JP3337958B2 - 磁気特性が優れた鏡面一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

磁気特性が優れた鏡面一方向性電磁鋼板の製造方法

Info

Publication number
JP3337958B2
JP3337958B2 JP28760997A JP28760997A JP3337958B2 JP 3337958 B2 JP3337958 B2 JP 3337958B2 JP 28760997 A JP28760997 A JP 28760997A JP 28760997 A JP28760997 A JP 28760997A JP 3337958 B2 JP3337958 B2 JP 3337958B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
annealing
steel sheet
sheet
cold
rolled
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP28760997A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11106827A (ja
Inventor
宣憲 藤井
義行 牛神
郁雄 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP28760997A priority Critical patent/JP3337958B2/ja
Publication of JPH11106827A publication Critical patent/JPH11106827A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3337958B2 publication Critical patent/JP3337958B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として変圧器その
他の電気機器等の鉄心として利用される一方向性電磁鋼
板製造に関するものである。特に、鋼板表面の鏡面化と
磁区細分化手段を効果的に導入することにより良好な鉄
損特性を低コストで達成する鏡面一方向性電磁鋼板製造
に関し、脱炭性が良好な冷間圧延鋼板およびその製造方
法について開示するものである。
【0002】
【従来の技術】一方向性電磁鋼板は、軟磁性材料として
主にトランスその他の電気機器の鉄心材料に使用されて
いるもので、磁気特性としては励磁特性と鉄損特性が良
好でなくてはならない。この励磁特性を表す指標とし
て、通常は磁束密度B8(磁場の強さ800A/mにお
ける磁束密度)が用いられ、鉄損特性を表す指標とし
て、W17/50(50Hzで1.7Tまで磁化させた
ときの単位重量あたりの鉄損)が用いられる。
【0003】一方向性電磁鋼板は、Siを0.8〜4.
8%含有し、製造工程の最終段階の900℃以上の温度
での仕上焼鈍工程で2次再結晶を起こさせ、鋼板面に
{110}面、圧延方向に〈001〉軸をもったいわゆ
るゴス組織を発達させることによって得られる。そのな
かでも、磁束密度B8が1.88T以上の優れた励磁特
性をもつものは高磁束密度一方向性電磁鋼板とよばれて
いる。高磁束密度電磁鋼板の代表的製造方法としては、
特公昭40−15644号公報、特公昭51−1346
9号公報等に記載された技術があげられる。現在世界的
規模で生産されている高磁束密度一方向性電磁鋼板は、
上記2特許を基本として生産されているといえる。そし
て、近年省エネルギー、省資源への社会的要求は益々厳
しくなり、一方向性電磁鋼板の鉄損低減、磁化特性改善
への要求も熾烈になってきている。
【0004】ところで、一般に磁束密度B8が高くなる
とともにゴス組織の結晶粒が大きくなる傾向があり、高
磁束密度化によりB8を高くしても180゜磁区巾が大
きくなるために渦電流損が増大し、冶金学的にはこれ以
上の鉄損改善の期待が望まれない。この観点から技術的
な鉄損低減化の手法としてレーザー照射等の磁区制御技
術が特公昭57−2252号公報、特公昭58−596
8号公報、特開昭58−26405号公報等に開示され
た技術により確立された。また、前述の方法による鉄損
の低減はレーザー照射によって導入された歪に起因する
ので、トランスに成形したのちに歪取り焼鈍を必要とす
る巻鉄心トランス用としては使用することができない。
そこで、例えば特公昭62−53579号公報、特公昭
63−44804号公報、特公平04−48847号公
報等において、仕上焼鈍後に例えば歯車型ロールにより
溝を導入すると共に、加工歪を加え微細粒を形成させて
磁区細分化する方法が開示されている。しかし、歯車型
ロール等の機械加工によって鋼板表面に溝を形成する方
法は、方向性電磁鋼板の一次皮膜(グラス皮膜)と呼ば
れる表面セラミックス層を破砕する必要があるために歯
車ロール等の摩耗が大きく、製造コストに問題を生じ
る。
【0005】一方、これら磁区細分化処理を施した鋼板
の磁壁の動きを詳細に観察すると、静的には細分化した
磁区のなかには動かない磁壁も存在していることが分か
った。方向性電磁鋼板の鉄損値を更に低減させるために
は、上記方法による磁区細分化技術と合わせて磁壁の動
きを阻害する要因を排除する技術(磁壁の活性化技術)
を導入する必要がある。すなわち、磁壁の動きを阻害す
る大きな要因である鋼板表面のグラス被膜等を除去し、
表面を鏡面化する方法が有効である。その手段として、
仕上げ焼鈍後にグラス被膜を酸洗等により除去した後に
化学研磨或いは電解研磨を行い表面を鏡面化させる方法
が、例えば特開昭64−83620号公報に開示されて
いる。しかしながら、化学研磨・電解研磨等の方法は、
研究室レベルでの小試料の材料を加工することは可能で
あるが、工業的規模で行うには薬液の濃度管理,温度管
理,公害設備の付与等の点で大きな問題があり、更にこ
のような工程を付加することにより製造コストが高くな
ってしまうために、未だ実用化されるに至っていない。
【0006】これに対して本出願人は、例えば特開平5
−033052号公報、特開平6−093335号公報
に示されるような、工業的規模で安価に鋼板表面を鏡面
化する方法を開発した。これらは、脱炭焼鈍の雰囲気制
御により酸素量を規制したのち、焼鈍分離剤としてアル
ミナを鋼板表面に塗布し仕上焼鈍を行うことにより、鋼
板表面の鏡面化と高磁束密度の2次再結晶形成を両立さ
せるものである。これらの技術は、磁区細分化処理のた
めに鋼板表面に機械加工を加える際に歯車ロール等の磨
耗が少ないため、主に巻鉄心トランス用の磁区制御材製
造の低コスト化に適している。例えば、特願平6−07
2718号公報には、仕上焼鈍後の鋼板表面に従来のよ
うにグラス被膜が存在しない場合、歯車ロールの寿命が
5倍以上のびることが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一方向性電磁鋼板の鏡
面化に関し、本発明者らは特開平7−118750号公
報により脱炭焼鈍の焼鈍雰囲気をFe系酸化物の形成し
ない酸化度に制御し、焼鈍分離剤としてアルミナを用い
ることにより鋼板表面の鏡面化を低コストで達成する方
法を開示した。しかし、酸化度を下げると脱炭が困難と
なるため、脱炭焼鈍における酸化層と脱炭を同時に制御
する方策として、脱炭焼鈍の昇温速度、焼鈍温度、雰囲
気ガス成分を限定する方法を特開平7ー278668号
公報で開示した。しかし、冷延板厚が例えば0.23m
mを超える場合など、条件によっては脱炭が困難である
という問題に直面した。
【0008】そこで本発明者らは、脱炭焼鈍の雰囲気と
してFe系酸化物が形成しない低酸化度領域において、
脱炭性に及ぼす冷延工程以前の冶金的変動の影響を確認
するため以下の実験を実施した。出鋼成分および冷延工
程までの製造条件が変動した板厚0.23mmの工場で
製造された冷延板を採取し、実験室で脱炭焼鈍を行っ
た。冷延板の成分はC量が0.048〜0.054%、
Si量が3.15〜3.24%で変動していた。冷延板
を所定のサイズに剪断後、代替フロンにて油の洗浄を行
い脱炭焼鈍をおこなった。脱炭焼鈍の条件は、加熱速度
を28℃/秒、均熱温度を840℃、均熱時間を90秒
とし、焼鈍雰囲気はN2 :25%+H2 :75%の混合
加湿ガスとし、加湿露点を30〜75℃の範囲で5℃間
隔で変更した。焼鈍ガスの酸化度(PH2 O/PH2
と脱炭焼鈍後のC量およびO量の分析結果を図1および
図2に示す。図1より、酸化度が0.15以上では全サ
ンプルともC量が10ppm程度で脱炭良好であるが、
図2より、酸化度が0.15以上ではO量が200pp
mを大きく超えてしまうことがわかる。このような材料
では特開平6−93335号公報に記載されるように製
品板の鏡面平滑性が損なわれ、磁気特性が劣化するた
め、脱炭焼鈍の酸化度は0.15以下が必須となる。そ
こで、本発明者らは焼鈍ガスの酸化度を0.15以下と
したときの脱炭焼鈍後C量のバラツキに着目した。第1
図において、例えば酸化度0.105の場合、C量が1
0〜200ppm程度まで変動している。実験は油洗浄
以降は同一条件で処理したことを考慮すると、このC量
のバラツキは冷延板の冶金的変動を反映したものと考え
られる。そこで、この冶金的変動の要因を調査した。
【0009】まず、鋼中成分含有量の変動の脱炭性への
影響を考え、C、Si、Mn、P、S、Al、N、S
n、Cr、Ti、Oの成分を選び、鋼中含有量と脱炭後
のC量(酸化度0.105のC量)との相関を調査し
た。各成分含有量とC量を最小自乗法で直線近似し相関
係数(R2 )を求めた。結果を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】Sとの相関係数が0.61とやや高いが、
その他の元素の含有量との相関は小さかった。即ち、鋼
中の元素含有量の変動と脱炭量の間に高い相関は認めら
れなかった。次に、脱炭性に及ぼす最終冷延板最表面の
成分含有量の影響を調査するため、冷延板表面の螢光X
線分析を行った。X線管球はロジウムターゲットを用
い。印加電圧は50kV(50mA)とした。20mm
φのZrマスクを用い、測定時間は20秒×2回とし
た。第1表と同様に、各成分の螢光X線強度と脱炭焼鈍
後のC量(酸化度0.105のC量)との相関係数を求
めた。分析は冷延板の表裏両面で行い、低い値を採用し
た。結果を表2に示す。
【0012】
【表2】
【0013】各元素とも正の相関を示し、元素強度が低
い方が脱炭しやすい傾向を示した。なかでも最も相関が
強い元素がSiで、R2 は0.95であった。Si強度
とC量の関係を図3に示す。従って、低酸化度雰囲気領
域の脱炭焼鈍における脱炭性に影響する因子は、冷延板
最表面のSi含有量であり、脱炭性を改善するために
は、冷延鋼板最表面のSi含有量を下げる必要があるこ
とが判明した。
【0014】冷延鋼板最表面のSi濃度変動の原因を調
査するため、脱炭良好材(螢光X線Si強度が低い)と
脱炭不良材(螢光X線強度が高い)のGDS分析を行っ
た。深さ方向のSiプロフィルをみると鋼板表面から
1.5〜2μmの深さでSi欠乏層が観察され、脱炭良
好材は脱炭不良材に比較して鋼板最表面のSiが低かっ
た。更に、Si欠乏層が冷延工程前に存在していたかど
うかを確認するため、冷延工程直前の鋼板について表層
断面をCMAにて分析した。これらの鋼板はいずれも熱
延板焼鈍に引き続き酸洗による脱スケール処理を行った
板厚2.3mmの鋼板である。CMAのSi濃度マッピ
ングを図4、および表面から深さ方向へのSi線分析プ
ロフィルを図5に示す。いずれも鋼板最表面から深さ1
5〜20μmのSi欠乏層が観察されたが、脱炭不良材
はSi欠乏層が浅く、最表面のSi濃度が3.1%と高
いのに比較し、脱炭良好材はSi欠乏層が深く、最表面
のSi濃度が2.8%と低かった。従って、冷延鋼板最
表面のSi濃度変動は冷延工程前における鋼板最表面の
Si欠乏層(脱Si層)の変動によるものと考えられ
る。本発明は、冷延板の鋼板最表面のSi含有量に着目
し、脱炭焼鈍の雰囲気ガス酸化度が低い場合でも脱炭が
極めて良好な冷延板を用いる鏡面一方向性電磁鋼板の製
造方法を開示するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、以下のとおりである。 (1)重量%で、C:0.03〜0.10%、Si:
3.0〜4.0%を含有する一方向性電磁鋼板の最終冷
延板に、脱炭焼鈍を酸化度(PH2 O/PH2 )が0.
01以上0.15以下の雰囲気ガス中で行ない、焼鈍分
離剤としてアルミナを塗布し、仕上げ焼鈍を施すことか
らなる鏡面一方向性電磁鋼板の製造方法において、上記
冷延板の鋼板表面から2μmまでの深さにおけるSi含
有量を3.0%より低くすることを特徴とする磁気特性
が優れた鏡面一方向性電磁鋼板の製造方法。
【0016】(2)重量%で、C:0.03〜0.10
%、Si:3.0〜4.0%を含有する一方向性電磁鋼
板の熱延板を、熱延板焼鈍後に1回以上の冷延を行う
か、または熱延板焼鈍を行わずに中間焼鈍を挟む2回以
上の冷延を施して最終板厚とし、引き続き脱炭焼鈍を酸
化度(PH2 O/PH2 )が0.01以上0.15以下
の雰囲気ガス中で行ない、焼鈍分離剤としてアルミナ
塗布し、仕上げ焼鈍を施す工程からなる磁気特性が優れ
た鏡面一方向性電磁鋼板の製造方法において、熱延から
最終冷延までに行う焼鈍の条件として、焼鈍の均熱温度
をT℃、均熱時間をt秒、焼鈍する板厚から最終冷延板
厚までの圧下率をR%とした場合、(0.0023T−
1.9)t(100−R)≧200の範囲とし、かつ焼
鈍雰囲気ガス中の酸化度(PH2 O/PH2 )を0.1
5以上とすることを特徴とする磁気特性が優れた鏡面一
方向性電磁鋼板の製造方法。
【0017】(3)仕上焼鈍後に、レーザー光照射、プ
ラズマ炎照射、歯車ロール法、金型プレス法、フォトエ
ッチング法、レジストインキエッチング法、電解エッチ
ング法のいずれか1つの方法による磁区細分化処理を施
す事を特徴とする(1)または(2)記載の磁気特性が
優れた鏡面一方向性電磁鋼板の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
脱炭性を良好にする冷延鋼板表面のSi欠乏層は、冷延
前の熱処理および酸洗工程で形成されるものと考えられ
る。そこで、Si欠乏層に及ぼす熱延板焼鈍の雰囲気ガ
ス酸化度、及び酸洗条件の影響を調査した。Si:2.
8〜3.4%、C:0.05〜0.07%、その他A
l、N等のインヒビター成分を含む板厚2.3mmの熱
延鋼板を表面スケールの付いた状態で1120℃で30
秒続いて900℃で2分焼鈍した。焼鈍雰囲気はN2
90%+H2 :10%の雰囲気とし、ドライガス(露点
−20℃、酸化度=0.01)、及び露点55℃(酸化
度=1.84)に加湿した2水準とした。焼鈍後、硫酸
20%の液温80℃の酸洗液で0〜300秒の範囲で酸
洗し、板厚をマイクロメータで測定した結果と酸洗前板
厚との差を酸洗板厚減量とした。その後、90%の圧下
率で板厚0.23mmまで冷延し、鋼板最表面のSi濃
度を螢光X線分析にて測定した。また、冷延板は840
℃で90秒の脱炭焼鈍を施し、焼鈍前後のC、O量を分
析した。脱炭焼鈍の酸化度(PH2 O/PH2 )は0.
105とした。図6に鋼中Si含有量が3.2%の場合
の酸洗板厚減量と冷延板最表面のSi濃度(螢光X線S
i強度)との関係を示す。熱延板焼鈍の雰囲気酸化度が
1.84の材料はSi濃度が低く、酸洗板厚の減少に伴
い高くなった。一方、酸化度が0.01の材料はSi濃
度の変化が小さかった。また図7に示すように、脱炭焼
鈍後のC量は、雰囲気酸化度が1.84の材料が最もC
量が低く、酸洗後板厚の減少に伴い高くなった。一方、
酸化度が0.01の材料はC量が高く、酸洗板厚が減少
しても変化が小さかった。即ち、熱延板焼鈍中にSiが
選択酸化されるため、鋼板表面のSiが欠乏し、Siの
表面への拡散により濃度勾配(脱Si層)が形成される
ものと考えられる。さらに、熱延板焼鈍後の酸洗により
地鉄も溶解されるので、脱Si層が消失するものと考え
られる。従って、熱延板焼鈍および酸洗条件により脱S
i層が変動し、鋼板表面のSi濃度が変動するものと考
えられる。また、鋼板表面のSi濃度が低いと、脱炭焼
鈍初期のSiO2 皮膜の形成が抑制され、鋼板へのO2
の供給または脱炭生成物のCOガスの放出がスムーズに
行われ、脱炭性が改善されたものと考えられる。このよ
うな方法により、例えば特開平8−269560号公報
に示されるような特殊な鋳造設備を用いて複層化しなく
とも、通常の電磁鋼板製造設備により、僅かな脱Si層
を活用することで鏡面化が可能である。
【0019】次に、本発明に必要な構成要素とその限定
理由について述べる。本発明において、素材が含有する
成分は、重量で、C:0.03〜0.10%、Si:
3.0〜4.0%を必須成分としてそれ以外は限定しな
い。Cはγ域開放型元素であり、熱間圧延から脱炭焼鈍
の工程でα→γ変態、または固溶Cの存在により二次再
結晶に有利な再結晶組織および集合組織を形成する重要
な元素である。Cが0.03%以下ではα→γ変態が生
じないので好ましくない。また、0.10を越えても集
合組織の改善効果は得られなくなり、また本願の技術を
用いても脱炭焼鈍時間が長くなり、コストアップとなる
ため好ましくない。
【0020】Siは電気抵抗を高め、鉄損を下げる上で
重要な元素である。含有量が4.0%を超えると、冷間
圧延時に材料が割れ易くなり、圧延不可能となる。一
方、3.0%未満では鉄損の低減が困難となるととも
に、本発明の脱Si層により冷延板最表面のSi含有量
を低下させなくても、脱炭性は良好となる(図8)。基
本的な製造法としては、小松等による(Al,Si)N
を主インヒビタ−として用いる製造法(例えば特公昭6
2−45285)、または田口・坂倉等によるAlNと
MnSを主インヒビタ−として用いる製造法(例えば特
公昭40−15644)を適用すれば良い。 酸可溶性
AlはNと結合してAlNを形成し、高磁束密度一方向
性電磁鋼板製造のための主インヒビター構成元素であ
る。AlとNの量を制御することによりインヒビター強
度を調整し先鋭な2次再結晶を得ることが可能である。
【0021】その他のインヒビター構成元素として、M
n,S,Se,V,N,B,Nb,Sn,Cu,Ti,
Zr,Ta,Mo,Sn、Bi等を複合して添加するこ
とができる。次に、製造プロセス条件について説明す
る。上記のごとく成分を調整した超高磁束密度一方向性
電磁鋼板用素材は通常の如何なる溶解法、造塊法を用い
た場合でも本願発明の素材とすることが出来る。
【0022】次いでこの電磁鋼板用素材は通常の熱間圧
延により熱延コイルに圧延される。小松等による(A
l,Si)Nを主インヒビタ−として用いる製造法(例
えば特公昭62−45285)では、熱間圧延時の温度
確保の観点より1100℃以上、またAlNの完全溶体
化しない1280℃以下の温度で加熱を行った後に熱間
圧延を行う。また、田口・坂倉等によるAlNとMnS
を主インヒビタ−として用いる製造法(例えば特公昭4
0−15644)では完全溶体化する1300℃以上の
温度で加熱した後に熱延を行えば良い。
【0023】引き続いて1回の冷延または中間焼鈍を含
む複数回の冷延によって最終板厚とするが、磁束密度が
高い一方向性電磁鋼板を得ることから最終冷延の圧下率
(1回冷延の場合はその圧下率)は65〜95%の強圧
下が好ましい。最終圧延以外のステージの圧下率は特に
規定しなくてもよい。熱延板または圧下率調整のため冷
延した鋼板はAlN等のインヒビターを制御するため、
最終冷延前に焼鈍を行う。焼鈍は900〜1200℃の
温度域で30秒〜30分間行われ、焼鈍後に20℃/s
ec以上の冷却速度で冷却される。この焼鈍は製品の磁
気特性を高めるために有効である。この焼鈍中に本願の
要件である鋼板表面の脱Si層が形成される。脱Si層
は低酸化度の脱炭焼鈍における脱炭性の良し悪しを左右
するため、脱Si層の制御は最終冷延工程に先だって行
う必要がある。熱延の加熱工程でも数十μm程度の脱S
i層は形成されるが、通常スラブの厚みは200mm以
上であるため、0.2〜0.3mm程度に冷延板した場
合、明瞭な脱Si層は残存し難い。従って通常2〜3m
m程度の熱延板焼鈍または通常1〜2mmの中間焼鈍工
程において脱Si層を制御することが望ましい。上述の
ように脱Si層は焼鈍中のSi選択酸化とSiの表面へ
の拡散により形成されるため、インヒビター制御のため
の冷延前熱処理工程で脱Si層制御を兼ねて行うとコス
ト負担も少ない。このとき、熱処理サイクルと焼鈍雰囲
気の酸化度が重要である。Si選択酸化の観点から、焼
鈍雰囲気の酸化度(PH2 O/PH2 )が0.15未満
ではSiの選択酸化が起こり難いため、酸化度は0.1
5以上、好ましくは0.50以上が望ましい。また冷延
板で最表面から深さ2μmまでの脱Si層を得るために
は、焼鈍する板厚で必要量の距離をSi拡散させる必要
がある。この観点から、Fe中のSi自己拡散係数のデ
ータを用いて計算すると、熱間圧延から最終冷間圧延ま
での工程で電磁鋼板を焼鈍する際に、焼鈍の均熱温度を
T℃、均熱時間をt秒、焼鈍する板厚から最終冷延板厚
までの圧下率をR%とした場合、(0.0023T−
1.9)t(100−R)≧200の範囲で焼鈍する必
要があると結論される。
【0024】一方、熱延鋼帯等の表面スケール付きで焼
鈍した場合、冷延中にスケールによる表面疵が発生する
ため、酸洗等の化学的方法やショットブラスト等の機械
的方法により脱スケールが必要となる。このとき鋼板表
面に形成された脱Si層も消失するため、脱Si層が無
くならないように板厚の減少や後述の冷延板の螢光X線
分析のSi強度などを管理する必要がある。管理のため
の条件は形成された脱Si層の深さや脱スケールの処理
方法を勘案し決定すればよい。この方法によれば、地鉄
の溶解が最小になるように脱スケール工程を管理するこ
ととなり、歩留まり向上のメリットもある。
【0025】最終製品厚に圧延した冷延板は、1次再結
晶焼鈍と鋼中に含まれる炭素を除去する目的で湿潤な水
素または水素と窒素の混合雰囲気中で、脱炭焼鈍を行
う。この脱炭焼鈍において、Fe系の酸化物(Fe2
iO4 ,FeO等)を形成させない雰囲気ガス酸化度で
焼鈍を行い、焼鈍分離剤としてアルミナを塗布すること
がポイントである。たとえば、通常脱炭焼鈍が行われる
800℃〜850℃の温度域においては、雰囲気ガスの
酸化度(PH2 O/PH2 )を0.15以下に調整する
ことにより、Fe系酸化物の生成を抑制することができ
る。但し、あまりに酸化度を下げると脱炭速度が遅くな
ってしまい、工業的観点から望ましくない。この両者を
勘案すると、750〜900℃の温度域において、雰囲
気ガスの酸化度(PH2 O/PH2 ):0.01〜0.
15の範囲で焼鈍することが好ましい。焼鈍時間は十分
な脱炭を行うには通常60〜300秒程度必要である。
また焼鈍焼鈍温度は主に最適な1次再結晶粒径を得る観
点から適宜決定される。
【0026】本発明の目的は、このような脱炭焼鈍の条
件で脱炭が有利な冷延鋼板を供給するものである。冷延
鋼板の要件を明らかにするため、図7の実験で求めた各
鋼中Si含有量(2.8〜3.4%)における最表面S
i含有量と脱炭焼鈍後のC量の関係を図8に示す。図8
の横軸は冷延板表面の螢光X線分析で得たSi強度を検
量線(標準試料比較法)によりSi含有量に変換したも
のである。図8から判るように、最表面Si含有量が
3.0%より低いと、好ましくは2.8%より低いと、
C量が30ppm以下となる。即ち、最表面Si含有量
が3.0%より低い、好ましくは2.8%より低いこと
が本願の脱炭焼鈍直前の冷延鋼板の要件である。
【0027】また、二次イオン質量分析を用いてSiの
深さ方向プロフィルと脱炭性の関係を詳細に調査した結
果、表面から深さ2μmの範囲のSi含有量が重要であ
ることがわかった。これは、脱炭焼鈍温度の750〜9
50℃におけるSi拡散距離が0.1μm/秒程度であ
ることから、脱炭性を阻害するSiO2 が形成される加
熱〜焼鈍初期の約20秒(Si拡散距離=0.1×20
=2μm)において地鉄界面のSi濃度が上昇すること
を防止することに意味があるものと推定している。な
お、一般に螢光X線による分析値は、鋼板表面から約2
〜3μmの深さの情報である。本発明で提案した冷延板
最表面から深さ2μmのSi含有量は、ほぼ螢光X線分
析の測定範囲で有効である。
【0028】また本発明の一方向性電磁鋼板を工場で生
産するにあたり、冷延板表面の螢光X線分析を行うこと
により、表層Si含有量を管理することは迅速性や測定
精度の観点から非常に有効である。冷延板のSi強度
(または検量線による換算値)の基準を設定し、熱延板
焼鈍条件または冷延前酸洗条件を管理する必要がある。
さらに、Si強度に応じて脱炭焼鈍の雰囲気ガス酸化度
を調整し、C量およびO量を制御することも可能であ
る。但し、冷延前の酸洗板を螢光X線で分析しても、表
面凹凸の外乱が大きく、精度良く管理することは困難で
ある。また、螢光X線分析以外の方法では、GDS分
析、オージェ分光分析、二次イオン質量分析、発光分析
法等でも有効である。
【0029】この脱炭焼鈍板に(Al,Si)Nインヒ
ビターを強化する必要がある場合、またはN(Al,S
i)Nを主インヒビタ−として用いる製造法(例えば特
公昭62−45285)においては、窒化処理を施す。
この窒化処理の方法は特に限定するものではなく、アン
モニア等の窒化能のある雰囲気ガス中で行う方法等があ
る。
【0030】これらの脱炭焼鈍板をコイルフォームに巻
く際に、焼鈍分離剤を水スラリ−もしくは静電塗布法等
によりドライ・コ−トする。水スラリーで塗布する場合
には例えば、特願平5−211602号公報に開示する
方法を採用することが好ましい。焼鈍分離剤としては、
特開平7−118749号に記載されるようにアルミナ
がコストと表面の磁気的平滑性の観点から工業的に好ま
しい。
【0031】このコイルを仕上げ焼鈍して、二次再結晶
と窒化物の純化を行う。二次再結晶を特開平2−258
929号公報に開示される様に一定の温度で保持する等
の手段により所定の温度域で行うことは磁束密度を向上
させる上で有効である。二次再結晶完了後、窒化物等の
不純物の純化と表面の平滑化をおこなうために100%
水素で1100以上の温度で焼鈍する。
【0032】仕上げ焼鈍後引き続き余分の焼鈍分離剤を
除去後、コイル巻きぐせ等を矯正するための連続張力焼
鈍を行い、同時に絶縁皮膜コーティングを塗布、焼き付
けする。このとき必要に応じて、該鋼板にレーザー照
射、機械的溝形成、張力被膜コーティング等の磁区細分
化処理を施す。鉄損特性を改善する意味から磁区細分化
処理は有効である。磁区細分化の方法は特に限定する必
要はない。
【0033】局部的な歪みを導入することで磁区細分化
を行う場合、例えば特公昭57−2252公報等に記載
されるレーザー光照射を行う方法や、特開昭62−15
1511公報、特公平6−45824公報等に記載され
るプラズマ炎照射を行う方法等を用いれば良い。局部的
な溝を形成することで磁区細分化を行う場合、歯車ロー
ル法(例えば特公平4−48847公報)や金型プレス
法(例えば特公平6−63037公報)等の機械的な塑
性加工による方法、フォトエッチング法(例えば特公平
5−69284公報)やレジストインキエッチング法
(特公平2ー46673公報、特公平3−69968公
報)等の化学エッチングや電解エッチングを用いる方法
などを採用すればよい。
【0034】張力コーティングとしては、例えば特開昭
48−39338号公報によるコロイド状シリカとリン
酸アルミニウムを主体とするコ−テイング液、特開昭5
0−79442号公報によるコロイド状シリカとリン酸
マグネシウムを主体とするコ−テイング液、または特願
平4−222849号公報によるアルミナ・ゾルとホウ
酸を主成分とするコ−テイング液を焼き付ける方法等を
採用すればよい。
【0035】
【実施例】
〈実施例1〉C:0.05%、Si:3.3%、Mn:
0.1%、S:0.01%、酸可溶性Al:0.03
%、N:0.008%、の電磁鋼を溶製し鋳造後、11
50℃に加熱し、抽出後直ちに2.3mm板厚まで熱間
圧延し空冷した。その後、窒素ガス中において酸化度
0.03、0.87、3.68とし1050℃の温度で
120秒焼鈍した(T=1050,t=120)。そし
て硫酸液酸洗により酸洗板厚減量を10、30、60μ
mとした。0.23mmまで途中250℃での時効処理
を5回挟んで冷延し(圧下率 R=90%)、冷延板の
けい光X線分析により最表面Si含有量を求めた。ここ
で(0.0023T−1.9)t(100−R)≦20
0は満足する。
【0036】これらの冷延板を窒素と水素の混合ガスの
酸化度を0.12および0.28とし830℃の温度で
90秒焼鈍し、脱炭・一次再結晶させた焼鈍板のC、O
分析を行った。次いでアンモニア雰囲気中で焼鈍するこ
とにより、窒素量を0.02%に増加して、インヒビタ
ーの強化を行った。これらの鋼板にアルミナ水スラリ−
を塗布・乾燥しながら鋼板を積層し、仕上焼鈍を施し
た。仕上焼鈍板の鏡面状態をチェックしたのち、試料に
歯車ロールで圧延方向と直角方向から10度の方向で、
幅50μm、深さ15μmの溝を形成した後、コロイド
状シリカとリン酸塩を主成分とするコーテイング液を塗
布して850℃で2分間焼き付けた。これらの試料の磁
気特性を測定した後、更に800℃で4時間の歪取り焼
鈍を行った。得られた製品の磁気特性を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】〈実施例2〉重量で、Si:3.5%,M
n:0.07%,C:0.07%,Se:0.025
%,酸可溶性Al:0.02%,N:0.008%,S
b:0.03%の電磁鋼を溶製し、それぞれ鋳片に分注
鋳造後、1350℃で加熱し、抽出後直ちに2.2mm
の板厚まで熱間圧延し、直ちに550℃まで水冷した。
この熱延板を酸洗し中間厚0.9mmまで冷延した。そ
の後、窒素+水素ガス中において酸化度0.02、0.
18とし950℃で30秒および60秒焼鈍した後、酸
洗せずに最終板厚0.18mmまで冷延し、冷延板の螢
光X線分析により最表面Si含有量を求めた(T=95
0, t=30 or 60, R=80)。(0.0
023T−1.9)t(100−R)を計算した結果、
t=30は200以下で、t=60は200以上であっ
た。
【0039】これらの冷延板を窒素と水素の混合ガスの
酸化度を0.11、0.14および0.18とし850
℃の温度で70秒焼鈍し脱炭・一次再結晶させた焼鈍板
のC、O分析を行った。これらの鋼板にアルミナ粉末を
静電装置で塗布しながら鋼板を積層し仕上げ焼鈍を施し
た。仕上焼鈍板の鏡面状態をチェックしたのち、試料に
圧延方向と直角方向に、幅30μm、深さ10μmの溝
をフォトエッチング法で形成した後、アルミナ・ゾルと
ホウ酸を主成分とするコ−テイング液を塗布して870
℃で2分間焼き付けた。これらの試料の磁気特性を測定
した後、更に800℃で4時間の歪取り焼鈍を行った。
得られた製品の磁気特性を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】〈実施例3〉C:0.05%、Si:3.
2%、Mn:0.1%、S:0.01%、P:0.03
%,酸可溶性Al:0.03%、N:0.007%、S
n:0.005%,Cr:0.1%を含有する珪素鋼を
溶製し、スラブに鋳造後、1150℃に加熱し、抽出後
直ちに2.0mm板厚まで熱延し、熱延後水冷し550
℃で巻き取った。その後熱延板を1120℃の温度で3
0秒900℃で90秒焼鈍し、750℃まで空冷後80
℃の水中に急冷した。焼鈍ガスは窒素とし、酸化度を
(A)0.12および(B)1.39に調整した。次い
で80℃の塩酸濃度を3%とし10秒間酸洗し、0.2
3mmまで5パスの圧延を行い、途中200℃以上で5
分以上の時効処理を行った(圧下率88.5%)。
(0.0023T−1.9)t(100−R)の計算値
は446であり200以上を満足した。
【0042】冷延板の螢光X線分析にて表層のSi含有
量を測定し、引き続き脱炭・1次再結晶焼鈍を窒素+水
素の混合ガス中において酸化度0.13の雰囲気とし、
850℃の温度で100秒行い、引き続いてNH3 雰囲
気でN含有量が200ppmになるよう窒化焼鈍を行っ
た後、焼鈍板のC、O量を分析した。そして焼鈍分離剤
としてアルミナを気水スプレーで塗布し乾燥しながら巻
き取った10Tコイルを、ボックスタイプの焼鈍炉で2
次再結晶仕上焼鈍を行った。炉内に窒素を流しながらし
ながら1200℃まで15℃/hrで昇温し、引き続い
て水素を流しながら1200℃で75時間の純化焼鈍を
行った。コイルのアルミナを軽酸洗処理にて除去した結
果、コイル全幅、全長で鋼板表面が鏡面を呈していた。
これら鋼帯に、ハイドロタルサイト+ホウ酸を主成分と
するコーテイング液を塗布して850℃で2分間焼き付
けた。その後、鋼板表面に圧延方向と直角方向に5mm
間隔でレーザー照射を行った。冷延板最表面のSi含有
量、脱炭焼鈍後のC、O量および製品の磁気特性を以下
に示す。
【0043】 表面Si含有量 C量 O量 W17/50 B8 (A)3.15% 148ppm 232ppm 1.29W/kg 1.93T (B)2.87% 14ppm 235ppm 0.69W/kg 1.95T
【0044】
【発明の効果】以上のように、鋼板表面から2μmまで
の深さにおけるSi含有量を3.0より低くすることに
より、低酸化度雰囲気の脱炭焼鈍でもC量を効果的に低
下させることが可能となり、脱炭焼鈍表面の低酸化層と
アルミナ焼鈍分離剤の有機的効果により、極めて磁気特
性が良好な鏡面一方向性電磁鋼板を低コストで得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板成分、工程条件が変動した冷間圧延板を脱
炭焼鈍したときの、雰囲気酸化度(PH2 O/PH2
と焼鈍後C量の関係を示す図。
【図2】図1についての雰囲気酸化度と焼鈍後O量の関
係を示す図。
【図3】冷延板最表面の螢光X線分析Si強度と酸化度
0.105で脱炭焼鈍した後のC量の関係を示す図。
【図4】脱炭良好材と不良材の冷延前鋼板の表層断面C
MA分析によるSiマッピング画像を示す図。
【図5】図4をSi含有量に線分析変換した、深さ方向
のSi濃度変化を示す図。
【図6】0.01と1.84の酸化度で熱延板焼鈍した
鋼板を酸洗したときの、酸洗板厚減量と冷延板最表面の
螢光X線Si強度の関係を示す図。
【図7】図6の冷延板を酸化度0.105で脱炭焼鈍し
たときの、酸洗板厚減量とC量の関係を示す図。
【図8】鋼中のSi含有量が2.8〜3.4%の材料を
用いて冷延板最表面のSi含有量を変化させたときの、
冷延板最表面のSi含有量と脱炭焼鈍後(酸化度0.1
05)のC量の関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−83620(JP,A) 特開 平6−93335(JP,A) 特開 平7−118750(JP,A) 特開 平7−278668(JP,A) 特公 平4−48847(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/12 H01F 1/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.03〜0.10%、
    Si:3.0〜4.0%を含有する一方向性電磁鋼板の
    最終冷延板に、脱炭焼鈍を酸化度(PH2 O/PH2
    が0.01以上0.15以下の雰囲気ガス中で行ない、
    焼鈍分離剤としてアルミナを塗布し、仕上げ焼鈍を施す
    ことからなる鏡面一方向性電磁鋼板の製造方法におい
    て、前記最終冷延板の鋼板表面から2μmまでの深さに
    おけるSi含有量を3.0%より低くすることを特徴と
    する磁気特性が優れた鏡面一方向性電磁鋼板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 重量%で、C:0.03〜0.10%、
    Si:3.0〜4.0%を含有する一方向性電磁鋼板の
    熱延板を、熱延板焼鈍後に1回以上の冷延を行うか、ま
    たは熱延板焼鈍を行わずに中間焼鈍を挟む2回以上の冷
    延を施して最終板厚とし、引き続き脱炭焼鈍を酸化度
    (PH2 O/PH2 )が0.01以上0.15以下の雰
    囲気ガス中で行ない、焼鈍分離剤としてアルミナを塗布
    し、仕上げ焼鈍を施す工程からなる磁気特性が優れた鏡
    面一方向性電磁鋼板の製造方法において、熱延から最終
    冷延までに行う焼鈍の条件として、焼鈍の均熱温度をT
    ℃、均熱時間をt秒、焼鈍する板厚から最終冷延板厚ま
    での圧下率をR%とした場合、(0.0023T−1.
    9)t(100−R)≧200の範囲とし、かつ焼鈍雰
    囲気ガス中の酸化度(PH2 O/PH2 )を0.15以
    上とすることを特徴とする磁気特性が優れた鏡面一方向
    性電磁鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 仕上焼鈍後に、レーザー光照射、プラズ
    マ炎照射、歯車ロール法、金型プレス法、フォトエッチ
    ング法、レジストインキエッチング法、電解エッチング
    法のいずれか1つの方法による磁区細分化処理を施す事
    を特徴とする請求項1または2記載の磁気特性が優れた
    鏡面一方向性電磁鋼板の製造方法。
JP28760997A 1997-10-06 1997-10-06 磁気特性が優れた鏡面一方向性電磁鋼板の製造方法 Expired - Lifetime JP3337958B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28760997A JP3337958B2 (ja) 1997-10-06 1997-10-06 磁気特性が優れた鏡面一方向性電磁鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28760997A JP3337958B2 (ja) 1997-10-06 1997-10-06 磁気特性が優れた鏡面一方向性電磁鋼板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11106827A JPH11106827A (ja) 1999-04-20
JP3337958B2 true JP3337958B2 (ja) 2002-10-28

Family

ID=17719495

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28760997A Expired - Lifetime JP3337958B2 (ja) 1997-10-06 1997-10-06 磁気特性が優れた鏡面一方向性電磁鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3337958B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4598702B2 (ja) * 2006-03-23 2010-12-15 新日本製鐵株式会社 磁気特性が優れた高Si含有方向性電磁鋼板の製造方法
EP3653756A4 (en) 2017-07-13 2020-12-30 Nippon Steel Corporation ORIENTED-GRAIN ELECTROMAGNETIC STEEL SHEET
CN110832112B (zh) 2017-07-13 2021-12-21 日本制铁株式会社 方向性电磁钢板
CN110832113B (zh) 2017-07-13 2022-08-02 日本制铁株式会社 方向性电磁钢板
JP6876280B2 (ja) 2017-07-13 2021-05-26 日本製鉄株式会社 方向性電磁鋼板
BR112020018594A2 (pt) * 2018-03-20 2020-12-29 Nippon Steel Corporation Método para fabricação de chapa de aço elétrico de grão orientado e chapa de aço elétrico de grão orientado
EP3822386A4 (en) 2018-07-13 2022-01-19 Nippon Steel Corporation GRAIN ORIENTED ELECTROMAGNETIC STEEL SHEET AND METHOD OF MAKING THE SAME
WO2020012665A1 (ja) 2018-07-13 2020-01-16 日本製鉄株式会社 方向性電磁鋼板及びその製造方法
KR102545563B1 (ko) 2019-01-16 2023-06-21 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 방향성 전자 강판의 제조 방법
KR102576381B1 (ko) * 2019-01-16 2023-09-11 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 방향성 전자 강판의 제조 방법
JP7339549B2 (ja) 2019-01-16 2023-09-06 日本製鉄株式会社 フォルステライト皮膜を有しない絶縁皮膜密着性に優れる方向性電磁鋼板
JP7151791B2 (ja) 2019-01-16 2022-10-12 日本製鉄株式会社 方向性電磁鋼板
JP7207436B2 (ja) 2019-01-16 2023-01-18 日本製鉄株式会社 方向性電磁鋼板

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11106827A (ja) 1999-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3470475B2 (ja) 極めて鉄損の低い方向性電磁鋼板とその製造方法
JP5273944B2 (ja) 鏡面方向性電磁鋼板の製造方法
JP3387914B1 (ja) 皮膜特性と高磁場鉄損に優れる高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法
JP3537339B2 (ja) 皮膜特性と磁気特性に優れた方向性電磁鋼板及びその製造方法
JP3337958B2 (ja) 磁気特性が優れた鏡面一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH0717960B2 (ja) 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法
JP3456862B2 (ja) 極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板の製造方法
JP2679944B2 (ja) 鉄損の低い鏡面方向性電磁鋼板の製造方法
JP3392669B2 (ja) 極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板の製造方法
JP3496067B2 (ja) 鏡面一方向性電磁鋼板の製造方法
JP2653638B2 (ja) 鉄損の低い方向性電磁鋼板の製造方法
JP3474837B2 (ja) B8が1.91t以上の鏡面一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH10130727A (ja) 磁束密度が高い低鉄損鏡面一方向性電磁鋼板の製造方法
WO2021054371A1 (ja) 方向性電磁鋼板
JP4873770B2 (ja) 一方向性電磁鋼板
JP2674917B2 (ja) フォルステライト被膜のない高磁束密度方向性珪素鋼板の製造方法
JP3492965B2 (ja) 磁気特性が優れた一方向性電磁鋼板を得る冷間圧延方法
JP3154935B2 (ja) 磁束密度の高い低鉄損鏡面一方向性電磁鋼板の製造方法
JP3148096B2 (ja) 鉄損の低い鏡面方向性電磁鋼板の製造方法
JP2680532B2 (ja) 鉄損の低い方向性電磁鋼板の製造方法
JP3148092B2 (ja) 鉄損の低い鏡面方向性電磁鋼板の製造方法
JP3148094B2 (ja) 鉄損の低い鏡面方向性電磁鋼板の製造方法
JP3148093B2 (ja) 鉄損の低い鏡面方向性電磁鋼板の製造方法
JP4119614B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP3148095B2 (ja) 鉄損の低い鏡面方向性電磁鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020702

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080809

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090809

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090809

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100809

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100809

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110809

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120809

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130809

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130809

Year of fee payment: 11

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130809

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130809

Year of fee payment: 11

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130809

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term