JP3352306B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3352306B2
JP3352306B2 JP31981795A JP31981795A JP3352306B2 JP 3352306 B2 JP3352306 B2 JP 3352306B2 JP 31981795 A JP31981795 A JP 31981795A JP 31981795 A JP31981795 A JP 31981795A JP 3352306 B2 JP3352306 B2 JP 3352306B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プロセス
を用いた画像形成装置に関し、特に画像情報をデジタル
信号で扱うフルカラープリンタ等のような画像形成装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高速かつ低騒音の画像形成装置と
して、電子写真方式を採用したレーザビームプリンタが
ある。その代表的な用途は、感光体にレーザビームを当
てるか、当てないかにより、文字、図形等の画像を形成
する2値記録である。一般に、文字、図形等の記録は中
間調を必要としないので、2値記録方式によるプリンタ
に適し、プリンタの構造も簡単である。
【0003】ところで、2値記録方式でもあっても中間
調を表現できるプリンタがあり、ディザ法、濃度パター
ン法等を採用したものがよく知られている。しかし、周
知のように、ディザ法、濃度パターンを法等を採用した
プリンタでは、高解像度が得られない。
【0004】そこで、近年、記録密度を低下させずに高
解像度を得つつ、各画素において中間調画素を形成する
PWM方式が提案されている。この方式は、画像信号に
よってレーザビームを照射するパルス幅を変調すること
により、中間調画素を形成するもので、1画素ごとにレ
ーザビームのスポットにより形成されるドットの面積階
調を行なうことができ、記録すべき画素密度(記録密
度)を低下させることなく、同時に中間調を表現するこ
とができる。すなわち、PWM方式は、高解像度かつ高
階調性の画像を形成でき、従って、特に高解像度と高階
調性を必要とするカラーの画像形成装置には、欠かせな
いものとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このP
WM方式においても、画素密度をさらに高めていくと、
レーザビームのスポット径に対して画素幅が相対的に小
さくなるため、各画素間でのコントラストが十分に取れ
ず、また画素内でのPWM変調による階調も十分取るこ
とができないという問題点がある。
【0006】このため、解像度を向上するには、ビーム
スポット径をより小さくする必要がある。PWMに代え
て、前述の濃度パターン法等を画素密度を高めた上で用
いる場合や、単純に2値記録方式を用いる場合でも、そ
の経緯は同じで、ビームスポット径をより小さくする必
要がある。
【0007】ビームスポット径を小さくするためには、
レーザビームの波長を短くし、入射光のレーザビーム径
を大きくする必要があるが、この方法によると、装置の
大型化、高価格化を招く。また焦点深度も狭くなるた
め、感光体の機械的精度の限界により、感光体上に画像
ドットを安定形成することが困難である。従って、これ
らの問題点を解消しない限り、採用し得ない。
【0008】高解像度を図る他の方法として、たとえば
特開平1−169454号に述べられている、いわゆる
高γの感光体によってレーザビームの光量分布の裾の部
分に対する感度を減少させて、高解像度を得ることが提
案されている。
【0009】しかし、この方法だけによると、感光体の
感度が光量によって一定でないため、光量によっては十
分な潜像が得られなかったり、光量分布の裾の部分の電
位が大きく減少し、潜像のドット形状が大きくなる等の
現象が生じる。つまり、感光体を単に高γのものに置き
換えただけでは、高解像度の効果が得られない。
【0010】本発明の目的は、感光体上における実質的
に有効なレーザビームのスポット径をより小径化するこ
とができ、濃度と階調性を保ち、高解像度のデジタル画
像の再現性をより向上して、高品質な画像を得ることが
できる画像形成装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明にかか
る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明
は、レーザビームを感光体上でビームスポットとして結
像し、このビームスポットを感光体に対し相対的に移動
して走査し、感光体上に静電潜像を形成するデジタル方
式の画像形成装置において、前記感光体として、低光量
において光感度が小で電位減衰量が小さく、光量が増加
するに従い光感度が増大して、電位減衰量が増加する感
度区間を有する光量−帯電電位減衰特性をもつ感光体を
用い、レーザビームの光量分布のピーク位置の光量をE
0、裾の位置の光量をE1とし、その光量を前記光量−
帯電電位減衰特性に適用して得られる電位減衰量をそれ
ぞれΔV0、ΔV1としたときに、 (ΔV0/E0)/(ΔV1/E1)=α なるαが1<α且つ最大となるように、光量E0を設定
することを特徴とする画像形成装置である。
【0012】本発明によれば、前記裾の位置の光量E1
がE0に対し、自然対数の底をeとして、 1/e2×E0≦E1≦1/e0.5×E0 の範囲とされ、好ましくは、光量E1がE0の40%で
ある。
【0013】さらに、感光体の帯電電位Vd に対しレー
ザビームの光量分布のピーク値で露光して得られる電位
減衰量をコントラスト電位Vcontとしたとき、前記光量
E0の決定法を感光体の帯電電位を変化させる範囲全体
に対して適用して、コントラスト電位Vcontの変化範囲
に対応するVd とE0とを決定し、必要とされる任意の
コントラスト電位に対応する帯電電位Vd とE0とを得
るようにすることができる。
【0014】
【発明の実施の態様】以下、図面を参照して本発明の実
施例を詳細に説明する。
【0015】ここで、本明細書において、以下の用語
は、SI単位系での次元を次の通り定義する。
【0016】 発光強度 :[J/sec ](=W ) 発光強度分布:[J/sec/m2](=W/m2) 総光量 :[J ] 光量、光量分布(主に分布形状を指す)、〜の位置での
光量、光量分布のピーク値など:[J/m2
【0017】図7は、本発明が適用可能な画像形成装置
の一例を示す断面図で、デジタル電子写真方式のレーザ
プリンタを示す。図8は、図7のプリンタに設置された
レーザビームスキャナ部分を示す概略構成図である。
【0018】本レーザプリンタは、矢印方向に回転する
電子写真感光体(感光ドラム)43を備え、この感光体
43の周囲に、帯電器44、現像器41、転写帯電器4
0、分離帯電器50、クリーニング器42および前露光
ランプ51が配設され、感光体43の上方にレーザスキ
ャナLSが配設されており、これら帯電器44等により
画像形成手段が構成されている。
【0019】被複写原稿は、CCD等の光電変換素子を
有する原稿読み取り装置(図示せず)で読み取られ、画
像信号として出力される。この画像信号によりレーザビ
ームスキャナLSのレーザドライブ回路(発光信号発生
器)101を駆動し、半導体素子102を明滅してレー
ザビームLを放射させる。そのレーザビームLの光束を
コリメータ103、ポリゴンミラー104、fθレンズ
105を介して、感光体43の表面上にスポット状に結
像するとともに、感光体43の表面上を走査することに
より、感光体43の表面上に静電潜像が形成される。
【0020】感光体43は帯電器44により均等に帯電
した後、上記のレーザビームLによる潜像の形成が行な
われる。この潜像は現像器に41によって現像して、ト
ナー像として可視化される。
【0021】一方、カセット48から紙等の転写材が取
り出され、給紙ガイド45、給紙ローラ46等を経て、
感光体43と転写帯電器44とが対向した転写部に供給
される。感光体43上に形成されたトナー像は、転写部
において転写帯電器40の作用により転写材上に転写さ
れる。トナー像が転写された転写材は、分離帯電器50
により感光体43から分離して定着器47に送られ、そ
こでトナー像を転写材に定着して、プリント画像とされ
る。
【0022】本発明では、感光体43として、図1
(a)に示されるように、低光量において光感度が小で
電位減衰量が小さく、光量が増加するに従い光感度が増
大して、電位減衰量が増加する感度区間を有する光量−
帯電電位減衰特性(E−V特性)を持つ感光体を用い
る。レーザビームのスポットは、図1(b)で示される
ような、ガウス分布に近似した発光強度分布を有し、こ
れが短時間内に照射されることにより、ほぼ同様のガウ
ス分布に近似した光量分布を形成する。
【0023】上記の光量分布を有するレーザビームで感
光体の表面を露光すると、感光体の表面近傍に、図1
(a)のE−V特性に従い、図1(c)の電位減衰曲線
1で示されるような電位の潜像(潜像スポット)が形成
される。図1(c)において、破線の曲線2は、図1
(b)のレーザ光量分布を示す曲線と同じもので、潜像
の電位減衰曲線1の形状がレーザ光量分布の形状から変
化している様子を示すために、参考として加えた。図1
(c)において、縦軸の電位減衰量のスケールと光量の
スケールは、電位減衰量分布の最大値とレーザ光量分布
の最大値が同一となるように示してある。
【0024】図1(a)および(b)に示されるよう
に、レーザビーム光量分布の裾の部分がE−V特性の低
感度領域に相当するため、潜像の電位減衰曲線1は裾の
部分の減衰量が小さくなり、その結果、潜像のスポット
径(図1(c)の電位減衰曲線1)がレーザビームのス
ポット形状よりも実質的に小さい潜像が形成される。つ
まり、高解像化が達成される。
【0025】しかし、以下に示すように、潜像スポット
の高解像化とともに、コントラスト電位Vcontを確保す
るためには、より適切な手段を講じる必要があることが
見い出された。ここで、コントラスト電位Vcontとは、
感光体の帯電電位Vd に対し光量分布のピーク値で露光
して得られる電位減衰量であり、図2(c)に符号32
で一例を示す。環境変動等に従い適切な現像性を確保す
るためには、コントラスト電位Vcontを可変値として、
所望の値が必要となるものである。
【0026】まず、高解像化には適切な範囲の光量が必
要であることについて、図2(a)〜(c)により説明
する。まず、照射するレーザビームの発光強度の大きさ
の違いにより、潜像の形状が変化する。図2(a)は、
ある帯電電位Vd1で帯電した場合のE−V特性を示した
ものである。このE−V特性に対し、図2(b)に示す
ように、発光源の発光強度を変えて、光量11、12、
13というように光量を変化させた場合、図2(c)に
示すように、潜像スポット21、22、23というよう
に潜像スポット形状が変化する。
【0027】光量11のときは、光量分布のピーク値1
1aが図2(a)のE−V特性の低感度領域に相当する
ため、電位減衰が小さ過ぎて潜像スポット21で示され
るように、潜像が高解像化されず、また十分なコントラ
スト電位Vcontも得られない。
【0028】光量13のときは、光量分布のピーク値1
3aと裾部分の双方は、図2(a)のE−V特性の高感
度領域に相当するため、潜像スポット形状が潜像スポッ
ト23のように大きくなり、潜像の高解像化がなされな
い。
【0029】これに対し、光量12のときは、高解像の
潜像スポット22が得られている。このように、あるE
−V特性に対して、潜像の高解像化のための適切な光量
範囲があり、この範囲の光量で露光することにより、潜
像の高解像化が可能であることが分かる。
【0030】一方、光量の違いに従い、コントラスト電
位Vcontが変化する。しかし、光量には、上記のよう
に、高解像化のためにE−V特性に応じた適切な範囲が
あるので、光量のみを調節してコントラスト電位Vcont
を所望値にしたのでは、高解像化が達成できないことが
ある。そこで、所望のコントラスト電位Vcontが得られ
るように、感光体の帯電電位Vd を調整し、かつ高解像
化が可能な範囲に光量を調整することが望ましい。この
ような手法により、必要なコントラスト電位Vcontの確
保および高解像化が達成可能である。
【0031】この手法を、図3(a)〜(c)の例を用
いて示す。図3(a)は、図2(a)のVd1と異なる帯
電電位Vd2で帯電した場合のE−V特性を示す(帯電電
位Vd1で帯電した場合のE−V特性(図2(a))を参
考に点線で示す)。図2(b)の光量12とは異なる図
3(b)の光量15による露光により、図3(c)に示
すように、潜像スポット25が得られて、潜像の最適な
高解像化が行なわれ、また図2(c)のコントラスト電
位32とは異なる電位35のように、所望のコントラス
ト電位が得られる。
【0032】以上の例から理解されるように、感光体の
帯電電位が異なるごとに、高解像化に適した光量範囲が
異なるので、所望のコントラスト電位に応じて、帯電電
位と光量範囲を与える方法により、高解像化とコントラ
スト電位確保の2つを両立することが実現できる。
【0033】以下、コントラスト電位に応じた帯電電位
と光量範囲の決定法について説明する。E−V特性曲線
の形状は、帯電電位ごとに、また材料ごとに異なる。そ
こで以下のようにする。
【0034】図4(a)に示すように、略ガウス分布状
をなすレーザビームの光量分布のピーク位置の光量をピ
ーク光量E0とし、E0よりも小さい裾の位置の光量を
裾の光量E1とする。裾の光量E1としては、ピーク光
量E0の14〜61%、好ましくはE0の40%とする
と効果的である。この裾の光量E1を用いて以下に示す
条件式を満たすように、最適な光量範囲を規定する。
【0035】たとえば図1(a)のようなE−V特性の
感光体に図4(a)の光量分布のレーザビームを露光
し、図4(b)に示すように、電位減衰量曲線3が得ら
れたとき、光量E0、E1に対応する電位減衰量をそれ
ぞれΔV0、ΔV1とする。図4(b)には、参考のた
めに図4(a)の光量分布を、ΔV0とE1とが同じ高
さになるようにして、破線4で示してある。
【0036】ΔV0とE0の比ΔV0/E0は、ピーク
位置でのビームスポットに対する潜像スポットの大きさ
の比と見ることができ、同様に、ΔV1/E1は、裾の
位置でのビームスポットに対する潜像スポットの大きさ
の比と見ることができる。もとのレーザビームスポット
形状に対する潜像スポット形状の変化(減少)が、潜像
スポットの裾の位置よりもピーク位置で小さい場合、上
記E−V特性により潜像スポットが小径化されていると
いうことがわかる。
【0037】すなわち、 (ΔV0/E0)>(ΔV1/E1) ・・・・・・(1) のとき、潜像スポットが小径化されている。あるいは、
両辺をΔV1/E1で割って、 (ΔV0/E0)/(ΔV1/E1)>1 ・・・・・・(2) としても同様である。
【0038】式(2)において、左辺の値が1より大き
く、かつその程度が大きければ大きいほど、小径化の効
果が大きい。そこで、式(2)の左辺を指標αとして、 (ΔV0/E0)/(ΔV1/E1)=α>1 ・・・・・・(3) とする。
【0039】式(3)のように、α>1となるように光
量を決定することにより、潜像スポットを小径化でき、
αが最大となるように光量を決定すると、小径化が最大
となる。
【0040】図5に、ピーク位置の光量E0に対しαが
どのように変化するかの一例を示す。上記E−V特性に
従った場合、レーザビームの光出力が小さい範囲では、
光量分布のピーク光量E0と裾の光量E1の双方が低感
度領域にあるため、αは小さくなる。光出力が大きくな
ると、ピーク光量が高感度領域にあり、裾の光量が低感
度領域にあるため、αは大きくなる。光出力が余り大き
くなると、ピーク光量と裾の光量の双方が高感度領域に
あるため、αは小さくなる。従ってαが大きくなるよう
に、好ましくはαが十分大きくなるように、発光強度を
選択することが望ましい。
【0041】このようにして、ある帯電電位でのE−V
特性における適切な光量E0が決定され、同時にその光
量におけるコントラスト電位Vcontが定まる。そして、
このような光量およびコントラスト電位の決定法を、感
光体の帯電電位Vd を変化させる範囲全体に対して適用
し、VcontとVd とE0各々の関係を決定する。この結
果、必要とされるコントラスト電位Vcontに対応する帯
電電位Vd と、ビームスポットの小径化に適切な光量E
0が得られる。
【0042】さらにまた、感光体のE−V特性曲線の形
状が帯電電位によって変化する場合も、このような決定
法を用いることにより、必要とされるコントラスト電位
Vcontに対応する帯電電位Vd と、ビームスポットの小
径化に適切な光量E0が得られる。
【0043】上記では、裾の光量E1をピーク光量E0
の14〜61%としたが、自然対数の底eを使用して表
記すると、14%は1/e2 に、61%は1/e0.5
ほぼ相当する。
【0044】ガウス分布をとる光量分布において、ピー
ク位置からピーク光量E0の1/e2 の光量になる裾の
位置までを半径(片方の裾から反対側の裾までを直径)
として、ガウス分布光量のビームスポット径と定義する
ことができる。このビームスポット径を直径とし、光量
がE0一定の円柱状の光量分布を空間全領域について積
分した総光量は、ガウス分布の光量分布を同様に積分し
た総光量と同一となる。つまり、あるガウス分布光量に
ついて、ピーク光量の1/e2 の光量の位置をスポット
径とした場合、そのスポット径の大きさの円柱状の光量
分布と、ガウス分布の光量分布とは概ね等価であると考
えられる。
【0045】従って、小径化のためには、少なくとも1
/e2 よりも小さい光量の裾の外側をカットあるいは低
減した形状の光量分布にすることが有効で、上記した本
発明の方法は、E−V特性を利用して、潜像のスポット
形状においてこのような分布をすることを実現してい
る。
【0046】さらに望ましくは、1/e2 より大きい光
量であるビーム中心側の裾部分をカットすれば、より小
径化スポットとすることができるが、ビーム中心寄りの
位置を裾とみなしてカットしようとすると、光量分布と
潜像スポットの電位分布の形状の差異がより大きくな
り、わずかな光量変動に対して潜像の電位分布が不安定
になる。そのため、潜像のスポット径の安定を考慮した
上で、ある程度ビーム中心に近い位置までを裾の位置と
規定することが好ましい。
【0047】ガウス分布の最も勾配の大きい位置は、ピ
ーク光量E0の1/e0.5 の光量の位置である。従って
この光量の位置は、光量変動による位置変化が小さいた
め、この位置の近傍で裾をカットすれば、光量変動によ
るスポット径の変化は比較的少ない。
【0048】これらのことから、裾の光量E1を、 1/e2 ×E0≦E1≦1/e0.5 ×E0 ・・・・・・(4) の範囲とする。
【0049】このE0、E1の関係において、式(3)
のα>1、好ましくはαが最大となるように、光量E0
を決定することにより、潜像スポットが小径化されるこ
とになる。
【0050】E0に対しE1を、1/e2 ≒14%、1
/e0.5 ≒61%であるので、この14%〜61%の中
間値のE0の40%として規定すると、潜像スポットの
小径化効果と潜像スポットの安定化の両方を適切に考慮
したことになるので、特に効果的である。
【0051】本発明の方法をPWM変調方式等に適用す
る場合の注意を述べれば、次のようである。
【0052】PWM変調方式は、発光時間によりデジタ
ル画像の1画素内の階調を制御する方式であるため、P
WM変調によるレーザビーム走査の場合、図1(b)の
光量は、レーザビームの走査速度と照射する発光強度に
よって相対的に決まる光量分布であり、実際の光量は、
レーザ発光源の発光強度分布が走査に従って走査方向に
移動しながら、順次積分されて増加する。
【0053】この様子を図6に示す。図6は、時間経過
に従い光量が増加する状態を表している。レーザビーム
スポットの小径化が特に必要となる走査の初期において
は、光量分布は、図の通り、ガウス分布とほとんど同一
形状の分布となる。そこで、図6で示されるように、光
量分布のピーク値が時間経過に従い増加していき、ピー
ク値が最大値で一定となった時点での光量分布を、図1
(b)の光量分布と概ね同一とみなして、本発明の方法
を適用する。
【0054】また、強度変調方式においては、画像信号
の大きさに従い1画素を露光する発光強度分布を変化さ
せて階調を表現するので、1画素を露光する最大発光強
度によって得られる光量分布を図1(b)の光量分布と
する。また、ON−OFFの2値で記録する場合には、
そのまま1画素の光量分布を図1(b)の光量分布とし
て、本発明の方法を適用する。
【0055】なお、光量は以下の式 光量[J/m2]=発光強度[J/sec ]×レーザビーム走査時間[sec ] ÷感光体上を走査した面積[m2] ・・・・・・(5) で表されるので、レーザビーム走査時間と感光体上を走
査した面積を変更する場合には、式(5)で得られる光
量に対して、本発明を適用する。
【0056】また、本発明中における光量分布は、実質
的にトナーによる現像が行なわれる前の光量の値を指し
ており、たとえば前露光によってあらかじめ感光体に露
光が行なわれている場合は、前露光と1画素の露光を合
算して得られる光量に、本発明の方法を適用する。ま
た、デジタル画像のデータと装置内の発光強度を共に変
更して、実質的に等価な光量が得られる方法、たとえば
画像処理でデジタルデータを1/2にし、発光強度を2
倍とする等の方法が、本発明内に含まれることは明らか
である。
【0057】本発明は、図9あるいは図10のような画
像形成装置にも適用することができる。
【0058】図9の画像形成装置は、多重現像により感
光体上に直接トナー像を重ね合わせて形成し、それを一
括して転写材に転写してカラー画像を得るようになって
おり、近年、提案され、検討されている多重現像一括転
写式の電子写真装置である。
【0059】この方式では、帯電器44によって感光体
43上を均一に帯電した後、レーザスキャナLSによっ
てレーザビームLを照射して、感光体43の表面に潜像
をレーザビームの照射された部分として書込み、潜像を
これに応じた色の現像器41Y〜41Cまたは41Y〜
41Kにより反転現像する。このプロセスをマゼンタ、
シアン、イエローの3色またはブラックを加えた4色分
繰り返し、感光体43上に3色または4色のトナー像を
重ね合わせて形成する。
【0060】次いで、複数色のトナー像を転写帯電器4
0によって給紙カセット48から供給された紙等の転写
材上に一括転写した後、その転写材を分離帯電器50に
より分離して定着器47に送って定着し、フルカラーの
プリント画像を得るものである。
【0061】感光体43は、クリーニング器42により
残留トナーを除去し、前露光ランプ(図示せず)により
残留電荷を除いて、次の画像形成に備えられる。
【0062】この画像形成装置においても、上述したの
と同様に、(ΔV0/E0)/(ΔV1/E1)=α>
1となるように、光量E0を決定して、所望のコントラ
スト電位の確保と潜像の高解像化を達成し、高品質なデ
ジタル画像を実現することができる。
【0063】図10の画像形成装置は、複数個の感光体
の各々で各色のトナー像を形成し、それを転写材に1つ
づつ重ね合わせて転写してカラー画像を得る多重ドラム
方式の電子写真装置で、本例では、レーザビームプリン
タとされている。
【0064】無端回動する搬送ベルト49上に複数個の
感光体として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シア
ン(C)、ブラック(K)用の4つの感光体43Y、4
3M、43C、43Kが並設されている。各感光体43
Y、43M、43C、43Kのそれぞれの回りに、レー
ザビームスキャナ80Y、80M、80C、80K、現
像器41Y、41M、41C、41K、転写帯電器40
Y、40M、40C、40K、クリーニング器42Y、
42M、42C、42Kが配置され、感光体43Y、4
3M、43C、43K上にそれぞれイエロー、マゼン
タ、シアン、ブラックのトナー像が形成される。
【0065】給紙カセット48から転写材が取り出さ
れ、給紙ガイド45、給紙ローラ46等を経た後、図示
しない吸着帯電器によりコロナ放電を受け、転写材が搬
送ベルト49上に静電的に吸着、担持される。搬送ベル
ト49上に担持された転写材は、搬送ベルト49の回動
により感光体43Y〜43Kと対向した転写部に順次搬
送される。そして、感光体43Y、43M、43C、4
3Kの各転写部において、それぞれイエロー、マゼン
タ、シアン、ブラックのトナー像が、転写帯電器40
Y、40M、40C、40Kにより重ね合わせて転写さ
れる。4色のトナー像を転写された転写材は、図示しな
い除電器により搬送ベルト49から分離されたのち定着
器47に送られ、そこでトナー像が定着されて、フルカ
ラーのプリント画像とされる。
【0066】この多重ドラム方式の画像形成装置では、
フルカラー画像の高速出力を主たる目的として、上記し
たように、レーザスキャナや感光体を複数個配置してい
るが、この場合、これらの機械的精度等の限界から、図
7や図9の画像形成装置よりも、潜像スポットの解像性
をさらに高くすることが重要である。
【0067】本発明によるレーザビーム光量の決定法に
よれば、潜像スポットの解像性向上を容易に図ることが
できるので、多重ドラム方式の画像形成装置でも、所望
のコントラスト電位の確保および潜像の高解像化を達成
して、同様に、高品質なデジタル画像を得ることができ
る。
【0068】以上の実施例では、主にデジタル複写機を
例にとって本発明を説明したが、同様なデジタルの電子
写真プロセスをとる画像形成装置ならば、本発明を等し
く適用することができる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、低光
量において光感度が小、電位減衰量が小で、光量の増加
に従い光感度が増大、電位減衰量が増加の感度区間を有
するE−V特性(光量−帯電電位減衰特性)を持つ感光
体を用い、レーザビーム光量分布のピーク位置の光量E
0、裾の位置の光量E1と、これをE−V特性に適用し
て得られる電位減衰量ΔV0、ΔV1とにつき、(ΔV
0/E0)/(ΔV1/E1)=α>1、且つ、αが最
大となるように、レーザビームの光量E0を決定するの
で、コントラスト電位Vcontに対応する帯電電位V
dと、ビームスポットの小径化に適切な光量E0が決定
される。従って、所望のコントラスト電位の確保と潜像
の高解像化を達成して、濃度と階調性を保ち、高解像度
のデジタル画像の再現性をより向上することができ、高
品質なデジタル画像を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための、感光体のE−
V特性、レーザビームの光量分布および潜像スポットの
形状の関係を示す説明図である。
【図2】ある帯電電位の感光体のE−V特性のときの、
レーザビームの光量分布の違いよる潜像スポット形状の
違いを示す説明図である。
【図3】帯電電位を変えた感光体のE−V特性のとき
の、レーザビームの光量分布の違いよる潜像スポット形
状の違いを示す説明図である。
【図4】レーザビームの光量分布と潜像スポットの小径
化の間の指標αを示す説明図である。
【図5】図5の指標αのピーク光量E0に対する変化を
示す説明図である。
【図6】レーザ発光源による走査でレーザビーム光量が
時間経過に従い増加することを示す説明図である。
【図7】本発明が適用可能な画像形成装置の一例のレー
ザプリンタを示す断面図である。
【図8】図1のプリンタのレーザビームスキャナ部分を
示す概略構成図である。
【図9】本発明が適用可能な画像形成装置の他の例を示
す断面図である。
【図10】本発明が適用可能な画像形成装置のさらに他
の例を示す断面図である。
【符号の説明】 43 感光体 43Y〜43K 感光ドラム 44 帯電器 44Y〜44K 帯電器 80Y〜80K レーザスキャナ 101 レーザドライブ回路 L レーザビーム LS レーザスキャナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/04 B41J 2/44 G03G 15/043

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザビームを感光体上でビームスポッ
    トとして結像し、このビームスポットを感光体に対し相
    対的に移動して走査し、感光体上に静電潜像を形成する
    デジタル方式の画像形成装置において、 前記感光体として、低光量において光感度が小で電位減
    衰量が小さく、光量が増加するに従い光感度が増大し
    て、電位減衰量が増加する感度区間を有する光量−帯電
    電位減衰特性をもつ感光体を用い、レーザビームの光量
    分布のピーク位置の光量をE0、裾の位置の光量をE1
    とし、その光量を前記光量−帯電電位減衰特性に適用し
    て得られる電位減衰量をそれぞれΔV0、ΔV1とした
    ときに、 (ΔV0/E0)/(ΔV1/E1)=α なるαが1<α且つ最大となるように、光量E0を設定
    することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記裾の位置の光量E1がE0に対し、
    自然対数の底をeとして、 1/e2×E0≦E1≦1/e0.5×E0 の範囲である請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記裾の位置の光量E1がE0の40%
    である請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 感光体の帯電電位Vdに対しレーザビー
    ムの光量分布のピーク値で露光して得られる電位減衰量
    をコントラスト電位Vcontとしたとき、前記光量E
    0の決定法を感光体の帯電電位を変化させる範囲全体に
    対して適用して、コントラスト電位Vcontの変化範
    囲に対応するVdとE0とを決定し、必要とされる任意
    のコントラスト電位に対応する帯電電位VdとE0とを
    得る請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装
    置。
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