JP3306078B2 - エンジンの燃料噴射制御方法 - Google Patents
エンジンの燃料噴射制御方法Info
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Description
御を行なうエンジンの燃料噴射制御方法に関する。
ジンの燃料噴射制御の技術は、4サイクルエンジンおよ
び2サイクルエンジンも含め様々なエンジンにおいて広
く採用されている。
マイクロコンピュータによるエンジンの燃料噴射制御の
技術を採用する提案としては、特開平2−108827
号公報に示されるように、クランク室内圧Pc およびエ
ンジン回転数Nあるいはスロットル開度αを基に、燃料
噴射弁(インジェクタ)の駆動頻度を運転状態に応じて
制御する2サイクル内燃機関の燃料噴射制御が知られて
いる。
号および特願平1−317130号において、エンジン
回転数Nおよびスロットル開度α等の種々のエンジン運
転状態パラメータを用い、燃料噴射量を制御する2サイ
クルエンジンの燃料噴射制御を提案している。
制御方法の技術は、常時、オープンループ制御を行うも
のであり、空燃比を検出して燃料噴射量をフィードバッ
ク補正するものではないため、燃料残量の微量時やプレ
ッシャレギュレータの異常等により、燃料圧力が正規の
範囲から外れ、空燃比の過薄化あるいは過濃化が生じた
場合、これに対処することができない。特に、2サイク
ルエンジンの場合、燃料はクランクケースおよびシリン
ダの冷却に重要な役割を果たしており、空燃比の過薄化
が長時間継続すると、エンジンに悪影響を及ぼすため、
このような空燃比の過薄化からエンジンを有効に保護す
る必要がある。
えば、クローズスティック)等で燃料圧力が異常に上昇
することによって生ずる空燃比の過濃化は、着火性の悪
化を招き、燃焼が不安定となる等の問題の原因となる。
いて、エンジン高温時のインジェクタ内のパーコレーシ
ョンに起因する空燃比の過薄化、高吸気温に起因する空
燃比の過濃化をO2 センサにより検出して、空燃比制御
を行なうエンジンの空燃比フィードバック制御方法が示
されている。
ク制御方法を2サイクルエンジンに適用すれば、空燃比
の過薄化および過濃化を検出することができ、空燃比を
運転状態に応じて適切な値にフィードバック制御するこ
とが可能である。
の過薄化および過濃化を検出してからフィードバック制
御を行い、空燃比を適切な値にするまでにある程度の時
間を要し、前述したような、燃料残量の微量時やプレッ
シャレギュレータの異常等により、燃料圧力の異常が生
じた場合、速かに異常状態を検出し、燃料圧力の異常に
伴う空燃比の過濃化あるいは過薄化を速かに解消するこ
とは難しい。
ン、例えば、4サイクルエンジンにおいても燃料圧力の
異常が生じた場合には、できるだけ速かに異常を検出し
て、燃料圧力異常に伴う空燃比の過簿化あるいは過濃化
を速かに解消する必要がある。本発明は上記事情に鑑み
てなされたもので、燃料残量の微量時やプレッシャレギ
ュレータの異常等による燃料圧力異常が生じた場合、速
かに異常を検出するとともに、燃料圧力の異常に伴う空
燃比の過簿化あるいは過濃化を速かに解消することので
きるエンジンの燃料噴射制御方法を提供することを第一
の目的とする。また、燃料圧力の異常が生じた場合、速
かに異常を検出すると共に、燃料圧力異常に伴う空燃比
の過濃化を速かに解消すると共に、空燃比の過簿化によ
るエンジンへの悪影響を防止することが可能なエンジン
の燃料噴射制御方法を提供することを第二の目的とす
る。
を達成するため本発明による第一のエンジンの燃料噴射
制御方法は、燃料圧力を検出し、この燃料圧力が通常で
はあり得ない空燃比の過濃化を生じる予め設定した上限
圧力値よりも高い場合には、燃料噴射量を減量補正する
手順と、上記燃料圧力が通常ではあり得ない空燃比の過
薄化を生じる予め設定した下限圧力値よりも低い場合に
は、燃料噴射量を増量補正する手順とを備えたものであ
る。
発明による第二のエンジンの燃料噴射制御方法は、燃料
圧力を検出し、この燃料圧力が通常ではあり得ない空燃
比の過濃化を生じる予め設定した上限圧力値よりも高い
場合には、燃料噴射量を減量補正する手順と、上記燃料
圧力が通常ではあり得ない空燃比の過薄化を生じる予め
設定した下限圧力値よりも低い場合には、点火カットお
よび燃料カットの少なくとも一方を実行してエンジンを
停止させる手順とを備えたものである。
出し、この燃料圧力が、通常ではあり得ない空燃比の過
濃化を生じる予め設定した上限圧力値よりも高いか、あ
るいは、通常ではあり得ない空燃比の過薄化を生じる予
め設定した下限圧力値よりも低いかを判別する。
い場合には、燃料噴射量を減量補正し、空燃比の過濃化
を防止する。
場合には、燃料噴射量を増量補正して空燃比の過薄化を
防止する。
検出し、この燃料圧力が、通常ではあり得ない空燃比の
過濃化を生じる予め設定した上限圧力値よりも高いか、
あるいは、通常ではあり得ない空燃比の過薄化を生じる
予め設定した下限圧力値よりも低いかを判別する。
い場合には、燃料噴射量を減量補正し、空燃比の過濃化
を防止する。
圧力値よりも低い場合には、点火カットおよび燃料カッ
トの少なくとも一方を実行してエンジンを停止させ、空
燃比の過簿化によるエンジンへの悪影響を防止する。
する。
実施例を示し、図1および図2は燃料圧力補正係数設定
手順を示すフローチャート、図3は燃料噴射パルス幅設
定手順を示すフローチャート、図4は燃料噴射制御手順
を示すフローチャート、図5はエンジン制御系の概略
図、図6は制御装置の回路構成図、図7はCDIユニッ
トの回路図、図8はフライホイールの正面図である。
2サイクルエンジンに本発明の燃料噴射制御方法を適用
した一例を示す。
り、例えばスノーモビルなどに搭載される3気筒2サイ
クルエンジンを示す。このエンジン本体1のシリンダブ
ロック2に、吸気ポート2a、排気ポート2bが形成さ
れ、また、シリンダヘッド3の各気筒毎に、その先端を
燃焼室に露呈する点火プラグ4が取付けられている。ま
た、上記エンジン本体1のクランクケース5にクランク
ケース温度センサ6が装着され、上記クランクケース
5、上記シリンダブロック2、および、上記シリンダヘ
ッド3に、ウォータジャケット7が設けられている。
ート2aに、インシュレータ8を介してインテークマニ
ホルド9が連通され、このインテークマニホルド9に設
けられたスロットルバルブ9aに、スロットル開度セン
サ10が連設され、さらに、上記インテークマニホルド
9の各気筒の各吸気ポート2aの直上流側に、インジェ
クタ11が配設されている。
側に、図示しないエアクリーナが格納されたエアボック
ス12が連通され、このエアボックス12に、吸気温セ
ンサ13が臨まされている。
を介して燃料タンク15に連通され、上記燃料供給路1
4には、上記燃料タンク15側から燃料フィルタ16、
燃料ポンプ17が介装されている。
インジェクタ11はプレッシャレギュレータ18の燃料
室18aに連通しており、この通路の中途部に燃料圧力
を検出する燃料圧力センサ50が設けられている。ま
た、上記燃料室18a下流側が上記燃料タンク15に連
通されるとともに、上記プレッシャレギュレータ18の
調圧室18bが上記インテークマニホールド9に連通さ
れている。
料フィルタ16を経て上記燃料ポンプ17によって圧送
される燃料が、上記インジェクタ11及びプレッシャー
レギュレータ18に至り、上記インテークマニホールド
9内圧力と燃料圧力との差圧が一定に保たれて上記イン
ジェクタ11に供給され、上記インテークマニホールド
9内圧力の変動によって上記インジェクタ11からの燃
料噴射量が変動しないよう制御される。
クランクシャフトである。
て、符号20はマイクロコンピュータからなる制御装置
(ECU)であり、このECU20のCPU(中央演算
処理装置)21、ROM22、RAM23、バックアッ
プRAM24、および、I/O インターフェース25がバ
スライン26を介して互いに接続されており、定電圧回
路27から各部に安定化電圧が供給される。
された2つのリレー接点、ECUリレー28のリレー接
点とセルフシャットリレー29のリレー接点とを介して
バッテリ30に接続されて制御用電源が供給されるとと
もに、上記バッテリ30に直接接続され、上記制御用電
源OFF時に、上記バックアップRAM24へのバック
アップ電源を供給してデータを保持する。
点を有し、そのリレーコイル28aがイグニッションス
イッチ31及びキルスイッチ32を介して上記バッテリ
30に接続されている。上記イグニッションスイッチ3
1及びキルスイッチ32は、各ON端子が直列に接続さ
れるとともに、各OFF端子が並列に接続され、上記各
スイッチ31、32が共にONのとき、上記ECUリレ
ー28がONし、リレー接点の一方を介して上記定電圧
回路27に制御用電源を供給する。
びキルスイッチ32の少くとも一方がOFF位置のとき
には、点火装置であるCDIユニット33からのライン
を短絡し、点火カットを行なう。
スノーモビルのグリップなどに設けられた停止用スイッ
チであり、また、上記CDIユニット33からのライン
は、後述する点火電源短絡回路33bからのラインであ
る。
フシャットリレー29のリレーコイル29a、上記イン
ジェクタ11、及び、燃料ポンプリレー34のリレーコ
イル34aの各一端が接続されるとともに、上記燃料ポ
ンプリレー34のリレー接点を介して燃料ポンプ17が
接続されている。
グニッションスイッチ31及びキルスイッチ32の少く
とも一方がOFFされてエンジンが停止した後、予め設
定された時間(例えば、10分)だけ上記ECU20に
電源を供給するためのもので、エンジンが冷却していな
い状態での高温再始動時、上記インジェクタ11からの
始動時燃料噴射量が増量補正され、空燃比がオーバーリ
ッチとなって始動困難となることを防止するためのもの
である。
ース25の入力ポートには、上記各センサ6、10、1
3、50および上記ECU20に内蔵された大気圧セン
サ36が接続され、さらに、MR抵抗35が接続されて
基準電圧VCCが分圧入力されるとともに、上記CDIユ
ニット33からの信号ラインが接続されて後述するCD
Iパルスが入力され、上記ECUリレー28の他方のリ
レー接点が接続されて上記バッテリ30の電圧VB がモ
ニタされる。
のための調整抵抗であり、エンジンがアイドル運転状態
のとき、上記MR抵抗35からの調整電圧を読取り、こ
の調整電圧に相応するパルス幅を基本燃料噴射パルス幅
に対して加算あるいは減算し、上記インジェクタ11か
らの燃料噴射量を増減することによってアイドル回転数
を調整するものである。
入力ポートに、上記ECU20の自己診断機能をUチェ
ックモード(ユーザー使用モード)とDチェックモード
(ディーラチェックモード)とに切換える故障診断モー
ド切換用コネクタ37が接続されるとともに、I/O イン
ターフェース25の入力ポートおよび出力ポートに、故
障診断用コネクタ38が接続され、故障発生時、上記故
障診断用コネクタ38に、図中2点鎖線で示す車輌診断
用シリアルモニタ39を接続して故障診断を行なう。
ては、本出願人による特開平1−224636号公報等
に詳述されている。
7は、通常、Uチェックモードにされており、システム
に異常が発生すると、そのトラブルデータが上記バック
アップRAM24に記憶されて保持されるようになって
いる。ディーラのサービスステーションなどでは、上記
シリアルモニタ39を上記故障診断用コネクタ38を介
して上記ECU20に接続し、上記バックアップRAM
24からトラブルデータを読出して故障診断を行ない、
また、上記故障診断モード切換用コネクタ37をDチェ
ックモードに切換えて、より詳細な故障診断を行なう。
力ポートには、駆動回路40を介して、上記インジェク
タ11、上記燃料ポンプリレー34のリレーコイル34
a、上記セルフシャットリレー29のリレーコイル29
aおよび異常状態を表示するECSランプ51が接続さ
れている。
量制御は、CPU21により、ROM22に記憶されて
いる制御プログラムに従って実行される。すなわち、C
PU21では、上記CDIパルスの入力間隔からエンジ
ン回転数Nを算出し、このエンジン回転数Nと上記スロ
ットル開度センサ10からのスロットル開度αとに基づ
いて、基本燃料噴射パルス幅Tp を設定する。そして、
RAM23に記憶されている各種データに基づき、上記
基本燃料噴射パルス幅Tpに補正を加えて燃料噴射量を
演算するとともに、燃料圧力センサ50により得られた
燃料圧力PF が上限圧力値PHSETよりも高いか、あるい
は、下限圧力値PLSETよりも低いかを判別し、燃料圧力
PF が、上限圧力値PHSETよりも高い場合には、燃料噴
射量を減量補正し、また、燃料圧力PF が、下限圧力値
PLSETよりも低い場合には、燃料噴射量を増量補正し
て、この燃料噴射量に相応する駆動パルス幅信号を、駆
動回路40を介して所定のタイミングでインジェクタ1
1に出力して燃料を噴射させる。
るいはキルスイッチ32の少くとも一方がOFFされ、
点火カットがなされてエンジンが停止しても、上記セル
フシャットリレー29により、上記ECU20は直ぐに
は電源がOFFされず、予め設定された時間(例えば、
10分)経過後、電源がOFFされてシステムが停止す
る。
1のクランクシャフト1bにはマグネト41が連設さ
れ、このマグネト41のエキサイタコイル41a、パル
サーコイル41bが上記CDIユニット33に接続され
るとともに、上記CDIユニット33に点火コイル4a
の一次側が接続されている。
イル41c、チャージコイル41dが備えられ、上記ラ
ンプコイル41cがACレギュレータ43を介してラン
プ、ヒータなどの電気負荷44に接続されて上記バッテ
リ30と独立して電源を供給するとともに、上記チャー
ジコイル41dが整流器42を介してバッテリ30に接
続され、バッテリ30を充電するようになっている。
に、点火回路33a、点火電源短絡回路33b、パルス
検出回路33c、波形整形回路33d、デューティ制御
回路33eおよびパルス発生回路33f等から構成さ
れ、上記点火回路33aに、各気筒に配設された各点火
プラグ4の各点火コイル4aの一次側が並列に接続され
るとともに、上記パルス検出回路33cが接続され、ま
た、上記点火回路33aに点火電源短絡回路33bが接
続されて一端がグランドGに接続されている。
回路33bは、マグネト41のエキサイタコイル41a
からダイオードD1を経由する点火用電源VIGに接続され
ており、上記ダイオードD1のカソードに、上記イグニッ
ションスイッチ31及びキルスイッチ32の各OFF端
子が並列に接続され、点火電源回路33bの抵抗R1、ダ
イオードD2を介して、エンジン停止用サイリスタSCR2の
ゲートに接続されている。
IGに接続された点火用コンデンサC1及び点火用サイリス
タSCR1等からなる周知の容量放電式点火回路であり、上
記マグネト41のフライホイール41eに対設されたパ
ルサーコイル41bに、上記点火用サイリスタSCR1のゲ
ートがダイオードD3、抵抗R2を介して接続され、上記パ
ルサーコイル41bから所定のタイミングで点火トリガ
信号が入力される。
1eの外周には、#1,#2,#3気筒の各圧縮上死点
前(BTDC)θ2 (例えば、θ2 =15〜20°)の
位置に、突起41f(スリットでも良い)がθ1 (例え
ば、θ1 =120°)の間隔で形成されており、上記フ
ライホイール41eの回転に伴って上記突起41fが上
記パルサーコイル41bを通過する際に、電磁誘導によ
り上記パルサーコイル41bから点火トリガ信号が出力
される。
記点火用電源VIGに第1のダイオードD4のアノードと第
2のダイオードD5のアノードとが接続され、これら第1
のダイオードD4及び第2のダイオードD5のカソードが、
それぞれ、抵抗R3、トリガ用コンデンサC2を介して、と
もにエンジン停止用サイリスタSCR2のアノードに接続さ
れ、上記エンジン停止用サイリスタSCR2のカソードがグ
ランドGに接続されている。
れる上記第2のダイオードD5のカソードには、PNP型
トランジスタからなるトリガ用トランジスタTRのエミッ
タが接続されており、このトリガ用トランジスタTRのベ
ースが抵抗R4を介して上記エンジン停止用サイリスタSC
R2のアノードに接続されている。
レクタが、抵抗R5、ダイオードD6を介して上記エンジン
停止用サイリスタSCR2のゲートに接続されており、ま
た、上記エンジン停止用サイリスタSCR2のゲートとグラ
ンドGとの間には、ノイズあるいは臨界オフ電圧上昇率
の影響による転流防止用として、抵抗R6とコンデンサC3
とが並列に接続されている。
ィ制御回路33eおよびパルス発生回路33fは、直列
に接続された上記イグニッションスイッチ31及びキル
スイッチ32の各ON端子を介して上記バッテリ30に
接続され、上記パルス発生回路33fから、上記点火用
電源VIGに同期したCDIパルスが出力され(図7参
照)、上記ECU20のI/O インターフェース25に入
力される。
サーコイル41bからクランク角120°毎に点火トリ
ガ信号が出力され、エンジン1回転に3回、全気筒(3
気筒)同時に点火が行われるとともに、上記パルス発生
回路33fからクランク角120°毎にCDIパルスが
出力され、このCDIパルスをトリガとして、エンジン
1回転に1回、各インジェクタ11から全気筒同時に燃
料が噴射される。
動作について説明する。
マグネト41のエキサイタコイル41aで発生した間欠
的な電圧がダイオードD1によって半波整流されて印加さ
れ、点火回路33aの点火用コンデンサC1が充電され
る。
ル41bから所定のクランク位置で基準信号電圧が出力
され、この基準信号電圧がダイオードD3、抵抗R2を介し
て点火用サイリスタSCR1のゲートに印加される。
SCR1のトリガーレベルに達すると、上記点火用サイリス
タSCR1がターンオンし、上記点火用コンデンサC1に蓄え
られていた電荷が、点火用コンデンサC1→点火用サイリ
スタSCR1→点火コイル4a一次側→コンデンサC1からな
る閉回路内に瞬間的に放電される。これにより、上記点
火コイル4aの二次側に極めて立上がりの大きい高電圧
が発生し、点火プラグ4がスパークする。
波形が、パルス検出回路33cによって検出され、波形
整形回路33dにて波形整形されてデューティ制御回路
33eで所定のパルス幅にされ、パルス発生回路33f
から上記点火用電源VIGに同期したCDIパルスが出力
され、ECU20に入力される。
基づいてエンジン回転数Nを算出し、このエンジン回転
数Nと前記スロットル開度センサ10からのスロットル
開度αとに基づいて、基本燃料噴射パルス幅Tp を設定
するとともに、この基本燃料噴射パルス幅Tp に各種補
正を加え、燃料噴射量に相応する燃料噴射パルス幅Ti
を算出して、上記CDIパルスをトリガとしエンジン1
回転に1回、インジェクタ11に出力する。
説明すると、イグニッションスイッチ31あるいはキル
スイッチ32をOFFすると、上記点火用電源VIGから
抵抗R1,ダイオードD2を経て点火電源短絡回路33bの
エンジン停止用サイリスタSCR2のゲートに電流が流れ、
上記エンジン停止用サイリスタSCR2がターンオンする。
そして、第1のダイオードD4,抵抗R3を介して上記点火
用電源VIGを略短絡するとともに、第2のダイオードD5
を介してトリガ用コンデンサC2を充電する。
すように間欠的な電圧であるため、エンジンが停止する
までの間に上記点火用電源VIGがグランドレベルとなり
上記エンジン停止用サイリスタSCR2がターンオフした場
合、上記トリガ用コンデンサC2から放電電流が流れると
共に、トリガ用トランジスタTRがオンする。
通により、次の点火用電源VIGの発生に伴い第2のダイ
オードD5→トリガ用トランジスタTR→抵抗R5→ダイオー
ドD6の経路で上記エンジン停止用サイリスタSCR2にゲー
ト電流が直接供給され、上記エンジン停止用サイリスタ
SCR2が再びターンオンして、上記点火用電源VIGを短絡
するとともに上記トリガ用コンデンサC2を充電する。
が短絡されて上記点火プラグ4の放電に必要な点火エネ
ルギが上記点火コイル4aの一次側に供給されず、点火
限界値以下となってエンジンが停止する。
を一旦OFFして上記エンジン停止用サイリスタSCR2を
ターンオンさせれば、間欠的に発生する上記点火用電源
VIGによって上記エンジン停止用サイリスタSCR2がター
ンオフしても上記キルスイッチ32をOFFの状態に保
つ必要はなく、トリガ用コンデンサC2及び上記トリガ用
トランジスタTRによって、エンジンが停止するまで自動
的に上記エンジン停止用サイリスタSCR2がターンオフか
らターンオンを繰返して、点火カットが行われる。
に、ECU20における燃料噴射制御手順について説明
する。まず、インジェクタ11に対する燃料噴射パルス
幅Ti の設定手順を図3のフローチャートに従って説明
する。
は、例えば、所定時間毎に繰り返されるプログラムであ
り、まず、ステップS101で、CDIユニット33からの
CDIパルス入力間隔時間T120 と、このCDIパルス
入力間隔に対応するクランク角θ1 (θ1 =120°;
マグネト41のフライホイール41e外周の突起41f
間の角度)とから、周期fを求め(f=dT120 /dθ
1 )、この周期fからエンジン回転数Nを算出する(N
=60/f)。
センサ10からのスロットル開度αを読込み、ステップ
S103で、上記ステップS101で算出したエンジン回転数N
と上記ステップS102で読込んだスロットル開度αとをパ
ラメータとして、基本燃料噴射パルス幅マップMPTp
を検索し、直接、あるいは補間計算により、基本燃料噴
射パルス幅Tp を設定する。
は、上記スロットル開度αと上記エンジン回転数Nに対
して吸入空気量を割付け、この吸入空気量に対する基本
燃料噴射パルス幅Tp をROM22の一連のアドレスに
3次元テーブルとして格納したもので、いわゆるスロッ
トルスピード方式により、スロットルバルブ9aの開閉
に対してレスポンスの良い燃料噴射制御が達成できる。
3からの吸気温AIR を読込み、マップ検索などにより、
温度によって異なる吸気密度補正のための吸気温補正係
数KAIR を設定してステップS105へ進む。
ンサ6からのクランクケース温度TmCを読込み、このク
ランクケース温度TmCをパラメータとしてクランクケー
ス温増量マップMPTCを検索し、直接あるいは補間計算
によりクランクケース温増量KTCを設定する。
は、クランクケース温度TmCに係わる増量補正分をRO
M22の一連のアドレスに格納したもので、例えば、2
0°C〜80°Cのクランクケース温度範囲では上記ク
ランクケース温増量KTCは略一定の値であり、低温側で
は始動性改善のため、また、高温側では吸気効率を考慮
して上記クランクケース温増量KTCの値を大きくして補
正量を大きくしている。そして、ステップS106へ進み、
上記ステップS105で設定したクランクケース温増量KTC
からクランクケース温増量補正係数KTC1(=1+KTC)
を設定してステップS107へ進む。
の大気圧ALTをパラメータとして、マップ検索などによ
り、大気圧ALTによって異なる吸気密度補正のための高
度補正係数KALT を設定し、ステップS108で、後述する
燃料圧力補正係数設定サブルーチンを実行して燃料圧力
補正係数KPFを設定する。
圧VB に基づいてインジェクタ14の無効噴射時間を補
間する電圧補正パルス幅TS を設定する。
で設定した基本燃料パルス幅Tp を、上記ステップS104
で設定した吸気温補正係数KAIR により吸気密度の補正
を行ない、上記ステップS106で設定したクランクケース
温増量補正係数KTC1 により増量補正し、上記ステップ
S107で設定した高度補正係数KALT およびステップS108
で設定された燃料圧力補正係数KPFにより補正するとと
もに、上記ステップS109で設定したインジェクタ電圧補
正パルス幅TS を加算して燃料噴射パルス幅Ti を算出
して(Ti ←Tp ×KAIR ×KTC1 ×KALT ×KPF+T
S )ルーチンを抜ける。
が設定されると、図4のフローチャートに示すように、
CDIパルスをトリガとする所定のタイミングで割り込
み、ステップS201で、上記燃料噴射パルス幅Ti の駆動
パルス信号を各インジェクタ11に出力してルーチンを
抜ける。
ンク角120°毎にCDIパルスが出力され、このCD
Iパルスをトリガとして、エンジン1回転に1回、各イ
ンジェクタ11から全気筒同時に燃料が噴射される。
テップS108で実行される燃料圧力補正係数設定のサブル
ーチンは図1および図2のフローチャートによる。
0による燃料圧力PF を読み込み、ステップS302に進
む。
め設定した上限圧力値PHSETとを比較し、PF ≧PHSET
の場合には、ステップS303に進み、PF <PHSETの場合
には、ステップS304に進む。
により求めた値で、通常ではあり得ない燃料圧力の上限
の値である。
むと、燃料圧力の異常上昇と看做し得る設定時間以上、
PF ≧PFSETの状態が継続したときに1にセットされる
燃料圧力上限補正判別フラグFLAG1の値を参照し、
FLAG1=1のときには、ステップS310へジャンプ
し、FLAG1=0のときにはステップS305へ進み、P
F ≧PHSETの継続時間をカウントするための第1タイマ
カウント値COUNT1をカウントアップ(COUNT
1←COUNT1+1)して、ステップS306へ進む。
COUNT1が燃料圧力の異常上昇と看做し得る設定値
COUNTSET (例えば、1.0sec 相当)に達したか
否かを判別する。そして、上記ステップS306で、COU
NT1≦COUNTSET であり、PF ≧PHSETの状態が
設定時間以上継続していないときには、ステップS312へ
ジャンプし、COUNT1>COUNTSET であり、P
F ≧PHSETの状態が設定時間継続して燃料圧力の異常上
昇と判別したときには、ステップS307へ進み、燃料圧力
上限補正判別フラグFLAG1をセットすると(FLA
G1←1)、ステップS308で、第1タイマカウント値C
OUNT1をクリアし(COUNT1←0)、ステップ
S09 へ進み、バックアップRAM24の所定アドレス
に、燃料圧力の異常上昇を示す燃料圧力上限異常データ
をストアする。
限補正設定値KPFSETHを燃料圧力補正計数KPFとして設
定し(KPF←KPFSETH)、ステップS311へ進む。
プレッシャレギュレータ18のクローズスティック等に
より燃料圧力PF が異常に上昇した際の、空燃比の過濃
化を防止すべく予め実験等により求めた値で、1.0よ
りも小さい値であり、データとしてROM22に格納さ
れている。
常等により燃料圧力が異常に上昇したときには、燃料圧
力補正計数KPFがKPF<1.0に設定されて前述の燃料
噴射量演算に用いられるので、燃料噴射量の減量補正が
行われ、燃料圧力異常上昇に伴う空燃比の過濃化が速か
に解消される。
の異常上昇を運転者に警告すべくECSランプ51を点
灯させ、ステップS312に進む。
ウント値COUNT2をクリアし(COUNT2←
0)、ステップS313で後述する燃料圧力下限補正判別フ
ラグFLAG2をクリアして(FLAG2←0)、ルー
チンを抜ける。
が、上記上限圧力値PHSETよりも低い(PF <PHSET)
と判断されてステップS304に進むと、上記燃料圧力PF
と予め設定した下限圧力値PLSETとを比較し、PF ≦P
LSETの場合には、ステップS314に進み、PF >PLSETの
場合には、ステップS315に進む。ここで、上記下限圧力
値PLSETは、実験等により求めた値で、通常ではあり得
ない燃料圧力の下限の値である。
LSETと判別された場合は、燃料圧力PF と、上限圧力値
PHSETと、下限圧力値PLSETとの間には、PHSET>PF
>PLSETの関係が成り立ち、燃料圧力PF が正常状態に
ある。
されステップS315に進むと、燃料圧力PF が正常状態で
あるため、燃料圧力補正係数KPFを1.0とし(KPF←
1.0)、ステップS316に進み、第1タイマカウント値
COUNT1をクリアすると共に(COUNT1←
0)、ステップS317で、燃料圧力上限補正判別フラグF
LAG1をクリアして(FLAG1←0)、前記ステッ
プS312に進む。
のときには、ステップS314へ進み、燃料圧力PF の異常
低下と看做し得る設定時間以上、PF ≦PLSETの状態が
継続したときに1にセットされる燃料圧力下限判別フラ
グFLAG2の値を参照し、FLAG2=1のときには
ステップS323へジャンプし、FLAG2=0のときには
ステップS318へ進み、PF ≦PLSETの継続時間をカウン
トするための第2タイマカウント値COUNT2をカウ
ントアップし(COUNT2←COUNT2+1)、ス
テップS319へ進む。
COUNT2が燃料圧力の異常低下と看做し得る設定値
COUNTSET に達したか否かを判別する。そして、上
記ステップS319で、COUNT2≦COUNTSET であ
り、PF ≦PLSETの状態が設定時間以上継続していない
ときには、ステップS325へジャンプし、COUNT2>
COUNTSET であり、PF ≦PLSETの状態が設定時間
継続し、燃料圧力の異常低下と判別したときにはステッ
プS320へ進み、燃料圧力下限補正判別フラグFLAG2
をセットすると(FLAG2←1)、ステップS321で、
第2タイマカウント値COUNT2をクリアし(COU
NT2←0)、ステップS322へ進み、バックアップRA
M24の所定アドレスに、燃料圧力の異常低下を示す燃
料圧力下限異常データをストアする。
限補正設定値KPFSETLを燃料圧力補正係数KPFとして設
定し(KPF←KPFSETL)、ステップS324へ進む。
燃料残量の微量時やプレッシャレギュレータ18の異常
等により燃料圧力PF が異常に低下した際の、空燃比の
過薄化を防止すべく予め実験等により求めた値で、1.
0よりも大きい値であり、データとしてROM22に格
納されている。
ギュレータ18の異常等により燃料圧力が異常に低下し
たときには、燃料圧力補正係数KPFがKPF>1.0に設
定され、前述の燃料噴射量演算に用いられるので、燃料
噴射量の増量補正が行われ、燃料圧力の異常低下に伴う
空燃比の過薄化が速かに解消される。
の異常低下を運転者に警告すべくECSランプ51を点
灯させ、ステップS325、S326で、第1タイマカウント値
COUNT1、燃料圧力上限補正判別フラグFLAG1
をクリアし(COUNT1←0、FLAG1←0)、ル
ーチンを抜ける。
料圧力下限異常データは、ディーラのサービスステーシ
ョンなどで、シリアルモニタ39を故障診断用コネクタ
38を介して上記ECU20に接続し、上記バックアッ
プRAM24からデータを読出して故障診断を行ない、
故障箇所を修理後、シリアルモニタ39を介してクリア
できるようになっている。
二実施例を示し、図9は燃料圧力補正係数の設定手順を
示すフローチャート、図10は制御装置の回路構成図、
図11はCDIユニットの回路図である。
本発明の燃料噴射制御方法を適用した一例であり、検出
した燃料圧力が下限圧力値よりも低い場合に、点火カッ
トおよび燃料カットを実行してエンジンを停止させるよ
うにした点が上記第一実施例と異なる。
図10および図11に示すように、CDIユニット33
の点火用電源VIGを短絡して点火カットを行なうIGカ
ットリレー52を設けたもので、このIGカットリレー
52のリレーコイル52aの一端はバッテリ30に接続
され、他端がECU20に駆動回路40を介して接続さ
れるとともに、ON側の接点が、イグニッションスイッ
チ31およびキルスイッチ32と直列に接続され、OF
F側の接点は、CDIユニット33の点火用電源VIGを
短絡可能に接続されている。
カットリレー52のリレーコイル52aに通電されると
接点がOFF側となりCDIユニット33の点火用電源
VIGを短絡して、点火カットが行なわれる。
様のため説明を省略する。
料噴射制御手順は、前記第一実施例と同様で、燃料圧力
補正係数設定手順の一部が異なる。
うに、前記第一実施例で説明したステップS322を実行し
た後、ステップS401に進む。
料圧力補正係数KPFを0とし(KPF←0)、次いで、ス
テップS402へ進み、上記IGカットリレー52のリレー
コイル52aに通電して点火カットを行ない、以後、前
記第一実施例で説明したステップS324に進む。
が上限圧力値PHSETを越えている燃料圧力異常上昇の状
態では1.0よりも小さい値の燃料圧力補正係数KPFが
設定され、また、所定時間以上燃料圧力PF が下限圧力
値PLSET以下の燃料圧力異常低下の状態では、燃料圧力
補正係数KPFが0に設定されることにより、燃料カット
が行われるとともに、点火カットが行なわれる。
異常等による燃料圧力PF の異常上昇時には、速かに異
常を検出し、燃料噴射量の減量補正を行うことにより燃
料圧力の異常上昇に伴う空燃比の過簿化が速かに解消さ
れると共に、燃料残量の微量時やプレッシャレギュレー
タ18の異常等による燃料圧力の異常低下時には、燃料
カットおよび点火カットを行いエンジンを停止させるこ
とにより、燃料圧力の異常低下に伴う空燃比の過薄化に
よるエンジンへの悪影響を有効に回避することができ
る。
燃料圧力PF が下限圧力値PLSET以下の燃料圧力異常低
下の状態において、燃料カットと点火カットとを行なう
ようにしているが、燃料カットおよび点火カットの少な
くとも一方を実行するようにしてもよい。
ンの実施例として説明したが、2サイクルエンジンに限
ることなく、4サイクルエンジンにも適用できる。
ば、燃料圧力を検出して、この燃料圧力が通常ではあり
得ない空燃比の過濃化を生じる予め設定した上限圧力値
よりも高い場合には、燃料噴射量を減量補正すると共
に、燃料圧力が通常ではあり得ない空燃比の過薄化を生
じる予め設定した下限圧力値よりも低い場合には、燃料
噴射量を増量補正するようにしたので、燃料圧力の異常
が生じた場合、速かに異常を検出すると共に、燃料圧力
の異常に伴う空燃比の過薄化あるいは過濃化を速かに解
消することができる。
常ではあり得ない空燃比の過濃化を生じる予め設定した
上限圧力値よりも高い場合には、燃料噴射量を減量補正
すると共に、燃料圧力が通常ではあり得ない空燃比の過
薄化を生じる予め設定した下限圧力値よりも低い場合に
は、点火カットおよび燃料カットの少なくとも一方を実
行してエンジン停止させるようにしたので、燃料圧力の
異常が生じた場合、速かに異常を検出するとともに、燃
料圧力の異常上昇に伴う空燃比の過濃化を速かに解消す
ることができ、さらに、燃料圧力の異常低下に伴う空燃
比の過薄化によるエンジンへの悪影響を防止することが
できる。
定手順を示すフローチャート
定手順を示すフローチャート
示すフローチャート
略図
図
路図
面図
定手順を示すフローチャート
成図
回路図
Claims (2)
- 【請求項1】 燃料圧力を検出し、この燃料圧力が通常
ではあり得ない空燃比の過濃化を生じる予め設定した上
限圧力値よりも高い場合には、燃料噴射量を減量補正す
る手順と、 上記燃料圧力が通常ではあり得ない空燃比の過薄化を生
じる予め設定した下限圧力値よりも低い場合には、燃料
噴射量を増量補正する手順とを備えたことを特徴とする
エンジンの燃料噴射制御方法。 - 【請求項2】 燃料圧力を検出し、この燃料圧力が通常
ではあり得ない空燃比の過濃化を生じる予め設定した上
限圧力値よりも高い場合には、燃料噴射量を減量補正す
る手順と、 上記燃料圧力が通常ではあり得ない空燃比の過薄化を生
じる予め設定した下限圧力値よりも低い場合には、点火
カットおよび燃料カットの少なくとも一方を実行してエ
ンジンを停止させる手順とを備えたことを特徴とするエ
ンジンの燃料噴射制御方法。
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