JP3347257B2 - 車両用スライドドアの開閉装置 - Google Patents

車両用スライドドアの開閉装置

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JP3347257B2
JP3347257B2 JP10347896A JP10347896A JP3347257B2 JP 3347257 B2 JP3347257 B2 JP 3347257B2 JP 10347896 A JP10347896 A JP 10347896A JP 10347896 A JP10347896 A JP 10347896A JP 3347257 B2 JP3347257 B2 JP 3347257B2
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sliding door
slide
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治久 川瀬
安志 水谷
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Toyota Auto Body Co Ltd
Toyoda Gosei Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のボディに沿
ってスライドし、ボディ開口部を開閉する車両用スライ
ドドアの開閉検出装置および開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、バスやいわゆるワンボックス
カーでは、乗員の昇降口を大きく開閉して昇降の便を向
上させ、その際にできるだけドアをボディから離さない
ようにするために、車両のボディに沿ってスライドする
スライドドアが用いられている。そして、近年では、こ
のスライドドアをモータ等を用いて自動開閉するドア開
閉装置や、スライドドアがボディ開口部の全閉される全
閉位置の手前に位置していわゆる半ドアの状態となる
と、スライドドアを全閉位置まで駆動するドア開閉装置
等が普及しつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなドア開閉装
置にあっては、スライドドアの閉鎖動作中に何らかの異
物を挟み込まないよう種々の工夫がなされている。
【0004】本発明は、スライドドアの閉鎖に際しての
異物の挟み込みの不具合の回避に有益な新たな開閉検出
装置と開閉装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる課題を解決するため、本発明の車両用スライドドア
の開閉装置は、車両のボディに沿ってスライドし、ボデ
ィ開口部を開閉するスライドドアを有する車両用スライ
ドドアの開閉装置であって、前記スライドドアが前記ボ
ディ開口部を全閉する全閉位置の手前の半閉鎖位置にあ
ることを検出する半ドア検出手段と、該半ドア検出手段
により前記スライドドアが前記半閉鎖位置にある半ドア
状態が検出されると、前記スライドドアを前記半閉鎖位
置から前記全閉位置まで駆動するドア全閉手段と、前記
ボディ開口部におけるボディ側周縁又は該周縁に対向す
る前記スライドドアのドア側周縁に異物が接触して存在
すると所定の信号を発する異物検出手段と、前記所定の
信号が発せられると、前記ドア全閉手段によるスライド
ドアの駆動を禁止する駆動禁止手段とを備え、前記異物
検出手段は、前記ボディ側周縁又はドア側周縁に沿って
延びる中空間隙を有する中空体を、該中空体よりも硬質
の材料で形成されている取付基部によって、前記ボディ
側周縁または前記ドア側周縁に設置して備えると共に、
前記中空体の中空間隙内において絶縁間隔を隔てて対向
して設けられた第1および第2導電部と、該第1,第2
導電部が接触したときに前記所定の信号を発する信号生
成手段とを備えている。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】上記構成を有する本発明の車両用スライド
ドアの開閉装置では、スライドドアが全閉位置の手前の
半閉鎖位置にあることが半ドア検出手段により検出され
ると、ドア全閉手段により、スライドドアはこの半閉鎖
位置から全閉位置まで駆動される。しかし、半閉鎖位置
にあるスライドドアが一律に全閉位置まで駆動されるわ
けではなく、ボディ側周縁又はドア側周縁に異物が接触
して存在する場合には、スライドドア駆動は次のように
なる。
【0013】本発明の車両用スライドドアの開閉装置は
異物検出手段を有し、この異物検出手段は、前記ボディ
側周縁又はドア側周縁に沿って延びる中空間隙を有する
中空体を、その中空体よりも硬質の材料で形成されてい
る取付基部によって、前記ボディ側周縁または前記ドア
側周縁に設置して備えると共に、前記中空体の中空間隙
内において絶縁間隔を隔てて対向して設けられた第1お
よび第2導電部と、該第1,第2導電部が接触したとき
に前記所定の信号を発する信号生成手段とを備える。そ
して、前記スライドドアが前記全閉位置の手前の半閉鎖
位置にある状態で、前記ボディ側周縁またはドア側周縁
に異物が接触して存在すると、前記中空体は前記異物に
押されて前記第1,第2導電部が接触し、信号が発せら
れてスライドドアの全閉動作が禁止されるものである。
従って、上記のように半閉鎖位置にあるスライドドアを
全閉位置まで駆動する際に、異物がボディ側周縁又はド
ア側周縁が接触して存在してない場合にだけスライドド
アが全閉される。また、スライドドアが半閉鎖位置まで
スライドされた状態であっても、異物が存在していなけ
れば、ボディ側周縁又はドア側周縁に沿って延びる中空
体の中空間隙内で対向する第1,第2導電部は接触しな
い。その一方、異物がボディ側周縁又はドア側周縁に接
触して存在している場合にスライドドアがこの半閉鎖位
置にあると、中空体は異物に押され、第1,第2導電部
は接触する。このため、第1,第2導電部の接触を通し
て、信号生成手段により、異物がボディ側周縁又はドア
側周縁に接触して存在する旨の所定の信号が発せられ
る。つまり、本発明の車両用スライドドアの開閉装置で
は、異物がボディ側周縁又はドア側周縁が接触して存在
したままスライドドアが半閉鎖位置にスライドされる
と、異物がボディ側周縁又はドア側周縁に接触して存在
することが、異物による中空体の押圧,第1および第2
導電部の接触,所定の信号の生成を通して直接的に検知
される。そして、この所定の信号が発せられると、駆動
禁止手段により、ドア全閉手段によるスライドドアの駆
動が禁止される。このため、半閉鎖位置にあるスライド
ドアを全閉位置まで駆動する際に、異物がボディ側周縁
又はドア側周縁に接触して存在すると、半閉鎖位置から
全閉位置へのスライドドアの駆動は禁止され、スライド
ドアは半閉鎖位置に留まったままとなる。この結果、本
明の車両用スライドドアの開閉装置によれば、異物を
挟み込んだままスライドドアを半閉鎖位置から全閉位置
に駆動してしまうという不具合を回避することができ
る。なお、異物がボディ側周縁又はドア側周縁が接触し
て存在したままスライドドアが半閉鎖位置までスライド
されると、この異物は中空体を押すことになるが、この
際には中空体の中空間隙が狭くなるのであって、異物を
ボディとスライドドアとで挟み込むことにはならないこ
とは勿論である。そして、この中空体をスポンジゴム等
の軟質材から形成すれば、押圧により容易に変形する。
また、中空体はスポンジゴム等の軟質材に限らず、異物
により押されて変形する弾性体であればよい。
【0014】上記の構成を有する本発明の車両用スライ
ドドアの開閉装置において、前記駆動禁止手段は、前記
所定の信号が発せられた時に前記ドア全閉手段によるス
ライドドアの駆動を禁止し、前記所定の信号が解除され
た時にスライドドアの駆動禁止を解除する手段を有す
る。
【0015】この構成車両用スライドドアの開閉装置で
、異物検出手段から所定の信号が発せられると、即
ち、異物がボディ側周縁又はドア側周縁に接触して存在
した時には、半閉鎖位置から全閉位置へのスライドドア
の駆動は禁止されてスライドドアは半閉鎖位置に留まっ
たままとなる。しかし、異物が取り除かれたり等してそ
の異物がボディ側周縁又はドア側周縁に接触して存在し
なくなり異物検出手段からの所定の信号が解除される
と、スライドドアの駆動禁止が解除されるので、その後
は、ドア全閉手段による制御を通して、スライドドアは
全閉位置まで駆動される。このため、この構成車両用ス
ライドドアの開閉装置によれば、ボディ側周縁又はドア
側周縁から異物が取り除かれた後にスライドドアを全閉
位置まで駆動することができる。また、上記構成の車両
用スライドドアの閉鎖装置であって、前記異物検出手段
は、その中空体がスポンジゴムで形成され、前記取付基
部がソリッドゴムで形成されている。このため、異物が
存在したときには、スポンジゴムの中空体だけが変形
し、ソリッドゴムの取付基部は変形しない。更にまた、
上記構成の車両用スライドドアの閉鎖装置であって、前
記異物検出手段は、前記スライドドアが全閉位置にある
ときに、前記中空体の先端部と相手側部材との間に約2
〜5mmの幅の隙間が形成されように取り付けられてい
る。また、本発明の別の車両用スライドドアの開閉装置
は、 車両のボディに沿ってスライドし、ボディ開口部を
開閉するスライドドアを有する車両用スライドドアの開
閉装置であって、前記スライドドアが前記ボディ開口部
を全閉する全閉位置の手前の半閉鎖位置にあることを検
出する半ドア検出手段と、該半ドア検出手段により前記
スライドドアが前記半閉鎖位置にある半ドア状態が検出
されると、前記スライドドアを前記半閉鎖位置から前記
全閉位置まで駆動するドア全閉手段と、前記ボディ開口
部におけるボディ側周縁又は該周縁に対向する前記スラ
イドドアのドア側周縁に異物が接触して存在すると所定
の信号を発する異物検出手段と、 前記所定の信号が発せ
られていると、前記半ドア検出手段により前記スライド
ドアが前記半閉鎖位置にある半ドア状態が検出されてい
ても、前記ドア全閉手段によるスライドドアの駆動を禁
止し、前記半ドア検出手段により前記スライドドアが前
記半閉鎖位置にある半ドア状態が検出されている状態
で、前記所定の信号が解除されると、前記ドア全閉手段
による前記スライドドアの前記半閉鎖位置から前記全閉
位置までの駆動を開始する駆動禁止手段とを備えること
を特徴とする。こうしても、異物がボディ側周縁又はド
ア側周縁に接触して存在した時には、半閉鎖位置から全
閉位置へのスライドドアの駆動を禁止して、スライドド
アを半閉鎖位置に止め、異物が取り除かれたり等して所
定の信号が解除されると、その後は、ドア全閉手段によ
りスライドドアを半閉鎖位置から全閉位置まで駆動する
ことができる。
【0016】
【発明の他の態様】本発明は、以下のような他の態様を
採ることも可能であり、第1の態様は、上記した本発
の車両用スライドドアの開閉装置において、前記異物検
出手段は、前記ボディ側周縁又はドア側周縁に沿って延
設された検出体と、該検出体に異物が接触した場合に前
記検出体に起きる電気的変化もしくは圧力的変化を検出
し、該変化を検出したときに前記所定の信号を発する信
号生成手段とを有する。
【0017】この第1の態様では、ボディ側周縁又はド
ア側周縁に沿って延設された検出体に異物が接触する
と、この接触により検出体に起きる電気的変化もしくは
圧力的変化が検出され、信号生成手段により所定の信号
が発せられる。このため、異物がボディ側周縁又はドア
側周縁に接触して存在することが、異物による検出体の
電気的変化もしくは圧力的変化,所定の信号の生成を通
して直接的に検知される。
【0018】異物の接触を通してこのような電気的変化
を起こす検出体としては、微弱な導電性を有する異物が
接触することによりその抵抗値等が変化する導電体を用
いることができる。このような導電体は、例えば、ボデ
ィ側周縁又はドア側周縁に沿って対向して配置された一
対の導電ラインや、ボディ側周縁とドア側周縁に沿って
それぞれ設けられて対向する一対の導電ラインによって
構成される。この場合、この一対の導電ラインがその末
端で所定の抵抗を介在させて接続されていれば、異物に
よる短絡によって抵抗値が変化する。その一方、一対の
導電ラインが接続されていないのであれば、異物により
導通が採られる。よって、この抵抗値の変化や導通の有
無により所定の信号を発することで、異物の接触が直接
的に検知できる。
【0019】また、異物の接触を通して圧力的変化を起
こす検出体としては、異物により押圧された際の圧力を
検知する感圧センサ等がある。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る車両用スライ
ドドアの開閉装置の実施の形態を実施例に基づき説明す
る。図1は、スライドドアを搭載した車両の概略斜視図
である。
【0021】図示するように、この車両は、そのボディ
側面にスライドドア10を有する。このスライドドア1
0は、ボディ側面中央のスライドレール12と、ボディ
側面の天井側および地上側に設けられた図示しないスラ
イドレールとによって、ボディ側面に支持されている。
そして、スライドドア10は、ボディ側面の昇降口を全
閉した図示する全閉位置と、昇降口を全開した全開位置
(図中の二点鎖線参照)との間に亘ってボディ側面に沿
って手動でスライドし、昇降口を開閉するよう構成され
ている。この手動スライドの際には、スライドドア10
の内外に設けられたインサイドハンドル又はアウトサイ
ドハンドル10aのいずれかのハンドルが操作される。
【0022】ボディのドアピラー13の側面とスライド
ドア10の前方側サイドパネルとには、ボディとドアを
係合する図示しないロック機構が設けられている。そし
て、スライドドア10が図示する全閉位置まで手動でス
ライドされると、スライドドア10は、このロック機構
により、全閉位置でロック(手動ロック)されるよう構
成されている。
【0023】また、ボディの後部側面とスライドドア1
0の後方側サイドパネルとには、上記のロック機構とは
異なる自動ロック機構が設けられている。この自動ロッ
ク機構は、スライドドア10を半ドア位置から全閉位置
までスライド駆動するためのものであり、以下の構成を
備える。スライドドア10は、スライドドア10のアウ
タパネルとインナパネルとの間に組み込まれたフルロッ
クユニット14と、ボディの後部側面に組み込まれた図
示しないロック部とを有する。このフルロックユニット
14は、スライドドア10が半ドアの位置にある際にボ
ディの側のロック部に係合するラッチと、このラッチを
ロック部に係合するよう駆動するフルロックモータとを
内蔵する。そして、このフルロックモータが正転駆動す
ると、ロック部へのラッチの係合により、スライドドア
10は半ドアの位置から全閉位置まで強制的に駆動さ
れ、この全閉位置でロック(フルロック)されるよう構
成されている。なお、この自動ロック機構は、図示しな
いリモートコントローラからの遠隔操作によりフルロッ
クユニット14のラッチがロック部から解除される側に
駆動されるよう構成されており、これにより、フルロッ
クが解かれスライドドア10は手動でのスライドができ
るようになる。
【0024】フルロックユニット14には、図2に概略
的に示すように、スライドドア10が半ドアの位置に止
め置かれるとオンする半ドア検出スイッチ16と、スラ
イドドア10が自動ロック機構によりフルロックされた
ときにオンするフルロック検出スイッチ18と、これら
スイッチからの信号によりフルロックモータ20を制御
するスライドドアフルロックリレー22とが内蔵されて
いる。そして、このスライドドアフルロックリレー22
には、スライドドア10が半ドア状態となって半ドア検
出スイッチ16がオンすると、ボディ側の図示しない給
電回路から電源が投入されるよう構成されている。
【0025】次に、スライドドア10に新たに設けた開
閉検出装置について、スライドドア10の周縁を図1に
おける3−3線に沿った拡大断面図である図3を用いて
説明する。この図3に示すように、ボディのドアピラー
13の側端に沿って上下に延びるフランジ13aには、
ウエザストリップ24が設けられている。ウエザストリ
ップ24は、スライドドア10が図示する全閉位置まで
スライドされたときに、ボディとスライドドア10との
間をシールする。なお、スライドドア10のスライドが
不十分でスライドドア10が半ドアにあるときには、ス
ライドドア10は、図中二点鎖線で示すように、この全
閉位置から図において斜め右下に位置する。
【0026】このウエザストリップ24は、ソリッドゴ
ムとスポンジゴム等を合わせて押し出し成形したもので
あり、フランジ13aに差し込み固定される取付基部2
6と、中空の環状断面を有するシール部28と、を備え
ている。この場合、取付基部26はソリッドゴムから、
シール部28はスポンジゴムから形成されており、シー
ル部28が、スライドドア10のインナパネルにより押
圧されてシール作用を果たす。
【0027】また、ボディのドアピラー13と対向する
部位のスライドドア10の側端の縁部11には、開閉検
出装置30が固定されている。この開閉検出装置30
は、スライドドア10がその全閉位置までスライドされ
る際に、ドアピラー13の側面又はこれに対向するスラ
イドドア10の周縁に異物が接触して存在するか否かを
検出するものである。そして、図1に示すように、開閉
検出装置30は、スライドドア10のアウトサイドハン
ドル10aをほぼ中央としてその上下に亘って装着され
ている。
【0028】開閉検出装置30は、ソリッドゴムからな
りスライドドア10の縁部11に差し込み固定される取
付基部32と、スポンジゴムで取付基部32に一体に形
成された中空部34を備えている。中空部34の内部に
は、中空間隙34aが形成されており、中空間隙34a
内の壁面に、第1導電部36aおよび第2導電部36b
が対向・配設されている。この第1および第2導電部3
6a,36bは、銅等の良導電性金属からなる第1ワイ
ヤ38a,第2ワイヤ38bを導電性ゴムからなる第1
被覆部40a、第2被覆部40bで被覆して構成され、
開閉検出装置30の全長に亘って設けられている。そし
て、第1および第2ワイヤ38a,38bは、開閉検出
装置30の一端側で所定の抵抗を介在させて接続されて
おり、開閉検出装置30の他端側からは外部へ導出され
て、上記したスライドドアフルロックリレー22(図2
参照)に接続されている。従って、開閉検出装置30の
第1および第2導電部36a,36bがそのいずれかの
箇所で短絡(ショート)されれば、そのショート電流が
信号としてスライドドアフルロックリレー22に入力さ
れることになる。
【0029】上記した構成の開閉検出装置30は、取付
基部32の形成のためのソリッドゴムと、中空部34を
形成するためのスポンジゴムと、第1および第2導電部
36a,36bの第1および第2被覆部40a,40b
を形成するための導電性ゴムとを合わせて押し出す多色
の押し出し成形品であり、押し出しの際には、第1およ
び第2ワイヤ38a,38bとなるワイヤが押出しダイ
スに導入される。
【0030】開閉検出装置30は、図示するように中空
部34が無荷重の状態にある場合には、第1被覆部40
aと第2被覆部40bとの間の間隙(中空間隙34a)
を絶縁間隙34bとして、第1導電部36aと第2導電
部36bとを離間させている。そして、この開閉検出装
置30は、スライドドア10が図示する全閉位置にある
ときでもその先端部とドアピラー13との間に数mm
(約2〜5mm)の幅で隙間が形成されるよう、また、
スライドドア10がこの全閉位置の斜め右下の半ドアの
位置にあるときには、先端部とドアピラー13との間が
約10mm程度あくように、その形状寸法が規定されて
いる。
【0031】次に、この開閉検出装置30の動作につい
て、上記したスライドドア10の自動ロック機構の動作
を示す動作ブロック図と関連付けて説明する。まず、ス
ライドドア10とドアピラー13との間になんの異物も
存在しない場合(異物非存在時)について説明する。こ
の場合には、図4に示すように、スライドドア10が全
閉位置の手前の半ドアまで手動でスライドされても、開
閉検出装置30の中空部34はなんの力も受けないので
原形を止めているため、開閉検出装置30は作動しな
い。
【0032】そして、この異物非存在時にあってスライ
ドドア10が半ドアになると、図5の動作ブロック図に
示すように、スライドドアフルロックリレー22に給電
するボディ側の給電回路が給電準備の状態とされる(ス
テップS100)。続くステップS110では、半ドア
検出スイッチ16がオンであるか否か、即ちスライドド
ア10が半ドアの位置に止め置かれているかが判断され
る。この場合、スライドドア10が十分な力で手動スラ
イドされていれば、スライドドア10は半ドアの位置に
留まることなく全閉位置までスライドするので、ステッ
プS110で否定判断され、自動ロック機構のスライド
ドアフルロックリレー22に給電回路から給電されるこ
とはない。よって、自動ロック機構が動作することはな
い。
【0033】しかし、スライドドア10が半ドアの位置
に止め置かれると半ドア検出スイッチ16がオンするの
で、このステップS100では肯定判断されて、続くス
テップS120では、開閉検出装置30が検出動作を行
なう。即ち、その第1および第2導電部36a,36b
がショートしてそのショート電流が入力されているかの
判断がなされる。この場合には、異物非存在時であるた
めに中空部34は変形せず、開閉検出装置30からのシ
ョート電流の入力はないので否定判断されてステップS
130に進み、スライドドアフルロックリレー22への
給電が開始される。そして、続くステップS140で
は、自動ロック機構が動作してフルロックが実行され
る。つまり、フルロックモータ20が駆動制御され、ス
ライドドア10は半ドアの位置から強制的に全閉位置ま
でスライドされる。なお、スライドドア10が全閉位置
までスライドされてフルロック検出スイッチ18がオン
すると、スライドドアフルロックリレー22は停止制御
されフルロックは終了する。
【0034】その一方、図6に示すように、スライドド
ア10とドアピラー13との間に異物がそのいずれかに
接触して存在する場合(異物存在時)には、自動ロック
機構は次のように動作する。まず、この異物存在時にあ
っても、スライドドア10が半ドアになると、ステップ
S100にてスライドドアフルロックリレー22への給
電が準備状態とされ、続くステップS110にてスライ
ドドア10が半ドアの位置に止め置かれているかが判断
される。
【0035】そして、スライドドア10が半ドアの位置
に止め置かれると半ドア検出スイッチ16がオンするの
で、このステップS110では肯定判断されて、続くス
テップS120では、開閉検出装置30の第1および第
2導電部36a,36bがショートしてそのショート電
流が入力されているかの判断がなされる。この場合に
は、異物存在時であるために開閉検出装置30の中空部
34は異物に押されて、第1および第2導電部36a,
36bはショートし、開閉検出装置30からはショート
電流が入力される。よって、異物存在時には、ステップ
S120では肯定判断され、ステップS150に進む。
このステップS150では、スライドドアフルロックリ
レー22への給電が待機状態とされるので、自動ロック
機構は動作することはなく、スライドドア10は半ドア
の位置に留め置かれたままとなる。そして、ステップS
150を抜けてステップS100からの動作が繰り返さ
れるので、異物がスライドドア10とドアピラー13に
触れて存在している間に亘っては、半ドアの位置にスラ
イドドア10は留まることになる。
【0036】その一方、異物が取り除かれると、ステッ
プS120で否定判断されるので、ステップS130で
の給電開始並びにステップS140でのフルロックが実
行され、スライドドア10は半ドアの位置から全閉位置
まで自動ロック機構により強制的にスライドされる。
【0037】以上説明したように本実施例のスライドド
ア10を搭載した車両では、スライドドア10とドアピ
ラー13との間に異物がそのいずれかに接触して存在す
る異物存在時には、この異物により中空部34が押され
て第1導電部36aと第2導電部36bがショートし、
この際のショート電流により、スライドドア10とドア
ピラー13との間における異物の存在が直接的に検知さ
れる。このため、本実施例では、スライドドア10をス
ライド駆動する際に、異物が存在した状態では、スライ
ドドア10が半ドアとされた位置から全閉位置にはスラ
イドさせないようにすることができる。よって、このス
ライドドア10を搭載した車両によれば、異物を挟み込
んだ状態でスライドドア10がその全閉位置にスライド
駆動されるという不具合を確実に回避することができ
る。
【0038】なお、スライドドア10とドアピラー13
との間に異物が接触して存在している間中、第1導電部
36aと第2導電部36bとによるショート電流を継続
して入力させることもでき、この場合、電流の継続入力
中は、半ドアのスライドドア10の全閉位置へのスライ
ドドアの駆動は禁止され、スライドドア10は半ドアの
位置に留まったままとなる。しかし、異物が除去される
と、このショート電流は消失するため、その後、速やか
にスライドドア10を半ドアの位置から全閉位置まで駆
動させることができる。
【0039】また、上記の実施例では、開閉検出装置3
0からのショート電流の入力があると、ステップS12
0での肯定判断を受けてスライドドアフルロックリレー
22への給電が待機状態とされる。よって、以下のよう
な効果がある。ドアピラー13とスライドドア10との
間における異物が小さい場合には、スライドドア10が
半ドアの位置にあるときには開閉検出装置30はこの異
物によりショートしてはおらず、スライドドア10が半
ドアの位置から僅かにスライドされた時点で開閉検出装
置30がショートすることがある。しかし、このような
場合であっても、開閉検出装置30からのショート電流
の入力により、それ以降の給電待機を通してスライドド
ア10をその場に止め置くことができる。よって、スラ
イドドア10が半ドアの位置では開閉検出装置30を押
圧しないような小さな異物を挟み込んだ場合にあって
も、その後のスライド駆動においてショート電流が入力
されれば、直ちに、スライド駆動が停止され、その後に
スライドドア10がその全閉位置にスライド駆動される
という不具合も回避することができる。
【0040】次に、変形例について説明する。上記した
実施例では、中空部34を取付基部32を介してスライ
ドドア10の縁部11に差し込み固定したが、次のよう
に変形することもできる。第1の変形例では、図7に示
す開閉検出装置30Aがスライドドア10に固定されて
いる。つまり、この開閉検出装置30Aは、上記の実施
例と同様に、中空部34と第1導電部36a,第2導電
部36b等を先端側に有し、その基部側にはソリッドゴ
ム製の取付基部31を有する。この取付基部31には、
中空箇所31aから樹脂製クリップ33が差し込まれ、
この樹脂製クリップ33により、開閉検出装置30A
は、スライドドア10の前方側サイドパネルに直接固定
されている。なお、この樹脂製クリップ33は、その先
端部が取付基部31とスライドドア10に空けられた取
付孔を通過して元の形状に復帰することで、開閉検出装
置30Aを固定できるよう構成されている。この第1の
変形例の開閉検出装置30Aによっても、既述したよう
にスライドドア10の閉鎖に際しての異物の挟み込みの
不具合を回避することができることは勿論である。ま
た、この第1の変形例の開閉検出装置30Aは、スライ
ドドア10のアウトサイドパネルから外側に出ることは
なく、違和感を与えることがない。
【0041】第2の変形例の開閉検出装置30Bは、図
8に示すように、スライドドア10の前方側サイドパネ
ルに設けられた専用リテーナ35に、ソリッドゴム製の
取付基部37を嵌め込むことで、スライドドア10の前
方側サイドパネルに直接固定される。そして、この第2
の変形例の開閉検出装置30Bによっても、やはり異物
の挟み込みによる不具合を回避することができると共
に、違和感を与えることがない。
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、第
1,第2の変形例の開閉検出装置30A,30Bを、両
面テープを用いてスライドドア10の前方側サイドパネ
ルに直接固定することもできる。また、開閉検出装置3
0,30A,30Bをドアピラー13の側に固定しても
よいことは勿論である。更には、開閉検出装置30等
を、スライドドア10を全開位置から全閉位置までモー
タ等によりスライド駆動するいわゆるオートスライド機
構を有するものに適用することもできる。
【0048】また、上記した実施例では、開閉検出装置
30等における第1および第2ワイヤ38a,38bを
その一端側で抵抗を介在させて接続した構成としたが、
両ワイヤを接続しないよう構成することもできる。そし
て、この場合には、第1および第2ワイヤ38a,38
bに微弱な導電性の異物が接触すれば、両ワイヤの間が
導通するので、この導通を通して異物の存在を直接的に
検知でき、スライドドア10を上記したように半ドア位
置からスライドしないようにすることができる。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のスライドドア10を搭載した車両の概
略斜視図。
【図2】スライドドア10を半ドアの位置から全閉位置
までスライドさせる自動ロック機構を概略的に示すブロ
ック図。
【図3】図1の3−3線拡大断面図。
【図4】スライドドア10とドアピラー13との間にな
んの異物も存在しない異物非存在時における開閉検出装
置30の作動の様子を説明するための説明図。
【図5】スライドドア10の自動ロック機構の動作を示
す動作ブロック図。
【図6】スライドドア10とドアピラー13との間に指
等の異物が存在する異物存在時における開閉検出装置3
0の作動の様子を説明するための説明図。
【図7】第1の変形例の開閉検出装置30Aを説明する
ための説明図。
【図8】第2の変形例の開閉検出装置30Bを説明する
ための説明図。
【符号の説明】
10…スライドドア 11…縁部 12…スライドレール 13…ドアピラー 13a…フランジ 14…フルロックユニット 16…半ドア検出スイッチ 18…フルロック検出スイッチ 20…フルロックモータ 22…スライドドアフルロックリレー 24…ウエザストリップ 30,30A,30B…開閉検出装置 32…取付基部 33…樹脂製クリップ 34…中空部 34a…中空間隙 34b…絶縁間隙 35…専用リテーナ 36a…第1導電部 36b…第2導電部 38a…第1ワイヤ 38b…第2ワイヤ 40a…第1被覆部 40b…第2被覆部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実公 平7−22330(JP,Y2) 実公 平5−40222(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05F 15/14 B60J 5/00 B60J 5/06 B60R 27/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のボディに沿ってスライドし、ボデ
    ィ開口部を開閉するスライドドアを有する車両用スライ
    ドドアの開閉装置であって、前記スライドドアが前記ボディ開口部を全閉する全閉位
    置の手前の半閉鎖位置にあることを検出する半ドア検出
    手段と、 該半ドア検出手段により前記スライドドアが前記半閉鎖
    位置にある半ドア状態が検出されると、前記スライドド
    アを前記半閉鎖位置から前記全閉位置まで駆動するドア
    全閉手段と、 前記ボディ開口部におけるボディ側周縁又は該周縁に対
    向する前記スライドドアのドア側周縁に異物が接触して
    存在すると所定の信号を発する異物検出手段と、 前記所定の信号が発せられると、前記ドア全閉手段によ
    るスライドドアの駆動を禁止する駆動禁止手段とを備
    え、 前記異物検出手段は、 前記ボディ側周縁又はドア側周縁に沿って延びる中空間
    隙を有する中空体を、該中空体よりも硬質の材料で形成
    されている取付基部によって、前記ボディ側周縁または
    前記ドア側周縁に設置して備えると共に、 前記中空体の中空間隙内において絶縁間隔を隔てて対向
    して設けられた第1および第2導電部と、 該第1,第2導電部が接触したときに前記所定の信号を
    発する信号生成手段とを備えている ことを特徴とする車
    両用スライドドアの開閉装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用スライドドアの開
    閉装置であって、前記駆動禁止手段は、 前記所定の信号が発せられた時に前記ドア全閉手段によ
    るスライドドアの駆動を禁止し、前記所定の信号が解除
    された時にスライドドアの駆動禁止を解除する手段を
    する車両用スライドドアの開閉装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の車両用スライドドアの開
    閉装置であって、前記異物検出手段は、その中空体がスポンジゴムで形成
    され、前記取付基部が ソリッドゴムで形成されている車
    両用スライドドアの開閉装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の車両用スライドドアの開
    閉装置であって、前記異物検出手段は、前記スライドドアが全閉位置にあ
    るときに、前記中空体の先端部と相手側部材との間に約
    2〜5mmの幅の隙間が形成されように取り付けられて
    いる車 両用スライドドアの開閉装置。
  5. 【請求項5】 車両のボディに沿ってスライドし、ボデ
    ィ開口部を開閉するスライドドアを有する車両用スライ
    ドドアの開閉装置であって、 前記スライドドアが前記ボディ開口部を全閉する全閉位
    置の手前の半閉鎖位置にあることを検出する半ドア検出
    手段と、 該半ドア検出手段により前記スライドドアが前記半閉鎖
    位置にある半ドア状態が検出されると、前記スライドド
    アを前記半閉鎖位置から前記全閉位置まで駆動するドア
    全閉手段と、 前記ボディ開口部におけるボディ側周縁又は該周縁に対
    向する前記スライドドアのドア側周縁に異物が接触して
    存在すると所定の信号を発する異物検出手段と、 前記所定の信号が発せられていると、前記半ドア検出手
    段により前記スライドドアが前記半閉鎖位置にある半ド
    ア状態が検出されていても、前記ドア全閉手段によるス
    ライドドアの駆動を禁止し、前記半ドア検出手段により
    前記スライドドアが前記半閉鎖位置にある半ドア状態が
    検出されている状態で、前記所定の信号が解除される
    と、前記ドア全閉手段による前記スライドドアの前記半
    閉鎖位置から前記全閉位置までの駆動を開始する駆動禁
    止手段とを備えることを特徴とする車両用スライドドア
    の開閉装置。
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