JP2602235B2 - 高耐食性A1−Cr合金めっき金属材 - Google Patents

高耐食性A1−Cr合金めっき金属材

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JP2602235B2 JP62177831A JP17783187A JP2602235B2 JP 2602235 B2 JP2602235 B2 JP 2602235B2 JP 62177831 A JP62177831 A JP 62177831A JP 17783187 A JP17783187 A JP 17783187A JP 2602235 B2 JP2602235 B2 JP 2602235B2
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雅雄 外山
英敏 西本
貢基 池田
純司 川福
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐食性の優れたAl−Cr合金めっき金属材に関
するものである。
尚本発明の適用対象となる金属材としては鉄・鋼、各
種金合金鋼、アルミニウムなど様々の金属材が挙げら
れ、その形状も板状、棒状、管状、波板状あるいはL字
もしくはH字断面の異形棒状等様々の形状のものが対象
となるが、本明細書では最も代表的な鋼材の板状物即ち
鋼板を主体にして説明する。
[従来の技術] 自動車のマフラー、石油ストーブやガスストーブ等の
反射板、ごみ焼却炉の内部々品等は高温の腐食環境に曝
らされるため、高温における耐食性は極めて重要な特性
とされている。そのためこれらの用途には高温耐食性の
優れたスレンテス鋼が汎用されてきたが、最近では比較
的安価なAlめっき鋼材の使用比率も増大してきている。
即ちAlめっき鋼材は、Alの有する優れた耐酸化性と耐
食性を鋼材の表面保護に活用したものであり、非めっき
鋼材に比べると高温耐食性は著しく改善されている。
[発明が解決しようとする問題点] ところがAlめっき金属材では、塩素イオン等が存在す
る高温雰囲気下中に曝らされると、酸化アルミニウムを
主成分とするめっき層表面の不働態皮膜が比較的簡単に
破壊されて孔食を起こし、めっき層表面に孔食生成物で
あるAl(OH)等を主成分とする白錆が発生する。そし
てこの孔食が更に進むとめっき層に貫通孔ができて素地
鋼板が露出し、赤錆を発生しつつ素地鋼板の腐食が急速
に進行しはじめる。またAlめっきは弱酸性環境下でも簡
単に溶解し表面保護効果を失なうという問題があり、複
雑な腐食環境に曝らされる部分に適用した場合は、期待
される程の耐食性が得られない。そこでAlにZn等を加え
て合金化し耐食性を高める方法も検討されているが、こ
れらの方法には、 合金元素はAlの有している成形加工性を阻害するため
配合率に制約がある、 AlやAl合金めっき層を形成するのに電気めっき法を採
用することは現在のところ不可能であり、専ら溶融めっ
き法を採用することになるが、溶融Al浴中に溶解し得る
合金元素量も無制限という訳ではない、 といった事情もあって、それほどの耐食性改善効果は得
られていない。
本発明はこの様な事情に着目してなされたものであっ
て、その目的は、ハロゲンイオンや酸性ガス等の存在す
る苛酷な腐食環境下においても優れた耐食性を発揮し得
る様なAl合金めっき金属材を提供しようとするものであ
る。
[問題点を解決するための手段] 上記の目的を達成することのできた本発明に係る高耐
食性Al合金めっき金属材は、めっき層最表層部のCr濃度
が1〜90重量%であり、且つ該めっき層の深さ方向にCr
濃度が順次減少し、素地金属材との境界部におけるCr濃
度が最小となるCr濃度勾配をもったAl−Cr合金めっき層
を形成してなるところに要旨を有するものである。
[作用] 本発明者等はAlめっき層の耐食性を高めるための手段
として、耐食性の優れたCrをAlと合金化させる方法を採
用することはできないかと考え、色々実験を行なった。
その結果、AlとCrは融点が著しく異なるため、溶融めっ
きによって均一なAl−Cr合金めっき層を形成することは
困難であるが、真空蒸着法やイオンプレーティング法な
どの気相めっき法を採用すれば、AlおよびCr加熱温度を
調節して各蒸発量をコントロールすることにより、Cr含
有率の異なる任意の合金組成のAl−Cr合金めっき層を形
成し得ることが明らかとなった。そしてこの様にして得
られるAl−Cr合金めっき層は、従来のAlめっき層やAl−
Zn合金めっき層等に比べて格段に優れた耐食性を示し、
Al−Cr合金めっき中に1〜90%(重量%:以下同じ)の
Crを含有させてやれば、塩素イオンや弱酸性物質を含む
腐食環境下においても優れた耐食性を長期的に維持し得
ることが確認された。これはAl−Cr合金めっき層の表面
に形成される(Al2O3+Cr2O3)よりなる複合不働態皮膜
が、従来のAl2O3のみからなる不働態皮膜に比べて化学
的に非常に安定であり、ハロゲンイオンや酸性物質の存
在下でも頑強な保護膜として存在しつづけるためと思わ
れる。こうした複合化効果はCr含有率を1〜90%に設定
したときに限って有効に発揮されるものであり、この範
囲を外れるときは何れも満足のいく耐食性は得られな
い。尚耐食性向上という観点からより好ましいCr含有量
は40〜75%であり、この範囲であれば、前述の様な苛酷
な高温腐食環境に曝らされる用途に適用した場合でも長
い耐食寿命を得ることができる。
ところで蒸着Alめっき層と素地鋼板との密着性は非常
に良好であり、これは、蒸着工程でAl蒸気が素地鋼板表
面の薄い酸化物皮膜を還元して表面を活性化するためと
考えられるが、前述の如くめっき層中のCr量を高め過ぎ
ると、この表面活性化効果が不十分となって素地鋼板と
の密着性が低下する傾向を示す様になる。従って、めっ
き層における素地鋼板側のAl−Cr合金組成は少なくとも
表層部のAl−Cr合金組成よりもCr含有量を少なくすべき
であり、好ましくは15%以下、より好ましいのは10%以
下である。尚素地鋼板との境界面側におけるめっき層中
のCr量は少なければ少ないほど好ましいのであって、Cr
量が零になると純Alめっきと同旨になって素地鋼板に対
して最大の密着性を発揮する。従って本発明では素地鋼
板に近接した部分のめっき層におけるCr含有量を制限す
る必要はない。
この様に本発明では、めっき層の表層側はCr含有率の
高いAl−Cr合金めっき層とすることにより高レベルの耐
食性を確保し、素地鋼板との境界面側はCr含有率を上記
表層側よりも少なく抑えることによって密着性を確保
し、高耐食性でめっき剥離等を起すことのない保護層を
形成したところに特徴を有するものであるが、表層側と
素地鋼板側のAl−Cr合金組成が極端に変化する様なこと
があると、めっき層自体の内部で層間剥離を起こす恐れ
が生じてくる。そこでめっき層内では、上記用件を満足
しつつ厚さ方向でCr含有率を連続的若しくは段階的に徐
々に変化させて、素地鋼板との境界側から表層側へいく
につれてCr濃度が徐々に増加していくCr濃度のゆるやか
な勾配を設けてやれば、めっき層内で層間剥離を起こす
様な恐れも皆無となる。
この様にめっき層の厚さ方向でCr濃度に勾配を設ける
ための手段は種々考えられるが、最も一般的なのは下記
の方法である。
素地鋼板上にCr量の最も少ない(あるいはAl単独)金
属蒸気を蒸着させ、その後Crの蒸発量を徐々に増大して
蒸着めっき中のCr濃度を高めていく方法。
たとえば第1図(概略説明図)に示す如く、真空装置
(図示せず)内を矢印方向へ走行する鋼板1の下方部
に、鋼板1の走行方向に沿って2個のるつぼ2a,2bを配
列し、走行方向上流側のるつぼ2a内にはAlを装入すると
共に、下流側のるつぼ2b内にはCrを装入する。そしてAl
およびCrを夫々加熱蒸発せしめ、図示する如く各蒸気雰
囲気を鋼板1の長手方向でラップさせながら蒸着を行な
う。そうすると鋼板1にはまずAl蒸気比率の高い混合蒸
気が蒸着され、その上へAl蒸気比率が徐々に少なくなっ
た混合蒸気が順次蒸着され、そして走行方向最下流側で
はCr蒸気比率の最も高い混合蒸気が蒸着される。その結
果最表層部ではAl含有量の最も少ないめっき層が形成さ
れ、下層部へ行くにつれて徐々にAl含有量の多くなった
Al−Cr合金めっき層3が形成されることになる。そして
各るつぼ2a,2bの加熱条件や真空度を調整すれば上記め
っき層を構成するAl−Cr合金のCr含有率を自由にコント
ロールすることができ、まためっき厚さは鋼板1の走行
速度やAl,Crの蒸発量を変えることによって任意に調整
することができる。
尚上記では蒸着めっき法を採用する場合について説明
したが、イオンプレーティング法を採用する場合も基本
的には全く同じであり、またスパッタリング法を採用す
る場合もめっき層の表層側へ行くにつれてCrのスパッタ
リング量を徐々に増大していけばよい。
[実施例] 実施例1 素地金属として厚さ0.6×幅100×長さ150(mm)の冷
延鋼板およびAl合金板を準備し、夫々真空装置内へ略水
平に接地する。各金属板の下方には2つのるつぼを置い
て一方にAl、他方にCrを装入し、装置内を真空引きして
真空度を10-4Torrに保持しつつ、AlとCrを電子ビームに
よって加熱し素地金属上にAl−Cr合金めっき層を形成す
る。このときAlおよびCrに対する電子ビーム出力を調整
することによって両者の蒸着比率を徐々に変え、素地金
属との境界面側から表層側へいくにつれて徐々にCr濃度
が高くなる様に制御した。まためっき層の厚さは0.1〜1
5μmとなる様に調整した。
得られたAl−Crめっき鋼板及び々Al合金板のめっき厚
さおよびめっき層の合金組成(Cr含有率)を第1、2表
に示す。
上記で得ためっき鋼板については、0.05Nの希硫酸水
溶液に対する浸漬試験を行なって素地鋼板への赤錆発生
時間を求め、またAl合金めっき板については、100ppm N
aCl+0.2%クエン酸水溶液(常温)を用いてアノード分
極曲線を求め、その曲線から孔食発生電位を測定し、耐
食性を評価した。結果を第1、2表に一括して示す。ま
た比較のため溶融Alめっきまたは溶融Al−9%Siめっき
を施したものについての試験結果も第1、2表に併記し
た。
第1表からも明らかな様に、従来の溶融AlまたはAl合
金めっき材(No.1,2)の耐食性は不十分であり、赤錆発
生時間にしてせいぜい160時間程度しか得られていない
のに対し、本発明の規定要件を満たす蒸着Al−Cr合金め
っき鋼材では、赤錆発生時間にして700時間以上の優れ
た耐食性を示している。但し蒸着Al−Cr合金めっき鋼板
であっても、めっき層の厚さ方向にCr濃度勾配の設けら
れておらないNo.7のめっき鋼板では、素地鋼板に対する
めっき層の密着性が不足するためか耐食性がやや乏し
い。
また第2表からは、孔食電位で比較した場合でも本発
明の要件を満たす蒸着Al−Cr合金めっき材(No.9〜12)
が比較材(No.…溶融めっき材)に比べて格段にすぐれ
た耐食性を有していることが分かる。
次に、蒸着法の代わりにイオンプレーティング法(IP
法)およびスパッタリング法(SP法)を採用し、実施例
1と同じ寸法の冷延鋼板上にCr濃度勾配を有するAl−Cr
合金めっき層を形成し、同様にして赤錆発生時間を調べ
た。
結果は、溶融めっき材や蒸着めっき材の結果と共に第
3表に示す通りであり、IP法およびSP法のどちらを採用
した場合でも、蒸着法を採用したものとほぼ同様の優れ
た耐食性が得られている。
[発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、Al−Cr合金めっ
き層の厚さ方向にCr濃度勾配を設けることによって、素
地金属材に対する密着性が良好で且つハロゲンイオンや
酸性物質を含む腐食性環境下でも高レベルの耐食性を発
揮し得るめっき金属材を提供し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明で採用されるAl−Cr合金めっき法を例示
する概略説明図である。 1:鋼板(金属材) 2a,2b:るつぼ 3:Al−Cr合金めっき層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 貢基 兵庫県神戸市灘区篠原伯母野山町2−3 −1 (72)発明者 川福 純司 兵庫県神戸市東灘区魚崎中町1−1−24 (56)参考文献 特開 昭62−109967(JP,A) 特公 昭43−20084(JP,B1) 実公 昭59−38442(JP,Y2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】めっき層最表層部のCr濃度が1〜90重量%
    であり、且つ該めっき層の深さ方向にCr濃度が順次減少
    し、素地金属材との境界部におけるCr濃度が最小となる
    Cr濃度勾配をもったAl−Cr合金めっき層を形成してなる
    ことを特徴とする高耐食性Al−Cr合金めっき金属材。
JP62177831A 1987-07-15 1987-07-15 高耐食性A1−Cr合金めっき金属材 Expired - Lifetime JP2602235B2 (ja)

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