JP3343412B2 - 電磁誘導式自動走行車両の制御装置 - Google Patents

電磁誘導式自動走行車両の制御装置

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JP3343412B2
JP3343412B2 JP23171293A JP23171293A JP3343412B2 JP 3343412 B2 JP3343412 B2 JP 3343412B2 JP 23171293 A JP23171293 A JP 23171293A JP 23171293 A JP23171293 A JP 23171293A JP 3343412 B2 JP3343412 B2 JP 3343412B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、果樹園等における自動
走行型の薬剤散布機(スピードスプレヤ)等の自動走行
車両に係り、より詳しくは、誘導経路に沿って配設した
誘導ケーブルに、走行車両の操舵用の制御信号を供給す
る一方、走行車両に搭載した操舵用センサにて制御信号
を感知して走行車両を操舵制御するようにした、電磁誘
導式自動走行車両の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、果樹園等における自動走行型
の薬剤散布機(スピードスプレヤ)等においては、作業
者が走行車両に乗ったまま薬剤散布作業を実行すると、
作業者が薬剤を被ることがあり、健康上の害を伴うこと
があることを考慮して、走行車両を無人状態で走行させ
ながら薬剤散布を行うことが行われている。この場合、
図9(a)に示すように、作業経路(誘導経路)SKに
沿って設けた溝内CHに埋設した誘導ケーブル27に交
流電流を流し、この誘導ケーブルから発生する交流磁界
の強度の変化を走行車両1の前部等に装着した左右一対
のピックアップコイル(共振コイル型)等の操舵用セン
サLa,Lbにて検出し、図9(b)に示すように、こ
の誘導ケーブル27に対する走行車両の横ずれの大きさ
mに対応して発生する左右一対の操舵用センサLa,L
bでの出力値(電圧値)eの差を取って、横ずれの大き
さ(偏位量)と横ずれの方向(右か左かの判別)とを求
め、これらの検出結果から走行車両を誘導ケーブルに沿
って走行するように、走行車両における操舵車輪の向き
を変えて操舵制御することが行われている(実開平2−
84909号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の走
行車両には、エンジンの回転によりバッテリに充電する
ための発電機が備えられている。最近の発電機は、半導
体による整流方式を採用したオルタネータが主流であっ
て、このオルタネータは、3相交流発電機と3相全波整
流器とを組合せたものである。3相交流発電機では星型
結線のアーマチュアが磁界を構成し、ロータ(電機子)
の電機子反作用磁界の歪み、第3高調波が星型結線の中
性点電圧を歪ませることを利用した中性点ダイオード方
式等がある。
【0004】そして、オルタネータはエンジンの出力軸
等からプーリ及びベルトを介して回転させられるため、
当該オルタネータの回転数はエンジンの回転数に比例す
ることになる。このようなオルタネータの構造に鑑み、
本発明者は、オルタネータの作動により、操舵用センサ
に悪影響を及ぼす磁界が発生するのではないかという疑
念を抱いた。
【0005】そこで、本発明者が実験した結果、図10
に示すように、横軸にエンジン回転数(rpm)、縦軸
に磁気センサの出力値(mV)を取って示すと、Bの中
性点ダイオード付きのオルタネータでは、1200〜1
500rpmの領域と、2500〜2800rpmの領
域で操舵用センサによるノイズ信号検出値が大きくな
り、Aの中性点ダイオード無しのオルタネータでは、1
300〜1700rpmの領域で操舵用センサによるノ
イズ信号検出値が大きくなることが分かった。つまり、
前記オルタネータ(エンジン)回転数の領域では、操舵
用センサに悪影響を及ぼす周波数の磁界(ノイズ信号)
が出ている。
【0006】このように、エンジンの回転数がある領域
ではオルタネータから発生する磁界が大きくなるため、
操舵用センサがオルタネータのノイズ信号の影響を受け
ると、誘導ケーブルが無いにも拘らず、誘導用の制御信
号があるように操舵用センサが誤信号を検出するので、
走行車両が誘導経路から外れてしまい、走行車両の破損
のみならず、人身事故の可能性も発生するという問題が
ある。
【0007】オルタネータの磁界(磁気)を外に出さな
い工夫として、オルタネータを磁気シールド部材で覆っ
て遮蔽することが考えられるが、オルタネータには、そ
の発熱を除去するためのフアン等を有するため、完全な
遮蔽構造を達成できないという問題があった。
【0008】また、この種の走行車両には薬剤噴霧作業
機を搭載しており、走行車両を自動モードに設定して自
動走行中これらの作業機を作動させたり、非作動させる
等の制御も実行するが、エンジンの動力を作業機に伝達
すると、その負荷のため、当該エンジンの回転数が若干
低下する。このようにエンジン回転数の低下に伴ってオ
ルタネータの回転数が低下し、前述のように、操舵用セ
ンサの検出に悪影響を及ぼす周波数のノイズ信号が発生
する回転数領域となる。
【0009】本発明の第一の目的は、前記作業機を駆動
すべく自動走行車両を自動モードにて運転するとき、エ
ンジンの回転により駆動する前記オルタネータから発生
するノイズ信号の周波数が前記操舵用センサにて感知し
ない領域となるように、前記エンジン回転数を所定値に
設定することである。
【0010】本発明の第二の目的は、前記作業機が駆動
となる自動モードと、前記作業機の非作動の手動モード
とに切換可能に構成した場合、これらのモードの切り換
えにより、エンジンの回転数が変動する一方、自動モー
ドに切換る時には、作業者(オペレータ)が走行車両か
ら離れた位置にいるため、この自動モードに切り換えた
後に円滑な作業及び走行車両操舵が実行できるように、
エンジンの回転により駆動する前記オルタネータから発
生するノイズ信号の周波数が前記操舵用センサにて感知
する領域となる場合に、自動モードに切換え禁止するよ
うに制御することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の各目的を達成する
ため、請求項1記載の発明の電磁誘導式自動走行車両の
制御装置は、誘導経路に沿って配設した誘導ケーブル
に、所定の周波数の操舵用制御信号を伝送する一方、オ
ルタネータを備えたエンジンを搭載した自動走行車両に
は、前記操舵用制御信号を検出するための少なくとも左
右一対の操舵用センサを搭載すると共に、前記エンジン
からの動力を作業機に伝達するように構成し、前記作業
機を駆動すべく自動走行車両を自動モードにて運転する
とき、エンジンの回転により駆動する前記オルタネータ
から発生するノイズ信号の周波数が前記操舵用センサに
て感知しない領域となるように、前記エンジン回転数を
所定値に自動設定するように制御する制御装置を設けた
ものである。
【0012】請求項2記載の発明の電磁誘導式自動走行
車両の制御装置は、誘導経路に沿って配設した誘導ケー
ブルに、所定の周波数の操舵用制御信号を伝送する一
方、オルタネータを備えたエンジンを搭載した自動走行
車両には、前記操舵用制御信号を検出するための少なく
とも左右一対の操舵用センサを搭載すると共に、前記エ
ンジンからの動力を作業機に伝達するように構成し、前
記作業機が駆動となる自動モードと、前記作業機の非作
動の手動モードとに切換可能に構成し、エンジンの回転
により駆動する前記オルタネータから発生するノイズ信
号の周波数が前記操舵用センサにて感知する領域となる
場合に、自動モードに切換え禁止するように制御する制
御装置を設けたものである。
【0013】
【実施例】次に本発明を自動走行型の薬剤散布機(スピ
ードスプレヤ)に適用した実施例について説明する。ス
ピードスプレヤの走行車両1の前部側にハンドル3を備
えた運転操作部2を有し、走行車両1には薬液タンク4
とその後部に噴霧部5とを備えている。
【0014】噴霧部5は、走行車両1の下面を除く外周
面に適宜間隔で半径外向きに臨ませた多数の噴霧ノズル
6と、その半径外向きに風を送る送風機7が装着され、
前記噴霧ノズル6は走行車両1の左右及び上面との3区
画若しくは左右2区画ごとに噴霧の作業を実行するよう
に散布制御できるものである。
【0015】符号8,8は左右前輪、符号9,9は左右
後輪であり、これらの4輪はエンジン10からの動力が
走行変速機構11を介して各々伝達されて駆動できるい
わゆる4輪駆動型であり、エンジン10からの動力をP
TO出力変速伝達機構12を介して送風機7を回転さ
せ、また噴霧ノズル6に対する動噴ポンプ13を駆動さ
せる。
【0016】ハンドル3付き操舵装置14は、図3に示
すような機械的または油圧系統を含むパワーステアリン
グ機構15であり、このパワーステアリング機構15は
油圧回路16における複動式の油圧シリンダ17にて作
動し、油圧シリンダ17が伸長するとき、平面視W字状
のベルクランク18を介して後輪9,9を左向きに変更
すると共に、連結ロッド19及び平面視V字状のベルク
ランク20を介して前輪8,8を右向きに変更する(油
圧シリンダ17が縮小するときには前輪は左向き後輪は
右向きに変更される)というように、前後4輪ともに向
きを変えて左右に回動変更できるいわゆる4輪操舵型で
ある。
【0017】その油圧回路16を図4に示し、符号28
は、自動操舵用の油圧シリンダ17に対する電磁ソレノ
イド式の制御弁であり、符号29は走行クラッチ及びブ
レーキ作動のためのアクチュエータとしての油圧シリン
ダ30を制御する電磁ソレノイド式の制御弁、符号23
は手動操舵操作の場合に使用する制御弁である。
【0018】制御弁29、28は、油圧ポンプ22から
の作動油送りの場合に前記手動操舵用の制御弁23より
も上流から分岐した油圧管31に接続し、しかも、走行
クラッチ及びブレーキ作動用の制御弁29は、自動操舵
用の制御弁28よりも上流側になるよう直列状に連結す
る。
【0019】従って、走行クラッチ及びブレーキを作動
させるべく、制御弁29を中立位置以外の位置に作動さ
せるときには、その油圧シリンダ30が優先的に作動
し、操舵用の油圧シリンダ17の作動は二次的となる。
【0020】なお、手動操舵のときには、油圧ポンプ2
2から送られてきた油が制御弁23を介して油圧モータ
21に送られ、この油圧モータ21からの油送り量をハ
ンドル3の回動角度に比例するように作動させ、この油
を前記ステアリング機構15に取付く複動式の油圧シリ
ンダ17に送る。自動操舵制御のときには油圧ポンプ2
2から制御弁29の中立位置及び電磁ソレノイド式制御
弁28を介して油圧シリンダ17に作動油を送る。
【0021】符号25は前輪8の操舵角度を検出できる
ポテンショメータ等の操舵角度センサであり、この場
合、左右車輪の向き角度の平均値を求めて検出しても良
い。なお、前輪と後輪とを別々の油圧シリンダ式パワー
ステアリング機構を介して連結して、前輪と後輪とを個
別的に操舵制御するようにしても良い。
【0022】走行車両1には、その前部に左右一対の操
舵用センサ26a,26bを設ける。この操舵用センサ
26a,26bは、導体をコイル状に巻いたピックアッ
プコイル(共振コイル)であって、所定の周波数の磁界
のみに対して共振して出力信号を出すことができる構成
であり、電磁誘導信号発生装置(図示せず)にて誘導ケ
ーブル27に供給された適宜周波数(実施例では1・5
kHz)の正弦波の交流電流により、当該誘導ケーブル
27の周囲に発生する交流磁界の有無・強度を検出する
ことができるものである。誘導ケーブル27は果樹園の
作業経路である誘導経路に沿って形成した溝内に敷設す
るか、または地中に埋設する。
【0023】図5は噴霧部5の実施例を示し、薬液タン
ク4からの液状薬剤は、タンクドレイン弁32、フィル
タ33を介して動噴ポンプ13に入り、主弁34、パイ
プ35を介して薬液分配器36から左右及び中央(上)
の切換弁37,38,39を介して各方向の噴霧ノズル
6に噴出させるものであり、各切換弁37,38,39
には切換操作用モータ37a,38a,39aが設けら
れ、走行車両の走行方向と被散布物(樹木)との位置関
係により、所定の向きにのみ薬液を噴霧することを選択
することができる。なお、符号40は調圧弁、符号41
は補正噴霧用吐出パイプ42に接続した停止弁であり、
パイプ42の先端にホース(図示せず)を繋ぎ、薬液が
かからなかった樹木に手作業で噴霧する。
【0024】運転操作部2における操作パネルに設けた
キースイッチ(図示せず)に、始動時にキーを差し込ん
で、所定角度回動すると、後述の制御装置100が立ち
上がり(起動して)、実行準備状態(待機状態)とな
る。次いで、さらに所定角度回動すると、セルモータが
起動してエンジン作動させるためのものである。自動モ
ード設定スイッチ46は、実施例としてはオルタネイト
押しボタンスイッチを使用する。従って、1回目の押下
でその押下状態(ON状態)を保持する。再度自動モー
ド設定スイッチ46を押下すると、突出状態(OFF状
態)に復帰する。液晶表示素子等による表示部には、現
在の制御の状態や作業者に対する指示を文字や図形等に
て表示するものである。符号49は作業者が別途意思確
認するためのシフトスイッチであって、押しボタンスイ
ッチ部を透明の開閉可能なカバー体にて覆ってあり、操
作するにはカバー体を一旦開いて押しボタンスイッチ部
を押下する。後述するように、自動モードから手動モー
ドへの切換え、反対に手動モードから自動モードへの切
換えは、前記自動モード設定スイッチ46の操作に加え
て、作業者の明確な意思の元に前記シフトスイッチ49
の操作を実行するか、または作業者の明確な意思のもと
で実行した動作(例えば走行クラッチペタル61の踏み
込み操作)に基づいて作動するスイッチの検出信号によ
り、モードの切換えが実現できるようにするものであ
る。
【0025】なお、自動モードに設定されたときには、
自動モードランプ47が点灯し、手動モード設定時には
自動モードランプ47が消灯する。
【0026】図6は、走行車両の制御をマイクロコンピ
ュータのソフトにより実行する場合の制御装置100の
機能ブロック図を示し、2つのマイクロコンピュータユ
ニット(MPU)101,102を備え、この2つのM
PU101,102はカプラを介して離脱可能な通信線
103で接続し、相互に相手側の制御が正常に作動して
いるか否かを監視している。また、各MPU101,1
02には、図示しないが中央処理装置(CPU)、読み
書き可能メモリ(RAM)及び読み出し専用メモリ(R
OM)、インターフェイス等にて構成されている。ま
た、この2つのMPU101,102は同一形態(同一
構成部品)にて形成され、相互に交換可能であって、両
者のMPUを区別するため、一方のMPU101の判別
ポート104はローポートとし、他方のMPU102の
判別ポート105はハイポートとする。
【0027】一方のMPU101の入力ポートには、前
記噴霧ノズル6の作動区画(左側、上側、右側)を切り
換える操作スイッチ(手動による操作スイッチ)10
6,107,108の各端子と、前記シフトスイッチ4
9の端子と、送風機7への動力伝達を継断するフアンク
ラッチ操作スイッチ109の端子と、各種作業を実行す
るため遠隔操作用の送信機110から発信させた操作用
信号を、受信機111にて受けて、その信号を複数のチ
ャネル(実施例では6チャネル)にて峻別して受ける判
別回路の各チャネルの出力信号端子、及び受信モニタ信
号の出力端子と、走行車両1の前部に装着した左右一対
の障害物感知センサ112a,112bの端子、薬液タ
ンク内の薬液の有無又は量の大小(満杯か、空か等)を
検出する薬液センサ113の出力端子と、自動モード設
定スイッチ46の端子を、それぞれ接続して信号入力す
る。
【0028】また、MPU101の出力ポートには、前
記噴霧ノズル6の作動区画(左側、上側、右側)ごとに
薬液を供給する切換弁37,38,39の切換操作用モ
ータ37a,38a,39aへの端子、前記走行クラッ
チ及びブレーキの自動操作用の油圧シリンダ30に対す
る電磁制御弁29の電磁ソレノイド端子、送風機7への
動力伝達を継断するフアンクラッチ操作用の電動シリン
ダ114の端子、動噴ポンプ13の作動を許可するリレ
ー115の端子をそれぞれ接続して信号出力する。
【0029】前記他方のMPU102の入力ポートに
は、前記自動モード設定スイッチ46の端子と、前記受
信機111の各チャネルの出力信号端子と、走行変速機
構11における主変速レバーが後退位置であることを検
出する牽制スイッチ91の端子と、同じく副変速レバー
が高速位置であることを検出する牽制スイッチ93の端
子と、走行車両1の前バンパーの前面に取付けて障害物
が接触したとき走行停止させるためのタッチセンサ11
6の端子と、操舵用の油圧シリンダ17のピストンロッ
ドのストロークの最大突出位置を検出するためのストロ
ークセンサ117の端子と、誘導ケーブル27からの操
舵用制御信号を検出する操舵用センサ26a,26bの
端子と、図示しないが、山の傾斜面の立木に対して効果
的に薬液噴霧するために前記左右両側の噴霧ノズル6群
の方向を走行車両1の進行方向軸線と交叉する平面上で
調節するための噴霧ノズル向き変更アクチュエータ作動
用のスイッチ118の端子と、エンジン10の回転数検
出器119の端子とをそれぞれ接続して信号を入力す
る。また、MPU102の出力ポートには、エンジン1
0の作動許可用リレー120の端子、各種パイロットラ
ンプ121の端子、モニタランプ122の端子、自動モ
ードの場合にその状態を確認するための自動モードラン
プ47の端子、操舵用の制御弁28の電磁ソレノイドの
端子28R,28Lの端子をそれぞれ接続して信号を出
力する。
【0030】この構成により、電磁誘導式信号発生装置
から、所定の周波数(実施例では1.5kHz)の操舵
用制御信号を誘導ケーブル27に送れるようにする。操
舵用制御信号は走行車両が走行している間、連続して送
られている。走行車両1側では、操舵用センサ26a,
26bにより、前記操舵用制御信号を検出して、制御装
置100におけるMPU102にて左右の操舵用センサ
26a,26bの検出信号の大きさを比較し、走行車両
1の左右中心が誘導ケーブル27の軸線の真上にあるか
左右に偏位しているかを判別する。そして、この左右偏
位に応じて、所定の制御方式により、操舵用の制御弁2
8の電磁ソレノイドの端子28R,28Lの端子に適宜
大きさの出力信号を出して、操舵装置14を作動させ、
前輪8,8及び後輪9,9の向きを変えて誘導ケーブル
27に沿うように操舵制御を実行する。
【0031】他方、遠隔操作では、手動モードにてエン
ジンを始動し、次いで、自動モードに制御を切り換えた
後、送信機110の電源をONにすると、受信モニタ信
号の電波が受信機111に向かって連続的に搬送され
る。走行車両1の走行開始、停止、噴霧作業の開始、停
止等の各種作業を実行するときのみ、オペレータは送信
機110から操作用信号を受信機111を介して制御装
置100に入力し、前記と同様にしてMPU101に
て、どのチャネルに入ったかにより、どの作業を実行す
るかの判別を実行し、前記走行クラッチ装置、ブレーキ
装置に対する制御弁29やエンジン作動許可リレー11
5、薬液散布用のモータ37a,38a,39a等の各
種の出力装置に所定の信号を出力するので、MPU10
1,102等にて所定の制御ループ上で走行開始(発
進)、噴霧部5での送風機(フアン)7の駆動、左側ノ
ズル6、右側ノズル6、上側ノズル6の噴霧開始のため
の切換用モータ37a,38a,39aのON等を実行
するのである。
【0032】そして、従来周知の構造のオルタネータ1
50は、エンジン10の回転軸からプーリ及びベルトを
介して回転駆動させられているので、前記制御装置10
0では、エンジン回転数検出器119からの信号を常時
入力され、この信号からオルタネータ150の回転数を
演算する。制御装置100における随時読み書き可能メ
モリ(RAM)には、予め、前記操舵用センサ26a,
26bが感知するノイズ信号発生領域(実施例では1.
5kHzの周波数)を記憶させておき、後述のソフト的
制御により、前記操舵用センサが感知するノイズ信号発
生領域にて前記オルタネータ150が作動することを禁
止する。
【0033】なお、前記オルタネータの作動禁止の実行
は、エンジン回転軸からオルタネータの回転軸への動力
伝達を遮断するものであっても良い。
【0034】オルタネータ150の回転により発生する
所定の周波数のノイズ信号が、所定の周波数の操舵用制
御信号を感知する操舵用センサにて検出できないように
制御する別の実施例としては、前記制御装置100にお
けるソフトプログラムにより、前記作業機を駆動すべく
自動走行車両を自動モードにて運転するとき、エンジン
の回転により駆動する前記オルタネータから発生するノ
イズ信号の周波数が前記操舵用センサにて感知しない領
域となるように、前記エンジン回転数を所定値に自動設
定するように制御するものである。
【0035】その実施例としては、図7のサブルーチン
フローチャートに示すように、ステップS1にて作業者
が自動モード設定スイッチ46を押下したか否かを判別
し、自動モードであれば(ステップS1,yes )、エン
ジン10の回転数Nxを検出して、その回転数が設定値
Noより低いか否かを判別する(ステップS2)。実施
例では設定値Noを噴霧作業に適した2800rpmと
し、許容誤差αを考慮し、Nx≦No−αであるか否か
を判別する。この判別がNx≦No−αであるとき(ス
テップS2,yes )、図示しないアクセルレバー等に連
結したアクチュエータを作動させて燃料噴射量を増大さ
せることにより、エンジンの回転数を上昇させる作動を
実行する(ステップS3)。
【0036】前記ステップS2の判別でnoのときには、
さらに、ステップS4でNx≧No+αであるか否かを
判別する。ステップS4でyes の判別があると、エンジ
ン回転数検出値Nxは大きすぎるのであるから、ステッ
プS5にてエンジン回転数下降作動を実行する。そし
て、ステップS4で否(no)の判別があったときには、
検出されたエンジン回転数Nxが設定値Noの許容範囲
内にあるので、自動モードへの切換を許容し(ステップ
S6)、エンジン回転数を前記の設定値Noに保持する
のである(ステップS7)。
【0037】この制御態様によれば、作業者が自動モー
ド設定スイッチ46を押下しても、エンジン回転数、ひ
いてはオルタネータの回転数が所定値になければ、自動
モードに移行することがなく、且つ、自動モードでの作
業機作動中は、エンジンの回転数を所定の値に保持する
ので、操舵用センサが誤検出することもなくなるのであ
る。
【0038】別の制御の実施例としては、誘導経路に沿
って配設した誘導ケーブルに、所定の周波数の操舵用制
御信号を伝送する一方、オルタネータを備えたエンジン
を搭載した自動走行車両には、前記操舵用制御信号を検
出するための少なくとも左右一対の操舵用センサを搭載
すると共に、前記エンジンからの動力を作業機に伝達す
るように構成し、制御装置100において、前記作業機
が駆動となる自動モードと、前記作業機の非作動の手動
モードとに切換可能に構成し、エンジンの回転により駆
動する前記オルタネータから発生するノイズ信号の周波
数が前記操舵用センサにて感知する領域となる場合に、
自動モードに切換え禁止するように制御するものであ
る。
【0039】その一実施例は、図8のサブルーチンフロ
ーチャートに示すような制御を実行するものである。
【0040】即ち、ステップP1にて自動モード設定ス
イッチ46が押下されているか否かを判別し、ここで押
下されていると(自動モード側、ステップP1,no)、
次のステップP2にて検出したエンジン回転数Nxの大
小を判断する。ここで、自動モード側であるときのエン
ジン回転数の設定値Noを2000rpmとし、後述する手
動モード側でのエンジン回転数の設定値Noを2300rp
mとする。この理由は、前述のAのオルタネータ150
を使用するとき、エンジン回転数に換算して2400rpm
より上側及び1800rpmより下側で、操舵用センサの検
出に悪影響を及ぼすノイズ信号の値が大きくなるから、
安全を見越すものであり、また、自動モードでは作業機
への動力伝達のためにエンジン回転数が低下するのを見
越して、手動モードで予め高めに設定するのである。
【0041】そして、Nx>2000rpmであれば、エン
ジン回転数正常とし(ステップP3)、Nx≦2000rp
mの状態はエンジン回転数低とする(ステップP4)。
【0042】他方、手動モードのとき(ステップP1,
yes )には、次のステップP5にて検出したエンジン回
転数Nxを設定値2300rpmと比較して、Nx>2300r
pmの場合には、エンジン回転数正常とし(ステップP
6)と判断し、Nx≦2300rpmの場合には、エンジン
回転数低とする(ステップP7)。
【0043】次いで、前記エンジン回転数低の状態が2
秒以上継続すると判断すると(ステップP8、yes )、
エンジンエラーとして自動モードへの移行を禁止する
(ステップP9)。反対にステップP8でyes のとき、
即ちエンジン回転数低の継続状態が短いときには、自動
モードへの移行を許可するのである(ステップP1
0)。
【0044】
【発明の作用・効果】以上に説明したように、請求項1
に記載の発明である電磁誘導式自動走行車両の制御装置
は、誘導経路に沿って配設した誘導ケーブルに、所定の
周波数の操舵用制御信号を伝送する一方、オルタネータ
を備えたエンジンを搭載した自動走行車両には、前記操
舵用制御信号を検出するための少なくとも左右一対の操
舵用センサを搭載すると共に、前記エンジンからの動力
を作業機に伝達するように構成し、前記作業機を駆動す
べく自動走行車両を自動モードにて運転するとき、エン
ジンの回転により駆動する前記オルタネータから発生す
るノイズ信号の周波数が前記操舵用センサにて感知しな
い領域となるように、前記エンジン回転数を所定値に自
動設定するように制御する制御装置を設けたものであっ
て、前記作業機を駆動すべく自動走行車両を自動モード
にて運転するとき、前記エンジン回転数を積極的に所定
値に保持することで、このエンジンの回転により駆動す
る前記オルタネータから発生するノイズ信号の周波数が
前記操舵用センサにて感知しない領域となるから、走行
車両の操舵の誤作動を生じることが無くなるという効果
を奏すると同時に、常に安定した作業機の回転が得られ
ので、作業が安定するという効果を奏する。
【0045】請求項2に記載の発明としての電磁誘導式
自動走行車両の制御装置は、誘導経路に沿って配設した
誘導ケーブルに、所定の周波数の操舵用制御信号を伝送
する一方、オルタネータを備えたエンジンを搭載した自
動走行車両には、前記操舵用制御信号を検出するための
少なくとも左右一対の操舵用センサを搭載すると共に、
前記エンジンからの動力を作業機に伝達するように構成
し、前記作業機が駆動となる自動モードと、前記作業機
の非作動の手動モードとに切換可能に構成し、エンジン
の回転により駆動する前記オルタネータから発生するノ
イズ信号の周波数が前記操舵用センサにて感知する領域
となる場合に、自動モードに切換え禁止するように制御
する制御装置を設けたものであり、手動モードと自動モ
ードとで正常となるエンジン回転数を異ならせることに
より、特に自動モードに切換えた時には、作業者(オペ
レータ)が走行車両から離れた位置から作業機の作動の
入り切りを遠隔操作するため、作業機の負荷によりエン
ジン回転が低下することを考慮して手動モード時のエン
ジンの回転数を自動モード時より高くすることにより、
操舵用センサの誤作動の発生をなくした状態にて円滑な
作業及び走行車両操舵が実行できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】薬剤散布機の側面図である。
【図2】薬剤散布機の平面図である。
【図3】操舵装置14の概略平面図である。
【図4】操舵装置等の制御油圧回路図である。
【図5】噴霧部の機構ブロック図である。
【図6】制御装置の機能ブロック図である。
【図7】制御の第2実施例を示すサブルーチンフローチ
ャートである。
【図8】制御の第3実施例を示すサブルーチンフローチ
ャートである。
【図9】(a)は誘導ケーブルから発生する交流磁界と
走行車両における操舵用センサとの位置関係を示す説明
図、(b)は誘導ケーブルに対する操舵用センサの横ず
れによる操舵用センサの出力の関係を示す説明図であ
る。
【図10】エンジン(オルタネータ)の回転数と操舵用
センサの検出値との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 走行車両 6 噴霧ノズル 7 送風機 10 エンジン 11 走行変速機構 12 動力伝達機構 13 動噴ポンプ 14 操舵装置 16 油圧回路 26a,26b 操舵用センサ 27 誘導ケーブル 28 自動操舵用制御弁 29 制御弁 100 制御装置 101,102 MPU 150 オルタネータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B61B 13/00 B61B 13/00 V (72)発明者 村井 幸雄 大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農 機株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−225510(JP,A) 実開 平4−132505(JP,U) 実開 平4−136707(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 1/04 - 1/28 A01M 7/00 F02D 29/06 G05B 9/02 G05D 1/02 B61B 13/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導経路に沿って配設した誘導ケーブル
    に、所定の周波数の操舵用制御信号を伝送する一方、オ
    ルタネータを備えたエンジンを搭載した自動走行車両に
    は、前記操舵用制御信号を検出するための少なくとも左
    右一対の操舵用センサを搭載すると共に、前記エンジン
    からの動力を作業機に伝達するように構成し、前記作業
    機を駆動すべく自動走行車両を自動モードにて運転する
    とき、エンジンの回転により駆動する前記オルタネータ
    から発生するノイズ信号の周波数が前記操舵用センサに
    て感知しない領域となるように、前記エンジン回転数を
    所定値に自動設定するように制御する制御装置を設けた
    ことを特徴とする電磁誘導式自動走行車両の制御装置。
  2. 【請求項2】 誘導経路に沿って配設した誘導ケーブル
    に、所定の周波数の操舵用制御信号を伝送する一方、オ
    ルタネータを備えたエンジンを搭載した自動走行車両に
    は、前記操舵用制御信号を検出するための少なくとも左
    右一対の操舵用センサを搭載すると共に、前記エンジン
    からの動力を作業機に伝達するように構成し、前記作業
    機が駆動となる自動モードと、前記作業機の非作動の手
    動モードとに切換可能に構成し、エンジンの回転により
    駆動する前記オルタネータから発生するノイズ信号の周
    波数が前記操舵用センサにて感知する領域となる場合
    に、自動モードに切換え禁止するように制御する制御装
    置を設けたことを特徴とする電磁誘導式自動走行車両の
    制御装置。
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