JP3330525B2 - 一体組品エスカレータの据付け方法 - Google Patents

一体組品エスカレータの据付け方法

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JP3330525B2 JP25682497A JP25682497A JP3330525B2 JP 3330525 B2 JP3330525 B2 JP 3330525B2 JP 25682497 A JP25682497 A JP 25682497A JP 25682497 A JP25682497 A JP 25682497A JP 3330525 B2 JP3330525 B2 JP 3330525B2
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次彦 中田
龍彦 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エスカレータの基
部となるフレームに完成時に必要な各種構成部材が装着
されている一体組品エスカレータを建屋内の据付け位置
へ搬入する際に適用される一体組品エスカレータの据付
け方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エスカレータの据付けコストを低
減するため、予め工場などにおいて、エスカレータの基
部となるフレームに完成時に必要な各種構成部材をすべ
て装着して組み上げておき、この一体組品エスカレータ
をそのまま据付け現場へ搬入して据え付けるという手法
が注目されており、特にエスカレータの据付け階床が低
層階床の場合には広く採用される傾向にある。
【0003】このような一体組品エスカレータの据付け
作業は、従来、例えば特開昭56−28180号公報に
開示されているように、現場へ搬入した一体組品エスカ
レータをパンタグラフジャッキを用いて建屋内の据付け
位置まで持ち上げ、その状態で建屋梁に一体組品エスカ
レータを据付け固定するというものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように従来はパンタグラフジャッキを用いて一体組品
エスカレータを持ち上げるので、エスカレータの据付け
階床が高層階床の場合にはパンタグラフジャッキの構造
上対応が難しく、現実には据付け階床が低層階床でない
と一体組品エスカレータが据え付けられないという問題
点があった。
【0005】本発明はこのような従来技術の課題に鑑み
てなされたもので、その目的は、据付け階床が高層階床
であっても据付け作業に支障をきたさない一体組品エス
カレータの据付け方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明は、一体組品エスカレータを建屋内の据付
け位置へ搬入する際に、まず、いずれか一方にウインチ
が取り付けてある2本のワイヤロープの一端部をそれぞ
れ、一体組品エスカレータのフレーム(基部)の長手方
向両端部に連結するとともに、クレーンから垂下させた
別のワイヤロープの下端部を前記2本のワイヤロープの
他端部に連結し、次いで、前記ウインチを駆動させて該
ウインチを取り付けた前記ワイヤロープを巻き取ること
により、前記フレームに連結した前記2本のワイヤロー
プのなす吊り角を広げた状態にし、この状態で前記クレ
ーンにより前記建屋の天井開口部から一体組品エスカレ
ータを吊り入れて、しかる後、前記ウインチを駆動させ
て前記吊り角を狭めた状態にし、この状態で前記一体組
品エスカレータを前記建屋内の据付け位置に据え付ける
ようにした。
【0007】このような手順で一体組品エスカレータの
据付け作業を行うと、その揚重工程において、ウインチ
の操作で2本のワイヤロープのなす吊り角を広げること
により、一体組品エスカレータを起立方向へ大きく傾け
たまま吊持することができるので、この一体組品エスカ
レータを建屋梁等に衝突させることなく安全かつ確実に
天井開口部から吊り入れることができる。また、その
後、再度ウインチを操作して、建屋内の据付け位置近傍
で前記2本のワイヤロープのなす吊り角を狭めることに
より、一体組品エスカレータの傾きを減じ所望の姿勢に
設定した状態で吊持することができるので、この一体組
品エスカレータを据付け位置に設置させる作業も円滑に
行える。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
ないし図3に基づいて説明する。ここで、図1は本発明
に係る揚重装置を使用して一体組品エスカレータを吊り
上げる際の作業工程を示す説明図、図2は図1で吊り上
げた一体組品エスカレータを建屋の天井開口部から吊り
入れた状態を示す説明図、図3は図2で吊り入れた一体
組品エスカレータを建屋内の据付け位置に設置した状態
を示す説明図である。
【0009】これらの図において、符号1で総括的に示
す一体組品エスカレータは、予め工場などにおいて、エ
スカレータの基部となるフレーム1aに完成時に必要な
各種構成部材がすべて装着されており、これをそのまま
据付け現場へ搬入することにより、現場での煩雑な据付
け作業が大幅に省略できるので、エスカレータの据付け
コストを低減することができる。例えば、フレーム1a
上に設けられる欄干部1bなどは予め組み上げられてお
り、また、このフレーム1aの長手方向両端部にはそれ
ぞれ、後述する建屋梁に固定される受けアングル1c,
1dが固設されている。
【0010】かかる一体組品エスカレータ1を据付け現
場で吊り上げたり吊り下げたりするために使用される揚
重装置の構成について説明すると、この揚重装置は、建
屋の最上部に設置されるタワークレーンもしくはクレー
ン車などの大型クレーン(図示せず)から垂下される第
1のワイヤロープ2と、この第1のワイヤロープ2の下
端部に取着されているフック2aと前記フレーム1aの
長手方向一端部に固設されている前記受けアングル1c
との間に張設される第2のワイヤロープ3と、同じく第
1のワイヤロープ2の下端部のフック2aとフレーム1
aの長手方向他端部の前記受けアングル1dとの間に張
設される第3のワイヤロープ4とを備えており、この第
3のワイヤロープ4には該ワイヤロープ4の張設される
長さを変更するためのウインチ4cが取り付けられてい
る。
【0011】ただし、前記第2のワイヤロープ3は厳密
には、前記受けアングル1cに取り付けられるシャック
ル3dと、このシャックル3dに一端側が取り付けられ
るロープ3cと、このロープ3cの他端側に取り付けら
れるシャックル3bと、このシャックル3bと前記フッ
ク2aとの間に張設されるロープ3aとによって構成さ
れている。
【0012】同様に、前記第3のワイヤロープ4は厳密
には、前記受けアングル1dに取り付けられるシャック
ル4fと、このシャックル4fに一端側が取り付けられ
るロープ4hと、このロープ4hの他端側に取り付けら
れるシャックル4aと、このシャックル4aに一端側が
取り付けられるチェーン4bと、このチェーン4bの他
端側に取り付けられて該チェーン4bの巻取りおよび巻
戻しが可能な前記ウインチ4cと、両端部が回動自在で
そのうちの一方の端部がウインチ4cに取り付けられる
サルカン4dと、このサルカン4dの他端部と前記フッ
ク2aとの間に張設されるロープ4eとによって構成さ
れている。
【0013】なお、前記ウインチ4cは電動チェーンブ
ロックであって、前記チェーン4bの巻取り動作や巻戻
し動作を行う駆動部41cと、巻き取ったチェーン4b
を収納する収納箱42cと、前記駆動部41cと電源5
との間に配線される電力線43cと、信号線44cを介
して前記駆動部41cに接続される操作部45cとを備
えた構成になっている。したがって、このウインチ4c
は、操作部45cを操作することで、駆動部41cに対
しチェーン4bの巻取り動作や巻戻し動作を行わせるこ
とができ、かかる遠隔操作により、前記フック2aと前
記受けアングル1dとの間に張設される第3のワイヤロ
ープ4の全体の長さを変化させることができる。
【0014】また、このウインチ4cと前記ロープ4e
との間には前記サルカン4dが介在させてあり、このサ
ルカン4dの回転により第3のワイヤロープ4のねじれ
が解消されるようにしてあるので、電力線43cや信号
線44cが第3のワイヤロープ4に絡みつくといった干
渉は起こらない。
【0015】次に、上述した揚重装置を用いて行われる
一体組品エスカレータ1の据付け方法について説明す
る。まず、図1に示すように、一体組品エスカレータ1
をトレーラ6によって据付け現場の建屋近傍まで運搬
し、第1〜第3のワイヤロープ2〜4をローピングして
同図に実線で示す状態となす。すなわち、第2のワイヤ
ロープ3の一端部と、ウインチ4cを取り付けた第3の
ワイヤロープ4の一端部を、それぞれ一体組品エスカレ
ータ1のフレーム1aの長手方向両端部(受けアングル
1c,1d)に連結するとともに、前記大型クレーンか
ら垂下させた第1のワイヤロープ2の下端部を、これら
第2および第3のワイヤロープ3,4の他端部に連結す
る。そして、電力線43cと信号線44cの配線を行っ
た後、操作部45cを操作してウインチ4cの駆動部4
1cを巻き取り方向に駆動させることにより、図1に鎖
線で示すように、第3のワイヤロープ4を短くして一体
組品エスカレータ1を起立方向に大きく傾けた吊持状態
となす。このようにすると、第2および第3のワイヤロ
ープ3,4のなす吊り角は、当初のαからより広角なβ
へと変化し、それに伴い、水平面に投影される一体組品
エスカレータ1の長さ寸法は短くなる。
【0016】次いで、電力線43cと信号線44cの配
線を一旦解除した後、一体組品エスカレータ1を起立方
向に傾けたまま前記大型クレーンにて吊り上げていき、
図2に示すように、この一体組品エスカレータ1を建屋
の天井開口部7から該建屋内へと吊り入れる。このと
き、一体組品エスカレータ1は起立方向に大きく傾けた
ままなので、天井開口部7の周縁部分や、エスカレータ
が据え付けられる建屋梁8,9などに接触させることな
く、余裕をもって吊り入れることができる。それゆえ、
一体組品エスカレータ1を建屋内へ吊り入れる際に懸念
される衝突事故は回避でき、天井開口部7や建屋梁8,
9等を破損させる心配はない。
【0017】こうして一体組品エスカレータ1を建屋内
の据付け位置近傍まで吊り入れたなら、電力線43cと
信号線44cをそれぞれ電源5と操作部45cに接続し
た後、この操作部45cを操作してウインチ4cの駆動
部41cを巻き戻し方向に駆動させることにより、図3
に示すように、第3のワイヤロープ4の長さを長くして
一体組品エスカレータ1の傾きを減じていく。すなわ
ち、第2および第3のワイヤロープ3,4のなす吊り角
を、吊り上げ時のβからγへと狭めていって、一体組品
エスカレータ1を設置状態と同様の所望の姿勢に設定す
る。しかる後、前記受けアングル1c,1dにそれぞれ
取り付けてあった親綱10と親綱11(図1,2参照)
を引き寄せて、受けアングル1cを建屋梁9aに固定す
るとともに、受けアングル1dを建屋梁8aに固定する
ことにより、一体組品エスカレータ1を所定の据付け位
置に設置することができる。
【0018】このように本実施形態によれば、ウインチ
4cを遠隔操作して2本のワイヤロープ3,4のなす吊
り角を広げることにより、一体組品エスカレータ1を起
立方向へ大きく傾けた吊持状態となすことができるの
で、この一体組品エスカレータ1を建屋梁等に衝突させ
ることなく安全かつ確実に、大型クレーンにて天井開口
部7から建屋内へ吊り入れることができる。また、その
後、再度ウインチ4cを遠隔操作して、建屋内の据付け
位置近傍で両ワイヤロープ3,4のなす吊り角を狭める
ことにより、一体組品エスカレータ1の傾きを減じ所望
の姿勢に設定した状態で吊持することができるので、こ
の一体組品エスカレータ1を据付け位置に設置させる作
業も円滑に行える。それゆえ、据付け階床が高層階床で
あっても、据付けコストの低減に有利な一体組品エスカ
レータ1の据付け作業が支障なく行える。
【0019】
【発明の効果】本発明は以上説明したような形態で実施
され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0020】一体組品エスカレータを据え付ける際の揚
重工程において、ウインチを操作して2本のワイヤロー
プのなす吊り角を広げ、一体組品エスカレータを起立方
向へ大きく傾けた吊持状態となすことにより、この一体
組品エスカレータを建屋梁等に衝突させることなく安全
かつ確実に天井開口部から吊り入れることができ、その
後、建屋内の据付け位置近傍で前記2本のワイヤロープ
のなす吊り角を前記ウインチの操作で狭めることによ
り、一体組品エスカレータの傾きを減じ所望の姿勢に設
定した状態で吊持することができる。それゆえ、据付け
階床が高層階床であっても一体組品エスカレータの据付
け作業が支障なく行え、エスカレータの据付けコストの
低減に寄与するところ大である。
【0021】また、前記ウインチが信号線を介して操作
部と接続されていて、この操作部を操作することで該ウ
インチの遠隔操作が可能な構成にしてあれば、ウインチ
の取付位置近傍に該ウインチの操作者用の足場を設ける
必要がなくなるので、安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る揚重装置を使用して一体組品エス
カレータを吊り上げる際の作業工程を示す説明図であ
る。
【図2】図1で吊り上げた一体組品エスカレータを建屋
の天井開口部から吊り入れた状態を示す説明図である。
【図3】図2で吊り入れた一体組品エスカレータを建屋
内の据付け位置に設置した状態を示す説明図である。
【符号の説明】 1 一体組品エスカレータ 1a フレーム 1c,1d 受けアングル 2 第1のワイヤロープ 2a フック 3 第2のワイヤロープ 4 第3のワイヤロープ 4c ウインチ 4d サルカン 5 電源 7 天井開口部 8,8a,9,9a 建屋梁 43c 電力線 44c 信号線 45c 操作部 α,β,γ 吊り角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 忠一 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社 日立製作所 昇降機事業部 内 (72)発明者 菊地 錦弥 東京都新宿区西新宿1丁目25番地1号 株式会社日立ビルシステム 東京西支社 内 (72)発明者 石川 光明 東京都新宿区西新宿1丁目25番地1号 株式会社日立ビルシステム 東京西支社 内 審査官 志水 裕司 (56)参考文献 特開 平4−153181(JP,A) 特開 平5−319729(JP,A) 実開 昭60−15048(JP,U) 特許2543945(JP,B2) 実公 昭61−43819(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66B 21/00 - 31/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エスカレータの基部となるフレームに完
    成時に必要な各種構成部材が装着されている一体組品エ
    スカレータを、建屋内の据付け位置へ搬入する際に、ま
    ず、いずれか一方にウインチが取り付けてある2本のワ
    イヤロープの一端部をそれぞれ前記フレームの長手方向
    両端部に連結するとともに、クレーンから垂下させた別
    のワイヤロープの下端部を前記2本のワイヤロープの他
    端部に連結し、次いで、前記ウインチを駆動させて該ウ
    インチを取り付けた前記ワイヤロープを巻き取ることに
    より、前記フレームに連結した前記2本のワイヤロープ
    のなす吊り角を広げた状態にし、この状態で前記クレー
    ンにより前記建屋の天井開口部から一体組品エスカレー
    タを吊り入れて、しかる後、前記ウインチを駆動させて
    前記吊り角を狭めた状態にし、この状態で前記一体組品
    エスカレータを前記建屋内の据付け位置に据え付けるよ
    うにしたことを特徴とする一体組品エスカレータの据付
    け方法。
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