JP2535352B2 - 高耐食性A1−Cr合金めっき製品およびその製造方法 - Google Patents
高耐食性A1−Cr合金めっき製品およびその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐食性の優れたAl−Cr合金めっき製品および
その製造方法に関するものである。
その製造方法に関するものである。
[従来の技術] AlおよびAl合金(以下単にAl合金と記すことがある)
は鋼に比べ耐食性に優れ、また清潔感があるため、建材
や容器に汎用されており、またAl合金を鋼材上にめっき
した製品も実用化されている。
は鋼に比べ耐食性に優れ、また清潔感があるため、建材
や容器に汎用されており、またAl合金を鋼材上にめっき
した製品も実用化されている。
ところがAl合金めっき製品ではCl-イオンが存在する
環境下において、表面の不働態皮膜が破壊され易く、そ
の結果孔食が発生して極端な場合には貫通孔に発展し或
はめっき層表面に腐食生成物であるAl(OH)3等を主成
分とする白錆が生じることがある。時に鋼板のAl合金め
っき製品では孔食が鋼板に及んでその結果、赤錆を発生
させる原因となる。
環境下において、表面の不働態皮膜が破壊され易く、そ
の結果孔食が発生して極端な場合には貫通孔に発展し或
はめっき層表面に腐食生成物であるAl(OH)3等を主成
分とする白錆が生じることがある。時に鋼板のAl合金め
っき製品では孔食が鋼板に及んでその結果、赤錆を発生
させる原因となる。
[発明が解決しようとする問題点] そこでAl合金製品の耐食性を改善するためにAl合金の
改質、即ちZnやMgなどを添加することが検討されたがさ
ほどの効果はなく、またこれらの元素の過度の添加はAl
のもつ優れた成形加工性を損うことになり、添加量に制
限があった。特にAl合金めっき製品は溶融めっき法で製
造するために、溶融浴中に溶解させる元素とその量に限
りがあり、Al−Si合金めっき,Al−Zn合金めっき等が提
案されているが耐食性改善には至っていない。
改質、即ちZnやMgなどを添加することが検討されたがさ
ほどの効果はなく、またこれらの元素の過度の添加はAl
のもつ優れた成形加工性を損うことになり、添加量に制
限があった。特にAl合金めっき製品は溶融めっき法で製
造するために、溶融浴中に溶解させる元素とその量に限
りがあり、Al−Si合金めっき,Al−Zn合金めっき等が提
案されているが耐食性改善には至っていない。
このような状況に鑑み、本発明者らは耐食性の良好な
Al合金めっき製品を得るべくAlの合金化元素について種
々検討を行なった。すなわち本発明の目的は高耐食性を
有するAl合金めっき製品の提供とその製造方法にある。
Al合金めっき製品を得るべくAlの合金化元素について種
々検討を行なった。すなわち本発明の目的は高耐食性を
有するAl合金めっき製品の提供とその製造方法にある。
[問題点を解決するための手段] 上記問題点を解決することのできた本発明のAl合金め
っき製品とは素地金属上に、Cr含有量が1〜50%であり
且つ組成が均一なAl−Cr合金めっき層が0.1μm以上の
厚さで施されたものであることを構成要旨とするもので
あり、該Al合金めっき製品を得るに当たっては、10-2To
rr以下の真空度でAlおよびCrを個別に加熱蒸発させてCr
を1〜50%含有するようにAl−Cr合金めっき層を素地金
属上に0.1μm以上の厚さで施す方法を推奨するもので
ある。また素地金属上にまず0.01μm以上の純Alめっき
層(工業上許容される不純物元素の共存は許される。以
下同じ)を形成させ更にその上に前記Al−Cr合金めっき
層を形成させたものは特に密着性の良好なめっき製品と
なる。尚素地金属上に純Alめっき層を形成する方法とし
ては10-2Torr以下の真空度でAlを加熱蒸発させてめっき
層を形成するのが有利であり、更にその上へ前述の方法
でAl合金めっき層を形成する。
っき製品とは素地金属上に、Cr含有量が1〜50%であり
且つ組成が均一なAl−Cr合金めっき層が0.1μm以上の
厚さで施されたものであることを構成要旨とするもので
あり、該Al合金めっき製品を得るに当たっては、10-2To
rr以下の真空度でAlおよびCrを個別に加熱蒸発させてCr
を1〜50%含有するようにAl−Cr合金めっき層を素地金
属上に0.1μm以上の厚さで施す方法を推奨するもので
ある。また素地金属上にまず0.01μm以上の純Alめっき
層(工業上許容される不純物元素の共存は許される。以
下同じ)を形成させ更にその上に前記Al−Cr合金めっき
層を形成させたものは特に密着性の良好なめっき製品と
なる。尚素地金属上に純Alめっき層を形成する方法とし
ては10-2Torr以下の真空度でAlを加熱蒸発させてめっき
層を形成するのが有利であり、更にその上へ前述の方法
でAl合金めっき層を形成する。
[作用] Al合金めっき製品の耐食性を改善する目的で純Alに対
し種々の合金元素を含有させて各種のAl合金めっきを試
みた。その結果、Al−Cr合金めっき製品が高耐食性を示
すことを見出した。
し種々の合金元素を含有させて各種のAl合金めっきを試
みた。その結果、Al−Cr合金めっき製品が高耐食性を示
すことを見出した。
Al−Cr合金めっきの対象となる素地金属としては鋼,A
l,Al合金,Cu,Cu合金やさらにステンレス鋼,Ti,Ti合金等
が非限定的に例示され、素地金属の形状も板,棒,形材
等制限はない。
l,Al合金,Cu,Cu合金やさらにステンレス鋼,Ti,Ti合金等
が非限定的に例示され、素地金属の形状も板,棒,形材
等制限はない。
次に本発明Al−Cr合金めっき製品におけるAl−Cr合金
めっき層について述べる。
めっき層について述べる。
(1)Al−Cr合金めっき組成:Al−Cr合金めっき中のCr
含有量はわずかでもその効果が表われるが、1%以上に
なれば耐食性改善の効果が顕著に表われる(第1図およ
び第2図参照)。しかし素地金属が鋼、Al、Al合金のよ
うに電気化学的に卑な金属である場合、Crが50%を超す
と合金めっき層の電位が素地金属の電位より貴になり、
めっきの犠牲防食能が損なわれ、めっきピンホールから
素地金属の腐食が促進される(第3図参照)。従ってAl
−Cr合金めっき層中のCrの含有量は1〜50%が適当とな
る。
含有量はわずかでもその効果が表われるが、1%以上に
なれば耐食性改善の効果が顕著に表われる(第1図およ
び第2図参照)。しかし素地金属が鋼、Al、Al合金のよ
うに電気化学的に卑な金属である場合、Crが50%を超す
と合金めっき層の電位が素地金属の電位より貴になり、
めっきの犠牲防食能が損なわれ、めっきピンホールから
素地金属の腐食が促進される(第3図参照)。従ってAl
−Cr合金めっき層中のCrの含有量は1〜50%が適当とな
る。
(2)めっき層の厚さ:Al−Cr合金めっき層の膜厚が0.1
μm未満では素地金属表面の被覆が不完全となり、めっ
きピンホール等の為さほどの防食能を示さないが0.1μ
m以上になるとほぼ完全な防錆能を示す(第4図参
照)。次にめっき方法について述べる。
μm未満では素地金属表面の被覆が不完全となり、めっ
きピンホール等の為さほどの防食能を示さないが0.1μ
m以上になるとほぼ完全な防錆能を示す(第4図参
照)。次にめっき方法について述べる。
めっき方法としては溶融めっき、電気めっき、化学め
っき、蒸着めっき等が挙げられるが本発明の高耐食性Al
−Cr合金めっき製品を得るには蒸着めっき方法がもっと
も好ましい。なぜならば溶融めっき法ではAl溶湯中にCr
を溶融添加しようとすれば溶融温度を高くしなくてはな
らず、この様な高温めっきでは例えば素地金属が鋼では
Fe2Al5などの金属間化合物が生成して加工性を損うほ
か、Al溶湯中に添加できるCrの量に限りがあり、Al−Cr
合金めっき組成に制限がある等の短所があるからであ
る。
っき、蒸着めっき等が挙げられるが本発明の高耐食性Al
−Cr合金めっき製品を得るには蒸着めっき方法がもっと
も好ましい。なぜならば溶融めっき法ではAl溶湯中にCr
を溶融添加しようとすれば溶融温度を高くしなくてはな
らず、この様な高温めっきでは例えば素地金属が鋼では
Fe2Al5などの金属間化合物が生成して加工性を損うほ
か、Al溶湯中に添加できるCrの量に限りがあり、Al−Cr
合金めっき組成に制限がある等の短所があるからであ
る。
また電気めっきおよび化学めっきでは水溶液からのAl
−Cr合金の析出は不可能である。尚原理的には非水溶液
めっきでの可能であるが、電流密度が小さくめっき効率
が悪い。さらにめっき液の不安定さおよび製造コスト等
からの工業的に適用するのは難しい。
−Cr合金の析出は不可能である。尚原理的には非水溶液
めっきでの可能であるが、電流密度が小さくめっき効率
が悪い。さらにめっき液の不安定さおよび製造コスト等
からの工業的に適用するのは難しい。
しかし真空蒸着めっきではAl−Cr合金めっきが比較的
容易にできる。ただし真空中においてAlとCrを蒸発させ
る際にはAlとCrの蒸気圧に差があるため、これらの混合
物あるいは予め合金化させたものを単に加熱蒸着させた
としても、Alのみが優先的に蒸発し任意の組成のものが
得られない。従ってAlとCrの地金を別個の容器に分けて
入れ個々に加熱し、熱源の出力をコントロールすること
によりAlとCrの蒸気量をコントロールして目的の組成の
Al−Cr合金めっきを得る。加熱方法は電熱加熱や電子線
加熱等が出力のコントロールの点で好ましい。真空度に
ついては10-2Torrを超えるとAlとCrの蒸気が残存空気で
酸化され、酸化された状態のAl−Crめっきが生成される
ことになる。このような状態でのめっきは成形加工時に
割れが入ったり剥離を起こし易く、めっき本来の性能が
得られず、製品トラブルの原因となる。従って真空蒸着
の際の真空度は10-2Torr以下にする必要があり、望まし
くは10-3Torr以下が良い(第2表参照)。
容易にできる。ただし真空中においてAlとCrを蒸発させ
る際にはAlとCrの蒸気圧に差があるため、これらの混合
物あるいは予め合金化させたものを単に加熱蒸着させた
としても、Alのみが優先的に蒸発し任意の組成のものが
得られない。従ってAlとCrの地金を別個の容器に分けて
入れ個々に加熱し、熱源の出力をコントロールすること
によりAlとCrの蒸気量をコントロールして目的の組成の
Al−Cr合金めっきを得る。加熱方法は電熱加熱や電子線
加熱等が出力のコントロールの点で好ましい。真空度に
ついては10-2Torrを超えるとAlとCrの蒸気が残存空気で
酸化され、酸化された状態のAl−Crめっきが生成される
ことになる。このような状態でのめっきは成形加工時に
割れが入ったり剥離を起こし易く、めっき本来の性能が
得られず、製品トラブルの原因となる。従って真空蒸着
の際の真空度は10-2Torr以下にする必要があり、望まし
くは10-3Torr以下が良い(第2表参照)。
また真空蒸着めっきに際してはAl及びCrを蒸発後高周
波を印加してこれらを蒸気を陽イオン化し、一方素地金
属にマイナスのバイアスをかけてこれらをめっきする等
のいわゆるイオンプレーティング法も本発明の範疇に入
る。イオンプレーティングは素地金属とめっき層の密着
性を向上させると共にめっき層金属の結晶を微細化し、
ピンホール低減効果がある。
波を印加してこれらを蒸気を陽イオン化し、一方素地金
属にマイナスのバイアスをかけてこれらをめっきする等
のいわゆるイオンプレーティング法も本発明の範疇に入
る。イオンプレーティングは素地金属とめっき層の密着
性を向上させると共にめっき層金属の結晶を微細化し、
ピンホール低減効果がある。
Al−Cr合金めっきは素地金属に対し、かなり強い密着
力を有しているが、強度の成形加工を施した際や過酷な
使用条件下では、若干剥離する可能性がある。この為、
Al−Cr合金めっき層と素地金属との密着性をより強固に
するために、まず素地金属の上に蒸着法により下地めっ
きを施し、しかる後に前記したAl−Cr合金めっきを施す
ことが推奨される。この下地めっきとしては純Alめっき
が適しており、その厚さは0.01μm以上であれば、密着
性改善に十分な効果がある。この効果は素地金属の種類
を問わない。純Al下地めっきは、蒸着されたAlが素地金
属表面の極く薄い酸化物皮膜層を還元し、その表面を活
性にするためAlめっきと素地金属との密着性が良好とな
り、この純Al下地めっき層と上層のAl−Cr合金めっき層
との親和性は同じAl系であり当然のことながら高いた
め、両者の密着性も強固となる。したがって上層のAl−
Cr合金めっき層と素地金属との密着が強固なものとな
る。
力を有しているが、強度の成形加工を施した際や過酷な
使用条件下では、若干剥離する可能性がある。この為、
Al−Cr合金めっき層と素地金属との密着性をより強固に
するために、まず素地金属の上に蒸着法により下地めっ
きを施し、しかる後に前記したAl−Cr合金めっきを施す
ことが推奨される。この下地めっきとしては純Alめっき
が適しており、その厚さは0.01μm以上であれば、密着
性改善に十分な効果がある。この効果は素地金属の種類
を問わない。純Al下地めっきは、蒸着されたAlが素地金
属表面の極く薄い酸化物皮膜層を還元し、その表面を活
性にするためAlめっきと素地金属との密着性が良好とな
り、この純Al下地めっき層と上層のAl−Cr合金めっき層
との親和性は同じAl系であり当然のことながら高いた
め、両者の密着性も強固となる。したがって上層のAl−
Cr合金めっき層と素地金属との密着が強固なものとな
る。
また下地となる純Alめっき層は前記したAl−Cr合金め
っき層を得る場合と同じように10-2Torr以下の圧力で、
Alを単独加熱蒸発させて蒸着させる方法が推奨される。
っき層を得る場合と同じように10-2Torr以下の圧力で、
Alを単独加熱蒸発させて蒸着させる方法が推奨される。
[実施例] 板厚0.6mm,幅100mm,長さ150mmの軟鋼板、Al合金板お
よびCu合金板をアルカリ溶液中で脱脂後、水洗乾燥させ
たものを素地金属として、これらを真空チャンバ内に取
り付けると共に、2つのるつぼを用意して一方のるつぼ
にAl地金を、他方のるつぼにCr地金を投入して10-3Torr
に真空引きした後、電子線によりAlおよびCrを個別に加
熱蒸発させ各素地金属上へ所定のAl−Cr合金めっきを施
した。これらのめっき材に関し実施例1〜6に示す実験
を行なった。
よびCu合金板をアルカリ溶液中で脱脂後、水洗乾燥させ
たものを素地金属として、これらを真空チャンバ内に取
り付けると共に、2つのるつぼを用意して一方のるつぼ
にAl地金を、他方のるつぼにCr地金を投入して10-3Torr
に真空引きした後、電子線によりAlおよびCrを個別に加
熱蒸発させ各素地金属上へ所定のAl−Cr合金めっきを施
した。これらのめっき材に関し実施例1〜6に示す実験
を行なった。
実施例1 軟鋼およびCu合金表面にCr含有量を変えて厚さ5μm
のAl−Cr合金めっきを施したものについて塩水噴霧試験
を行った。白錆発生時間改善度とCrの含有量の関係を第
1図に示す。図では純Al蒸着めっき(Cr含有量なし)の
白錆発生時間を1としCr含有量の増加により白錆発生時
間が長くなる度合をパラメータとして示した(すなわち
第1図の白錆発生時間改善度はCr含有量の異なるAl−Cr
合金めっきの白錆発生時間を純Alめっきの白錆発生時間
を除したものである)。
のAl−Cr合金めっきを施したものについて塩水噴霧試験
を行った。白錆発生時間改善度とCrの含有量の関係を第
1図に示す。図では純Al蒸着めっき(Cr含有量なし)の
白錆発生時間を1としCr含有量の増加により白錆発生時
間が長くなる度合をパラメータとして示した(すなわち
第1図の白錆発生時間改善度はCr含有量の異なるAl−Cr
合金めっきの白錆発生時間を純Alめっきの白錆発生時間
を除したものである)。
第1図から明らかなように白錆発生時間改善度はCrを
含有させることにより向上し、Cr含有量≧1%で顕著な
効果が認められる。
含有させることにより向上し、Cr含有量≧1%で顕著な
効果が認められる。
実施例2 Al合金(5052)上に実施例1と同様の方法でCr含有量
を変えて厚さ4μmのAl−Cr合金めっきを施し、2%ク
エン酸+100ppm Cl-(Naclで添加)溶液中、30℃でめっ
き板の孔食発生電位Ecを測定した(Potentiostatic Ano
dic Polarization法)。Al−Cr合金めっき中のCrの含有
量と孔食発生電位Ecとの関係を第2図に示す。Cr含有物
は純Alめっきに比べて貴な電位を示し、Cr含有量≧1%
で耐孔食改善の効果が認められ、50%程度でEcは平衡状
態に達した。
を変えて厚さ4μmのAl−Cr合金めっきを施し、2%ク
エン酸+100ppm Cl-(Naclで添加)溶液中、30℃でめっ
き板の孔食発生電位Ecを測定した(Potentiostatic Ano
dic Polarization法)。Al−Cr合金めっき中のCrの含有
量と孔食発生電位Ecとの関係を第2図に示す。Cr含有物
は純Alめっきに比べて貴な電位を示し、Cr含有量≧1%
で耐孔食改善の効果が認められ、50%程度でEcは平衡状
態に達した。
実施例3 軟鋼上に実施例1と同様の方法で厚さ5μmのAl−Cr
合金めっきをCr含有量を変えて施し、塩水噴霧試験を行
ない赤錆発生時間とCr含有量の関係について調べその結
果を第3図に示す。第3図における赤錆発生時間改善度
は純Alめっきにおける赤錆発生時間を1とし、赤錆発生
時間が長くなる度合をパラメータとして示した。第3図
より明らかなようにCr含有により赤錆発生時間改善度は
向上し、Cr含有量が50%を超えるとその効果が低下す
る。
合金めっきをCr含有量を変えて施し、塩水噴霧試験を行
ない赤錆発生時間とCr含有量の関係について調べその結
果を第3図に示す。第3図における赤錆発生時間改善度
は純Alめっきにおける赤錆発生時間を1とし、赤錆発生
時間が長くなる度合をパラメータとして示した。第3図
より明らかなようにCr含有により赤錆発生時間改善度は
向上し、Cr含有量が50%を超えるとその効果が低下す
る。
したがって上記実施例1,2および3の結果よりAl−Cr
合金めっき中のCr含有量は1〜50%にすれば良いことが
分かる。
合金めっき中のCr含有量は1〜50%にすれば良いことが
分かる。
実施例4 軟鋼上にAl−10%Cr合金めっきを施し、塩水噴霧試験
により、赤錆発生時間に及ぼすめっき膜厚の影響を調べ
た。このときAl−10%Cr合金めっき膜厚が0.1μmの場
合の赤錆発生時間を1とし、めっき膜厚の影響を第4図
に示した。0.01μm以上でその効果が表われ0.1μm以
上でその効果が十分になることがわかる。
により、赤錆発生時間に及ぼすめっき膜厚の影響を調べ
た。このときAl−10%Cr合金めっき膜厚が0.1μmの場
合の赤錆発生時間を1とし、めっき膜厚の影響を第4図
に示した。0.01μm以上でその効果が表われ0.1μm以
上でその効果が十分になることがわかる。
実施例5 チャンバー内の真空度を変化させて軟鋼上にAl−15%
Cr合金めっき層を厚さ5μm施し、その密着性を調べ
た。密着性は蒸着めっきを施した試験片について粘着テ
ープを粘着させてそれをはがすことによって、また密着
曲げを行なったものについては曲げ頂点に粘着テープを
粘着させて、それをはがすことにより蒸着めっきの剥離
程度を調べた。その結果を第1表に示す。
Cr合金めっき層を厚さ5μm施し、その密着性を調べ
た。密着性は蒸着めっきを施した試験片について粘着テ
ープを粘着させてそれをはがすことによって、また密着
曲げを行なったものについては曲げ頂点に粘着テープを
粘着させて、それをはがすことにより蒸着めっきの剥離
程度を調べた。その結果を第1表に示す。
第1表より明らかなようにAl−Cr合金めっきを蒸着に
て施す際の真空度は10-2以下が良いことがわかる。
て施す際の真空度は10-2以下が良いことがわかる。
実施例6 Al合金(5052)上の下地めっきとして、10-3Torrの真
空度で純Al蒸着めっきを厚さを変えて施した後10-3Torr
の真空度でAl−5%Cr合金めっきを厚さ5μmに施しそ
の密着性を実施例5と同様にして調べた。その結果を第
2表に示す。
空度で純Al蒸着めっきを厚さを変えて施した後10-3Torr
の真空度でAl−5%Cr合金めっきを厚さ5μmに施しそ
の密着性を実施例5と同様にして調べた。その結果を第
2表に示す。
第2表より明らかなように純Al下地めっきを0.01μm
以上施すことによりAl−Cr合金めっきの密着性が改善さ
れる。
以上施すことによりAl−Cr合金めっきの密着性が改善さ
れる。
[発明の効果] 本発明は以上のように構成されているので、次のよう
な効果が得られる。
な効果が得られる。
(1)本発明のAl−Cr合金は耐食性に優れたものであ
る。
る。
(2)Al−Cr合金の成分組成の調節が容易でしかも密着
性の良いものが得られる。
性の良いものが得られる。
第1図はAl−Cr合金めっきにおけるCr含有量と白錆発生
時間改善度との関係を示す図、第2図はAl−Cr合金めっ
きにおけるCr含有量と孔食発生電位Ecとの関係を示す
図、第3図はAl−Cr合金めっきにおけるCr含有量と赤錆
発生時間改善度との関係を示す図、第4図はAl−10%Cr
合金めっきにおけるめっき膜厚を赤錆発生時間改善度と
の関係を示す図である。
時間改善度との関係を示す図、第2図はAl−Cr合金めっ
きにおけるCr含有量と孔食発生電位Ecとの関係を示す
図、第3図はAl−Cr合金めっきにおけるCr含有量と赤錆
発生時間改善度との関係を示す図、第4図はAl−10%Cr
合金めっきにおけるめっき膜厚を赤錆発生時間改善度と
の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 貢基 兵庫県神戸市灘区篠原伯母野山町2−3 −1 (72)発明者 川福 純司 兵庫県神戸市東灘区魚崎中町1−1−24 (56)参考文献 特開 昭60−24044(JP,A) 特開 昭52−41108(JP,A) 特開 昭59−115525(JP,A) 特開 昭54−2229(JP,A) 特開 昭54−23038(JP,A) 特開 昭49−26137(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】素地金属上に、Cr含有量が1〜50%であり
且つ組成が均一なAl−Cr合金めっき層が0.1μm以上の
厚さで施されたものであることを特徴とする高耐食性Al
−Cr合金めっき製品。 - 【請求項2】10-2Torr以下の真空度でAlおよびCrを個別
に加熱蒸発させてCrを1〜50%含有するようにAl−Cr合
金めっき層を素地金属上に0.1μm以上の厚さで施すこ
とを特徴とする高耐食性Al−Cr合金めっき製品の製造方
法。 - 【請求項3】素地金属上に0.01μm以上のAlめっき層が
形成され、更にその上へCr含有量が1〜50%であり且つ
組成が均一なAl−Cr合金めっき層が0.1μm以上の厚さ
で施されたものであることを特徴とする高耐食性Al−Cr
合金めっき製品。 - 【請求項4】10-2Torr以下の真空度で、Alを加熱蒸発さ
せて素地金属上にAlめっき層を0.01μm以上の厚さで形
成した後、AlおよびCrを個別に加熱蒸発させてCrを1〜
50%含有するようにAl−Cr合金めっき層を0.1μm以上
の厚さで形成することを特徴とする高耐食性Al−Cr合金
めっき製品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62177829A JP2535352B2 (ja) | 1987-07-15 | 1987-07-15 | 高耐食性A1−Cr合金めっき製品およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62177829A JP2535352B2 (ja) | 1987-07-15 | 1987-07-15 | 高耐食性A1−Cr合金めっき製品およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6421060A JPS6421060A (en) | 1989-01-24 |
JP2535352B2 true JP2535352B2 (ja) | 1996-09-18 |
Family
ID=16037836
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62177829A Expired - Lifetime JP2535352B2 (ja) | 1987-07-15 | 1987-07-15 | 高耐食性A1−Cr合金めっき製品およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2535352B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102965527B (zh) * | 2012-11-29 | 2014-07-09 | 哈尔滨理工大学 | 采用铬屑制备铝铬中间合金的方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5241108A (en) * | 1975-09-26 | 1977-03-30 | Secr Defence Brit | Vaporizinggcondensing aluminium alloy |
JPS59115525A (ja) * | 1982-12-22 | 1984-07-04 | Toshiba Corp | 半導体装置の製造方法 |
JPS6024044A (ja) * | 1983-05-19 | 1985-02-06 | Hitachi Cable Ltd | イオン化蒸着法によるリ−ドフレ−ムの製造方法 |
-
1987
- 1987-07-15 JP JP62177829A patent/JP2535352B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS6421060A (en) | 1989-01-24 |
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