JP2751552B2 - 糸条の巻取装置 - Google Patents

糸条の巻取装置

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    • B65H54/00Winding, coiling, or depositing filamentary material
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    • B65H54/46Package drive drums
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H2701/00Handled material; Storage means
    • B65H2701/30Handled filamentary material
    • B65H2701/31Textiles threads or artificial strands of filaments

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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、糸条の巻取装置に関し、詳しくは長尺の
スピンドルを用いて高速巻取りを実現するタッチローラ
を備えた糸条の巻取装置に関する。
〔従来の技術〕
近年、糸条の巻取装置において、生産性の向上を図る
ために糸条を5000m/分以上の高速で巻き取るスピンドル
の高速化と、生産性のより一層の効率化を図るために一
回の巻取で複数の巻取パッケージが得られるボビンの多
山化、すなわちスピンドルの長尺化が試みられている。
このような糸条の巻取装置においては、通常、糸条を
トラバースガイドにより綾振り振動させながらボビンの
外周に巻き付けることによりパッケージを形成してお
り、その際、パッケージの外径がボビンの両端で膨出す
ることなくボビンの軸芯方向に沿って均一となるよう
に、タッチローラをパッケージの外周に接触させながら
糸条の巻取が行われている。
したがって、上記スピンドルの高速化および長尺化が
図られると、それに伴い、タッチロールも高速化および
長尺化を図る必要が生じる。
従来のタッチロールは、材質が金属材料であるため、
タッチロールの外径を維持したまま長尺化して高速巻き
取りを得ようとすると、タッチロールの長尺化が必然的
にタッチロールの剛性,支持構造の脆弱化を招くことに
より、タッチロールの強度不足に起因する振動の問題が
新たに発生し、高速巻取の障害となる。
一般に回転体、例えばタッチロールは、巻き初めから
巻終りまでの回転数領域において、激しい曲げ振動を発
生させる危険速度のない領域で使用することが安定した
巻取をするための必須条件とされる。この場合、危険速
度ωはタッチロール質量をm、タッチロールの剛性を
k、タッチロール長さをL、タッチロールの支持条件で
定まる定数をαとすると、i=nのときの第n次危険
速度ωは下式(1)で決まる。
(機械工学便覧(日本機械学会編)、A3編第52頁) ここで、タッチロール長さL,タッチロール外径を決定
すると、タッチロールの断面二次モーメントI、断面積
Aが定まる。次いでタッチロール材質を決めると密度
ρ、ヤング率Eが定まるので、タッチロールの質量m
(m=ρAL)、EIに比例する剛性kの概略値およびタッ
チロールの支持条件で定まる定数αなどが順次確定
し、これらの数値を上式(1)に代入すると危険速度ω
が第一義的に定まり、結局、タッチロールの製作仕様
と回転可能な速度範囲とほぼ確定することとなる。
従って、タッチロールの外形を維持したまま長尺化し
て高速巻き取りを達成しようとすると、上式(1)から
明らかなように、タッチロールの長尺化はタッチロール
全長Lの3乗で作用するため、危険速度ωを極端に低
下させることとなる。
従って、そのような金属製の長尺タッチロールで糸条
の高速巻取を行うと、従来発生しなかった危険速度が使
用域での速度範囲まで低下してくるため、巻取時に激し
い振動が発生し、パッケージへの安定した接触が続行で
きないばかりでなく機械的な破損をもたらすので、安全
の面からも到底実用に供することができなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
そのため、金属性の長尺タッチロールで糸条の高速巻
取を図るには、タッチロールを大径化して、上式(1)
の剛性kをアップする以外に方法はなかった。
しかしながら、タッチロールを大径化すると、次に述
べるような新たな問題が発生する。
(1) トラバースガイドとタッチロールとの距離であ
るフレーリングスが大きくなるため、タッチロール上で
の糸条の折り返し時における挙動が不安定となり、パッ
ケージの巻姿不良、特に糸落ちが発生する。この現象
は、高速化につれて顕著になる。
(2) タッチロールが大径化すると、その外径の2乗
に比例して慣性質量が増大する。したがって、2組のボ
ビンホルダを回転自在にターレットに設け、一方のボビ
ンホルダに所定量のパッケージが形成されるとターレッ
トを回動させて他方のボビンホルダに糸条を切換えて巻
取らせるようにした切換式の巻取装置に適用した場合に
は、切換時、タッチローラとパッケージが離れるため、
ダッチローラは巻取速度から慣性力で回転しながら徐々
に減速されていく。次に、巻取速度まで昇速された紙製
の空ボビンに接触すると、その空ボビンが飛散するいわ
ゆるバースト現象を多発する。
また、タッチロールをモータにより強制的に駆動する
方式の巻取装置に適用した場合には、大きな容量のモー
タが必要となり、コンパクトな構成が難しく大掛りな装
置となってしまう。
一方、繊維強化複合材料を回転体の材質として用いた
ものが遠心分離機の分野では散見されてはいるが、糸条
の巻取装置の分等においては、未だ実用には供されてい
ないのが現状である。その第1の理由は、タッチロール
を繊維強化複合材料で構成すると、繊維強化複合材料製
のタッチロールは従来の金属製タッチロールに比べて表
面硬度、耐衝撃性、耐摩耗性などの機械的強度が格段に
劣り、その結果、例えばタッチロールの回転軸の軸受部
などにおいて度重なる使用による摩耗、この摩耗による
ガタ、振動などが発生して信頼性、耐久性に随分と劣る
ためである。また、第2の理由は、繊維強化複合材料製
のタッチロールは、外径の寸法精度が悪く、しかも糸条
の巻付に必要な所定の摩擦係数などの表面処理条件が得
られないため、糸条をきれいに巻取り、良好なパッケー
ジが得られないからである。更に、タッチローラとパッ
ケージとが直接接触するため、タッチローラ表面が振動
や摩擦により経時的に変化し、耐久性,信頼性などの機
械的強度が格段に劣るため、実用に供することができな
かった。
この発明は、上述した問題点を解消するためになされ
たもので、タッチロールの構造および使用材質の最適化
を図ることにより、タッチロールの長尺化、小型化を達
成すると共に、併せて振動の問題、巻取精度の問題をも
解決した信頼性、耐久性の高い高速巻き取りが可能なタ
ッチロールを具備した糸条の巻取装置を提供することを
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕 この発明は、スピンドルに装着されたボビン上の巻取
パッケージにタッチローラを接触させながら糸条を巻取
る糸条の巻取装置であって、上記目的を達成するため
に、前記タッチローラが、繊維強化複合材料により形成
された略円柱状又は略円筒状の芯材と、この芯材の外周
面において少なくとも前記巻取パッケージと接触する領
域に周方向に沿って設けられた金属材料よりなる外層
と、前記芯材の両端に設けられて軸受により回転自在に
支持された金属材料よりなる回転軸とを備えている。
ここで、ボビンとは、糸条を巻き取るための筒状体
で、公知の各種ボビンを用いることができる。
また、タッチロールは、スピンドルの回転力を受けて
回転するタイプのものであってもよく、あるいは独自の
駆動機構により回転するタイプのものであってもよい。
繊維強化複合材料としては、無機繊維や有機繊維に対
し、マトリックスとして樹脂や金属を用いたものを使用
することができる。具体的には、ポリアクリルニトリ
ル,セルロースピッチなどを高温で焼成して得られる高
弾性炭素繊維や、芳香族ポリアミドなどを主成分とする
例えば、米国デュポン社製の“ケブラー”などの高弾性
有機繊維あるいはガラス繊維などの強化繊維に対し、マ
トリクスとして、例えば、エポキシ樹脂,不飽和ポリエ
ステル樹脂,フェノール樹脂,ポリイミド樹脂などの熱
硬化性樹脂,ポリスルホン樹脂などの熱可塑性樹脂など
の樹脂や、アルミニューム,マグネシューム,銅などの
金属を用いたものであってもよい。これら、繊維強化複
合材料のうち、本発明の糸条の巻取装置により適してい
る繊維強化複合材料は、強化繊維として高弾性繊維を用
い、マトリクス樹脂としてエポキシ樹脂を用いたものが
好ましい。なお、引張強度、層間剪断強度などタッチロ
ールの構成材料に必要な機械的強度を上げるためには、
強化繊維のマトリクス樹脂に対する混合体積比率Vfは、
40〜75%が好ましく、50〜70%がより好ましい。
また、強化繊維のタッチロールに対する巻き付け角度
θ、すなわち、強化繊維の長さ方向とタッチロールの軸
芯とのなす角度θ(鋭角側)は、理論的には0度に近い
方がタッチロールの曲げ振動に対するヤング率Eが高く
なるので最も効果的であるが、反面捩れに対する強度が
低下するので、この巻き付け角度θは、伝達トルク、必
要とされるヤング率などにより適宜設計するのがよい。
上記繊維強化複合材料からなる芯材の形成方法として
は、例えば樹脂の含浸された繊維シートをマンドレルに
巻付け、テープラッピング後乾燥炉で加熱し、樹脂硬化
後マンドレルから抜き出ることにより得られる。あるい
は、繊維状物を螺旋状に巻回したもの、あるいは螺旋か
右廻りのものと左廻りのものを交互に重ねたもの、ある
いは編物にしたものなどに樹脂を含浸させることにより
得ることもできる。
次に、外層および回転軸を構成する金属材料は、その
材質が特に限定されず、従来常用されている炭素鋼,工
具鋼,ステンレス鋼、ひいては一般構造用圧延鋼材など
公知の金属材料で充分である。
更には、繊維強化複合材料の外周に金属材料を溶射ま
たは蒸着、またはメッキをし、その後所定の寸法に加工
し、外層および回転軸を構成する金属材料を得ても良
い。
この外層は、芯材の外周面において、巻取パッケージ
と接触する領域にのみ周方向に沿ってリング状に設けら
れていてもよく、もちろん芯材の外周面の全領域に設け
られていてもよい。
また、上述した芯材と外層を一体化する方法として
は、両者を所定形状に加工した上で、外層の内部に芯材
を焼き嵌め、圧入,冷し嵌め,接着剤による接着などで
一体化する方法が挙げられる。また、軸受は、外層の両
端に焼嵌めして溶接するか、あるいは芯材の両端に直接
取付ければよい。
なお、芯材のマトリクスが樹脂でなく、例えばAlやMg
のような金属の場合には、芯材を形成するときの金属材
からなる外子をそのまま利用し、その外子を加工して外
層および回転軸を得るようにしてもよい。
本発明のタッチロールが、繊維強化複合材料と金属材
料との組合せにより構成されることを要する理由は、こ
のような構成とすると、タッチロール材料として従来常
用されてきた炭素鋼やアルミニュームなどの材料に比べ
て、曲げ振動に対する比ヤング率(ヤング率を材料の密
度で除した値)が高くなるからである。
すなわち、タッチロールの危険速度を決定する前式
(1)は上述したようにm=ρAL、k=EIであるから、 と展開することができるが、本式(2)から明らかなよ
うに繊維強化複合材料の比ヤング率E/ρは金属に比べて
3〜10倍と大きいから、危険速度ωを同様に著しく上
げることができるからである。
また、外層および回転軸が金属材料で構成される理由
は、上述したように軸受部など、機械的強度、耐摩耗性
等が要求される部位の材質としては繊維強化複合材料よ
りは金属の方が好ましいからである。また、タッチロー
ルの外径の寸法精度を得るとともに、糸条の巻付に必要
な所定の摩擦係数を得るためには、繊維強化複合材料よ
り金属の方が好ましいからである。
なお、繊維強化複合材料の肉厚t1(第1図)は、少な
くとも金属材料の肉厚t2(第1図)と同等以上とするこ
とにより比ヤング率を大きくするのが良い。この肉厚t1
は物理上可能な限り厚くすることが好ましいが、使用条
件により必要なヤング率を有するように適宜決めても良
い。
また、タッチローラの長さL(第1図)としては、本
発明の振動抑制効果を発揮させるため、このような振動
が発生しやすい900mm以上の長尺品に適用するのが良
い。
その際、繊維強化複合材の長さl(第1図)のタッチ
ロール長さLに占める比率l/Lは、できるだけ大きい方
が望ましいが、少なくとも60%あれば良い。ただし、肉
厚t1と同様に必要な比ヤング率を有するように決めて良
い。
タッチロールをパッケージに押付ける方法としては、
例えばタッチロールをブラケットにより支持し、このブ
ラケットをシリンダにより上下運動させて、タッチロー
ルをパッケージに押し付ける方法が考えられる。
また、タッチロールを独自の駆動機構により回転駆動
する場合、例えばモータとしては直流モータ,誘導モー
タ,同期モータなどの公知のものが用いられ、また、そ
の動力伝達手段もカップリング,ベルト,ギアなど公知
の手段を用いることができる。本発明においては、タッ
チロールの回転軸とモータとを直結し、しかも回転軸に
モータの回転子を固定し、フレーム側に固定子を固定す
る方がタッチロールをコンパクトにできるのでより好ま
しい。
〔作用〕
この発明の糸条の巻取装置によれば、タッチロール
は、材質が繊維強化複合材料からなる芯材と、この芯材
の外周および両側にそれぞれ配設された金属材料からな
る外層および回転軸とを備えているので、タッチロール
全体としての密度を小さくすることができると共にヤン
グ率も大きくすることができるため、比ヤング率が著し
く向上し、危険速度を従来の金属のみで構成されたタッ
チロールの場合よりも引き上げる作用を奏する。
また、パッケージに接触する外層が金属材料により構
成されるとともに、回転軸も金属材料で構成されている
ので、タッチロールを繊維強化複合材料単独で構成した
場合に比べ、軸受部における表面強度,摺動特性等の機
械的強度が優れるとともに、タッチロールの外径の寸法
精度を出せ、かつ糸条の巻付に必要な所定の摩擦係数が
得られて、上記繊維強化複合材料単独で構成した場合の
欠点を捕完する作用を奏する。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明
する。
第1実施例 第1図は、本発明の一実施例である4山取りの糸条の
巻取装置の縦断面図であり、第2図はその要部側面図で
ある。
図において、1a〜1dは、それぞれの外周にパッケージ
2a〜2dを巻き取るための筒状のボビンで、本実施例では
4個が直列にスピンドル3に外挿されている。スピンド
ル3は、巻取フレーム16に回転自在に支持されており、
図示を省略したモータ等の駆動手段により回転駆動され
る。
タッチロール4は、繊維強化複合材料からなる円筒状
の芯材5を有し、この芯材5が金属材料からなる円筒状
の外層6内に嵌合連結されるとともに、外層の6の両端
に同じく金属材料からなる回転軸7が嵌合連結される。
ブラケット8には弾性体9を介して軸受10が取付けら
れ、この軸受10にタッチロール4の回転軸7が回転自在
に支持されている。このブラケット8は、巻取フレーム
16内に設けられた図示しないスライド軸受により図の上
下方向にスライド自在に支持されており、図示しないシ
リンダによりタッチロール4がパッケージ2a〜2dに圧接
する方向に付勢されている。
タッチロール4の近傍位置には、第2図に示すよう
に、各パッケージ2a〜2dに対応させて合計4個のトラバ
ースガイド11が設けられ、糸条Yの巻取り時には、各ト
ラバースガイド11が糸条Yを引掛けた状態でタッチロー
ル4の軸芯方向(第2図の紙面直角方向)に往復移動
(綾振り運動)することにより、ボビン1a〜1d上にパッ
ケージ2a〜2dを形成していく。
なお、タッチロール4の外層6の外周面は、パッケー
ジ2a〜2dの両端近傍に対応する領域を鏡面とし、その他
の領域を梨地面とするのが、糸条Yの綾振り運動時の挙
動を安定化させるのに望ましい。
本実施例では、ボビン1a〜1dの内径、外径および長さ
をそれぞれ120mm,135mm,30mmとし、これら4個のボビン
1a〜1dを縦列して(ボビン全長1200mm)スピンドル3に
装着した。また、タッチロール4は、芯材5の内径,外
径および長さを20mm,55mm,1150mmとし、外層6の外径お
よび長さを、65mm,1200mmとした。
この場合、芯材5は、炭素繊維“トレカM−50"(東
レ株式会社製)とエポキシ系樹脂で次のようにして製作
した。
まず、エポキシ系樹脂の含浸された炭素繊維のシート
を所定の寸法に切断し、外径が20mmの離型剤を塗布した
マンドレルに一層毎に巻きつける。
次いで、これをテープラッピングして乾燥炉で130℃
に加熱してエポキシ樹脂を硬化させ、硬化後、マンドレ
ルを抜き取って、芯材5を得る。
そして、外層6の内周面との間に、直径で0.05〜0.2m
mの隙間が生じるように芯材5の外周面を研摩し、その
外周面に接着剤を塗布して外層6の一側から挿入、接着
する。さらに、外層6の両端から回転軸7を焼嵌め後溶
接してタッチロール4を得る。
なお、外層6および回転軸7の材質は炭素鋼(S55C,J
IS G4051)とした。
上記のように構成された巻取装置に対し、タッチロー
ル回転数とその振幅との関係を調べるため、スピンドル
3の回転をボビン2a〜2dを介してタッチロール4に伝え
ながら、そのタッチロール4を8000m/分(39196rpm)ま
で昇速し、タッチロール回転数とブラケット8の左端8a
における振幅との関係を測定したのが第3図である。
この第3図から明らかなように、タッチロール4が小
径,長尺でありながら8000m/分(39196rpm)まで低い振
動レベルでの高速回転が可能となった。また、ボビン1a
〜1d上への糸条Yの巻取も安定し、良好なパッケージ2a
〜2dが得られた。また、タッチロール4に紙製ボビン1a
〜1dに接触させた場合にもバーストは発生しなかった。
また、長時間に渡る巻き取りでも何ら変化がなかった
ことから、本実施例装置は信頼性、耐久性の高い高速巻
取装置であることが確証された。
〔比較例〕
一方、上記実施例装置に対し、タッチロール4の材質
を、何ら繊維強化複合材料を用いない炭素鋼(S55C,JIS
G4051)だけで構成し、他の条件は全て上記実施例と
同様にしてタッチロール回転数とその振幅との関係を調
べたところ、第4図の結果が得られた。
すなわち、6800m/分(33317rpm)近くから急に振動が
大きくなり、ボビン1a〜1dからの駆動力が伝わらなくな
り、8000m/分までの高速回転が不可能であった。また、
その時、紙製ボビンのバーストが発生した。
このように、上記実施例において、タッチロールを小
径化しながら高速巻取を可能にできたのは、上記実施例
のタッチロール4の比ヤング率を、タッチロール4が全
て金属である場合の3倍とすることができたためであ
る。また、紙製ボビンのバーストの発生を防止できたの
は、上記実施例のタッチロール4の重量が比較例の1/3
倍で軽量となり、その慣性モーメントを小さくできたた
めである。さらに、良好な巻姿のパッケージが得られた
のは、タッチロール4の外径を小さくしてタッチロール
4とトラバースガイド11間の距離、すなわちフレーリン
グスP(第2図)を小さくできたので、その分タッチロ
ール4上での糸条Yの挙動が安定したためであり、ま
た、タッチロール4の外層6を金属で構成して糸条の巻
付に必要な所定の摩擦係数が得られるようにしたためで
もある。
第2実施例 上記第1実施例では、スピンドル3の回転力を受けて
タッチロール4が回転するタイプの巻取装置について説
明したが、この発明は、タッチロール4が独自の駆動機
構により回転するタイプの巻取装置にも適用できる。
例えば、第5図に示すように、一方側の回転軸7を長
尺に仕上げて、その回転軸7を軸受10以外に軸受12によ
っても支持させる。そして、軸受10,12間において回転
軸7の外周にモータの回転子13を固着する一方、ブラケ
ット8にモータの固定子14を固着して、この回転子13と
固定子14とで、タッチロール4の駆動手段15を形成する
ようにしてもよい。その他の構成は、上記第1実施例と
同様に仕上げる。
この実施例によっても、上記第1実施例と同様の効果
を達成できる。また、タッチロール4が軽量となるた
め、タッチロール4の加速,減速等に要する駆動手段15
としてのモータの容量を小さくでき、コンパクトな構成
が可能となる。
第3実施例 上記第1実施例では、第1図に示すように、タッチロ
ール4の外層6を芯材5の外周全面に形成したが、第6
図に示すように、外層6を、パッケージ2a〜2dが接触す
る領域だけにリング状に設けるようにしてもよい。この
場合、回転軸7は、芯材5の両端に直接固定すればよ
い。
この実施例によっても上記第1実施例と同様の効果を
達成できる。
〔発明の効果〕
本発明の糸条の巻取装置は、以下に述べる優れた効果
を奏することができる。
(1) タッチロールは、外径形状が小径、かつ長尺化
されても、その材質が繊維強化複合材料からなる芯材
と、この芯材の外周および両側にそれぞれ配設された金
属材料からなる外層および回転軸とを備えているので、
従来の金属材料のみで構成されたタッチロールに比べて
曲げ振動に対する比ヤング率が高くなり、巻取時の危険
速度をより高い領域に引き上げることができる。
(2) また、タッチロールは、繊維強化複合材料を用
いながらも、回転軸は金属材料で構成されているので、
従来の繊維強化複合材だけで構成されたものに比べ、格
段に耐久性、信頼性の点で優れた巻取装置が得られる。
(3) また、タッチロールの外層が金属材料で構成さ
れているので、タッチロールの外径の寸法精度を出せる
とともに、糸条の巻付に必要な所定の摩擦係数を得るこ
とができ、ボビン上に精度良くパッケージを形成するこ
とができる。特に、タッチロールの外径を小さくして、
その慣性質量およびフリーリングスを共に小さく設定で
きる結果、糸条の綾振り運動に伴う挙動が安定して、良
好な巻姿のパッケージが得られる。
(4) 更に、タッチロールは、繊維強化複合材料の使
用により、従来の金属製タッチロールに比べて重量が軽
減されるので、少ない駆動トルクでより高速化が達成で
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1実施例である糸条の巻取装置の
縦断面図、第2図はその要部側面図、第3図は第1図の
糸条の巻取装置におけるタッチロール回転数と振動との
関係を示すグラフ、第4図は従来の糸条の巻取装置にお
けるタッチロール回転数と振動との関係を示すグラフ、
第5図は本発明の第2実施例である糸条の巻取装置の要
部断面図、第6図は本発明の第3実施例である糸条の巻
取装置の断面図である。 1a〜1d……ボビン、2a〜2d……パッケージ、 3……スピンドル、4……タッチロール、 5……芯材、6……外層、 7……回転軸

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スピンドルに装着されたボビン上の巻取パ
    ッケージにタッチローラを接触させながら糸条を巻取る
    糸条の巻取装置において、 前記タッチローラが、繊維強化複合材料により形成され
    た略円柱状又は略円筒状の芯材と、この芯材の外周面に
    おいて少なくとも前記巻取パッケージと接触する領域に
    周方向に沿って設けられた金属材料よりなる外層と、前
    記芯材の両端に設けられて軸受により回転自在に支持さ
    れた金属材料よりなる回転軸とを備えていることを特徴
    とする糸条の巻取装置。
  2. 【請求項2】前記外層が、前記芯材の外周面の全領域に
    設けられている請求項1記載の糸条の巻取装置。
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