JP3324095B2 - 水性接着剤 - Google Patents

水性接着剤

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JP3324095B2
JP3324095B2 JP01193191A JP1193191A JP3324095B2 JP 3324095 B2 JP3324095 B2 JP 3324095B2 JP 01193191 A JP01193191 A JP 01193191A JP 1193191 A JP1193191 A JP 1193191A JP 3324095 B2 JP3324095 B2 JP 3324095B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】水性接着剤としては、酢酸ビニル系重合
体エマルジョン、アクリル系重合体エマルジョン、共役
ジエン系樹脂ラテックス、ポリウレタン系樹脂ラテック
スが知られている。
【0003】これらは、それのみでは接着性が不十分で
あるので、これらの接着性を向上するためにポリイソシ
アネートをそのまま添加することが試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記水
性接着剤に直接そのままポリイソシアネートに添加した
のでは、ゲル化してしまいこのポリイソシアネートが該
分散体中に安定に分散しえないため、期待する接着性が
得られないという欠点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は上記
実状に鑑みて鋭意検討したところ、ポリイソシアネート
そのものを添加するのではなく、乳化剤とともに合成樹
脂水性分散液に添加することにより上記課題が解決され
ることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明は、ポリウレタン樹脂の水性分
散体(A)と、ポリイソシアネート(B)と、下記一般
【化1】(但し、式中Rは炭素原子数が1〜3のアルキ
ル基、Xはポリイソシアネートの残基、Yは炭素原子数
が8以上のアルコール、炭素原子数が8以上のアルキル
基を有しかつ水酸基を少なくとも1つ有する脂肪酸の部
分エステル化物、オキシプロピレンモノアルキルエーテ
ルのいずれかがイソシアネート基と反応した後の残基、
nは5〜35の整数であり、l、m、p及びqは
正の整数を示す。)で表される化合物からなる
乳化剤(C)からなる水性接着剤を提供するものであ
る。本発明に係るポリウレタン樹脂の水性分散体(A)
とは、ポリウレタン樹脂が水性媒体中に分散しているも
のをいうが、公知慣用のものをいずれも使用できる。勿
論合成樹脂の分散方法は特に制限されるものではなく、
例えば乳化剤及び/又は保護コロイドにより疎水性ポリ
ウレタン樹脂を水性媒体中に分散させる方法、親水性な
いし中和により親水性となりうる原子団を有するポリウ
レタン樹脂を乳化剤及び/保護コロイドの不存在下で水
性媒体中に分散させる方法等が挙げられる。
【0007】
【0008】ポリウレタン樹脂の水性分散体(A)は、
その分子中に官能基、例えばカルボキル基、水酸基、ア
ミノ基、グリシジル基、アミド結合等を含有しているも
のが、基材との密着性がより高くなったり、後述するポ
リイソシアネート(B)の遊離イソシアネート基との反
応性をより高くできる点で好ましい。
【0009】ポリイソシアネート(B)は、後述する様
に予め乳化剤と混合したものをそのままポリウレタン樹
脂の水性分散体(A)と混合しても良いし、ポリイソシ
アネート(B)が乳化剤(C)により分散された水性分
散液の形態でポリウレタン樹脂の水性分散体と混合して
用いてもよい。
【0010】以下、ポリイソシアネート(B)が乳化剤
(C)により分散された水性分散液を、ポリイソシアネ
ート水性分散液という。ポリイソシアネート水性分散液
とは、遊離イソシアネート基を有するポリイソシアネー
トが水性媒体中に分散されているものを言い、公知慣用
のものがいずれも使用できる。遊離イソシアネート基を
有するポリイソシアネートを水性媒体中に分散させる方
法としては、例えば乳化剤及び/又は保護コロイドで水
に分散させる方法、分子中に親水基ないしは中和により
親水性となりうる原子団を有するポリイソシアネートを
水に分散させる方法等が挙げられる。
【0011】ポリイソシアネート水性分散液として、遊
離イソシアネート基を有するポリイソシアネート(B)
を下記[I]又は[II]で示される化合物からなる乳化
剤(C)により水性媒体中に分散したものである。
【0012】
【化3】
【0013】(但し、式〔I〕および〔II〕中Rはアル
キル基、Xはポリイソシアネートのイソシアネート基を
除いた部分の骨格、Yは炭素原子数8以上のアルコー
ル、炭素原子数8以上アルキル基を有しかつ水酸基を少
なくとも1つ有する脂肪酸の部分エステル化物、疎水性
ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルからなる群
から選ばれる少なくとも1種の化合物の活性水素原子を
除いた部分の骨格、nは5〜35、l,m,p,qは正
の整数である。)上記式〔I〕又は〔II〕で示される乳
化剤は、化合物〔I〕および〔II〕ともにその製造方法
は特に制限されるものではないが、例えば親水基として
のポリオキシエチレンモノアルキルエーテルと、疎水基
としての疎水性脂肪基または疎水性アルコキシポリオキ
シアルキレン結合等を有する水酸基含有化合物(以下、
疎水基形成化合物という。)をポリイソシアネート化合
物にて連結することにより合成される。
【0014】乳化剤(C)の一例である乳化剤〔I〕又
は〔II〕を合成するための方法としては、例えばポリ
イソシアネート化合物に疎水基形成化合物を加え反応
後、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテルを加え反
応するか、あるいはポリイソシアネート化合物にポリ
オキシエチレンモノアルキルエーテルを加え反応後、疎
水基形成化合物を反応させる方法のいずれの方法でも実
施し得る。但し、疎水基形成化合物はポリイソシアネー
ト化合物やポリオキシエチレンモノアルキルエーテルと
相溶性の悪い場合があり、このような場合は法のよう
に先に反応させる方が良い結果を与える。相溶性の悪い
場合も反応により完全に均質化することができる。ま
た、場合によっては適当な有機溶剤を使用し、反応終了
後にこれを溜去する方法も採用し得る。反応温度は常温
〜100℃以内で実施される。
【0015】以上のようにして得られる乳化剤〔I〕又
は〔II〕は油状のほとんど透明な液体であり、極めて安
定である。また、組成によっては低温時にゼリー化する
場合もあるが、ポリイソシアネート化合物には良く溶解
する。またイソシアネート基に対して不活性であるた
め、これを付加したポリイソシアネート化合物も長期間
安定である。
【0016】乳化剤〔I〕又は〔II〕を製造するに際し
て使用できるポリオキシエチレンモノアルキルエーテル
としては、例えばポリオキシエチレンモノメチルエーテ
ル、ポリオキシエチレンモノエチルエーテル、ポリオキ
シエチレンモノプロピルエーテル、ポリオキシエチレン
モノブチルエーテル等が挙げられるが、中でもオキシエ
チレン結合の繰り返し単位が5〜35であるポリオキシ
エチレンモノ低級アルキルエーテルが好ましく、特にオ
キシエチレン結合の繰返し単位が8〜25のポリオキシ
エチレンモノメチルエーテルが親水基としての親水性が
高く、かつ結晶性が小さいので固化しにくいので好まし
い。
【0017】疎水基形成化合物としては、例えば、オク
タノール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、オ
レイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステア
リルアルコール等の炭素原子数8以上の高級アルコー
ル、またはオレフィンのオキソ反応やパラフィンの液相
酸化等によるいわゆる合成高級アルコール、ポリオキシ
プロピレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレン
モノ2−エチルヘキシルエーテル等の疎水性で分子量2
00〜1000のポリオキシアルキレンモノアルキルエ
ーテル、ラウリン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチ
ン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等のモノグリコー
ルエステル、モノおよびジグリセライド、モノ、ジおよ
びトリソルビテート等の多価アルコールの脂肪酸部分エ
ステル化合物、またはリシノール酸のブチル、2−エチ
ルヘキシルの如きアルキルエステル類およびトリグリセ
ライド等の水酸基含有脂肪酸エステルが挙げられ、リシ
ノール酸トリグリセライドとしてはこれを主成分として
含有するヒマシ油が使用できる。
【0018】ポリイソシアネート化合物としては、例え
ばフェニルイソシアネート、トリルイソシアネート、ブ
チルフェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシア
ネート、ラウリルイソシアネートの如きモノイソシアネ
ート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートおよび
この核水添加物、2,4−および2,6−トリレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシ
アネート、1,5−ナフチレンジイソシアネートの如き
ジイソシアネート類、2,4,6−トリイソシアネート
トルエン、2,4,4′−トリイソシアネートジフェニ
ルエーテル、トリ(イソシアネートフェニル)メタンの
如きトリイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシア
ネートの3モルと水の1モルとから誘導されるビュレッ
ト型ポリイソシアネート、上掲した如きジイソシアネー
ト類の3量化により形成されるイソシアヌレート型ポリ
イソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソ
シアネート製造の際に副生するポリメチレンポリフェニ
ルポリイソシアネート、およびグリコール類、トリオー
ル類またはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリ
オール等に上掲のポリイソシアネートを付加して得られ
るアダクト型ポリイソシアネートやイソシアネートプレ
ポリマーの如きポリイソシアネート類、およびこれらの
混合物等が挙げられる。
【0019】次に本願発明において乳化剤として使用で
きる前記〔I〕,〔II〕の化合物の構造について説明す
る。ポリオキシエチレンモノアルキルエーテルのアルキ
ル基(R)は低級アルキル基であり、例えばメチル、エ
チルまたはプロピル基等が挙げられる。ポリオキシエチ
レンモノアルキルエーテルのアルキル基は短い程親水性
が高くなるので好ましい。
【0020】ポリオキシエチレン結合の繰返し単位であ
るnは、特に制限されるものではないが親水性が高くな
り、かつ結晶性も小さく固化しにくい点で通常5〜3
5、中でも8〜25が好ましい。
【0021】Xはポリイソシアネートのイソシアネート
基を除いた部分の骨格である。骨格Xの分子量は600
以下であることが好ましい。Yは、炭素原子数8以上の
アルコール、炭素原子数8以上のアルキル基を有しかつ
水酸基を少なくとも1つ有する脂肪酸の部分エステル化
物、疎水性ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル
からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物の活性
水素原子を除いた部分の骨格である。
【0022】骨格Yを構成する疎水基形成化合物は、い
ずれも融点が35℃以下であることが好ましい。35℃
を超える場合は得られる乳化剤〔I〕又は〔II〕は、後
述する乳化すべきポリイソシアネート化合物(B)への
溶解性不良や低温時の析出等が起り易くなる。これらの
疎水基形成化合物は2種以上の化合物を混合して用いる
ことももとより可能である。
【0023】mおよびlは、使用するポリイソシアネー
ト化合物および疎水基形成化合物の官能基数により導び
かれる。ポリイソシアネートの1個のイソシアネート基
は、疎水基形成化合物の水酸基と結合するため、mは
(ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基数)−
1、即ちジイソシアネート類においては1、トリイソシ
アネート類においては2であり、またlは疎水基形成化
合物の水酸基を全てイソシアネート基と反応させるとこ
ろから疎水基形成化合物の水酸基数に等しい数である。
【0024】pおよびqは、ポリイソシアネート化合物
が少なくとも1個のポリオキシエチレンモノアルキルエ
ーテルと疎水基形成化合物を連結するところから、共に
1以上であってその和はポリイソシアネート化合物の官
能基数に等しいことになる。
【0025】これらの乳化剤の調製に用いるポリイソシ
アネート化合物には乳化すべきポリイソシアネート化合
物(B)と同種類のものを選ぶことにより、より好まし
い乳化性が得られることが認められる。これはこの乳化
剤の構造において連結剤となるポリイソシアネート化合
物も疎水基として作用することになり、疎水基全体とし
て乳化すべきポリイソシアネート化合物(B)との親和
性向上に役立つためと考えられる。
【0026】また、このように、乳化剤中の連結剤であ
るポリイソシアネート化合物も疎水基として作用するた
め全疎水基の占める割合は容易に大きくすることができ
るので、連結剤ポリイソシアネート化合物の2より大き
い官能基は、主に親水基の導入に利用する方が有用であ
る。
【0027】本発明方法に用いられる乳化剤は非イオン
性乳化剤であり、ポリオキシエチレンモノアルキルエー
テルの含有量を調節することにより、広い範囲のHLB
を有する乳化剤を合成することができる。ポリイソシア
ネート化合物(B)を水に乳化して用いる場合には一般
にO/W型エマルジョンとして用いるため、該乳化剤に
おいてもHLB8〜16程度のものが最も広範囲に利用
される。また、用途によりW/O型エマルジョンを得よ
うとする場合はHLBのより低い乳化剤を設計、使用す
ることにより適用することができる。このように用途お
よび目的に応じて種々の乳化剤の設計が可能である。
【0028】以上のような乳化剤〔I〕又は〔II〕とし
ては、例えば次の如きものが挙げられる。
【0029】
【化4】
【0030】乳化されるべき遊離イソシアネート基を有
するポリイソシアネート(B)としては、前記乳化剤
〔I〕又は〔II〕を製造する際に使用できるポリイソシ
アネートがいずれも使用できる。
【0031】ポリイソシアネート化合物(B)の乳化に
用いる乳化剤(C)はその目的に応じて任意の量が用い
られるが、一般には乳化すべきポリイソシアネート化合
物(B)に対して5〜20%の使用で十分目的が達せら
れる。一般的な乳化方法としては、乳化剤(C)を予め
乳化すべきポリイソシアネート化合物(B)に添加・混
合しておくことにより、該ポリイソシアネート化合物
(B)は、遊離イソシアネート基が活性のまま水に対し
自己乳化性を持つことができる。即ち、このように調製
したポリイソシアネート化合物(B)を水中に、または
これを架橋剤として用いる場合は最初に述べた合成樹脂
水性分散体に添加し、攪拌することにより、容易に乳化
することができる。また、該乳化剤(C)が添加された
ポリイソシアネート化合物(B)に水を少量ずつ添加す
る、いわゆる転相乳化法によっても乳化することができ
る。この方法は比較的簡単にして良好なエマルジョンを
得ることができる。また、場合によっては乳化剤(C)
を含有した水中にポリイソシアネート化合物(B)を添
加し、強力剪断攪拌により機械乳化することも可能であ
り、目的状況により任意の方法が採用される。
【0032】また、乳化すべきポリイソシアネート化合
物(B)は、従来乳化が困難であった比較的高分子量の
イソシアネートプレポリマーにおいても上記方法によっ
て容易に乳化することが可能である。また、このように
して本発明の方法によって得られるポリイソシアネート
化合物(B)のエマルジョンは、長いポットライフを有
することが認められる。
【0033】合成樹脂水性分散体(A)とポリイソシア
ネート(B)との組合せは適宜選択できるが、例えば耐
光性が要求される場合には、ポリカーボネートジオール
とイソホロンジイソシアネートとイソホロンジアミンと
を必須成分としたポリウレタン水性分散体とイソホロン
ジイソシアネートとの組合せ、ポリテトラメチレンエー
テルジオールとヘキサメチレンジイソシアネートとヘキ
サメチレンジアミンとを必須成分としたポリウレタン水
性分散体とヘキサメチレンジイソシアネートの組合せが
好ましい。
【0034】本発明の水性接着剤におけるポリウレタン
樹脂の水性分散体(A)とポリイソシアネート(B)の
混合割合は特に制限されるものではないが、(A)の固
形分100重量部に対して、(B)の固形分0.5〜2
5重量部、好ましくは1〜20重量部である。
【0035】本発明の水性接着剤を調製するに際して
は、各種の添加剤等を併用できる。添加剤としては、例
えばロジンエステルエマルジョン、テルペン樹脂エマル
ジョン、石油樹脂エマルジョン等の粘着付与剤樹脂、ア
ミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン等のシラ
ンカップリング剤、カルボキシメチルセルロース、ポリ
ビニルピロリドン等の増粘剤、シリカ、タルク、マイ
カ、炭酸カルシウム、カーボンブラック等の充填剤、カ
ルボジイミド、エポキシ樹脂等の架橋剤、ステアリン酸
やステアリン酸亜鉛等の潤滑剤等が挙げられる。
【0036】その他、難燃剤、着色剤、界面活性剤等も
添加できる。本発明の水性接着剤は、基材に塗布又は含
浸した後、乾燥させてやれば、優れた硬化皮膜が得られ
る。乾燥は熱風で行ってもよいし、赤外線を照射しても
よい。特に基材としてガラスを用い、水性接着剤にシラ
ンカップリング剤が含まれている場合は、赤外線を照射
してやると、基材との密着性が更に向上する。
【0037】本発明の水性接着剤が塗布される基材は特
に制限されないが、例えばガラス、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチ
ック無延伸フィルムあるいは延伸フィルム、紙、繊維、
ステンレス、鉄等の金属、コンクリート、セメント等が
挙げられる。
【0038】
【実施例】次ぎに実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれに限定されるものではない。なお文中、部お
よび%は特に断りのない限り全て重量基準である。
【0039】製造例1(乳化剤の合成) 2,4−トリレンジイソシアネート200部中に平均分
子量560のポリオキシエチレンモノメチルエーテル5
43部を63℃に保ちながら約2時間にわたって加え、
更に2時間反応後、オレイルアルコール308部を加
え、70℃にて3時間反応した。反応生成物は黄色の透
明油状液体であり、水に透明に溶解するものであった。
これを乳化剤Aとする。
【0040】乳化剤A8.5重量部と、コロネートEH
[日本ポリウレタン工業(株)製ポリイソシアネート、
イソシアネート含有量21.3重量%]100重量部と
を混合して、ポリイソシアネートB−1を得た。
【0041】尚、コロネートEHはヘキサメチレンジイ
ソシアネートの3量体(イソシアヌレート)型ポリイソ
シアネートである。
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】ステンレス製反応容器に1,6−ヘキサン
ジオール/ネオペンチルグリコール/アジピン酸から得
られたポリエステルジオール(水酸基価102)を5
3.3部仕込み、脱水処理後66.2部のメチルエチル
ケトンを加え混合した。その後39,3部の4,4’−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを加え80±
2℃にて2時間反応せしめ、さらに5.9部のジメチロ
ールプロピオン酸を加え70℃に保ち、イソシアネート
基%が2.5%に達するまで反応せしめた。その後撹拌
下トリエチルアミン4.5部を含む水28部を添加し、
さらに無水ピペラジン3.87部を含む水溶液38.7
部を滴下し、水性分散液を得た。この水性分散液を減圧
下脱溶剤せしめ、不揮発分45重量%に調整し、ポリウ
レタンエマルジョンを得た。
【0047】これを水性分散液Aとした。水性分散液A
111重量部に製造例1のポリイソシアネートB−1の
3重量部を添加混合して水性接着剤を得た。
【0048】この水性接着剤のポットライフは常温で約
4時間であった。 応用例1 上記実施例1で得られた接着剤をポリプロピレンフィル
ムと紙との接着及びポリエステルフィルムと紙との接着
に応用し、その性能を第1表に示した。
【0049】
【表1】
【0050】試験方法 基材;15μm ポリプロピレンフィルム(コロナ処理
面) 15μm ポリエステルフィルム (未処理面) コート板紙 接着方法;各フィルム面に各々の接着剤を塗布量10g
/m2 (Dry)となるよう塗布、60℃,30秒乾燥
後コート板紙に貼り合せ70℃のヒートロールを2回通
し、ラミネートした。その後常温にて48時間放置後、
常温(23℃),高温(70℃)下で剥離し接着性能を
調べた。
【0051】 評価基準 ○;完全に紙破。 △;一部紙破。 ×;紙破せず。
【0052】実施例2 ジメチロールプロピオン酸を構造中に含むフタル酸系芳
香族ポリエステルジオールと、イソホロンジイソシアネ
ートからなるポリウレタンラテックス(不揮発分35重
量%)100重量部と、製造例1のポリイソシアネート
B−1の7重量部を添加混合して水性接着剤を得た。
【0053】この水性接着剤のポットライフは常温で約
3時間であった。実施例2で得られた接着剤を30μm
のナイロンフィルムと50μmの低密度ポリエチレン
(LDPE)フィルムとの接着に応用した。その性能を
第2表に示した。
【0054】
【表2】
【0055】ナイロン基材に各々の接着剤を乾燥塗布量
7g/m2 となるよう塗布し、60℃,30秒間乾燥後
LDPEを貼り合せ60℃のヒートロールを2回通し、
ラミネートし、その後常温にて3日間放置後、常態接着
力、熱水浸漬時接着力をそれぞれ測定した。
【0056】常態接着力;23℃、65%RHにて、幅
15mmの上記試片を剥離速度300mm/minでT型剥離
試験に供した。熱水浸漬後接着力;上記試片を98℃の
熱水中に1時間浸漬後、ぬれたままの常態でT型剥離試
験に供した。
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】本発明の水性接着剤は、例えば衣料用不織
布、フィルター用不織布、医療用不織布等の不織布結合
材、雑貨用スパンボンド等のスパンボンド、寝具用キル
と綿、家具用キルト綿、衣料用キルト綿等のキルト綿結
合材、植毛衣料、植毛鞄、植毛雑貨品、植毛車輌用品等
の植毛・バッキング材、カーシート、船舶、航空機等の
車輌内装品用結合材、ジオテキスタイル等の土木建築用
接着剤、化粧紙、擬革紙、包装紙等の紙加工用結合材・
サイジング剤、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維集束剤、
糊剤、ラミネート接着剤、ポリエステルフィルム用プラ
イマーコート剤、セロファンテープ、ガムテープ、両面
テープ用粘接着剤等の各種の用途に使用できる。
【0063】本発明の水性接着剤はポリイソシアネート
のみならず乳化剤をも含有しているので、ポリウレタン
樹脂の水性分散液との反応が急激に起こり、直ちにゲル
化してしまうということがないという格別顕著な効果を
奏する。
【0064】従って、ポリイソシアネートが本来有する
はずの接着性の改良効果を充分に引き出すことができ
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−69153(JP,A) 特開 昭50−69140(JP,A) 特開 昭50−69136(JP,A) 特開 平2−155975(JP,A) 特開 昭63−142079(JP,A) 特開 昭61−152781(JP,A) 特開 昭50−69138(JP,A) 特開 昭64−114(JP,A) 特開 平2−36215(JP,A) 特開 昭50−69150(JP,A) 特開 昭62−297373(JP,A) 特開 昭60−240777(JP,A) 特開 昭57−190061(JP,A) 特開 昭50−69154(JP,A) 特開 昭49−34932(JP,A) 特開 昭51−42751(JP,A) 特開 昭62−96577(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 4/00 - 201/10 C09D 175/00 - 201/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン樹脂の水性分散体(A)
    と、ポリイソシアネート(B)と、下記一般式 【化1】(但し、式中Rは炭素原子数が1〜3のアルキ
    ル基、Xはポリイソシアネートの残基、Yは炭素原子数
    が8以上のアルコール、炭素原子数が8以上のアルキル
    基を有しかつ水酸基を少なくとも1つ有する脂肪酸の部
    分エステル化物、又はオキシプロピレンモノアルキルエ
    ーテルのいずれかがイソシアネート基と反応した後の残
    基、nは5〜35の整数であり、lは1〜5の整数、m
    は1又は2、pは1又は2、p+qは1〜10の整数で
    ある。)で表される化合物からなる乳化剤(C)からな
    る水性接着剤。
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