JP3307359B2 - 半導体装置及び半導体製造方法 - Google Patents

半導体装置及び半導体製造方法

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JP3307359B2 JP05523599A JP5523599A JP3307359B2 JP 3307359 B2 JP3307359 B2 JP 3307359B2 JP 05523599 A JP05523599 A JP 05523599A JP 5523599 A JP5523599 A JP 5523599A JP 3307359 B2 JP3307359 B2 JP 3307359B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体技術に係
り、特にソース抵抗を増加させることなく、n層領域
の各頂点に生じる電界集中を緩和し素子破壊に対する耐
性を保ちつつ、高性能化を図ることができる半導体装置
及び半導体製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来技術の半導体装置の構造
(FET構造)を説明するための素子上面図である。図
9を参照すると、ソース電極P13が形成されているソ
ース領域及びドレイン電極P11が形成されているドレ
イン領域にエッチングによりn層領域P18が形成さ
れ、n層領域P18間に動作層領域P16が形成さ
れ、イオン注入によってアイソレーション注入領域P1
2が形成され、ソース側のn 層領域P18とドレイン
側のn層領域P18間にゲート電極フィンガーP14
が形成され、ドレイン側及びソース側のn層領域P1
8の頂点に面取りを設けたFET構造となっている。こ
のような従来技術としては、例えば、特開平10−98
180号公報(第1従来技術)、特開平5−23504
9号公報(第2従来技術)に記載のものがある。すなわ
ち第1従来技術は、半導体基板上に複数の半導体層を積
層した積層構造部の表面にソース電極及びドレイン電極
を離間して設け、これらソース電極とドレイン電極との
間に積層構造部の表面側から基板側に向けて凹溝状のリ
セス領域を設け、このリセス領域の底部にゲート電極を
立設してなる電界効果トランジスタにおいて、基板の面
方位が(100)面から傾斜した面方位を持ち、リセス
領域におけるソース電極側の側壁面とリセス底面の成す
角度と、ドレイン電極側の側壁面とリセス底面の成す角
度とが異なる電界効果トランジスタである。また第2従
来技術は、基板面を(100)面から(01/1)方向
へ任意の角度傾斜させた半導体基板を用いて、その上に
形成したn型動作層のゲート電極形成個所に左右非対称
なリセス領域を形成し、リセス領域内にゲート電極を形
成したものである。このようなFET構造を高出力デバ
イスとして高ドレイン電圧で動作させた場合、ゲート−
ドレイン間に高電圧がかかるためドレイン側の面取りは
電界集中による素子破壊を抑制するために有効に働く。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来技術
には、ソース側にはドレイン側ほどの高電界が生じない
にもかかわらず、ドレイン側及びソース側のn層領域
P18の頂点に面取りを設けているため、FETのチャ
ネル幅を狭めることとなり、その結果、ソース抵抗の増
大を引き起こし、高周波でのFET特性が劣化するおそ
れがあるという問題点があった。
【0004】本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、ソース抵抗を増加
させることなく、n層領域の各頂点に生じる電界集中
を緩和し素子破壊に対する耐性を保ちつつ、高性能化を
図る半導体装置及び半導体製造方法を提供する点にあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
要旨は、第1の方向にアイソレーション領域が設けら
れ、前記アイソレーション領域上に一端が形成された真
直ぐな矩形のゲート電極が前記アイソレーション領域と
直交する方向に延在し、前記ゲート電極の両側にソース
領域及びドレイン領域の高濃度不純物領域が前記ゲート
電極と離間して設けられた半導体装置であって、前記ゲ
ート電極と前記アイソレーション領域境界との交点近傍
のドレイン側の前記高濃度不純物領域のコーナー部が面
取りされているともに、ソース側の前記高濃度不純物領
域のコーナー部は面取りされていないFET構造を有す
ることを特徴とする半導体装置に存する。請求項2記載
の本発明の要旨は、前記高濃度不純物領域はメサ状のn
+層領域であることを特徴とする請求項1に記載の半導
体装置に存する。請求項3記載の本発明の要旨は、前記
ソース側のチャネル幅が前記ドレイン側よりも広く形成
されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の
導体装置に存する。請求項4記載の本発明の要旨は、
記ソース側の高濃度不純物領域のゲート幅方向の幅が前
記ドレイン側よりも大きく形成されていることを特徴と
する請求項1又は2に記載の半導体装置に存する。請求
項5記載の本発明の要旨は、第1の方向にアイソレーシ
ョン領域が設けられ、前記アイソレーション領域上に一
端が形成された真直ぐな矩形のゲート電極が前記アイソ
レーション領域と直交する方向に延在し、前記ゲート電
極の両側にソース領域及びドレイン領域の高濃度不純物
領域が設けられた半導体製造方法であって、前記高濃度
不純物領域をメサ状にエッチングしてリセスを形成する
工程と、前記ゲート電極と前記アイソレーション領域境
界との交点近傍のドレイン側の前記高濃度不純物領域の
コーナー部のみ面取りを設けるとともに、ソース側の
記高濃度不純物領域のコーナー部には面取りを設けない
工程とを有することを特徴とする半導体製造方法に存す
る。請求項6記載の本発明の要旨は、前記ソース側のチ
ャネル幅を前記ドレイン側よりも広げて形成することを
特徴とする請求項5に記載の半導体製造方法に存する。
請求項7記載の本発明の要旨は、前記ソース側の高濃度
不純物領域のゲート幅方向の幅を前記ドレイン側よりも
大きく形成することを特徴とする請求項5に記載の半導
体製造方法に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】高出力用途のGaAs電界効果型
トランジスタは通常高出力を得るために高ドレイン電圧
で動作している。その場合、ゲート−ドレイン間に高電
圧がかかるためドレイン側ゲートエッジが高電界にな
る。この時、ゲートフィンガーの両端部の動作層領域と
アイソレーション注入領域の境界領域はバイアスしない
状態でもn−i構造による内蔵電界が生じるため電界集
中が起こりやすくなっている。そのため、あるしきい値
電界を越えた場合に破壊が生じやすいという問題があ
る。この問題を改善するためにn層領域のエッジに面
取りを設ける構造が採用されているが、ソース側に面取
りを設けた場合、チャネル幅が縮小することによるソー
ス抵抗の増加が生じ、素子特性を低下させるという問題
がある。以下に示す各実施形態は、このような問題点を
解決することを目的とし、素子破壊に対する信頼性を保
ちつつ素子特性が向上したFET構造を有する点にあ
り、特に高出力用途のGaAs電界効果型トランジスタ
に適用できる点に特徴を有している。
【0007】(第1実施形態)図1は、本発明にかかる
第1実施形態の半導体装置の構造(FET構造)を説明
するための素子上面図である。本実施形態は、n層領
域18をメサ状にエッチングしてリセスが形成されたF
ET構造を有する半導体装置であって、メサ部分の頂点
の中でドレイン側の頂点のみ面取りを設け、ソース側に
は面取りを行わないFET構造としている点に特徴を有
している。図1を参照すると、本実施形態の半導体装置
は、ソース電極13が形成されているソース領域及びド
レイン電極11が形成されているドレイン領域にエッチ
ングによりn層領域18が形成され、n層領域18
間に動作層領域16が形成され、イオン注入によってア
イソレーション注入領域12が形成され、ソース側のn
層領域18とドレイン側のn層領域18間にゲート
電極フィンガー14が形成され、ドレイン側のn層領
域18の頂点にのみ面取りが設けられており、ソース側
のn層領域18の頂点には面取りを設けないFET構
造となっている。ここで、ドレイン側のn層領域18
に設けられる面取り長さは1〜2μm程度である。
【0008】図2乃至図5は、本発明にかかる第1実施
形態の半導体製造方法を説明するためのプロセス図であ
って、それぞれ図1の半導体装置のA−A’断面を示し
ている。まず、図2に示すように、n型の動作層領域2
3、nコンタクト層22の形成されたエピ基板にフォ
トレジストでパターンを形成し、ソース・ドレイン領域
以外のnコンタクト層22をエッチングして除去する
(nコンタクト層22の形成工程)。ここでドレイン
側のn層領域18の頂点にのみ面取りを形成するよう
に第1フォトレジストパターン21を形成する。次に、
図3に示すように、第1フォトレジストパターン21を
除去した後、動作層領域16を第2フォトレジストパタ
ーン28でカバーし、アイソレーション注入領域12を
形成するべき領域に、例えばホウ素(元素記号:B)イ
オンを加速電圧70KeV、ドーズ量5×1012cm
−2でイオン注入する(アイソレーション注入領域12
の注入工程)。なお、アイソレーション注入領域12を
形成するイオンは酸素でも可能である。その後、図4に
示すように、全面にSiO等の絶縁層25を堆積する
(絶縁層25の形成工程)。次に、図5に示すように、
フォトレジストでソース電極13及びドレイン電極11
(同図では不図示)の部分に開口パターン27を形成
し、絶縁層25をウェットエッチング等で開口する。そ
の後、AuGe/Ni系の金属を蒸着、リフトオフ法等
により形成し、アロイを行うことでソース−ドレイン間
のオーミック電極(ソース電極13参照)を形成する
(ソース−ドレインオーミック電極形成工程)。その
後、通常の方法でゲート電極(不図示)を形成すること
で本実施形態のFET構造の作成が完成する。
【0009】図6は本実施形態のドレインの電圧−電流
特性を示している。横軸はドレイン電圧、縦軸はドレイ
ン電流である。図中Lは、ドレイン側に面取りを設け
るとともにソース側に面取りを設けない半導体装置(本
実施形態)におけるドレインの電圧−電流特性、L
は、ドレイン側及びソース側に面取りを設けた半導体
装置(従来技術)におけるドレインの電圧−電流特性を
示している。例えばゲート幅30μm程度の素子(半導
体装置)では、ソース側に1〜2μm程度の面取りを設
けた場合、約10%近くソース抵抗が増大する。これに
より図6のLに示すようにゲートバイアス0Vにおけ
るFETの飽和電圧が本実施形態に比べて10%増加す
る結果、電力付加効率で2%程度の劣化を引き起こして
しまう。
【0010】以上説明したように第1実施形態によれ
ば、ドレイン側に面取りを設けるとともに、ソース側に
は面取りを設けない構造とすることにより、ソース抵抗
の増大を引き起こすことなく、ドレイン側nエッジで
の電界集中を緩和し、n層領域18の各頂点に生じる
電界集中を緩和し素子破壊に対する耐性を保ちつつ、高
性能化を図ることができるといった効果を奏する。
【0011】(第2実施形態)図7は、本発明にかかる
第2実施形態の半導体装置の構造(FET構造)を説明
するための素子上面図である。本実施形態は、第1実施
形態と同様にドレイン側のn層領域18の頂点に面取
りを設け、ソース側の頂点には面取りを設けない構造を
採用し、さらにドレイン側からソース側に向かって動作
層領域16をドレイン電極11側へ広げた構造とした点
に特徴を有している。本実施形態の製造は第1実施形態
の製造方法においてnコンタクト層22の形成工程、
アイソレーション注入領域12の注入工程、およびソー
ス−ドレインオーミック電極形成工程のマスクパターン
を変更することで簡単に対応できる。第2実施形態によ
れば、ドレイン側の電界集中を緩和しつつ、第1実施形
態よりもさらに数%ソース抵抗を低減することが可能と
なる。
【0012】(第3実施形態)図8は、本発明にかかる
第3実施形態の半導体装置の構造(FET構造)を説明
するための素子上面図である。本実施形態は、選択イオ
ン注入を用いて動作層領域16およびnコンタクト層
22を形成するFET構造を有する半導体装置であっ
て、動作層領域16とnコンタクト層22の形成(図
1及び図2参照)にイオン注入を用い、ソース側のn
コンタクト層22およびソースオーミック電極幅をドレ
イン側よりも広げ、第1実施形態と同様にドレイン側の
層領域18の頂点に面取りを設け、ソース側の頂点
には面取りを設けないFET構造とした点に特徴を有し
ている。第3実施形態によれば、第2実施形態と同様の
効果を得ることができる。
【0013】なお、本発明が上記各実施形態に限定され
ず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態は
適宜変更され得ることは明らかである。また上記構成部
材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、
本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にするこ
とができる。また、各図において、同一構成要素には同
一符号を付している。
【0014】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、以下に掲げる効果を奏する。ソース抵抗を増加させ
ることなく、n層領域の各頂点に生じる電界集中を緩
和し素子破壊に対する耐性を保ちつつ、高性能化を図る
ことができる半導体装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1実施形態の半導体装置の構
造(FET構造)を説明するための素子上面図である。
【図2】本発明にかかる第1実施形態の半導体製造方法
におけるnコンタクト層の形成工程を説明するための
プロセス図である。
【図3】本発明にかかる第1実施形態の半導体製造方法
におけるアイソレーション注入領域の注入工程を説明す
るためのプロセス図である。
【図4】本発明にかかる第1実施形態の半導体製造方法
における絶縁層の形成工程を説明するためのプロセス図
である。
【図5】本発明にかかる第1実施形態の半導体製造方法
におけるソース−ドレインオーミック電極形成工程を説
明するためのプロセス図である。
【図6】本実施形態のドレインの電圧−電流特性を示し
ている。
【図7】本発明にかかる第2実施形態の半導体装置の構
造(FET構造)を説明するための素子上面図である。
【図8】本発明にかかる第3実施形態の半導体装置の構
造(FET構造)を説明するための素子上面図である。
【図9】従来技術の半導体装置の構造(FET構造)を
説明するための素子上面図である。
【符号の説明】
11…ドレイン電極 12…アイソレーション注入領域 13…ソース電極 14…ゲート電極フィンガー 16…動作層領域 18…n層領域 21…第1フォトレジストパターン 22…nコンタクト層 23…n型の動作層領域 25…絶縁層 27…開口パターン 28…第2フォトレジストパターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/338 H01L 29/812

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の方向にアイソレーション領域が設
    けられ、前記アイソレーション領域上に一端が形成され
    た真直ぐな矩形のゲート電極が前記アイソレーション領
    域と直交する方向に延在し、前記ゲート電極の両側にソ
    ース領域及びドレイン領域の高濃度不純物領域が前記ゲ
    ート電極と離間して設けられた半導体装置であって、前記ゲート電極と前記アイソレーション領域境界との交
    点近傍のドレイン側の前記高濃度不純物領域のコーナー
    が面取りされているともに、ソース側の前記高濃度不
    純物領域のコーナー部は面取りされていないFET構造
    を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記高濃度不純物領域はメサ状のn+層
    領域であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装
    置。
  3. 【請求項3】 前記ソース側のチャネル幅が前記ドレイ
    ン側よりも広く形成されていることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記ソース側の高濃度不純物領域のゲー
    ト幅方向の幅が前記ドレイン側よりも大きく形成されて
    いることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装
    置。
  5. 【請求項5】 第1の方向にアイソレーション領域が設
    けられ、前記アイソレーション領域上に一端が形成され
    た真直ぐな矩形のゲート電極が前記アイソレーション領
    域と直交する方向に延在し、前記ゲート電極の両側にソ
    ース領域及びドレイン領域の高濃度不純物領域が設けら
    れた半導体製造方法であって、前記高濃度不純物領域 をメサ状にエッチングしてリセス
    を形成する工程と、前記ゲート電極と前記アイソレーション領域境界との交
    点近傍の ドレイン側の前記高濃度不純物領域のコーナー
    のみ面取りを設けるとともに、ソース側の前記高濃度
    不純物領域のコーナー部には面取りを設けない工程とを
    有することを特徴とする半導体製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ソース側のチャネル幅を前記ドレイ
    ン側よりも広げて形成することを特徴とする請求項5に
    記載の半導体製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ソース側の高濃度不純物領域のゲー
    ト幅方向の幅を前記 ドレイン側よりも大きく形成するこ
    とを特徴とする請求項5に記載の半導体製造方法。
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