JP3335243B2 - 耐赤錆発生性に優れたＡｌ系めっき鋼板 - Google Patents
耐赤錆発生性に優れたＡｌ系めっき鋼板Info
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- JP3335243B2 JP3335243B2 JP01314094A JP1314094A JP3335243B2 JP 3335243 B2 JP3335243 B2 JP 3335243B2 JP 01314094 A JP01314094 A JP 01314094A JP 1314094 A JP1314094 A JP 1314094A JP 3335243 B2 JP3335243 B2 JP 3335243B2
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- steel sheet
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- plated steel
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、傷付き部、切断端面、
クラック発生部などのように鋼板が露出する部分からの
赤錆が発生しにくいＡｌ系めっき鋼板に関する。
クラック発生部などのように鋼板が露出する部分からの
赤錆が発生しにくいＡｌ系めっき鋼板に関する。
【０００２】
【従来技術】Ａｌめっき鋼板またはＡｌ系合金めっき鋼
板は、耐食性に優れているので、従来より建材、自動車
排気系統部材などに使用されている。これらのめっき鋼
板は溶融めっき法、蒸着めっき法、非水溶液による電気
めっき法などにより製造されているが、溶融めっき法で
は鋼板とめっき層界面の合金層を抑制したり、ピンホ−
ルからの腐食を防止するため、鋼板とめっき層の間にＣ
ｒやＴｉのプレめっき層を設けることが行われている。
また、Ａｌ系合金めっきとしては、種々のものが開発さ
れ、ＡｌにＳｉ、Ｍｎ、Ｍｇ、Ｃｒ、Ｔｉ、Ｍｏ、Ｚｒ
などの１種または２種以上を添加したものなどが知られ
ているが、溶融めっき法によるＡｌ−Ｓｉ合金、Ａｌ−
Ｚｎ合金めっきが現在のところ主流になっている。
板は、耐食性に優れているので、従来より建材、自動車
排気系統部材などに使用されている。これらのめっき鋼
板は溶融めっき法、蒸着めっき法、非水溶液による電気
めっき法などにより製造されているが、溶融めっき法で
は鋼板とめっき層界面の合金層を抑制したり、ピンホ−
ルからの腐食を防止するため、鋼板とめっき層の間にＣ
ｒやＴｉのプレめっき層を設けることが行われている。
また、Ａｌ系合金めっきとしては、種々のものが開発さ
れ、ＡｌにＳｉ、Ｍｎ、Ｍｇ、Ｃｒ、Ｔｉ、Ｍｏ、Ｚｒ
などの１種または２種以上を添加したものなどが知られ
ているが、溶融めっき法によるＡｌ−Ｓｉ合金、Ａｌ−
Ｚｎ合金めっきが現在のところ主流になっている。
【０００３】しかし、Ａｌめっき鋼板は、めっき層表面
が酸化されて、鋼板より電位が貴になっているので、め
っき層が犠牲防食作用を発揮しない。このため、傷付き
部、切断端面、クラック発生部から鋼板の赤錆が発生し
易い。Ａｌ系合金めっき鋼板の場合もＡｌ−Ｚｎ系合金
めっきのようにＺｎ添加によりめっき層電位を鋼板より
卑にしたもの以外犠牲防食作用を発揮しないため、鋼板
から同様に赤錆が発生し易い。しかし、この赤錆発生は
大気中から塩素がめっき層に蓄積されると、鋼板とめっ
き層の電位が逆転し、めっき層が犠牲防食作用を発揮す
るようになるため、停止する。しかしながら、鋼板はめ
っき層が犠牲防食作用を発揮するようになるまでの間赤
錆で汚染され続けるため、外観が著しく損われるという
問題があった。
が酸化されて、鋼板より電位が貴になっているので、め
っき層が犠牲防食作用を発揮しない。このため、傷付き
部、切断端面、クラック発生部から鋼板の赤錆が発生し
易い。Ａｌ系合金めっき鋼板の場合もＡｌ−Ｚｎ系合金
めっきのようにＺｎ添加によりめっき層電位を鋼板より
卑にしたもの以外犠牲防食作用を発揮しないため、鋼板
から同様に赤錆が発生し易い。しかし、この赤錆発生は
大気中から塩素がめっき層に蓄積されると、鋼板とめっ
き層の電位が逆転し、めっき層が犠牲防食作用を発揮す
るようになるため、停止する。しかしながら、鋼板はめ
っき層が犠牲防食作用を発揮するようになるまでの間赤
錆で汚染され続けるため、外観が著しく損われるという
問題があった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鋼板とＡｌ
またはＡｌ系合金めっき層の電位が逆転して、めっき層
が犠牲防食作用を発揮するまでの間赤錆が発生しないよ
うにしたＡｌ系めっき鋼板を提供するものである。
またはＡｌ系合金めっき層の電位が逆転して、めっき層
が犠牲防食作用を発揮するまでの間赤錆が発生しないよ
うにしたＡｌ系めっき鋼板を提供するものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の第１発明は、Ａ
ｌめっき層またはＺｎ以外の元素を合金成分とするＡｌ
系合金めっき層の上にこのＡｌ系合金めっき層にＺｎを
添加したＡｌ系合金めっき層を形成して、Ｚｎ添加Ａｌ
系合金めっき層を表面Ｚｎ含有量が２０mass％以上の表
面から内部に向かってＺｎ含有量の低い傾斜合金にし
た。また、第２発明はＺｎを合金成分とするＡｌ系合金
めっき層を表面Ｚｎ含有量が２０mass％以上で、表面か
ら内部に向かってＺｎ含有量の低い傾斜合金にした。
ｌめっき層またはＺｎ以外の元素を合金成分とするＡｌ
系合金めっき層の上にこのＡｌ系合金めっき層にＺｎを
添加したＡｌ系合金めっき層を形成して、Ｚｎ添加Ａｌ
系合金めっき層を表面Ｚｎ含有量が２０mass％以上の表
面から内部に向かってＺｎ含有量の低い傾斜合金にし
た。また、第２発明はＺｎを合金成分とするＡｌ系合金
めっき層を表面Ｚｎ含有量が２０mass％以上で、表面か
ら内部に向かってＺｎ含有量の低い傾斜合金にした。
【０００６】
【作用】本発明のＡｌ系めっき鋼板は、いずれもＡｌま
たはＺｎを含有しないＡｌ系合金めっき層の少なくとも
表層部にＺｎを添加してあるので、めっき層表面の電位
は鋼板より卑である。このため、犠牲防食作用を発揮
し、傷付き部、切断端面あるいはクラック発生部などの
ように鋼板が露出する部分が存在していても鋼板から赤
錆が発生するのを防止する。第１発明では、腐食が進行
してゆくと、Ｚｎを含有する上層が消失し、Ｚｎを含有
しない下層が現れてくるが、この時点になると、表面に
大気中からの塩素が蓄積されるため、下層の電位は鋼板
より卑になっており、犠牲防食作用は維持される。な
お、この第１発明で上層を純ＺｎめっきにせずにＺｎ含
有Ａｌ系合金めっきにしたのは、Ｚｎめっきより耐食性
が良く、長期間犠牲防食作用を維持できるからである。
たはＺｎを含有しないＡｌ系合金めっき層の少なくとも
表層部にＺｎを添加してあるので、めっき層表面の電位
は鋼板より卑である。このため、犠牲防食作用を発揮
し、傷付き部、切断端面あるいはクラック発生部などの
ように鋼板が露出する部分が存在していても鋼板から赤
錆が発生するのを防止する。第１発明では、腐食が進行
してゆくと、Ｚｎを含有する上層が消失し、Ｚｎを含有
しない下層が現れてくるが、この時点になると、表面に
大気中からの塩素が蓄積されるため、下層の電位は鋼板
より卑になっており、犠牲防食作用は維持される。な
お、この第１発明で上層を純ＺｎめっきにせずにＺｎ含
有Ａｌ系合金めっきにしたのは、Ｚｎめっきより耐食性
が良く、長期間犠牲防食作用を維持できるからである。
【０００７】第１発明、第２発明において、上層および
Ｚｎ含有Ａｌ系合金めっき層は、内部に行く程Ｚｎ含有
量が低くなっているので、その分耐食性が高くなる。従
って、内部のＺｎ含有量を表面と同じにするより腐食さ
れにくい。
Ｚｎ含有Ａｌ系合金めっき層は、内部に行く程Ｚｎ含有
量が低くなっているので、その分耐食性が高くなる。従
って、内部のＺｎ含有量を表面と同じにするより腐食さ
れにくい。
【０００８】第１、２発明において、めっき層表面の電
位を鋼板より卑にして、犠牲防食作用を発揮させるに
は、表面Ｚｎ含有量を２０mass％以上にする必要があ
る。２０mass％未満であると、犠牲防食作用を期待でき
ない。また、第１発明、第２発明のＺｎの傾斜合金であ
る上層およびＡｌ系合金めっき層はＺｎ含有量が１５ma
ss％以下の場合、Ｚｎを含有しない場合と耐食性がほぼ
同等であるので、最下部のＺｎ含有量は１５mass％以下
にするのが好ましい。
位を鋼板より卑にして、犠牲防食作用を発揮させるに
は、表面Ｚｎ含有量を２０mass％以上にする必要があ
る。２０mass％未満であると、犠牲防食作用を期待でき
ない。また、第１発明、第２発明のＺｎの傾斜合金であ
る上層およびＡｌ系合金めっき層はＺｎ含有量が１５ma
ss％以下の場合、Ｚｎを含有しない場合と耐食性がほぼ
同等であるので、最下部のＺｎ含有量は１５mass％以下
にするのが好ましい。
【０００９】
【実施例】実施例１ 真空蒸着法を用いて鋼板にＡｌまたはＡｌ系合金めっき
を施した。ただし、Ａｌ−Ｓｉ合金めっきについては溶
融めっき法で実施した。めっき原板としては、Ｃ：０.
０２％、Ｓｉ：０.０２％、Ｍｎ：０.２２％、Ｐ：０.
０１０％、Ｓ：０.００９％、Ａｌ：０.０５％、残部：
Ｆｅおよび不可避的不純物（いずれもmass％）からなる
板厚０.８ｍｍのアルミキルド鋼板を用いた。
を施した。ただし、Ａｌ−Ｓｉ合金めっきについては溶
融めっき法で実施した。めっき原板としては、Ｃ：０.
０２％、Ｓｉ：０.０２％、Ｍｎ：０.２２％、Ｐ：０.
０１０％、Ｓ：０.００９％、Ａｌ：０.０５％、残部：
Ｆｅおよび不可避的不純物（いずれもmass％）からなる
板厚０.８ｍｍのアルミキルド鋼板を用いた。
【００１０】真空蒸着法の場合は、この鋼板の寸法５０
０ｍｍ×５００ｍｍのものを有機溶剤中で超音波洗浄し
て、真空蒸着装置にセットした後、装置内を５×１０-5
Torrに排気して、Ａｒグロ−放電によるスパッタエッチ
ングで鋼板表面の酸化膜を除去し、表面を活性化した。
表面活性化後は鋼板を回転させながら、種々の元素をる
つぼより電子ビ−ム加熱で蒸発させ、Ａｌの下層めっき
またはＺｎを含有しないＡｌ系合金で、合金成分が均一
に分散した下層めっきを１０μｍ施した。次に、Ｚｎの
蒸発も並行して行って、Ｚｎを含有する種々の厚みのＡ
ｌ系合金の上層めっきを施した。この上層めっきはめっ
き中にＺｎだけの蒸発量を次第に増加させて、表面に近
づくにつれてＺｎ含有量が高くなるようにした。下層が
Ａｌ−Ｓｉ合金めっきの場合は、下層を組成がＡｌ−
９.６mass％Ｓｉ−１.９mass％Ｆｅの溶融めっき浴でめ
っき厚１０μｍにめっきした後、真空蒸着法で上層をめ
っきした。一方、上層がＡｌ−Ｓｉ−Ｚｎ合金めっきの
場合は、Ａｌ−Ｓｉ合金めっき鋼板の表面を真空蒸着法
でＺｎめっきした後、Ｚｎをめっき層途中まで熱拡散さ
せた。
０ｍｍ×５００ｍｍのものを有機溶剤中で超音波洗浄し
て、真空蒸着装置にセットした後、装置内を５×１０-5
Torrに排気して、Ａｒグロ−放電によるスパッタエッチ
ングで鋼板表面の酸化膜を除去し、表面を活性化した。
表面活性化後は鋼板を回転させながら、種々の元素をる
つぼより電子ビ−ム加熱で蒸発させ、Ａｌの下層めっき
またはＺｎを含有しないＡｌ系合金で、合金成分が均一
に分散した下層めっきを１０μｍ施した。次に、Ｚｎの
蒸発も並行して行って、Ｚｎを含有する種々の厚みのＡ
ｌ系合金の上層めっきを施した。この上層めっきはめっ
き中にＺｎだけの蒸発量を次第に増加させて、表面に近
づくにつれてＺｎ含有量が高くなるようにした。下層が
Ａｌ−Ｓｉ合金めっきの場合は、下層を組成がＡｌ−
９.６mass％Ｓｉ−１.９mass％Ｆｅの溶融めっき浴でめ
っき厚１０μｍにめっきした後、真空蒸着法で上層をめ
っきした。一方、上層がＡｌ−Ｓｉ−Ｚｎ合金めっきの
場合は、Ａｌ−Ｓｉ合金めっき鋼板の表面を真空蒸着法
でＺｎめっきした後、Ｚｎをめっき層途中まで熱拡散さ
せた。
【００１１】以上のようにして調製しためっき鋼板に
は、クロスカットと１８０°密着折り曲げ加工を施し
て、鋼素地を露出させ、臨海工業地帯（大阪府堺市）に
３カ月間暴露した。表１にこの暴露による赤錆発生有無
を示す。
は、クロスカットと１８０°密着折り曲げ加工を施し
て、鋼素地を露出させ、臨海工業地帯（大阪府堺市）に
３カ月間暴露した。表１にこの暴露による赤錆発生有無
を示す。
【００１２】
【表１】
【００１３】実施例２ 実施例１での上層めっきと同様にして鋼板に直接Ｚｎ含
有Ａｌ系合金めっきを厚さ２μｍ施した。なお、Ａｌ−
Ｓｉ−Ｚｎ合金めっきに関しては、Ａｌ−Ｓｉ合金めっ
き鋼板の表面を真空蒸着法でめっきした後、鋼素地にＺ
ｎが達するまで熱拡散させた。表２に実施例１と同様の
暴露試験をした結果を示す。
有Ａｌ系合金めっきを厚さ２μｍ施した。なお、Ａｌ−
Ｓｉ−Ｚｎ合金めっきに関しては、Ａｌ−Ｓｉ合金めっ
き鋼板の表面を真空蒸着法でめっきした後、鋼素地にＺ
ｎが達するまで熱拡散させた。表２に実施例１と同様の
暴露試験をした結果を示す。
【００１４】
【表２】
【００１５】実施例３ 実施例１と同様にして下層が厚さ１０μｍのＡｌめっき
または均一組織のＡｌ合金めっきで、上層がＺｎの傾斜
合金である厚さ２μｍのＡｌ系合金めっきのめっき鋼板
を作成した。また、比較材として、下層が厚さ１０μｍ
のＡｌめっきまたは均一組織のＡｌ合金めっきで、上層
も厚さが２μｍの均一組織のＡｌ系合金めっきであるめ
っき鋼板も作成した。得られためっき鋼板はＪＩＳ Ｚ
２３７１による塩水噴霧試験に供し、赤錆の発生する時
間を調査した。表３にこの結果を示す。
または均一組織のＡｌ合金めっきで、上層がＺｎの傾斜
合金である厚さ２μｍのＡｌ系合金めっきのめっき鋼板
を作成した。また、比較材として、下層が厚さ１０μｍ
のＡｌめっきまたは均一組織のＡｌ合金めっきで、上層
も厚さが２μｍの均一組織のＡｌ系合金めっきであるめ
っき鋼板も作成した。得られためっき鋼板はＪＩＳ Ｚ
２３７１による塩水噴霧試験に供し、赤錆の発生する時
間を調査した。表３にこの結果を示す。
【００１６】
【表３】
【００１７】
【発明の効果】以上のように、本発明のＡｌ系めっき鋼
板は、最初からめっき層が犠牲防食作用を発揮するの
で、傷付き部、切断端面、クラック発生部からの鋼板赤
錆発生を防止し、外観を損ねることがない。
板は、最初からめっき層が犠牲防食作用を発揮するの
で、傷付き部、切断端面、クラック発生部からの鋼板赤
錆発生を防止し、外観を損ねることがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 鈴木 正紀 (56)参考文献 特開 平６−116748（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C23C 28/02 C23C 2/12 C23C 2/40 C23C 14/14
Claims (2)
- 【請求項１】 Ａｌめっき層またはＺｎ以外の元素を
合金成分とするＡｌ系合金めっき層の上にこのＡｌ系合
金めっき層にＺｎを添加したＡｌ系合金めっき層を形成
して、Ｚｎ添加Ａｌ系合金めっき層を表面Ｚｎ含有量が
２０mass％以上の表面から内部に向かってＺｎ含有量の
低い傾斜合金にしたことを特徴とする耐赤錆発生性に優
れたＡｌ系めっき鋼板。 - 【請求項２】 Ｚｎを合金成分とするＡｌ系合金めっ
き層を表面Ｚｎ含有量が２０mass％以上で、表面から内
部に向かってＺｎ含有量の低い傾斜合金にしたことを特
徴とする耐赤錆発生性に優れたＡｌ系めっき鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP01314094A JP3335243B2 (ja) | 1994-01-11 | 1994-01-11 | 耐赤錆発生性に優れたＡｌ系めっき鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP01314094A JP3335243B2 (ja) | 1994-01-11 | 1994-01-11 | 耐赤錆発生性に優れたＡｌ系めっき鋼板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07207461A JPH07207461A (ja) | 1995-08-08 |
| JP3335243B2 true JP3335243B2 (ja) | 2002-10-15 |
Family
ID=11824864
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP01314094A Expired - Fee Related JP3335243B2 (ja) | 1994-01-11 | 1994-01-11 | 耐赤錆発生性に優れたＡｌ系めっき鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3335243B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN114318447B (zh) * | 2021-12-29 | 2023-06-06 | 中冶赛迪技术研究中心有限公司 | 一种防腐纳米功能梯度镀层及其制备工艺 |
-
1994
- 1994-01-11 JP JP01314094A patent/JP3335243B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07207461A (ja) | 1995-08-08 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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