JP3323403B2 - 自転車用ブレーキ装置 - Google Patents

自転車用ブレーキ装置

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JP3323403B2
JP3323403B2 JP24598196A JP24598196A JP3323403B2 JP 3323403 B2 JP3323403 B2 JP 3323403B2 JP 24598196 A JP24598196 A JP 24598196A JP 24598196 A JP24598196 A JP 24598196A JP 3323403 B2 JP3323403 B2 JP 3323403B2
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    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62LBRAKES SPECIALLY ADAPTED FOR CYCLES
    • B62L1/00Brakes; Arrangements thereof
    • B62L1/02Brakes; Arrangements thereof in which cycle wheels are engaged by brake elements
    • B62L1/06Brakes; Arrangements thereof in which cycle wheels are engaged by brake elements the wheel rim being engaged
    • B62L1/10Brakes; Arrangements thereof in which cycle wheels are engaged by brake elements the wheel rim being engaged by the elements moving substantially parallel to the wheel axis
    • B62L1/14Brakes; Arrangements thereof in which cycle wheels are engaged by brake elements the wheel rim being engaged by the elements moving substantially parallel to the wheel axis the elements being mounted on levers pivotable about different axes

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)
  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキ装置、特
に、アウターケーシングの内部に配置されたインナーケ
ーブルを引くことで、対向する1対のブレーキシューを
車輪に圧接して車輪を制動する自転車用ブレーキ装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】自転車に使用されるシュー圧接形のブレ
ーキ装置は、一般に、アウターケーシングの内部に配置
されたインナーケーブルを引くことで、対向する1対の
ブレーキシューを車輪に圧接して車輪を制動する。この
ようなブレーキ装置では、1対のブレーキリンクがそれ
ぞれフレーム等に揺動自在に取り付けられている。この
各ブレーキリンクのそれぞれに互いに対向するようにシ
ュー取付部が設けられ、さらに、シュー取付部にブレー
キシューが装着されている。またブレーキリンクには、
インナーケーブルの先端やアウターケーシングの先端が
係止されている。ブレーキリンクは、ハンドルに取り付
けられたブレーキレバーを操作してインナーケーブルを
引くことで互いに接近する方向に揺動し、その揺動によ
りブレーキシューが車輪に圧接する。このブレーキシュ
ーの移動量、すなわちブレーキリンクの送り量(揺動す
る量)は、インナーケーブルの引き量に対してほぼ比例
して大きくなる。
【0003】ところで、ブレーキシューと車輪のリム側
面との間には、たとえば数mm程度の隙間が必要であ
る。これは、ブレーキ操作をしてしないときに、リムの
横振れ等によりブレーキシューがリムに接触するのを防
止するためである。このようにブレーキシューと車輪の
リム側面との間に隙間があるため、ブレーキレバーを操
作してから、実際にブレーキシューがリムに当接して制
動を開始するまでにタイムロスが生じる。
【0004】このタイムロスを小さくするために、制動
開始時にブレーキリンクを早送りする早送り機構を備え
たブレーキ装置が知られている(米国特許 No.4,
765,443)。このブレーキ装置は、左右1対のブ
レーキリンクと、リターンスプリングと、両ブレーキリ
ンクの間に配置された早送りカムとを備えている。ブレ
ーキリンクの上端には、カム溝が周面に形成されたロー
ラが装着されており、このカム溝が早送りカムに係合し
ている。ブレーキリンクの下端にはブレーキシューが装
着され、中間に自転車のフォークに設けられた台座に装
着される揺動中心が設けられている。リターンスプリン
グは、各ブレーキリンクをブレーキ解放側に付勢するた
めに設けられている。このリターンスプリングのバネ力
を調整することで、解放位置にある両ブレーキリンクの
揺動バランス(送り量のバランス)を調整でき、両ブレ
ーキリンクの制動開始位置を揃えることができる。早送
りカムは、インナーケーブルに連結されており、インナ
ーケーブルを引くことで上昇する。早送りカムは、それ
ぞれのブレーキリンクのカム溝に係合するカム部を両縁
に有している。このカム部の間隔は、上部から下方にい
くにしたがって徐々に拡がり、かつ途中で拡がり割合が
小さくなっている。
【0005】このような形状のカム部を有する早送りカ
ムを備えたブレーキ装置では、揺動中心の下方にブレー
キシューが装着されるため、ブレーキリンクを開く方向
に揺動させるとブレーキシューが車輪に圧接する。この
ため、インナーケーブルを引いて早送りカムを移動させ
ると、両ブレーキリンクが開き、当初は、インナーケー
ブルの引き量に対するブレーキリンクの開き量(送り
量)が大きく、ブレーキシューがリムの側面に素早く当
接する。そして、カム部の間隔の拡がり割合が小さくな
ると、インナーケーブルの引き量に対するブレーキリン
クの開き量が小さくなり、それに応じてブレーキシュー
のリムへの圧接力が強くなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成では、
強い制動力を得ようとすると、カムの拡がり割合が小さ
い部分の長さを長くしなければ、ブレーキリンクの所定
の送り量が得られない。しかし、現実には、そのように
カムの長さを長くすると、制動開始時に車輪にカムの下
部が接触したり泥の付着等の問題が生じる。このため、
カムの長さを長くして制動力を大きくするには寸法的な
制限があり、前記のようなカム構造により大きな制動力
は得るのは困難である。
【0007】一方、前記従来の構成では、インナーケー
ブルの先端に装着された早送りカムを移動させることに
より、インナーケーブルの引き量の増加に応じて引き量
に対する両ブレーキリンクの開き量の割合、すなわち、
引き量の増加に応じて送り量の増分を変化させている。
このため、解放位置にある両ブレーキリンクの揺動バラ
ンスをリターンスプリングのバネ力の調整によって適切
に調整しても、揺動バランスが途中でくずれることがあ
る。たとえば、制動途中で早送りカムが傾いてその移動
姿勢が変化すると、カム部とカム溝との係合状態が左右
で変化し、両ブレーキリンクの開き量が揃わなくなり揺
動バランスがくずれる。すると、両ブレーキシューのリ
ムへの圧接タイミングがずれ、所望の制動力が得られな
くなるとともに、一方のブレーキシューのみが片減りし
やすい。
【0008】本発明の課題は、送り量変更手段を備えた
ブレーキ装置において、寸法的な制限をあまり受けるこ
となく強力が制動力が得られるとともに、制動操作途中
での両ブレーキリンクの揺動バランスをくずれにくくす
ることにある。
【0009】発明1に係る自転車用ブレーキ装置は、ア
ウターケーシングの内部に配置されたインナーケーブル
を引くことで、対向する1対のブレーキシューを車輪に
圧接して前記車輪を制動する装置であって、第1及び第
2のブレーキリンクと、アウター係止部と、送り量変更
手段と、伝達手段取付部とを備えている。第1及び第2
のブレーキリンクは、リンク本体とリンク本体に設けら
れブレーキシューを取り付けるためのシュー取付部とを
それぞれ有し、ブレーキシューが車輪に圧接・離反する
ように揺動可能である。アウター係止部は、第1ブレー
キリンクに設けられ、アウターケーシングを係止する。
送り量変更手段は、第2ブレーキリンクに装着され、ア
ウター係止部に係止されたアウターケーシングから延び
るインナーケーブルの引きにより第2ブレーキリンクを
揺動させ、かつインナーケーブルの引き量の増加に応じ
て引き量に対する前記第2ブレーキリンクの送り量の割
合を変化させる。伝達手段取付部は、第2ブレーキリン
クの揺動を第1ブレーキリンクに伝達する伝達手段を第
1ブレーキリンクに取り付けるためのものである。そし
て、前記送り量変更手段は、第2ブレーキリンクに偏芯
位置で回動自在に装着され、外周に前記インナーケーブ
ルが巻回される円板部材と、円板部材にインナーケーブ
ルを相対移動不能に係止する係止手段とを有し、前記伝
達手段取付部は、円板部材に相対移動不能に巻回された
インナーケーブルの先端を第1ブレーキリンクに係止す
るインナー係止部を有し、第2ブレーキリンクの揺動
は、円板部材から第1ブレーキリンクに延びるインナー
ケーブルにより第1ブレーキリンクに伝達される。
【0010】このブレーキ装置では、ブレーキレバーを
操作してインナーケーブルを引くと、第2のブレーキリ
ンクが揺動する。このとき、インナーケーブルの引き量
の増加に応じて引き量に対する第2ブレーキリンクの送
り量の割合(以下、引き量に対する第2ブレーキリンク
の送り量の割合を、送り量の増分という)が、たとえば
徐々に小さく(又は大きく)なり、送り量が徐々に少な
くなる(又は多くなる)。この第2ブレーキリンクの作
動は、伝達手段取付部に取り付けられた伝達手段により
第1ブレーキリンクに伝達され、2つのブレーキリンク
が内側に揺動する。
【0011】ここでは、送り量の増分の変更を、両方の
ブレーキリンクではなく片方の第2ブレーキリンクに装
着された送り量変更手段だけで行っているので、最初に
揺動バランスを調整しておけば、制動操作途中で揺動バ
ランスがくずれにくい。しかも、第2ブレーキリンクに
装着された送り量変更手段によりインナーケーブルの引
き量の増加に応じて送り量の増分を変化させ、それを第
1ブレーキリンクに伝達しているので、送り量の増分を
徐々に小さくすれば、カムを用いることなく制動力を徐
々に大きくできる。ここでの制動力の大きさは送り量変
更手段により変更される送り量の増分にのみ依存するの
で、カムのような寸法的な制限は生じない。このため、
寸法的な制限をあまり受けることなく強力な制動力を得
ることができる。また、この場合には、円板部材にイン
ナーケーブルを巻き回して係止し、その先端をインナー
係止部に係止するだけで、簡単に送り量を変更できると
ともに、円板部材の回動開始位置を調整することで、早
送り(送り量の増分を徐々に小さくすること)や遅送り
(送り量の増分を徐々に大きくすること)を自由に選択
でき、かつ送り量の増分の変化の大きさも自由に調整で
きる。
【0012】発明2に係る自転車用ブレーキ装置は、請
求項1に記載の装置において、前記送り量変更手段は、
第2ブレーキリンクの送り量の割合をインナーケーブル
の引き量の増加に応じて徐々に小さくする。この場合に
は、引き量の増加に応じて送り量の増分が小さくなり、
同じ引き量に対して制動開始時に第2ブレーキリンクが
大きく揺動する早送りを実現でき、ブレーキレバーの操
作から制動開始までのタイムロスが少なくなる。しか
も、制動すると徐々に送り量が少なくなるので、制動力
が徐々に大きくなり、制動時に強力な制動力が得られ
る。
【0013】発明3に係る自転車用ブレーキ装置は、発
明1又は2に記載の装置において、前記送り量変更手段
は、アウター係止部に係止されたアウターケーシングか
ら延びるインナーケーブルと伝達手段とが車輪の周方向
に間隔を隔てて配置されるように、第2ブレーキリンク
に装着されている。この場合には、車輪の回転方向にお
ける送り量変更手段の投影面積が小さくなり、車輪に泥
等が付着してもそれが送り量変更手段に付着しにくくな
り、泥つまりやそれによる車輪ロック等の障害が生じに
くくなる。
【0014】
【0015】発明に係る自転車用ブレーキ装置は、発
に記載の装置において、前記円板部材は、偏芯した
1又は複数の回動中心を有する。この場合には、回動中
心を変えることで、引き量の増加に応じて送り量の増分
を大きく変えることができる。発明に係る自転車用ブ
レーキ装置は、発明からのいずれかに記載の装置に
おいて、前記円板部材の回動開始位置を設定する開始位
置設定手段をさらに備える。この場合には、回動開始位
置が設定されるので、インナーケーブルを取り外して再
度取り付けるときに、回動開始位置を調整し直す必要が
なく、送り量の増分を常に同じ大きさに調整できる。
【0016】発明に係る自転車用ブレーキ装置は、発
に記載の装置において、前記開始位置設定手段は、
円板部材を回動方向と逆方向に付勢する付勢部材と、付
勢された円板部材を係止する係止部材とを有する。この
場合には、回動開始位置を簡単な構成で一定に維持でき
る。発明に係る自転車用ブレーキ装置は、アウターケ
ーシングの内部に配置されたインナーケーブルを引くこ
とで、対向する1対のブレーキシューを車輪に圧接して
前記車輪を制動する装置であって、第1及び第2のブレ
ーキリンクと、アウター係止部と、送り量変更手段と、
伝達手段取付部とを備えている。第1及び第2のブレー
キリンクは、リンク本体とリンク本体に設けられブレー
キシューを取り付けるためのシュー取付部とをそれぞれ
有し、ブレーキシューが車輪に圧接・離反するように揺
動可能である。アウター係止部は、第1ブレーキリンク
に設けられ、アウターケーシングを係止する。送り量変
更手段は、第2ブレーキリンクに装着され、アウター係
止部に係止されたアウターケーシングから延びるインナ
ーケーブルの引きにより第2ブレーキリンクを揺動さ
せ、かつインナーケーブルの引き量の増加に応じて引き
量に対する前記第2ブレーキリンクの送り量の割合を変
化させる。伝達手段取付部は、第2ブレーキリンクの揺
動を第1ブレーキリンクに伝達する伝達手段を第1ブレ
ーキリンクに取り付けるためのものである。そして、
記送り量変更手段は、第2ブレーキリンクに回動自在に
装着される装着部と、装着部から第1の距離離れた一方
側に配置されインナーケーブルを係止するケーブル係止
部と、装着部から第2の距離離れた他方側で装着部とケ
ーブル係止部とを結ぶ線上以外の位置に配置され伝達手
段を係止する伝達係止部とを有するレバー部材を含み、
伝達手段は、伝達係止部と伝達手段取付部とを連結す
る。ここでは、送り量の増分の変更を、両方のブレーキ
リンクではなく片方の第2ブレーキリンクに装着された
送り量変更手段だけで行っているので、最初に揺動バラ
ンスを調整しておけば、制動操作途中で揺動バランスが
くずれにくい。しかも、第2ブレーキリンクに装着され
た送り量変更手段によりインナーケーブルの引き量の増
加に応じて送り量の増分を変化させ、それを第1ブレー
キリンクに伝 達しているので、送り量の増分を徐々に小
さくすれば、カムを用いることなく制動力を徐々に大き
くできる。ここでの制動力の大きさは送り量変更手段に
より変更される送り量の増分にのみ依存するので、カム
のような寸法的な制限は生じない。このため、寸法的な
制限をあまり受けることなく強力な制動力を得ることが
できる。また、この場合には、レバー部材という簡単な
構成で送り量を変更できる。
【0017】発明に係る自転車用ブレーキ装置は、発
明1からに記載の装置において、第1及び第2ブレー
キリンクの揺動バランスを調整するバランス調整手段を
さらに備える。この場合には、解放位置にある両ブレー
キリンクの揺動バランスを調整することで、制動時の揺
動バランスも保たれる。発明に係る自転車用ブレーキ
装置は、発明に記載の装置において、前記バランス調
整手段は、両ブレーキリンクをブレーキ解放側に付勢す
る付勢手段と、付勢手段の付勢力を調整する付勢力調整
手段とを有する。この場合には、付勢手段の付勢力を調
整するだけで簡単に解放位置での揺動バランスを一定に
保てる。
【0018】発明10に係る自転車用ブレーキ装置は、
発明1からのいずれかに記載の装置において、第1及
び第2ブレーキリンクは、各リンク本体の基端に自転車
の前又は後のフォークに立設された固定ピンにそれぞれ
回動自在に支持される支持部を有し、かつ各リンク本体
の途中にシュー取付部が設けられた横引き式のカンチレ
バー型のものである。この場合には、横引き式のカンチ
レバー型のブレーキ装置において、両ブレーキリンクの
送り量を制動途中で変更できる。
【0019】発明11に係る自転車用ブレーキ装置は、
発明1からのいずれかに記載の装置において、第1及
び第2のブレーキリンクは、各リンク本体の中間部にそ
れぞれの揺動中心を有し、かつリンク本体の先端側にシ
ュー取付部が設けられた縦引き式のキャリパー型のもの
である。この場合には、縦引き式のキャリパー型のブレ
ーキ装置において、両ブレーキリンクの送り量を制動途
中で変更できる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1及び図2において、本発明の
一実施形態による横引き式のカンチレバー型のブレーキ
装置1は、たとえば前輪用のものであり、前輪2のリム
5の側面5aに圧接して制動作用する。ブレーキ装置1
は、フレーム3のフロントフォーク4に揺動自在に支持
されている。
【0021】フロントフォーク4は、たとえば、エアー
・オイル式またはエラストマー式のサスペンションフォ
ークであり、路面からの衝撃を吸収できるものである。
フロントフォーク4は、左右1対のサスペンション部4
aと、1対のサスペンション部4aを取り付けるための
取付部4bと、サスペンション部4aを補強するための
スタビライザー4cとを有している。スタビライザー4
cは、2股に分かれたほぼ倒立U字状であり、その下端
がサスペンション部4aの途中に固定されており、両下
端に左右1対の台座8a,8bを有している。この台座
8a,8bには、図5に示すように、前方に突出する段
付の固定ピン9a,9b(9aのみ図示)がそれぞれ設
けられている。また、台座8a,8bにはブレーキ装置
1に設けられたブレーキ解放用のねじりコイルバネ(後
述)を係止するための3つの係止孔14h,14m,1
4sが固定ピン9a,9bの中心を中心とする円周上に
設けられている。
【0022】ブレーキ装置1は、図1〜図3に示すよう
に、操作ワイヤー10の先端に連結されている。この操
作ワイヤー10の基端は、ハンドル6に設けられたブレ
ーキレバー7に基端が連結されている。また、操作ワイ
ヤー10は、ブレーキレバー7に基端が係止されたイン
ナーケーブル10aと、ブレーキレバー7の取付フレー
ムに係止され、インナーケーブル10aが内部で移動す
るアウターケーシング10bとを有している。
【0023】ブレーキ装置1は、揺動する左右1対のブ
レーキリンク12a,12bを有している。ブレーキリ
ンク12a,12bの途中には、ブレーキシュー13
a,13bがその取付角度を調整可能に対向して取り付
けられている。ブレーキリンク12a,12bは、上方
に延び、裏面が肉抜きされた板状のリンク本体15a,
15bをそれぞれ有している。リンク本体15a,15
bの基端部には、台座8a,8bから延びる固定ピン9
a,9bに回動自在に支持される回動支持部16a,1
6bが設けられている。また、中間部には、ブレーキシ
ュー13a,13bを取り付けるためのシュー取付部1
7a,17bが設けられている。
【0024】リンク本体15bの先端には、横向きに配
置される連結リンク18が揺動自在に装着されている。
連結リンク18の先端には回動軸25が装着されてお
り、回動軸25には、偏芯滑車19が回動自在に装着さ
れている。偏芯滑車19は、図6及び図7に示すよう
に、外周にインナーケーブル10aが巻回可能な溝20
を有している。偏芯滑車19の前面には、溝20に巻回
されたインナーケーブル10aの滑り止めのための六角
穴付止めネジ21装着用の8個のネジ孔22が周方向に
等間隔に形成されている。ネジ孔22は、前面から溝2
0まで貫通して形成されている。この8個のネジ孔22
のいずれか1又は複数に六角穴付止めネジ21がねじ込
まれてインナーケーブル10aを溝20に相対移動不能
に係止している。偏芯滑車19には、中心孔19aが形
成されるとともに、異なる半径位置に偏芯した3つの回
動中心孔19b〜19dが形成されている。このような
偏芯した複数の回動中心孔19b〜19dを設けること
で、インナーケーブルの引き量の増加に応じてブレーキ
リンク12a,12bの送り量の増分及び制動力の増分
の特性を大きく変えることができる。
【0025】リンク本体15aの先端には、図2に示す
ように、インナーケーブル10aを係止する第2係止部
28が設けられている。第2係止部28の下方には、第
2係止部28と僅かに間隔を隔ててアウターケーシング
10bを係止する第1係止部27が形成されている。第
2係止部28は、リンク本体15aの先端にねじ込まれ
る丸頭ネジ28aと、インナーケーブル10a係止用の
ワッシャ28bとを有している。第1係止部27は、リ
ンク本体15aに左右にあけられた座ぐり孔27aを有
している。第1係止部27に係止されたアウターケーシ
ング10bから突出したインナーケーブル10aは、偏
芯滑車19の溝20により巻回されて第2係止部28に
案内され、固定されている。これにより、第2ブレーキ
リンク12bの揺動が第1ブレーキリンク12aに伝達
される。このような偏芯滑車19を設けることで、ブレ
ーキリンク12a,12bの送り量の増分を引き量の増
加に応じて変更できる。
【0026】ここで、前記のような偏芯滑車19を用い
た場合のインナーケーブルの引き量xと第2ブレーキリ
ンク12bの送り量(両ブレーキリンクの間隔Lの変化
量)yとの関係を、図8に示すモデル図を参照して説明
する。このモデル図では、偏芯滑車19の半径をR、偏
芯半径をP、回転角度をA(ラジアン)として、引き量
xと送り量yとの関係を考える。なお、回転開始位置
は、偏芯滑車19の中心孔19aが回動軸25の真上に
配置された位置とする。
【0027】ここで、送り量yは引き量xに対して、下
記式の関係にある。 y=(x/2)+P×sinA x=R×A 従って上記2つの式より y=(x/2)+P×sin(x/R) この数式の関係をグラフ化したものが図9である。図9
では、縦軸に送り量yを、横軸に引き量xをそれぞれと
っており、偏芯滑車19の半径Rを12mmとしてい
る。ここでは、偏芯半径Pが0mm,5.6mm,12
mmのときの両者の関係をそれぞれグラフ化している。
このグラフ及び数式から明らかなように、偏芯半径Pが
6mmまでの場合、180度の回転角度までは引き量x
の増加に対して送り量yの増加が徐々に減少し、180
度以降は逆に徐々に増加する。また、偏芯半径Pが6m
m(半径Rの半分)を超えると、180度の前後で2つ
のピークが発生する。この2つのピークの間隔は、偏芯
半径Pの増加に応じて徐々に大きくなる。そして、最初
のピーク前までと後のピーク後とでは前述の傾向が顕著
になり、2つのピークの間では引き量の増加に対して送
り量が減少する。
【0028】このような偏芯半径P毎の特性カーブから
最適なカーブ及びその回転開始位置をセットすること
で、早送りか遅送りかの選択や、その送り量の増分を任
意に調節することができる。たとえば、回動軸25を中
心孔19aの図6右側に配置すると、回動開始位置が図
9のグラフで0〜180度の位置にセットされたことに
なる。したがって、偏芯半径Pが6mm以下のときに
は、180度までは引き量xの増加に応じて送り量の増
分(y/x)が徐々に小さくなり、180度を超えると
大きくなる。偏芯半径Pが6mmを超えると2つのピー
クが現れ、前述したようにピークの前後では同様な傾向
になり、ピークの間では引き量の増加に対して送り量が
減少する。このため、早送りしたい場合には、偏芯半径
Pが半径Rの半分以下のときには、回動開始位置と回動
終了位置とが0〜180度の範囲となるように設定すれ
ばよい。また、偏芯半径Pが半径Rの半分を超えるとき
には、回動終了位置が前側のピーク前となるように回動
開始位置を設定すればよい。なお、本実施形態では、偏
芯半径Pを5.6mmに設定するとともに、回動開始位
置を60度の位置に設定し、回動終了位置を120度の
位置に設定した。
【0029】逆に遅送りしたい場合には、偏芯半径Pが
半径Rの半分以下のとき、回動軸25を中心孔19aの
図6左側に配置し、回動開始位置と回動終了位置とが図
9のグラフで180〜360度の範囲になるようにセッ
トすればよい。また、偏芯半径Pが半分以上のときに
は、回動開始位置が後側のピーク後となるように回動終
了位置を設定すればよい。なお、これらの回動開始位置
の調整は、第2係止部28に係止されるインナーケーブ
ル10aの係止位置及び六角穴付止めネジ21の装着位
置を適宜変更することで行うことができる。
【0030】回動支持部16a,16bは、図3(b側
のみ図示)に示すように、リンク本体15a,15bの
基端にカシメ固定され固定ピン9a,9bに嵌め込まれ
た筒状のブッシュ31a,31bと、ブッシュ31a,
31bの外周に固定された底付円筒状のバネカバー32
a,32bとを有している。バネカバー32a,32b
とブッシュ31a,31bとの間には筒状の空間33
a,33bが形成されており、この空間33a,33b
内にはブレーキリンク12a,12bをブレーキ解放側
に付勢するねじりコイルバネ35a,35bが収納され
ている。
【0031】ねじりコイルバネ35a,35bの後端3
6a,36bは、図5(a側のみ図示)に示すように、
台座8a,8bに設けられた3つの係止孔14h〜14
sのいずれか一つに係止される。この係止孔14h〜1
4sへの係止位置を変更することで、ブレーキの解放側
への力の強さを3段階に調整できる。また、前端(図示
せず)は、バネカバー32a,32bの底部に係止され
ている。なお、両ブレーキリンク12a,12bのねじ
りコイルバネ35a,35b前端の係止位置は、バネカ
バー32a,32bの外側面にネジ込まれたバネ調整ネ
ジ37a,37bにより固定ピン9a,9bの周方向に
移動可能である。このバネ調整ネジ37a,37bによ
りねじりコイルバネ35a,35b前端の係止位置を移
動させ、バネ力を調節することで、両ブレーキリンク1
2a,12bの解放位置での揺動バランスを調整でき
る。
【0032】バネカバー32a,32bの後方には、ね
じりコイルバネ35a,35bの後端をカバーするバネ
キャップ38a,38bが回動自在に装着されている。
また、バネキャップ38a,38bの底面にはねじりコ
イルバネ35a,35bの後端36a,36bが貫通す
る貫通穴42a,42b(図5ではa側のみ図示)が形
成されており、ねじりコイルバネ35a,35bの後端
を係止可能である。
【0033】シュー取付部17a,17bは、図3及び
図4に示すように、リンク本体15a,15bの下部中
央内側から後方に延びて形成されたシュー取付ブラケッ
ト40a,40bを有している。シュー取付ブラケット
40a,40bには、ブレーキシュー13a,13bが
装着される長孔45a,45bが形成されている。ブレ
ーキシュー13a,13bは、図4に示すように、長孔
45a,45bに挿入されている。ブレーキシュー13
a,13bは、ゴム製のシュー本体60a,60bと、
シュー本体60a,60bの長手方向の略中心部から外
方に延びるシュー取付ピン61a,61bとをそれぞれ
有している。シュー取付ピン61a,61bの先端には
雄ネジが形成されており、雄ネジに螺合するナット62
a,62bによりブレーキシュー13a,13bがシュ
ー取付ブラケット40a,40bに固定されている。ナ
ット62a,62bとシュー取付ブラケット40a,4
0bとの間及びシュー本体60a,60bとシュー取付
ブラケット40a,40bとの間には、球面の一部をな
す凸面を有する凸ワッシャ63a,63bと、凸面に係
合する凹面を有する凹ワッシャ64a,64bとが配置
されている。ここでは、凸ワッシャ63a,63b及び
凹ワッシャ64a,64bを介在させてシュー取付ブラ
ケット40a,40bの長孔45a,45b内でブレー
キシュー13a,13bを締結することで、ブレーキシ
ュー13a,13bの上下位置及び傾きをリム5の側面
5aの位置及び傾きに合わせて自在に調整できる。
【0034】このブレーキシュー13a,13bはブレ
ーキリンク12a,12bのフロントフォーク4側(後
方)に配置されているので、フロントフォーク4との距
離が近くなり、ブレーキシュー13a,13bに作用す
るリム5からの反力によるモーメントが小さくなる。こ
のため、比較的ねじり剛性が弱いサスペンションフォー
クを用いてもフォークのねじれによるブレーキ力の低下
が生じにくい。また、シュー本体60a,60b自体の
厚みが薄いのでシュー本体60a,60bのブレーキ時
の撓み変形も少なくなりブレーキ力の低下がより少なく
なる。
【0035】次に、ブレーキ装置1の制動時の動作につ
いて説明する。ブレーキレバー7が操作されると、イン
ナーケーブル10aがアウターケーシング10b内に引
っ張られる。インナーケーブル10aが引っ張られる
と、その引き量xの増加に応じて送り量yの増分(y/
x)が変化しつつ第2ブレーキリンク12bが揺動す
る。すると、その揺動がインナーケーブル10aにより
第1ブレーキリンク12aに伝達され、両ブレーキリン
ク12a,12bが送り量yでねじりコイルバネ35
a,35bの付勢力に抗してそれぞれ閉じる方向に揺動
する。このとき、早送りに設定すると、インナーケーブ
ル10aの引き量xの増加に応じて送り量yの増分(y
/x)が徐々に小さくなり、最初は早送りされるので、
シュー本体60a,60bが素早くリム5の側面5aに
当接する。また、送り量yの変更を、第2ブレーキリン
ク12bに装着された偏芯滑車19だけで行っているの
で、ねじりコイルバネ35a,35bの付勢力をバネ調
整ネジ37a,37bにより調整し、両ブレーキリンク
12a,12bの解放位置での揺動バランスを適切に調
整すれば、途中で揺動バランスが崩れることはない。ま
た、第2ブレーキリンク12bに装着された偏芯滑車1
9の偏芯半径及び回動開始位置により送り量の増分を自
由に調整できるので、送り量の増分を小さくすることで
強力な制動力を得ることができる。
【0036】ブレーキシュー13a,13bのシュー本
体60a,60bがリム5の側面5aに当接すると、制
動力が発生する。このとき発生する制動力は、送り量の
増分(y/x)に反比例するので、引き量xの増加に応
じて徐々に増加する。しかし、制動力が増加してもイン
ナーケーブル10aに作用する張力は一定でよく、ブレ
ーキレバー7を操作する力が小さくても制動後半で強力
な制動力が得られ、ブレーキ操作に要する労力を低減で
きる。このため、ダウンヒルレースのように頻繁にブレ
ーキ操作を行う場合にも、握力の低下によるブレーキ操
作ミスを低減できる。
【0037】また、ブレーキレバー7を解除するとイン
ナーケーブル10aが緩み、ねじりコイルバネ35a,
35bの付勢力により、ブレーキリンク12a,12b
が開く方向に揺動し、ブレーキシュー13a,13bの
シュー本体60a,60bの先端がリム5の側面5a
ら離れ制動が解除される。このように、回動中心を偏芯
させ、かつインナーケーブル10aを移動不能に係止す
ることで、インナーケーブルの引き量(ケーブルストロ
ーク)xの増加に応じて送り量yの増分(y/x)を自
由に調整できる。このため、早送りや遅送りを自由に設
定でき、かつそれにより、制動力も自由に調整できる。
【0038】〔他の実施形態〕 (a) 前記実施形態では、インナーケーブル10aの
第2係止部28への係止位置により回動開始位置を設定
したが、図10に示すように回動開始位置を設定する機
構を偏芯滑車19に設けてもよい。偏芯滑車19の前面
には、連結リンク18に係止される突出ピン19eが設
けられている。この突出ピン19eは、偏芯滑車19を
回動開始位置に配置するためのものであり、回動開始位
置で偏芯滑車19の回動方向と逆方向の回転を規制す
る。また、連結リンク18と偏芯滑車19の前面との間
の隙間で回動軸25の周囲には、ねじりバネ19fが配
置されている。ねじりバネ19fは、一端が偏芯滑車1
9の前面に、他端が連結リンク18にそれぞれ係止され
ており、偏芯滑車19を回動方向と逆方向に付勢する。
このような構成により、偏芯滑車19は、回動開始時に
常に同じ姿勢を維持する。このため、インナーケーブル
を取り外した後に再度取り付けるとき、その都度回動開
始位置を調整し直す必要がなく、送り量の増分(y/
x)を常に同じ大きさに調整できる。
【0039】(b) 連結リンク18に偏芯滑車19を
装着する代わりに、図11に示すように、リンク本体1
5bの先端に2股のブラケット26を形成し、ブラケッ
ト26内に偏芯滑車19を装着してもよい。この場合に
は、偏芯滑車19と車輪との間の空間が広くなり、泥つ
まり等が生じにくくなるとともに、偏芯滑車19がリム
5に干渉しにくくなる。
【0040】(c) 偏芯滑車19を、図12に示すよ
うに、第2ブレーキリンク12bの揺動軸と直交する軸
回りに回動自在に装着し、偏芯滑車19に巻回されるイ
ンナーケーブル10aが車輪の周方向に間隔を隔てて配
置されるようにしてもよい。連結リンク18aは、ほぼ
横軸回りに揺動自在にリンク本体15aの先端に連結さ
れており、連結リンク18の先端に偏芯滑車19がほぼ
縦軸回りに回動自在に支持されている。第1係止部27
と第2係止部(図示せず)とは、車輪の周方向に間隔を
隔てて配置されている。他の構成及び動作は前記実施形
態と同様であるので説明を省略する。
【0041】この場合には、車輪とインナーケーブル1
0aとの間隔が広くなるとともに、偏芯滑車19の車輪
の径方向の面積が小さくなるので、車輪に付着した泥が
偏芯滑車19に付着しにくくなり、そこでの泥詰まりや
それによる車輪ロックが生じにくくなる。 (d) 図13に示すように、カンチレバー型のブレー
キ装置に代えてキャリパー型ブレーキ装置1aに偏芯滑
車19を装着してもよい。図12において、キャリパー
型ブレーキ装置1aは、ゲート部100と、ゲート部1
00の先端に揺動自在に連結されたアウターブレーキリ
ンク101aと、ゲート部100の基端に揺動自在に連
結されたインナーブレーキリンク101bと、両ブレー
キリンク101a,101bをブレーキ解放側に付勢す
る付勢部材(図示せず)とを有している。
【0042】ゲート部100は棒状の部材であり、基端
が自転車の前又は後フォークに装着ボルト103により
装着されている。この装着ボルト103によりインナー
ブレーキリンク101bが揺動自在に支持されている。
アウターブレーキリンク101aは、概ねC字状のリン
ク本体104aと、リンク本体104aの先端に設けら
れたシュー取付部105aとを有している。また、途中
にはゲート部100の先端に装着された支持ボルト10
7の支持部108が設けられている。このアウターブレ
ーキリンク101aのリンク本体104aの基端にブラ
ケット109が形成されており、このブラケット109
に偏芯滑車19が装着されている。
【0043】インナーブレーキリンク101bは、概ね
Y字状のリンク本体104bと、リンク本体104bの
一方の先端に設けられたシュー取付部105bとを有し
ている。リンク本体104bの基端(上端)には、アウ
ターケーシング10bを係止する第1係止部27とイン
ナーケーブル10aを係止する第2係止部28とが並べ
て配置されている。
【0044】シュー取付部105a,105bには、ブ
レーキシュー13a,13bが装着されている。このよ
うな構成のキャリパー型のブレーキ装置1aにおいて
も、ブレーキレバーが操作されると、インナーケーブル
10aがアウターケーシング10b内に引っ張られ、両
ブレーキリンク101a,101bが付勢部材の付勢力
に抗して閉じる方向に揺動する。このときも引き量の増
加に応じて送り量の増分(y/x)が変化する。そし
て、それぞれブレーキシュー13a,13bがリム5の
側面5aに当接すると制動力が発生する。
【0045】(e) 送り量変更手段は、引き量の増加
に応じて送り量の増分を変化させることができるもので
あれば偏芯滑車19である必要はなく、図14に示すよ
うな回動レバー70であってもよい。回動レバー70
は、回動中心で折れ曲がった形状である。回動レバー7
0は、第2ブレーキリンク12bに連結リンク18を介
して回動自在に装着される装着部70aと、装着部70
aから距離d1離れた一方側に配置されインナーケーブ
ル10aを係止するケーブル係止部70bと、装着部7
0aから距離d2離れた他方側で装着部70aとケーブ
ル係止部70bとを結ぶ線上以外の位置に配置されたリ
ンク係止部70cとを有している。リンク係止部70c
には、伝達リンク72の一端が揺動自在に連結されてい
る。第1ブレーキリンクの先端には、伝達リンク72の
他端を揺動自在に取り付けるためのリンク取付部73が
設けられている。
【0046】この実施形態では、装着部70aからイン
ナーケーブル10aまでの最短距離r1と装着部70a
から伝達リンク72間での最短距離r2とが回動レバー
70の回動位置によって変化するので、引き量の増加に
応じて送り量の増分(y/x)が変化する。このような
構造の送り量変更手段でも上記偏芯滑車と同様な効果が
得られる。
【0047】(f) 前ブレーキに代えて後ブレーキに
も本発明を適用できる。
【0048】
【発明の効果】本発明に係る自転車用ブレーキ装置で
は、送り量の増分の変更を、両方のブレーキリンクでは
なく片方の第2ブレーキリンクに装着された送り量変更
手段だけで行っているので、最初に揺動バランスを調整
しておけば、制動操作途中で揺動バランスがくずれにく
い。しかも、第2ブレーキリンクに装着された送り量変
更手段によりインナーケーブルの引き量の増加に応じて
送り量の増分を変化させ、それを第1ブレーキリンクに
伝達しているので、送り量の増分を徐々に小さくすれ
ば、カムを用いることなく制動力を徐々に大きくでき
る。ここでの制動力の大きさは送り量変更手段により変
更される送り量の増分にのみ依存するので、カムのよう
な寸法的な制限は生じない。このため、寸法的な制限を
あまり受けることなく強力な制動力を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用した自転車前部の側
面図。
【図2】ブレーキ装置の正面図。
【図3】ブレーキ装置の縦断面図。
【図4】図2のIV−IV断面図。
【図5】ブレーキ装置の斜視部分図。
【図6】偏芯滑車の正面拡大図。
【図7】偏芯滑車の平面拡大図。
【図8】送り量と引き量との関係を説明するモデル図。
【図9】送り量と引き量との関係を示すグラフ。
【図10】他の実施形態の図2に相当する図。
【図11】他の実施形態の図2に相当する図。
【図12】他の実施形態の図2に相当する図。
【図13】他の実施形態によるブレーキ装置の正面図。
【図14】他の実施形態の図2に相当する図。
【符号の説明】
1,1a ブレーキ装置 2 車輪 4 フロントフォーク 9a,9b 固定ピン 10 操作ワイヤ 10a インナーケーブル 10b アウターケーシング 12a,12b,101a,101b ブレーキリンク 13a,13b ブレーキシュー 15a,15b,104a,104b リンク本体 16a,16b 回動支持部 17a,17b,105a,105b シュー取付部 18 連結リンク 19 偏芯滑車 19e 突出ピン 19f ねじりバネ 22 六角穴付止めネジ 35a,35b ねじりコイルバネ 70 回動レバー 70a 装着部 70b ケーブル係止部 70c リンク係止部 72 伝達リンク
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−52739(JP,A) 特開 平3−79485(JP,A) 実開 昭51−22248(JP,U) 実開 昭50−42455(JP,U) 実開 昭53−101655(JP,U) 実開 昭59−124787(JP,U) 特公 昭48−30303(JP,B1) 実公 昭48−19229(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62L 1/14 - 1/16

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アウターケーシングの内部に配置されたイ
    ンナーケーブルを引くことで、対向する1対のブレーキ
    シューを車輪に圧接して前記車輪を制動する自転車用ブ
    レーキ装置であって、 リンク本体と前記リンク本体に設けられ前記ブレーキシ
    ューを取り付けるためのシュー取付部とをそれぞれ有
    し、前記ブレーキシューが前記車輪に圧接・離反するよ
    うに揺動可能な第1及び第2のブレーキリンクと、 前記第1ブレーキリンクに設けられ、前記アウターケー
    シングを係止するアウター係止部と、 前記第2ブレーキリンクに装着され、前記アウター係止
    部に係止されたアウターケーシングから延びるインナー
    ケーブルの引きにより前記第2ブレーキリンクを揺動さ
    せ、かつ前記インナーケーブルの引き量の増加に応じて
    前記引き量に対する前記第2ブレーキリンクの送り量の
    割合を変化させる送り量変更手段と、 前記第2ブレーキリンクの揺動を前記第1ブレーキリン
    クに伝達する伝達手段を前記第1ブレーキリンクに取り
    付けるための伝達手段取付部とを備え、前記送り量変更手段は、前記第2ブレーキリンクに偏芯
    位置で回動自在に装着され、外周に前記インナーケーブ
    ルが巻回される円板部材と、前記円板部材に前記インナ
    ーケーブルを相対移動不能に係止する係止手段とを有
    し、 前記伝達手段取付部は、前記円板部材に相対移動不能に
    巻回されたインナーケーブルの先端を前記第1ブレーキ
    リンクに係止するインナー係止部を有し、 前記第2ブレーキリンクの揺動は、前記円板部材から前
    記第1ブレーキリンクに延びるインナーケーブルにより
    前記第1ブレーキリンクに伝達される、 自転車用ブレー
    キ装置。
  2. 【請求項2】前記送り量変更手段は、前記第2ブレーキ
    リンクの送り量の割合を前記インナーケーブルの引き量
    の増加に応じて徐々に小さくする、請求項1に記載の自
    転車用ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】前記送り量変更手段は、前記アウター係止
    部に係止されたアウターケーシングから延びるインナー
    ケーブルと前記伝達手段とが前記車輪の周方向に間隔を
    隔てて配置されるように、前記第2ブレーキリンクに装
    着されている、請求項1又は2に記載の自転車用ブレー
    キ装置。
  4. 【請求項4】前記円板部材は、偏芯した1又は複数の回
    動中心を有する、請求項に記載の自転車用ブレーキ装
    置。
  5. 【請求項5】前記円板部材の回動開始位置を設定する開
    始位置設定手段をさらに備える、請求項1から4のいず
    れかに記載の自転車用ブレーキ装置。
  6. 【請求項6】前記開始位置設定手段は、前記円板部材を
    回動方向と逆方向に付勢する付勢部材と、前記付勢され
    た円板部材を係止する係止部材とを有する、請求項
    記載の自転車用ブレーキ装置。
  7. 【請求項7】アウターケーシングの内部に配置されたイ
    ンナーケーブルを引くことで、対向する1対のブレーキ
    シューを車輪に圧接して前記車輪を制動する自転車用ブ
    レーキ装置であって、 リンク本体と前記リンク本体に設けられ前記ブレーキシ
    ューを取り付けるためのシュー取付部とをそれぞれ有
    し、前記ブレーキシューが前記車輪に圧接・離反するよ
    うに揺動可能な第1及び第2のブレーキリンクと、 前記第1ブレーキリンクに設けられ、前記アウターケー
    シングを係止するアウター係止部と、 前記第2ブレーキリンクに装着され、前記アウター係止
    部に係止されたアウターケーシングから延びるインナー
    ケーブルの引きにより前記第2ブレーキリンクを揺動さ
    せ、かつ前記インナーケーブルの引き量の増加に応じて
    前記引き量に対する前記第2ブレーキリンクの送り量の
    割合を変化させる送り量変更手段と、 前記第2ブレーキリンクの揺動を前記第1ブレーキリン
    クに伝達する伝達手段を前記第1ブレーキリンクに取り
    付けるための伝達手段取付部とを備え、 前記送り量変更手段は、前記第2ブレーキリンクに回動
    自在に装着される装着部と、前記装着部から第1の距離
    離れた一方側に配置され前記インナーケーブルを係止す
    るケーブル係止部と、前記装着部から第2の距離離れた
    他方側で前記装着部と前記ケーブル係止部とを結ぶ線上
    以外の位置に配置され前記伝達手段を係止する伝達係止
    部とを有するレバー部材を含み、 前記伝達手段は、前記伝達係止部と前記伝達手段取付部
    とを連結する、自転車用ブレーキ装置。
  8. 【請求項8】前記第1及び第2ブレーキリンクの揺動バ
    ランスを調整するバランス調整手段をさらに備える、請
    求項1からのいずれかに記載の自転車用ブレーキ装
    置。
  9. 【請求項9】前記バランス調整手段は、前記両ブレーキ
    リンクをブレーキ解放側に付勢する付勢手段と、前記付
    勢手段の付勢力を調整する付勢力調整手段とを有する、
    請求項に記載の自転車用ブレーキ装置。
  10. 【請求項10】前記第1及び第2ブレーキリンクは、前
    記各リンク本体の基端に自転車の前又は後のフォークに
    立設された固定ピンにそれぞれ回動自在に支持される支
    持部を有し、かつ各リンク本体の途中に前記シュー取付
    部が設けられた横引き式のカンチレバー型のものであ
    る、請求項1からのいずれかに記載の自転車用ブレー
    キ装置。
  11. 【請求項11】前記第1及び第2のブレーキリンクは、
    前記各リンク本体の中間部にそれぞれの揺動中心を有
    し、かつ前記リンク本体の先端側に前記シュー取付部が
    設けられた縦引き式のキャリパー型のものである、請求
    項1からのいずれかに記載の自転車用ブレーキ装置。
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