JPH0515802B2 - - Google Patents
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- JPH0515802B2 JPH0515802B2 JP63009172A JP917288A JPH0515802B2 JP H0515802 B2 JPH0515802 B2 JP H0515802B2 JP 63009172 A JP63009172 A JP 63009172A JP 917288 A JP917288 A JP 917288A JP H0515802 B2 JPH0515802 B2 JP H0515802B2
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Landscapes
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、ポツトの各部が定常運転使用時及び
工程異常時の荷重の負担に応じた強度を有する軽
量で省エネルギーに適合した紡糸用ポツトに関す
る。 〔従来技術及び問題点〕 人造繊維の製造に使用される紡糸用ポツトは、
その中に人造繊維のケークが入つた状態で約
8000rpmもの高速で回転するので、安全性の見地
から十分な強度を有することが要求され、加え
て、省エネルギーの見地から動力削減のため軽量
であること、及び、回転時の空気抵抗を小さくす
るため肉厚が薄く表面が滑らかであることが要求
される。 従来、こうした要求にこたえて鋼線入りベーク
ライト製のものや、炭素繊維等を使用した繊維強
化樹脂(FRP)製のものが提案されている(特
開昭56−15406号、同56−15407号、同56−18004
号公報参照)。 これまで提案されたもののうちFRP製の紡糸
用ポツトは、材料の比強度、つまり比重に対する
強度の割合が高く、鋼線入りのものに比較すれば
それなりに有効であるが、しかし、まだ前記の安
全性及び省エネルギーの要求を十分に満足するも
のではない。 また、別提案の紡糸ポツトは、定常運転時の負
荷、すなわち側壁部における周方向の引張り応力
を回転方向に対して0度〜±20度に配向させた繊
維強化熱硬化性樹脂層で受け持たせ、底部、テー
ル部における増速時のトルクによるねじり応力
は、ランダムに配向した1〜100mmの短繊維で強
化された熱硬化性樹脂で受け持たせて使用時の応
力に最も有効に対応しており、安全性及び省エネ
ルギーの要求に十分適合している(特開昭59−
204910号公報)。しかし、この繊維配向構成では、
工程異常による減速時のトルク、すなわち
8000rpmで回転しているポツトの緊急停止時、紡
糸用ポツト上部の溝に取り付けてあるポツト蓋よ
り急激に荷重がかかつた場合、周方向引張荷重に
対応した繊維角度を持つポツト上部の溝部はこの
部分のみ厚さが薄くなつているため、破損する問
題がある。8000rpmで回転しているポツトの停止
時荷重は、人造繊維をポツト内に誘導する棒に人
造繊維が巻き付き、ポツトに蓋に接触する場合に
発生する。 〔発明の目的及び構成〕 本発明は、従来技術における前記問題点を克服
した紡糸用ポツトを提供しようとするものであ
る。 本発明は、下記の構成からなる。 (イ) 側壁部全体が、ポツトの回転方向に対して0
度〜±20度の範囲で配向した繊維で強化され、
さらに側壁部上部のポツト蓋取り付け溝部は±
30度〜±60度の範囲で配向した繊維で強化され
た補強層を併せ持つ繊維強化熱硬化性樹脂から
なり、底部及びテール部がランダムに配向した
1〜100mmの短繊維で強化された繊維強化熱硬
化性樹脂からなり、かつ、各部の繊維含有率が
30〜70体積%であることを特徴とする紡糸用ポ
ツト。 (ロ) ポツト蓋取り付け溝部の補強層である繊維角
度±30度〜±60度層が織物又は組紐で構成され
ている前記(イ)記載の紡糸用ポツト。 (ハ) ポツト蓋取り付け溝部の補強層である繊維角
度±30度〜±60度層の厚みが、ポツト蓋取り付
け溝の厚みの5〜80%である前記(イ)記載の紡糸
用ポツト。 (ニ) ポツト蓋取り付け溝部の補強層である繊維角
度±30度〜±60度層の幅を、ポツト蓋取り付け
溝の幅の1〜10倍の範囲内で配した前記(イ)記載
の紡糸用ポツト。 本発明の紡糸用ポツトは、定常運転時及び工程
異常時の負荷に応じた繊維配向をしており、安全
性及び省エネルギーの要求を満足させるだけでな
く、工程異常時に破損せず、耐久性が向上した紡
糸用ポツトである。 本発明を図面により説明する。 第1図は紡糸用ポツトの軸方向断面図を示した
ものである。一般にポツトは、第1図に示す如く
側壁部1、底部2及びテール部3の各部から構成
されているが、紡糸用ポツトを設計するに当つて
は定常運転時にかかる負荷、すなわち側壁部にお
ける周方向の引張応力及び底部、テール部におけ
る増速時のトルクによるねじり応力を主に考慮し
なければならないとともに、工程異常時にかかる
負荷、すなわち減速時の側壁部上部におけるトル
クによるねじり応力も考慮しなければならない。
本発明の紡糸用ポツトは、定常運転時の負荷に対
応すべく、側壁部全体がポツトの回転方向に対し
0度〜±20度の範囲で配向した繊維で強化された
繊維強化熱硬化性樹脂からなり、底部及びテール
部がランダムに配向した1〜100mmの短繊維で強
化された繊維強化熱硬化性樹脂からなり、かつ工
程異常時の負荷に対応すべく側壁部上部のポツト
蓋取り付け溝部は、回転方向に対し±30度〜±60
度の範囲で配向した繊維で強化された補強層を併
せ持つ繊維強化熱硬化性樹脂からなることを特徴
とする紡糸用ポツトである。 定常運転時には側壁部において最大の応力を受
けるのはポツトの円周方向、すなわち、ポツトの
回転軸に対して0度の方向であり、その負荷に応
じて強化用繊維の配向角を0度〜±20度とするこ
とが必要である。配向角がこの範囲をはずれる場
合は、ポツトの円周方向の強度と弾性率が大きく
低下する。正の配向角と負の配向角に配向した繊
維の量比を等しくして、円周方向に対称に繊維を
配向させるのがよい。 このように強化用繊維の配向をポツトの回転方
向に対して0度〜±20度にしてポツトの回転方向
の引張強度を強化すれば、側壁部の肉厚を薄くす
ることが可能となり、それだけ軽量化できるばか
りでなく、同じ肉厚のものに比べて外径を小さく
することができ、このため回転時の空気抵抗を減
少させ省エネルギーの効果を挙げることができ
る。 一方、工程異常によるポツトの急速な減速によ
る負荷は、側壁部上部の蓋取り付け溝部に最大の
トルク荷重がかかる。このトルク荷重に応じて強
化用繊維の配向角を±30度〜±60度とすることが
必要である。配向角がこの範囲をはずれる場合
は、ねじり強度と横弾性率が大きく低下する。ま
た、正の配向角と負の配向角に配向した繊維の量
比を等しくして、円周方向に対称に繊維を配向さ
せるのがよい。 この±30度〜±60度の補強層は、作業性の点で
織物や組紐を使用するのが好ましい。 第2図は、本発明による紡糸用ポツトの上部の
一部の斜視断面図を示したものである。本発明に
よるポツトは定常運転時と工程異常時の負荷に対
応するために、ポツト側壁部の実質上全体の強化
用繊維がポツト回転方向に対して0度〜±20度の
範囲で配向されている上に、側壁部上部のポツト
蓋取り付け溝部は±30度〜±60度の範囲で配向し
た繊維で強化された補強層5を併せ持つものであ
る。側壁部上部のポツト蓋取り付け溝部の補強層
は、同図a,b,cに示した如く、その厚さ方向
に対して、内側でも外側でも又はその中間でもよ
い。 そして、この補強層の厚さは、ポツト蓋取り付
け溝部の厚みの5〜80%の範囲で、かつ、その幅
は、ポツト蓋取り付け溝部の肉厚の小さい部分を
幅方向に余すことなく、溝の幅の1〜10倍の範囲
内にすることが好ましい。 補強層5の厚さがポツト蓋取り付け溝部の厚み
の5%未満では、工程異常時の負荷に対応でき
ず、また、80%超では、定常運転時の負荷に対応
できない傾向がある。補強層5の幅がポツト蓋取
り付け溝部の幅未満であれば、ポツト蓋取り付け
溝部を補強しきれず工程異常時の負荷に対応でき
ず、また、10倍超では定常運転時の負荷に対応で
きない傾向がある。ここで、厚さとは、ポツト半
径方向の寸法をさし、幅及び幅方向とは、ポツト
回転軸方向の寸法及びポツト回転軸方向のことを
さす。 次に、底部及びテール部は繊維強化熱硬化性樹
脂からなり、ここでは1〜100mmの短繊維がラン
ダムに配向されていることが必要である。短繊維
の繊維長は1〜100mmである。底部及びテール部
をこのように構成すると高速回転するトルクを十
分に伝動することができる。 本発明において、強化用の繊維は、通常FRP
の製造に用いられる無機繊維、有機繊維であつ
て、例えば炭素繊維、ガラス繊維、芳香族ポリア
ミド繊維等である。これらを1種又は2種用い
る。熱硬化性樹脂は、例えばエポキシ樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、フエノール樹
脂、ポリイミド樹脂等である。各部における強化
用繊維と樹脂との混合比、つまり繊維含有率は30
〜70体積%であることが必要である。30体積%未
満では強度が低下し、また、70体積%を超えると
成形性が低下するほか繊維含有量の増加に見合う
それ以上の強度の向上がない。 〔発明の効果〕 本発明の紡糸用ポツトは、定常運転時及び工程
異常時の負荷に最も有効に対応しうる強度を有
し、しかも軽量で、安全性に優れ、省エネルギー
に適合し、耐久性が向上した紡糸用ポツトであ
り、経済性に優れ工業上極めて有用である。 〔実施例及び比較例〕 実施例 1 高強度タイプ炭素繊維〔東邦レーヨン(株)製ベス
フアイト 〕を一方向に引き揃えフエノールノボ
ラツクタイプエポキシ樹脂プリプレグ(硬化温度
130℃)を用意し、その長さ(繊維方向)を紡糸
用ポツト周長の1.1倍に、そして幅を約30mmにカ
ツトした。得られたプリプレグシートを第3図に
示す雄型aの側面部に、ポツトの円周方向に対し
0度になる如く巻き回した。 さらに、高強度タイプ炭素繊維〔東邦レーヨン
(株)製ベスフアイト 〕の織物にフエノールノボラ
ツクタイプエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグ
を、ポツトの円周方向に対し、±45度になるよう
カツトして、ポツト上部に巻き回した。(本材料
と先の一方向プリプレグの合計重量は400gであ
つた。) 当該層は、ポツト蓋取り付け溝の約4倍の幅
で、その厚さの25%を占めるように巻き回した。 別に、エポキシ樹脂を含浸させた炭素繊維(同
上)のストランドを15mmにカツトし、得られた短
繊維800gを第3図に示す雌型bの下部に充填し
た。 この雌型の中へ前記雄型を組み込み、金型温度
を80℃に加熱しながら徐々に圧入した。次いで、
金型温度を約30分で130℃に上げた。この昇温途
中の約90℃になるまでに雌型中への雄型の圧入を
完了した。続いて、約90分間130℃に保つて成形
を終えた。 比較例 1 実施例1におけると同じ型を使用しポツト円周
方向に対して±45度になる織物プリプレグの層に
代えて、その分量と同じだけ1方向のプリプレグ
の層にした積層仕様のものを使用して、実施例1
と同じ成形条件で成形を行なつた。 各例で得られた炭素繊維強化樹脂製紡糸用ポツ
トは、ともに表面が極めて滑らかで寸法精度が良
好であつた。側壁部厚みは、約2mmでポツト全体
の重量は約1200gであつた。ちなみに、現在数多
く使用されている鋼線入りのベークライト製紡糸
用ポツトの側壁部厚みは8mmであり、ポツト全体
の重量は約2600gである。 これらの紡糸用ポツトを連続で3ケ月間運転し
た結果、破損もなく問題なく使用できた。一方、
工程異常時の破壊状況を推定するために、それぞ
れの紡糸用ポツトについて破壊テストを行なつ
た。テストは、ポツトモーターにより7500rpmで
回転しているポツトを、その上部蓋取り付け用溝
にブレーキをかけて0rpmまで減速させ破壊状況
を調べた。なお、ポツトには規定量の人造繊維が
納まつている。破壊テストに供した数は、実施
例、比較例とも、それぞれ20個である。テスト結
果を第1表に示す。
工程異常時の荷重の負担に応じた強度を有する軽
量で省エネルギーに適合した紡糸用ポツトに関す
る。 〔従来技術及び問題点〕 人造繊維の製造に使用される紡糸用ポツトは、
その中に人造繊維のケークが入つた状態で約
8000rpmもの高速で回転するので、安全性の見地
から十分な強度を有することが要求され、加え
て、省エネルギーの見地から動力削減のため軽量
であること、及び、回転時の空気抵抗を小さくす
るため肉厚が薄く表面が滑らかであることが要求
される。 従来、こうした要求にこたえて鋼線入りベーク
ライト製のものや、炭素繊維等を使用した繊維強
化樹脂(FRP)製のものが提案されている(特
開昭56−15406号、同56−15407号、同56−18004
号公報参照)。 これまで提案されたもののうちFRP製の紡糸
用ポツトは、材料の比強度、つまり比重に対する
強度の割合が高く、鋼線入りのものに比較すれば
それなりに有効であるが、しかし、まだ前記の安
全性及び省エネルギーの要求を十分に満足するも
のではない。 また、別提案の紡糸ポツトは、定常運転時の負
荷、すなわち側壁部における周方向の引張り応力
を回転方向に対して0度〜±20度に配向させた繊
維強化熱硬化性樹脂層で受け持たせ、底部、テー
ル部における増速時のトルクによるねじり応力
は、ランダムに配向した1〜100mmの短繊維で強
化された熱硬化性樹脂で受け持たせて使用時の応
力に最も有効に対応しており、安全性及び省エネ
ルギーの要求に十分適合している(特開昭59−
204910号公報)。しかし、この繊維配向構成では、
工程異常による減速時のトルク、すなわち
8000rpmで回転しているポツトの緊急停止時、紡
糸用ポツト上部の溝に取り付けてあるポツト蓋よ
り急激に荷重がかかつた場合、周方向引張荷重に
対応した繊維角度を持つポツト上部の溝部はこの
部分のみ厚さが薄くなつているため、破損する問
題がある。8000rpmで回転しているポツトの停止
時荷重は、人造繊維をポツト内に誘導する棒に人
造繊維が巻き付き、ポツトに蓋に接触する場合に
発生する。 〔発明の目的及び構成〕 本発明は、従来技術における前記問題点を克服
した紡糸用ポツトを提供しようとするものであ
る。 本発明は、下記の構成からなる。 (イ) 側壁部全体が、ポツトの回転方向に対して0
度〜±20度の範囲で配向した繊維で強化され、
さらに側壁部上部のポツト蓋取り付け溝部は±
30度〜±60度の範囲で配向した繊維で強化され
た補強層を併せ持つ繊維強化熱硬化性樹脂から
なり、底部及びテール部がランダムに配向した
1〜100mmの短繊維で強化された繊維強化熱硬
化性樹脂からなり、かつ、各部の繊維含有率が
30〜70体積%であることを特徴とする紡糸用ポ
ツト。 (ロ) ポツト蓋取り付け溝部の補強層である繊維角
度±30度〜±60度層が織物又は組紐で構成され
ている前記(イ)記載の紡糸用ポツト。 (ハ) ポツト蓋取り付け溝部の補強層である繊維角
度±30度〜±60度層の厚みが、ポツト蓋取り付
け溝の厚みの5〜80%である前記(イ)記載の紡糸
用ポツト。 (ニ) ポツト蓋取り付け溝部の補強層である繊維角
度±30度〜±60度層の幅を、ポツト蓋取り付け
溝の幅の1〜10倍の範囲内で配した前記(イ)記載
の紡糸用ポツト。 本発明の紡糸用ポツトは、定常運転時及び工程
異常時の負荷に応じた繊維配向をしており、安全
性及び省エネルギーの要求を満足させるだけでな
く、工程異常時に破損せず、耐久性が向上した紡
糸用ポツトである。 本発明を図面により説明する。 第1図は紡糸用ポツトの軸方向断面図を示した
ものである。一般にポツトは、第1図に示す如く
側壁部1、底部2及びテール部3の各部から構成
されているが、紡糸用ポツトを設計するに当つて
は定常運転時にかかる負荷、すなわち側壁部にお
ける周方向の引張応力及び底部、テール部におけ
る増速時のトルクによるねじり応力を主に考慮し
なければならないとともに、工程異常時にかかる
負荷、すなわち減速時の側壁部上部におけるトル
クによるねじり応力も考慮しなければならない。
本発明の紡糸用ポツトは、定常運転時の負荷に対
応すべく、側壁部全体がポツトの回転方向に対し
0度〜±20度の範囲で配向した繊維で強化された
繊維強化熱硬化性樹脂からなり、底部及びテール
部がランダムに配向した1〜100mmの短繊維で強
化された繊維強化熱硬化性樹脂からなり、かつ工
程異常時の負荷に対応すべく側壁部上部のポツト
蓋取り付け溝部は、回転方向に対し±30度〜±60
度の範囲で配向した繊維で強化された補強層を併
せ持つ繊維強化熱硬化性樹脂からなることを特徴
とする紡糸用ポツトである。 定常運転時には側壁部において最大の応力を受
けるのはポツトの円周方向、すなわち、ポツトの
回転軸に対して0度の方向であり、その負荷に応
じて強化用繊維の配向角を0度〜±20度とするこ
とが必要である。配向角がこの範囲をはずれる場
合は、ポツトの円周方向の強度と弾性率が大きく
低下する。正の配向角と負の配向角に配向した繊
維の量比を等しくして、円周方向に対称に繊維を
配向させるのがよい。 このように強化用繊維の配向をポツトの回転方
向に対して0度〜±20度にしてポツトの回転方向
の引張強度を強化すれば、側壁部の肉厚を薄くす
ることが可能となり、それだけ軽量化できるばか
りでなく、同じ肉厚のものに比べて外径を小さく
することができ、このため回転時の空気抵抗を減
少させ省エネルギーの効果を挙げることができ
る。 一方、工程異常によるポツトの急速な減速によ
る負荷は、側壁部上部の蓋取り付け溝部に最大の
トルク荷重がかかる。このトルク荷重に応じて強
化用繊維の配向角を±30度〜±60度とすることが
必要である。配向角がこの範囲をはずれる場合
は、ねじり強度と横弾性率が大きく低下する。ま
た、正の配向角と負の配向角に配向した繊維の量
比を等しくして、円周方向に対称に繊維を配向さ
せるのがよい。 この±30度〜±60度の補強層は、作業性の点で
織物や組紐を使用するのが好ましい。 第2図は、本発明による紡糸用ポツトの上部の
一部の斜視断面図を示したものである。本発明に
よるポツトは定常運転時と工程異常時の負荷に対
応するために、ポツト側壁部の実質上全体の強化
用繊維がポツト回転方向に対して0度〜±20度の
範囲で配向されている上に、側壁部上部のポツト
蓋取り付け溝部は±30度〜±60度の範囲で配向し
た繊維で強化された補強層5を併せ持つものであ
る。側壁部上部のポツト蓋取り付け溝部の補強層
は、同図a,b,cに示した如く、その厚さ方向
に対して、内側でも外側でも又はその中間でもよ
い。 そして、この補強層の厚さは、ポツト蓋取り付
け溝部の厚みの5〜80%の範囲で、かつ、その幅
は、ポツト蓋取り付け溝部の肉厚の小さい部分を
幅方向に余すことなく、溝の幅の1〜10倍の範囲
内にすることが好ましい。 補強層5の厚さがポツト蓋取り付け溝部の厚み
の5%未満では、工程異常時の負荷に対応でき
ず、また、80%超では、定常運転時の負荷に対応
できない傾向がある。補強層5の幅がポツト蓋取
り付け溝部の幅未満であれば、ポツト蓋取り付け
溝部を補強しきれず工程異常時の負荷に対応でき
ず、また、10倍超では定常運転時の負荷に対応で
きない傾向がある。ここで、厚さとは、ポツト半
径方向の寸法をさし、幅及び幅方向とは、ポツト
回転軸方向の寸法及びポツト回転軸方向のことを
さす。 次に、底部及びテール部は繊維強化熱硬化性樹
脂からなり、ここでは1〜100mmの短繊維がラン
ダムに配向されていることが必要である。短繊維
の繊維長は1〜100mmである。底部及びテール部
をこのように構成すると高速回転するトルクを十
分に伝動することができる。 本発明において、強化用の繊維は、通常FRP
の製造に用いられる無機繊維、有機繊維であつ
て、例えば炭素繊維、ガラス繊維、芳香族ポリア
ミド繊維等である。これらを1種又は2種用い
る。熱硬化性樹脂は、例えばエポキシ樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、フエノール樹
脂、ポリイミド樹脂等である。各部における強化
用繊維と樹脂との混合比、つまり繊維含有率は30
〜70体積%であることが必要である。30体積%未
満では強度が低下し、また、70体積%を超えると
成形性が低下するほか繊維含有量の増加に見合う
それ以上の強度の向上がない。 〔発明の効果〕 本発明の紡糸用ポツトは、定常運転時及び工程
異常時の負荷に最も有効に対応しうる強度を有
し、しかも軽量で、安全性に優れ、省エネルギー
に適合し、耐久性が向上した紡糸用ポツトであ
り、経済性に優れ工業上極めて有用である。 〔実施例及び比較例〕 実施例 1 高強度タイプ炭素繊維〔東邦レーヨン(株)製ベス
フアイト 〕を一方向に引き揃えフエノールノボ
ラツクタイプエポキシ樹脂プリプレグ(硬化温度
130℃)を用意し、その長さ(繊維方向)を紡糸
用ポツト周長の1.1倍に、そして幅を約30mmにカ
ツトした。得られたプリプレグシートを第3図に
示す雄型aの側面部に、ポツトの円周方向に対し
0度になる如く巻き回した。 さらに、高強度タイプ炭素繊維〔東邦レーヨン
(株)製ベスフアイト 〕の織物にフエノールノボラ
ツクタイプエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグ
を、ポツトの円周方向に対し、±45度になるよう
カツトして、ポツト上部に巻き回した。(本材料
と先の一方向プリプレグの合計重量は400gであ
つた。) 当該層は、ポツト蓋取り付け溝の約4倍の幅
で、その厚さの25%を占めるように巻き回した。 別に、エポキシ樹脂を含浸させた炭素繊維(同
上)のストランドを15mmにカツトし、得られた短
繊維800gを第3図に示す雌型bの下部に充填し
た。 この雌型の中へ前記雄型を組み込み、金型温度
を80℃に加熱しながら徐々に圧入した。次いで、
金型温度を約30分で130℃に上げた。この昇温途
中の約90℃になるまでに雌型中への雄型の圧入を
完了した。続いて、約90分間130℃に保つて成形
を終えた。 比較例 1 実施例1におけると同じ型を使用しポツト円周
方向に対して±45度になる織物プリプレグの層に
代えて、その分量と同じだけ1方向のプリプレグ
の層にした積層仕様のものを使用して、実施例1
と同じ成形条件で成形を行なつた。 各例で得られた炭素繊維強化樹脂製紡糸用ポツ
トは、ともに表面が極めて滑らかで寸法精度が良
好であつた。側壁部厚みは、約2mmでポツト全体
の重量は約1200gであつた。ちなみに、現在数多
く使用されている鋼線入りのベークライト製紡糸
用ポツトの側壁部厚みは8mmであり、ポツト全体
の重量は約2600gである。 これらの紡糸用ポツトを連続で3ケ月間運転し
た結果、破損もなく問題なく使用できた。一方、
工程異常時の破壊状況を推定するために、それぞ
れの紡糸用ポツトについて破壊テストを行なつ
た。テストは、ポツトモーターにより7500rpmで
回転しているポツトを、その上部蓋取り付け用溝
にブレーキをかけて0rpmまで減速させ破壊状況
を調べた。なお、ポツトには規定量の人造繊維が
納まつている。破壊テストに供した数は、実施
例、比較例とも、それぞれ20個である。テスト結
果を第1表に示す。
【表】
この結果より、本発明の紡糸用ポツトは工程異
常時の急激な減速による負荷に対し極めて有効で
あることがわかる。
常時の急激な減速による負荷に対し極めて有効で
あることがわかる。
第1図は紡糸用ポツトの軸方向断面図、第2図
は本発明紡糸用ポツトの上部の一部の斜視断面
図、第3図はプリプレグシートを巻き回した雄型
a及び成形素材を充填した雌型bの各断面概略
図、第4図は雌型に雄型を組み込んだ場合の断面
概略図を示す。 図面における記号の説明、1……側壁部、2…
…底部、3……テール部、4……蓋取り付け溝、
5……補強層、6……プリプレグシート、7……
成形素材、8……雄型、9……雌型。
は本発明紡糸用ポツトの上部の一部の斜視断面
図、第3図はプリプレグシートを巻き回した雄型
a及び成形素材を充填した雌型bの各断面概略
図、第4図は雌型に雄型を組み込んだ場合の断面
概略図を示す。 図面における記号の説明、1……側壁部、2…
…底部、3……テール部、4……蓋取り付け溝、
5……補強層、6……プリプレグシート、7……
成形素材、8……雄型、9……雌型。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 側壁部全体が、ポツトの回転方向に対して0
度〜±20度の範囲で配向した繊維で強化され、さ
らに側壁部上部のポツト蓋取り付け溝部は±30度
〜±60度の範囲で配向した繊維で強化された補強
層を併せ持つ繊維強化熱硬化性樹脂からなり、底
部及びテール部がランダムに配向した1〜100mm
の短繊維で強化された繊維強化熱硬化性樹脂から
なり、かつ、各部の繊維含有率が30〜70体積%で
あることを特徴とする紡糸用ポツト。 2 ポツト蓋取り付け溝部の補強層である繊維角
度±30度〜±60度層が織物又は組紐で構成されて
いる特許請求の範囲1記載の紡糸用ポツト。 3 ポツト蓋取り付け溝部の補強層である繊維角
度±30度〜±60度層の厚みが、ポツト蓋取り付け
溝の厚みの5〜80%である特許請求の範囲1記載
の紡糸用ポツト。 4 ポツト蓋取り付け溝部の補強層である繊維角
度±30度〜±60度層の幅を、ポツト蓋取り付け溝
の幅の1〜10倍の範囲内で配した特許請求の範囲
1記載の紡糸用ポツト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP917288A JPH01183513A (ja) | 1988-01-19 | 1988-01-19 | 紡糸用ポット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP917288A JPH01183513A (ja) | 1988-01-19 | 1988-01-19 | 紡糸用ポット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01183513A JPH01183513A (ja) | 1989-07-21 |
JPH0515802B2 true JPH0515802B2 (ja) | 1993-03-02 |
Family
ID=11713165
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP917288A Granted JPH01183513A (ja) | 1988-01-19 | 1988-01-19 | 紡糸用ポット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH01183513A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2575144Y2 (ja) * | 1990-06-08 | 1998-06-25 | フドー株式会社 | 工具ホルダー把持具の支持板 |
CN102839437B (zh) * | 2012-09-14 | 2015-07-08 | 四川航天拓鑫玄武岩实业有限公司 | 一种复合材料组合式离心缸 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50160880A (ja) * | 1974-06-18 | 1975-12-26 | ||
JPS514675A (en) * | 1974-07-01 | 1976-01-14 | Sumitomo Electric Industries | Gasuenshinbunrikyo kaitendotanban |
JPS5127165A (ja) * | 1974-08-30 | 1976-03-06 | Sumitomo Electric Industries | Kosokukaitendo |
JPS5344570A (en) * | 1976-09-29 | 1978-04-21 | Nisshin Flour Milling Co Ltd | Preparation of highly pure dl-alpha-tocopherol |
JPS59204910A (ja) * | 1983-04-28 | 1984-11-20 | Toho Rayon Co Ltd | 紡糸用ポツト |
-
1988
- 1988-01-19 JP JP917288A patent/JPH01183513A/ja active Granted
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50160880A (ja) * | 1974-06-18 | 1975-12-26 | ||
JPS514675A (en) * | 1974-07-01 | 1976-01-14 | Sumitomo Electric Industries | Gasuenshinbunrikyo kaitendotanban |
JPS5127165A (ja) * | 1974-08-30 | 1976-03-06 | Sumitomo Electric Industries | Kosokukaitendo |
JPS5344570A (en) * | 1976-09-29 | 1978-04-21 | Nisshin Flour Milling Co Ltd | Preparation of highly pure dl-alpha-tocopherol |
JPS59204910A (ja) * | 1983-04-28 | 1984-11-20 | Toho Rayon Co Ltd | 紡糸用ポツト |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01183513A (ja) | 1989-07-21 |
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