JP3323729B2 - 画像読取装置及び画像形成装置 - Google Patents

画像読取装置及び画像形成装置

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JP3323729B2
JP3323729B2 JP04737796A JP4737796A JP3323729B2 JP 3323729 B2 JP3323729 B2 JP 3323729B2 JP 04737796 A JP04737796 A JP 04737796A JP 4737796 A JP4737796 A JP 4737796A JP 3323729 B2 JP3323729 B2 JP 3323729B2
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  • Registering Or Overturning Sheets (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はファクシミリ装置、
複写装置等に利用される画像読取装置及びこれを用いた
画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日のフアクシミリ装置、複写装置等に
おける画像読取装置は、図11に示すように、原稿台ガラ
ス50が固定タイプのものが多い。そして、原稿を読み取
るモードも2つあり、原稿台ガラス50に対して読取手段
51を固定し、原稿台ガラス50の上面を読み取りスピード
と同期させた速度でシート原稿を搬送しながら読み取る
原稿移動読取モードと、原稿台ガラス50上に直接シート
あるいはブック状の原稿を載置し、読取手段51を原稿台
ガラス50に沿って走査して読み取りを行う原稿静止読取
モードをもっている。
【0003】前記原稿移動読取モードにおける原稿を搬
送するための原稿搬送手段52と、原稿静止読取モードに
おける原稿を押さえるための原稿押さえ板53は開閉部材
54に取り付けられている。また、開閉部材54は、原稿静
止読取モードにおいて原稿を原稿台ガラス50に載置する
ため、原稿台ガラス50に対して回動開閉可能となってい
る。そして、開閉部材54の回動開閉時に自重によって落
下するのを防ぐため、開閉部材54の回動中心にダンパが
入っている。
【0004】また、原稿押さえ板53は開閉部材54に移動
可能に取り付けられていて、原稿静止読取モードにおい
て、原稿をバネ57の付勢によって原稿台ガラス50に密着
させて画像ボケを防止している。
【0005】更に原稿移動読取モードにおいて、シート
原稿を原稿載置台55から原稿台ガラス50に搬送するた
め、シート原稿の搬送路は直線ではなくJ字のような搬
送路を構成している。そして、搬送路がJ字になってい
るため、搬送中にシート原稿が原稿台ガラス50から浮い
て読取画像が焦点ボケをしないためにシート原稿を原稿
台ガラス50に密着させる原稿押さえローラ56が配置され
ている。
【0006】前記原稿押さえローラ56は原稿台ガラス50
にシート原稿を密着させるために、開閉部材54に対して
揺動可能に取り付けられ、且つ原稿台ガラス50に対して
バネによって押圧されている。そして、この押圧は原稿
押さえローラ56全体に渡って均一にならないと原稿が斜
行等するために、原稿押さえローラ56の両側において同
じ押圧力を付与している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記原稿押さえローラ
56に駆動力を伝達すると、その力によって原稿押さえロ
ーラ56は原稿台ガラス50への押圧力が影響を受ける。一
般的には駆動力が伝達されると前記押圧力が減少するよ
うに駆動伝達手段が配置されている。
【0008】そして、前記押圧力変化の影響が原稿押さ
えローラ56に現れないようにするためには、原稿押さえ
ローラ56の押圧力をある程度大きく設定する必要があ
る。
【0009】しかし、前記押圧力を大きく設定すると、
その反力によって開閉部材54が浮き上がるようになり、
開閉部材54を浮かせないためには開閉部材54の自重を重
くし、或いは開閉部材54のダンパ力を強くする必要があ
るが、そうすると開閉部材54の開閉操作性が低下してし
まう。
【0010】前記原稿押さえローラ56への駆動力伝達を
該ローラ56の両側に均等に伝達するようにすれば、前記
のように駆動伝達による原稿押さえローラ52の押圧力が
影響を受けることはないが、そのためには駆動伝達手段
を原稿押さえローラ52の両側にそれぞれ設けなければな
らず、部品点数が増加してしまう。
【0011】本発明は従来の上記課題を解決するもので
あり、その目的とするところは、部品点数を増加させる
ことなく、原稿押さえ用回転体の回転軸方向両側での押
圧力の違いを解消し、原稿斜行を防止し得る画像読取装
置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにあ
る。
【0012】また、原稿押さえ用回転体の押圧力による
開閉部材の浮きを抑えると共に、開閉部材の開閉操作性
の低下を抑えることができる画像読取装置等を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る代表的な構成は、原稿支持部材上の原稿
を読み取る画像読取装置において、シートを原稿支持部
材上へ搬送するための搬送手段と、前記原稿支持部材上
の原稿を読み取るための読取手段と、装置本体に対して
回動開閉可能であって、原稿を前記原稿支持部材上へ押
圧する開閉部材と、前記開閉部材に揺動可能に取り付け
られ、搬送されるシート原稿を前記原稿支持部材に押さ
えて回転可能な回転体と、前記回転体の回転軸方向一方
に駆動力を伝達するための駆動伝達手段と、前記回転
体の前記駆動伝達手段を配置した側を前記原稿支持部材
に押圧する第1押圧手段と、前記回転体の回転軸方向他
方側を前記原稿支持部材に押圧する第2押圧手段と、を
有し、前記回転体の回転軸は、前記開閉部材の回動軸と
直交するように配置し、前記駆動伝達手段は前記開閉部
材の回動軸に近い側に配置し、前記第1押圧手段による
前記回転体への押圧力の方を前記第2押圧手段による
回転体への押圧力よりも大きくしたことを特徴とす
る。
【0014】上記構成にあっては、駆動伝達側を押圧す
る第1押圧手段の押圧力を他方側を押圧する第2押圧手
段の押圧力より大きくしたことにより、回転体の一方側
のみに駆動伝達することによる回転体の押圧力変化を補
正することができる。
【0015】また駆動伝達手段を開閉部材の回動軸に近
い側に配置したことにより、大きくした第1押圧手段の
押圧力による反力を、開閉部材の落下力によって有効に
押さえることができる
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明に係る画像読取装置及
びこれを用いた画像形成装置の一実施形態について図面
を参照して説明する。
【0017】〔第1実施形態〕図1乃至図9は第1実施
形態を示すものであり、図1は画像形成装置の一例であ
るファクシミリ装置の構成説明図、図2は外観説明図、
図3乃至図9は原稿押さえローラの押圧構成説明図であ
る。
【0018】尚、ここでは説明の順序として、まず画像
読取装置を備えた画像形成装置であるファクシミリ装置
の全体構成を説明し、次に原稿押さえローラを原稿台ガ
ラスに押圧する押圧構成について説明する。
【0019】{ファクシミリ装置の全体説明}図1及び
図2において、1は画像読取装置を構成するフラットベ
ッドスキャナであり、原稿支持部材である原稿台ガラス
1a上に静止又は移動する原稿3の画像を読み取るもの
である。2は開閉部材である圧板であって、装置本体21
に対して使用者が上下に開閉することができ、原稿台ガ
ラス1a上に置かれた原稿3を押さえるものである。4
は画像を読み取る密着型イメージセンサである。
【0020】圧板2の上面にはシート状の原稿3を複数
枚積載することができるように構成された原稿台2bが
設けてある。そして、シート状の原稿3を原稿搬送手段
を構成する搬送部5によって一枚ずつ分離しつつ搬送す
ると共に、シート読取部6で原稿に記載された情報を読
み取る。ここで、原稿搬送部5は圧板2の一部に設けら
れており、圧板2の開閉とともに上下動する。また、読
取部6で読み取られた原稿3を原稿排紙トレイ7に排出
する。
【0021】前記読取部6で読み取られた情報又は他の
ファクシミリ装置から送信された情報はレーザービーム
プリンタからなる画像形成手段8にによって記録され
る。この画像形成手段8は、カセット給紙部9又は手差
し給紙部10から供給される記録媒体である記録紙に画像
形成部11でトナー像を転写記録すると共に、定着部12で
定着し、排出ローラ対13によって記録紙排紙トレイ14に
排出する。
【0022】また、15は表示部、入力部等により構成さ
れた操作部、16はファクシミリ装置の制御部である。
【0023】(読取手段)原稿記載情報を読み取るため
の読取手段は、シート状の原稿及び本などの厚みのある
原稿の双方を密着型イメージセンサ4によって読み取る
ようになっている。
【0024】前記密着型イメージセンサ4は、原稿の読
取面を照らす照明手段と、原稿の読取面からの反射光が
通過するセルフォックレンズとレンズの直下に配置され
反射光を結像させるイメージセンサとからなる。ここ
で、前記セルフォックレンズは長焦点タイプであり、厚
さ3mmの原稿台ガラス1aの上面側に焦点が合うよう
設定されている。
【0025】フラットベッドスキャナ部1は、シート状
の原稿(以下、シート原稿と呼ぶ)や本などの厚みのあ
る原稿(以下、ブック原稿と呼ぶ)を静止させた状態で
読み取るために(原稿静止読取モード)、原稿を載置す
る原稿台ガラス1aが設けられている。
【0026】2aは原稿押さえ部を構成する押さえ板で
あり、圧板2に対して固定して支持されており、圧板2
を閉じることで原稿台ガラス1a上の原稿を押圧する。
1bはフラットベッドスキャナ1の構造体となるフレー
ムであり原稿台ガラス1aを支持している。
【0027】ここで、圧板2は図2に示すように、回動
中心軸2fにヒンジ19がフレーム1bとの間に設けら
れ、圧板2がフレーム1bに対して所定角度だけ回動開
閉可能に構成されており、使用者が圧板2を開いて原稿
台ガラス1a面上に原稿を載置する構成になっている。
また、前記ヒンジ19は図示しないバネとカムにより構成
されたダンパ機構を内蔵しており、圧板2が自重で落下
して閉まるのを防止している。このため、圧板2は角度
が約10度以上では、自重によって落下せずに停止し、約
10度以下でフッラットベッドスキャナ1に押圧されるよ
うになっている。
【0028】密着型イメージセンサ4は原稿静止読取モ
ードの場合に図示せぬ駆動機構によりブック原稿の副走
査方向(図1の矢印A方向)に駆動される。密着型イメ
ージセンサ4は原稿台ガラス1aの下面に付勢され、前
述の駆動機構により副走査方向に移動する際に密着型イ
メージセンサ4と原稿台ガラス1aとの距離が常に一定
に保たれることで、原稿台ガラス1a上の密着型イメー
ジセンサ4の焦点位置の高さが一定となり、焦点位置ず
れのない良好な画像をえることができるようになってい
る。
【0029】原稿台ガラス1a上の原稿3は、密着型イ
メージセンサ4を副走査方向(図1の矢印A方向)に移
動させながら読み取る。
【0030】(シート搬送装置)シート搬送手段を構成
する原稿搬送部5は、原稿載置台2b上に積載したシー
ト原稿3を、まず予備搬送ローラ5aと予備搬送押圧板
5bにより送り出し、分離片5cと接した分離ローラ5
dで一枚ずつ分離し、さらに原稿給送ローラ5eと押圧
バネにより押圧された給送コロ5fとでシート読取部6
に搬送する。尚、図1に示す6aは搬送したシート原稿
3が原稿台ガラス1aから浮き上がるのを防止するため
の回転体である原稿押さえローラである。
【0031】シート原稿3は、密着型イメージセンサ4
を原稿押さえローラ6aの下に静止させた状態で読み取
る(原稿移動読取モード)。ここで、原稿押さえローラ
6aによりシート原稿3を原稿台ガラス1a面上に密着
搬送させつつシート原稿3の画像情報を読み取るように
なっており、この原稿押さえローラ6aは押圧手段によ
って原稿台ガラス1aに押圧されるようになっている。
尚、この押圧構成については後述する。
【0032】そして、読み取られた原稿は、原稿排紙ロ
ーラ5gと原稿排紙コロ5hにより原稿排紙トレイ7に
排出される。
【0033】原稿搬送部5は、前述の如く圧板2の一部
に設けられ、圧板2を開いたときには原稿搬送部5も上
に上がる構成であり、原稿押さえローラ6a等と原稿台
ガラス1aとの間が開放され、原稿ジャムなどの際に原
稿搬送路を開放して容易にジャム処理等をすることがで
きる。
【0034】尚、原稿搬送部5は、圧板2に対して開閉
自在に保持されており、原稿搬送部5と圧板2との間も
開放されるため、ジャム処理等がさらに容易にできるよ
うになっている。
【0035】原稿載置台2bにはシート原稿3の搬送方
向と直角方向(原稿3の幅方向)にスライド可能なスラ
イダ2cが設けられていて、前記スライダー2cによっ
て原稿載置台2b上に載置されたシート原稿3の両サイ
ドを揃えることができるようになっている。
【0036】(画像形成手段)画像形成手段を構成する
記録装置部8は、装置本体側に配置され、汎用サイズの
用紙Pが積層収容されたカセット9a内の用紙Pを給送
ローラ9bにより1枚ずつ分離し、レジストローラ対17
により用紙Pの斜行を補正し、制御部16からのプリント
信号と同期させ用紙Pは上方へ搬送され画像形成部11へ
給送される。
【0037】そして、電子写真感光体である感光体ドラ
ム11aの表面を帯電部材11bにより一様に帯電させ、こ
の表面をレーザスキャナー18により画像情熱に基づいて
露光される。これにより、感光体ドラム11a上に静電潜
像を形成させ、前記画像形成部の現像剤としてのトナー
を現像剤担持体たる現像スリーブ11cにより感光体ドラ
ム11a上の静電潜像に転移させ、感光体ドラム11a上に
トナー像が形成される。そして、前記トナー像を転写ロ
ーラ11dにより用紙Pに転写し、さらに前記用紙Pは上
方の定着部12へ搬送される。定着部12では、用紙P上に
転写されたトナーを定着ローラ12aと加圧ローラ12bに
より搬送して熱と圧力により用紙P上に定着し、この用
紙Pを排紙ローラ対13により記録紙排紙トレイ14に順次
排出される。
【0038】一方、手差し用給紙部10に積載された用紙
Pは給紙ローラ10aと対向位置に配置された分離パット
10bにより、1枚に分離されレジストローラ対17により
用紙Pの斜行を補正し前述の様に用紙Pを上方へ搬送し
画像形成部11でトナー画像を転写し、定着部12で定着し
同様に用紙Pを記録紙排紙トレイ14に順次排紙されるよ
うになっている。
【0039】{原稿押さえローラを原稿台ガラスに押圧
する押圧構成}次に前記原稿押さえローラ6aを原稿台
ガラス1a方向へ押圧する構成について図3乃至図9を
参照して説明する。尚、図3は原稿押さえローラ6a周
辺の斜視図であり、図4は原稿押さえローラ周辺の概略
断面図であり、図3の矢視Xからの断面図である。
【0040】図3及び図4において、6bは原稿押さえ
ローラ6aを駆動する駆動伝達手段であり、6c,6d
は原稿押さえローラ6aを圧板2に揺動可能に取り付け
るために該ローラ6aの回転軸方向両端を支持する揺動
アームである。また、6e,6fは原稿押さえローラ6
aを原稿台ガラス1aに押圧する押圧手段を構成する押
圧バネである。尚、6gは前記原稿押さえローラ6aの
回転中心軸である。そして、前記一方の第1押圧バネ6
eは原稿押さえローラ6aの回転軸6gの一方側を押圧
する第1押圧手段を構成し、もう一方の第2押圧バネ6
fは原稿押さえローラ6aの回転軸6gの他方側を押圧
する第2押圧手段を構成している。
【0041】また、圧板2の回転中心軸2fと原稿押さ
えローラ6aの中心軸6gは直交するように配置されて
おり、駆動伝達手段6bは原稿押さえローラ6aの回転
中心軸方向の一方側であって、圧板2の回転中心軸2f
に近い側に配置されている。
【0042】そして、前記押圧バネ6e,6fは共に圧
板2に取り付けられていて、第1押圧バネ6eと第2押
圧バネ6fは押圧力が異なり、第1押圧バネ6eの方が
第2押圧バネ6fより強く設定してある。
【0043】本実施形態における駆動伝達手段6bは、
3個の駆動ギア6b1,6b2,6b3から構成されている。
そして、図示しない駆動源と駆動伝達手段より、駆動ギ
ア6b1に駆動が伝達され、駆動ギア6b1から駆動ギア6
b2を経て、駆動ギア6b3によって原稿押さえローラ6a
に駆動が伝達される。
【0044】揺動アーム6c,6dは駆動ギア6b2の中
心軸を中心に揺動可能となっており、一方の揺動アーム
6cは押圧バネ6eにより矢印B方向に力を受け、原稿
押さえローラ6aは原稿台ガラス1aに押圧される。同
様に他方の揺動アーム6dは押圧バネ6fにより矢印B
方向に力を受け、原稿押さえローラ6aは原稿台ガラス
に押圧される。
【0045】駆動が伝達されると駆動ギア6b1,6b2,
6b3は図4の矢印方向にそれぞれ回転し、駆動伝達によ
り原稿押さえローラ6aは駆動ギア6b2から矢印C方向
に力を受ける。これにより、揺動アーム6cが押圧バネ
6eにより原稿押さえローラ6aを原稿台ガラスに押圧
する力は低下する。
【0046】ここで、前記駆動伝達によって影響を受け
る押圧バネ6eの方が他方の押圧バネ6fより強くなっ
ているが、その差は前記駆動伝達により低下する押圧力
と等しく設定されている。そのため、駆動が伝達される
と、揺動アーム6c側と揺動アーム6d側の原稿押さえ
ローラ6aの原稿台ガラスに押圧される力は等しくな
る。従って、原稿押さえローラ6aの押圧力の回転軸方
向両側での違いによる原稿搬送時の原稿斜行が発生する
ことはない。
【0047】尚、駆動が伝達されていない時は押圧バネ
6eの方が押圧バネ6fより強くなっているため、揺動
アーム6c側と揺動アーム6d側の原稿押さえローラ6
aの原稿台ガラス1aに押圧される力は等しくない。本
実施形態ではこの時に圧板2が浮かないように構成して
いる。そのための条件を図5乃至図9を参照して説明す
る。
【0048】図5に前述した原稿押さえローラ周辺の図
3の矢視Yからの断面図を示す。また、図6乃至図9に
原稿押さえローラ押圧力と駆動による押圧力と圧板2の
つりあい説明図を示す。
【0049】図において、各値を以下のように定義す
る。
【0050】 A…原稿押さえローラ6aが原稿搬送時に浮かないため
の圧力、 T…圧板2の自重による落下力、 L1 …圧板2の回転中心2fから原稿押さえローラ6a
の揺動アーム6c側で押圧される位置までの距離、 L2 …圧板回転中心2fから圧板落下力の加わる位置ま
での距離、 L3 …圧板回転中心2fから原稿押さえローラ6aの揺
動アーム6d側で押圧される位置までの距離、 α…駆動伝達により原稿押さえローラ6aに加わる力、 である。
【0051】図5において、駆動伝達時に原稿押さえロ
ーラ6aが浮かないためには、駆動伝達側(6c側)の
原稿押さえローラ6aの押圧力はA+αとなる。また、
圧板2は押圧バネ6e,6fが圧板2に取り付けられて
いるので、原稿押さえローラ6aの押圧力の反力を受け
る。
【0052】図5の圧板2に加わる力を図式化したのが
図6である。圧板2の回転中心2fの矢印M方向の回転
モーメントを求めると、−L1 (A+α)+L2 ・T−
L3・Aである。このとき、圧板2が浮かないための条
件は、前記モーメントが正でなければならない。即ち、 −L1 (A+α)+L2 ・T−L3 ・A>0………(式1)、 これをTについてまとめると、T>A・(L1 +L3 )
/L2 +α・L1 /L2であり、A・(L1 +L3 )/
L2 =Kとすると、 T>K+α・L1 /L2 ………(式2)となる。
【0053】ここで、圧板2の落下力Tが大きいとそれ
を持ち上げる(圧板を開ける)操作力は大きくなるの
で、落下力Tをできるだけ小さくすることが操作性を向
上することとなる。
【0054】図7は図5の駆動伝達側が圧板2の回転中
心2fに遠い場合で、遠い側の押圧力をα大きくしてい
る場合、図8は図5で駆動伝達が原稿押さえローラ6a
の両側で、それに応じて押圧力をα大きくしている場
合、また参考のために図9は駆動伝達による押圧力の変
化が無い場合をそれぞれ示す。
【0055】図7乃至図9においても、圧板2が浮かな
いための条件はM方向のモーメントが正であるので、そ
れぞれの場合のモーメントの条件を求めると、図7の場
合は、−L1 ・A+L2 ・T−L3 (A+α)>0であ
り、これを前記のようにしてTについてまとめると、T
>K+α・L3 /L2 ………(式3) となる。
【0056】また、図8の場合は、−L1 (A+α)+
L2 ・T−L3 (A+α)>0であり、これを同様にし
てTについてまとめると、T>K+α(L1 +L3 )/
L2………(式4)となる。
【0057】また、図9の場合は、−L1 ・A+L2 ・
T−L3 ・A>0であり、これを前記のようにしてTに
ついてまとめると、T>K………(式5)となる。
【0058】前記式2乃至式4において、L1 <L3 <
L1 +L3 であるので、式2乃至式4のTを比べると、
式2、式3、式4の順番にTが大きくなることがわか
る。
【0059】ここで、前述したように、圧板2の落下力
Tが大きいと、それを持ち上げる(圧板を開ける)操作
力は大きくなるので、落下力Tが大きいほど操作性が悪
くなる。
【0060】従って、駆動伝達に対抗してその分大きい
押圧力を原稿押さえローラ6aの片側で行う場合、式2
及び式3に比べ、原稿押さえローラ6aの両側で行われ
ている式4の方が操作性が悪くなることがわかる。ま
た、片側駆動伝達でも駆動伝達側が圧板2の回転中心2
fに近い場合(式2の場合)より、駆動伝達側が圧板2
の回転中心2fに遠い場合(式3の場合)の方が操作性
が悪くなることがわかる。
【0061】従って、原稿押さえローラ6aへの駆動伝
達は、原稿押さえローラ6aの回転軸方向一方側におい
て行い、且つ該ローラ6aへの押圧力は該駆動伝達がさ
れる側が大きくなるようにして回転軸方向両端において
異なるように設定することにより、原稿押さえローラ6
aの浮きを防止しつつ、駆動伝達時の原稿押さえローラ
回転軸方向における押圧力の違いを解消することができ
る。
【0062】これにより、前記原稿押さえローラ6aの
押圧力が回転中心軸方向両端で異なることによる原稿搬
送時の原稿斜行を防止でき、また原稿押さえローラ6a
の浮きによる画像ボケを防止できる。更に、圧板2の浮
きによる圧板2の移動をなくし、圧板開閉力の増加によ
る操作性の低下も極力少なくすることが可能となる。
【0063】尚、原稿押さえローラ6aの駆動伝達側を
圧板2の回動中心軸2fに近い側に配置することによ
り、駆動伝達による原稿押さえローラ6aの押圧力の変
化が圧板開閉力(回動力)に及ぼす影響を極力低くする
ことができ、操作性の低下を効果的に防止することがで
きる。
【0064】更に、圧板2の浮きが抑えらるため、原稿
押さえ板2aを圧板2に対して移動可能に取り付けなく
ても、圧板2が閉じられていると原稿押さえ板2aは原
稿台ガラス1aに原稿を押圧する。従って、原稿静止読
取モードでの画像ボケが発生することはなく。また、原
稿押さえ板2aを圧板2に固定して取り付けることによ
り、これを簡単に取り付けることができると共に、低コ
ストで高性能な画像読取装置を提供することが可能とな
る。
【0065】〔第2実施形態〕次に前記原稿押さえロー
ラ6aの押圧構成の他の実施形態について図10を参照し
て説明する。尚、図10は原稿押さえローラ周辺の概略断
面図であり、前述した第1実施形態と同一機能を有する
部材は同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0066】この実施形態が第1実施形態と異なるの
は、原稿押さえローラ6aの揺動機構である。即ち、圧
板2に駆動ギア6b2の回転軸を中心に同心円となる溝20
が設けてあり、その溝20に沿って原稿押さえローラ6a
が移行可能になっている。そして、原稿押さえローラ6
aの回転軸方向両端においては圧縮バネからなる押圧バ
ネ6e,6fによってを原稿台ガラス1aに押圧される
ようになっている。
【0067】このように構成することにより、第1実施
形態における揺動アームを使わずに構成することがで
き、部品点数を減らしコストを下げることができる。
【0068】
【発明の効果】本発明は前述したように、原稿押さえ用
の回転体への駆動伝達を該回転体の軸方向一方側で行
い、且つ駆動伝達側を押圧する第1押圧手段の押圧力を
他方側を押圧する第2押圧手段の押圧力より大きくした
ことにより、駆動伝達による回転体の押圧力変化を補正
することができ、原稿押さえ用回転体の浮きを防止して
原稿の斜行を防止することができるこのとき駆動伝達
手段を開閉部材の回動軸に近い側に配置したことによ
り、大きくした第1押圧手段の押圧力による反力を、開
閉部材の落下力によって有効に押さえることができる
従って開閉部材の浮きを押さえるために必要な開閉部材
の落下力を最小限にすることができる
【0069】すなわち、部品点数を増加させることな
く、駆動伝達による前記回転体の押圧力の両側での違い
を解消して原稿斜行を防止し、かつ最小限の開閉部材の
開閉力増加をもって開閉部材の操作性を損なうことのな
画像読取装置及びこれを用いた画像形成装置を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一例であるファクシミ
リ装置の構成説明図である。
【図2】画像形成装置の外観説明図である。
【図3】原稿押さえローラ6a周辺の斜視図である。
【図4】原稿押さえローラ周辺の概略断面図であり、図
3の矢視Xからの断面図である。
【図5】原稿押さえローラ周辺の図3の矢視Yからの断
面図である。
【図6】駆動伝達を圧板の回動中心軸に近い側で行う、
原稿押さえローラ押圧力と駆動による押圧力と圧板のつ
りあい説明図である。
【図7】駆動伝達を圧板の回動中心軸に遠い側で行う、
原稿押さえローラ押圧力と駆動による押圧力と圧板のつ
りあい説明図である。
【図8】駆動伝達を圧板の回動中心軸の両側で行う、原
稿押さえローラ押圧力と駆動による押圧力と圧板のつり
あい説明図である。
【図9】駆動伝達の影響がない場合の、原稿押さえロー
ラ押圧力と駆動による押圧力と圧板のつりあい説明図で
ある。
【図10】第2実施形態に係る原稿押さえローラ周辺の
概略断面図である。
【図11】従来技術に係る説明図である。
【符号の説明】
1…フラットベッドスキャナ 1a…原稿台ガラス 1b…フレーム 2…圧板 2a…原稿押さえ板 2b…原稿載置台 2c…スライダ 2d…開閉支持ボス 2e…スライドボス 2f…回転中心軸 3…原稿 4…イメージセンサ 5…原稿搬送部 5a…予備搬送ローラ 5b…原稿給送ローラ 5c…分離片 5d…分離ローラ 5e…原稿給送ローラ 5f…給送コロ 5g…原稿排紙ローラ 5h…原稿排紙コロ 5i…回動支持ボス 5j…開閉ボス 6…読取部 6a…原稿押さえローラ 6b…駆動伝達手段 6b1,6b2,6b3…駆動ギア 6c,6d…揺動アーム 6e…第1押圧バネ 6f…第2押圧バネ 6g…ローラ回転軸中心軸 7…原稿排紙トレイ 8…画像形成手段 9…カセット給紙部 10…手差し給紙部 10a…給紙ローラ 10b…分離パッド 11…画像形成部 11a…感光体ドラム 11b…帯電部材 11c…現像スリーブ 11d…転写ローラ 12…定着部 12a…定着ローラ 12b…加圧ローラ 13…排出ローラ対 14…記録紙排紙トレイ 15…操作部 16…制御部 17…レジストローラ対 18…レーザースキャナー 19…ヒンジ 20…溝 21…装置本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 5/06 G03G 15/00 107

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿支持部材上の原稿を読み取る画像読
    取装置において、 シートを原稿支持部材上へ搬送するための搬送手段と、 前記原稿支持部材上の原稿を読み取るための読取手段
    と、 装置本体に対して回動開閉可能であって、原稿を前記原
    稿支持部材上へ押圧する開閉部材と、 前記開閉部材に揺動可能に取り付けられ、搬送されるシ
    ート原稿を前記原稿支持部材に押さえて回転可能な回転
    体と、 前記回転体の回転軸方向一方側に駆動力を伝達するため
    の駆動伝達手段と、 前記回転体の前記駆動伝達手段を配置した側を前記原稿
    支持部材に押圧する第1押圧手段と、 前記 回転体の回転軸方向他方側を前記原稿支持部材に押
    圧する第2押圧手段と、 を有し、前記 回転体の回転軸は、前記開閉部材の回動軸と直交す
    るように配置し、 前記駆動伝達手段は前記開閉部材の回動軸に近い側に配
    置し 、 前記第1押圧手段による前記回転体への押圧力の方を前
    第2押圧手段による前記回転体への押圧力よりも大き
    くしたことを特徴とする画像読取装置。
  2. 【請求項2】 前記読取手段を前記原稿支持部材に沿っ
    て移動可能に構成し、 前記原稿支持部材に載置した原稿を前記開閉部材によっ
    て原稿支持部材へ押さえると共に、前記読取手段を移動
    させて読み取る原稿静止読取モードと、 シート原稿を原稿支持部材へ搬送すると共に前記回転体
    で原稿支持部材へ押さえて読み取る原稿移動読取モード
    と、 を有し、 前記開閉部材に原稿押さえ部を固定して設けたことを特
    徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  3. 【請求項3】 原稿に記載した画像を読み取るための画
    像読取装置と、 前記画像読取装置によって読み取った画像情報に応じて
    記録媒体に記録する画像形成手段と、 を有し、 前記画像読取装置として前記請求項1乃至請求項2のい
    ずれか1項記載の画像読取装置を用いたことを特徴とす
    る画像形成装置。
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