JP3345144B2 - プレス機械のスライド装置 - Google Patents
プレス機械のスライド装置Info
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Description
装置に係り、スライド下死点位置を調整するために利用
できるものである。
には、パンチ等の寿命長期化を図るため、正確なスライ
ド下死点位置を得ながら加工する必要がある。また、上
型と下型で材料を圧縮するコイニング加工、あるいは、
材料に刻み目を付けるスコアリング加工を行う場合に
は、ボルスタに接近したスライドがストッパブロックに
当接して上型の材料への喰い込みと材料の残留部の厚さ
を正確にコントロールできるようにするため、プレス機
械にはスライドのストッパブロックへの当接による予荷
重が生じており、従って、プレス機械の各構成部品に過
大な荷重が作用するのを防止するため、プレス加工時の
プレス荷重を適正値としなければならない。スライドを
上下動させるクランク軸の連続回転でプレス運転が開始
されると、クランク軸とスライドとを連結しているコン
ロッド等の部材が運動により昇温して熱膨張する。この
ため、抜き加工の場合には、スライド下死点位置が正確
な位置から下方へずれ、また、コイニング加工やスコア
リング加工の場合には、スライド下死点位置が下がる
と、ストッパブロックによる予荷重が増加し、プレス加
工時に大きなプレス荷重が発生する。
従来、コンロッドに温度管理された油をかける方法(特
公平1−30569号)、及びダイハイトを調整するた
めのダイハイト調整ねじ機構を利用することが知られて
いる。
された油をかける従来技術では、油の温度を調整するた
めの装置が必要になるとともに、コンロッドの長さを油
温度で定量的に正確に調整することは極めて困難であ
り、所定のスライド下死点位置を得ることは実質上難し
かった。また、ダイハイト調整ねじ機構による従来技術
では、プレス運転中は調整ねじのがたつきを取り除くた
め調整ねじをロックナットでロックし、ダイハイト調整
時にはロックナットによるロックを解除し、ダイハイト
調整後、再びロックナットによるロックを行わなければ
ならない。このため、調整ねじのがたのため、プレス運
転中にこのダイハイト調整作業を行うと、ロックを解除
している間にスライド下死点位置が大きく変化してしま
い、プレス運転中のコンロッド等の熱膨張に起因して変
化するスライド下死点位置の補正手段としては必ずしも
有効なものではなかった。
作業をプレス停止中は勿論のことプレス運転中も行え、
所定通りのスライド下死点位置を得られ、高精度加工を
達成できるようになるプレス機械のスライド装置を提供
するところにある。
のスライド装置は、クランク軸にコンロッドが連結さ
れ、このコンロッドにプランジャが連結され、このプラ
ンジャとスライドとの間に油圧シリンダが介装され、こ
の油圧シリンダのピストンロッドはプランジャに連結さ
れているとともに、シリンダ本体はスライドに結合さ
れ、ピストンロッドの外周には、上端がプランジャに連
結されてシリンダ本体と軸方向に結合状態となった筒状
の伸縮部材が嵌合され、シリンダ本体内においてピスト
ンロッド下端のピストン部の下方に設けられた油圧室の
油圧は圧力調整手段で調整自在となっており、この調整
により筒状伸縮部材を伸縮変形させることを特徴とする
ものである。
の油圧室の油圧を昇圧すると、シリンダ本体には押圧荷
重が作用し、この押圧荷重はピストンロッドの外周に嵌
合された筒状の伸縮部材に伝達され、この伸縮部材は伸
び変形する。これによりスライド下死点位置は下がり、
この結果、所定通りの下死点位置を得た後、プレス運転
を開始する。このプレス運転でコンロッド等が熱膨張し
てスライド下死点位置が下がったときには、油圧室の油
圧を降圧し、これにより伸縮部材に作用している押圧荷
重を減少させて伸縮部材の伸び量を小さくすることによ
り、スライド下死点位置を正確な位置に戻し、また、こ
の結果としてプレス荷重を適正値とする。
明する。図1は本発明が適用されたプレス機械1を示
す。クラウン2の内部には図示しないモータからの動力
で回転するクランク軸3が配設され、クランク軸3の偏
心部3Aにはコンロッド4の上端が連結されている。コ
ンロッド4の下端には図2で示した本実施例に係る装置
を介してスライド5が連結され、クランク軸3の回転で
スライド5は上下動する。スライド5には上型6が取り
付けられ、ベッド7上のボルスタ8には下型9が取り付
けられている。
5の下死点位置を検出するための下死点位置検出手段1
1が設けられている。
ン12でプランジャ13が連結され、プランジャ13は
クラウン2に固定されたガイド部材14で案内されなが
ら上下動自在である。プランジャ13にはピストンロッ
ド16がボルト13Aで結合され、油圧シリンダ15の
シリンダ本体17はスライド5に連結されている。
部材19が嵌合され、伸縮部材19の上端19Aはボル
ト13Aでピストンロッド16、プランジャ13に連結
されている。伸縮部材19の内周面はピストンロッド1
6の外周面に対して摺動自在となっており、伸縮部材1
9の下端のフランジ部19Bはピストンロッド16の下
端のピストン部16Aから上方へ隙間S分離れている。
0が固定され、さらにその上に第1,第2キャップ部材
21,22が取り付けられている。これらの第1,第2
キャップ部材21,22の内部にはピニオン23が収納
され、ピニオン23は第2キャップ部材22上の回転部
材24を手動またはモータ等の駆動手段で回転させるこ
とにより軸25を介して回転する。
回転自在に嵌合され、雄ねじ部材26の雄ねじ部26A
は雌ねじ部材20の雌ねじ部20Aと噛合している。雄
ねじ部材26の上部にはピニオン23と噛合する歯部2
6Bが形成され、このためピニオン23が回転すると雄
ねじ部材26も回転する。雄ねじ部材26の下端にはフ
ランジ部26Cが形成され、図2の状態ではこのフラン
ジ部26Cと伸縮部材19の下端フランジ部19Bとが
当接している。
ダ本体17に上下方向の荷重が作用した場合には、図2
の点線Aで示す通り、この荷重は雌ねじ部材20、雄ね
じ部材26を介して伸縮部材19に伝達されることにな
る。言い換えると、伸縮部材19は油圧シリンダ15の
軸方向にシリンダ本体17と結合された状態となってお
り、伸縮部材19はシリンダ本体17に作用する荷重に
より伸縮部材19の弾性係数に応じた長さ分だけ伸び変
形する。そして、このときには、伸縮部材19の伸び変
形によりスライド5の下死点位置は変化する。このスラ
イド下死点位置の変化量は、シリンダ本体17に作用す
る荷重の大きさに応じて決まり、伸縮部材19の弾性係
数に基づいてスライド下死点位置を調整できる。
16のピストン部16Aの下方に油圧室27が設けら
れ、シリンダ本体17内には油圧室27の上方に油圧室
28が設けられている。シリンダ本体17の側壁部に
は、これらの油圧室27,28と連通している圧油の給
排口であるポート29,30が設けられている。これら
のポート29,30に接続された油圧回路は図3で示さ
れている。ポート29,30には、油圧管路31,32
の終端が接続され、これらの油圧管路31,32の途中
にはパイロット付き逆止弁33、切換弁35が設けら
れ、油圧管路31,32の始端には圧油供給源36、油
タンク37が接続されている。
続され、油圧室27へ圧油供給源からの圧油を供給する
ためのこの油圧管路38の途中には圧力制御弁39が設
けられている。圧力制御弁39はサーボドライバ40か
らの信号で切り換え制御されるようになっており、サー
ボドライバ40には信号比較手段41が接続されてい
る。信号比較手段41には、下死点位置設定手段42
と、図1で示した下死点位置検出手段11とが接続さ
れ、信号比較手段41と下死点位置検出手段11との間
にはラッチ回路43が設けられている。また、信号比較
手段41とラッチ回路43には制御手段44が接続され
ている。
0、信号比較手段41、下死点位置設定手段42、下死
点位置検出手段11、ラッチ回路43、制御手段44に
より、油圧シリンダ15の油圧室27の油圧を制御する
ための圧力調整手段45が構成されている。
ら35Aに切り換えると、油圧室27に圧油が供給され
て油圧室28から圧油が排出されることにより、ピスト
ンロッド16が上昇して油圧シリンダ15は伸び作動す
るとともに、伸縮部材19は油圧室27の油圧で伸び変
形し、材料をプレス加工する準備が整う。また、切換弁
35を位置35Cに切り換え、圧力制御弁39を位置3
9Aから39Cに切り換えて油圧室27の油圧を降圧し
た後、回転部材24でピニオン23を回転させ、雄ねじ
部材26を雌ねじ部材20に対して回転させると、伸縮
部材19を介してシリンダ本体17をピストンロッド1
6に対して上昇(油圧シリンダ15の縮み作動)させた
り、シリンダ本体17をピストンロッド16に対して下
降(油圧シリンダ15の伸び作動)させたりでき、この
結果、スライド5の下死点位置が変更になり、ダイハイ
トを調整することができる。
6、雌ねじ部材20等によってダイハイト調整機構が構
成されている。ダイハイト調整後は圧力制御弁39を位
置39Bに切り換え、油圧室27に圧油を供給する。こ
れにより、圧油の圧力がピストンロッド16、伸縮部材
19を介して雄ねじ部材26に作用し、雌めじ部材20
に対する雄ねじ部材26のがたつき発生が防止され、ね
じ部材20,26による調整ねじはロック状態となる。
ると、第2油圧室28に供給された圧油は、雌ねじ部材
20を介してシリンダ本体17と結合状態の雄ねじ部材
26のフランジ部26Cの下面および伸縮部材19のフ
ランジ部19Bの上面に圧力を作用させるとともに、油
圧室27から圧油が排出されるため、シリンダ本体17
はピストンロッド16に対して上昇する。これにより、
図1で示したクランク軸3を回転させなくてもスライド
5を上昇させることができ、上型6と下型9の間の隙間
を大きくできるので、金型の調整作業を行える。このた
め、本実施例では、油圧シリンダ15は金型調整作業時
に使用するクイックダイオープン機構のシリンダとなっ
ている。
使用してプレス加工を始めるときには前述したクイック
ダイオープン機構によって金型調整作業を行い、この
後、ダイハイト調整機構のピニオン23を回転させるこ
とによりダイハイト調整作業を行い、この作業により、
スライド5の高さ位置が新しい金型のプレス加工時の高
さ(ダイハイト)よりも若干高くなるようにする。この
後、図3で示した圧力調整手段45の下死点位置設定手
段42により、スライド5の下死点位置を新しい金型の
ダイハイトと正確に一致する位置である所定下死点位置
に設定する。次いで、クランク軸3の回動でスライド5
が下死点位置まで達すると、このときのスライド5の高
さ位置は下死点位置検出手段11で検出される。
ラッチ回路43に送られてスライド5の下死点位置につ
いてのデータが保持される。制御手段44に図示しない
操作手段から圧力調整作業開始信号が入力されると、制
御手段44はラッチ回路43から信号Piを信号比較手
段41に送らせるとともに、信号比較手段41は、信号
Piと、下死点位置設定手段42からの信号Psとを比
較し、この結果を信号Siとしてサーボドライバ40に
送る。このときに、スライド5の高さ位置が下死点位置
設定手段42の設定値よりも高ければ、その偏差に応じ
てサーボドライバ40は圧力制御弁39を切り換え制御
し、油圧室27の油圧を調整する。
圧力に昇圧され、シリンダ本体17には油圧による押圧
荷重が作用する。この押圧荷重は図2で示した点線Aの
通り、伸縮部材19に伝達され、伸縮部材19は伸び変
形する。これによりスライド5の高さ位置は下がること
になる。圧力制御弁39は油圧室27の油圧が信号Pi
とPsとの偏差に応じたものとなるように切り換え制御
されるため、油圧室27の油圧は所定の圧力となり、ス
ライド下死点位置は下死点位置設定手段42で設定され
た正確な位置となる。
トで示されている(ステップS1 〜S3 参照)。図4に
より、プレス運転中のスライド下死点位置を正確に保つ
作業をさらに説明する。
と、このプレス運転時におけるスライド5の一回毎の上
下動における下死点位置は下死点位置検出手段11で検
出される(ステップS5 )。スライド5の一回の上下動
毎に検出されたスライド下死点位置の信号Piはラッチ
回路43に保持され、スライド5が下死点位置から上昇
行程途中の所定位置に達すると、このときのクランク軸
3のクランク角度を検出するセンサーからの信号が制御
手段44に入力され、制御手段44はラッチ回路43か
ら信号Piを信号比較手段41に入力させるとともに、
信号比較手段41で下死点位置設定手段42からの信号
Psと信号Piとを比較させる(ステップS6 )。
下死点位置設定手段42で設定された通りの正確な位置
である場合には、圧力制御弁39は切り換え位置39A
を維持する。一方、プレス運転開始後、スライド5が連
続して上下動し、コンロッド等が熱膨張したために、ス
ライド下死点位置が正確な位置より下方にずれた場合に
は、信号比較手段41からの信号でサーボドライバ40
は圧力制御弁39を位置39Aから位置39Cに信号P
sとPiとの偏差に応じて切り換える。
れると、油圧室27の油圧は一定圧力まで降圧する(ス
テップS7 )。この結果、シリンダ本体17に作用して
いた押圧荷重は減少することになり、伸縮部材19に作
用していた引っ張り力は小さくなるため、伸縮部材19
の伸び量は減少する。これによりスライド下死点位置は
上昇し、正確な位置に戻ることになる。
死点位置が正確な位置より上方へずれていた場合には、
信号比較手段41からの信号を受けたサーボドライバ4
0によって圧力制御弁39は信号PiとPsとの偏差に
応じて位置39Aから位置39Bに切り換えられ、油圧
室27の油圧は一定圧力まで昇圧される(ステップ
S 8 )。これによりスライド下死点位置は下がることに
なり、正確な位置に戻される。
イド5が一回上下動する毎に行われ、プレス運転の停止
(ステップS9 )まで継続される。そして、プレス運転
を停止し、金型交換を行って次のプレス作業を始めると
きには、ステップS1 から始まる以上の作業を繰り返
す。
下死点位置を得ながらプレス作業を行えるようになり、
この結果、プレス荷重も適正値となるため、高精度加工
を達成出来る。スライド下死点位置調整作業は、プレス
停止中でも、また、プレス運転中でも行え、この調整作
業のためにプレスの運転を停止させる必要はなく、スラ
イド下死点位置を所定の一定位置に保ちながら高精度加
工されたプレス品の生産作業を効率よく行える。
5はクイックダイオープン機構を構成するものであり、
この油圧シリンダ15のピストンロッド16の外周に伸
縮部材19を嵌合するという比較的簡単な構造によって
スライド下死点位置調整作業を行え、本実施例に係る装
置を少ない部品点数で構成できる。さらに、伸縮部材1
9の外周にはダイハイト調整機構を構成する雄ねじ部材
26を嵌合したため、本実施例に係る装置はダイハイト
調整作業をも行えるものとなっている。
に油圧センサ46を接続して油圧室27の油圧の大きさ
を常時検出出来るようにし、圧力制御弁39が位置39
Aから位置39C又は39Bに切り換えられた後、油圧
センサ46によって油圧室27の油圧の大きさが所定圧
力(所定のスライド下死点位置を得られる圧力)になっ
たことを検出したとき、油圧センサ46からの信号を受
けたサーボドライバ40が圧力制御弁39を位置39A
に切り換えるようにしてもよい。前述した圧力調整手段
45はこのような構成のものをも含む。
位置の変化によって変わるプレス加工時のプレス荷重を
調整する場合にも適用でき、この場合には、下死点位置
設定手段42に代えてプレス荷重設定手段を使用し、下
死点位置検出手段11に代えてプレス荷重検出手段を使
用する。このプレス荷重検出手段は上型や下型に取り付
けられる。
ド4の数が2本のタイプのものであったが、本発明に係
る装置は、この数が1又は3以上のプレス機械にも適用
できる。
ダイオープン機構用のものであったが、本発明に係る装
置はプレス機械に設けられる例えばスティック離脱機構
用油圧シリンダ、過負荷安全装置用油圧シリンダのもの
を使用しても構成でき、さらに、クイックダイオープン
機構を含まない本発明に係る装置専用の油圧シリンダを
プレス機械に設けてもよい。
位置調整作業を調整ねじのロックを解除せずに行えるよ
うになり、しかも、この作業をプレス停止中は勿論のこ
とプレス運転中も行えるようになり、高精度加工を達成
できるようになる。
ス機械の正面図である。
回路、及び圧力調整手段を示す図である。
ートの図である。
である。
Claims (1)
- 【請求項1】クランク軸に連結されたコンロッド(4)
とスライド(5)との間に、ピストンロッド(16)が
プランジャ(13)を介して前記コンロッド(4)に連
結され、かつ、シリンダ本体(17)が前記スライド
(5)に結合された油圧シリンダ(15)を設け、前記
ピストンロッド(16)の外周に、上端が前記プランジ
ャ(13)に連結されて前記シリンダ本体(17)と軸
方向に結合状態となった筒状伸縮部材(19)を嵌合
し、前記シリンダ本体(17)内において前記ピストン
ロッド(16)下端のピストン部(16A)の下方に油
圧室(27)が設けられ、前記筒状伸縮部材(19)は
前記油圧室(27)の油圧力により伸縮可能に形成さ
れ、前記油圧室(27)は圧力調整手段(45)を含む
油圧回路と接続し、前記圧力調整手段(45)は、スラ
イド(5)の所定の下死点位置を設定可能に形成される
下死点位置設定手段(42)と、スライド(5)の一回
の上下動毎に下死点を検出する下死点位置検出手段(1
1)と、下死点位置設定手段(42)により設定された
下死点位置である信号Psと下死点位置検出手段(1
1)により検出された下死点位置である信号Piを比較
してその結果を信号Psとして出力する信号比較手段
(41)と、を含み形成され、前記油圧室(27)の油
圧力は前記信号Psに応じて調整され、さらに前記結合
状態を解除して前記シリンダ本体(17)を前記ピスト
ンロッド(16)に対して上昇可能に形成される油圧室
(28)が設けられることを特徴とするプレス機械のス
ライド装置。
Priority Applications (6)
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