JP3344207B2 - 糸条巻取機の羽根トラバース装置 - Google Patents
糸条巻取機の羽根トラバース装置Info
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Description
ラバース装置に関し、さらに詳しくは、互いに反対方向
に回動する糸送りブレードにより糸条をトラバース移送
する羽根トラバース装置の改良に関する。
ラバースガイドが糸条を保持して往復移動するように構
成されている。そのため巻取速度が高速化するにつれて
トラバースガイドも高速化し、往復移動折り返し時の慣
性衝撃力を増大するという問題があるため、超高速巻取
機には適さないという欠点があった。
公昭46−16298号公報、特開平6−64838号
公報等に開示されるように、互いに反対方向に回転する
複数枚の糸送りブレードの先端部の間で糸条を交互に糸
渡しするようにしながら往復トラバースさせるようにし
たものであり、糸送りブレードは常に一方向にだけに回
転するようにしているため、慣性衝撃力を発生すること
がなく、超高速巻取機にも対応することができるという
利点を有している。
では、糸送りブレードの糸案内面が鏡面加工されている
ため糸条との摩擦係数が高く、糸条が糸案内面でスティ
ックスリップ(糸案内面に引っ掛かりながら滑る現象)
を起こしやすいという傾向があった。そのため二つの糸
送りブレード間で行う糸渡しが円滑に行われず、糸落ち
を発生し、巻き上げたパッケージの巻姿を悪化するとい
う問題があった。
りブレード間の糸渡しを安定化させ、糸落ちを発生しな
いようにした糸条巻取機の羽根トラバース装置を提供す
ることにある。
明は、互いに反対方向に回転する少なくとも二つの回転
体にそれぞれ糸送りブレードを取り付け、これら糸送り
ブレードの先端部により糸条をトラバース方向に延長す
る糸ガイドに沿って移送すると共に、前記糸送りブレー
ドの先端部間で糸渡しを行うようにした羽根トラバース
装置において、前記糸送りブレード先端部の糸案内面を
粗面にすると共に、該粗面のJIS B0601規定に
よる十点平均粗さRzを、 1.00μm≦Rz≦3.00μm にしたことを特徴とするものである。
に加え、JIS B0601規定による中心平均粗さR
aおよび最大高さRmax を、それぞれ 0.25μm≦Ra≦0.50μm 2.00μm≦Rmax ≦4.00μm にしたことを特徴とするものである。
面にし、しかもその粗度を特定したことにより、糸条と
糸案内面との摩擦係数を低減させ、糸送りブレード間の
糸渡しを安定化することができる。したがって、この糸
渡しの安定化によって糸落ち現象も解消することができ
る。
トラバース装置を例示するものである。これらの図にお
いて、100は巻取部、200は巻取部100に対設し
た羽根トラバース装置である。巻取部100は、スピン
ドル21にボビン22を装着し、そのボビン22に糸条
Yが羽根トラバース装置200により左右にトラバース
されながら巻き上げられるようにしている。また、ボビ
ン22の糸層23にはタッチローラ24が接触し、一定
圧力を付与するようにしている。
1に支軸2を下方へ突出するように固定し、その支軸2
に第1回転体3を回転可能に取り付けると共に、さらに
支軸2の軸端にフレーム4を固定し、そのフレーム4に
第2回転体5を回転可能に支持するようにしている。ま
た、主フレーム1にはモータ6が固定され、その出力軸
に取り付けた歯車7と第1回転体3の上部に形成された
歯車8との間に歯付ベルト9が巻回され、モータ6の動
力が第1回転体3に伝達されるようになっている。ま
た、第1回転体3の下部に形成された歯車10と第2回
転体5の上部に固定された歯車11とが直接噛合し、こ
の噛合によって第2回転体5が第1回転体3と反対方向
に回転駆動されるようになっている。
12,12,12が回転中心Rに対して約120°の間
隔で点対称に固定され、他方第1回転体3と反対方向に
回転する第2回転体5には、2枚の糸送りブレード1
3,13が回転中心Pに対して約180°の間隔で点対
称に固定されている。さらに、第1回転体3と第2回転
体5との近傍に、円弧状に湾曲した糸ガイド14が糸条
Yのトラバース方向に沿って配置されており、その糸ガ
イド14は支持ロッド15を介して主フレーム1に固定
されている。
の回転中心Rとは、互いにオフセットした位置関係にな
っている。すなわち、第1回転体3の回転中心Pは、糸
送りブレード12が右端の糸受け渡し位置Aから左端の
糸受け渡し位置Bに至るまでの回転角度を90°にする
ように設定され、また第2回転体5の回転中心Rは、糸
送りブレード13が左端の糸受け渡し位置Bから右端の
糸受け渡し位置Aまでの回転角度を60°にするように
設定されている(図1参照)。また、第1回転体3と第
2回転体5との回転比が、第1回転体:第2回転体=
2:3になるように設定されている。
転体5が互いに反対方向に駆動されると、図1において
時計方向に回転する糸送りブレード12は、糸渡し位置
Bで糸送りブレード13から糸条Yを受け取って右端の
糸渡し位置Aへ移送し、その糸渡し位置Aにおいて、今
度は反時計方向に回転する糸送りブレード13が受け取
る。次いで、糸条Yを受け取った糸送りブレード13
が、それを左端の糸渡し位置Bへ移送し、そこで再び糸
送りブレード12に受渡す。以後、これを繰り返すこと
により糸条Yをトラバース運動させる。
子地様に粗面加工され、しかも、その粗度が、JIS
B0601規定の十点平均粗さRzを 1.00μm≦
Rz≦3.00μm の範囲にするようにしている。さ
らに好ましくは、この十点平均粗さRzに加えて、JI
S B0601規定の中心平均粗さRaおよび最大高さ
Rmax を、それぞれ 0.25μm≦Ra≦0.50μ
m、 2.00μm≦Rmax ≦4.00μm の範囲に
なるようにしている。
1.00μm以上とすることによって、糸案内面の糸条
Yに対する摩擦係数が低くなり、この低摩擦係数の糸送
りブレード12,13が、糸渡し位置AおよびBで糸渡
しすることにより、糸条Yは糸案内面でスティックスリ
ップを起こすことがなく、安定した糸渡しをすることが
でき、巻姿の優れたパッケージを形成することができ
る。
め、糸送りブレードの少なくとも十点平均粗さRzの下
限は1.00μmであることが必要であるが、逆に粗さ
が大きすぎると糸との摩擦係数が高くなりすぎて糸送り
ブレードからの糸離れが不安定になるので、その結果と
して糸落ちを多発するようになる。したがって、少なく
とも十点平均粗さRzは3.00μm以下とする必要が
ある。
るためには、十点平均粗さRzを上記範囲にすることに
加え、中心平均粗さRaおよび最大高さRmax について
も、それぞれ上述した範囲にすることが好ましい。本発
明において、糸案内面の粗度を規定する十点平均粗さR
zとは、断面曲線から基準長さだけ抜き取った部分の平
均線に平行な直線のうち、高い方から3番目の山頂を通
るものと、深い方から3番目の谷底を通るものとを選
び、この2本の直線の間隔を断面曲線の縦倍率の方向に
測定して、その値をμm単位で表したものを意味してい
る。
らその中心線の方向に測定長さaの部分を抜き取り、こ
の抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸と
し、粗さ曲線を y=f(x)で表したとき、次の数1
で与えられるRaの値をμm単位で表したものを意味し
ている。
抜き取った部分の平均線に平行な2直線で抜き取り部分
を挟んだとき、この2直線の間隔を断面曲線の縦倍率の
方向に測定して、その値をμm単位で表したものを意味
している。
均粗さRzを上記規定範囲にすることが必要であり、さ
らに残りの中心平均粗さRaおよび最大高さRmax を上
記規定範囲にすることにより、糸落発生率をほぼ完全0
にすることができる。本発明において、上述した粗面の
糸案内面を形成する糸送りブレードとしては、セラミッ
クまたはサーメットで構成することが好ましい。これら
素材は糸送りブレードの全体を構成するようにしてもよ
く、或いは糸案内面だけをコーティング加工などにより
部分的に構成するようにしてもよい。
その形式は特に限定されるものではなく、図示した実施
形態のもののほか、公知の形式のものをいずれも適用す
ることができる。すなわち、互いに回転方向が異なる一
対の回転体を1ユニットとするとき、この1ユニットだ
けでトラバース域を形成するものであってもよく、また
2ユニット以上をトラバース方向に並べ、各ユニット間
で糸渡しするようにする長尺トラバース型のものであっ
てもよい。また、ユニット当たりのブレード数は、必ず
しも図示のような2枚と3枚との組合せに限定されるも
のではなく、任意の数であってよい。
おいて、糸送りブレード12,13の糸案内面のJIS
B0601規定による十点平均粗さRz、中心平均粗
さRaおよび最大高さRmax を、それぞれ表1のように
異ならせた実施例1〜4と比較例1〜4との装置を製作
した。
取機に取り付け、12デニール,7フィラメントのナイ
ロン6・フィラメント糸条を引取速度4000m/分で
高速溶融紡糸巻取るときに起こる糸落発生率を測定し、
その結果を表1に示した。表1の結果から明らかなよう
に、実施例1〜4の本発明の羽根トラバース装置は、い
ずれも糸落発生率は0%であり、実質的に糸落ちは発生
しなかった。しかし、十点平均粗さRz、中心平均粗さ
Raおよび最大高さRmax の全部が外れている比較例
1,3および十点平均粗さRz等がが規定範囲から外れ
ている比較例2,4の羽根トラバース装置は、いずれも
かなりの糸落ちを発生し、9〜18%の範囲の糸落発生
率になっていることがわかる。
ス装置によれば、糸送りブレードの糸案内面を粗面に
し、しかもその粗度を特定したため、糸案内面と糸条と
の摩擦係数が低減して糸渡し位置での糸送りブレード間
の糸渡しを安定化させることができ、それによって糸落
ち現象を解消することができる。
バース装置をX−X方向に見た矢視図である。
の概略縦断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 互いに反対方向に回転する少なくとも二
つの回転体にそれぞれ糸送りブレードを取り付け、これ
ら糸送りブレードの先端部により糸条をトラバース方向
に延長する糸ガイドに沿って移送すると共に、前記糸送
りブレードの先端部間で糸渡しを行うようにした羽根ト
ラバース装置において、前記糸送りブレード先端部の糸
案内面を粗面にすると共に、該粗面のJIS B060
1規定による十点平均粗さRzを 1.00μm≦Rz≦3.00μm にした糸条巻取機の羽根トラバース装置。 - 【請求項2】 前記十点平均粗さRzに加え、さらにJ
IS B0601規定による中心平均粗さRaおよび最
大高さRmax を、それぞれ 0.25μm≦Ra≦0.50μm 2.00μm≦Rmax ≦4.00μm にした請求項1に記載の糸条巻取機の羽根トラバース装
置。 - 【請求項3】 前記糸送りブレードの糸案内面をセラミ
ックまたはサーメットで構成した請求項1または2に記
載の糸条巻取機の羽根トラバース装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10556496A JP3344207B2 (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 糸条巻取機の羽根トラバース装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10556496A JP3344207B2 (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 糸条巻取機の羽根トラバース装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09290961A JPH09290961A (ja) | 1997-11-11 |
JP3344207B2 true JP3344207B2 (ja) | 2002-11-11 |
Family
ID=14411040
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10556496A Expired - Fee Related JP3344207B2 (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 糸条巻取機の羽根トラバース装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3344207B2 (ja) |
-
1996
- 1996-04-25 JP JP10556496A patent/JP3344207B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09290961A (ja) | 1997-11-11 |
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