JP3334678B2 - 車両用制御装置 - Google Patents

車両用制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載され車
両各部の動作制御を行うCPUを有する車両用制御装置
に関し、特に車両の工場出荷検査時に最初にイグニッシ
ョンスイッチをオンした時に燃料系などに対し特別検査
の実施を自動的に行うための制御機能を有する車両用制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の車両用制御装置は、車両内
部の電気系の図4に示す場所に使用される。図4は従来
例の車両用制御装置とその周辺回路の構成を示すブロッ
ク図である。一般に車両の電気系は図示のように車載バ
ッテリ4を+B電源(12V)とし、この+B電源は、
イグニッションスイッチ3のオンで動作をする電源切換
回路52を介し電源回路53に入力され、ここで電圧変
換され、切れる電源即ちIGN電源(5V)として出力
されるか、或いは12Vまま出力されるかして各部電子
回路部へ給電されている。
【0003】車両用制御装置1は電源切換回路52と電
源回路53,54とCPU51とで構成されている。C
PU51は、電源回路54で出力されるイグニッション
スイッチ3を通さない切れない電源(5V)を電源と
し、同時にイグニッションスイッチ3のオンで動作する
電源切換回路52から出力される低電流モード信号10
5を入力し、イグニッションスイッチ3がオフの時は待
機時の必要最低限度の低電流モードで動作し、そしてイ
グニッションスイッチ3がオンになった時は通常モード
で動作し各部へ制御信号を出力する。
【0004】このような構成において、車両用制御装置
5は工場出荷検査時に初めてイグニッションスイッチを
オンとした時にこれを自動的に検出し、車両の燃料系な
どに対し初運転時の特別試験を実施する制御信号を出力
するために次のような動作を行う。
【0005】+B電源が接続されそして初めてイグニッ
シュスイッチ3がオンされた時、即ち+B電源が印加さ
れ、かつ低電流モード信号105が論理値1から0とな
った時、CPU51は内部のバックアップメモリの所定
箇所に初回電源オンを示すフラグを記憶させる。また同
時に前記特別試験実施の制御信号を出力する。そして次
に再びイグニッションスイッチをオンとした時、バック
アップメモリのフラグ記憶箇所にすでにフラグが記憶さ
れているので前記特別試験の制御信号は出力されない。
以降同様に動作して初回イグニッションスイッチをオン
した時のみ特別検査の制御信号が出力されそれ以降は出
力されないようになっている。この一連の動作はCPU
51内部のソフトウェアで実行される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように従来例にお
いては、初回電源オンを検出するために車両用制御装置
は、CPUをイグニッションスイッチがオフの時にも切
れない電源+5Vで動作させており、CPUに常時電流
が流れるので車両停止時の消費電力が多くなる。このた
めにイグニッションスイッチのオンオフに連動して出力
される低電流モード信号により、CPUをオフ時は低電
流モードで動作をさせているが低電流でもこの分消費電
力は発生する。このように先ず低電流モード信号を発生
するための電源切換回路が必要となり、また停車時の消
費電力も少なくならないという問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用制御装置
は、車載バッテリからの+B電源が印加された時にステ
ップ状に立上がり次に初めてイグニッションスイッチを
オンした時に検出されるパルス状の電源オン信号を入力
した時に立下がるラッチ信号を出力するラッチ回路と、
前記車載バッテリからイグニッションスイッチを介して
入力された前記+B電源を電圧変換してIGN電源を出
力する電源回路と、前記IGN電源で動作し動作中を示
すCPU状態信号と前記電源オン信号を入力した時に各
部へ初回電源オン時の特別検査の実行を指示する制御信
号とを出力するCPUと、前記IGN電源で動作し前記
ラッチ信号と前記CPU状態信号とを入力して前記電源
オン信号を出力する検出回路とを備えている。
【0008】また、前記電源オン信号の伝送路に疑似パ
ルスを吸収するための保護回路を挿入するようにしても
良い。
【0009】前記ラッチ回路は、前記+B電源が印加さ
れる直列接続された抵抗器とコンデンサと、前記コンデ
ンサの両端電圧を入力するインバータと、前記インバー
タの出力をSET端子に前記電源オン信号をCK端子に
入力しQ端子から前記ラッチ信号を出力するDフリップ
フロップとを備えて構成しても良い。
【0010】また、前記ラッチ回路は、前記+B電源で
動作するGTO(ゲート・ターンオフ・サイリスタ)
と、前記GTOのカソード側に接続された負荷抵抗と、
前記+B電源が印加された時前記GTOのゲートへ点弧
パルスを出力する点弧回路と、前記電源オン信号が入力
された時に前記GTOのゲートへ消弧パルスを出力する
消弧回路とを備えて構成しても良い。
【0011】更に前記ラッチ回路は、前記+B電源の供
給路をオンオフするリセット用スイッチを備えて構成し
ても良い。
【0012】前記検出回路は前記ラッチ信号と前記CP
U状態信号とを入力し論理積をとり前記電源オン信号を
出力するAND回路を備えて構成しても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態例
を示すブロック図、図2は図1における車両用制御装置
の動作を説明するタイミングチャート、図3は図1にお
けるラッチ回路の回路構成を示す回路図である。
【0014】図1は本発明の車両用制御装置とその周辺
の電源系を示すブロック図で、車両電気系の総ての電源
である+B電源(12V)を供給する車載バッテリ4
と、+B電源をオンオフするイグニッションスイッチ3
と、+B電源の12Vを5Vに変換したIGN電源(5
V)を出力し、これをICで構成された各負荷へ給電す
る電源回路15を含み、工場出荷検査時に初めてイグニ
ッションスイッチをオンとした時にこれを検出し、各部
へ初回運転時の特別検査実施の制御信号を出力するため
の本発明の車両制御装置1とで構成される。
【0015】車両用制御装置1は、車載バッテリ4から
の+B電源が印加された時にステップ状に立上がり次に
初めてイグニッションスイッチ3をオンした時に検出さ
れるパルス状の電源オン信号102を入力した時に立下
がるラッチ信号101を出力するラッチ回路13と、車
載バッテリ4からイグニッションスイッチ3を介して入
力された+B電源を電圧変換してIGN電源(5V)を
出力する電源回路15と、このIGN電源で動作し動作
中を示すCPU状態信号103と、電源オン信号102
を入力した時に各部へ初回電源オン時の特別検査の実行
を指示する制御信号とを出力するCPU11と、IGN
電源で動作しラッチ信号101とCPU状態信号103
とを入力して電源オン信号102を出力する検出回路1
2と、電源オン信号102の伝送路に挿入され疑似パル
スを吸収する保護回路14とを備えて構成している。
【0016】次に図2を参照して車両用制御装置1の動
作を説明する。工場検査時において+B電源を接続する
とこの接続を監視しているラッチ回路13はラッチ信号
101を立上げて論理値1となる。次に+B電源接続後
初めてイグニッションスイッチ3をオンとすると、CP
U11と検出回路12とにIGN電源(5V)が給電さ
れこれらを動作状態とする。CPU11の出力するから
はCPU状態信号103が立上がり論理値1となる。
【0017】検出回路12は先のラッチ信号101とC
PU状態信号103との論理積をとりその出力が論理値
1となるのでパルス状の電源オン信号102を出力す
る。ラッチ回路13はこの電源オン信号102を入力す
るとラッチ信号のラッチを解除してラッチ信号101は
立下がり論理値0に戻る。一方CPU11は電源オン信
号102を入力すると各部へ初回電源オン時の特別検査
実施の制御信号を出力する。
【0018】その後イグニッションスイッチ3をオフに
した後、再びこれをオンとした時、検出回路12はラッ
チ信号101が論理値0となっているのでCPU状態信
号103が論理値1でもその論理積出力は論理値0とな
るので電源オン信号102は出力しない。以降イグニッ
ションスイッチ3を何度オンしても電源オン信号102
が出力されることはない。従って特別検査は初回の電源
オン時のみ実施される。尚、検出回路12はCPU11
に含めて構成しても良く、更にラッチ回路13,保護回
路14もCPUに含めて構成しても良い。
【0019】次に図3についてラッチ回路13の具体的
回路を説明する。(a)はIC化したい場合、(b)は
消費電力をゼロにしたい場合にそれぞれ使用される。
【0020】図3(a)において、ラッチ回路13は、
+B電源が印加される直列接続された抵抗器Rとコンデ
ンサCと、コンデンサCの両端電圧を入力するインバー
タ131と、インバータ131の出力をSET端子に電
源オン信号103をCK端子に入力しQ端子からラッチ
信号101を出力するDフリップフロップとから構成さ
れている。
【0021】また図3(b)において、ラッチ回路13
は、+B電源で動作するGTO(ゲート・ターン・オフ
・サイリスタ)136と、GTO136のカソード側に
接続された負荷抵抗Rと、+B電源が印可された時GT
O136のゲートの点弧パルスを出力する点弧回路13
1と、電源オン信号102が入力された時にGTO13
1のゲートへ消弧パルスを出力する消弧回路134とで
構成されている。
【0022】尚、このラッチ回路13は、+B電源の給
電路をオンオフするリセット用スイッチ(図示せず)を
挿入すれば、工場検査時の装置動作確認に便利である。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明の車両用制御
装置は、工場出荷検査時において初回電源オン時の特別
検査を実施させる制御を行うための初回電源オンの検出
部(ラッチ回路)に+B電源(切れない電源)からの電
流を殆ど流していないので車両停止時の消費電力を減少
できる効果がある。また、CPUの低電流動作モードを
指示する低電流モード信号を用いていないので、電源切
換回路が不用となり、更にCPU用の電源回路も不用と
なるので、装置が小型化、低価格化できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例を示すブロック図であ
る。
【図2】図1における車両用制御装置の動作を説明する
タイミングチャートである。
【図3】図1におけるラッチ回路の回路構成を示す回路
図である。
【図4】従来例の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 車両用制御装置 3 イグニッションスイッチ 4 車載バッテリ 11 CPU 12 検出回路 13 ラッチ回路 14 保護回路 15 電源回路

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車載バッテリからの+B電源が印加され
    た時にステップ状に立上がり次に初めてイグニッション
    スイッチをオンした時に検出されるパルス状の電源オン
    信号を入力した時に立下がるラッチ信号を出力するラッ
    チ回路と、前記車載バッテリからイグニッションスイッ
    チを介して入力された前記+B電源を電圧変換してIG
    N電源を出力する電源回路と、前記IGN電源で動作し
    動作中を示すCPU状態信号と前記電源オン信号を入力
    した時に各部へ初回電源オン時の特別検査の実行を指示
    する制御信号とを出力するCPUと、前記IGN電源で
    動作し前記ラッチ信号と前記CPU状態信号とを入力し
    て前記電源オン信号を出力する検出回路とを備えること
    を特徴とする車両用制御装置。
  2. 【請求項2】 前記電源オン信号の伝送路に疑似パルス
    を吸収するための保護回路を挿入することを特徴とする
    請求項1記載の車両用制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ラッチ回路は、前記+B電源が印加
    される直列接続された抵抗器とコンデンサと、前記コン
    デンサの両端電圧を入力するインバータと、前記インバ
    ータの出力をSET端子に前記電源オン信号をCK端子
    に入力しQ端子から前記ラッチ信号を出力するDフリッ
    プフロップとを備えることを特徴とする請求項1あるい
    は2記載の車両用制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ラッチ回路は、前記+B電源で動作
    するGTO(ゲート・ターンオフ・サイリスタ)と、前
    記GTOのカソード側に接続された負荷抵抗と、前記+
    B電源が印加された時前記GTOのゲートへ点弧パルス
    を出力する点弧回路と、前記電源オン信号が入力された
    時に前記GTOのゲートへ消弧パルスを出力する消弧回
    路とを備えることを特徴とする請求項1あるいは2記載
    の車両用制御装置。
  5. 【請求項5】 前記ラッチ回路は、前記+B電源の供給
    路をオンオフするリセット用スイッチを備えることを特
    徴とする請求項1,2,3あるいは4記載の車両用制御
    装置。
  6. 【請求項6】 前記検出回路は前記ラッチ信号と前記C
    PU状態信号とを入力し論理積をとり前記電源オン信号
    を出力するAND回路を備えることを特徴とする請求項
    1,2,3,4あるいは5記載の車両用制御装置。
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