6は通常モードと
過走査モードを起動するために選択的に押される。通常
モードは省略時解釈(デフォールト)モード(とくに指
定のない場合に自動的に行なわれる動作モード)とする
ことができ、その場合には、ボタン6は通常モード以外
のモードを開始させるために用いられる。
【0028】図6に実線で示した信号は通常の垂直偏向
電流IV を表わしている。最大及び最小値は、それぞれ
+1と−1に等しい任意の単位で示されている。周期は
各垂直フィールドTV の時間に対応する。通常の電流I
V は図3に示すラスタに用いられる。通常の電流からの
点線で示した延長線によって示されている過走査の電流
は図4に示すラスタに用いられる。図4のラスタは図3
のラスタよりも垂直の寸法が大きく、図3の寸法の4/
3倍である。従って、最大及び最小値は、それぞれ、約
+1.33と−1.33である。垂直周期はビデオ源の
関数値であるから、周期TV は両方の信号で同じであ
る。
【0029】図3の参照番号30と32は2つのブロッ
ク即ち区画を示す。ブロック即ち区画30は格子交点
(単に、格子点または点ともいう)A、B、G及びHに
よって規定されている。ブロック即ち区画32は格子交
点B、C、H及びIによって周縁限定されている。図4
においては、ブロック即ち区画30′は格子交点A′、
B′、G′及びH′によって規定されており、ブロック
即ち区画32′は格子交点B′、C′、H′及びI′に
よって限定されている。ブロック即ち区画30と32は
図13に拡大して示されている。
【0030】標準的な(X、Y)座標系で説明すると、
格子点Aは座標(1、1)にあり、格子点Bは座標
(1、2)、格子点Cは座標(1、3)、格子点Gは座
標(2、1)、格子点Hは座標(2、2)、格子点Iは
座標(2、3)にある。図3と図4とでは格子点が一致
していないから各補正値は異なるが、同じことが格子点
(A′、B′、G′、H′)についても言える。
【0031】各格子点における補正信号の正確な値は、
その点で赤、緑及び青ラスタを重畳させることによって
求められる。これらの正確な値は各チャンネルに対する
不揮発性メモリに記憶され、その特定のテレビジョン装
置に対する集中整合情報を表わす。例えば、デジタル記
憶装置がマトリクスに対応していると考えると、格子補
正値は特定した格子点の座標の関数となる。即ち、チャ
ンネルの1つにおける格子点Aに対する集中補正値は座
標(1、1)の関数、即ち、補正値VA =f(1、1)
となる。同様に、補正値VB =f(1、2)、補正値V
G =f(2、1)、補正値VH =f(2、2)となる。
【0032】隣接する格子点間の補正信号に滑らかな遷
移を与えるためには、垂直及び水平の両方向に補間を行
なう必要がある。VA 、VB 、VG 及びVH で表わされ
る格子点の値は整合期間に求められた正確な所要値であ
る。そのブロック即ち区画中の全ての点における補正信
号を得るためには、これらの既知の値から、2次元補間
を行なわなければならない。未知の値VS 、VT 及びV
U は、正しく格子線と一致しない水平走査線X上の一部
の点S、T及びUにおける各補正値である。
【0033】水平方向の補間は補正値を低域通過濾波す
ることによって行なうことができるが、これは、各水平
走査線上で走査方向に進むにつれて既知の集中値が順
規則的に現れるためである。格子値VA から格子値VB
への移行を滑らかにするためには、格子間隔に等しい時
間、例えば、約1.68μ秒の間に値VA を、ついで、
同じ長さの時間中に値VB を順次出力させることのみが
必要である。フィルタ応答時間が格子間隔に等しけれ
ば、補正信号は値VA からVB へ滑らかに遷移する。こ
の応答時間は、デジタル−アナログ変換器の出力におけ
るフィルタと集中電力増幅器の応答によって左右され
る。
【0034】垂直方向に隣接する格子の座標値は同じ水
平走査線中に順次規則的には現れないので、垂直方向の
補間にはより多くの処理が必要となる。例えば、走査線
X上の未知の値VS 、VU が既知の値、例えば、VA
B 、VG 及びVH から求められねばならない。値
S 、VU を始めに求めることができれば、次に、これ
らの値は水平補間のために低域通過濾波処理される。こ
の水平補間により、補正値VT の他に線分SU上の他の
全ての中間値が生成される。
【0035】特に、図13を参照して、ブロック即ち区
画30と32について必要な補間を考えてみる。他の線
あるいは補間に関係なしに、1番目の水平格子線に沿っ
て走査するためには、帯域通過フィルタに対し、約1.
68μ秒の間隔で順次規則的に格子点A、B及びCに対
する値が供給されねばならない。しかし、中間の線につ
いては、ブロックの各行が一組の水平走査線を表わして
いるので、一度にブロックの数行を取扱う補間法が必要
となる。
【0036】図13に示す示す補間法は、スクリーンま
たは他の表示装置を、1番目の格子線から2番目の格子
線の直上の行の終わりまで横断するには、これは全ての
隣接水平格子線についてあてはまるが、n本の水平走査
線が必要であるという事実に基づいている。6′で示し
た中間の走査線Xは第1行、即ち、1番目の組の水平走
査線中の第6番目の中間走査線である。中間走査線6′
は図示のように、線部分SUを含む。垂直に隣接する格
子点間の遷移を滑らかにするために、ある1つの既知の
格子値に最も近い中間の値に対し、より高い重み付け係
数が適用される。例えば、点Sは点Aから任意の単位で
Zだけ下にあり、(n−Z)任意単位だけ点Gより上に
ある。この任意の単位は水平走査線間の垂直方向の間隔
に相当し、この垂直方向の間隔は垂直フォーマット及び
ビデオ伝送方式が異なれば変わる。従って、値VS
{(n−Z)/n}VA +(Z/n)VG 、VA =2、
G=1、n=20、Z=6とすると、VS =1.7と
なる。この値はVA とVG の間にあり、点Aと点Sとの
間及び点Sと点Gとの間の相対的な距離に比例する。
【0037】ある与えられた垂直モード即ちフォーマッ
トに対する垂直補間は、各中間水平走査線と垂直格子線
との交点についての中間の集中補正値を順次規則的に発
生して処理することと見なすことができる。これらの補
正値が適正なタイミングで水平低域通過濾波回路に適正
なシーケンスで加えられると、正確な集中補正信号をリ
アルタイムで発生させることができる。
【0038】この発明の一態様に従う集中補正システム
がブロック図の形で図7に示されている。位相ロックル
ープ(PLL)・タイミング発生器42には、その入力
として、クロックパルス、垂直同期パルス及び水平同期
パルスが供給される。アドレス発生器44はこのPLL
・タイミング発生器から制御信号を受取って、出力とし
て順次規則的なアドレスを発生してデータ記憶装置46
に供給する。データ記憶装置46は既知の集中補正値を
デジタル形式で記憶している。この既知の値は格子点
に、即ち、水平垂直格子線の交点における補正値に対応
している。データ記憶装置46は2組の集中補正値、即
ち、46Aと46Bとを収容しており、その各々の組
は、異なる垂直モードに、即ち、ある特定の垂直高さを
持つラスタに適応する。データ記憶装置46は単一の記
憶媒体として、各組を最上位アドレスビットによって互
いに区別するようにしてもよい。あるいは、データ記憶
装置46A、46Bをモード選択命令信号によって選択
される別々の記憶媒体としてもよい。いずれにせよ、垂
直偏向回路2により実施できる垂直モードの各々に対し
てデータ記憶装置が設けられる。補正値補間器・信号発
生回路40は、必要とされる個数、たとえばm個、のチ
ャンネルについて、集中補正信号をVout1、Vou
t2、・・・・Voutmとして生成する。
【0039】適当する既知の補正値を順次規則的に供給
し、ついで、これらの値の補間を行なうための図7に示
した回路のより詳細なブロック図を図8に示す。参照番
号40で示された部分は複数チャンネルシステム中の単
一のチャンネルに対応する。回路全体の中の全てのチャ
ンネルに共通の部分は、PLL・タイミング発生器42
とアドレス発生器44を含む。補正値補間器・信号発生
器40は、データ記憶装置、即ち、デジタル集中補正値
記憶手段46とL1、L2、L3、L4で示された4つ
の8ビットラッチ、及び、その出力の和が演算増幅器6
0によって求められる一対の乗算式デジタル−アナログ
変換器56と58とを含んでいる。記憶手段46は少な
くとも2つのデータ記憶装置46Aと46Bを含む。図
9の(a)と図9の(b)に示す変調波形はVeven
及びVoddとして示されている。これらの波形は図1
0にブロック図の形で示されている回路により生成さ
れ、それぞれ乗算式デジタル−アナログ変換器56と5
8に供給される。この回路はまた、タイミング・シーケ
ンスを適当に変更すれば、ラッチは3個にして構成でき
る。
【0040】図8を参照すると、位相ロックループ・タ
イミング発生器42にはテレビジョン装置の偏向回路か
ら水平及び垂直同期パルス、または、それらに関係付け
られたタイミングパルスが供給される。この位相ロック
ループ・タイミング発生器42は、2H順次走査NTS
C標準では約2.4MHzである、水平周波数の76倍
の位相ロックされたクロック、即ち、線ロックされたク
ロックを発生する。垂直及び水平タイミング信号とクロ
ック信号は、アドレス発生器及び乗算式デジタル−アナ
ログ変換器用ラッチを動作させるに必要な全てのタイミ
ング信号である。この線ロッククロックは整合テストパ
ターンを生成するためにも用いることができる。
【0041】アドレス発生器44は位相ロックループ・
タイミング発生器42から適当なタイミングパルスを受
け、乗算式デジタル−アナログ変換器56、58にロー
ドされるべき次の語(ワード)を選択するために必要な
アドレスを発生する。このような語の各々は、デジタル
形式で表わされ記憶された、ある特定の格子点に対する
集中補正値に相当している。各チャンネルに対する語、
即ち、補正値はデジタル値記憶手段46に記憶されてい
る。記憶手段46は不揮発性とすることができるが、代
わりに、揮発性メモリを用いることもできる。揮発性メ
モリを用いた場合は、始動中に、装置の別の位置に設け
られた不揮発性記憶手段からこの揮発性メモリをロード
する。
【0042】記憶手段46の出力はラッチL1とL2の
双方に対する入力として得られる。ラッチL1の出力は
ラッチL3への入力となり、ラッチL3の出力は乗算式
デジタル−アナログ変換器56の変換入力への入力とな
る。ラッチL2の出力はラッチL4への入力であり、ラ
ッチL4の出力は乗算式デジタル−アナログ変換器58
の変換入力への入力となっている。これらのラッチは、
この各乗算式デジタル−アナログ変換器56、58に、
その時の値と次の値とを記憶するために用いられてい
る。ラッチL1とL2には上記の次の2つの値が順次規
則的にロードされ、ラッチL3とL4は、乗算式デジタ
ル−アナログ変換器56、58の出力を更新する時がく
ると、同時にロードされる。
【0043】図14の(a)乃至図14の(f)に示す
タイミング図は時間目盛りに関しては、図13に示す垂
直格子線相互間の水平方向の距離に対応している。アド
レス発生器に応答して記憶手段からラッチに供給される
値のシーケンスはAGBHCIである。図14の(a)
におけるクロックパルスの1の開始点では、ラッチL1
は点Aについての補正値を、ラッチL2は点Gについて
の補正値を、ラッチL3は点Aについての補正値を、ラ
ッチL4は点Gについての補正値をそれぞれ含んでい
る。従って、乗算式デジタル−アナログ変換器56は点
Aのデジタル値をアナログ形式に変換し、そのアナログ
値にライン79上のVeven変調波形の振幅を乗じ
る。図13に示すブロックの行について言えば、この振
幅は1である。同様に、点Gに対する補正値は乗算式デ
ジタル−アナログ変換器58によってアナログ形式に変
換され、ついで、ライン77のVodd変調波形の値が
乗じられる。図13に示す行については、この値は0で
ある。
【0044】図14の(b)に示すラッチL1イネーブ
ルパルスL1 ENはクロックパルスの終わりで発生
し、点Bに対する補正値をラッチL1にロードする。図
14の(c)に示すラッチL2イネーブルパルスL2
ENは、クロックパルス3の終わりで発生し、点Hの補
正値をラッチL2にロードする。図14の(d)に示す
ラッチL3、L4イネーブルパルスL3、L4 ENは
クロックパルス4の終わりで発生して、点Bの補正値を
ラッチL3に点Hの補正値をラッチL4にロードする。
クロックパルス5〜8の間においても同様のプロセスが
あって、これにより、クロックパルス8の終わりにおい
て、点Cについての補正値がラッチL3に、また、点I
についての補正値がラッチL4に記憶される。点AとG
に対する補正値はそれぞれラッチL3とL4に、1番目
と2番目の垂直格子線間の約1.68μ秒に相当する4
クロック周期の間、保持されることがわかる。即ち、水
平走査線が1番目の水平格子線に沿って左から右に進む
ので、点AとGに対する補正値は、走査線が1番目と2
番目の垂直格子線の間にある時に、乗算式デジタル−ア
ナログ変換器によって処理される。
【0045】点BとHについての補正値は、水平走査が
2番目の垂直格子線から3番目の垂直格子線に進む間
に、乗算式デジタル−アナログ変換器によって処理され
る。点CとIに対する補正値は、水平走査が3番目の垂
直格子線から4番目の垂直格子線に進む間に、乗算式デ
ジタル−アナログ変換器によって処理される。図14の
(f)は、6番目(6′)の中間走査線Xに対するヨー
ク電流と出力電圧とを示す。この電流及び電圧波形は全
ての水平走査線に対する例示的なものである。出力電圧
はステップ状に変化する。ヨーク電流は、低域通過濾波
の結果、既知の値から既知の値へ滑らかに移行する。
【0046】あるいは、ラッチL2及びL4のいずれか
を省略することができる。ラッチL2を省略する場合
は、L3、L4 ENはクロックパルス3の後で生じ、
B をラッチL1からラッチL3へ、VH をラッチL4
へ移動させる。L2 EN信号は不要である。図3に示
した第4のラッチは説明を容易にするために含まれてい
る。
【0047】図9の(a)と、図9の(b)に示す変調
波形は、その時の水平走査線の上下の水平格子線に対す
るその時の走査線の位置の目安を与える。これらの変調
波形は相補的なもの、即ち、互いに位相がずれており、
一方のピークが時間的に他方の0に一致し、その逆も同
様である。これら変調波形の和は常に一定である。さら
に、2つの変調波形のそれぞれの0とピークは、水平格
子線上にくる水平走査線と常に一致する。この相対的な
タイミングによって、例えば、2番目の水平格子線に一
致する水平走査線に対して、VG に対する重み係数が1
となり、3番目の水平格子線上のVM に対する重み係数
が0となる。各変調波形は、概観すると全体として三角
波として示されるが、その詳細な形は、拡大して見ると
明らかであるが、本質的に段階状である。
【0048】このような構成により、各ブロック行中の
各水平走査線に対し、水平方向に隣接する格子点に適用
される相対的重み係数が等しくされる。あるいは、各変
調波形は全体として鋸歯状とすることができるが、その
場合、各鋸歯状パルスの後縁は、各水平リトレース中
に、急峻に立上がるかまたは立下がるようにされる。こ
のような変調波形は、アドレス制御とタイミングについ
てより複雑な問題を生じさせる。三角波形としてのVo
ddは、各走査線に関して、奇数番目の水平格子線に一
致するピーク振幅を持つという利点がある。逆に、三角
波形としての波形Vevenは各走査線について、偶数
番目の水平格子線に一致するピーク振幅を持つ。同様
に、波形VoddとVevenは、走査線について、そ
れぞれ偶数及び奇数番目の水平格子線に一致して0振幅
を持つ。従って、偶数番目の水平格子線上の値が常に波
形Vevenによって変調されて乗算式デジタル−アナ
ログ変換器56に供給される。奇数番目の水平格子線上
の値が、Voddによって変調されて常に乗算式デジタ
ル−アナログ変換器58に供給される。
【0049】この発明の一態様によれば、各変調波形は
水平格子線間の水平走査線の数に関係付けられた周期を
持っている。この周期は2nで、nは各行中の走査線の
数である。さらに、各補正値は乗算式デジタル−アナロ
グ変換器の1つのみに供給される。2n走査線の周期を
持つ変調波形を用いることにより、それぞれの水平格子
線上の値は、連続する行の上と下の境界として順次処理
される。デジタルアドレスの発生とタイミングの問題
は、走査線の各行についての上と下の既知の値が、各後
続走査線行が走査される時に乗算式デジタル−アナログ
変換器に供給されるようにすれば、大幅に減少する。
【0050】図9の(a)と図9の(b)に示す変調波
形で固定周期を有するものを発生する回路70が図10
の(a)に示されている。アップ/ダウンカウンタ72
に水平及び垂直同期パルス、または、それに関係付けら
れたタイミングパルスが供給される。カウンタ72は、
そのクロックとして水平線リトレースパルスを用いて、
0から20まで(例えば、120Hzの2H飛越走査に
対する1行当たりの20本の走査線)連続して計数し、
ついで20から0まで計数する。
【0051】この回路の計数図が図10の(b)に示さ
れている。計数値0はGL1で示した水平格子線に対応
する。計数値19は次の格子線の直前である。計数値2
0は次の水平格子線GL1+1に対応する。次の計数値
0は次の水平格子線GL1+2に対応する。この後の走
査線の行に対する計数は0から19、20から1、0か
ら19、20から1等と続く。垂直リトレースパルスは
カウンタをリセットして、生成された波形を垂直偏向回
路にロックする。デジタル数はデジタル−アナログ変換
器74によってアナログ形式に変換される。増幅器76
は端子77に出力として波形Voddを供給する。差増
幅器78は、デジタル−アナログ変換器の出力を一定の
基準から減算することにより、端子79に相補的な波形
Vevenを生成する。上記の一定の基準はデジタル−
アナログ変換器の最大出力にセットされねばならない。
【0052】選択可能な周期を持った変調波形が、この
発明の一態様に従って、異なる垂直フォーマットに適当
する集中補正波形を発生するために供給される。このよ
うな波形を発生させるための回路を作るに当たって、波
形の最大値が一定していること及びこの一定値がスクリ
ーンまたは表示領域上の固定位置で生じることが重要で
ある。これを実現するための2つの回路が図11と図1
2に示されている。
【0053】選択される垂直フォーマットに対応して、
選択可能な周期を持つ変調波形を発生する回路80が図
11に示されている。6ビット・アップ/ダウンカウン
タ84には水平及び垂直同期パルスまたはこれらのパル
スに関係付けられたタイミング信号が供給される。カウ
ンタ84は、水平タイミング信号、例えば、水平同期パ
ルスによって増加させられ、減少させられる。垂直タイ
ミング信号、例えば、垂直同期またはリトレースパルス
がカウンタをリセットして、生成された波形を垂直偏向
回路にロックする。カウンタ84は0から、選択された
垂直フォーマットによって決まる複数の選択可能な数の
1つまで、ついで、この数から0まで連続して計数す
る。
【0054】図示の回路について言えば、最大計数値
は、120Hz(1行当たり20本の線)では、20、
100Hz(1行当たり24本の線)では24、60H
z(1行当たり40本の線)では40、50Hz(1行
当たり48本の線)では48である。選択可能な数は最
大計数値回路86から供給される。最大計数値が20の
場合は、クロック計数図は図10の(b)と同じであ
る。段階(ステップ)の数は最大計数値が高くなれば、
それに伴って増加する。
【0055】カウンタ84の出力は6ビット・デジタル
−アナログ変換器82によってデジタル形式からアナロ
グ形式に変換される。デジタル−アナログ変換器に対す
る基準値Irefも、選択された垂直フォーマットに対
応する選択可能な複数の値の1つである。この基準値は
電流源回路88によって供給される。電流源回路88と
最大計数値回路86は垂直偏向周波数モード選択器90
に応答する。前述した相補波形を発生するために、デジ
タル−アナログ変換器102の出力に演算増幅器76と
78が結合されている。
【0056】最大計数値回路86は波形中のステップの
数を決める。各水平走査線に対して1ステップが与えら
れる。電流源回路88はステップの高さを決める。電流
は、電流レベルをシステムで使用される集積回路の能力
に合わせるための任意の定数Kに関して測定される。図
示の回路では、120HzではKμA、100Hzでは
20K/24μA、60Hzでは20K/40μA、5
0Hzでは20K/48μAである。
【0057】選択された垂直フォーマットに対応する選
択可能な周期を持った変調波形を生成するための別の回
路100が図12の(a)に示されている。8ビット・
可変ステップアップ/ダウンカウンタ104には、水平
及び垂直同期パルスまたはこれに関係付けられたタイミ
ング信号が供給される。カウンタ104は水平タイミン
グ信号によって増減され、垂直タイミング信号によって
垂直偏向回路にロックされる。カウンタ104は0から
239まで(240カウント)、ついで再び0まで連続
的に計数する。最大計数値が最大計数値回路110によ
って決められる。計数値は、用い得る選択可能な垂直モ
ードに必要な可変ステップの公倍数として選択される。
【0058】図示したように、ステップ選択回路106
が、5カウント(1行当たり48本の線)、6カウント
(1行当たり40本の線)、10カウント(1行当たり
24本の線)、及び12カウント(1行当たり20本の
線)からなる選択可能なステップを提供する。この回路
の計数図を図12の(b)に示すが、Δは選択可能なス
テップの大きさに対応する。カウンタは、相連続する走
査線の行に対して、0から239、240から1、0か
ら239、240から1、等と計数する。ステップ選択
器回路106は垂直偏向周波数モード選択器回路108
に応答する。カウンタ104の出力は8ビット・デジタ
ル−アナログ変換器102によってアナログ形式に変換
される。この場合、デジタル−アナログ変換器には固定
基準値が与えられる。この点において、図12の(a)
の回路の方が実施しやすい。デジタル−アナログ変換器
102の出力は演算増幅器76と78によって処理され
て、前述した相補波形が得られる。
【0059】この発明の一態様に従う投射型テレビジョ
ン装置用の集中制御システムが図15にブロック図とし
て、全体を参照番号96で示す。6つの処理チャンネル
が必要とされ、6個の集中補正信号が必要となる。集中
補正信号は、青の水平BH、青の垂直BV、赤水平R
H、赤垂直RV、緑水平GH、緑垂直GVに関して生成
されねばならない。補正信号/補間器回路40が6つの
チャンネルの各々に対して設けられねばならない。各チ
ャンネルは、そのチャンネル用のデータ記憶装置、即
ち、補正値記憶手段46を含んでいる。各記憶手段は、
少なくとも2つの垂直フォーマットのためにデータ記憶
装置46Aと46Bとを含んでいる。垂直フォーマット
が追加されれば、別のデータ記憶装置が設けられる。各
データ記憶装置は、各チャンネル及び各垂直フォーマッ
トについて特別にプログラムされた一組の集中補正値を
有している。前述したように、利用可能な各垂直フォー
マットに対し、複数の走査周波数が可能である。チャン
ネルプロセッサの各々は並列に動作して、各水平走査線
に対する集中補正波形をリアルタイムで生成する。
【0060】6つの処理チャンネルは全て、1つの変調
波形信号発生器80または100、位相ロックループ・
タイミング発生器42、及び1つのアドレス発生器44
に応答して動作する。ライン1−61〜6−61に現れ
る各チャンネルの出力信号が集中出力増幅器回路98へ
の入力となっている。回路98中の増幅器は、青水平B
H、青垂直BV、赤水平RH、赤垂直RV、緑水平GH
及び緑垂直GVのそれぞれに対する集中コイルを駆動す
る。
【0061】
【発明の効果】図15から、この発明のこの態様に従う
集中制御システムは、唯一の垂直フォーマットに用いる
システムに対して、最小限のハードウエハの付加により
実施できることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、異なるアスペクト比のビデオ表示スク
リーンとビデオ源との相対的な寸法を示す図である。
【図2】(a)及び(b)は、異なるアスペクト比のビ
デオ表示スクリーンとビデオ源との相対的な寸法を示す
図である。
【図3】16:9のアスペクト比のスクリーン上に表示
された16:9のアスペクト比のビデオ源のための集中
補正格子を規定するマトリクスを示す図である。
【図4】垂直方向に過走査された表示モードによって1
6:9のアスペクト比のスクリーン上に表示された4:
3アスペクト比のビデオ源に対する集中補正格子を規定
するマトリクスを示す図である。
【図5】異なる垂直高さを持つラスタを発生させるため
の回路のブロック図である。
【図6】異なる垂直高さのラスタに対する垂直偏向電流
の差を示す線図である。
【図7】この発明による集中制御システムのブロック図
である。
【図8】図7によるデジタル集中制御システム中の単一
のチャンネルに対する補間回路の詳細を含むブロック図
である。
【図9】(a)と(b)は、図8に示した乗算式デジタ
ル−アナログ変換器のための変調波形を示す図である。
【図10】(a)は、固定水平偏向周波数用の、図9の
(a)と図9の(b)に示した変調波形を発生する回路
のブロック図である。(b)は、図10の(a)に示す
回路のためのクロック計数図である。
【図11】複数の垂直偏向周波数のための変調波形を発
生する回路のブロック図である。
【図12】(a)は、複数の垂直偏向周波数のための変
調波形を発生する別の回路のブロック図である。(b)
は、図10の(a)に示す回路のクロック計数図であ
る。
【図13】図3に示すマトリクスの一部の拡大図であ
る。
【図14】(a)乃至(f)は、図8に示した集中制御
システムの動作のためのタイミング信号を示す図であ
る。
【図15】複数の集中補正信号を発生するための複数の
チャンネルを有する集中制御システムのブロック図であ
る。
【符号の説明】
40 補間手段 42 PLL・タイミング発生器 44 アドレス発生器 46 集中補正値の組を記憶する手段 90 垂直フォーマットの選択手段 48、50、52、54 ラッチ 56、58 乗算式デジタル−アナログ変換器
フロントページの続き (72)発明者 ロドリケス−カバゾス, エンリケ アメリカ合衆国 インデイアナ州 46236 インデイアナポリス ゴルフ・ コース・ドライブ 11852 (72)発明者 グライム, グンター ドイツ連邦共和国 7730 ビリンゲン オーベラー ゾネンブール 22 (72)発明者 シヨビン, ジヤーク ドイツ連邦共和国 7733 モンヒバイラ ー マルテイン ルター ストラーセ 21 (56)参考文献 特開 昭61−281791(JP,A) 特開 昭62−11388(JP,A) 特開 昭63−26174(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 9/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれの垂直走査の高さが異なる複数
    の垂直フォーマットの中からビデオ信号を表示するため
    の1つの垂直フォーマットを選択する手段と、 上記垂直フォーマットの各々に対する複数のラスタ位置
    に対応する異なる集中補正値の組を記憶する手段と、 を有し、 上記集中補正値の各組は、 上記異なる垂直フォーマット
    に従って異なる間隔で互いに垂直方向に隔てられた実質
    的に水平の格子線の異なる組を特定し、 さらに、 上記選択された垂直フォーマットに対応する上記記憶さ
    れた集中補正値の組を使用して、上記ラスタ位置の垂直
    方向に隔てられた位置相互間の中間集中補正値を重み付
    けされた係数を使用して生成する補間手段であって、1
    対の相補的な変調波形で制御されて、上記記憶された集
    中補正値の補間を行なう第1の乗算手段と第2の乗算手
    段とを有する上記補間手段と、 上記水平の格子線間の水平走査線数に従って上記相補的
    な変調波形の周期を調整するための手段と、 を含む複数の垂直フォーマット用集中制御システム。
  2. 【請求項2】 異なる垂直方向画像高さを有する複数の
    異なる垂直フォーマットの中からビデオ信号を表示する
    ための1つの垂直フォーマットを選択する手段と、 異なる組の集中補正値を記憶するデータ記憶装置と、 を有し、 上記集中補正値の各組は上記複数の垂直フォーマットの
    異なる1つの垂直フォーマットに対して選択され得る
    のであり且つ水平走査線と実質的に平行な格子線の異な
    る組を特定し、この異なる組の格子線は上記異なる垂直
    方向画像高さに従って互いに異なる間隔で垂直方向に隔
    てられており、 さらに、 上記データ記憶装置中の選択された任意の組の集中補正
    値から、上記格子線の垂直方向に隣り合う格子線相互間
    中のビデオ信号線に対する補間された中間集中補正値の
    組を重み付けされた係数を使用して生成する垂直補間手
    段であって、全体的に三角形状をなす1対の相補的な
    調波形によって制御されて、上記記憶された集中補正値
    の補間を行う第1の乗算手段と第2の乗算手段を有す
    る上記垂直補間手段と、上記水平の格子線間の水平走査線数に従って上記相補的
    な変調波形の周期を調整するための手段と、 上記データ記憶装置から選択された上記集中補正値の組
    からの集中補正値および上記垂直補間手段によって生成
    された上記補間された中間集中補正値の組を使用して、
    上記選択された垂直フォーマットの垂直方向画像高さに
    対して唯一的に適合する集中補正信号を生成する手段
    と、 を含む複数の垂直フォーマット用集中制御システム。
  3. 【請求項3】 上記相補的な変調波形は階段状波形であ
    る、請求項2に記載された複数の垂直フォーマット用集
    中制御システム。
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