JP3320262B2 - 走査露光装置及び方法並びにそれを用いたデバイス製造方法 - Google Patents

走査露光装置及び方法並びにそれを用いたデバイス製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は走査露光装置及び方
法並びにそれを用いたデバイス製造方法に関し、特には
半導体装置や液晶表示パネル等のデバイスの製造工程に
おいて、マスク上のパターンを感光基板上に走査投影露
光する走査露光装置及び方法並びにそれを用いたデバイ
ス製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、微細なパターンを使用している半
導体装置(素子)や液晶表示パネル等のデバイスを製造
するためのフォトリソグラフィー工程では、レチクルと
呼ばれるマスクのパターンをウエハ等の半導体基板やガ
ラス基板上に塗布されている感光層(例えばフォトレジ
スト)に露光し転写する逐次移動式露光装置、所謂“ス
テッパ”が使用されている。
【0003】ここ数年は、DRAM等の集積率を高め
る、また歩留を高める等の半導体デバイスメーカーの要
求に応えるため、ステッパメーカーは、転写パターンの
微細化と大画面化の方向で投影光学系を開発してきた。
しかし、パターンの微細化と大画面化が進むにつれ、投
影光学系の設計や生産難易度が高まるという問題を生ん
でいる。
【0004】現在、微細化に対する一つの解として、露
光光源の短波長化が挙げられる。今迄主流であった超高
圧水源ランプの輝線であるi線(波長λ=365nm)
に代わり、256MDRAMにおいてはエキシマレーザ
ー(波長λ=248nm)が導入されようとしている。
【0005】それに対し上述の問題を解決する他の一つ
の方法として、マスクとウエハを投影光学系の倍率に応
じた速度比で互いに逆方向に走査しながら露光を行う露
光装置が提案されている。
【0006】この方法だと、例えばステッパは22×2
2mmの露光領域に対し、走査露光装置では露光領域が
26×33mmとなり、14×25mm位の大きさであ
る初期の256MDRAMなら1ショットで1チップ取
り、11×20mm位の大きさである256MDRAM
のシュリンク版なら3チップ取りが可能となる。また6
4MDRAMを4個つなげ256MDRAMにするマル
チチップなる手法も提案されており、1ショットに数チ
ップを作成するという手法は今後も半導体素子製造に多
用される。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】ところで、ウエハ
を無駄なく利用するためには、ウエハ全面にパターンの
露光を行うことが有効である。この場合には、例えば2
56MDRAMシュリンク版だと全面露光しない場合と
比較し、数チップ多く生産できることになる。ウエハ全
面にパターンの露光を行う場合、図11に示すウエハ4
の斜線部Sは、ウエハ4の縁がかかっているため、例え
ここにパターン転写を行ったとしても素子として利用す
ることができない。
【0008】それにもかかわらず、上述の走査露光装置
でウエハ全面にパターンの露光を行う場合には、走査時
間が無駄となり、スループットを落とす原因となる。更
に、半導体素子として利用できないウエハ領域を余分に
露光することにより、光源の寿命が意味無く減ってしま
うという問題もある。特にエキシマレーザーのような高
価な光源を露光用光源として利用する場合には、そのパ
ルス寿命が減少してしまうということは特に大きな問題
となる。
【0009】また、1ショット単位で露光をする場合に
は、フォーカスの測定も1ショット単位で行わなければ
ならず、ウエハ周辺の基板のなくなる部分の取扱が複雑
化してしまう。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
ので、その目的は感光基板上に高いスループットで無駄
なくパターンを転写できる走査露光装置及び方法並びに
デバイス製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の走査露光装置は、原画パターンが形成され
たマスクを保持して走査方向に沿って往復移動可能なマ
スクステージと、前記原画パターンを所定の倍率で感光
基板上に投影する投影光学系と、前記感光基板を保持し
て前記走査方向に沿って往復移動可能な基板ステージと
を備え、前記マスクステージと前記基板ステージを前記
所定の倍率に応じた速度比で同時に移動させることによ
って前記原画パターンを前記感光基板上に露光する走査
露光装置において、前記感光基板上のチップレイアウト
を前記原画パターンのチップ構成、チップサイズの情報
から決定し、その決定されたチップレイアウトに応じて
一括走査を行う回数(ショット回数)が最小になるよう
に前記一括走査領域(ショット領域)を決める機能を有
することを特徴としている。また、前記決定されたチッ
レイアウトと前記一括走査領域は走査露光に先立って
予め記録され、その記録に従ってステップアンドスキャ
ン露光を実行すると好ましい。また、前記マスク近傍あ
るいは前記マスクの共役面に前記走査方向に沿って往復
移動可能な遮光板を設け、前記遮光板は前記原画パター
ンを前記感光基板上に走査露光する時、前記マスク上の
露光領域境界と共に前記マスクとの倍率に応じた速度比
で同時に移動すると好ましい。
【0012】また、操作露光方法であって、原画パター
ンが形成されたマスクを保持して走査方向に沿って往復
移動可能なマスクステージと、前記原画パターンを所定
の倍率で感光基板上に投影する投影光学系と、前記感光
基板を保持して前記走査方向に沿って往復移動可能な基
板ステージとを備え、前記マスクステージと前記基板ス
テージを前記所定の倍率に応じた速度比で同時に移動さ
せることによって前記原画パターンを前記感光基板上に
露光する走査露光方法において、前記感光基板上のチッ
プレイアウトを前記原画パターンのチップ構成、チップ
サイズの情報から決定し、その決定されたチップレイア
ウトに応じて一括走査を行う回数(ショット回数)が最
小になるように前記一括走査領域(ショット領域)を決
め走査露光を行う工程を有することを特徴としている。
また、前記決定されたチップレイアウトと前記一括走査
領域は走査露光に先立って予め記録され、その記録に従
ってステップアンドスキャン露光を実行すると好まし
い。
【0013】また、デバイスの製造方法であって、原画
パターンが形成されたマスクを保持して走査方向に沿っ
て往復移動可能なマスクステージと、前記原画パターン
を所定の倍率で感光基板上に投影する投影光学系と、前
記感光基板を保持して前記走査方向に沿って往復移動可
能な基板ステージとを備え、前記マスクステージと前記
基板ステージを前記所定の倍率に応じた速度比で同時に
移動させることによって前記原画パターンを前記感光基
板上に露光することによってデバイスを製造する方法に
おいて、前記感光基板上のチップレイアウトを前記原画
パターンのチップ構成、チップサイズの情報から決定
し、その決定されたチップレイアウトに応じて一括走査
を行う回数(ショット回数)が最小になるように前記一
括走査領域(ショット領域)を決める工程を有すること
を特徴としている。また、前記決定されたチップレイア
ウトと前記一括走査領域は走査露光に先立って予め記録
され、その記録に従ってステップアンドスキャン露光を
実行すると好ましい。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【作用】本発明によると、走査露光において、ウエハ周
辺での露光を1ショット分行うのではなく、取れるチッ
プ分のみ露光するようになる。また、上記のマルチチッ
プの場合には、例えば256MDRAMにおいては、6
4MDRAM分を1チップ分と見なして露光を行なうよ
うにすることができる。
【0018】そのためには、チップの構成やサイズを踏
まえ、一番多くチップが取れるようにレイアウト設計を
行なえば良い。そして、その領域を走査露光する際、例
えば1ショット3チップのうち1チップのみ露光する場
合には、露光のための走査を1チップ分のみ行ない、そ
れ以上は走査しない。これにより、余計な領域の走査が
省けるため、スループットを向上することができ、且つ
不必要な露光も防止できるため、光源の寿命もその分伸
びる。
【0019】また、ウエハ周辺におけるフォーカスの測
定も、ウエハ外の露光領域が存在しないため、必ず基板
上で測定が行なわれる。従って、周辺における特別な取
扱は無くなり、それに伴う測定エラーも減少する。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係わる投影露光装
置の一実施例を示すものであり、この実施例はステップ
アンドリピート方式でウエハの移動と露光を繰り返すと
共に、ウエハ上の各ショットの露光を走査露光により行
う所謂ステップアンドスキャン方式の投影露光装置を示
している。
【0021】図1において、1は投影光学系となる縮小
投影レンズであり、その光軸AXは図中のXYZ座標系
のZ軸方向に平行とされ、またその像面はZ軸方向と垂
直な関係にある。マスクとなるレチクル2はレチクルス
テージ3上に保持され、レチクル2のパターンは縮小投
影レンズ1の倍率で1/4ないし1/2に縮小投影さ
れ、その像は縮小投影レンズ1の像面に形成される。
【0022】4は感光基板となる表面にフォトレジスト
が塗布された半導体ウエハであり、先の露光工程で形成
された多数個の被露光領域(以降ショット領域と呼ぶ)
が配列されている。5はウエハ4を載置するステージ
で、ウエハ4をウエハステージ5に吸着し固定するチャ
ック、X軸方向とY軸方向に各々水平移動可能なXYス
テージ、投影レンズ1の光軸方向であるZ軸方向への移
動やX軸、Y軸方向の軸回りに回転可能なレベリングス
テージ、Z軸の軸回りに回転可能な回転ステージにより
構成されており、投影レンズ1によるレチクル2のパタ
ーンの投影像をウエハ4上のショット領域に合致される
ための6軸補正系を構成している。
【0023】図1における10,11,12,13はウ
エハ4の光軸AXに沿った表面の位置及びXY面に対す
る傾きを検出するためのフォーカス及びチルト検出光学
系の各要素を示している。10は投光系であり、ここで
複数本(例えば6本)の平行光束が生成され、ミラー1
1を介してウエハ4面上の6つの測定点に導光してい
る。図1では2光束のみ図示しているが、各光束は紙面
の垂直方向に各々3光束持っている。
【0024】ウエハ4面上には図3に示すように複数個
のショット領域(レチクル2上のパターンが露光される
領域)が配列されている。投光系10から出射された6
つの光束は、図2に示すように、ショット領域の互いに
独立した各測定点CL1,CL2,CL3,CR1,C
R2,CR3に入射し結像している。
【0025】この時のウエハ4からの各反射光束は、ミ
ラー12を介して受光系13で受光される。また、この
受光系13はウエハ4面上の各測定点CL1,CL2,
CL3,CR1,CR2,CR3と受光系13の検出面
が互いに共役となるように倒れ補正を行なっているた
め、測定点CL1,CL2,CL3,CR1,CR2,
CR3のそれぞれの局所的な傾きにより受光系13の検
出面でのピンホール像の位置が変化することはなく、各
測定点の光軸方向AXでの高さ変化に応答して受光系1
3の検出面上でピンホール像が変化する。
【0026】次に、この実施例における走査露光動作を
説明する。図1に示すようにレチクル2はステージ3に
吸着固定された後、投影レンズ1の光軸AXと垂直なX
Y面内で図1に示すX軸方向に一定速度でスキャンされ
ると共に、Y軸方向(紙面に垂直)には常に目標座標位
置をスキャンするように補正駆動される。このレチクル
ステージ3のX軸方向及びY軸方向の位置情報はレチク
ルステージ3に固定されたバーミラー(X,Yの各軸計
測用)20へレチクル側レーザー干渉計(X,Yの各軸
計測用)21からの複数のレーザービームが照射される
ことによりレーザー干渉計21で常時計測されている。
【0027】露光照明系6は例えば不図示のエキシマレ
ーザー等のパルス光を発生する光源を使用し、不図示の
ビーム整形光学系、オプチカルインテグレーター、コリ
メータ及びミラー等の部材で構成され、遠紫外領域のパ
ルス光を効率的に透過あるいは反射する材料で形成され
ている。ここでビーム整形光学系は入射ビームの断面形
状(寸法を含む)を所望の形に整形するためのものであ
り、オプチカルインテグレーターは光束の配光特性を均
一にしてレチクル2を均一照度で照明するためのもので
ある。
【0028】露光照明光学系6内のマスキングブレード
33はレチクル2の面と共役な位置に置かれ、これによ
りウエハ上のチップサイズに対応して矩形の照明領域3
4が設定される。図2に示すようにその照明領域34で
部分照明されたレチクル2上のパターンが投影レンズ1
を介してレジストが塗布されたウエハ4上に投影され
る。
【0029】図1に示すメイン制御部27はレチクル2
のスリット像をウエハ4の所定領域にXY面内の位置
(X及びY軸方向の位置及びZ軸に平行な軸の回りの回
転方向θ)とZ方向の位置(X及びY各軸に平行な軸の
回りの回転方向α,β及びZ軸方向の高さ位置Z)を調
整しながら走査(スキャン)露光を行なうように全系を
コントロールしている。即ちレチクルパターンのXY面
内での位置合わせはレチクル側レーザー干渉計21とウ
エハステージ側レーザー干渉計24の位置データと不図
示のアライメント顕微鏡から得られるウエハ4の位置デ
ータから制御データを算出し、レチクル位置制御系22
及びウエハ位置制御系25をコントロールすることによ
り実現している。
【0030】レチクルステージ3を図1に示す矢印3a
の方向にスキャンする時、ウエハステージ5は図1に示
す矢印5aの方向に投影レンズ1の縮小倍率分だけ補正
されたスピードでスキャンされる。レチクルステージ3
のスキャンスピードは、露光照明光学系6内のマスキン
グブレード33のスキャン方向の幅とウエハ4の表面に
塗布されたフォトレジストの感度からスループットが有
利になるように決定される。
【0031】レチクルパターンとウエハ4表面のZ軸方
向の位置合わせ、即ち像面への位置合わせは、ウエハ4
の高さデータを受光系13の出力に基づいて検出する面
位置検出系26の演算結果を元にウエハステージ5内の
レベリングステージへの制御をウエハ位置制御系25を
介して行なっている。即ちスキャン方向に対して露光領
域34(図2参照)近傍に配置されたウエハ高さ測定用
スポット光3点の高さデータからスキャン方向と垂直方
向の傾き及び光軸AX方向の高さを計算して露光位置で
の最適像面位置への補正量を求め補正を行なっている。
【0032】次に本実施例におけるショットレイアウト
決定手順を説明する。レイアウトの入力は、メイン制御
部27に接続されている不図示の入力端末にて行なう。
入力端末からウエハ4の形状やサイズ、ショットサイ
ズ、チップサイズ、ショット内におけるチップの配置、
及びその座標等を予め入力し、不図示の記憶手段にメモ
リーしておく。入力後、端末に付随しているコンピュー
ターで記憶手段から上述の情報を呼出し、この情報から
そのウエハで作成出来る最大数のチップ配列を求める。
【0033】複数のチップで1ショットになる場合、求
めたチップ配列の組み合わせから、そのウエハの露光時
間が最小になるショット配列を求める。レイアウト決定
後に通信回線を通してレイアウト情報をメイン制御部2
7に送信し、露光時に前記レイアウトにて走査露光を行
なうようにする。
【0034】次に露光の手順を示す。先ず、図3中の白
抜き部のショット101を露光する場合について説明す
る。ショット101の場合、チップ101aから101
cにかけて露光を行なうものとする。レチクルステージ
3とウエハステージ5を各々移動し、レチクル2とウエ
ハ4を露光開始点にセットする。この時未だ露光光のシ
ャッターは開けられていない。その後、露光光シャッタ
ーを開き、露光を開始する。露光中は、ウエハ4のフォ
ーカス、像面の傾き、及びレチクル2とウエハ4の位置
を補正しながらレチクル2及びウエハ4をスキャンす
る。1ショット分のスキャンが終了後、シャッターを閉
じ、次のショットにウエハステージ5を移動する。
【0035】次に、図3の斜線部に示すように、ウエハ
周辺で1ショットより小さいショット、即ちチップ1つ
分(図3のチップ101aの大きさ)あるいは2つ分
(図3のチップ101a,101bを合わせた大きさ)
しか取れないショットでの露光手順について説明する。
本実施例では、ウエハ中心側から外側にスキャンして露
光する場合について述べる。本実施例の場合、露光時の
スキャンは露光するチップ分のみ行なう。この時の露光
シーケンスを図5に、またこの時のレチクル2とマスキ
ングブレード33の開口部34の関係を図6に示す。ウ
エハ4はマスキングブレード33に対しレチクル2と同
様に動くため、図6では省略した。また、図6において
は、1ショット3チップであり、チップA,B,Cのう
ちAのみを露光する場合について説明を行う。
【0036】先ず、図6(A)に示すようにレチクル2
上のチップAの縁に露光領域34の縁をセットする(S
TEP51)。この場合、走査方向はウエハ4の中心側
から外側に向かうため、チップAの縁はレチクル2上の
パターンの縁になる。また、両者の縁をセットする際の
必要精度は、両者の駆動精度で十分で満たされるものと
する。また、レチクルパターンレイアウト等の関係でセ
ットの精度が、メカ精度だけでは不十分の場合、両者を
位置合わせするための機構を設けてもよい。
【0037】両者のセット完了後、露光光シャッターを
開き、露光を開始する(STEP52)。シャッター開
始と同時にレチクル2のスキャンを開始する。その際ウ
エハ4において、露光領域34の露光される方向側にあ
るフォーカス測定点CR1,CR2,CR3でフォーカ
スを測定する。そして、測定点CR1,CR2,CR3
でそのZ位置が測定されたウエハ4上の点が露光領域3
4内に入ったら、先に測定した値に応じてウエハ面が投
影レンズ1のベストピント面に来るように補正する。
【0038】その他、像面の傾き、不図示のアライメン
ト機構によりレチクルとウエハの相対位置ずれ等も補正
しつつスキャンを行う(STEP53)。スキャン中の
状態を図6(B)に示す。この様にしながら、露光領域
34からチップAの領域がすべて通過するまで等速にス
キャンを継続する。図6(C)に示すように、チップA
の全領域が露光領域34を通過したら、露光シャッター
を閉じ、露光を終了する(STEP54)。その後、次
に露光を開始するショットに移動する(STEP5
5)。この場合、算出されたレイアウト以外の部分が一
部露光されてしまうが、その部分は元々ウエハの縁で蹴
られてしまう図11の斜線部Sに当たるため問題はな
い。
【0039】このように周辺ショットにおいて、不要な
領域の露光スキャンの動作を省くことにより、スループ
ットの向上及び露光光源の長寿命化を達成出来る。
【0040】次に本発明の第2の実施例を説明する。こ
の実施例の場合もウエハ周辺ショットでの露光に特徴が
あるものである。この実施例はウエハ周辺露光のスキャ
ン方向をウエハ外側から内側にする方法である。今回も
露光時のスキャンは、露光するチップ分のみ行なうもの
とする。
【0041】露光シーケンスを図7、またその時のレチ
クル2とマスキングブレード33の開口部34の関係を
図8に示す。ウエハは、マスキングブレードに対しレチ
クルと同様に動くため、図8では省略した。
【0042】また、図8においては、1ショット3チッ
プであり、チップA,B,CのうちAのみを露光する場
合について説明を行う。先ず、図8(A)に示すように
チップAの縁に露光領域34の縁をセットする(STE
P71)。この場合、走査方向はウエハの外側から内側
に向かうため、チップAの縁はチップBとの境界にな
る。また、両者の縁をセットする際の必要精度は、両者
の駆動精度で十分で満たされるものとする。また、レチ
クルパターンレイアウト等の関係でセットの精度がメカ
精度だけでは不十分の場合、両者を位置合わせするため
の機構を設けてもよい。
【0043】両者のセット完了後、露光光シャッターを
開き、露光を開始する(STEP72)。シャッター開
始と同時にレチクル2のスキャンを開始する。その際ウ
エハ上において、露光領域34の露光される方向側にあ
るフォーカス測定点CL1,CL2,CL3でフォーカ
スを測定する。そして、この測定対象点が露光領域34
内に入ったら、先に測定した値に応じてウエハ面が投影
レンズのベストピント面に来るように補正する。
【0044】その他、像面の傾き、不図示のアライメン
ト機構によりレチクル2とウエハ4の相対位置ずれ等も
補正しつつスキャンを行う(STEP73)。スキャン
中の状態を図8(B)に示す。この様にしながら、露光
領域34からチップAの領域がすべて通過するまで等速
にスキャンを継続する。図8(C)に示すように、チッ
プAの全領域が露光領域34を通過したら、露光シャッ
ターを閉じ、露光を終了する(STEP74)。その
後、次に露光を開始するショットに移動する(STEP
75)。
【0045】このように周辺ショットにおいて、不要な
領域の露光スキャンの動作を省くことにより、スループ
ットの向上、及び露光光源の長寿命化を達成出来る。
【0046】次に第3の実施例を説明する。この実施例
はウエハ周辺ショットの露光において、先の第1実施例
と第2実施例を組み合わせて露光するものである。これ
により、ウエハ周辺ショットにおいてもその近傍のショ
ットを露光する際のスキャン方向に応じ、スループット
を上げるため効率の良いスキャン露光を実施することが
可能となる。
【0047】次に第4の実施例を図4を用いて説明す
る。この実施例は、露光照明系6内にマスキングブレー
ド近傍あるいはマスキングブレードと共役な位置にレチ
クル2のスキャン方向と同一方向に往復移動可能な遮光
板31が設けられている。これは1ショットの一部のみ
露光する場合、制御装置32により露光領域境界と共に
レチクル2との倍率を反映したスキャン速度で移動す
る。このことにより、ウエハ周辺ショットにおける露光
スキャンの方向の制限を無くすものである。ウエハ周辺
ショットにおける露光手順以外は、第1実施例と同じで
ある。
【0048】次に、この実施例のウエハ周辺における露
光の手順を示す。露光時のスキャンは、露光するチップ
分のみ行なえばよい。但し、この場合、露光照明光学系
6内にある遮光板31を図4に示す矢印31a(レチク
ル2とマスキングブレード33が1回結像で倒立してい
るとする)の方向に、レチクル2と遮光板33間の結像
レンズ(不図示)の倍率分だけ補正されたスピードで露
光領域境界と共にスキャンする必要がある。なぜなら、
上記をしない場合、マスキングブレード31が開いてい
る分余計な領域が露光されてしまうからである。従っ
て、1ショット分露光しないショットでは、遮光板31
もレチクル2、ウエハ4と共に動かし露光スキャンを行
なう。
【0049】このように移動可能な遮光板31を設ける
ことにより、ウエハ周辺ショットにおいて、露光スキャ
ンの方向の制限がなくなるため、より無駄のない動作を
選択することが可能となり、スループットの向上を達成
出来る。
【0050】次に、第5の実施例について説明する。こ
の実施例はステッパー等で露光したウエハに対し、走査
露光装置で焼きつける所謂ミックスアンドマッチに関す
るものである。この本実施例でも1ショットが3チップ
で構成されているものとして説明する。
【0051】図9は、ステッパーで露光されたショット
のレイアウト(72ショット)を示す図である。斜線部
Tはチップの一部がウエハ4の縁にかかり、半導体製品
にならない領域である。このウエハ4を走査露光装置で
露光する場合、チップ単位でレイアウトを作り直すと、
図10のようにするのが最小のショット数(68ショッ
ト)となる。図9のように、ステッパーと同じショット
レイアウトで露光をすると72ショット分露光走査を行
わねばならない。しかし、図10のようにショットを作
成すると68ショットとなり4ショット分の露光走査が
なくなるためその分スループットが向上する。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、レイアウト作成時にチ
ップ単位でレイアウトを決定することにより、不要な領
域の露光スキャンの動作を省くことが可能となり、スル
ープットを向上させることができる。また露光光源の長
寿命化も達成可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる走査露光装置の一実施例を示す
図。
【図2】ウエハ面における露光領域とフォーカス測定点
を示す図。
【図3】ウエハ面におけるショットの配列を示す図。
【図4】他の実施例を示す図。
【図5】図1の実施例の露光動作のフローチャートを示
す図。
【図6】図1の実施例の露光動作を説明するための図。
【図7】他の実施例における露光動作のフローチャート
を示す図。
【図8】図7の実施例の露光動作を説明するための図。
【図9】ステッパーで露光する際のショットレイアウト
の一例を示す図。
【図10】図9のショットレイアウトに対応する本発明
の実施例のショットレイアウトを示す図。
【図11】チップを取れない部分を示したウエハ面のシ
ョット配列を示す図。
【符号の説明】
1 縮小投影レンズ 2 レチクル 3 レチクルステージ 4 ウエハ 5 ウエハステージ 6 露光照明光学系 10 投光系 13 受光系 20 バーミラー 21 レチクル側レーザー干渉計 22 レチクル位置制御系 24 ウエハステージ側レーザー干渉計 25 ウエハ位置制御系 26 面位置検出系 27 メイン制御部 31 遮光板 32 遮光板制御系 33 マスキングブレード 34 露光領域(マスキングブレード転写部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−142362(JP,A) 特開 昭59−101831(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原画パターンが形成されたマスクを保持
    して走査方向に沿って往復移動可能なマスクステージ
    と、前記原画パターンを所定の倍率で感光基板上に投影
    する投影光学系と、前記感光基板を保持して前記走査方
    向に沿って往復移動可能な基板ステージとを備え、前記
    マスクステージと前記基板ステージを前記所定の倍率に
    応じた速度比で同時に移動させることによって前記原画
    パターンを前記感光基板上に露光する走査露光装置にお
    いて、前記感光基板上のチップレイアウトを前記原画パ
    ターンのチップ構成、チップサイズの情報から決定し、
    その決定されたチップレイアウトに応じて一括走査を行
    う回数が最小になるように前記一括走査領域を決める機
    能を有することを特徴とする走査露光装置。
  2. 【請求項2】 前記決定されたチップレイアウトと前記
    一括走査領域は走査露光に先立って予め記録され、その
    記録に従ってステップアンドスキャン露光を実行するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の走査露光装置。
  3. 【請求項3】 前記マスク近傍あるいは前記マスクの共
    役面に前記走査方向に沿って往復移動可能な遮光板を設
    け、前記遮光板は前記原画パターンを前記感光基板上に
    走査露光する時、前記マスク上の露光領域境界と共に前
    記マスクとの倍率に応じた速度比で同時に移動すること
    を特徴とする請求項1に記載の走査露光装置。
  4. 【請求項4】 原画パターンが形成されたマスクを保持
    して走査方向に沿って往復移動可能なマスクステージ
    と、前記原画パターンを所定の倍率で感光基板上に投影
    する投影光学系と、前記感光基板を保持して前記走査方
    向に沿って往復移動可能な基板ステージとを備え、前記
    マスクステージと前記基板ステージを前記所定の倍率に
    応じた速度比で同時に移動させることによって前記原画
    パターンを前記感光基板上に露光する走査露光方法にお
    いて、前記感光基板上のチップレイアウトを前記原画パ
    ターンのチップ構成、チップサイズの情報から決定し、
    その決定されたチップレイアウトに応じて一括走査を行
    う回数が最小になるように前記一括走査領域を決め走査
    露光を行う工程を有することを特徴とする走査露光方
    法。
  5. 【請求項5】 前記決定されたチップレイアウトと前記
    一括走査領域は走査露光に先立って予め記録され、その
    記録に従ってステップアンドスキャン露光を実行するこ
    とを特徴とする請求項4に記載の走査露光方法。
  6. 【請求項6】 原画パターンが形成されたマスクを保持
    して走査方向に沿って往復移動可能なマスクステージ
    と、前記原画パターンを所定の倍率で感光基板上に投影
    する投影光学系と、前記感光基板を保持して前記走査方
    向に沿って往復移動可能な基板ステージとを備え、前記
    マスクステージと前記基板ステージを前記所定の倍率に
    応じた速度比で同時に移動させることによって前記原画
    パターンを前記感光基板上に露光することによってデバ
    イスを製造する方法において、前記感光基板上のチップ
    レイアウトを前記原画パターンのチップ構成、チップサ
    イズの情報から決定し、その決定されたチップレイアウ
    トに応じて一括走査を行う回数が最小になるように前記
    一括走査領域を決める工程を有することを特徴とするデ
    バイス製造方法。
  7. 【請求項7】 前記決定されたチップレイアウトと前記
    一括走査領域は走査露光に先立って予め記録され、その
    記録に従ってステップアンドスキャン露光を実行するこ
    とを特徴とする請求項6に記載のデバイス製造方法。
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