JP3333597B2 - 走行車両における噴霧装置の安全装置 - Google Patents

走行車両における噴霧装置の安全装置

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JP3333597B2
JP3333597B2 JP22846293A JP22846293A JP3333597B2 JP 3333597 B2 JP3333597 B2 JP 3333597B2 JP 22846293 A JP22846293 A JP 22846293A JP 22846293 A JP22846293 A JP 22846293A JP 3333597 B2 JP3333597 B2 JP 3333597B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、果樹園等における自動
走行型の薬剤散布機(スピードスプレヤ)等の自動走行
車両において、噴霧作業を安全に操作できるようにした
ものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、果樹園等における自動走行型
の薬剤散布機(スピードスプレヤ)等においては、作業
者が走行車両に乗ったまま薬剤散布作業を実行すると、
作業者が薬剤を被ることがあり、健康上の害を伴うこと
があることを考慮して、走行車両を無人状態で走行させ
ながら薬剤散布を行うことが行われている。この場合、
作業経路(誘導経路)に沿って地中に埋設した誘導ケー
ブルに交流電流を流し、この誘導ケーブルから発生する
交流磁界の強度の変化を走行車両の前部等に装着した左
右一対のピックアップコイル等の磁気センサーにて検出
し、この誘導ケーブルに対する走行車両の横ずれの大き
さに対応して発生する左右一対の磁気センサーでの出力
値(電圧値)の差を取って、横ずれの大きさ(偏位量)
と横ずれの方向(右か左かの判別)とを求め、これらの
検出結果から走行車両を誘導ケーブルに沿って走行する
ように、走行車両における操舵車輪の向きを変えて操舵
制御すると共に、薬剤噴霧の作業も実行することが行わ
れている(実開平2−84909号公報参照)。
【0003】一方、前記のような構成の走行車両におい
て、自動モードにより無人走行するとき、薬剤噴霧作業
の開始及び停止を実行するのに、走行車両から離れた位
置の作業者が無線遠隔操作用の送信機を携帯し、走行車
両には前記送信機からの指令信号を受ける受信機を搭載
し、所定の指令信号を受信することに応じて、前記各作
業を実行させることが考えられた。
【0004】この場合、薬剤噴霧すべき樹木の対象や時
期により、薬剤噴霧に際してその噴霧状の薬剤を樹木に
分かって吹きつけるための薬剤フアン(送風機)の風の
強さを強弱別に設定する。
【0005】そして、この設定は作業者(オペレータ)
が走行車両の操作部で、予め、操作レバー等を手動で切
換えておき、この送風機への動力伝達のためのフアンク
ラッチのON・OFFのみを遠隔操作で実行すること
で、作業者が薬剤に被爆するのを防止するようにしてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記薬
剤噴霧作業の開始(ON)及び停止(OFF)の指令信
号(前記フアンクラッチのON・OFFに対応する)を
送信機側から伝送する形式が、例えば、接点式スイッチ
の押下にて、フリップフロップ回路に信号を送り、スイ
ッチの押下操作ごとに、ONとOFFとの信号が交互出
力されるように、その指令信号の種類が送信機側で判別
不能な場合や、走行車両の操作部でフアンクラッチのO
N・OFFの状態をモニタ(認識)することができない
場合であって、前記送風機の変速切換を忘れて中立位置
のままにしておいたときには、送信機側で前記の指令信
号を送っても、現実には送風機は動作しない。
【0007】この場合に、送風機の変速切換の忘れを思
い出し、作業者が走行車両に戻って、変速用の操作レバ
ーを操作すると思いがけない事故が発生する。即ち、送
信機側で既にフアンクラッチがONの指令になっている
と、前記変速用操作レバーを低速或いは高速側に入れた
途端に、送風機は回転し始めることになり、その近傍に
他の作業者が存在すると、きわめて危険である。また、
停止している送風機を回転し始めるときには、初期トル
クが大きく必要であるから、フアンクラッチはフアンが
取付けられた従動軸側(負荷側)への動力伝達に際して
衝撃力を与えないよう、摩擦クラッチ等により序序に動
力伝達するべきである。しかし、前述のように、フアン
クラッチが既にONになっているときに、変速用操作レ
バーを中立位置から低速段または高速段に入れると、変
速機構部等の部品に衝撃を与えて破損するという問題が
あった。
【0008】本発明は、この技術的課題を解決するため
なされたものであって、前記のフアンクラッチのON・
OFFの区別ができるようにし、且つ遠隔操作に伴う危
険性を排除することができる自動走行車両を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の走行車両における噴霧装置の安全装置で
は、走行車両に搭載した動力源からの動力を、薬剤噴霧
部の送風機に対して、動力伝達を継断するためのフアン
クラッチと、前記送風機の速度を変速する変速機構とを
介して伝達するよう構成し、自動モード時に、走行車
両外における遠隔操作用の送信機からの信号を受信する
受信機と、受信した指令信号に応じて前記フアンクラッ
チをON・OFFするためのアクチュエータに操作指令
する制御装置と、手動モード時に前記アクチュエータを
手動にてON・OFFさせる手動スイッチと、前記フア
ンクラッチのON・OFF状態を判別する検出スイッチ
を備え、前記手動スイッチのON・OFF作動に拘ら
ず、前記検出スイッチが前記フ アンクラッチのON状態
を検出するとその状態を報知する表示部を前記車両走
行側に設けたものである。
【0010】
【実施例】次に本発明を自動走行型の薬剤散布機(スピ
ードスプレヤ)に適用した実施例について説明する。ス
ピードスプレヤの走行車両1の前部側にハンドル3を備
えた運転操作部2を有し、走行車両1には薬液タンク4
とその後部に噴霧部5とを備えている。
【0011】噴霧部5は、走行車両1の下面を除く外周
面に適宜間隔で半径外向きに臨ませた多数の噴霧ノズル
6と、その半径外向きに風を送る送風機7が装着され、
前記噴霧ノズル6は走行車両1の左右及び上面との3区
画若しくは左右2区画ごとに噴霧の作業を実行するよう
に散布制御できるものである。
【0012】符号8,8は左右前輪、符号9,9は左右
後輪であり、これらの4輪はエンジン10からの動力が
走行変速機構11を介して各々伝達されて駆動できるい
わゆる4輪駆動型であり、エンジン10からの動力をP
TO出力変速伝達機構12を介して送風機7を回転さ
せ、また噴霧ノズル6に対する動噴ポンプ13を駆動さ
せる。
【0013】ハンドル3付き操舵装置14は、図3に示
すような機械的または油圧系統を含むパワーステアリン
グ機構15であり、このパワーステアリング機構15は
油圧回路16における複動式の油圧シリンダ17にて作
動し、油圧シリンダ17が伸長するとき、平面視W字状
のベルクランク18を介して後輪9,9を左向きに変更
すると共に、連結ロッド19及び平面視V字状のベルク
ランク20を介して前輪8,8を右向きに変更する(油
圧シリンダ17が縮小するときには前輪は左向き後輪は
右向きに変更される)というように、前後4輪ともに向
きを変えて左右に回動変更できるいわゆる4輪操舵型で
ある。
【0014】その油圧回路16を図4に示し、符号28
は、自動操舵用の油圧シリンダ17に対する電磁ソレノ
イド式の制御弁であり、符号29は走行クラッチ及びブ
レーキ作動のためのアクチュエータとしての油圧シリン
ダ30を制御する電磁ソレノイド式の制御弁、符号23
は手動操舵操作の場合に使用する制御弁である。
【0015】制御弁29、28は、油圧ポンプ22から
の作動油送りの場合に前記手動操舵用の制御弁23より
も上流から分岐した油圧管31に接続し、しかも、走行
クラッチ及びブレーキ作動用の制御弁29は、自動操舵
用の制御弁28よりも上流側になるよう直列状に連結す
る。
【0016】従って、走行クラッチ及びブレーキを作動
させるべく、制御弁29を中立位置以外の位置に作動さ
せるときには、その油圧シリンダ30が優先的に作動
し、操舵用の油圧シリンダ17の作動は二次的となる。
【0017】なお、手動操舵のときには、油圧ポンプ2
2から送られてきた油が制御弁23を介して油圧モータ
21に送られ、この油圧モータ21からの油送り量をハ
ンドル3の回動角度に比例するように作動させ、この油
を前記ステアリング機構15に取付く複動式の油圧シリ
ンダ17に送る。自動操舵制御のときには油圧ポンプ2
2から制御弁29の中立位置及び電磁ソレノイド式制御
弁28を介して油圧シリンダ17に作動油を送る。
【0018】符号25は前輪8の操舵角度を検出できる
ポテンショメータ等の操舵角度センサであり、この場
合、左右車輪の向き角度の平均値を求めて検出しても良
い。なお、前輪と後輪とを別々の油圧シリンダ式パワー
ステアリング機構を介して連結して、前輪と後輪とを個
別的に操舵制御するようにしても良い。
【0019】走行車両1の下面には、その前部に左右一
対の磁気センサ26a,26bを設ける。この磁気セン
サ26a,26bは、導体をコイル状に巻いたピックア
ップコイルであっても良いし、ホール素子、ホールI
C、磁気抵抗素子、磁気トランジスタであっても良く、
交流電流発生装置にて誘導ケーブル27に印加された適
宜周波数の交流電流により、当該誘導ケーブル27の周
囲に発生する交流磁界の強度を検出することができるも
のである。誘導ケーブル27は果樹園の作業経路である
誘導経路に沿って形成した溝内に敷設するか、または地
中に埋設する。
【0020】また、誘導経路に沿うように感知する手段
の他の実施例としては、誘導経路沿って設けた標識や木
立を超音波センサ、赤外線センサ等のセンサにより感知
するようなものであっても良い。
【0021】図9は噴霧部5の実施例を示し、薬液タン
ク4からの液状薬剤は、タンクドレイン弁32、フィル
タ33を介して動噴ポンプ13に入り、主弁34、パイ
プ35を介して薬液分配器36から左右及び中央(上)
の切換弁37,38,39を介して各方向の噴霧ノズル
6に噴出させるものであり、各切換弁37,38,39
には切換操作用モータ37a,38a,39aが設けら
れ、走行車両の走行方向と被散布物(樹木)との位置関
係により、所定の向きにのみ薬液を噴霧することを選択
することができる。なお、符号40は調圧弁、符号41
は補正噴霧用吐出パイプ42に接続した停止弁であり、
パイプ42の先端にホース(図示せず)を繋ぎ、薬液が
かからなかった樹木に手作業で噴霧する。
【0022】運転操作部2における操作パネルに設けた
キースイッチ(図示せず)に、始動時にキーを差し込ん
で、所定角度回動すると、後述の制御装置100が立ち
上がり(起動して)、実行準備状態(待機状態)とな
る。次いで、さらに所定角度回動すると、セルモータが
起動してエンジン作動させる。自動モード設定スイッ
チ46は、実施例としてはオルタネイト押しボタンスイ
ッチを使用する。従って、1回目の押下でその押下状態
(ON状態)を保持する。再度自動モード設定スイッチ
46を押下すると、突出状態(OFF状態)に復帰す
る。液晶表示素子等による表示部は、現在の制御の状態
や作業者に対する指示を文字や図形等にて表示したり、
光や音で作業者に報知したりするものである。
【0023】符号49は作業者が別途意思確認するため
のシフトスイッチであって、押しボタンスイッチ部を透
明の開閉可能なカバー体にて覆ってあり、操作するには
カバー体を一旦開いて押しボタンスイッチ部を押下す
る。後述するように、自動モードから手動モードへの切
換え、反対に手動モードから自動モードへの切換えは、
前記自動モード設定スイッチ46の操作に加えて、作業
者の明確な意思の元に前記シフトスイッチ49の操作を
実行するか、または作業者の明確な意思のもとで実行し
た動作(例えば走行クラッチペタルの踏み込み操作)に
基づいて作動するスイッチの検出信号により、モードの
切換えが実現できるようになっている
【0024】なお、自動モードに設定されたときには、
自動モードランプ47が点灯し、手動モード設定時には
自動モードランプ47が消灯する。
【0025】図7及び図8は、送風機7に対する動力伝
達をON・OFFするためのフアンクラッチ150及び
その操作機構を示し、エンジン10からの動力はPTO
出力変速伝達機構12のミッション部(内部機構図示せ
ず)及びフアンクラッチ150を介して従動軸151に
伝達される。
【0026】フアンクラッチ150におけるシフトレバ
ー152はリンク機構153を介して前記ミッション部
を内蔵するケース12aの外側面に設けたアクチュエー
タである電動シリンダ114の伸縮軸155に連結され
ている。
【0027】また、ケース12aの外側面に設けた検出
スイッチ157は、前記電動シリンダ114のON・O
FF動作(伸縮動作)に応じた揺動レバー156の揺動
位置を検出し、もってフアンクラッチ150がON状態
(動力伝達状態)であるか、OFF状態(動力遮断状
態)であるかを判別するものである。
【0028】図6は、走行車両の制御をマイクロコンピ
ュータのソフトにより実行する場合の制御装置100の
機能ブロック図を示し、2つのマイクロコンピュータユ
ニット(MPU)101,102を備え、この2つのM
PU101,102はカプラを介して離脱可能な通信線
103で接続し、相互に相手側の制御が正常に作動して
いるか否かを監視している。
【0029】また、各MPU101,102は、図示し
ないが中央処理装置(CPU)、読み書き可能メモリ
(RAM)及び読み出し専用メモリ(ROM)等にて構
成されている。また、この2つのMPU101,102
は同一形態(同一構成部品)にて形成され、相互に交換
可能であって、両者のMPUを区別するため、一方のM
PU101の判別ポート104はローポートとし、他方
のMPU102の判別ポート105はハイポートとす
る。
【0030】一方のMPU101の入力ポートには、前
記噴霧ノズル6の作動区画(左側、上側、右側)を切り
換える操作スイッチ(手動による操作スイッチ)10
6,107,108の各端子と、前記シフトスイッチ4
9の端子と、手動モード時にフアンクラッチ150を手
動にてON・OFFさせる手動スイッチ109の端子
と、遠隔操作用の送信機110からの複数のチャネル
(実施例では6チャネル)による指令信号を受ける受信
機111の各チャネルの出力信号端子、及び受信モニタ
信号の出力端子と、走行車両1の前部に装着した左右一
対の障害物感知センサ112a,112bの端子、薬液
タンク内の薬液の有無又は量の大小(満杯か、空か等)
を検出する薬液センサ113の出力端子と、自動モード
設定スイッチ46の端子を、それぞれ接続して信号入力
する。
【0031】また、MPU101の出力ポートには、前
記噴霧ノズル6の作動区画(左側、上側、右側)ごとに
薬液を供給する切換弁37,38,39の切換操作用モ
ータ37a,38a,39aへの端子、前記走行クラッ
チ及びブレーキの自動操作用の油圧シリンダ30に対す
る電磁制御弁29の電磁ソレノイド端子、送風機7への
動力伝達を継断(ON・OFF)するフアンクラッチ1
50を操作するためのアクチュエータとしての電動シリ
ンダ114の端子、動噴ポンプ13の作動を許可するリ
レー115の端子をそれぞれ接続して信号出力する。
【0032】そして、図9から理解できるように、前記
手動スイッチ109は、表示としてのランプ158付
きであっても良いし、独立的なランプ158でも良い。
そのランプ158は、前記フアンクラッチ150のON
・OFF動作を判別する検出スイッチ157のON接点
157aと直列状に接続し、前記手動スイッチ109の
ON・OFFの如何に拘らずON接点157aが接続状
態(フアンクラッチ150がON(動力接続状態)
ときにはランプ158が点灯するように構成されてい
る。
【0033】このランプ158は、前記PTO出力変速
機構12における変速操作レバー(図示せず)の近く
(運転操作部2近傍)に配置して作業者が見やすいよう
にする。そして、前記の変速操作レバーの手動による切
り換えに連動して図示しないスイッチの低速位置接点1
60または高速位置接点161が接続されると、パイロ
ットランプ162が点灯するように接続され、これらの
接点160,161と前記手動スイッチ109とが直列
状に接続されているので、変速位置を高速(接点161
がON)または低速(接点160がON)の状態で手動
スイッチ109をONにするとパイロットランプ162
が点灯し、変速位置中立位置であれば、手動スイッチ
109をONにしてもパイロットランプ162は点灯し
ない。
【0034】前記他方のMPU102の入力ポートに
は、前記自動モード設定スイッチ46の端子と、前記受
信機111の各チャネルの出力信号端子と、走行変速機
構11における主変速レバーが後退位置であることを検
出する牽制スイッチ91の端子と、同じく副変速レバー
が高速位置であることを検出する牽制スイッチ93の端
子と、走行車両1の前バンパー163の前面に凹み形成
された溝164内に左右位置超正回転自在、且つ着脱自
在に装着されて、障害物が接触したとき走行停止させる
ためのタッチセンサ116の端子と、操舵用の油圧シリ
ンダ17のピストンロッドのストロークの最大突出位置
を検出するためのストロークセンサ117の端子と、誘
導ケーブル27からの磁気を検出する磁気センサ26
a,26bの端子と、図示しないが、山の傾斜面の立木
に対して効果的に薬液噴霧するために前記左右両側の噴
霧ノズル6群の方向を走行車両1の進行方向軸線と交叉
する平面上で調節するための噴霧ノズル向き変更アクチ
ュエータ作動用のスイッチ118の端子と、エンジン1
0の回転数検出器119の端子とをそれぞれ接続して信
号を入力する。
【0035】また、MPU102の出力ポートには、エ
ンジン10の作動許可用リレー120の端子、各種パイ
ロットランプ121の端子、前記受信機111の受信モ
ニタ状態を確認できるモニタランプ122の端子、自動
モードの場合にその状態を確認するための自動モードラ
ンプ47の端子、操舵用の制御弁28の電磁ソレノイド
の端子28R,28Lの端子をそれぞれ接続して信号を
出力する。
【0036】送信機110は、自動モード時に、搬送波
(無線電波)にFM変調(周波数変調)による信号を乗
せて受信機111に送るものであり、実施例の間接周波
数変調方式による送信機110の入力部には、各種操作
指令のための操作ボタンを備え、フアンクラッチ150
を作動させる電動シリンダ114のON・OFFのため
の遠隔操作スイッチ(図示せず)は、接触スイッチであ
り、その押下したときの信号は図示しないフリップフロ
ップ回路介して出力される。
【0037】従って、この遠隔操作スイッチを1回押せ
ば、ON信号(電動シリンダ114、ひいてはフアンク
ラッチ150がON)となり、もう1度押せばOFF信
号(電動シリンダ114、ひいてはフアンクラッチ15
0がOFF)となるように、スイッチの押下毎にON・
OFF信号が入れ換えられる。
【0038】なお、送信機110での電力消費を軽減す
るため、前記遠隔操作スイッチのON・OFF状態を表
示するランプは設けられていないが、安全確保のため、
前記ランプを設けても良い。そして、これらの指令信号
は、電力増幅器などの回路を介してアンテナから電波と
して出力する。実施例におけるチャネル数は受信モニタ
信号のチャネルを合わせて7つである。
【0039】他方、アンテナで受けた電波を各種増幅回
路を備えた受信機111を介して制御装置100に入力
し、走行クラッチ装置、ブレーキ装置に対する制御弁2
9やエンジン作動許可リレー115、薬液散布用のモー
タ37a,38a,39a、送風機7への動力伝達のた
めのフアンクラッチ150を作動させる電動シリンダ1
14等の各種の出力装置に所定の信号を出力する。
【0040】次に、無線遠隔操作について説明すると、
手動モードにてエンジン始動し、次いで自動モードへの
制御モード切り換えを実行した後、送信機110の電源
をONにすると、受信モニタ信号の電波(搬送波)が受
信機111に向かって連続的に発信される。
【0041】そして、送信機110における操作ボタン
を押下すると、それに対応したチャネル(CH1〜CH
5)にて受信機111に指令信号を送り、マイクロコン
ピュータユニット101,102に信号を入力するの
で、各マイクロコンピュータユニットにおいて所定の制
御ループ上で走行開始(発進)、噴霧部5での送風機
(フアン)7の駆動、左側ノズル6、右側ノズル6、上
側ノズル6の噴霧開始のための切換用モータ37a,3
8a,39aのON等を実行するのである。そして、停
止用の操作ボタンを押下すると走行停止するという具合
に遠隔操作できる。
【0042】なお、遠隔操作を終了し、走行車両のエン
ジンをOFFにする等して一旦全ての電源を切ると、前
記マイクロコンピュータユニット101,102はリセ
ットされず初期状態に戻らないから、自動モードのまま
であって、走行クラッチが動力接続状態、ブレーキがO
Nの状態であるので、そのまま、再度エンジンを駆動す
ると、車輪へ動力伝達されて急発進する危険がある。
【0043】従って、作業者がいくらキースイッチを早
く回しても、前記キースイッチのON(電源投入)から
エンジン始動のためのセルモータ始動までに1秒〜2秒
の遅延時間を発生させるべく遅延タイマーを設け、電源
投入からセルモータ始動迄の間に前記マイクロコンピュ
ータユニット101,102をリセットする時間的余裕
を与える。これにより、エンジン始動前に手動モードと
なるため、前記走行クラッチが動力遮断状態、ブレーキ
がONの状態を保持でき、走行車両が急発進する危険が
無くなる。
【0044】ところで、作業者が手動モードの状態で、
送風機7の回転速度を樹木や季節等に応じて設定すべ
く、低速位置接点160や高速位置接点161のON動
作を忘れたまま(PTO出力変速機構12の変速操作レ
バーが中立位置のまま)、自動モードに切替えた場合
、走行車両1から離れて送信機110からフアンクラ
ッチ150のON(入り)にするための指令信号を送っ
て、電動シリンダ114をONにしても、送風機7は回
転しない。これに気付いた作業者が走行車両1に戻っ
て、いきなり前記低速位置接点160や高速位置接点1
61のON動作を実行すると、前記フアンクラッチ15
0がON状態であれば、突然動力伝達されることにな
り、送風機7の回転に伴う危険や部品の破損という事故
が発生する。
【0045】そこで、本発明では、手動スイッチ109
のON・OFFの如何に拘らずON接点157aが接続
状態(フアンクラッチ150がON(動力接続状態))
のときにはランプ158が点灯するように構成すること
によって、表示としてのランプ158の点灯にて作業
者にその状態を知らせるようにしている。
【0046】この知らせにより、作業者が一旦フアンク
ラッチ150をOFFにしてから、前記低速位置接点1
60や高速位置接点161のON動作を実行するように
すれば、前記の事故を未然に防止することができるので
ある。
【0047】なお、前記遠隔操作は無線によるものばか
りでなく、誘導ケーブル27に(操舵用の周波数と異な
る)所定の周波数の電流を付与し作業用信号や指令信号
を搬送する一方、これらの信号を走行車両に搭載したセ
ンサにて感知するという有線的に実行しても良い。
【0048】
【発明の作用・効果】以上、要するに本発明の走行車両
における噴霧装置の安全装置では、走行車両に搭載した
動力源からの動力を、薬剤噴霧部の送風機に対して、
力伝達を継断するためのフアンクラッチと、前記送風機
の速度を変速する変速機構とを介して伝達するよう
成し、自動モード時に、走行車両外における遠隔操作用
の送信機からの信号を受信する受信機と、受信した指令
信号に応じて前記フアンクラッチをON・OFFするた
めのアクチュエータに操作指令する制御装置と、手動モ
ード時に前記アクチュエータを手動にてON・OFFさ
せる手動スイッチとを備えている。
【0049】従って、送風機の変速切換を忘れて中立位
にしたま、遠隔操作の送信機側からフアンクラッチ
を作動させるためのアクチュエータをON・OFFする
指令信号を送っても、現実には送風機は回転しない。
【0050】この場合に、本発明では、前記フアンクラ
ッチのON・OFF状態を判別する検出スイッチを備え
るとともに、走行車両側に、前記手動スイッチのON・
OFF作動に拘らず、前記検出スイッチが前記フアンク
ラッチのON状態を検出するとその状態を報知する表示
部を設けているから、走行車両に戻って操作をやり直す
作業者は前記表示部にてフアンクラッチのON・OFF
の状態をモニタ(認識)することができることになり、
送信機側で既にフアンクラッチがONの指令になってい
るに拘らず前記変速機構にて低速或いは高速側に入れて
送風機の伝動部品を破損させたり、送風機の突然の回転
に伴う危険を未然に防止することができるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】薬剤散布機の側面図である。
【図2】薬剤散布機の平面図である。
【図3】操舵装置の概略平面図である。
【図4】操舵装置等の制御油圧回路図である。
【図5】噴霧部の機構ブロック図である。
【図6】制御装置の機能ブロック図である。
【図7】フアンクラッチ部の側面図である。
【図8】図7の VIII −VIII線矢視断面図である。
【図9】フアンクラッチに関連するスイッチ及び表示部
の回路図である。
【図10】バンパー部の断面図である。
【符号の説明】
1 走行車両 3 ハンドル 6 噴霧ノズル 7 送風機 8,8 前輪 9,9 後輪 10 エンジン 11 走行変速機構 12 動力伝達機構 13 動噴ポンプ 14 操舵装置 16 油圧回路 17 油圧シリンダ 22 油圧ポンプ 23 制御弁 26a,26b 磁気センサ 27 誘導ケーブル 28 自動操舵用制御弁 29 制御弁 30 油圧シリンダ 100 制御装置 101,102 MPU 109 手動スイッチ 110 送信機 111 受信機 114 電動シリンダ 150 フアンクラッチ 157 検出スイッチ 158 表示部としてのランプ 160 低速位置接点 161 高速位置接点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 関根 裕 (56)参考文献 特開 平2−203953(JP,A) 特開 昭59−52560(JP,A) 実開 平2−32106(JP,U) 実開 平2−84909(JP,U) 実開 平5−4882(JP,U) 実開 平5−67362(JP,U) 実開 昭64−25378(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01M 7/00 B05B 17/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行車両に搭載した動力源からの動力
    を、薬剤噴霧部の送風機に対して、動力伝達を継断する
    ためのフアンクラッチと、前記送風機の速度を変速する
    変速機構とを介して伝達するよう構成し、自動モード
    時に、走行車両外における遠隔操作用の送信機からの信
    号を受信する受信機と、受信した指令信号に応じて前記
    フアンクラッチをON・OFFするためのアクチュエー
    タに操作指令する制御装置と、手動モード時に前記アク
    チュエータを手動にてON・OFFさせる手動スイッチ
    、前記フアンクラッチのON・OFF状態を判別する
    検出スイッチとを備え、前記手動スイッチのON・OF
    F作動に拘らず、前記検出スイッチが前記フアンクラッ
    チのON状態を検出するとその状態を報知する表示部
    前記車両走行側に設けたことを特徴とする走行車両
    における噴霧装置の安全装置。
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