JP2575747B2 - 高耐食性A1−Cr合金蒸着めっき製品およびその製造方法 - Google Patents
高耐食性A1−Cr合金蒸着めっき製品およびその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐食性の優れたAl−Cr合金蒸着めっき製品お
よびその製造方法に関するものである。
よびその製造方法に関するものである。
[従来の技術] AlおよびAl合金(以下単にAl合金と記すことがある)
は鋼に比べて耐食性に優れ、また清潔感があるため、建
物や容器等の分野で汎用されており、またAl合金を鉄板
上にめっきした製品を実用化されている。
は鋼に比べて耐食性に優れ、また清潔感があるため、建
物や容器等の分野で汎用されており、またAl合金を鉄板
上にめっきした製品を実用化されている。
ところがAl合金製品及びAl合金めっき製品は、C1-イ
オンが存在する環境下において表面の不働態皮膜が破壊
され易く、その結果孔食が発生して極端な場合には貫通
孔に発展することがあり、あるいはめっき層表面主殊に
孔食発生部周辺に腐食生成物であるAl(OH)3等を主成
分とする白錆が生じることがある。又鋼板にAl合金めっ
きを施した製品では孔食が鋼板に及んで赤錆を発生する
こともあった。
オンが存在する環境下において表面の不働態皮膜が破壊
され易く、その結果孔食が発生して極端な場合には貫通
孔に発展することがあり、あるいはめっき層表面主殊に
孔食発生部周辺に腐食生成物であるAl(OH)3等を主成
分とする白錆が生じることがある。又鋼板にAl合金めっ
きを施した製品では孔食が鋼板に及んで赤錆を発生する
こともあった。
[発明が解決しようとする問題点] そこでAl合金製品及びAl合金めっき製品の耐食性を改
善することが課題となり、Al合金にあっては合金組成の
改質、即ちZnやMgなどを添加することが検討されたがさ
ほどの効果はなく、またこれら元素の角の添加はAlの持
つ優れた成形加工性を損なうことになり、添加量に制限
があった。
善することが課題となり、Al合金にあっては合金組成の
改質、即ちZnやMgなどを添加することが検討されたがさ
ほどの効果はなく、またこれら元素の角の添加はAlの持
つ優れた成形加工性を損なうことになり、添加量に制限
があった。
一方Al合金めっき製品においてはめっき層を溶融めっ
き法で形成することが多いが、溶融浴中に溶解させる元
素とその濃度(Alとの合金比)に限りがあり、例えば、
Al−Si合金めっき,Al−Zn合金めっき等が提案されてい
るが耐食性改善には至っていない。
き法で形成することが多いが、溶融浴中に溶解させる元
素とその濃度(Alとの合金比)に限りがあり、例えば、
Al−Si合金めっき,Al−Zn合金めっき等が提案されてい
るが耐食性改善には至っていない。
このような状況に鑑み、本発明者らは耐食性の良好な
Al合金めっき製品(Al合金にAl合金めっきを施した製品
を含む)を得るべくAl合金めっき層における合金化元素
およびめっき方法について種々検討を行なった。
Al合金めっき製品(Al合金にAl合金めっきを施した製品
を含む)を得るべくAl合金めっき層における合金化元素
およびめっき方法について種々検討を行なった。
[問題点を解決するための手段] 上記問題点を解決することのできた本発明の高耐食性
Al合金めっき製品とは、素地金属上に、Crを1〜30%含
有するAl−Cr合金蒸着めっきが施されたものであって、
Cu−Kα線によるAl−Cr合金蒸着めっき層のX線回折パ
ターンにおいて、実質的にAl,Crおよびθ相のみにピー
クを有するものであることを構成要旨とするものであ
り、またこの様なAl−Cr合金蒸着めっき製品は素地金属
を100〜450℃に加熱した状態で10-2Torr以下の真空中で
AlおよびCrを個別に加熱蒸発させてCrを1〜30%含有す
るようにAl−Cr合金蒸着めっき層を前記素地金属上に施
すことにより製造することができる。
Al合金めっき製品とは、素地金属上に、Crを1〜30%含
有するAl−Cr合金蒸着めっきが施されたものであって、
Cu−Kα線によるAl−Cr合金蒸着めっき層のX線回折パ
ターンにおいて、実質的にAl,Crおよびθ相のみにピー
クを有するものであることを構成要旨とするものであ
り、またこの様なAl−Cr合金蒸着めっき製品は素地金属
を100〜450℃に加熱した状態で10-2Torr以下の真空中で
AlおよびCrを個別に加熱蒸発させてCrを1〜30%含有す
るようにAl−Cr合金蒸着めっき層を前記素地金属上に施
すことにより製造することができる。
[作用] これまで耐食性の良いとされている合金めっき製品と
しては、前述の如くAl−Si合金溶融めっきやAl−Zn溶融
めっき製品が提案されていたが満足できる結果は得られ
ていない。
しては、前述の如くAl−Si合金溶融めっきやAl−Zn溶融
めっき製品が提案されていたが満足できる結果は得られ
ていない。
そこで本発明者らはSiやZn以外の合金化元素を種々添
加したAl合金めっき製品を作成し、その耐食性について
検討したところ、後述するようなAl−Cr合金蒸着めっき
が優れた耐食性を示すことを見出すに至った。またこの
様な蒸着めっき層を形成する手段としては、後述するよ
うな特定条件で行なう真空蒸着めっきが密着性および耐
食性の点で優れているという知見を得た。
加したAl合金めっき製品を作成し、その耐食性について
検討したところ、後述するようなAl−Cr合金蒸着めっき
が優れた耐食性を示すことを見出すに至った。またこの
様な蒸着めっき層を形成する手段としては、後述するよ
うな特定条件で行なう真空蒸着めっきが密着性および耐
食性の点で優れているという知見を得た。
本発明のAl−Cr合金蒸着めっきにおいては、めっき層
中のCrの含有率が1%以上になると耐食性の改善効果が
認められ、1%未満ではCr添加による耐食性向上効果が
殆ど発揮されない。Cr含有量を増加させるとそれに伴っ
て耐食性向上効果が増加するが、Cr含有量が20〜30%に
至ると耐食性改善効果が最大となり、それ以上Crを添加
しても耐食性は却って逆に低下していくばかりでなく、
めっき密着性も低下する(第1表参照)。またCr含有量
を増加させることは、CrがAlに比べて高価なことおよび
蒸着めっきに際しては平衡蒸気圧がAlに比べて小さいた
めCrの蒸発のために高エネルギーを要すること等からコ
ストアップにつながり経済的に不利となる。以上のこと
から蒸着めっき層中Cr含有量は1〜30%が適当である。
中のCrの含有率が1%以上になると耐食性の改善効果が
認められ、1%未満ではCr添加による耐食性向上効果が
殆ど発揮されない。Cr含有量を増加させるとそれに伴っ
て耐食性向上効果が増加するが、Cr含有量が20〜30%に
至ると耐食性改善効果が最大となり、それ以上Crを添加
しても耐食性は却って逆に低下していくばかりでなく、
めっき密着性も低下する(第1表参照)。またCr含有量
を増加させることは、CrがAlに比べて高価なことおよび
蒸着めっきに際しては平衡蒸気圧がAlに比べて小さいた
めCrの蒸発のために高エネルギーを要すること等からコ
ストアップにつながり経済的に不利となる。以上のこと
から蒸着めっき層中Cr含有量は1〜30%が適当である。
更にAl−Cr合金蒸着めっき層のX線回折パターンにつ
いて種々検討したところ、ターゲットとしてCu−Kα線
を使用したときのX線回折パターンにおいて、実質的に
Al,CrおよびAl13Cr2よりなるθ相のみにピークを有する
場合には著しく耐食性が良好であることがわかった。こ
のような結晶構造を有する蒸着めっき層は後述するよう
な蒸着めっき法を採用したときに限って得られる。
いて種々検討したところ、ターゲットとしてCu−Kα線
を使用したときのX線回折パターンにおいて、実質的に
Al,CrおよびAl13Cr2よりなるθ相のみにピークを有する
場合には著しく耐食性が良好であることがわかった。こ
のような結晶構造を有する蒸着めっき層は後述するよう
な蒸着めっき法を採用したときに限って得られる。
すなわち上記X線回折パターンを有するAl−Cr合金め
っき層を形成するための蒸着めっき条件は、素地金属を
100〜450℃に加熱した状態で10-2Torr以下好ましくは10
-4Torr台の真空中であることが必要であり、この様な雰
囲気下において蒸着金属および素地金属の酸化を防止し
つつ蒸着させる。ただし真空中においてAlとCrを蒸着さ
せる際にはAlとCrの蒸気圧に差があり、Alの方が蒸発さ
れ易いため、これらの混合物あるいは予め合金化させた
ものを単に加熱蒸発させたとしても、Alのみが優先的に
蒸着し希望の組成のものが得られない。従ってAlとCrの
地金を別個の容器に分けて入れ個々に加熱し、熱源の出
力をコントロールすることによりAlとCrの蒸気量をコン
トロールして目的の組成のAl−Cr合金めっきを得る。
っき層を形成するための蒸着めっき条件は、素地金属を
100〜450℃に加熱した状態で10-2Torr以下好ましくは10
-4Torr台の真空中であることが必要であり、この様な雰
囲気下において蒸着金属および素地金属の酸化を防止し
つつ蒸着させる。ただし真空中においてAlとCrを蒸着さ
せる際にはAlとCrの蒸気圧に差があり、Alの方が蒸発さ
れ易いため、これらの混合物あるいは予め合金化させた
ものを単に加熱蒸発させたとしても、Alのみが優先的に
蒸着し希望の組成のものが得られない。従ってAlとCrの
地金を別個の容器に分けて入れ個々に加熱し、熱源の出
力をコントロールすることによりAlとCrの蒸気量をコン
トロールして目的の組成のAl−Cr合金めっきを得る。
また前記真空中において素地金属の加熱温度が100℃
未満ではめっき層と素地金属との密着性が不十分でめっ
き剥離を生じ易く、一方素地金属の加熱温度が450℃を
超える場合、たとえば素地金属が鋼の場合、鋼表面とめ
っき層の境に脆弱なFe−Al金属間化合物を生成しやすく
なるため、従来のAl溶融めっき鋼板と同様の欠陥が表わ
れ、加工時めっき剥離の原因となる場合がある。また加
熱温度が高温になるとAl−Cr合金めっき層においてCrの
合金量が1〜30%の範囲内であってもη相を形成するAl
5CrまたはAl11Cr2等の金属間化合物が生成する。該η相
がめっき層中に生じてくるとθ相を形成するAl13Cr2お
よびCrが減少するため耐食性改善効果を減少させると共
に、めっき層自体を脆弱にし成形加工性を低下させる。
未満ではめっき層と素地金属との密着性が不十分でめっ
き剥離を生じ易く、一方素地金属の加熱温度が450℃を
超える場合、たとえば素地金属が鋼の場合、鋼表面とめ
っき層の境に脆弱なFe−Al金属間化合物を生成しやすく
なるため、従来のAl溶融めっき鋼板と同様の欠陥が表わ
れ、加工時めっき剥離の原因となる場合がある。また加
熱温度が高温になるとAl−Cr合金めっき層においてCrの
合金量が1〜30%の範囲内であってもη相を形成するAl
5CrまたはAl11Cr2等の金属間化合物が生成する。該η相
がめっき層中に生じてくるとθ相を形成するAl13Cr2お
よびCrが減少するため耐食性改善効果を減少させると共
に、めっき層自体を脆弱にし成形加工性を低下させる。
またAl及びCrを蒸発させるための加熱手段としては、
抵抗加熱や高周波加熱等を採用することも可能ではある
が、最も好ましいのは、電子ビームやレーザビームを利
用した高エネルギービーム加熱である。またAl−Cr合金
めっき層を形成する工程で、金属蒸気に高周波等を印加
して、金属蒸気をプラスにイオン化せしめ、一方素地金
属にはマイナスのバイアス電圧をかけて金属蒸気を素地
金属に蒸気させる、所謂イオンプレーティング法を採用
すれば、めっき層全体の結晶粒が微細となって、ピンホ
ール欠陥が防止されるほか、幅方向の合金組成も均一と
なり、素地金属に対する密着性も向上するなど、めっき
層全体としての性能を一段と高めることができる。
抵抗加熱や高周波加熱等を採用することも可能ではある
が、最も好ましいのは、電子ビームやレーザビームを利
用した高エネルギービーム加熱である。またAl−Cr合金
めっき層を形成する工程で、金属蒸気に高周波等を印加
して、金属蒸気をプラスにイオン化せしめ、一方素地金
属にはマイナスのバイアス電圧をかけて金属蒸気を素地
金属に蒸気させる、所謂イオンプレーティング法を採用
すれば、めっき層全体の結晶粒が微細となって、ピンホ
ール欠陥が防止されるほか、幅方向の合金組成も均一と
なり、素地金属に対する密着性も向上するなど、めっき
層全体としての性能を一段と高めることができる。
蒸着めっき層の厚さは特に限定されないが、めっき膜
厚が薄過ぎると耐食性が不十分となるので、0.1μm以
上好ましくは、1μm以上とすることが望ましい。
厚が薄過ぎると耐食性が不十分となるので、0.1μm以
上好ましくは、1μm以上とすることが望ましい。
尚本発明に係るAl−Cr合金蒸着めっきの対象となる素
地金属としては前記鋼の他,ステンレス鋼,Al,Al合金,C
u,Cu合金,さらにはTi,Ti合金等が非限定的に例示さ
れ、素地金属の形状も板,棒,形材等制限はない。
地金属としては前記鋼の他,ステンレス鋼,Al,Al合金,C
u,Cu合金,さらにはTi,Ti合金等が非限定的に例示さ
れ、素地金属の形状も板,棒,形材等制限はない。
[実施例] 実施例1 真空蒸着装置内に2つのるつぼを配置し、各るつぼの
夫々にAlとCrを装入する一方、アルカリ電解脱脂後水洗
し表面を清浄化した鋼板0.7mm×150mm×150mmを上記る
つぼ上に適度の間隔を保って配置した後、真空蒸着装置
内を所定の減圧度となるまで吸引排気し、次いで鋼板を
所定温度に予熱した。その後るつぼ内のAlとCrを電子ビ
ーム加熱により加熱蒸発せしめ、鋼板表面にAl−Cr合金
めっき層を形成させた。このときAlおよびCrに照射する
電子ビーム出力をコントロールすることによって夫々の
蒸発量を調節しAl−Cr合金めっき膜厚およびめっき組成
を調整した。
夫々にAlとCrを装入する一方、アルカリ電解脱脂後水洗
し表面を清浄化した鋼板0.7mm×150mm×150mmを上記る
つぼ上に適度の間隔を保って配置した後、真空蒸着装置
内を所定の減圧度となるまで吸引排気し、次いで鋼板を
所定温度に予熱した。その後るつぼ内のAlとCrを電子ビ
ーム加熱により加熱蒸発せしめ、鋼板表面にAl−Cr合金
めっき層を形成させた。このときAlおよびCrに照射する
電子ビーム出力をコントロールすることによって夫々の
蒸発量を調節しAl−Cr合金めっき膜厚およびめっき組成
を調整した。
上記のようにして得られた種々のAl−Cr合金蒸着めっ
き鋼板に対して以下に述べる試験を実施した。結果を第
1表に示す。また第1表にはAl(9%Si)溶融めっき鋼
板について試験した結果もNo.11として併記する。
き鋼板に対して以下に述べる試験を実施した。結果を第
1表に示す。また第1表にはAl(9%Si)溶融めっき鋼
板について試験した結果もNo.11として併記する。
(1)耐食性試験 エリクセン試験機によって中央部に高さ9mmの張り出
し加工を行なった各めっき鋼板を塩水噴霧試験(35℃,5
%NaC1溶液)に供し、めっき層表面に素地鋼板の腐食に
よる赤錆が発生するまでの時間を調べた。
し加工を行なった各めっき鋼板を塩水噴霧試験(35℃,5
%NaC1溶液)に供し、めっき層表面に素地鋼板の腐食に
よる赤錆が発生するまでの時間を調べた。
(2)密着性試験 各めっき鋼板20mm×50mmを180゜に密着曲げし、この
折り曲げ部に粘着テープを貼り付けて剥がした。このと
きのめっき層の剥離状態で評価した。
折り曲げ部に粘着テープを貼り付けて剥がした。このと
きのめっき層の剥離状態で評価した。
○:めっき層の剥離なし △:めっき層の剥離ほとんどなし ×:めっき層が一部剥離 (3)X線回折:一次X線源はCu−Kα線による。
Niフィルター 加圧電圧 50KV 記録紙のフルスケール4000カウント/秒 第1表から明らかな様に実験No.3〜7はAl−Cr合金蒸
着めっき鋼板におけるめっき層のCr含有量が1〜30%で
あり、且つX線回折パターンにおいて実質的にAlとCrと
θ相にのみピークを有するものであり、耐食性およびめ
っき密着性に優れたものである。No.1およびNo.2はめっ
き層のCr含有量が1%未満であり、めっき密着性は良い
がNo.11と同様に耐食性に劣る。No.8はAl−Cr層におけ
るCr含有量が1〜30%に含まれるものであるが、X線回
折によりη相によるピークが見られた。このη相は主と
して基板の予熱温度の調整具合によって生ずるものであ
り、耐食性は良いがめっき密着性が悪い。No.9,10はめ
っき層におけるCr含有量が30%を超え、またX線回折に
よりη相によるピークが見られ、耐食性は良いが密着性
に劣る。
着めっき鋼板におけるめっき層のCr含有量が1〜30%で
あり、且つX線回折パターンにおいて実質的にAlとCrと
θ相にのみピークを有するものであり、耐食性およびめ
っき密着性に優れたものである。No.1およびNo.2はめっ
き層のCr含有量が1%未満であり、めっき密着性は良い
がNo.11と同様に耐食性に劣る。No.8はAl−Cr層におけ
るCr含有量が1〜30%に含まれるものであるが、X線回
折によりη相によるピークが見られた。このη相は主と
して基板の予熱温度の調整具合によって生ずるものであ
り、耐食性は良いがめっき密着性が悪い。No.9,10はめ
っき層におけるCr含有量が30%を超え、またX線回折に
よりη相によるピークが見られ、耐食性は良いが密着性
に劣る。
実施例2 実施例1で用いためっき鋼板の一部に対して以下に示
す自動車のマフラー模擬腐食試験を実施した。結果を第
2表に示す。
す自動車のマフラー模擬腐食試験を実施した。結果を第
2表に示す。
・マフラー模擬腐食試験 各めっき鋼板70mm×150mmの下半分だけを後述するマ
フラー模擬溶液に浸漬し、『液温50℃×7時間−常温×
17時間』を1サイクルとして、40サイクル後における各
めっき鋼板の赤錆発生率を調べた。
フラー模擬溶液に浸漬し、『液温50℃×7時間−常温×
17時間』を1サイクルとして、40サイクル後における各
めっき鋼板の赤錆発生率を調べた。
・マフラー模擬溶液組成 NH4NO3 1.30g/ (NH4)2SO4 0.69g/ NH4Cl 0.04g/ HCHO 0.4 g/ 第2表より明らかなようにNo.4,5,7は本発明で規制し
たAl−Cr合金蒸着めっき鋼板であり、No.1,2,10,11に比
べ赤錆発生率が低く著しく耐食性が向上していることが
わかる。
たAl−Cr合金蒸着めっき鋼板であり、No.1,2,10,11に比
べ赤錆発生率が低く著しく耐食性が向上していることが
わかる。
[発明の効果] 本発明は以上のように構成されているので本発明によ
れば耐食性に優れたAl−Cr合金蒸着めっき製品を得るこ
とができる。
れば耐食性に優れたAl−Cr合金蒸着めっき製品を得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川福 純司 兵庫県神戸市東灘区魚崎中町1―1―24 (56)参考文献 特開 昭62−136562(JP,A) 特公 昭61−33067(JP,B2)
Claims (2)
- 【請求項1】素地金属上に、Crを1〜30%(重量%の意
味、以下同じ)含有するAl−Cr合金蒸着めっきが施さ
れ、Cu−Kα線によるAl−Cr合金蒸着めっき層のX線回
折パターンにおいて、実質的にAl,Crおよびθ相のみに
ピークを有するものであることを特徴とする高耐食性Al
−Cr合金蒸着めっき製品。 - 【請求項2】素地金属を100〜450℃に加熱した状態で10
-2Torr以下の真空中でAlおよびCrを個別に加熱蒸発させ
てCrを1〜30%含有するようにAl−Cr合金蒸着めっき層
を前記素地金属上に施すことを特徴とする高耐食性Al−
Cr合金蒸着めっき製品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28282787A JP2575747B2 (ja) | 1987-11-09 | 1987-11-09 | 高耐食性A1−Cr合金蒸着めっき製品およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28282787A JP2575747B2 (ja) | 1987-11-09 | 1987-11-09 | 高耐食性A1−Cr合金蒸着めっき製品およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01127665A JPH01127665A (ja) | 1989-05-19 |
JP2575747B2 true JP2575747B2 (ja) | 1997-01-29 |
Family
ID=17657594
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28282787A Expired - Lifetime JP2575747B2 (ja) | 1987-11-09 | 1987-11-09 | 高耐食性A1−Cr合金蒸着めっき製品およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2575747B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0313562A (ja) * | 1989-06-08 | 1991-01-22 | Kobe Steel Ltd | 蒸着Al―Cr合金めっき鋼材の製法 |
-
1987
- 1987-11-09 JP JP28282787A patent/JP2575747B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01127665A (ja) | 1989-05-19 |
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