JPH0988786A - エンジンの点火時期制御装置 - Google Patents

エンジンの点火時期制御装置

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JPH0988786A
JPH0988786A JP25158295A JP25158295A JPH0988786A JP H0988786 A JPH0988786 A JP H0988786A JP 25158295 A JP25158295 A JP 25158295A JP 25158295 A JP25158295 A JP 25158295A JP H0988786 A JPH0988786 A JP H0988786A
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JP
Japan
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cylinder
ignition timing
cylinder pressure
engine
intake
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JP25158295A
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English (en)
Inventor
Toyohide Sunaguchi
豊秀 砂口
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D2200/00Input parameters for engine control
    • F02D2200/02Input parameters for engine control the parameters being related to the engine
    • F02D2200/10Parameters related to the engine output, e.g. engine torque or engine speed
    • F02D2200/1006Engine torque losses, e.g. friction or pumping losses or losses caused by external loads of accessories

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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】筒内に供給される吸入空気量が急激に変化した
場合でも、適正な点火時期制御を行うことで、エンジン
出力、及び燃料消費率の向上を図る。 【解決手段】点火対象気筒#iの排気行程の筒内圧力P
0と、吸気行程における所定クランク角毎の筒内圧力P
1〜P3を読込み(S13〜S16 、或いはS17 〜S20)、排気
行程時に検出した筒内圧力P0と吸気行程における所定
クランク角毎の筒内圧力P1〜P3との差圧に基づい
て、ポンプ損失トルクTpを算出し(S21)、このポンプ
損失トルクTpの逆数を大気圧等の空気密度に対する補
正係数である気圧補正係数Kpで補正して、筒内に供給
される吸入空気量の代表値Lを設定し(S23) 、この代表
値Lとエンジン回転数NE とに基づきマップ検索によ
り、基本点火時期ADVBASEを設定する(S24) 。点火対
象気筒#iの排気行程から吸気行程にかけての筒内圧力
変化に基づいて基本点火時期を設定しているため、吸入
空気量の急激な変化に影響されずに、実際に筒内に供給
された吸入空気量に対応した代表値Lを得ることが出来
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒内に実際に供給
された吸入空気量に適合する点火時期を設定するエンジ
ンの点火時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子制御式エンジンにおける点
火時期は、エンジン回転数とエンジン負荷とに基づき、
最適点火時期を運転領域毎に格納するマップを参照して
設定される。各気筒の点火時期を最新のデータ(エンジ
ン回転数データ、エンジン負荷データ等)に基づいて設
定するためには、圧縮行程中の少なくともドエル開始直
前に演算する必要がある。
【0003】ところで、エンジン負荷を吸入空気量セン
サの出力値に基づいて算出した吸入空気量Qと、エンジ
ン回転数NE とに基づいて設定する場合、例えば基本燃
料噴射量τp(τp=K・Q/NE ;Kはインジェク
タ補正係数)をエンジン負荷の代表値として採用するよ
うな場合、吸気行程から点火時期演算処理開始迄の間
に、急加速等の過渡的な変化があったときは、実際に筒
内に吸入される吸入空気量に対し吸入空気量センサでの
検出値には、吸入空気量センサと当該気筒までの管路長
等の影響で、ある一時遅れが生じる。そのため、吸入空
気量センサによる検出値が点火対象気筒に供給された実
際の吸入空気量と一致せず、従って、点火時期が最適点
火時期に対してずれた値となり、エンジン出力及び燃焼
消費率の低下を招くばかりでなく、点火時期が最適点火
時期に対して進角方向へずれた場合にはノッキングの発
生を招くことにもなる。
【0004】これに対処するに、例えば特開昭61−4
9167号公報では、筒内圧センサを各気筒に配設し、
燃焼時とモータリング時とで筒内圧力がほぼ同一の値を
示す領域において、2つの異なったクランク角度(吸気
弁開の圧縮行程初期のクランク角度と圧縮行程中途のク
ランク角度)の筒内圧力を検出し、その差圧(圧力上
昇)を1サイクル中における1気筒の当たり吸入空気量
の代表値として用い、この差圧とエンジン回転数とに基
づいて基本点火時期を設定することで、加速時等の過渡
運転によりエンジン運転領域が急激に変化した場合で
も、点火対象気筒に供給された実際の吸入空気量に基づ
いて点火時期を設定する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記先行例では、燃焼
時とモータリング時とで筒内圧力が同一の領域における
2つの異なったクランク角度の筒内圧力の差圧が、1気
筒当たりの空気量実測値にほぼ一致している点に着目
し、この差圧を点火対象気筒に供給された吸入空気量の
代表値としているが、圧縮行程中は筒内圧が大きく変化
するため、筒内圧センサにより、所定クランク角毎の筒
内圧を正確に検出することは困難で、差圧の検出精度を
十分に保証することが出来ず、この差圧に基づいて筒内
に供給された実際の吸入空気量に適合する最適点火時期
を設定することは困難である。
【0006】尚、特開昭63−65173号公報には、
吸入空気量センサの上流とサージタンクとに吸気温セン
サをそれぞれ配設し、吸入空気量センサ上流の吸気温度
と、過給機を通過しインタークーラにて冷却された後の
吸気温度との差温(温度上昇分)を、過給機付きエンジ
ンの各気筒に対する吸入空気の実質圧力を反映する関数
として用い、この差温に応じて気筒に供給される吸入空
気の充填効率が変動することから、この充填効率の変動
に応じた点火時期を補正制御する技術が開示さている
が、吸入空気量センサの出力値を温度補償しているに過
ぎないので、ある気筒の吸気行程中途に急加速などの過
渡的変化が生じた場合には、一時遅れが生じてしまい、
筒内に実際に供給された吸入空気量に対応した最適点火
時期を設定することは出来ない。
【0007】本発明は、上記事情に鑑み、筒内へ供給さ
れる吸入空気量が急激に変化しても、常に最適な点火時
期を設定することが出来て、ノッキングの発生を回避し
つつ、エンジン出力、及び燃料消費率の向上を図ること
のできるエンジンの点火時期制御装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明は、図1(a)の基本構成図に示す
ように、筒内圧力を検出する筒内圧検出手段を気筒毎に
配設するエンジンにおいて、エンジン運転時の所定クラ
ンク角に同期して出力するクランクパルスに基づきエン
ジン回転数を算出するエンジン回転数算出手段と、点火
対象気筒に配設した上記筒内圧検出手段からの出力信号
と上記クランクパルスとに基づき当該点火対象気筒の排
気行程から吸入行程にかけての筒内圧力変化を算出する
と共に、この筒内圧力変化に基づき筒内に供給される吸
入空気量に対して減少関数的値を示すポンプ損失トルク
を算出するポンプ損失トルク算出手段と、上記エンジン
回転数と上記ポンプ損失トルクとに基づき点火対象気筒
に対する基本点火時期を設定する基本点火時期設定手段
とを備えることを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、図1(b)の基本
構成図に示すように、筒内圧力を検出する筒内圧検出手
段を気筒毎に配設するエンジンにおいて、エンジン運転
時の所定クランク角に同期して出力するクランクパルス
に基づきエンジン回転数を算出するエンジン回転数算出
手段と、点火対象気筒に配設した上記筒内圧検出手段か
らの出力信号と上記クランクパルスとに基づき当該点火
対象気筒の排気行程から吸入行程にかけての筒内圧力変
化を算出すると共に、この筒内圧力変化に基づき筒内に
供給される吸入空気量に対して減少関数的値を示すポン
プ損失トルクを算出するポンプ損失トルク算出手段と、
上記ポンプ損失トルクを空気密度に対応する密度補正係
数で補正して筒内に供給される吸入空気量の代表値を設
定する代表値設定手段と、上記エンジン回転数と上記代
表値とに基づき点火対象気筒に対する基本点火時期を設
定する基本点火時期設定手段とを備えることを特徴とす
る。
【0010】請求項3記載の発明は、上記請求項2記載
の発明において、前記密度補正係数を排気行程時の筒内
圧力に基づいて設定することを特徴とする。
【0011】すなわち、請求項1記載の発明では、点火
対象となる気筒に配設した筒内圧検出手段の出力信号を
所定クランク角毎に検出して、排気行程から吸入行程に
かけての筒内圧力変化を算出し、この筒内圧力変化に基
づき、排気ガスと新気とのガス交換に要する損失仕事で
あるポンプ損失トルクを算出する。そして、クランクパ
ルスの出力間隔から算出したエンジン回転数と上記ポン
プ損失トルクとに基づき、点火対象気筒の基本点火時期
を算出する。上記ポンプ損失トルクは筒内へ供給される
吸入空気量に対して減少関数値を示すものであり、この
ポンプ損失トルクを点火対象気筒に供給された吸入空気
量の代表値として用いることで、筒内に実際に供給され
た吸入空気量に対応した点火時期が設定される。
【0012】請求項2記載の発明では、点火対象となる
気筒に設けた筒内圧検出手段の出力信号を所定クランク
角毎に検出して、排気行程から吸入行程にかけての筒内
圧力変化を算出し、この筒内圧力変化に基づき、排気ガ
スと新気とのガス交換に要する損失仕事であるポンプ損
失トルクを算出する。その後、このポンプ損失トルクを
空気密度に対応する密度補正係数で密度補正して、筒内
に実際に供給される吸入空気量の代表値を設定し、この
代表値と、クランクパルスの出力間隔から算出したエン
ジン回転数とに基づき、点火対象気筒に対する基本点火
時期を算出する。ポンプ損失トルクを密度補正すること
で、筒内に実際に供給される吸入空気の質量流量に応じ
た点火時期が設定される。
【0013】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
発明において、密度補正係数を排気行程の筒内圧力に基
づいて設定することで、空気密度を直接検出する必要が
無くなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図2以下の図面に基づいて
本発明の実施の形態を説明する。
【0015】図16の符号1はエンジンであり、本実施
の形態では水平対向4気筒型エンジンを示す。エンジン
1のシリンダヘッド2に形成された各吸気ポート2aに
吸気マニホールド3が連通され、この吸気マニホールド
3にエアチャンバ4を介してスロットルチャンバ5が連
通され、このスロットルチャンバ5上流側に吸気管6を
介してエアクリーナ7が取り付けられている。
【0016】又、上記吸気管6のエアクリーナ7の直下
流に、例えばホットワイヤ式等の吸入空気量センサ8が
介装され、更に上記スロットルチャンバ5に設けられた
スロットル弁5aに、スロットル開度に応じた電圧値を
出力するスロットル開度センサ9aとスロットル弁全閉
でONするアイドル接点を有するアイドルスイッチ9b
とが組み込まれたスロットルセンサ9が連設されてい
る。
【0017】又、上記スロットル弁5aの上流と下流と
を連通するバイパス通路10に、駆動パルス信号のデュ
ーティ比に応じてバルブ開度が調整されるアイドルスピ
ードコントロール(ISC)バルブ11が介装されてい
る。
【0018】更に、上記吸気マニホールド3の各気筒の
各吸気ポート2a直上流側にインジェクタ13が臨まさ
れ、上記シリンダヘッド2には、先端を燃焼室に露呈す
る点火プラグ14が各気筒毎に取り付けられている。こ
の点火プラグ14に連設する点火コイル15には、イグ
ナイタ16が接続されている。又、この点火プラグ14
の先端部に、筒内圧力を絶対圧にて検出する筒内圧検出
手段としての筒内圧センサ32が取り付けられている。
【0019】上記インジェクタ13は、燃料供給路17
を介して燃料タンク18に連通されており、この燃料タ
ンク18内にはインタンク式の燃料ポンプ19が設けら
れている。この燃料ポンプ19からの燃料は、上記燃料
供給路17に介装された燃料フィルタ20を経て上記イ
ンジェクタ13及びプレッシャレギュレータ21に圧送
され、プレッシャレギュレータ21から上記燃料タンク
18にリターンされて上記インジェクタ13への燃料圧
力が所定に調圧される。
【0020】又、エンジン1のシリンダブロック1aに
ノックセンサ22が取り付けられると共に、シリンダブ
ロック1aの左右バンクを連通する冷却水通路23に水
温センサ24が臨まされている。更に上記シリンダヘッ
ド2の排気ポート2bに連通する排気マニホールド25
の集合部に、O2センサ26が臨まされている。尚、符
号27は触媒コンバータである。
【0021】又、上記シリンダブロック1aに支承され
たクランクシャフト1bに、クランクロータ28が軸着
され、このクランクロータ28の外周に、所定のクラン
ク角に対応する突起を検出する電磁ピックアップ等から
なるクランク角センサ29が対設され、更に、上記シリ
ンダヘッド2のカムシャフト1cに連設されたカムロー
タ30に、電磁ピックアップからなるカム角センサ31
が対設されている。
【0022】上記クランクロータ28は、図17に示す
ように、その外周に突起28a,28b,28cが形成
され、これらの各突起28a,28b,28cが、例え
ば、各気筒(#1,#2,#3,#4)の圧縮上死点前
(BTDC)θ1,θ2,θ3の位置(例えば、θ1=
97°,θ2=65°,θ3=10°)に形成されてい
る。
【0023】すなわち、突起28aと突起28b、突起
28bと突起28c、及び突起28cと突起28a間の
各通過時間からエンジンの回転周期fが算出され、又、
突起28bがエンジン始動後における点火時期設定の際
の基準クランク角となり、更に、突起28cがエンジン
始動時の固定点火時期を示す基準クランク角となる(エ
ンジン始動時については詳述せず)。
【0024】又、上記カムロータ30の外周には、図1
8に示すように、気筒判別用の突起30a,30b,3
0cが形成され、例えば、突起30aが#3,#4の圧
縮上死点後(ATDC)θ4の位置(例えばθ4=20
°)に形成され、突起30bが3個の突起で構成されて
最初の突起が#1気筒のATDCθ5の位置(例えばθ
5=5°)に形成されている。更に、突起30cが2個
の突起で構成され、最初の突起が#2気筒のATDCθ
6の位置(例えばθ6=20°)に形成されている。
【0025】点火時期制御、燃料噴射制御等の各種制御
は、図19に示す電子制御装置(ECU)40により実
行される。この電子制御装置40は、CPU41、RO
M42、RAM43、バックアップRAM44、カウン
タ・タイマ群45、及びI/Oインターフェイス46が
バスライン47を介して互いに接続されたマイクロコン
ピュータを中心として構成され、その他、安定化電圧を
各部に供給する定電圧回路48、上記I/Oインターフ
ェィス46の出力ポートからの信号によりアクチュエー
タ類を駆動する駆動回路49、センサ類からのアナログ
信号をデジタル信号に変換するA/D変換器50等の周
辺回路が内蔵されている。
【0026】上記定電圧回路48は、電源リレー51の
第1の接点を介してバッテリ52に接続され、上記電源
リレー51のリレーコイルがイグニッションスイッチ5
3を介して上記バッテリ52に接続されている。
【0027】尚、上記定電圧回路48は、上記電源リレ
ー51の第1のリレー接点を介してバッテリ52に接続
される他、直接、上記バッテリ52に接続されており、
上記イグニッションスイッチ53がONされて電源リレ
ー51のリレー接点が閉となったとき、各部へ電源を供
給する一方、上記イグニッションスイッチ53のON,
OFFに拘らず、常時、上記バクアップRAM44にバ
ックアップ用の電源を供給する。
【0028】上記電源リレー51は2接点リレーであ
り、第2のリレー接点が上記バッテリ52に接続される
と共に、イグニッションスイッチ53のONにより#1
〜#4気筒の点火コイル15(#1)〜15(#4)等の各
アクチュエータ類に電源を供給する。
【0029】又、上記I/Oインターフェイス46の入
力ポートには、アイドルスイッチ9b、ノックセンサ2
2、クランク角センサ29、カム角センサ31等が接続
されると共に、#1〜#4気筒に設けた各筒内圧センサ
32、吸入空気量センサ8、スロットル開度センサ9
a、冷却水温センサ24、及びO2センサ26等が上記
A/D変換器50を介して接続され、更に、このA/D
変換器50に、上記バッテリ52の電圧VB が入力され
てモニタされる。
【0030】一方、上記I/Oインターフェイス46の
出力ポートには、上記駆動回路49を介してISCバル
ブ11及びインジェクタ13が接続されると共に、パワ
ートランジスタ群からなるイグナイタ16が接続され、
各パワートランジスタに#1〜#4気筒の各点火コイル
15(#1)〜15(#4)の一次側が接続されている。上
記ROM42には、エンジン制御プログラムや各種マッ
プ等の固定データが記憶されており、又、上記RAM4
3には、上記各センサ類、スイッチ類の出力信号を処理
した後のデータ、及び上記CPU41で演算処理したデ
ータが格納される。又、上記バックアップRAM44に
は、各種学習マップ、制御用データ、自己診断機能によ
り検出した故障部位に対応するトラブルデータ等がスト
アされ、上記イグニッションスイッチ53がOFFのと
きにもデータが保持される。
【0031】上記CPU41では上記ROM42に記憶
されている制御プログラムに従い、燃料噴射制御、点火
時期制御等のエンジン制御を所定周期毎、或いは所定ク
ランクパルス入力毎に実行する。
【0032】ここで、上記電子制御装置40は、エンジ
ン回転数算出手段、ポンプ損失トルク算出手段、代表値
設定手段、基本点火時期設定手段としての機能を有し、
具体的には、点火時期設定に先立ち、図4に示す気筒判
別・エンジン回転数算出ルーチンがクランクパルス入力
毎に実行されて、現在の圧縮行程にある気筒#iを判別
すると共に、クランクパルスの入力間隔からエンジン回
転数NE を算出する。又、上死点前BTDCθ2,θ1
のクランクパルスに対応して、図5、図6の割り込みル
ーチンが実行されて、図12のP−V曲線、図13のタ
イムチャートに示すように、排気行程気筒の筒内圧力P
0、吸気行程中途の筒内圧力P2が検出される。更に、
上死点前BTDCθ3のクランクパルスに対応して割り
込み起動される図7のルーチンでは、吸気行程における
バルブオーバラップ期間の筒内圧力P1と吸気行程終了
時の筒内圧力P3との検出タイミングを設定し、この各
タイミングで図8、図9のルーチンをそれぞれ実行して
上記筒内圧力P1,P3を各々検出する。
【0033】そして、この各筒内圧力P0〜P3が、C
PU41に備えられているレジスタに格納される。図1
5に示すように、上記CPU41には、少なくともR0
〜R7の8個のレジスタが備えられており、R0〜R3
に#1,#2気筒の筒内圧力データP0〜P3が格納さ
れ、R4〜R7に#3,#4気筒の筒内圧力データP0
〜P3が順次格納される。そして、排気行程から吸気行
程に至るまでの所定クランク角毎に検出した筒内圧力デ
ータP0〜P3を用いて、図2、図3に示す点火時期設
定ルーチンにより、排気ガスと新気とのガス交換に要す
る損失仕事であるポンプ損失トルクTpを算出し、この
ポンプ損失トルクTpとエンジン回転数NE とから、当
該点火対象気筒に対する基本点火時期ADVBASEを算出
する。上記ポンプ損失トルクTpは筒内に供給された吸
入空気量に対して減少関数的値を示すもので、上記ポン
プ損失トルクTpの逆数を吸入空気量の代表値とするこ
とで、常に最適な点火時期を設定することができる。
【0034】以下、この点火時期設定ルーチンの説明に
先立ち、図4に示す気筒判別・エンジン回転数算出ルー
チン、及び各クランクパルス入力毎に実行される各筒内
圧検出ルーチン、或いは検出タイミング設定ルーチンに
ついて説明する。図4の気筒判別・エンジン回転数算出
ルーチンは、クランク角センサ29からのクランクパル
ス入力毎に割込み起動され、先ず、ステップS1で、カ
ム角センサ31からの気筒判別用のカムパルス入力に基
づき圧縮行程にある気筒を判別すると、次に、ステップ
S2で、クランクパルスを識別する。
【0035】図13、図14のタイムチャートに示すよ
うに、例えば、上記カム角センサ31からθ5(突起3
0b)のカムパルスが入力されたとき、圧縮行程気筒#
iは3気筒であり、また、上記θ5のカムパルスの後に
θ4(突起30a)のカムパルスが入力されたとき、圧
縮行程気筒#iは#2気筒であり、同様に、θ6(突起
30c)のカムパルスが入力された後の圧縮行程気筒#
iは#4気筒であり、さらに上記θ6のカムパルスの後
にθ4(突起30a)のカムパルスが入力されたとき、
圧縮行程気筒#iは#1気筒であることが判別できる。
【0036】さらに、上記カム角センサ31からカムパ
ルスが入力した後に、クランク角センサ29から入力さ
れるクランクパルスが周期を算出する際の基準クランク
角(θ1)を示し、次のクランクパルスが該当気筒の点
火時期を設定する際の基準クランク角(θ2)を示すも
のであることが判別できる。
【0037】すなわち、本実施の形態による4気筒エン
ジンでは、点火が#1→#3→#2→#4の気筒順に行
われる。
【0038】その後、ステップS3で、クランク角セン
サ29から入力されるクランクパルスの入力間隔時間
(周期)Tθを計測する。この入力間隔時間(周期)T
θは、前回のルーチン実行時から今回のルーチン実行時
までの時間で、図14に示すように、Tθ12(BTDC
θ1、θ2のクランクパルスの入力間隔時間)、或いは
Tθ23(BTDCθ2、θ3のクランクパルスの入力間
隔時間)、又はTθ3 1(BTDCθ3、θ1のクラン
クパルスの入力間隔時間)である。
【0039】そして、ステップS4で、上記入力間隔時
間Tθからエンジン回転数NE を算出し、RAM43の
所定アドレスに回転数データとしてストアしてルーチン
を抜ける。
【0040】以上の気筒判別・エンジン回転数算出ルー
チンに対し、上死点前BTDCθ2のクランクパルス入
力毎に、図5に示すP0検出ルーチンが実行される。こ
のP0検出ルーチンでは、現在の圧縮行程気筒#iに対
して排気行程にある気筒(図13参照)の筒内圧力P0
を読込む。
【0041】先ず、ステップS41,S42,S43
で、現在の圧縮行程気筒#iが#1気筒か、#2気筒
か、#3気筒かを、前記気筒判別・エンジン回転数算出
ルーチンでの気筒判別結果に基づいて順に判断し、#1
気筒のときはステップS41からステップS44へ進
み、#2気筒の筒内圧力P#2を、CPU41のレジスタ
R0に排気行程気筒筒内圧力データP0として格納し、
又、現在の圧縮行程気筒#iが#2気筒のときはステッ
プS42からステップS45へ進み、#1気筒の筒内圧
力P#1を上記レジスタR0に排気行程気筒筒内圧力デー
タP0として格納し、或いは、現在の圧縮行程気筒#i
が#3気筒のときはステップS43からステップS46
へ進み、#4気筒の筒内圧力P#4を上記CPU41のレ
ジスタR4に排気行程気筒筒内圧力データP0として格
納し、ルーチンを抜ける。又、圧縮行程気筒#iが上記
#1〜#3気筒の何れでもないときは、#4気筒が圧縮
行程気筒であるため、ステップS43からステップS4
7へ進み、上記レジスタR4に#3気筒の筒内圧力P#
3を排気行程気筒筒内圧力データP0として格納して、
ルーチンを抜ける。
【0042】一方、上死点前BTDCθ1を示すクラン
クパルスが入力されると、図6のP2検出ルーチンが実
行される。このP2検出ルーチンでは、現在の圧縮行程
気筒#iを基準として、吸気行程にある気筒を判別し、
当該吸気行程気筒の筒内圧力データP2を該当レジスタ
に格納する。
【0043】先ず、上述のP0検出ルーチンと同様、ス
テップS51,S52,S53で、現在の圧縮行程気筒
#iが#1気筒か、#2気筒か、#3気筒を判断し、#
1気筒が圧縮行程気筒のときはステップS51からステ
ップS54へ進み、#3気筒の筒内圧力P#3をCPU4
1のレジスタR6(図15参照)に吸気行程気筒筒内圧
力データP2として格納し、又、#2気筒が圧縮行程気
筒ときはステップS52からステップS55へ進み、#
4気筒の筒内圧力P#4を吸気行程気筒筒内圧力データP
2として上記レジスタR6に格納し、或いは、圧縮行程
気筒#iが#3気筒のときはステップS53からステッ
プS56へ進み、#2気筒の筒内圧力P#2を吸気行程気
筒筒内圧力データP2としてレジスタR2に格納して、
ルーチンを抜ける。又、圧縮行程気筒#iが上記#1〜
#3気筒の何れでもないときは、#4気筒が圧縮行程気
筒であるため、ステップS53からステップS57へ進
み、上記レジスタR2に#1気筒の筒内圧力P#1を吸
気行程気筒筒内圧力データP2として格納して、ルーチ
ンを抜ける。
【0044】又、上死点前BTDCθ3を示すクランク
パルスが入力されると、図7に示すP1,P3検出タイ
ミング設定ルーチンが実行される。このP1,P3検出
タイミング設定ルーチンでは、吸気行程における排気弁
開と吸気弁開とのバルブオーバラップ期間と、吸気行程
終了時、すなわち吸気下死点時との筒内圧力を検出する
タイミングを設定する。
【0045】先ず、ステップS61で、最新のクランク
パルス入力間隔時間Tθ23に基づき、上死点前BTDC
θ3を示すクランクパルス入力からバルブオーバラップ
期間の中間点に到達する時間であるP1検出タイミング
T1を算出する。 T1←(Tθ23/θ23)×θA ここで、θ23はクランクロータ28のθ2,θ3間の挟
み角、θA は上死点前BTDCθ3から吸気行程におけ
るバルブオーバラップ期間の中間点迄の角度(本実施の
形態では15゜CA 、すなわち、バルブオーバラップ期間
の中間点がATDC5゜CA に設定されている)である。
【0046】そして、ステップS62で、上記クランク
パルス入力間隔時間T23から、上死点前BTDCθ3を
示すクランクパルス入力から吸気下死点迄に到達する時
間であるP3検出タイミングT3を算出する。 T3←(Tθ23/θ23)×θB ここで、θ23はクランクロータ28のθ2,θ3間の挟
み角、θB は上死点前BTDCθ3から吸気行程終了時
である吸気下死点迄の角度θB (本実施の形態では10
゜CA )である。
【0047】その後、ステップS63で、上記P1検出
タイミングT1をP1検出タイマにセットし、ステップ
S64で、P3検出タイミングT3をP3検出タイマに
セットしてルーチンを抜ける。
【0048】すると、P1検出タイマとP3検出タイマ
とがスタートし、P1検出タイミングT1とP3検出タ
イミングT3とが各々計時される。そして、P1検出タ
イマのカウント値がP1検出タイミングT1に達したと
き、図8に示すT1割り込みルーチンが実行され、又、
P3検出タイマのカウント値がP3検出タイミングT3
に達したとき図9に示すT3割り込みルーチンが実行さ
れる。
【0049】図8に示すT1割り込みルーチンでは、現
在の圧縮行程気筒#iに対して、バルブオーバラップ期
間にある吸気行程気筒の筒内圧力P1を検出する。
【0050】先ず、ステップS71〜S73で、現圧縮
行程気筒#iを前記気筒判別・エンジン回転数算出ルー
チンでの気筒判別結果に基づいて、上述と同様に判別
し、#1気筒が圧縮行程気筒#iのときは、ステップS
71からステップS74へ進み、#3気筒の筒内圧力P
#3をレジスタR5に筒内圧力データP1として格納し、
#2気筒が圧縮行程気筒のときはステップS72からス
テップS75へ進み、#4気筒の筒内圧力P#4をレジス
タR5に筒内圧力データP1として格納し、#3気筒が
圧縮行程気筒のときはステップS73からステップS7
6へ進み、#2気筒の筒内圧力P#2をレジスタR1に筒
内圧力データP1として格納して、ルーチンを抜ける。
又、圧縮行程気筒#iが上記#1〜#3気筒の何れでも
ないときは、#4気筒が圧縮行程気筒であるため、ステ
ップS73からステップS77へ進み、上記レジスタR
1に#1気筒の筒内圧力P#1を筒内圧力データP1とし
て格納して、ルーチンを抜ける。
【0051】又、図9に示すT3割り込みルーチンで
は、現在の圧縮行程気筒#iに対して、吸気行程終了に
ある気筒の筒内圧力P3を検出する。尚、図13に示す
ように、圧縮行程を開始する気筒と吸気行程終了気筒と
は同一である。
【0052】先ず、ステップS81〜S83で、これか
ら開始される圧縮行程気筒#iが何れの気筒かを前記気
筒判別・エンジン回転数算出ルーチンでの気筒判別結果
に基づいて、上述と同様、順に判断する。そして、#1
気筒が圧縮行程気筒#iと判断したときは、ステップS
81からステップS84へ進み、当該気筒#1の筒内圧
力P#1を吸気行程終了時の筒内圧力データP3としてレ
ジスタR3に格納し、#2気筒が圧縮行程気筒#iと判
断したときは、ステップS82からステップS85へ進
み、当該気筒#2の筒内圧力P#2を吸気行程終了時の筒
内圧力データP3としてレジスタR3に格納し、#3気
筒が圧縮行程気筒#iと判断したときは、ステップS8
3からステップS86へ進み、当該気筒#3の筒内圧力
P#3を吸気行程終了時の筒内圧力データP3としてレジ
スタR7に格納して、ルーチンを抜ける。又、圧縮行程
気筒#iが上記#1〜#3気筒の何れでもないときは、
#4気筒が圧縮行程気筒であるため、ステップS83か
らステップS87へ進み、上記レジスタR7に#4気筒
の筒内圧力P#4を吸気行程終了時の筒内圧力データP3
として格納して、ルーチンを抜ける。
【0053】以上の結果、図15に示すように、CPU
41のレジスタR0〜R3には、#1気筒と#2気筒の
筒内圧力データP0〜P3が順次格納され、又、レジス
タR4〜R7には、#3気筒と#4気筒の筒内圧力デー
タP0〜P3が順次格納される。そして、点火対象気筒
の筒内圧力データP0〜P3が、図2、図3に示す点火
時期設定ルーチンにおいて読込まれて、基本点火時期が
設定される。
【0054】この点火時期設定ルーチンは、上死点前B
TDCθ2を示すクランクパルス入力毎に実行され、先
ず、ステップS11で、現在の点火対象気筒#iが何れ
の気筒であるかの情報を読込み、ステップS12で、上
記点火対象気筒#iの情報に基づき、現点火対象気筒#
iが、#1気筒と#2気筒、或いは#3気筒と#4気筒
の何れにグループに属するかを判断し、#1気筒、#2
気筒のグループに属するときはステップS13へ進み、
又、#3気筒、#4気筒のグループに属するときはステ
ップS17へ分岐する。
【0055】現在の点火対象気筒が#1気筒、#2気筒
のグループに属すると判断され、ステップS13へ進む
と、ステップS13〜S16で、レジスタR0〜R3に
格納されているレジスタ値である筒内圧力データを順に
読込み、この各筒内圧力データを、筒内圧力P0,P
1,P2,P3として設定する。ここで、P0は排気行
程の筒内圧力、P1は吸気行程におけるバルブオーバラ
ップ期間の筒内圧力、P2は吸気行程の筒内圧力、P3
は吸気行程終了時の筒内圧力である。
【0056】一方、上記ステップS12で、現点火対象
気筒#iが#3気筒、#4気筒のグループに属すると判
断されて、ステップS17へ分岐すると、ステップS1
7〜S20で、レジスタR4〜R7に格納されているレ
ジスタ値である筒内圧力データを読込み、この各筒内圧
力データを、筒内圧力P0,P1,P2,P3として設
定する。
【0057】そして、ステップS21へ進むと、上記ス
テップS13〜S16、或いはステップS17〜S20
で読込んだ、各筒内圧力P0,P1,P2,P3に基づ
き、当該点火対象気筒#iのポンプ損失トルクTpを、
次式から算出する。 Tp←α1(P0−P1)+α2(P0−P2)+α3
(P0−P3) ここで、α1〜α3は各クランク角での筒内圧力と損失
トルクとの関係補正係数である。すなわち、排気ガスと
新気とのガス交換に要するポンプ仕事は、自然吸気の場
合は、損失トルクとなり、排気圧力と吸気圧力との絶対
圧の差にほぼ比例する。しかし、実際のポンプ損失トル
クの指圧線図は丸みを帯びていて、上記差分よりも小さ
な値になるのが一般的であるため、各項に補正係数α1
〜α3を乗算して実際のポンプ損失トルクTpに近似す
る値としている。
【0058】次いで、ステップS22で、排気行程の筒
内圧力P0を略大気圧と見なし、大気圧等の空気密度に
対応する補正係数としての気圧補正係数Kpを次式から
算出する。 Kp←β×P0 ここで、βは定数である。
【0059】その後、ステップS23で、上記ポンプ損
失トルクTpと上記気圧補正係数Kpとに基づき筒内に
実際に供給された吸入空気量の代表値Lを次式から算出
する。 L←Kp×(1/Tp) すなわち、スロットル弁5aが絞られているときは吸気
抵抗が大きくなるため、吸気損失トルクが大きくなる
(筒内圧力が低くなる)と共に、排気ガス量が少ないの
で排気損失トルクは減少する。一方、スロットル弁5a
を次第に開弁すれば、吸気抵抗は減少するが、排気抵抗
は排気吹き出し損失により排気弁を開弁するときに僅か
に増加するのみで大きく増加することはない。その結
果、ポンプ損失トルクTpは、排気損失トルクの変化よ
りも吸気損失トルクの変化が支配的に影響することにな
り、スロットル弁5aが絞られているときは増加し、ス
ロットル弁5aの弁開度が増すに従い、次第に減少す
る。従って、このポンプ損失トルクTpと吸入空気重量
Gとは、一定密度の条件下ではほぼ減少関数的関係(1/T
p∝G)にあることが解る。尚、空気密度の変化が無視
できる程度の運転環境下では、 L←(1/Tp) とすることも可能である。
【0060】そして、ステップS24で、エンジン運転
状態を表す、上記吸入空気量の代表値Lおよびエンジン
回転数NE をパラメータとして基本進角値マップを補間
計算付きで参照して、基本点火時期ADVBASE(角度;
単位deg )を設定する。上記基本進角値マップは、エン
ジン運転領域毎の最適な点火進角値を、吸入空気量の代
表値L及びエンジン回転数NE をパラメータとして予め
実験等により求め、ROM42の一連のアドレスにマッ
プとして格納されているものである。
【0061】次いで、ステップS25で、ノックセンサ
22からの出力信号により検出区間によって定まる気筒
毎のノッキングの有無に応じて、気筒毎に点火時期を遅
角或いは進角させるための各気筒毎の気筒別ノック補正
値ADVK#i (単位;deg )を設定し、ステップS26
で、上記基本点火時期ADVBASEに気筒別ノック補正値
ADVK#i を加算して、当該点火対象気筒#iの点火時
期としての制御進角ADVを算出する。 ADV←ADVBASE+ADVK#i そして、ステップS27で、当該点火対象気筒#iの制
御進角ADVを上死点前BTDCθ2を示すクランクパ
ルスを基準とした点火時刻、すなわち、角度を時間デー
タに変換した点火タイミングTADV を設定する。 TADV ←(Tθ12/θ12)×(θ2−ADV) その後、ステップS28へ進み、バッテリ電圧VB に基
づいて基本通電時間DWLB[msec] を、テーブルを補間計
算付で参照して設定する。この基本通電時間DWLB は、
バッテリ電圧VB に基づいて予め実験等から求めたもの
で、バッテリ電圧VB が高い程、短く設定されており、
ROM42の一連のアドレスにテーブル化して格納され
ている。
【0062】その後、ステップS29へ進み、エンジン
回転数NE に基づきテーブルを補間計算付きで参照して
回転補正係数KDWLNを設定し、ステップS30で、上記
基本通電時間DWLB を上記回転補正係数KDWLNで補正し
て、通電時間DWLを設定する(DWL←DWLB ×KDW
LN )。
【0063】そして、ステップS31で、上記点火タイ
ミングTADV から通電時間DWLを減算して、上死点前
BTDCθ2を基準とした通電開始タイミングTDWL を
算出する。 TDWL ←TADV −DWL そして、ステップS32で、点火対象気筒#i の点火時
期タイマに点火タイミングTADV をセットし、ステップ
S33で、通電開始タイミングタイマに通電開始タイミ
ングTDWL をセットしてルーチンを抜ける。
【0064】すると、上記点火時期タイマと上記通電開
始タイミングタイマとがスタートし、上記点火タイミン
グTADV と通電開始タイミングTDWL との計時が開始さ
れる。
【0065】そして、上記通電開始タイミングTDWL に
達したとき、図10に示す通電開始タイミングルーチン
が割込み起動され、この通電開始タイミングルーチンの
ステップS91で、当該点火対象気筒#i のドエルをセ
ットしてルーチンを抜ける。
【0066】その後、上記点火時期タイマにセットされ
た点火タイミングTADV の計時が終了すると、図11に
示す点火時期ルーチンが割込み起動され、ステップS9
6で点火対象気筒#iのドエルをカットしてルーチンを
抜ける。その結果、図14のタイミングチャートに示す
ように、点火タイミングTADV は、当該点火対象気筒#
i の上死点前BTDCθ2 を示すクランクパルスを基準
クランク角として計時され、点火タイミングTADV に達
したとき点火される。
【0067】このように、本実施の形態によれば、排気
ガスと新気とのガス交換に要する損失仕事であるポンプ
損失トルクTpの逆数(1/Tp)を、或いはこの逆数
(1/Tp)を密度補正した値を、筒内に実際に供給さ
れた吸入空気量(質量流量)の代表値Lとし、この代表
値Lとエンジン回転数NE とに基づいて基本点火時期A
DVBASEを設定するようにしたので、吸入空気量センサ
の出力値に基づいて筒内に供給される吸入空気量を2次
的に推定して、点火時期を設定するものに比し、実際に
供給された吸入空気量に対応した最適な点火時期を設定
することができる。又、上記ポンプ損失トルクTpを排
気行程時の筒内圧力P0と吸気行程における所定クラン
ク角毎の筒内圧力P1〜P3との差に基づいて設定した
ので、過渡運転時等、吸入空気量が急激に変化する運転
領域であっても、急激な筒内圧の変化の影響を受けるこ
となく、実際に筒内に供給された吸入空気量に対応する
代表値Lを得ることが出来、この代表値Lとエンジン回
転数NE とに基づいて、常に最適な点火時期制御を設定
することが出来る。
【0068】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、排気行程
から吸気行程にかけての筒内圧力変化から、筒内に供給
される実際の吸入空気量に対して減少関数的値を示すポ
ンプ損失トルクを求め、このポンプ損失トルクとエンジ
ン回転数とに基づいて基本点火時期を設定するので、筒
内に実際に供給された吸入空気量に対応した最適な点火
時期を設定することができる。又、ポンプ損失トルク
を、点火対象気筒の排気行程から吸気行程にかけての筒
内圧力変化に基づいて算出するようにしているため、吸
入空気量が急激に増加しても、検出時の筒内圧力が急激
に上昇することはなく、筒内に実際に供給された吸入空
気量に応じた代表値を求めることが出来、従って、過渡
運転時であっても、常に最適な点火時期を設定すること
が出来る。その結果、エンジン出力、及び燃料消費率が
向上するばかりでなく、ノッキングの発生を有効に回避
することができる。
【0069】請求項2記載の発明によれば、上記効果に
加え、ポンプ損失トルクを空気密度に対応した密度補正
係数で補正することで、走行条件により気圧が変化した
場合でも、筒内に実際に供給される吸入空気の質量流量
に対応した最適な点火時期を設定することができる。
【0070】更に、請求項3に記載の発明のように、上
記密度補正係数を排気行程時の筒内圧力に基づいて設定
することで、空気密度を検出する手段を別途装備する必
要が無くなり、構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図
【図2】点火時期設定ルーチンを示すフローチャート
【図3】点火時期設定ルーチンを示すフローチャート
(続き)
【図4】気筒判別・エンジン回転数算出ルーチンを示す
フローチャート
【図5】P0検出ルーチンを示すフローチャート
【図6】P2検出ルーチンを示すフローチャート
【図7】P1,P3検出タイミング設定ルーチンを示す
フローチャート
【図8】T1割り込みルーチンを示すフローチャート
【図9】T3割り込みルーチンを示すフローチャート
【図10】通電開始タイミングルーチンを示すフローチ
ャート
【図11】点火時期ルーチンを示すフローチャート
【図12】筒内圧力(P) と筒内容積(V) との変化を示す
P−V線図
【図13】クランク位置とカム位置と各気筒の行程及び
筒内圧力変化を示すタイムチャート
【図14】通電開始タイミング及び点火タイミングを示
すタイムチャート
【図15】CPUに備えられているレジスタの説明図
【図16】エンジンの全体構成図
【図17】クランクロータとクランク角センサの正面図
【図18】カムロータとカム角センサの正面図
【図19】電子制御装置の回路構成図
【符号の説明】
1 エンジン 32 筒内圧センサ(筒内圧検出手段) ADVBASE 基本点火時期 Kp 気圧補正係数(密度補正係数) L 代表値 NE エンジン回転数 P0〜P3 筒内圧力 Tp ポンプ損失トルク #i 点火対象気筒

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒内圧力を検出する筒内圧検出手段を気筒
    毎に配設するエンジンにおいて、 エンジン運転時の所定クランク角に同期して出力するク
    ランクパルスに基づきエンジン回転数を算出するエンジ
    ン回転数算出手段と、 点火対象気筒に配設した上記筒内圧検出手段からの出力
    信号と上記クランクパルスとに基づき当該点火対象気筒
    の排気行程から吸入行程にかけての筒内圧力変化を算出
    すると共に、この筒内圧力変化に基づき筒内に供給され
    る吸入空気量に対して減少関数的値を示すポンプ損失ト
    ルクを算出するポンプ損失トルク算出手段と、 上記エンジン回転数と上記ポンプ損失トルクとに基づき
    点火対象気筒に対する基本点火時期を設定する基本点火
    時期設定手段とを備えることを特徴とするエンジンの点
    火時期制御装置。
  2. 【請求項2】筒内圧力を検出する筒内圧検出手段を気筒
    毎に配設するエンジンにおいて、 エンジン運転時の所定クランク角に同期して出力するク
    ランクパルスに基づきエンジン回転数を算出するエンジ
    ン回転数算出手段と、 点火対象気筒に配設した上記筒内圧検出手段からの出力
    信号と上記クランクパルスとに基づき当該点火対象気筒
    の排気行程から吸入行程にかけての筒内圧力変化を算出
    すると共に、この筒内圧力変化に基づき筒内に供給され
    る吸入空気量に対して減少関数的値を示すポンプ損失ト
    ルクを算出するポンプ損失トルク算出手段と、 上記ポンプ損失トルクを空気密度に対応する密度補正係
    数で補正して筒内に供給される吸入空気量の代表値を設
    定する代表値設定手段と、 上記エンジン回転数と上記代表値とに基づき点火対象気
    筒に対する基本点火時期を設定する基本点火時期設定手
    段とを備えることを特徴とするエンジンの点火時期制御
    装置。
  3. 【請求項3】前記密度補正係数を排気行程時の筒内圧力
    に基づいて設定することを特徴とする請求項2記載のエ
    ンジンの点火時期制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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