JP2685772B2 - 高耐食性A1−Ti合金蒸着めっき製品およびその製造方法 - Google Patents

高耐食性A1−Ti合金蒸着めっき製品およびその製造方法

Info

Publication number
JP2685772B2
JP2685772B2 JP63006641A JP664188A JP2685772B2 JP 2685772 B2 JP2685772 B2 JP 2685772B2 JP 63006641 A JP63006641 A JP 63006641A JP 664188 A JP664188 A JP 664188A JP 2685772 B2 JP2685772 B2 JP 2685772B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy
corrosion resistance
vapor deposition
plating
plating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63006641A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01184268A (ja
Inventor
廣士 佐藤
雅雄 外山
英敏 西本
貢基 池田
純司 川福
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP63006641A priority Critical patent/JP2685772B2/ja
Publication of JPH01184268A publication Critical patent/JPH01184268A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2685772B2 publication Critical patent/JP2685772B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は高耐食性の優れたAl−Ti合金蒸着めっき製品
およびその製造方法に関するものである。
[従来の技術] AlおよびAl合金(以下単にAl合金と記すことがある)
は鋼に比べて耐食性に優れ、また清潔感があるため、建
材や容器等の分野で汎用されており、またAl合金を鋼板
上にめっきした製品も実用化されている。
ところがAl合金製品及びAl合金めっき製品は、Cl-
オンが存在する環境下において表面の不動態皮膜が破壊
され易く、その結果孔食が発生して極端な場合には貫通
孔に発展することがあり、あるいはめっき層表面殊に孔
食発生部周辺に腐食生成物であるAl(OH)等を主成分
とする白錆が生じることがある。又鋼板にAl合金めっき
を施した製品では孔食が鋼板に及んで赤錆を発生するこ
ともあった。
[発明が解決しようとする課題] そこでAl合金製品及びAl合金めっき製品の耐食性を改
善することが課題となり、Al合金にあっては合金組成の
改質、即ちZnやMg等を添加することが検討されたがさほ
どの効果はなく、またこれら元素の過度の添加はAlの持
つ優れた成形加工性を損なうことになり、添加量に制限
があった。
一方Al合金めっき製品においてはめっき層を溶融めっ
き法で形成することが多いが、溶融浴中に溶解させる元
素とその濃度(Alとの合金比)に限界があり、例えばAl
−Si合金めっき,Al−Zn合金めっき等が提案されている
が耐食性改善には至っていない。
このような状況に鑑み、本発明者らは耐食性の良好な
Al合金めっき製品(Al合金にAl合金めっきを施した製品
を含む)を得るべくAl合金めっき層における合金化元素
およびめっき方法について種々検討を行なった。
[課題を解決するための手段] 上記問題点を解決することのできた本発明の高耐食性
Al合金めっき製品とは、素地金属上に、Tiを10〜40%含
有するAl−Ti合金蒸着めっきが施されたものであって、
Cu−Kα線によるAl−Ti合金蒸着めっき層のX線回折パ
ターンにおいて、AlおよびTiのピークの他は、実質的に
TiAl3のピークのみを有するものであることを構成要旨
とするものであり、またこの様なAl−Ti合金蒸着めっき
製品は素地金属を100〜450℃に加熱した状態で10-2Torr
以下の真空中でAlおよびTiを個別に加熱蒸発させてTiを
10〜40%含有するようにAl−Ti合金蒸着めっき層を前記
素地金属上に施すことにより製造することができる。
[作用] これまで耐食性の良いとされている合金めっき製品と
しては、前述の如くAl−Si合金溶融めっきやAl−Zn溶融
めっき製品が提案されていたが満足できる結果は得られ
ていない。
そこで本発明者らはSiやZn以外の合金化元素を種々添
加したAl合金めっき製品を作成し、その耐食性について
検討したところ、後述するようなAl−Ti合金蒸着めっき
が優れた耐食性を示すことを見出すに至った。またこの
様な蒸着めっき層を形成する手段としては、後述するよ
うな特定条件で行なう真空蒸着めっきが密着性および耐
食性の点で優れているという知見を得た。
本発明のAl−Ti合金蒸着めっきにおいては、めっき層
中のTiの含有率が10%以上になると耐食性の改善効果が
認められ、10%未満ではTi添加による耐食性向上効果が
殆ど発揮されない。Ti含有量を増加させるとそれに伴っ
て耐食性向上効果が増加するが、Ti含有量が35〜40%に
至ると耐食性改善効果が最大となり、それ以上Tiを添加
しても耐食性は却って逆に低下していくばかりでなく、
めっき密着性も低下する(後記第1表参照)。またTi含
有量を増加させることは、TiがAlに比べて高価なこと、
および蒸着めっきに際しては真空中におけるTiの平衡蒸
気圧がAlのそれと比べて小さいのでTiの蒸発のために高
エネルギーを要すること、等からコストアップにつなが
り経済的に不利となる。
以上のことから、蒸発めっき層中Ti含有量は10〜40%
が適当である。
更にAl−Ti合金蒸着めっき層のX線回折パターンにつ
いて種々検討したところ、ターゲットとしてCu−Kα線
を使用したときのX線回折パターンにおいて、Alおよび
Tiのピークの他は、実質的にTiAl3のピークのみを有す
る場合には著しく耐食性が良好であることがわかった。
このような結晶構造を有する蒸着めっき層は後述するよ
うな真空蒸着めっき法を採用したときに限って得られ
る。
すなわち上記X線回折パターンを有するAl−Ti合金め
っき層を形成するための蒸着めっき条件は、素地金属を
100〜450℃に加熱した状態で、10-2Torr以下好ましくは
10-4Torr台の真空中であることが必要であり、この様な
雰囲気下において蒸着金属および素地金属の酸化を防止
しつつ蒸着させる。ただし真空中においてAlとTiを蒸発
させる際にはAlとTiの平衡蒸気圧に差があり、Alの方が
蒸発され易いため、これらの混合物あるいは予め合金化
させたものを単に加熱蒸発させたとしても、Alのみが優
先的に蒸着し希望の組成のものが得られない。従ってAl
とTiの地金を別個の容器に分け入れ、個々に加熱して熱
源の出力をコントロールすることによってAlとTiの蒸気
量をコントロールし、目的の組成のAl−Ti合金めっきを
得る。
また前記真空中において素地金属の加熱温度が100℃
未満ではめっき層と素地金属との密着性が不十分でめっ
き剥離を生じ易く、一方素地金属の加熱温度が450℃を
超える場合には、例えば素地金属が鋼のとき、鋼表面と
めっき層の境に脆弱なFe−Al金属間化合物を生成しやす
くなるため、従来のAl溶融めっき鋼板と同様の欠陥が表
われ、加工時にめっき剥離を招く原因となる場合があ
る。
また加熱温度が高温になるとAl−Ti合金めっき層にお
いてTiの含有量が10〜40%の範囲内であっても、TiAlま
たはTi3Al等の金属間化合物が生成する。該金属間化合
物がめっき層中に生じてくるとTiおよびTiAl3が減少或
は無くなるため耐食性改善効果を減少させると共に、め
っき層自体を脆弱にし成形加工性を低下させる。
またAl及びTiを蒸発させるための加熱手段としては、
抵抗加熱や高周波加熱等を採用することも可能ではある
が、最も好ましいのは電子ビームやレーザビームを利用
した高エネルギービーム加熱である。またAl−Ti合金め
っき層を形成する工程で、金属蒸気に高周波等を印加し
て、金属蒸気をプラスにイオン化せしめ、一方素地金属
にはマイナスのバイアス電圧をかけて金属蒸気を素地金
属に蒸着させるイオンプレーティング法を採用すれば、
めっき層全体の結晶粒が微細となって、ピンホール欠陥
が防止されるほか、幅方向の合金組成も均一となり、素
地金属に対する密着性も向上するなど、めっき層全体と
しての性能を一段と高めることができる。
蒸着めっき層の厚さは特に限定されないが、めっき膜
厚が薄過ぎると耐食性が不十分となるので、0.1μm以
上、好ましくは1μm以上とすることが望ましい。
尚本発明に関るAl−Ti合金蒸着めっきの対象となる素
地金属としては前記鋼の他ステンレス鋼,Al,Al合金,Cu,
Cu合金,更にはTi,Ti合金等が非限定的に例示され、素
地金属の形状も板,棒,形材等制限はない。
[実施例] 真空蒸着装置内に2つのるつぼを配置し、各るつぼの
夫々のAlとTiを装入する一方、アルカリ電解脱脂後水洗
し表面を清浄化した鋼板0.7mm×150mm×150mmを上記る
つぼ上に適度の間隔を保って配置した後、真空蒸着装置
内を所定の減圧度となるまで吸引排気し、次いで鋼板を
所定温度に予熱した。その後るつぼ内のAlとTiを電子ビ
ーム加熱により加熱蒸発せしめ、鋼板表面にAl−Ti合金
めっき層を形成させた。このときAlおよびTiに照射する
電子ビーム出力をコントロールすることによって夫々の
蒸発量を調節しAl−Ti合金めっき膜厚およびめっき組成
を調整した。
上記のようにして得られた種々のAl−Ti合金蒸着めっ
き鋼板に対して以下に述べる試験を実施した。結果を第
1表に示す。また第1表にはAl(9%Si)溶融めっき鋼
板について試験した結果も併記した。
(1)耐食性試験 エリクセン試験機によって中央部に高さ9mmの張り出
し加工を行なった各めっき鋼板を塩水噴霧試験(35℃,5
%NaCl溶液)に供し、めっき層表面に素地鋼板の腐食に
よる赤錆が発生するまでの時間を調べた。
(2)密着性試験 各めっき鋼板20mm×50mmを180゜に密着曲げし、この
折り曲げ部に粘着テープを貼り付けて剥がした。このと
きのめっき層の剥離状態で評価した。
○:めっき層の剥離なし △:めっき層の剥離ほとんどなし ×:めっき層が一部剥離 (3)X線回折:一次X線源はCu−Kα線による。
Niフィルター 加圧電圧 50KV 記録紙のフルスケール 3000〜4000カウント/秒 第1表から明らかな様に、No.6〜9はAl−Ti合金蒸着
めっき鋼板におけるめっき層のTi含有量が10〜40%であ
り、且つX線回折パターンにおいて実質的にAl,Ti及びT
iAl3にのみピークを有するものであり、耐食性およびめ
っき密着性に優れたものである。尚No.7のX線回折パタ
ーンを第1図に示す。
一方No.1〜5はめっき層のTi含有量が10%未満であり
めっき密着性は良いが、Ti添加による耐食性改善効果が
不十分である。
またNo.10〜13はめっき層の耐食性改善効果がある程
度は認められるものの、めっき密着性が不十分である。
これはめっき層におけるTi含有量が40%を超えるか(N
o.10,11,13)、或はTi含有量が40%以下でも(No.12)
基板の予熱温度の調整具合で生成してくるTiAlによって
めっき密着性が悪くなり、加工性が悪くなると共に加工
後の耐食性をも劣化するものと考えられる。
No.14は前述した様に従来の溶融Al(9%Si)めっき
鋼板であり、めっき表面をクロメート処理しているのも
かかわらず、耐食性及び加工性のいずれにおいても不十
分であることを示している。
[発明の効果] 以上述べた如く本発明によれば、既述の構成を採用す
ることによって、耐食性に優れたAl−Ti合金蒸着めっき
製品が実現できた。
【図面の簡単な説明】
第1図はNo.7(実施例)のX線回折パターンを示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川福 純司 兵庫県神戸市東灘区魚崎中町1―1―24 (56)参考文献 特開 昭63−76862(JP,A) 特開 昭63−18054(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】素地金属上に、Tiを10〜40%(重量%の意
    味、以下同じ)含有するAl−Ti合金蒸着めっきが施さ
    れ、Cu−Kα線によるAl−Ti合金蒸着めっき層のX線回
    折パターンにおいて、AlおよびTiのピークの他は、実質
    的にTiAl3のピークのみを有するものであることを特徴
    とする高耐食性Al−Ti合金蒸着めっき製品。
  2. 【請求項2】素地金属を100〜450℃加熱した状態で10-2
    Torr以下の真空中でAlおよびTiを個別に加熱蒸発させて
    Tiを10〜40%含有するようにAl−Ti合金蒸着めっき層を
    前記素地金属上に施すことを特徴とする高耐食性Al−Ti
    合金蒸着めっき製品の製造方法。
JP63006641A 1988-01-14 1988-01-14 高耐食性A1−Ti合金蒸着めっき製品およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2685772B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63006641A JP2685772B2 (ja) 1988-01-14 1988-01-14 高耐食性A1−Ti合金蒸着めっき製品およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63006641A JP2685772B2 (ja) 1988-01-14 1988-01-14 高耐食性A1−Ti合金蒸着めっき製品およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01184268A JPH01184268A (ja) 1989-07-21
JP2685772B2 true JP2685772B2 (ja) 1997-12-03

Family

ID=11643992

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63006641A Expired - Lifetime JP2685772B2 (ja) 1988-01-14 1988-01-14 高耐食性A1−Ti合金蒸着めっき製品およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2685772B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105401116A (zh) * 2015-11-24 2016-03-16 广州有色金属研究院 一种钛合金TiAl3-Al复合涂层制备方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6376862A (ja) * 1986-09-17 1988-04-07 Nippon Denso Co Ltd 表面硬化層を有するアルミニウム部材

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01184268A (ja) 1989-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4963440A (en) Al-Cr alloy vapor-deposited material
WO2014104445A1 (ko) Zn-Mg 합금도금강판 및 그의 제조방법
EP0572673B1 (en) Method of forming layer of evaporation coating
JP6974467B2 (ja) 多層構造のめっき鋼板及びその製造方法
JP2685772B2 (ja) 高耐食性A1−Ti合金蒸着めっき製品およびその製造方法
JP2624272B2 (ja) プレス成形性の優れた表面処理鋼板
US4963237A (en) Method for electrochemical activation of IVD aluminum coatings
JP2575747B2 (ja) 高耐食性A1−Cr合金蒸着めっき製品およびその製造方法
JP2535353B2 (ja) A1−Cr−Ti系蒸着めっき金属
JP2535352B2 (ja) 高耐食性A1−Cr合金めっき製品およびその製造方法
JP2624261B2 (ja) 成形加工用▲高▼耐食性Al―Ti合金めっき製品およびその製造方法
JPH062109A (ja) Al−Nb合金めっき材およびAl−Nb系積層めっき材、ならびにこれらめっき材の製造方法
JPH0587591B2 (ja)
JP2900638B2 (ja) 耐食性に優れたZn−Ti合金蒸着めっき金属材料
JP2963806B2 (ja) リン酸塩処理性、塗装後耐食性に優れたアルミニウム合金板
JP2602235B2 (ja) 高耐食性A1−Cr合金めっき金属材
JPH05320874A (ja) 蒸着めっき層の形成方法及び蒸着Al−Zn合金めっき材料
JPH01116062A (ja) 裸耐食性および塗装耐食性に優れたZn系複層蒸着めっき材料
JP2872721B2 (ja) リン酸塩処理性に優れた蒸着Zn―Cr合金めっき金属材料
JP3335243B2 (ja) 耐赤錆発生性に優れたAl系めっき鋼板
JP2535444B2 (ja) 耐食性に優れた蒸着Cu合金めっき材、及びそれを製造する方法
JPH04218660A (ja) 高耐食性Zn−Si系蒸着めっき金属材
JP2822838B2 (ja) 加工性および耐赤錆性に優れたAl−Cr合金蒸着めっき金属材
JP3074056B2 (ja) 蒸着Znめっき鋼板の製造方法
JP2822834B2 (ja) Al−Cr合金蒸着めっき鋼板