JPH0988665A - 過給機付エンジン搭載車の車速制限装置 - Google Patents

過給機付エンジン搭載車の車速制限装置

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JPH0988665A
JPH0988665A JP7251576A JP25157695A JPH0988665A JP H0988665 A JPH0988665 A JP H0988665A JP 7251576 A JP7251576 A JP 7251576A JP 25157695 A JP25157695 A JP 25157695A JP H0988665 A JPH0988665 A JP H0988665A
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JP
Japan
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vehicle speed
target value
fuel cut
fuel
engine
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Pending
Application number
JP7251576A
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English (en)
Inventor
Minoru Nameki
稔 行木
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Abstract

(57)【要約】 【課題】 過給機付エンジンを搭載した車輌の車速制限
時に実施する燃料カットに際し、エンジンのトルクショ
ックを軽減するとともに、排気系での急激な空燃比のリ
ーン化を抑え、排気系の異常過熱を防止する。 【解決手段】 車速がVSPS1以上になると、まず、過
給圧制御切換フラグFTCを1にセットして過給圧を強制
的に低下させ、車速がVSPS3以上になると、#3,#
4気筒の燃料カットを行い、さらに、車速がVSPS4以
上になると、#1,#2気筒の燃料カットを追加して全
気筒の燃料カットを行う。すなわち、車速制限時の燃料
カットに際し、予め過給圧を低下させてエンジン出力を
抑え、しかる後、車速が車速制限目標値を越えたときに
燃料カットを実施することで、車速制限時の燃料カット
に伴う不快なトルクショックを軽減し、また、空燃比の
急激なリーン化によって排気系が異常過熱することを防
止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料カットにより
高速走行時のオーバースピードを防止する車速制限装置
に係り、詳しくは、過給機付エンジンを搭載した過給機
付エンジン搭載車の車速制限装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の車輌においては、高負
荷高回転時や減速時等にエンジンへの燃料供給をカット
してエンジンの過回転を防止し、また、高速走行時に
は、設定車速以上で燃料供給をカットしてオーバースピ
ードを防止するようにしているが、この燃料カットに伴
って排気系での空燃比がリーン化し、排気系の過熱を招
く可能性がある。
【0003】このため、特開平5−171972号公報
には、エンジンの運転状態が過回転防止あるいはオーバ
ースピード防止等のための所定の燃料カット領域へ入っ
て燃料カットが行われた後、エンジン運転状態が燃料カ
ット状態から燃料増量状態にへ移行したとき、その移行
時から所定期間、燃料増量補正の制限あるいは点火時期
の進角補正を行い、燃料カットに伴う触媒の急激な反応
を抑えて熱劣化を防止する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、大出力のエ
ンジン、特に過給機付エンジンでは、車速が車速制限の
設定値を越えたとき、いきなり燃料カットを行うと、エ
ンジン出力の変化が大きいため不快なトルクショックが
発生する。
【0005】さらに、過給機付エンジンでは、燃料カッ
トによって排出される新気の量が通常の無過給のエンジ
ンに比較して多いため、排気系での空燃比が急激にリー
ン化し、新気が排気ガス中の未燃焼成分と反応して排気
ガス温度が異常上昇する可能性が高く、排気系、特に触
媒の早期劣化を招く虞がある。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、過給機付エンジンを搭載した車輌の車速制限時に実
施する燃料カットに際し、エンジンのトルクショックを
軽減するとともに、排気系での急激な空燃比のリーン化
を抑え、排気系の異常過熱を防止することのできる過給
機付エンジン搭載車の車速制限装置を提供することを目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
図1の基本構成図に示すように、過給機付エンジンを搭
載した車輌の車速を検出する車速検出手段と、上記過給
機付エンジンのエンジン運転状態を検出する運転状態検
出手段と、上記運転状態検出手段で検出したエンジン運
転状態に応じて上記過給機付エンジンへの燃料噴射を制
御する燃料噴射制御手段と、上記運転状態検出手段で検
出したエンジン運転状態に応じて上記過給機付エンジン
の過給圧を制御する過給圧制御手段と、所定のエンジン
運転状態下で上記燃料噴射制御手段による燃料噴射を停
止させる燃料カット手段と、上記車速検出手段で検出し
た車速が予め設定した車速制限目標値より低い過給圧低
下制御目標値を越えたとき、上記過給圧制御手段による
過給圧を強制的に低下させる過給圧低下手段と、上記車
速検出手段で検出した車速が上記車速制限目標値を越え
たとき、上記燃料カット手段を作動させて車速を制限す
る車速制限手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記車速制限目標値を、第1の目標値と、
この第1の目標値より高い第2の目標値とに分けて設定
し、上記車速制限手段が上記燃料カット手段を作動させ
る際、車速が上記第1の目標値と上記第2の目標値との
間にあるとき上記過給機付エンジンの一部の気筒に対し
て上記燃料カット手段を作動させ、車速が上記第2の目
標値を越えたとき上記過給機付エンジンの全気筒に対し
て上記燃料カット手段を作動させることを特徴とする。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、上記第1の目標値を車速上昇時と車速下降
時とで異なる値に設定するとともに、上記第2の目標値
を車速上昇時と車速下降時とで異なる値に設定し、車速
上昇時の上記第1の目標値の値と車速下降時の上記第2
の目標値の値とを一致させることを特徴とする。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記過給圧低下制御目標値を車速上昇時と
車速下降時とで異なる値に設定することを特徴とする。
【0011】すなわち、本発明では、請求項1に記載し
たように、車速制限に際し、車速制限目標値と、この車
速制限値よりも低い過給圧低下制御目標値とを予め設定
しておき、車速が過給圧低下制御目標値を越えると、ま
ず、過給圧を低下させてエンジン出力を抑え、しかる
後、車速が車速制限値を越えたとき、燃料カットを行う
ことで、車速を制限する。
【0012】また、この車速制限においては、請求項2
に記載したように、車速制限目標値を、第1の目標値
と、この第1の目標値より高い第2の目標値とに分けて
設定しておき、車速が第1の目標値と第2の目標値との
間にあるとき一部の気筒に対して燃料カットを実施し、
車速が第2の目標値を越えたとき全気筒に対して燃料カ
ットを実施する。さらに、請求項3に記載したように、
第1の目標値、および、第2の目標値を、それぞれ、車
速上昇時と車速下降時とで異なる値に設定し、車速上昇
時の第1の目標値の値と車速下降時の第2の目標値の値
とを一致させることで、全気筒に対する燃料カットをヒ
ステリシスをもって段階的に行う。
【0013】また、請求項4に記載したように、過給圧
低下制御目標値は、車速上昇時と車速下降時とで異なる
値に設定し、車速上昇時と車速下降時とでヒステリシス
をもって過給圧低下制御を行う。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図面は本発明の実施の一形態を示
し、図2及び図3は車速制限判別ルーチンのフローチャ
ート、図4は気筒判別/エンジン回転数算出ルーチンの
フローチャート、図5は燃料噴射量設定ルーチンのフロ
ーチャート、図6はθ3クランクパルス入力同期ルーチ
ンのフローチャート、図7はTMSTART割込みルーチンの
フローチャート、図8〜図10は過給圧制御ルーチンの
フローチャート、図11はエンジン制御系の概略構成
図、図12はクランクロータとクランク角センサの正面
図、図13はカムロータとカム角センサの正面図、図1
4は電子制御系の回路構成図、図15はP分テーブル及
びI分テーブルの説明図、図16は過給圧制御状態の説
明図、図17は車速と過給圧低下制御及び燃料カットと
の関係を示す説明図、図18は燃料カットに係るタイミ
ングチャートである。
【0015】図11において、符号1は過給機付エンジ
ンであり、図においては、シリンダブロック1aがクラ
ンクシャフト1bを中心として両側のバンク(図の右側
が左バンク、左側が右バンク)に2分割され、右バンク
に#1,#3気筒が配置され、左バンクに#2,#4気
筒が配置された水平対向型4気筒エンジンを示す。この
エンジン1のシリンダブロック1aの左右両バンクに
は、シリンダヘッド2がそれぞれ設けられ、各シリンダ
ヘッド2に吸気ポート2aと排気ポート2bとが形成さ
れている。
【0016】上記吸気ポート2aにはインテークマニホ
ルド3が連通され、このインテークマニホルド3の上流
側集合部に、エアーチャンバ4を介してスロットル弁通
路5が連通されている。このスロットル弁通路5の上流
側には、吸気管6を介してエアクリーナ7が取付けら
れ、このエアクリーナ7がエアインテークチャンバ8に
連通されている。また、上記排気ポート2bにはエキゾ
ーストマニホルド9を介して排気管10が連通され、こ
の排気管10に触媒コンバータ11が介装されてマフラ
12に連通されている。
【0017】また、上記スロットル弁通路5には、アク
セルペダルに連動するスロットル弁5aが設けられ、こ
のスロットル弁通路5の直上流の上記吸気管6にインタ
ークーラ13が介装され、さらに、上記吸気管6の上記
エアクリーナ7の下流側にレゾネータチャンバ14が介
装されている。
【0018】上記レゾネータチャンバ14と上記インテ
ークマニホルド3とは、上記スロットル弁5aの上流側
と下流側とをバイパスするバイパス通路15によって連
通されており、このバイパス通路15に、アイドル空気
量を調整するアイドルスピードコントロールバルブ(ア
イドル回転数制御弁;ISCV)16が介装されてい
る。さらに、上記ISCV16の直下流側に、吸気圧が
負圧のとき開弁し、ターボチャージャ18により過給さ
れて吸気圧が正圧になったとき閉弁するチェックバルブ
17が介装されている。
【0019】上記ターボチャージャ18は、そのコンプ
レッサが上記吸気管6の上記レゾネータチャンバ14の
下流側に介装され、タービンが上記排気管10に介装さ
れている。さらに、上記ターボチャージャ18のタービ
ンハウジング流入口には、ウエストゲート弁19が介装
され、このウエストゲート弁19にウエストゲート弁作
動用アクチュエータ20が連設されている。
【0020】上記ウエストゲート弁作動用アクチュエー
タ20は、ダイヤフラムにより2室に仕切られ、一方が
ウエストゲート弁制御デューティソレノイド弁21に連
通する圧力室を形成し、他方が上記ウエストゲート弁1
9を閉方向に付勢するスプリングを収納したスプリング
室を形成している。
【0021】また、上記ウエストゲート弁制御デューテ
ィソレノイド弁21は、上記ウエストゲート弁作動用ア
クチュータ20の圧力室に連通するポートと、ターボチ
ャージャ18のコンプレッサ下流に連通するポートと、
上記レゾネータチャンバ14に連通するポートとを有す
る電磁三方弁であり、後述する電子制御装置50(EC
U50;図14参照)から出力される制御信号のデュー
ティ比に応じて上記レゾネータチャンバ14に連通する
ポートの弁開度が調節され、上記レゾネータチャンバ1
4側の圧力と上記コンプレッサ下流側の圧力とが調圧さ
れて上記ウエストゲート弁作動用アクチュエータ20の
圧力室に制御圧を供給する。
【0022】本形態においては、上記ウエストゲート弁
制御デューティソレノイド弁21に出力される制御信号
のデューティ比が小さい程、上記レゾネータチャンバ1
4に連通するポートの弁開度が小さくなって上記ウエス
トゲート弁作動用アクチュエータ20の圧力室に高い制
御圧が供給され、ウエストゲート弁19の開度が大きく
なって過給圧が低下する。一方、上記ウエストゲート弁
制御デューティソレノイド弁21に出力される制御信号
のデューティ比が大きくなる程、上記レゾネータチャン
バ14に連通するポートの弁開度が大きくなってリーク
量が増大し、上記ウエストゲート弁作動用アクチュエー
タ20の圧力室に供給される制御圧が低下してウエスト
ゲート弁19の開度が小さくなり、過給圧が上昇する。
【0023】一方、上記インテークマニホルド3の各気
筒の各吸気ポート2aの直上流側にはインジェクタ25
が臨まされている。さらに、上記シリンダヘッド2の各
気筒毎に、その先端を燃焼室に露呈する点火プラグ26
aが取付けられ、この点火プラグ26aに、各気筒毎に
配設された点火コイル26bを介してイグナイタ27が
接続されている。
【0024】上記インジェクタ25には、燃料タンク2
8内に設けたインタンク式の燃料ポンプ29から燃料フ
ィルタ30を経て燃料が圧送され、プレッシャレギュレ
ータ31にてインジェクタ25への燃料圧力が所定の圧
力に調圧される。
【0025】次に、センサ類の配置について説明する。
符号22は絶対圧センサであり、吸気管圧力/大気圧切
換ソレノイド弁23により吸気管圧力(インテークマニ
ホルド3内の吸気圧)と大気圧とを選択的に検出する。
また、上記吸気管6の上記エアクリーナ7の直下流に、
ホットワイヤ或はホットフィルム等を用いた熱式の吸入
空気量センサ32が介装され、上記スロットル弁5a
に、スロットル開度センサ33aとスロットル全閉でO
Nするアイドルスイッチ33bとを内蔵したスロットル
センサ33が連設されている。
【0026】また、上記エンジン1のシリンダブロック
1aにノックセンサ34が取付けられると共に、このシ
リンダブロック1aの左右両バンクを連通する冷却水通
路35に水温センサ36が臨まされ、上記排気管10の
上記エキゾーストマニホルド9の集合部にO2センサ3
7が臨まされている。また、クランクシャフト1bに軸
着するクランクロータ38の外周に、クランク角センサ
39が対設され、さらに、カムシャフト1cに連設する
カムロータ40に、気筒判別用のカム角センサ41が対
設されている。
【0027】上記クランクロータ38は、図12に示す
ように、その外周に突起38a,38b,38cが形成
され、これらの各突起38a,38b,38cが、各気
筒(#1,#2と#3,#4)の圧縮上死点前(BTD
C)θ1,θ2,θ3の位置に形成されており、本形態にお
いては、θ1=97°CA、θ2=65°CA、θ3=1
0°CAである。
【0028】また、図13に示すように、上記カムロー
タ40の外周には、気筒判別用の突起40a,40b,
40cが形成され、突起40aが#3,#4気筒の圧縮
上死点後(ATDC)θ4の位置に形成され、突起40
bが3個の突起で構成されて最初の突起が#1気筒のA
TDCθ5の位置に形成されている。さらに、突起40
cが2個の突起で形成され、最初の突起が#2気筒のA
TDCθ6の位置に形成されている。本形態において
は、θ4=20°CA、θ5=5°CA、θ6=20°C
Aである。
【0029】そして、図18のタイミングチャートに示
すように、上記クランクロータ38の各突起が上記クラ
ンク角センサ39によって検出され、θ1,θ2,θ3(B
TDC97°,65°,10°)のクランクパルスがエ
ンジン1/2回転毎(180°CA毎)に出力される一
方、θ3クランクパルスとθ1クランクパルスとの間で上
記カムロータ40の各突起が上記カム角センサ41によ
って検出され、所定数のカムパルスが出力される。
【0030】後述するように、上記ECU50では、上
記クランク角センサ39から出力されるクランクパルス
の入力間隔時間に基づいてエンジン回転数NEを算出
し、また、各気筒の燃焼行程順(例えば、#1気筒→#
3気筒→#2気筒→#4気筒)と、上記カム角センサ4
1からのカムパルスをカウンタによって計数した値との
パターンに基づいて、燃料噴射対象気筒や点火対象気筒
の気筒判別を行う。
【0031】図14に示すように、上記ECU50は、
燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回転数制御など
を行なうメインコンピュータ51と、ノック検出処理専
用のサブコンピュータ52との2つのコンピュータを中
心として構成され、各部に安定化電源を供給する定電圧
回路53、上記メインコンピュータ51に接続される駆
動回路54及びA/D変換器55、上記サブコンピュー
タ52に接続されるA/D変換器56、このA/D変換
器56に周波数フィルタ57を介して接続されるアンプ
58等の周辺回路が内蔵されている。
【0032】上記定電圧回路53は、2回路のリレー接
点を有する電源リレー59の第1のリレー接点を介して
バッテリ60に接続されるとともに、このバッテリ60
に、直接、接続され、イグニッションスイッチ61のO
N,OFFに拘わらず上記メインコンピュータ51のバ
ックアップRAM68に常時バックアップ用の電源を供
給するようになっている。
【0033】また、上記バッテリ60には、上記イグニ
ッションスイッチ61を介して上記電源リレー59のリ
レーコイルの一端が接続されており、このリレーコイル
の他端が接地されている。さらに、上記バッテリ60に
は、燃料ポンプリレー62のリレー接点を介して燃料ポ
ンプ29が接続されており、上記燃料ポンプリレー62
は、そのリレーコイルの一端が上記電源リレー59の第
2のリレー接点を介して上記バッテリ60に接続され、
リレーコイルの他端が上記駆動回路54に接続されてい
る。尚、上記電源リレー59の第2のリレー接点から
は、各アクチュエータへの電源線が延出されている。
【0034】上記メインコンピュータ51は、CPU6
5、ROM66、RAM67、バックアップRAM6
8、カウンタ・タイマ群69、シリアル通信インターフ
ェースであるSCI70、及び、I/Oインターフェー
ス71がバスライン72を介して接続されたマイクロコ
ンピュータであり、上記バックアップRAM68には、
上記定電圧回路53からバックアップ用電源が常時供給
されてデータが保持される。
【0035】尚、上記カウンタ・タイマ群69は、フリ
ーランカウンタ、カム角センサ信号の入力計数用カウン
タなどの各種カウンタ、燃料噴射用タイマ、点火用タイ
マ、定期割込みを発生させるための定期割込み用タイ
マ、クランク角センサ信号の入力間隔計時用タイマ、及
び、システム異常監視用のウオッチドッグタイマなどの
各種タイマを便宜上総称するものであり、上記メインコ
ンピュータ51においては、その他、各種のソフトウエ
アカウンタ・タイマが用いられる。
【0036】上記I/Oインターフェース71の入力ポ
ートには、アイドルスイッチ33b、車速センサ42、
クランク角センサ39、カム角センサ41が接続されて
おり、さらに、上記A/D変換器55を介して、吸入空
気量センサ32、スロットル開度センサ33a、水温セ
ンサ36、O2センサ37、及び、絶対圧センサ22が
接続されるとともに、バッテリ電圧VBが入力されてモ
ニタされる。
【0037】また、上記I/Oインターフェース71の
出力ポートには、イグナイタ27が接続されると共に、
ISCV16、インジェクタ25、ウエストゲート弁制
御デューティソレノイド弁21、吸気管圧力/大気圧切
換ソレノイド弁23、及び、燃料ポンプリレー62のリ
レーコイルが上記駆動回路54を介して接続されてい
る。
【0038】一方、上記サブコンピュータ52は、上記
メインコンピュータ51と同様、CPU75、ROM7
6、RAM77、カウンタ・タイマ群78、SCI7
9、及び、I/Oインターフェース80がバスライン8
1を介して接続されたマイクロコンピュータであり、上
記メインコンピュータ51と上記サブコンピュータ52
とは、上記SCI70,79を介してシリアル通信ライ
ンにより互いに接続されている。
【0039】上記I/Oインターフェース80の入力ポ
ートには、クランク角センサ39、カム角センサ41が
接続されるとともに、ノックセンサ34が、アンプ5
8、周波数フィルタ57、A/D変換器56を介して接
続されており、上記ノックセンサ34からのノック検出
信号が上記アンプ58で所定のレベルに増幅された後、
上記周波数フィルタ57により必要な周波数成分が抽出
され、上記A/D変換器56にてデジタル信号に変換さ
れて入力される。
【0040】上記サブコンピュータ52のI/Oインタ
ーフェース80の所定の出力ポートは、上記メインコン
ピュータ51のI/Oインターフェース71の所定の入
力ポートに接続されており、上記サブコンピュータ52
では、ノックセンサ34からの信号に基づいてノック発
生の有無を判定し、このノック発生有無の判定結果をI
/Oインターフェース80の出力ポートを介してメイン
コンピュータ51に出力する。
【0041】そして、ノック発生の場合、シリアル回線
を通じて上記サブコンピュータ52から送信されるノッ
クデータが上記メインコンピュータ51に読込まれ、こ
のノックデータに基づいて上記メインコンピュータ51
で該当気筒の点火時期を遅らせ、ノックを回避するよう
になっている。
【0042】すなわち、上記サブコンピュータ52で
は、エンジン回転数とエンジン負荷とに基づいてノック
センサ34からの信号のサンプル区間を設定し、このサ
ンプル区間でノックセンサ34からの信号を高速にA/
D変換して振動波形を忠実にデジタルデータに変換し、
このデータに基づきノック発生の有無を判定し、その判
定結果を上記メインコンピュータ51に出力する。
【0043】一方、上記メインコンピュータ51では、
上記CPU65で上記ROM66に記憶されている制御
プログラムに従って、I/Oインターフェース71を介
して入力されるセンサ・スイッチ類からの検出信号、及
びバッテリ電圧等を処理し、RAM67及びバックアッ
プRAM68に格納される各種データ、ROM66に記
憶されている固定データ等に基づき、燃料噴射量、点火
時期、ウエストゲート弁制御デューティソレノイド弁2
1に対する駆動信号のデューティ比、ISCV16に対
する駆動信号のデューティ比等を演算し、空燃比学習制
御、点火時期制御、過給圧制御、アイドル回転数制御等
の各種制御を行う。
【0044】さらに、上記メインコンピュータ51で
は、高速走行時のオーバースピードを防止するため、設
定車速以上で燃料カットを実行して車速を制限するよう
制御しているが、ターボチャージャ18によって過給さ
れる本エンジン1のように、出力の大きいエンジンで
は、車速制限の燃料カット実行時に不快なトルクショッ
クを伴うばかりでなく、空燃比の急激なリーン化によっ
て排気系(特に触媒)の異常過熱を招く虞がある。
【0045】このため、上記メインコンピュータ51で
は、車速制限のための燃料カットに先立ち、ウエストゲ
ート弁制御デューティソレノイド弁21を制御してウエ
ストゲート弁19を開放させることでターボチャージャ
18による過給圧を低下させ、車速制限時のトルクショ
ックを軽減するとともに排気系の異常過熱を未然に防止
するようにしている。すなわち、上記メインコンピュー
タ51、及び、上記メインコンピュータ51に接続され
るセンサ類・アクチュエータ類によって、本発明に係る
車速検出手段、運転状態検出手段、燃料噴射制御手段、
過給圧制御手段、燃料カット手段、過給圧低下手段、及
び、車速制限手段の機能が実現される。
【0046】以下、上記メインコンピュータ51による
車速制限に係る処理について、図2〜図10に示すフロ
ーチャートに従って説明する。尚、サブコンピュータ5
2はノック検出処理専用のコンピュータであるため、そ
の動作説明を省略する。
【0047】まず、イグニッションスイッチ61がON
され、ECU50に電源が供給されると、システムがイ
ニシャライズされ、各フラグ、各カウンタ類が初期化さ
れる。そして、図示しないスタータスイッチがONされ
てエンジンがクランキングされると、クランク角センサ
39からのクランクパルス入力毎に、図4に示す気筒判
別/エンジン回転数算出ルーチンが起動される。
【0048】この気筒判別/エンジン回転数算出ルーチ
ンでは、エンジンがクランキングされてクランク角セン
サ39からの所定の数のクランクパルスが入力される
と、まず、ステップS101で、今回入力されたクランクパ
ルスがθ1,θ2,θ3のいずれのクランク角に対応する信
号かをカム角センサ41からのカムパルスの入力パター
ンに基づいて識別し、ステップS102で、クランクパルス
とカムパルスの入力パターンから燃料噴射対象気筒を判
別する。
【0049】すなわち、図18のタイミングチャートに
示すように、例えば、前回クランクパルスが入力してか
ら今回クランクパルスが入力されるまでの間にカムパル
ス入力が有れば、今回のクランクパルスはθ1クランク
パルスであると識別でき、さらに次回入力されるクラン
クパルスはθ2クランクパルスと識別できる。
【0050】また、前回と今回とのクランクパルス入力
間にカムパルス入力がなく前々回と前回とのクランクパ
ルス入力間にカムパルス入力が有ったときには今回のク
ランクパルスはθ2クランクパルスと識別でき、次回入
力されるクランクパルスはθ3クランクパルスと識別で
きる。また、前回と今回との間、及び前々回と前回との
クランクパルス入力間に、何れもカムパルス入力が無い
ときには、今回入力されたクランクパルスはθ3クラン
クパルスと識別でき、次回入力されるクランクパルスは
θ1クランクパルスと識別できる。
【0051】さらに、前回と今回とのクランクパルス入
力間にカムパルスが3個入力(突起40bに対応するθ
5カムパルス)したときには、次の圧縮上死点は#3気
筒であり、燃料噴射対象気筒は、その2つ後の#4気筒
となることが判別することができる。また、前回と今回
とのクランクパルス入力間にカムパルスが2個入力(突
起40cに対応するθ6カムパルス)したときには、次
の圧縮上死点は#4気筒であり、燃料噴射対象気筒は#
3気筒と判別できる。
【0052】また、前回と今回とのクランクパルス入力
間にカムパルスが1個入力(突起40aに対応するθ4
カムパルス)し、前の圧縮上死点判別が#4気筒であっ
たときには、次の圧縮上死点は#1気筒であり、燃料噴
射気筒は#2気筒と判別できる。同様に、前回と今回と
のクランクパルス入力間にカムパルスが1個入力し、前
の圧縮上死点判別が#3気筒であったときには次の圧縮
上死点は#2気筒であり、燃料噴射対象気筒は#1気筒
と判別できる。
【0053】本形態の4サイクル4気筒エンジン1で
は、燃焼行程は#1→#3→#2→#4の気筒順であ
り、カムパルス出力後の圧縮上死点となる#i気筒を#
1気筒とすると、このときの燃料噴射対象気筒#i(+2)
は#2気筒であり、次の燃料噴射対象気筒は#4気筒と
なり、燃料噴射は該当気筒に対して720°CA(エン
ジン2回転)毎に1回のシーケンシャル噴射が行われ
る。また、吸気タイミングは、各気筒において吸気バル
ブが圧縮行程初期に閉弁し、吸気行程の開始直前(例え
ばBTDC5°CA)に開弁するよう設定されている。
従って、当該気筒の吸気バルブが開き始める直前に燃料
噴射を完了させるためには、少なくとも2気筒前のクラ
ンクパルスに基づいて燃料噴射タイミングを設定する必
要がある。
【0054】その後、上記ステップS102からステップS1
03へ進み、前回のクランクパルスが入力されてから今回
のクランクパルスが入力された間のパルス入力間隔時間
(例えば、θ1クランクパルスとθ2クランクパルスの入
力間隔時間)を計時して回転周期fを求め、ステップS1
04で、この回転周期fからエンジン回転数NEを算出し
てRAM67の所定アドレスにストアし、ルーチンを抜
ける。
【0055】一方、図5に示すフローチャートは、シス
テムイニシャライズ後、所定周期毎に実行される燃料噴
射量設定ルーチンであり、燃料噴射対象気筒毎に燃料噴
射量としての燃料噴射パルス幅Tiが設定される。
【0056】この燃料噴射量設定ルーチンにおいては、
ステップS201で、前述の気筒判別・エンジン回転数算出
ルーチンによって算出されたエンジン回転数NEと、吸
入空気量センサ32からの出力信号に基づく吸入空気量
Qとから、基本燃料噴射量(基本燃料噴射パルス幅)T
pを算出し(Tp←K×Q/NE;K…インジェクタ特性
補正定数)、ステップS202で、RAM67の所定アドレ
スにストアされている空燃比フィードバック補正係数L
AMBDAを読出す。
【0057】次にステップS203へ進み、水温センサ36
による冷却水温、スロットル開度センサ33aによるス
ロットル開度、アイドルスイッチ33bからのアイドル
出力などに基づいて、冷却水温補正、加減速補正、全開
増量補正、アイドル後増量補正などに係わる各種増量分
補正係数COEFを設定し、ステップS204へ進む。
【0058】ステップS204では、エンジン回転数NEと
エンジン負荷を表す基本燃料噴射パルス幅Tpとに基づ
いて、吸入空気量センサ等の吸入空気計測系やインジェ
クタ等の燃料供給系の生産時のばらつきや経時変化によ
る空燃比のずれ等を学習した結果が記憶されるバックア
ップRAM68の空燃比学習マップを参照して学習値K
LRを検索し、補間計算により空燃比学習補正係数KBLRC
を設定する。
【0059】続くステップS205では、バッテリ60の端
子電圧VBに基づいてインジェクタ25の無効噴射時間
を補間する電圧補正係数TSを設定し、ステップS206
で、RAM67の所定アドレスから該当気筒の燃料カッ
トフラグFCUT#iを読出すと、ステップS207で燃料カッ
トフラグFCUT#iの値を参照して燃料噴射対象気筒に対
する燃料カットが指示されているか否かを調べる。
【0060】上記燃料カットフラグFCUT#1は、高負荷
高回転時、減速時、車速制限時等の運転条件下で燃料カ
ットを指示するためのフラグであり、車速制限時には、
後述する車速制限判別ルーチンによって車速に応じてセ
ット・クリアされる。従って、上記ステップS207におい
てFCUT#i=0であり、該当気筒に対する燃料カットが
指示されていないときには、ステップS208で燃料カット
係数KFCを1.0にセットして(KFC←1.0)ステッ
プS210へ進み、FCUT#i=1で燃料カットが指示されて
いるときには、ステップS209で燃料カット係数KFCを0
にクリアして(KFC←0)ステップS210へ進む。
【0061】ステップS210では、上記ステップS201で算
出した基本燃料噴射パルス幅Tpに、上記ステップS202
で読出した空燃比フィードバック補正係数LAMBDA
及び上記ステップS203で設定した各種増量分補正係数C
OEFを乗算して空燃比補正するとともに、上記ステッ
プS204で設定した空燃比学習補正係数KBLRCを乗算して
学習補正し、更に、上記ステップS208あるいは上記ステ
ップS209でセットした燃料カット係数KFCを乗算した
後、上記ステップS205で設定した電圧補正係数Tsを加
算して電圧補正し、最終的な燃料噴射量(燃料噴射パル
ス幅)Tiを設定する(Ti←Tp×LAMBDA×CO
EF×KBLRC×KFC+Ts)。
【0062】その後、ステップS211へ進み、噴射開始タ
イミングTMSTARTを設定する。図18に示すように、θ
2クランクパルスが入力されてからθ3クランクパルスが
入力されるまでの時間をTθ2・3、θ3クランクパルス
から噴射対象気筒の吸気上死点までのクランク角度をθ
M、θ2,θ3クランクパルス間の角度(例えば、55°C
A)をθ2・3、θ3,θ1クランクパルス間の角度(例え
ば、93°CA)をθ3・1とすると、本形態では、吸気
開始タイミング(例えば、BTDC5°CA)よりも早
く燃料噴射を完了させるため、θ3クランクパルスを基
準として各気筒の吸気上死点より設定角度TENDIJ
(例えば、30°CA)前に燃料噴射が終了するよう、
噴射開始タイミングTMSTARTを設定する(TMSTART←
(Tθ2・3/θ2・3)×θM−(Ti+(θ2・3/θ2・3)×
TENDIJ) )。
【0063】そして、ステップS212で燃料噴射パルス幅
Tiを該当気筒に対する噴射タイマにセットするととと
もに、ステップS213で噴射開始タイミングTMSTARTを該
当気筒に対する噴射開始タイミングタイマにセットし、
ルーチンを抜ける。
【0064】その結果、θ3クランクパルス入力に同期
して図6のルーチンが起動され、ステップS301で噴射タ
イミングタイマの計時がスタートして噴射開始タイミン
グTMSTARTに達すると、図7に示すルーチンが割込み起
動し、ステップS401で燃料噴射対象気筒の噴射タイマが
スタートする。そして、この噴射タイマの計時が終了す
るまでの間、該当気筒のインジェクタ25に燃料噴射パ
ルス幅Tiに対応する駆動パルス信号が出力され、燃料
カット係数KFCがKFC=1.0である場合、燃料噴射パ
ルス幅Tiの駆動パルス信号が所定タイミングで該当気
筒のインジェクタ25に出力されて燃料噴射パルス幅T
iに相応する量の燃料が噴射される(図18に示すよう
に、該当気筒に対し2回転当たり1回のシーケンシャル
噴射)。一方、燃料カット係数KFCがKFC=0である場
合には、燃料噴射パルス幅TiがTi=TSとなって実質
的にインジェクタ25の駆動が停止され、燃料カットが
実行される。
【0065】以上の燃料噴射制御に並行してターボチャ
ージャ18による過給圧が図8〜図10に示す過給圧制
御ルーチンによってフィードバック制御される。本形態
における過給圧制御は、エンジン運転状態に基づいて設
定した目標過給圧と、絶対圧センサ22により検出され
る吸気管圧力すなわち実過給圧Pとを比較し、その比較
結果に応じてPI制御(比例積分制御)によりウエスト
ゲート弁制御デューティソレノイド弁21に対するON
デューティ(デューティ比)DUTYを演算し、このデ
ューティ比DUTYの駆動信号をウエストゲート弁制御
デューティソレノイド弁21に出力することでウエスト
ゲート弁作動用アクチュエータ20を介してウエストゲ
ート弁19の開度を制御し、過給圧を制御するものであ
る。
【0066】以下、過給圧制御ルーチンについて説明す
る。このルーチンは、システムイニシャライズ後、設定
時間毎に実行され、まず、ステップS501で、過給圧通常
制御と過給圧低下制御との切換を指示する過給圧制御切
換フラグFTCの値を参照する。この過給圧制御切換フラ
グFTCは、後述する車速制限判別ルーチンにより、車速
に応じてセット・クリアされ、FTC=1のとき過給圧低
下制御が指示され、FTC=0のとき過給圧通常制御が指
示される。
【0067】そして、上記ステップS501でFTC=1、す
なわち過給圧低下制御が指示されているときには、ステ
ップS502へ進んでウエストゲート弁制御デューティソレ
ノイド弁21に対する駆動信号のデューティ比DUTY
を0(DUTY←0)とし、ステップS532で、このデュ
ーティ比DUTYをセットしてルーチンを抜ける。これ
により、ウエストゲート弁作動用アクチュエータ20を
介してウエストゲート弁19が全開にされ、排気ガスが
リリーフされて過給圧が強制的に低下させられる。
【0068】一方、上記ステップS501でFTC=0のとき
には、上記ステップS501からステップS503以降へ進み、
通常の過給圧フィードバック制御を行う。この過給圧通
常制御では、ステップS503で、エンジン回転数NEとス
ロットル開度センサ33aからのスロットル開度THVと
に基づき基本目標過給圧マップを参照し、基本目標過給
圧TPTAGTMを設定し、ステップS504へ進む。
【0069】ステップS504では、大気圧ALTに基づき
大気圧補正係数テーブルを補間計算付で参照して、大気
圧補正係数KALCOMを設定する。ステップS504中に示す
ように、この大気圧補正係数テーブルには、大気圧が低
い程、大きい値の大気圧補正係数KALCOMが格納されて
おり、高地走行等の大気圧ALTが低い状態での目標過
給圧低下による過給圧低下を防止するようになってい
る。
【0070】次に、ステップS505へ進み、上記ステップ
S503で設定した基本目標過給圧TPTAGTMを、上記ステッ
プS504で設定した大気圧補正係数KALCOMで補正し、目
標過給圧TPTAGTを設定すると(TPTAGT←TPTAGTM×K
ALCOM)、ステップS506へ進んで、この目標過給圧TPTA
GTと絶対圧センサ22によって検出した吸気管圧力(実
過給圧)Pとの偏差ΔPを求め(ΔP←TPTAGT−
P)、ステップ507で、偏差ΔPの絶対値|ΔP|と設
定値PSとを比較し、実過給圧Pが図16に示す過給圧
のPI制御における不感帯の範囲内にあるかを調べる。
【0071】その結果、|ΔP|<PSであり、実過給
圧Pが目標過給圧TPTAGTに対する不感帯の範囲内にあ
るときには、上記ステップS507からステップS508へ進ん
でPI制御における積分定数DIを0とするとともに
(DI←0)、ステップS509で比例定数DPを0とし(D
P←0)、ステップS527へ進んで前回ルーチン実行時に
求めたデューティ比の旧値に今回のルーチンで設定した
積分定数DI及び比例定数DPを加算して新たなデューテ
ィ比DUTYを設定して(DUTY←DUTY+DI+
DP)ステップS528へ進む。
【0072】一方、上記ステップS507において|ΔP|
≧PSであり、実過給圧Pが不感帯の範囲外のときに
は、上記ステップS507からステップS510へ進み、実過給
圧Pと目標過給圧TPTAGTとを比較して、目標過給圧TP
TAGTに対する実過給圧Pの大小関係を調べる。
【0073】そして、P>TPTAGTであり、不感帯の範
囲外で実過給圧Pが目標過給圧TPTAGTよりも高いとき
には、上記ステップS510からステップS511へ進み、ステ
ップS511ないしステップS518でデューティ比減の処理を
行い実過給圧Pを低下させる。このデューティ比減の処
理では、ステップS511で、目標過給圧TPTAGTに対する
実過給圧Pの大小関係が反転し、且つ、実過給圧Pが不
感帯の範囲外へ逸脱した初回を判別するための反転初回
判別フラグFDの値を参照する。この反転初回判別フラ
グFDは、P>TPTAGTでFD=0のとき、実過給圧Pが
目標過給圧TPTAGTよりも高くなった後、初めて不感帯
を逸脱したことを示し、デューティ比減の処理によりF
D=1にセットされる。
【0074】従って、上記ステップS511で、FD=0、
すなわち、実過給圧Pが目標過給圧TPTAGTより高くな
った後、今回初めて不感帯を逸脱したときには(P≧T
PTAGT+Ps)、ステップS512へ進み、偏差の絶対値|Δ
P|に基づきP分テーブルを参照して、図15の(a)
に示されるように偏差の絶対値|ΔP|の増加に応じて
段階的に大きくなる比例定数減分値PDOWNを設定する
と、ステップS513で、この比例定数減分値PDOWNにマイ
ナスの符号を付けてスキップ補正の比例定数DPとし
(DP←−PDOWN)、ステップS514で積分定数DIを0に
した後(DI←0)、ステップS518で反転初回判別フラ
グFDをセットし(FD←1)、前述のステップS527で新
たなデューティ比DUTYを設定する。
【0075】また、上記ステップS511においてFD=1
であり、既にデューティ比DUTYのスキップ補正によ
る減少が行われているときには、上記ステップS511から
ステップS515へ進み、偏差の絶対値|ΔP|に基づきI
分テーブルを参照して積分定数減分値IDOWNを設定す
る。この積分定数減算値IDOWNは、図15の(b)に示
されるように、前述の比例定数減算値PDOWNと同様、偏
差の絶対値|ΔP|の増加に応じて段階的に大きくなる
ものの、その増加の度合は、比例定数減算値PDOWNより
小さく設定されている。
【0076】そして、上記ステップS515からステップS5
16へ進み、上記積分定数減分値IDOWNにマイナスの符号
を付けて積分定数DIとし(DI←−IDOWN)、ステップ
S517で比例定数DPを0にした後(DP←0)、ステップ
S518で反転初回判別フラグFDをセットし(FD←1)、
前述のステップS527で新たなデューティ比DUTYを設
定する。
【0077】一方、上記ステップS510で、P≦TPTAGT
であり、不感帯の範囲外で実過給圧Pが目標過給圧TPT
AGTよりも低いときには、上記ステップS510からステッ
プS519へ進み、ステップS519ないしステップS526でデュ
ーティ比増の処理を行い実過給圧Pを上昇させる。
【0078】このデューティ比増の処理では、ステップ
S519で反転初回判別フラグFDの値を参照し、FD=1で
あり、実過給圧Pが目標過給圧TPTAGTよりも高い状態
から低い状態に移行し、今回初めて不感帯を逸脱したと
きには(P≦TPTAGT−PS)、ステップS520へ進み、偏
差の絶対値|ΔP|に基づきP分テーブルを参照して、
偏差の絶対値|ΔP|の増加に応じて段階的に大きくな
る比例定数増分値PUP(図15(a)参照)を設定する
と、ステップS521で、この比例定数増分値PUPをスキッ
プ補正の比例定数DPとし(DP←PUP)、ステップS522
で積分定数DIを0にした後(DI←0)、ステップS526
で反転初回判別フラグFDをクリアし(FD←0)、前述
のステップS527で新たなデューティ比DUTYを設定す
る。
【0079】また、上記ステップS519においてFD=0
であり、既にデューティ比DUTYのスキップ補正によ
る増加が行われているときには、上記ステップS519から
ステップS523へ進み、偏差の絶対値|ΔP|に基づきI
分テーブルを参照して積分定数増分値IUP(図15
(b)参照)を設定すると、ステップS524へ進み、上記
積分定数増分値IUPを積分定数DIとし(DI←IUP)、
ステップS525で比例定数DPを0にした後(DP←0)、
ステップS526で反転初回判別フラグFDをクリアし(FD
←0)、前述のステップS527へ進んで新たなデューティ
比DUTYを設定する。尚、積分定数増分値IUPは、前
述の比例定数増分値PUPと同様、偏差の絶対値|ΔP|
の増加に応じて段階的に大きくなるものの、その増加の
度合は、比例定数増分値PUPより小さく設定されてい
る。
【0080】次に、ステップS527でデューティ比DUT
Yが設定されると、ステップS528へ進み、設定したデュ
ーティ比DUTYと下限値DUTYMINとを比較し、D
UTY≦DUTYMINのとき、ステップS529でデューテ
ィ比DUTYを下限値DUTYMINとし(DUTY←D
UTYMIN)、このデューティ比DUTYをステップS53
2でセットしてルーチンを抜ける。
【0081】また、上記ステップS528でDUTY>DU
TYMINのときには、上記ステップS528からステップS53
0へ進み、デューティ比DUTYを上限値DUTYMAXと
比較する。そして、DUTY<DUTYMAXのときに
は、上記ステップS527で設定したデューティ比DUTY
をステップS532でセットしてルーチンを抜け、DUTY
≧DUTYMAXのとき、ステップS531でデューティDU
TYを上限値DUTYMAXとし(DUTY←DUTYMA
X)、ステップS532でのデューティ比セットを経てルー
チンを抜ける。
【0082】すなわち、図16に示すように、実過給圧
Pと目標過給圧TPTAGTとの大小関係が反転し、実過給
圧Pが目標過給圧TPTAGTよりも高い状態で不感帯を逸
脱すると(P≧TPTAGT+PS)、先ず、デューティ比D
UTYを比例定数DPだけ一度に減少させ、ウエストゲ
ート弁制御デューティソレノイド弁21を介してウエス
トゲート弁19の弁開度を所定量大きくして過給圧を低
下させ、その後のルーチン実行時、未だ同様に、実過給
圧Pが不感帯を逸脱しているときには、ルーチン実行毎
すなわち演算周期毎にデューティ比DUTYを積分定数
DIづつ漸次的に減少させることでウエストゲート弁1
9の弁開度を少量づつ大きくし、過給圧が目標過給圧T
PTAGTに収束するよう制御する。
【0083】さらに、実過給圧Pが目標過給圧TPTAGT
よりも高い状態から低い状態に移行し、実過給圧Pが目
標過給圧TPTAGTよりも低い状態で不感帯を逸脱すると
(P≦TPTAGT−PS)、先ず、デューティ比DUTYを
スキップ補正量DPだけ一度に増加させ、ウエストゲー
ト弁制御デューティソレノイド弁21を介してウエスト
ゲート弁19の弁開度を所定量小さくすることでウエス
トゲート弁19による排気リリーフ量を減少させ、過給
圧を上昇させる。その後のルーチン実行時、未だ同様
に、実過給圧Pが不感帯を逸脱しているときには、ルー
チン実行毎すなわち演算周期毎にデューティ比DUTY
を積分補正量DIづつ漸次的に増加させ、ウエストゲー
ト弁19の弁開度を少量づつ更に減少させて過給圧が目
標過給圧TPTAGTに収束するよう制御する。
【0084】以上の燃料噴射制御及び過給圧制御による
運転状態下では、図2〜図3の車速制限判別ルーチンが
設定時間毎に実行され、過給圧低下制御の実施及び各気
筒に対する燃料カットを指示するフラグが車速に応じて
セット・クリアされる。
【0085】この車速制限判別ルーチンでは、ステップ
S601で過給圧制御切換フラグFTCの値を参照し、現在、
過給低下制御中か、あるいは過給圧通常制御中かを調
べ、FTC=0で過給圧通常制御中のとき、ステップS602
で、車速センサ42によって検出した車速VSPが車速
上昇時の過給圧低下制御目標値としての設定値VSPS1
以上か否かを調べ、FTC=1で過給圧低下制御中である
ときには、ステップS603で車速VSPが車速下降時の過
給圧低下制御目標値としての設定値VSPS0(VSPS0
<VSPS1)以上か否かを調べる。
【0086】そして、上記ステップS602において、VS
P<VSPS1のときには、過給圧通常制御を維持すべく
ステップS604で過給圧制御切換フラグFTCをクリアして
(FTC←0)ステップS606へ進み、VSP≧VSPS1の
ときには、過給圧低下制御に移行させるべくステップS6
05で過給圧制御切換フラグFTCをセットして(FTC←
1)ステップS606へ進む。
【0087】また、上記ステップS603において、VSP
≧VSPS0のときには、過給圧低下制御を維持すべくス
テップS605で過給圧制御切換フラグFTCをセットして
(FTC←1)ステップS606へ進み、VSP<VSPS0の
とき、過給圧低下制御から過給圧通常制御に復帰させる
べく、過給圧制御切換フラグFTCをクリアする前述のス
テップS604を経てステップS606へ進む。
【0088】本形態においては、車速上昇時に過給圧低
下制御を行うための上記設定値VSPS1は178km/
hに設定され、車速下降時に過給圧低下制御から通常制
御に復帰させるための上記設定値VSPS0は174km
/hに設定されており、過給圧低下制御目標値として車
速上昇時と車速下降時とで異なる値を設定することでヒ
ステリシスを設け、過給圧通常制御と過給圧低下制御と
の切換わりハンチングを防止するようにしている。
【0089】従って、図17に示すように、車速が17
8km/hを越えると、燃料カットに先立って、まず、
過給圧制御切換フラグFTCが1にセットされ、前述の過
給圧制御ルーチンで参照される。その結果、ウエストゲ
ート弁制御デューティソレノイド弁21に対する駆動信
号のデューティ比DUTYが0とされてウエストゲート
弁19が全開にされ、排気ガスがリリーフされて過給圧
が強制的に低下させられる。そして、この過給圧低下制
御中に、車速が174km/hよりも低下すると、過給
圧低下制御から通常制御に復帰し、ヒステリシスによっ
て制御ハンチングを防止するようにしている。
【0090】その後、ステップS606では、車速制限のた
めに一部の気筒に対する部分的な燃料カット(部分気筒
燃料カット)の実行を指示する車速制限部分気筒燃料カ
ットフラグFVSP1の値を参照し、前回ルーチン実行時に
部分気筒燃料カットが指示されているか否かを調べる。
この部分気筒燃料カットは、高速走行時のエンジン出力
を段階的に低下させるための部分的な燃料カットであ
り、本形態においては、部分気筒燃料カットは、#3,
#4気筒に対して実行される。尚、燃料カットは、車速
のみならず、高負荷高回転時や減速時等の他の運転条件
によっても実施されるため、ここでは、個別の気筒に対
する燃料カットフラグFCUT#iでなく、車速制限部分気
筒燃料カットフラグFVSP1を参照するようにしている。
【0091】そして、FVSP1=0で前回ルーチン実行時
に#3,#4気筒に対する燃料カットが指示されていな
いときには、ステップS607へ進んで車速VSPが設定値
VSPS3以上か否かを調べ、FVSP1=1で前回ルーチン
実行時に#3,#4気筒に対する燃料カットが指示され
ているときには、ステップS608へ進んで車速VSPが設
定値VSPS2(VSPS2<VSPS3)以上か否かを調べ
る。
【0092】上記各設定値VSPS2,VSPS3は、前述
の過給圧低下制御目標値よりも高い値に設定され、車速
制限の燃料カットを行う車速制限目標値のうち、一部の
気筒に対して燃料カットを行う第1の目標値であり、本
形態においては、車速上昇時に#3,#4気筒に対して
燃料カットを行うための上記設定値VSPS3が186k
m/hに設定され、車速下降時に#3,#4気筒の燃料
カットを解除するための設定値VSPS2が184km/
hに設定され、制御ハンチング防止のためにヒステリシ
スが設けられている。
【0093】その結果、上記ステップS607においてVS
P<VSPS3であり、#3,#4気筒に対する燃料カッ
トが実施されていない運転状態で車速VSPが燃料カッ
ト開始の設定車速(本形態においては186km/h)
よりも低いとき、あるいは、上記ステップS608において
VSP<VSPS2であり、#3,#4気筒に対する燃料
カットが実施され、車速VSPが燃料カット解除の設定
車速(本形態においては184km/h)よりも低下し
たときには、引続き#3,#4気筒に対する燃料カット
を非実行状態とすべく、あるいは、#3,#4気筒に対
する燃料カットを解除すべく、該当するステップからス
テップS609へ進んで、#3,#4気筒に対する各燃料カ
ットフラグFCUT#3,FCUT#4を共にクリアした後(FCUT
#3←0、FCUT#4←0)、ステップS610で部分気筒燃料
カットフラグFVSP1をクリアし(FVSP1←0)、ステッ
プS613へ進む。
【0094】一方、上記ステップS607においてVSP≧
VSPS3であり、#3,#4気筒に対する燃料カットが
実施されていない運転状態で車速VSPが燃料カット開
始の設定車速以上となったとき、あるいは、上記ステッ
プS608においてVSP≧VSPS2であり、#3,#4気
筒に対する燃料カットが実施されても車速VSPが燃料
カット解除の設定車速より低下していないときには、部
分気筒燃料カットを開始あるいは継続すべく該当するス
テップからステップS611へ進み、#3,#4気筒に対す
る各燃料カットフラグFCUT#3,FCUT#4を共にセットし
た後(FCUT#3←1、FCUT#4←1)、ステップS612で部
分気筒燃料カットフラグFVSP1をセットし(FVSP1←
1)、ステップS613へ進む。
【0095】ステップS613では、全気筒の燃料カットを
指示する全気筒燃料カットフラグFVSP2の値を参照して
全気筒の燃料カットが指示されているか否かを調べ、F
VSP2=0で前回ルーチン実行時に全気筒の燃料カットが
指示されていないときには、ステップS614へ進んで車速
VSPが設定値VSPS4(例えば、188km/h)以
上か否かを調べ、FVSP2=1で前回ルーチン実行時に全
気筒の燃料カットが指示されているときには、ステップ
S615へ進んで車速VSPが前述の設定値VSPS3以上か
否かを調べる。
【0096】上記各設定値VSPS3,VSPS4は、前述
の車速制限目標値における第1の目標値に対し、全気筒
の燃料カットを行うための第2の目標値であり、本形態
においては、車速上昇時に#3,#4気筒に加えて#
1,#2気筒に対して燃料カットを行うための上記設定
値VSPS4が188km/hに設定され、車速下降時に
#1,#2気筒の燃料カットを解除するための設定値V
SPS3は、車速上昇時に#3,#4気筒に対して燃料カ
ットを行う設定値で186km/hとなっており、第1
の目標値におけるヒステリシス上限と第2の目標値にお
けるヒステリシス下限とを同じ値とすることで、部分気
筒燃料カットから全気筒燃料カットへ円滑に移行するこ
とができるようにしている。
【0097】尚、本形態では、車速制限目標値の中心値
は設定値VSPS3の186km/hとみなすことができ
るが、この値は、車輪のスリップによる車速センサ42
の誤差を考慮して若干高めに設定された値であり、実際
的には180km/hを中心値とした車速制限を目標と
している。
【0098】そして、上記ステップS614においてVSP
<VSPS4であり、全気筒の燃料カットが実施されてい
ない運転状態で車速VSPが#1,#2気筒に対する燃
料カット開始の設定車速(本形態においては188km
/h)よりも低いとき、あるいは、上記ステップS615に
おいてVSP<VSPS3であり、全気筒に対する燃料カ
ットが実施され、車速VSPが#1,#2気筒の燃料カ
ットを解除する設定車速(本形態においては186km
/h)よりも低下したときには、引続き#1,#2気筒
に対する燃料カットを非実行状態とすべく、あるいは、
#1,#2気筒に対する燃料カットを解除すべく、該当
するステップからステップS616へ進んで、#1,#2気
筒に対する各燃料カットフラグFCUT#1,FCUT#2を共に
クリアした後(FCUT#1←0、FCUT#2←0)、ステップ
S617で全気筒燃料カットフラグFVSP2をクリアし(FVS
P2←0)、ルーチンを抜ける。
【0099】また、上記ステップS614においてVSP≧
VSPS4であり、全気筒の燃料カットが実施されていな
い運転状態で車速VSPが#1,#2気筒に対する燃料
カット開始の設定車速以上となったとき、あるいは、上
記ステップS615においてVSP≧VSPS3であり、全気
筒に対する燃料カットが実施されても車速VSPが#
1,#2気筒の燃料カットを解除する設定車速より低下
していないときには、全気筒の燃料カットを開始あるい
は継続すべく該当するステップからステップS618へ進
み、#1,#2気筒に対する各燃料カットフラグFCUT#
1,FCUT#2を共にセットした後(FCUT#1←1、FCUT#2
←1)、ステップS619で全気筒燃料カットフラグFVSP2
をセットし(FVSP2←1)、ルーチンを抜ける。
【0100】すなわち、図17に示すように、車速が1
78km/h以上となって過給圧低下制御が実施されて
過給圧が低下した後、車速が上昇して186km/h以
上になると、#3,#4気筒に対してセットされた燃料
カットフラグFCUT#3,FCUT#4が燃料噴射量設定ルーチ
ンで参照されて#3,#4気筒の燃料カットが行われ、
さらに、車速が188km/h以上になると、#1,#
2気筒に対して燃料カットフラグFCUT#1,FCUT#2がセ
ットされ、燃料噴射量設定ルーチンで参照されて#1,
#2気筒の燃料カットが追加されて全気筒が燃料カット
される。
【0101】そして、車速が低下し、186km/hよ
り低くなると、#1,#2気筒に対する燃料カットが解
除され、次いで、184km/hより車速が低くなる
と、#3,#4気筒に対する燃料カットが解除されて全
気筒の燃料カットが解除される。その後、車速が174
km/hより低くなると、過給圧低下制御が解除され、
過給圧がエンジン運転状態に応じて通常制御される。
【0102】これにより、高速運転時、車速が車速制限
目標値に近づくと、予め過給圧を低下させてエンジン出
力を抑え、しかる後、車速が車速制限目標値を越えたと
きに燃料カットを実施することで、不快なトルクショッ
クを軽減し、また、空燃比の急激なリーン化によって排
気系が異常過熱することを防止することができる。しか
も、その際、全気筒一度に燃料カットを行わず、まず、
一部の気筒を燃料カットし、さらに車速が上昇する場
合、全気筒の燃料カットを行うようにしているため、シ
ョック軽減作用をより効果的なものとすることができる
のである。
【0103】さらに、過給圧低下制御、部分気筒燃料カ
ット、全気筒燃料カットのそれぞれに、車速上昇時及び
車速下降時のヒステリシスを設けてあるため、制御ハン
チングを防止して制御性を向上することができる。
【0104】尚、本実施の形態では、過給機をターボチ
ャージャとして説明したが、過給機としてはターボチャ
ージャに限定されず、スーパーチャージャでも良い。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、請
求項1に記載したように、車速制限に際し、車速制限目
標値と、この車速制限値よりも低い過給圧低下制御目標
値とを予め設定しておき、車速が過給圧低下制御目標値
を越えると、まず、過給圧を低下させてエンジン出力を
抑え、しかる後、車速が車速制限値を越えたとき、燃料
カットを行うことで、車速を制限するため、燃料カット
の際の不快なトルクショックを軽減し、また、空燃比の
急激なリーン化による排気系の異常過熱を防止すること
ができる。
【0106】また、この車速制限においては、請求項2
に記載したように、車速制限目標値を、第1の目標値
と、この第1の目標値より高い第2の目標値とに分けて
設定しておき、車速が第1の目標値と第2の目標値との
間にあるとき一部の気筒に対して燃料カットを実施し、
車速が第2の目標値を越えたとき全気筒に対して燃料カ
ットを実施することで、燃料カットを段階的に行い、シ
ョック軽減作用をより効果的なものとすることができ
る。
【0107】さらに、請求項3に記載したように、第1
の目標値、および、第2の目標値を、それぞれ、車速上
昇時と車速下降時とで異なる値に設定し、車速上昇時の
第1の目標値の値と車速下降時の第2の目標値の値とを
一致させることで、部分的な燃料カットから全気筒に対
する燃料カットに円滑に移行させるとともに、ヒステリ
シスによる燃料カットの実行及び解除を円滑なものと
し、制御ハンチングを防止することができる。
【0108】また、請求項4に記載したように、過給圧
低下制御目標値を車速上昇時と車速下降時とで異なる値
に設定し、車速上昇時と車速下降時とでヒステリシスを
もって過給圧低下制御と過給圧通常制御とを切換えるこ
とで、同様に、制御ハンチングを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図
【図2】車速制限判別ルーチンのフローチャート
【図3】車速制限判別ルーチンのフローチャート(続
き)
【図4】気筒判別/エンジン回転数算出ルーチンのフロ
ーチャート
【図5】燃料噴射量設定ルーチンのフローチャート
【図6】θ3クランクパルス入力同期ルーチンのフロー
チャート
【図7】TMSTART割込みルーチンのフローチャート
【図8】過給圧制御ルーチンのフローチャート(その
1)
【図9】過給圧制御ルーチンのフローチャート(その
2)
【図10】過給圧制御ルーチンのフローチャート(その
3)
【図11】エンジン制御系の概略構成図
【図12】クランクロータとクランク角センサの正面図
【図13】カムロータとカム角センサの正面図
【図14】電子制御系の回路構成図
【図15】P分テーブル及びI分テーブルの説明図
【図16】過給圧制御状態の説明図
【図17】車速と過給圧低下制御及び燃料カットとの関
係を示す説明図
【図18】燃料カットに係るタイミングチャート
【符号の説明】
1 … 過給機付エンジン 51 … メインコンピュータ VSP … 車速 P … 実過給圧 Ti … 燃料噴射パルス幅 KFC … 燃料カット係数 FVSP1 … 車速制限部分気筒燃料カットフラグ FVSP2 … 全気筒燃料カットフラグ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 43/00 301 F02D 43/00 301G 301R

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過給機付エンジンを搭載した車輌の車速
    を検出する車速検出手段と、 上記過給機付エンジンのエンジン運転状態を検出する運
    転状態検出手段と、 上記運転状態検出手段で検出したエンジン運転状態に応
    じて上記過給機付エンジンへの燃料噴射を制御する燃料
    噴射制御手段と、 上記運転状態検出手段で検出したエンジン運転状態に応
    じて上記過給機付エンジンの過給圧を制御する過給圧制
    御手段と、 所定のエンジン運転状態下で上記燃料噴射制御手段によ
    る燃料噴射を停止させる燃料カット手段と、 上記車速検出手段で検出した車速が予め設定した車速制
    限目標値より低い過給圧低下制御目標値を越えたとき、
    上記過給圧制御手段による過給圧を強制的に低下させる
    過給圧低下手段と、 上記車速検出手段で検出した車速が上記車速制限目標値
    を越えたとき、上記燃料カット手段を作動させて車速を
    制限する車速制限手段とを備えたことを特徴とする過給
    機付エンジン搭載車の車速制限装置。
  2. 【請求項2】 上記車速制限目標値を、第1の目標値
    と、この第1の目標値より高い第2の目標値とに分けて
    設定し、上記車速制限手段が上記燃料カット手段を作動
    させる際、車速が上記第1の目標値と上記第2の目標値
    との間にあるとき上記過給機付エンジンの一部の気筒に
    対して上記燃料カット手段を作動させ、車速が上記第2
    の目標値を越えたとき上記過給機付エンジンの全気筒に
    対して上記燃料カット手段を作動させることを特徴とす
    る請求項1記載の過給機付エンジン搭載車の車速制限装
    置。
  3. 【請求項3】 上記第1の目標値を車速上昇時と車速下
    降時とで異なる値に設定するとともに、上記第2の目標
    値を車速上昇時と車速下降時とで異なる値に設定し、車
    速上昇時の上記第1の目標値の値と車速下降時の上記第
    2の目標値の値とを一致させることを特徴とする請求項
    2記載の過給機付エンジン搭載車の車速制限装置。
  4. 【請求項4】 上記過給圧低下制御目標値を車速上昇時
    と車速下降時とで異なる値に設定することを特徴とする
    請求項1記載の過給機付エンジン搭載車の車速制限装
    置。
JP7251576A 1995-09-28 1995-09-28 過給機付エンジン搭載車の車速制限装置 Pending JPH0988665A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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