JP3331273B2 - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、先端部を被観察体内へ
挿入する内視鏡における液体又は空気の吸引、送給の構
成に関する。
【０００２】
【従来の技術】図５には、従来の内視鏡の一例として、
側視型電子内視鏡の先端側の構成が示されており、先端
部１は屈曲自在とされた軟性部２に接続されている。こ
の先端部１の側面には、ライトガイドが接続された照射
窓３と、ＣＣＤ（Charge Coupled Device）が接続され
た観察窓４が配置される。そして、これら部材の近傍に
処置具挿通チャンネル５に連通する鉗子口６が配置さ
れ、この鉗子口６内には起立台７が軸８を中心として回
動するように配置される。この起立台７にはワイヤ９が
接続されており、このワイヤ９を引張り操作することに
よって、処置具挿通チャンネル５内に挿入された処置具
を被観察体内の任意位置に導くことができる。
【０００３】また、上記鉗子口６は吸入口としても機能
しており、処置具挿通チャンネル５を介して吸引を行う
ことにより、被観察体内の空気や液体を外部へ排出する
ことができるようになっている。なお、上記照射窓３及
び観察窓４の近傍に、洗浄用のノズル１０が配置されて
おり、このノズル１０から水及び空気を噴射すれば、照
射窓３及び観察窓４を洗浄することができる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
内視鏡において、例えば十二指腸の乳頭部から行う観察
や処置では、次のような問題があった。即ち、上記乳頭
部からの処置としては、例えばＸ線装置により膵胆管や
胆のう等を観察するための内視鏡的膵胆管造影（ＥＲＣ
Ｐ）の際の処置があり、これは内視鏡を用いて乳頭部か
ら造影剤を膵胆管内へ注入するものである。この処置の
様子が図４に示されており、図４において、内視鏡の先
端部１は胃１２から十二指腸１３内へ挿入され、膵管１
４と胆管１５の入口である乳頭部１６まで配置される。
そして、この状態で先端部１の鉗子口６から処置具が乳
頭部１６まで配置され、この処置具によって造影剤注入
等の所定の処置が行われる。
【０００５】しかしながら、図４に示されるように、胃
１２が鎖線のように膨らんでいると、造影した膵管１４
や胆管１５等の一部が膨らんだ胃１２で隠れてしまい、
観察し難いという問題があった。なお、上記の胃１２は
自然に膨らんでいる場合もあるし、胃１２の観察のため
に膨らませる場合もある。このような場合には、軟性部
２から胃１２内の空気を抜いて除去することができれば
便利である。また、上記処置以外の目的に使用される場
合でも、先端部以外の場所で液体や空気を送給し、又は
吸引することができれば、内視鏡の応用範囲が広がるこ
とになる。
【０００６】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、内視鏡的膵胆管造影では胃の空気
を適宜除去することができ、他の目的に用いる場合は先
端部以外の場所において液体又は空気を送給及び吸入す
ることが可能となる内視鏡を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第１請求項記載の発明は、吸入口としても用いられ
る鉗子口が配置された先端部と、この先端部に接続され
る軟性部とを有する内視鏡において、上記先端部の鉗子
口とは別個に、上記軟性部の途中に補助口を設け、この
補助口を介して液体又は空気を送給し、かつ吸入できる
ように構成したことを特徴とする。第２請求項記載の発
明は、上記補助口を軟性部の外周に形成した溝の中に配
置したことを特徴とする。
【０００８】
【作用】上記の構成によれば、例えば上記補助口は内部
の管を介して操作部の補助受口に接続されており、この
補助受口に注射筒等を配置することにより、空気や水が
軟性部の補助口から供給され、又は吸入されることにな
る。従って、内視鏡的膵胆管造影を行っている場合に
は、軟性部から胃の中の空気を除去することが可能とな
り、観察し易い画像が得られることになる。
【０００９】また、上記軟性部には外周溝を形成し、こ
の外周溝に上記補助口を設けることができ、これによれ
ば被観察体が軟性部に接触するような場合でも、吸入を
良好に行うことができるという利点がある。
【００１０】
【実施例】図１〜図３には、実施例に係る電子内視鏡の
構成が示され、図１は全体図、図２は操作部前側の構成
を示す断面図、図３は軟性部に配置された補助口を示す
拡大図である。図１に示されるように、内視鏡は上記の
図５で示したような先端部１８、可撓性を有する軟性部
２０、術者等の手で把持する操作部２１から構成されて
いる。この操作部２１に、先端部１８を曲げ操作するた
めの回動ツマミ２２、操作釦２３が配置され、その前側
には処置具を挿入するための処置具挿入口２５とキャッ
プ２６を有する補助受口２７が設けられる。そして、上
記軟性部２０の途中、好ましくは先端（先端部１８の先
端）から測って２００ｍｍ〜５００ｍｍ（内視鏡の有効
長は１０００ｍｍ前後である）の間に、補助口２８を設
けている。
【００１１】即ち、上記操作部２１の前側では、図２に
示されるように、処置具挿入口２５は処置具挿通チャン
ネル３０に連通し、この処置具挿通チャンネル３０が先
端部１８の側面の鉗子口へ接続される。また、補助受口
２７には供給管３１が接続され、この供給管３１は上記
補助口２８に接続される。
【００１２】そして、この補助口２８は、図３に示され
るように、軟性部２０に形成された外周溝３２に設けら
れる。即ち、軟性部２０は例えば多数の金属輪を連結し
た可撓管３４の上に樹脂材料からなる外被３５を被せた
構成となっており、例えば上記可撓管３４の金属輪の配
置間隔を広げたり、又は金属輪の連結を一部切断したり
する等により、樹脂（電気絶縁部材）製のリング部材３
６を可撓管３４の途中に介挿し、このリング部材３６に
上記外周溝３２を形成する。そして、この外周溝３２の
中に、図示のように補助口２８を形成し、この補助口２
８に供給管３１を接続する。もちろん、上記可撓管３４
の構成はそのままとし、金属輪の壁に孔を開けて補助口
２８を形成してもよい。
【００１３】実施例は以上の構成からなり、次に上記内
視鏡の作用を図４に示した内視鏡的膵胆管造影に適用し
た例で説明する。まず、内視鏡を胃１２から十二指腸１
３内に入れ、先端部１８が乳頭部１６を観察できる図の
位置に配置され、この状態で処置具挿入口２５から処置
具挿通チャンネル３０を介して処置具が鉗子口まで導入
される。ここで、胃１２が鎖線で示されるように膨らん
でいる場合には、上記補助受口２７に例えば注射筒を取
り付けて吸引すると、補助口２８から胃１２内の空気が
吸入され、胃１２は実線で示されるように（又はそれ以
上に）しぼむことになる。そして、処置具により造影剤
が乳頭部１６から膵管１４、胆管１５へ注入されること
になり、この乳頭部１６、膵管１４、胆管１５、胆のう
等の状態はＸ線透視によって良好に観察される。
【００１４】上記において、補助口２８は軟性部２０の
外周溝３２内に設けられているので、胃壁が軟性部２０
に接触した場合でも、吸入が妨げられることがない。ま
た、上記外周溝３２に補助口２８を配置することによ
り、補助口２８の位置が確認できるという利点がある。
即ち、Ｘ線透視によれば、外周溝３２が形成されたリン
グ部材３６が可撓管３４の切れ目として確認されること
になり、これによって補助口２８の位置を判断できるこ
とになる。なお、上記リング部材３６の下側に金属材を
配置した場合は、段差部が溝部として容易に確認でき
る。
【００１５】上記実施例は、胃腸用の内視鏡について、
また内視鏡的膵胆管造影に適用した例を示したが、本発
明はその他の部位に使用される内視鏡において、また各
種の処置、検査、観察等に適用することが可能である。
そして、この場合の補助口２８の位置は、それぞれの内
視鏡の軟性部において最適となる位置に設定することが
好ましい。
【００１６】
【発明の効果】以上説明したように、第１請求項記載の
発明によれば、吸入口としても用いられる鉗子口が配置
された先端部と、この先端部に接続される軟性部とを有
する内視鏡で、上記鉗子口とは別個に上記軟性部の途中
に補助口を設け、この補助口を介して液体又は空気を送
給し、かつ吸入できるようにしたので、先端部以外の場
所で液体又は空気を送給及び吸引することが可能とな
り、内視鏡の応用範囲が広がることになる。また、内視
鏡的膵胆管造影ではこの補助口から胃の空気を抜くこと
ができ、膵胆管等が観察し易くなるという利点がある。
【００１７】第２請求項記載の発明によれば、上記補助
口を軟性部の外周に形成した溝の中に配置したので、被
観察体内の壁が軟性部に接触している場合でも、空気又
は液体の吸引及び供給を良好に行うことができ、しかも
補助口の位置が確認し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例に係る内視鏡の全体構成を示す
図である。
【図２】図１の操作部前側の内部を示す断面図である。
【図３】図１における補助口を配置した軟性部の内部を
示す拡大断面図で、図（Ａ）は側面図、図（Ｂ）は図
（Ａ）のII−II線断面図である。
【図４】実際に内視鏡を消化器官に適用した状態を示す
図である。
【図５】従来の内視鏡先端部の構成を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
１，１８ … 先端部、 ２，２０ … 軟性部、 ６ … 鉗子口、 ２７ … 補助受口、 ２８ … 補助口、 ３１ … 供給管、 ３２ … 外周溝。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 吸入口としても用いられる鉗子口が配置
    された先端部と、この先端部に接続される軟性部とを有
    する内視鏡において、上記先端部の鉗子口とは別個に、
    上記軟性部の途中に補助口を設け、この補助口を介して
    液体又は空気を送給し、かつ吸入できるように構成した
    ことを特徴とする内視鏡。
  2. 【請求項２】 上記補助口は軟性部の外周に形成した溝
    の中に配置したことを特徴とする上記第１請求項記載の
    内視鏡。
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