JP3346340B2 - ケース本体とカバーの固定構造 - Google Patents

ケース本体とカバーの固定構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケース本体とカバ
ーの固定構造に関し、詳しくは、ロック固定されたカバ
ーをケース本体に位置決め固定し、ケース本体とカバー
を連結しているヒンジが切断されてもカバーが外れて脱
落しないようにするものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の車体等に搭載される電気
接続箱やワイヤハーネスの保護ケース等において、ケー
ス本体の内部や上面等を保護するためにカバーを被せる
ようにしているものが多くあり、このケース本体とカバ
ーをヒンジで一体に連結して成形している場合も多い。
【0003】図6(A)(B)は、フラットケーブルF
Cと電線Dとの接続部Sに取り付けられている保護ケー
ス1を示しており、保護ケース1はカバー2およびケー
ス本体3を、可撓性を有するヒンジ4で一体に連結して
構成されている。カバー2は、ヒンジ4との連結側と対
向する側の端部にロック爪2bを有するロック部2aを
突出させており、ケース本体3は上記ロック部2aに対
応する箇所を切り欠いてロック係止部3aを設けてい
る。
【0004】上記カバー2を閉じてケース本体3にロッ
ク固定するには、図6(B)に示すように、カバー2を
ヒンジ4を支点に回転させて、フラットケーブルFCと
電線Dの接続部Sを収容するケース本体3に被せ、ロッ
ク部2aをロック係止部3aに嵌合してロック爪2bを
ケース本体3の底面3bに係止して行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、カバー
2のロック部2aをロック係止部3aに嵌合してロック
爪2bを係止させるためには、ある程度のクリアランス
が必要となり、このクリアランスにより、図6(B)に
示すカバー2のロック固定状態では、ロック部2aとロ
ック係止部3aとの間に隙間Kが生じてしまう。その結
果、カバー2はロック固定状態であっても、車体の振動
等により図中の矢印方向等に動いてしまい、ガタが発生
する問題がある。
【0006】また、ヒンジ4は、図6(B)に示すよう
に、可撓性を持たせるために肉厚を薄くしていると共に
カバー2やケース本体3より突出しているため、車体の
組み付け作業中等に他の部材等がヒンジ4に引っ掛かっ
てヒンジ4が切断されてしまうことがある。このように
なると、カバー2はケース本体3にロック固定されてい
ても、ケース本体3から外れて脱落してしまう問題があ
る。
【0007】本発明は、上記した問題に鑑みてなされた
ものであり、ヒンジが切断されても、ロック固定状態の
カバーがケース本体から外れて脱落しないようにするこ
とを第一の課題としている。また、ロック固定状態で
は、カバーとケース本体との間にガタが発生しないよう
にすることを第二の課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、ケース本体とヒンジで開閉可能に一体に
カバーを連結し、上記ケース本体のロック係止部と上記
カバーから突出するロック部をロック固定しているケー
ス本体とカバーの固定構造において、上記ケース本体に
は上記ヒンジ側と対向する側の中央部に上記ロック係止
部を設けると共に、上記カバーには上記ヒンジ側と対向
する先端の中央に上記ロック部を設ける一方、上記ケー
ス本体には上記ヒンジ側と対向する側で且つ上記ロック
係止部の側部に半円柱形状の固定用突起を突出させると
共に、上記カバーには上記ヒンジ側と対向する側で且つ
上記ロック部の側部に上記固定用突起の圧入嵌合用の嵌
合部としてケース端面より半円状の切欠を設け、上記カ
バーをケース本体に被せて、上記固定用突起を上記嵌合
部に圧入して嵌合してカバーをケース本体にガタつきな
く固定し、かつ、上記ロック係止部と上記ロック部とに
よるロック固定が外れても上記固定用突起と上記嵌合部
との固定でケース本体にカバーが固定されていることを
特徴とするケース本体とカバーの固定構造を提供してい
る。
【0009】このように、ケース本体に固定用突起、カ
バーに嵌合部を夫々設けることで、カバーをケース本体
にロック固定すると、上記固定用突起が嵌合部に圧入嵌
合されカバーをケース本体に対して位置決め固定でき
る。この状態でヒンジが切断されても、カバーは、ロッ
ク部側へ動こうとしても、上記固定用突起と嵌合部によ
り動きが規制され、また、ヒンジ側へ動こうとしても、
ロック係止部とロック部により動きが規制され、さら
に、上下方向には、固定用突起およびロック部等により
動きが規制されるので、カバーが外れて脱落することを
防止できる。また、カバーはロック固定された状態では
クリアランスによる隙間を有しているが、上記固定用突
起と嵌合部は圧入嵌合によりカバーの位置が固定され
て、ガタの発生も抑えることができる。
【0010】上記のように、固定用突起は、ケース本体
のヒンジ側と対向する端部より半円柱形状で突出し、一
方、上記嵌合部は、上記固定用突起と相対する箇所のカ
バーの端部を半円状に切り欠いて形成している。カバー
はヒンジを中心にして回転するため、固定用突起はヒン
ジ側と対向する端部に、嵌合部は上記固定用突起と相対
する箇所のカバーの端部を切り欠いて形成することで、
上記固定用突起を嵌合部の切り欠いた開口側から容易に
嵌め込むことができる。さらに、上記固定用突起の形状
を半円柱形状、嵌合部を半円状にしているので、嵌め込
みやすい形状となり容易に圧入を行える。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は、本発明のかかる保護ケース
11であり、カバー12とケース本体13をヒンジ14
で一体に樹脂で成形されている。ヒンジ14は肉厚を薄
くして可撓性を持たせて、図2に示すように、カバー1
2をヒンジ14を支点にして開閉できるようにしてい
る。この保護ケース11はフラットケーブルFCと電線
Dとの接続部Sに取り付けられて、接続部Sを保護する
ようにしている。
【0012】上記カバー12は、ヒンジ14との連結側
と対向する他端12dに、ロック爪12bを先端に有す
るロック部12aを従来と同様に突設させると共に、こ
のロック部12aと少し間隔をあけて嵌合部12cを設
けている。この嵌合部12cは、図3(A)に示すよう
に、他端12dの端部を略半円形状に切り欠いて一方側
を開口にして形成されており、この切り欠きの寸法は、
後述するケース本体13の固定用突起13cに対して、
中間ばめ程度の寸法になるように設定している。また、
嵌合部12cロック部12aとの間隔は、保護ケース1
1の大きさ等を考慮して適宜設定している。
【0013】一方、ケース本体13は、ヒンジ14と連
結している側と対向する側の端部において、上記カバー
12のロック部12aと対応する箇所にロック係止部1
3aを従来と同様に端部13dを矩形状に切り欠いて形
成している共に、上記嵌合部12cに対応する箇所に固
定用突起13cを突出させている。この固定用突起13
cは、図3(A)に示すように、上記嵌合部12cの形
状に対応させて略半円柱形状に形成しており、また、突
出高さはカバー12の厚みと同一寸法で突出させてお
り、上記略半円形状の半径は固定用突起13cが所要の
剛性を得られる寸法に設定している。
【0014】保護ケース11は、図1に示すように、フ
ラットケーブルFCと電線Dとの接続部Sに取り付けら
れており、図2に示すように、ヒンジ13を支点として
カバー12を閉じて、ロック部12aをケース本体13
のロック係止部13aに嵌合してロック爪12bをケー
ス底面13bに係止してロック固定している。このロッ
ク固定と同時に、図3(A)(B)に示すように、カバ
ー12の嵌合部12cにケース本体13の固定用突起1
3cが嵌合される。この嵌合は、嵌合部12cの寸法が
固定用突起の外形寸法に対して中間ばめ程度に設定され
ているため圧入となる。また、上記嵌合部12cは他端
12の端部12d側を開口にしているため、カバー12
が図2に示す回転軌跡で閉じられても、固定用突起13
cは、こじられることなくスムーズに嵌合部12cと嵌
め合わせることができる。
【0015】図4は、カバー12がケース本体13にロ
ック固定されて嵌合部12cに固定用突起13cが圧入
嵌合されている状態を示している。ロック部12aとロ
ック係止部13aとの間には従来同様にクリアランスが
設けられているが、固定用突起13cと嵌合部12cと
の圧入嵌合によりカバー12は位置決めされ、クリアラ
ンスを有していても、カバー12は動くことがなくなり
ガタは発生しない。
【0016】また、上記カバー12のロック固定状態
で、ヒンジ14が他部材等の引っ掛かり等により切断さ
れたとしても、カバー12は上記固定用突起13cと嵌
合部12cとの圧入嵌合等により外れて脱落することは
ない。
【0017】具体的には、図4において、カバー12が
矢印X方向であるロック部12a側に動いて外れようと
しても、固定用突起13cと嵌合部12cが相互にかみ
合いカバー12は位置規制されているので、カバー12
は動くことはできない。また、カバー12が切断された
ヒンジ14側である矢印Y方向に外れようとしても、ロ
ック部12aとロック係止部13aが相互にかみ合っ
て、カバー12は動くことができない。さらに、電線D
等の軸線方向であるZ方向にカバー12が外れようとし
ても、ロック部12aとロック係止部13aとのかみ合
い等によりカバー12位置規制されて動くことができな
い。上記方向以外の斜め方向等の場合も上記のかみ合い
により同様にカバー12は動くことができない。よっ
て、ヒンジ14が切断されてもカバー12は外れて脱落
することはない。なお、垂直方向はロック部12aの先
端のロック爪12bとケース本体13の底面13bとの
係止により外れることはない。
【0018】なお、保護ケースを車体の振動の激しい箇
所に取り付ける場合や、保護ケース自体の寸法が大きい
場合等は、図5に示すように、ロック係止部13a’及
びロック部12a’の両端に夫々固定用突起13c−
1’、13c−2’及び嵌合部12c−1’、12c−
2’を設け、確実にX、Y及びZ方向に発生するガタを
抑え、かつ、ヒンジ14’の切断時のカバー12’の脱
落をなくすようにしてもよい。
【0019】また、上述した本体カバー12の嵌合部1
2c等やケース本体13の固定用突起13c等は上記実
施形態に限定されるものではなく、形状を略矩形状等の
他の形状で形成したり、個数も上記より多く設けるよう
にしてもよい。さらに、上記カバー12とケース本体1
3との固定構造は、電線等の接続部に取り付けられる保
護ケースへの適用に限定されるものではなく、電気接続
箱等のカバーとケース本体がヒンジで一体に連続されて
いるものにも適用可能である。
【0020】
【発明の効果】上記の説明より明らかなように、本発明
のカバーとケース本体の固定構造を用いることで、カバ
ーをケース本体にロック固定している状態において、カ
バーの嵌合部とケース本体の固定用突起の圧入嵌合によ
りカバーが位置決めされるのでガタの発生を防止でき
る。また、ロック固定状態でカバーとケース本体を連結
しているヒンジが切断されても、上記の固定用突起やロ
ック部等によりカバーの動きが規制されてカバーの脱落
も防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるカバーとケース本体を有する
保護ケースの斜視図である。
【図2】 カバーの閉じる状態を示す側面図である。
【図3】 (A)(B)は、固定用突起と嵌合部の嵌合
状態を示す斜視図である。
【図4】 カバーを閉じた状態の保護ケースの斜視図で
ある。
【図5】 変形例の保護ケースの斜視図である。
【図6】 従来の保護ケースであり、(A)は斜視図、
(B)は断面図である。
【符号の説明】
1、11 保護ケース 2、12 カバー 2a、12a ロック部 3、13 ケース本体 3a、13a ロック係止部 12c 嵌合部 13c 固定用突起

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース本体とヒンジで開閉可能に一体に
    カバーを連結し、上記ケース本体のロック係止部と上記
    カバーから突出するロック部をロック固定しているケー
    ス本体とカバーの固定構造において、 上記ケース本体には上記ヒンジ側と対向する側の中央部
    に上記ロック係止部を設けると共に、上記カバーには上
    記ヒンジ側と対向する先端の中央に上記ロック部を設け
    る一方、 上記ケース本体には上記ヒンジ側と対向する側で且つ上
    記ロック係止部の側部に半円柱形状の固定用突起を突出
    させると共に、上記カバーには上記ヒンジ側と対向する
    側で且つ上記ロック部の側部に上記固定用突起の圧入嵌
    合用の嵌合部としてケース端面より半円状の切欠を設
    け、 上記カバーをケース本体に被せて、上記固定用突起を上
    記嵌合部に圧入して嵌合してカバーをケース本体にガタ
    つきなく固定し、かつ、上記ロック係止部と上記ロック
    部とによるロック固定が外れても上記固定用突起と上記
    嵌合部との固定でケース本体にカバーが固定されて いる
    ことを特徴とするケース本体とカバーの固定構造。
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