JP3355022B2 - 樋吊り具 - Google Patents

樋吊り具

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JP3355022B2
JP3355022B2 JP08782494A JP8782494A JP3355022B2 JP 3355022 B2 JP3355022 B2 JP 3355022B2 JP 08782494 A JP08782494 A JP 08782494A JP 8782494 A JP8782494 A JP 8782494A JP 3355022 B2 JP3355022 B2 JP 3355022B2
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篤史 塚本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樋吊り具に関する。
【0002】
【従来の技術】図7に従来の樋吊り具Aを概略的に示し
てある。この樋吊り具Aは、吊り具本体1とこの吊り具
本体1を建屋側に固定するための固定具5とを備えてお
り、これらの吊り具本体1や固定具5は、帯板状の鋼材
に曲げ加工や孔穿け加工などの必要な加工を施すことに
より製作されている。吊り具本体1は、図8に示した軒
樋100を幅方向に横切って配置される杆体11と、杆
体11の先端部から斜め上向きに立ち上げられた係合片
2と、杆体11の基端部に設けられたコ字状の係止部3
とを備えている。そして、係合片2の上縁部には後方に
向けて曲成された突片21が設けられ、また、係止部3
には斜め下向きに突出されたガイド片31が設けられて
いる。さらに、杆体11には、上記係止部3に間隔を隔
てて対接されたばね板4が固着されている。固定具5は
釘や取付ねじの挿通孔61を備えた板片状の固定部6
と、上記杆体11に対する取付部51とを備えており、
取付部51が、ボルト・ナット(蝶ナット)、リベット
などの所定の止具7を用いて上記杆体11に取り付けら
れる。なお、止具7は、上記取付部51に開設されてい
る孔部52と上記杆体11に開設された長孔部12とに
通される。
【0003】上記樋吊り具Aを用いて軒樋100を取り
付けた状態を図8に示してある。同図のように、樋吊り
具Aは、固定具5の固定部6を鼻隠しなどの建屋側部材
200に釘やビスなどの留め具210で固着することに
より建屋側に取り付けられる。他方、軒樋100は、前
壁110の上縁部に具備されている筒状の前耳縁112
を形作っている下壁により形成された上側受部113
と、この上側受部113に対応して上記前壁110に具
備された下側受部114とを備えると共に、後壁120
の上縁部に後耳縁122を備えている。そして、軒樋1
00の上側受部113と下側受部114との間に上記樋
吊り具Aにおける吊り具本体1の係合片2を嵌め込み、
かつ、軒樋100の後耳縁122を上記吊り具本体1の
係止部3に嵌め込むことにより、軒樋100が樋吊り具
Aに取り付けられる。
【0004】従来の樋吊り具Aにおいては、図7や図9
や図10で判るように、上記係合片2の正面から見た形
状は矩形になっている。そして、この係合片2で軒樋1
00を支持させたときには、図8のように係合片2が軒
樋100の上側受部113と下側受部114とにより挾
み付けられて、軒樋100の上下方向でのがたつきが生
じないようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、軒樋100
を樋吊り具Aに取り付けるときには、軒樋100の上側
受部113および下側受部114を上記係合片2の上下
に嵌め込むという作業が行われ、また、嵌め込んだ後
で、係合片2に対し上側受部113や下側受部114を
滑らせて軒樋100を長手方向にずらせるという作業の
行われることがある。また、軒樋100を樋吊り具Aに
取り付けた後においては、軒樋100の熱伸縮などによ
って係合片2と上側受部113および下側受部114と
の間に相対的な位置ずれを生じることがある。
【0006】他方、従来の樋吊り具Aにおいて、固定部
6が正確に位置決めされて建屋側部材200に固着され
ていると、矩形の係合片2は左右に傾くことなく正面か
ら見て垂直な姿勢を保つ。したがって、図9のように、
軒樋100の上側受部113と下側受部114との垂直
間隔寸法H1に係合片2の垂直高さ寸法H2が適切に対
応し、係合片2に上側受部113と下側受部114とを
何ら支障を生じることなく嵌め込むことができ、しか
も、嵌め込んだときに上側受部113と下側受部114
とによって係合片2が挾み付けられて軒樋100のがた
つきが阻止される。また、この場合には、上述したよう
に軒樋100を長手方向にずらせたときや軒樋100に
熱伸縮が生じときでも、上側受部113や下側受部11
4が係合片2の上縁部22や下縁部23を滑ってそれら
の間での相対的な位置ずれがうまく吸収される。
【0007】これに対し、樋吊り具Aの固定部6が建屋
側部材200に正確に位置決めされていないとき、すな
わち樋吊り具Aが少し傾いて建屋側部材200に固着さ
れてしまった場合には、たとえば図10のように係合片
2が左右に傾いた状態になる。このように係合片2が傾
いていると、同図で判るように、軒樋100の上側受部
113と下側受部114との垂直間隔寸法H1よりも係
合片2の垂直高さ寸法H2が長くなり、係合片2に上側
受部113と下側受部114とを嵌め込むことができな
くなることがある。また、H1とH2との寸法差が小さ
ければ、上側受部113や下側受部114を無理やり変
形させてそれらを係合片2に嵌め込むことができないこ
とはないけれども、そのようにすると、上側受部113
と下側受部114とが嵌まり込んだ係合片2のコーナ部
24,25が上側受部113や下側受部114に強く圧
接する。このような状態のもとで、軒樋100が長手方
向にずらされたり軒樋100に熱伸縮が生じたりする
と、係合片2と軒樋100の上側受部113や下側受部
114との滑りが悪くなってそれらの間での相対的な位
置ずれがうまく吸収されなくなり、軒樋100が蛇行す
る。場合によっては上記コーナ部24,25が軒樋10
0の上側受部113や下側受部114に喰い込んで軒樋
100を傷付けるといった事態を生じる。係合片2に上
側受部113と下側受部114とを嵌め込めなくなった
り、無理やり嵌め込んだ上側受部113や下側受部11
4に係合片2のコーナ部24,25が喰い込んだりする
といった事態は、係合片2の横幅寸法W(図7参照)が
長いほど起こりやすい。
【0008】本発明は以上の事情の下でなされたもので
あり、樋吊り具が正確に位置決めされて固定部が傾斜す
ることなく建屋側部材に固着されている場合は勿論、樋
吊り具が少し傾いて建屋側部材に固着されてしまった場
合においても、樋吊り具の垂直位置からの位置ずれが許
容できる範囲であれば、係合片の横幅の広狭に関係な
く、軒樋の上側受部や下側受部を係合片に支障なく嵌め
込むことができ、しかも嵌め込んだ後で軒樋が長手方向
にずらされたり軒樋に熱伸縮が生じたりしたときでも、
係合片と軒樋の上側受部や下側受部とが滑ってそれらの
間での相対的な位置ずれがうまく吸収されるような樋吊
り具を提供することを目的とする。
【0009】また、本発明は、上記係合片が軒樋前壁の
上縁部に具備された筒状の耳縁に、その耳縁に具備され
た開口部を通して嵌め込まれるタイプの樋吊り具におい
ても、上記同様の作用を奏する樋吊り具を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明によ
る樋吊り具は、杆体の先端から上向きに立ち上げられた
係合片が、軒樋前壁に内側に向けて突出された上下一対
の受部の間に嵌め込まれる樋吊り具において、上記係合
片の上縁部が上方に張り出す湾曲形状に形成され、上記
係合片の下縁部と杆体の先端部が下方に張り出す湾曲形
状に形成され、樋吊り具の建屋側部材の固着状態にかか
わらず係合片の垂直寸法にそれほど大きな差異を生じな
いというものである。請求項2記載の発明による樋吊り
具は、杆体の先端から上向きに立ち上げられた係合片
が、軒樋前壁に内側に向けて突出された上下一対の受部
の間に嵌め込まれる樋吊り具において、上記係合片の上
縁部が上方に張り出す円弧形状に形成され、上記係合片
の下縁部と杆体の先端部が下方に張り出す円弧形状に形
成されているというものである。
【0011】
【作用】請求項1に記載した構成の樋吊り具のように、
係合片の上縁部が上方に張り出す湾曲形状に形成され、
係合片の下縁部と杆体の先端部とが共に下方に張り出す
湾曲形状に形成され、樋吊り具の建屋側部材の固着状態
にかかわらず係合片の垂直寸法に差異を生じなくされて
いると、樋吊り具が正確に位置決めされて傾斜せずに建
屋側部材に固着されている場合と、樋吊り具が少し傾い
て建屋側部材に固着されてしまった場合とで、係合片の
垂直高さ寸法にそれほど大きな差異が生じない。したが
って、樋吊り具が少し傾いて建屋側部材に固着されてし
まった場合においても、係合片に軒樋の上側受部と下側
受部とを嵌め込むことができなくなるほど係合片の垂直
高さ寸法が長くなることはなくなる。また、樋吊り具が
傾斜して固着されているか否かにかかわらず、係合片に
軒樋の上側受部と下側受部とを嵌め込んだときには、係
合片の上縁部と軒樋の上側受部との接触状態や、係合片
の下縁部及び杆体の先端部と軒樋の下側受部との接触状
態が一定の状態になる。すなわち、係合片の上縁部や下
縁部の湾曲した輪郭線の一部が軒樋の上側受部や下側受
部に接触する。このため、施工時に軒樋が長手方向にず
らされたり施工後に軒樋に熱伸縮が生じたりしたとき
に、係合片と軒樋の上側受部や下側受部とが滑ってそれ
らの間での相対的な位置ずれがうまく吸収される。
【0012】請求項2に記載した構成の樋吊り具のよう
に、係合片の上縁部が上方に張り出す円弧形状に形成さ
れ、上記係合片の下縁部と杆体の先端部とが共に下方に
張り出す円弧形状に形成されていると、樋吊り具が正確
に位置決めされて傾斜せずに建屋側部材に固着されてい
る場合と、樋吊り具が少し傾いて建屋側部材に固着され
てしまった場合とで、係合片の垂直高さ寸法にそれほど
大きな差異が生じなくなるので、樋吊り具が少し傾いて
建屋側部材に固着されてしまった場合においても、係合
片に上下一対の受部を嵌め込むことができなくなるほど
係合片の垂直高さ寸法が長くなることはない。
【0013】
【0014】
【実施例】図1は請求項1に記載した発明の実施例によ
る樋吊り具Aを概略的に示した分解斜視図であり、この
樋吊り具Aの基本的構成は図7で説明した従来例のもの
と同じである。すなわち、樋吊り具Aが吊り具本体1と
固定具5とを備えている点、吊り具本体1や固定具5が
帯板状の鋼材に曲げ加工や孔穿け加工などの必要な加工
を施すことにより製作されている点、吊り具本体1が杆
体11と、杆体11の先端部から斜め上向きに立ち上げ
られた係合片2と、杆体11の基端部に設けられたコ字
状の係止部3とを備えている点、係合片2の上縁部には
後方に向けて曲成された突片21が設けられている点、
係止部3に斜め下向きに突出されたガイド片31が設け
られている点、杆体11にばね板4が固着されている
点、固定具5が固定部6と取付部51とを備えている
点、取付部51が止具7を用いて杆体11に取り付けら
れる点、などは従来例のものと同じである。
【0015】次に、図1の樋吊り具Aの構造をさらに詳
細に説明する。吊り具本体1において、杆体11の左右
の端縁部には補強リブを兼用した位置決め用の立上り片
13,13が曲成されている。また、杆体11はそれ自
体の断面形状が下側に張り出した円弧形状になってい
る。したがって、杆体11は、それ自体の断面形状が円
弧形状になっていることと、上記立上り片13,13に
よる補強リブとしての作用とによりきわめて大きな曲げ
剛性を備えている。係合片2はその上縁部22が上方に
張り出す湾曲形状に形成されており、また、その下縁部
23が下方に張り出す湾曲形状に形成されている。ここ
で、係合片2の上縁部22や下縁部23の湾曲形状は、
共通の中心を持つ円弧形状であっても、別々の中心を持
つ同一または異なる曲率半径の円弧形状であっても、さ
らには非円弧形状の湾曲形状であってもよいが、図例の
係合片2の上縁部22や下縁部23の湾曲形状は共通の
中心を持つ円弧形状になっている。そして、係合片2の
突片21が係合片2の上縁部22と同一曲率半径の円弧
形状になっており、また、係合片2の下縁部23の円弧
形状が上記杆体11の円弧形状と同一曲率半径を有して
いる。上記突片21は絞り加工により形成されている。
また、杆体11と係合片2の下縁部との間のコーナ部に
内方に膨らみ出た補強リブ14を形成してそのコーナ部
を補強してある。他方、固定具5において、取付部51
はその断面形状を杆体11に重なり合う円弧形状にして
ある。
【0016】樋吊り具Aを用いて軒樋100を取り付け
た状態を図2に示してある。樋吊り具Aが、固定具5の
固定部6を鼻隠しなどの建屋側部材200に釘やビスな
どの留め具210で固着することにより建屋側に取り付
けられる点は、図7で説明したところと同様である。ま
た、軒樋100の構造についても、図7で説明したとこ
ろと同様である。したがって、軒樋100について、図
6で説明した部分と同一部分には同一符号を付して詳細
な説明を省略する。なお、この軒樋100は合成樹脂製
である。
【0017】建屋側部材200に取り付けられた樋吊り
具Aにおいて、係合片2には、軒樋100の上側受部1
13と下側受部114とが嵌め込まれている。また、係
止部3には、軒樋100の後耳縁122が嵌め込まれて
いる。
【0018】図2において、係合片2は軒樋100の上
側受部113と下側受部114とにより挾み付けられて
いて、軒樋100の上下方向でのがたつきが生じないよ
うになっている。
【0019】樋吊り具Aの固定部6が正確に位置決めさ
れて傾斜せずに建屋側部材200に固着されているとき
の係合片2に対する軒樋100の上側受部113や下側
受部114の嵌込み状態が図5に示され、樋吊り具Aの
固定部6が少し傾いて建屋側部材200に固着されてし
まったときの係合片2に対する軒樋100の上側受部1
13や下側受部114の嵌込み状態が図6に示されてい
る。既述したように、係合片2の上縁部22や下縁部2
3の湾曲形状は共通の中心を持つ円弧形状になっている
ので、図5の場合も図6の場合も係合片2の垂直高さ寸
法H2は同一長さになる。したがって、いずれの場合に
も、係合片2に対し、垂直間隔寸法H1を隔てた軒樋1
00の上縁部22や下縁部23を同じ状態で嵌め込むこ
とができ、嵌め込んだ後ではそれらの上縁部22や下縁
部23によって係合片2が挾み付けられて軒樋100の
上下のがたつきが防止される。
【0020】また、図5の場合には、上側受部113や
下側受部114が係合片2の上縁部22や下縁部23の
幅方向中央部分イ,ロだけに接触し、図6の場合には、
上側受部113や下側受部114が係合片2の上縁部2
2や下縁部23の幅方向中央部分から少し偏った部分
ハ,ニだけに接触する。そして、これらいずれの場合に
おいても、係合片2の上縁部22と軒樋100の上側受
部113との接触状態や、係合片2の下縁部23と軒樋
100の下側受部114との接触状態は同じ状態、すな
わち、係合片2の上縁部22や下縁部23の湾曲した輪
郭線の一部が軒樋100の上側受部113や下側受部1
14に接触した状態になる。このため、施工時に軒樋1
00が長手方向にずらされたり施工後に軒樋100に熱
伸縮が生じたりしたときに、係合片2と軒樋100の上
側受部113や下側受部114とが滑ってそれらの間で
の相対的な位置ずれがうまく吸収される。
【0021】この実施例では、軒樋100の上側受部1
13と下側受部114とが共通の中心を持つ円弧状に形
成されているので、係合片2が傾斜していない場合と傾
斜している場合とで、係合片2の上縁部22と軒樋の上
側受部113との滑り具合や係合片2の下縁部23と軒
樋100の下側受部114との滑り具合がまったく同じ
状態になってその滑り具合に差が生じない。したがっ
て、係合片2の傾きの有無が軒樋100の施工性や施工
後の軒樋100の熱伸縮吸収作用にまったく影響を与え
なくなるという利点がある。
【0022】図示していないけれども、係合片2の上縁
部22や下縁部23の湾曲形状が、別々の中心を持つ同
一または異なる曲率半径の円弧形状になっている場合
や、非円弧形状の湾曲形状になっている場合において
も、係合片2に対し、垂直間隔寸法H1を隔てた軒樋1
00の上側受部113や下側受部114をほゞ同じ状態
で嵌め込むことができ、嵌め込んだ後ではそれらの上側
受部113や下側受部114によって係合片2が挾み付
けられて軒樋100の上下のがたつきが防止される。ま
た、上側受部113や下側受部114と係合片2との接
触状態は図5や図6で説明したところと略同様になり、
施工時に軒樋100が長手方向にずらされたり施工後に
軒樋100に熱伸縮が生じたりしたときに、係合片2と
軒樋100の上側受部113や下側受部114とが滑っ
てそれらの間での相対的な位置ずれがうまく吸収され
る。
【0023】図3は請求項2に記載した発明の実施例に
よる樋吊り具Aの要部を概略的に示し斜視図、図4はこ
の樋吊り具Aの使用状態の要部を断面で示した説明図で
ある。
【0024】この樋吊り具Aは、吊り具本体1や図示し
ていない固定具が帯板状の鋼材に曲げ加工や孔穿け加工
などの必要な加工を施すことにより製作されており、吊
り具本体1が、軒樋を幅方向に横切って配設される杆体
11と、杆体11の先端部から段付部15を介して上向
きに立ち上げられた係合片2などを備えており、係合片
2の上縁部22には後方に向けて曲成された円弧形状の
突片21が設けられている。係合片2の上縁部22や下
縁部23は共通の中心を持つ円弧形状に形成されてい
る。固定具の構成や、樋吊り具Aが、固定具の固定部を
柱などの建屋側部材に釘やビスなどの留め具で固着する
ことにより建屋側に取り付けられる点などについては、
図1で説明したところと同様である。
【0025】図4で判るように、係合片2は軒樋100
の前耳縁112を嵌め込める大きさになっており、軒樋
100を取り付けるときには、前耳縁112に具備され
た開口部115を通してその前耳縁112が係合片2に
嵌め込まれ、このようにして係合片2に前耳縁112が
嵌め込まれると、係合片2が前耳縁112の上壁116
と下壁117とにより挾み付けられ、軒樋100の上下
方向でのがたつきが生じないようになる。なお、係合片
2を杆体11とは別体のものとすることが可能である。
すなわち、係合片2の金属薄板で製作し、それを杆体1
1に溶接などで固着しておくことが可能である。このよ
うにしておくと、前耳縁112の狭い開口部115を通
して係合片2を嵌め込みやすくなる。また、図示してい
ないけれども、内部に内壁(たとえば逆L字形の内壁)
が設けられており、その内壁で囲まれた空間が開口部に
つながっているような前耳縁については、その内壁の上
側部分が上壁に相当し、その上壁とそれに対向する前耳
縁の下壁とで係合片が挾まれる。
【0026】ここで、樋吊り具Aの固定部が正確に位置
決めされて傾斜せずに建屋側部材に固着されているとき
の係合片2に対する前耳縁112の上壁116や下壁1
17の嵌込み状態と、樋吊り具Aの固定部が少し傾いて
建屋側部材に固着されてしまったときの係合片2に対す
る前耳縁112の上壁116や下壁117の嵌込み状態
とを比べてみると、図示していないけれども、係合片2
の上縁部22や下縁部23が共通の中心を持つ円弧形状
になっているので、図5や図6で説明したところから類
推できるように、いずれの場合も係合片2の垂直高さ寸
法は同一長さになる。したがって、いずれの場合にも、
係合片2に対し前耳縁112を同じ状態で嵌め込むこと
ができ、嵌め込んだ後では前耳縁112の上壁116や
下壁117によって係合片2が挾み付けられて軒樋10
0の上下のがたつきが防止される。
【0027】また、前耳縁112が嵌まり込んだ係合片
2の上縁部22や下縁部23と前耳縁112の上壁11
6や下壁117との接触状態も、上記2つの場合に同じ
状態、すなわち、係合片2の上縁部22や下縁部23の
円弧形状の輪郭線の一部が前耳縁112の上壁116や
下壁117に接触した状態になる。このため、施工時に
軒樋100が長手方向にずらされたり施工後に軒樋10
0に熱伸縮が生じたりしたときに両者の相対的な位置ず
れがうまく吸収される。
【0028】この実施例では、係合片2の上縁部22と
下縁部23とが共通の中心を持つ円弧状に形成されてい
るので、係合片2が傾斜していない場合と傾斜している
場合とで、係合片2の上縁部22と前耳縁112の上壁
116との滑り具合や係合片2の下縁部23と前耳縁1
12の下壁117との滑り具合がまったく同じ状態にな
ってその滑り具合に差が生じない。したがって、建屋側
部材に固着された固定部の傾きの有無が軒樋100の施
工性や施工後の軒樋100の熱伸縮吸収作用にまったく
影響を与えなくなるという利点がある。
【0029】図示していないけれども、係合片2の上縁
部22や下縁部23を、別々の中心を持つ同一または異
なる曲率半径の円弧形状に形成することも、非円弧形状
の湾曲形状に形成することも可能である。これらの構成
を採用した場合においても、係合片2に対し耳縁112
をほゞ同じ状態で嵌め込むことができ、嵌め込んだ後で
は前耳縁112の上壁116や下壁117によって係合
片2が挾み付けられて軒樋100の上下のがたつきが防
止される。また、前耳縁112の上壁116や下壁11
7と係合片2の上縁部22や下縁部23との接触状態も
上述したところと略同様になり、施工時に軒樋100が
長手方向にずらされたり施工後に軒樋100に熱伸縮が
生じたりしたときに、係合片2と前耳縁112の上壁1
16や下壁117とが滑ってそれらの間での相対的な位
置ずれがうまく吸収される。
【0030】以上説明したすべての実施例においては、
樋吊り具が吊り具本体と固定具とにより構成され、係合
片が吊り具本体側に、固定部が固定具側にそれぞれ設け
られているけれども、本発明の樋吊り具においては、係
合片と固定部とが同じ部材に設けられているものであっ
てもよい。すなわち、杆体の後端部に固定部が設けら
れ、杆体の先端部に係合片が設けられているような樋吊
り具も本発明に含まれる。また、固定部は実施例で説明
したような建屋側部材の前面に固着されるものに限ら
ず、建屋側部材(たとえば母屋)の側面に釘打ちなどで
固着されるものであってもよい。
【0031】
【発明の効果】請求項1や請求項2に記載した発明の樋
吊り具によると、樋吊り具が傾斜していない場合と傾斜
している場合とで、係合片の垂直高さ寸法が略同じにな
るので、いずれの場合においても、係合片に軒樋の上側
受部や下側受部を嵌め込むことが可能である。また、係
合片の上縁部と軒樋の上側受部との滑り具合や、係合片
の下縁部と軒樋の下側受部との滑り具合が同じ状態にな
り、しかもその滑り具合は、軒樋が長手方向にずらされ
たときのずれや軒樋に熱伸縮が生じたときのずれをうま
く吸収できるものである。したがって、係合片が軒樋の
上側受部や、下側受部の下壁に喰い込んで軒樋を傷付け
るといった事態を生じるおそれがなくなるという効果が
ある。また、建屋側部材に樋吊り具が少し傾いて固着さ
れても、その傾きが係合片と軒樋の上側受部や下側受部
との滑り具合に影響を与えなくなるので、軒樋を施工し
やすくなるという効果がある。これらの効果は、係合片
の横幅の広狭に関係なく奏される。
【0032】
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載した発明の実施例による樋吊り
具を概略的に示した分解斜視図である。
【図2】図1の樋吊り具の使用状態を断面で示した説明
図である。
【図3】請求項2に記載した発明の実施例による樋吊り
具の要部を概略的に示した斜視図である。
【図4】図3の樋吊り具の使用状態の要部を断面で示し
た説明図である。
【図5】係合片を正面から見て示した本発明の作用説明
図である。
【図6】係合片を正面から見て示した本発明の作用説明
図である。
【図7】従来の樋吊り具を概略的に示した分解斜視図で
ある。
【図8】図7の樋吊り具の使用状態を断面で示した説明
図である。
【図9】従来の樋吊り具における係合片を正面から見て
示した作用説明図である。
【図10】従来の樋吊り具における係合片を正面から見
て示した作用説明図である。
【符号の説明】
A 樋吊り具 2 係合片 6 固定部 11 杆体 22 係合片の上縁部 23 係合片の下縁部 100 軒樋 110 前壁 113 上側受部 112 前耳縁(耳縁) 114 下側受部 115 耳縁の開口部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】杆体の先端から上向きに立ち上げられた係
    合片が、軒樋前壁に内側に向けて突出された上下一対の
    受部の間に嵌め込まれる樋吊り具において、上記係合片
    の上縁部が上方に張り出す湾曲形状に形成され、上記係
    合片の下縁部と杆体の先端部が下方に張り出す湾曲形状
    に形成され、樋吊り具の建屋側部材の固着状態にかかわ
    らず係合片の垂直寸法にそれほど大きな差異を生じない
    ことを特徴とする樋吊り具。
  2. 【請求項2】杆体の先端から上向きに立ち上げられた係
    合片が、軒樋前壁に内側に向けて突出された上下一対の
    受部の間に嵌め込まれる樋吊り具において、上記係合片
    の上縁部が上方に張り出す円弧形状に形成され、上記係
    合片の下縁部と杆体の先端部が下方に張り出す円弧形状
    に形成されていることを特徴とする樋吊り具。
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