JPH09287495A - 制御装置及び車両用エンジンの制御装置 - Google Patents

制御装置及び車両用エンジンの制御装置

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JPH09287495A
JPH09287495A JP9707796A JP9707796A JPH09287495A JP H09287495 A JPH09287495 A JP H09287495A JP 9707796 A JP9707796 A JP 9707796A JP 9707796 A JP9707796 A JP 9707796A JP H09287495 A JPH09287495 A JP H09287495A
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Mayumi Furukawa
真由美 古川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】定常的な変化を含むデータから変化分をファジ
ー推論により取り除き、この取り除いたデータにより制
御対象を制御し、制御性の向上を図る。 【解決手段】ルーチン実行周期により定まる一定時間毎
にエンジン回転数の変化速度dNEnを算出し、現在の変
化速度と前回算出した変化速度dNEn-1とが共にプラス
値の加速状態にあるか共にマイナス値の減速状態にある
かを判断し、その判断した状態に応じ、両変化速度に対
するメンバーシップ関数値F(dNEn),F(dNEn-
1)を、ROMに記憶している定常アイドル運転時にお
ける変化速度の分布率の近似データを上下反転して得た
加速側又は減速側のメンバーシップ関数により夫々算出
し、両メンバーシップ関数値の小さい方のメンバーシッ
プ関数値とこれに対応する変化速度とに基づいて補正変
化速度DNを算出し、アイドル時に、同補正変化速度に
基づきアイドル回転数制御弁に対する開度変化速度を制
御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファジー推論によ
り定常的な変化を含んだデータから定常的な変化分を取
り除き、この定常的な変化分を取り除いたデータにより
制御対象を制御し、制御性を向上する制御装置及び車両
用エンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等の車両用エンジンにお
いては、アイドル回転数を制御するために、吸気管のス
ロットル弁の上流と下流とをバイパスするバイパス通路
にアイドル回転数制御弁(ISCバルブ)を設け、アイ
ドル時にエンジン回転数と目標アイドル回転数との比較
結果に応じてISCバルブの開度を制御し、バイパス通
路を流れるバイパス空気量を調整することで、エンジン
回転数を目標アイドル回転数に収束させるようにしてお
り、また、ラジエータファン、ヘッドランプ、リヤデフ
ォッガ等の電気負荷の変化による発電機(オルタネー
タ)に対するエンジンの駆動負荷の変化、エアコン作動
開始時或いは解除時のエアコンコンプレッサに対するエ
ンジンの駆動負荷、パワーステアリング転舵時のパワー
ステアリングポンプに対するエンジンの駆動負荷の変化
によりエンジン回転数が変動するのを防止するため、I
SCバルブの開度を変化させる速度をエンジン回転数の
変化速度に応じて制御している。
【0003】また、車両用エンジンにおいては、スロッ
トル弁を急開した直後の空燃比のリーン化を防止するた
め、スロットル弁下流の吸気管圧力の変化速度が予め設
定された判定値以上のとき、割り込みによる燃料噴射
(非同期噴射)を行うようにしている。
【0004】さらに、最高車速を制限するため、車速が
設定値以上の時は、燃料噴射を禁止する燃料カット制御
も行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ISC
バルブによるアイドル回転数制御において、エンジン回
転数の変化速度に応じてISCバルブの開度変化速度を
制御すると、エンジンでは燃焼変動や気筒間の発生トル
クのばらつき等により定常的に周期的な回転変化が発生
しており、エンジンに対する駆動負荷の変化によるエン
ジン回転数変動のみならず、この回転変化によってもI
SCバルブの開度変化速度が変わってしまい、制御性が
悪化しアイドル回転数の不安定を生じる。
【0006】これに対処するため、回転数変化速度デー
タに対して加重平均等のフィルタ処理を施すと、フィル
タ処理の応答遅れにより、上記電気負荷投入によるオル
タネータ駆動負荷増大、或いはエアコン作動開始時のエ
アコンコンプレッサの駆動負荷増大、ステアリング転舵
時のパワーステアリングポンプの駆動負荷増大等による
エンジン回転数変化に応じて直ちにISCバルブの開度
変化速度を対応させることができず、エンジン回転数の
低下を招き、また、電気負荷解除時のオルタネータ駆動
負荷減少、或いはエアコン解除時のエアコンコンプレッ
サ駆動負荷の急減、ステアリングを戻した際のパワース
テアリングポンプ駆動負荷の急減等によるエンジン負荷
変動に伴うエンジン回転数変化に応じてISCバルブの
開度変化速度を対応できず、エンジン回転数の吹き上が
りを生じる不都合がある。
【0007】また、スロットル弁下流の吸気管圧力は吸
気脈動により常に変化しており、スロットル弁急開直後
の空燃比のリーン防止を図るため、スロットル弁下流の
吸気管圧力の変化速度が予め設定された判定値以上のと
きスロットル弁の急開と判断して割り込み噴射(非同期
噴射)を行う場合は、吸気脈動による吸気管圧力の変化
速度の影響を排除するため上記判定値を比較的大きい値
に設定する必要がある。従って、スロットル弁が比較的
緩やかに開かれる緩加速時にはこれを検出できず、空燃
比のリーン化を生じこれに起因して息付きを生じる等の
不都合がある。
【0008】また、上述の最高車速を制限する燃料カッ
ト制御においては、車速センサを構成するリードスイッ
チのケーブルの捩じれにより車速検出にばらつきが生じ
るため、燃料カットを開始する燃料カット車速判定値と
該燃料カット車速判定値より低い値で燃料リカバを開始
する燃料リカバ車速判定値とにヒステリシスを十分に取
る必要がある。このため、燃料カットと燃料リカバ時の
車速変化幅が大きくなり、走行フィーリングを損なうば
かりでなく、燃料リカバ時のトルク変化が大きくなり、
ドライバビリティの悪化を招く不都合がある。
【0009】尚、特開昭63−20554号公報には、
目標アイドル回転数に対するエンジン回転数の偏差及び
変化速度を考慮したファジー推論によってISCバルブ
開度のフィードバック補正値を設定することで、応答性
を確保し目標アイドル回転数への収束性を向上する技術
が開示されている。ここで、上記先行例においては、目
標アイドル回転数に対するエンジ回転数の回転数偏差を
パラメータとしたファジー量と、エンジン回転数変化速
度をパラメータとしたファジー量とを求め、各ファジー
量に基づいて最終的なファジー量を決定し、この最終的
なファジー量に基づいて上記フィードバック補正量を設
定しており、燃焼変動や気筒間の発生トルクのばらつき
等により定常的に発生する周期的な回転変化を十分に除
くことができず、十分な制御性の向上を望むことができ
ない。また、上述の燃料カット制御やスロットル弁急開
時の空燃比リーン化防止については何等考慮されていな
い。
【0010】従って、定常的なエンジン回転数変化、吸
気管圧力変化、或いは車速変化の影響を排除したデータ
に基づいて制御量を設定してエンジン制御を行うことが
望まれる。
【0011】本発明は上記事情に鑑み、ファジー推論に
より定常的な変化を含んだデータから定常的な変化分を
取り除き、この定常的な変化分を取り除いたデータによ
り制御対象を制御し、制御性の向上を図ることが可能な
制御装置及び車両用エンジンの制御装置を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の制御装置は、図1(a)の基本構成
図に示すように、一定時間毎に運転状態パラメータの変
化速度を算出する運転状態パラメータ変化速度算出手段
と、現在の運転状態パラメータ変化速度と前回算出した
運転状態パラメータ変化速度とが共に加速状態にあるか
否かを判断する判定手段と、定常運転時における運転状
態パラメータ変化速度の分布率の近似データを上下反転
して得たメンバーシップ関数を記憶する記憶手段と、加
速状態と判断されるとき、上記各運転状態パラメータ変
化速度に対するメンバーシップ関数値を上記メンバーシ
ップ関数によりそれぞれ算出するメンバーシップ関数値
算出手段と、両メンバーシップ関数値の大小関係を比較
する比較手段と、小さい方のメンバーシップ関数値と該
メンバーシップ関数値に対応する運転状態パラメータ変
化速度とに基づいて補正運転状態パラメータ変化速度を
算出する補正運転状態パラメータ変化速度算出手段と、
上記補正運転状態パラメータ変化速度に基づいて制御対
象に対する制御量を設定する制御量設定手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0013】請求項2記載の車両用エンジンの制御装置
は、図1(b)の基本構成図に示すように、一定時間毎
にエンジン回転数の変化速度を算出するエンジン回転数
変化速度算出手段と、現在のエンジン回転数変化速度と
前回算出したエンジン回転数変化速度とが共にプラス値
の加速状態にあるか共にマイナス値の減速状態にあるか
を判断する判定手段と、定常アイドル運転時におけるエ
ンジン回転数変化速度の分布率の近似データを上下反転
して得たメンバーシップ関数をそれぞれ加速側と減速側
とに対応して記憶した記憶手段と、加速状態と判断され
るとき、上記両エンジン回転数変化速度に対するメンバ
ーシップ関数値を上記加速側のメンバーシップ関数によ
りそれぞれ算出し、減速状態と判断されるときには、両
エンジン回転数変化速度に対するメンバーシップ関数値
を上記減速側のメンバーシップ関数によりそれぞれ算出
するメンバーシップ関数値算出手段と、算出した両メン
バーシップ関数値の大小関係を比較する比較手段と、小
さい方のメンバーシップ関数値と該メンバーシップ関数
値に対応するエンジン回転数変化速度とに基づいて補正
エンジン回転数変化速度を算出する補正エンジン回転数
変化速度算出手段と、アイドル時に、上記補正エンジン
回転数変化速度に基づいてアイドル回転数制御弁に対す
る開度変化速度を制御するアイドル回転数制御弁制御手
段とを備えたことを特徴とする。
【0014】請求項3記載の車両用エンジンの制御装置
は、図1(c)の基本構成図に示すように、一定時間毎
にスロットル弁下流の吸気管圧力の変化速度を算出する
吸気管圧力変化速度算出手段と、現在の吸気管圧力変化
速度と前回算出した吸気管圧力変化速度とが共にプラス
値の加速状態にあるか否かを判断する判定手段と、定常
運転時における吸気管圧力変化速度の分布率の近似デー
タを上下反転して得たメンバーシップ関数を記憶した記
憶手段と、加速状態と判断されるとき、上記両吸気管圧
力変化速度に対するメンバーシップ関数値を上記メンバ
ーシップ関数によりそれぞれ算出するメンバーシップ関
数値算出手段と、算出した両メンバーシップ関数値の大
小関係を比較する比較手段と、小さい方のメンバーシッ
プ関数値と該メンバーシップ関数値に対応する吸気管圧
力変化速度とに基づいて補正吸気管圧力変化速度を算出
する補正吸気管圧力変化速度算出手段と、上記補正吸気
管圧力変化速度とスロットル弁の開弁に伴う吸気管圧力
変動を判定するための判定値とを比較し、補正吸気管圧
力変化速度が判定値以上のとき、非同期燃料噴射を実行
させる非同期噴射制御手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0015】請求項4記載の車両用エンジンの制御装置
は、図1(d)の基本構成図に示すように、一定時間毎
に車速の変化速度を算出する車速変化速度算出手段と、
現在の車速変化速度と前回算出した車速変化速度とが共
にプラス値の加速状態にあるか共にマイナス値の減速状
態にあるかを判断する判定手段と、定常運転時における
車速変化速度の分布率の近似データを上下反転して得た
メンバーシップ関数をそれぞれ加速側と減速側とに対応
して記憶した記憶手段と、加速状態と判断されるとき、
上記両車速変化速度に対するメンバーシップ関数値を上
記加速側のメンバーシップ関数によりそれぞれ算出し、
減速状態と判断されるときには、両車速変化速度に対す
るメンバーシップ関数値を上記減速側のメンバーシップ
関数によりそれぞれ算出するメンバーシップ関数値算出
手段と、算出した両メンバーシップ関数値の大小関係を
比較する比較手段と、小さい方のメンバーシップ関数値
と該メンバーシップ関数値に対応する車速変化速度とに
基づいて車速変化量を算出する車速変化量算出手段と、
前回算出した補正車速に上記車速変化量を加算して現在
の補正車速を算出する補正車速算出手段と、現在の上記
補正車速と最高車速に対応する燃料カット車速判定値と
を比較し補正車速が燃料カット車速判定値以上のとき燃
料カットを実行し、燃料カット中のときには、現在の補
正車速と車速低下により燃料リカバを行うかを判断する
ための燃料リカバ車速判定値とを比較し補正車速が燃料
リカバ車速判定値以下のとき燃料リカバする燃料カット
制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】すなわち、請求項1記載の制御装置は、一
定時間毎に運転状態パラメータの変化速度を算出し、現
在の運転状態パラメータ変化速度と前回算出した運転状
態パラメータ変化速度とが共に運転状態パラメータ値が
上昇することを示す加速状態にあるかを判断し、加速状
態と判断されるとき、上記各運転状態パラメータ変化速
度に対するメンバーシップ関数値を、記憶手段に記憶さ
れている定常運転時における運転状態パラメータ変化速
度の分布率の近似データを上下反転して得たメンバーシ
ップ関数によりそれぞれ算出して両メンバーシップ関数
値の大小関係を比較する。そして、小さい方のメンバー
シップ関数値と該メンバーシップ関数値に対応する運転
状態パラメータ変化速度とに基づいて補正運転状態パラ
メータ変化速度を算出し、この補正運転状態パラメータ
変化速度に基づいて制御対象に対する制御量を設定す
る。
【0017】請求項2記載の車両用エンジンの制御装置
は、一定時間毎にエンジン回転数の変化速度を算出し、
現在のエンジン回転数変化速度と前回算出したエンジン
回転数変化速度とが共にプラス値の加速状態にあるか共
にマイナス値の減速状態にあるかを判断し、加速状態と
判断されるときには、両エンジン回転数変化速度に対す
るメンバーシップ関数値を、記憶手段に記憶されている
定常アイドル運転時におけるエンジン回転数変化速度の
分布率の近似データを上下反転して得た加速側のメンバ
ーシップ関数によりそれぞれ算出し、また、減速状態と
判断されるときには、両エンジン回転数変化速度に対す
るメンバーシップ関数値を記憶手段に記憶されている減
速側のメンバーシップ関数によりそれぞれ算出して、両
メンバーシップ関数値の大小関係を比較する。そして、
小さい方のメンバーシップ関数値と該メンバーシップ関
数値に対応するエンジン回転数変化速度とに基づいて補
正エンジン回転数変化速度を算出し、アイドル時に、該
補正エンジン回転数変化速度に基づいてアイドル回転数
制御弁に対する開度変化速度を制御する。
【0018】請求項3記載の車両用エンジンの制御装置
は、一定時間毎にスロットル弁下流の吸気管圧力の変化
速度を算出し、現在の吸気管圧力変化速度と前回算出し
た吸気管圧力変化速度とが共にプラス値の加速状態にあ
るかを判断し、加速状態と判断されるとき、両吸気管圧
力変化速度に対するメンバーシップ関数値を、記憶手段
に記憶されている定常運転時における吸気管圧力変化速
度の分布率の近似データを上下反転して得たメンバーシ
ップ関数によりそれぞれ算出して、両メンバーシップ関
数値の大小関係を比較する。そして、小さい方のメンバ
ーシップ関数値と該メンバーシップ関数値に対応する吸
気管圧力変化速度とに基づいて補正吸気管圧力変化速度
を算出して、該補正吸気管圧力変化速度とスロットル弁
の開弁に伴う吸気管圧力変動を判定するための判定値と
を比較し、補正吸気管圧力変化速度が判定値以上のと
き、非同期燃料噴射を実行させる。
【0019】請求項4記載の車両用エンジンの制御装置
は、一定時間毎に車速の変化速度を算出し、現在の車速
変化速度と前回算出した車速変化速度とが共にプラス値
の加速状態にあるか共にマイナス値の減速状態にあるか
を判断し、加速状態と判断されるときには、両車速変化
速度に対するメンバーシップ関数値を、記憶手段に記憶
されている定常運転時における車速変化速度の分布率の
近似データを上下反転して得た加速側のメンバーシップ
関数によりそれぞれ算出し、また、減速状態と判断され
るときには、両車速変化速度に対するメンバーシップ関
数値を記憶手段に記憶されている減速側のメンバーシッ
プ関数によりそれぞれ算出して、両メンバーシップ関数
値の大小関係を比較する。そして、小さい方のメンバー
シップ関数値と該メンバーシップ関数値に対応する車速
変化速度とに基づいて車速変化量を算出し、この車速変
化量を前回算出した補正車速に加算して現在の補正車速
を算出し、現在の補正車速と最高車速に対応する燃料カ
ット車速判定値とを比較し補正車速が燃料カット車速判
定値以上のとき燃料カットを実行し、燃料カット中のと
きには、現在の補正車速と車速低下により燃料リカバを
行うかを判断するための燃料リカバ車速判定値とを比較
し補正車速が燃料リカバ車速判定値以下のとき燃料リカ
バさせる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図2〜図9は本発明の実施の第1
形態に係わり、図2はエンジン回転数算出ルーチンのフ
ローチャート、図3はISCバルブ制御ルーチンのフロ
ーチャート、図4はファジー推論サブルーチンのフロー
チャート、図5は回転数変化速度の分布、メンバーシッ
プ関数、及びファジー推論の説明図、図6はエンジン制
御系の概略構成図、図7はクランク角センサとシグナル
ロータの正面図、図8は電子制御系の回路構成図、図9
はクランク角センサからの出力パルスのタイミングチャ
ートである。
【0021】図6において、符号1はエンジン(図にお
いては、直列4気筒エンジン)であり、このエンジン1
にシリンダヘッド2に形成された各吸気ポート2aにイ
ンテークマニホルド3が連通され、このインテークマニ
ホルド3に各気筒の吸気通路が集合するエアチャンバ4
を介して吸気管5が連通されている。
【0022】上記吸気管5の吸入空気取り入れ口側に
は、エアクリーナ6が取付けられており、上記吸気管6
の中途に、スロットル弁7が設けられ、このスロットル
弁7に、スロットル開度を検出するスロットル開度セン
サ8aとスロットル弁全閉でONするアイドルスイッチ
8bとを内蔵したスロットルセンサ8が連設されてい
る。
【0023】また、吸気管5のスロットル弁7の上流と
下流とを連通するバイパス通路9に、バイパス空気量に
よりアイドル回転数を制御するためのアイドル回転数制
御弁(ISCバルブ)10が介装され、さらに、上記エ
アチャンバ4に吸気温センサ11が臨まされると共に、
スロットル弁7下流の吸気管圧力を絶対圧で検出する吸
気管圧力センサ(絶対圧センサ)12が取付けられてい
る。
【0024】また、上記インテークマニホルド3の各気
筒の各吸気ポート2a直上流側にインジェクタ13が臨
まされ、上記シリンダヘッド2には、先端を燃焼室に露
呈する点火プラグ14が各気筒毎に取付けられている。
さらに、上記エンジン1のシリンダブロック1aにノッ
クセンサ15が取付けられ、上記シリンダヘッド2に設
けられた冷却水通路16に冷却水温センサ17が臨まさ
れている。
【0025】エンジン1の排気系については、上記シリ
ンダヘッド2の各排気ポート2bに連通するエグゾース
トマニホルド18には、各気筒からの排気が合流して排
気通路を構成する排気管19が連通されている。この排
気管19には、中途に触媒コンバータ20が介装され、
この触媒コンバータ20の上流側にO2 センサ21が臨
まされ、さらに、終端側にマフラ22が配設されてい
る。
【0026】また、エンジン1のカムシャフトにディス
トリビュータ23が連設され、このディストリビュータ
23内に、上記カムシャフトに連設するシグナルロータ
24と、このシグナルロータ24に対設されるクランク
角検出及び気筒判別用のクランク角センサ25とが内蔵
されている。
【0027】上記シグナルロータ24は、図7に示すよ
うに、その外周にクランク角度を判別するための角度判
別用突起24aが、#1,#3,#4,#2気筒の圧縮
上死点前(BTDC)θ1の位置に90度間隔で形成さ
れており、さらに、燃料噴射対象気筒を判別するための
気筒判別用突起24bが、#1気筒の圧縮上死点後(A
TDC)θ2の位置に形成されている。本形態では、θ
1=BTDC10°CAであり、θ2=ATDC20°
CAである。
【0028】そして、図9のタイミングチャートに示す
ように、上記シグナルロータ24の各突起が磁気センサ
(電磁ピックアップ等)からなる上記クランク角センサ
25によって検出されると、上記クランク角センサ25
から、角度判別用突起24aによるθ1パルスがエンジ
ン1/2回転毎(180°CA毎)に出力され、#1気
筒のθ1パルスと#3気筒のθ1パルスとの間で気筒判
別用突起24bによるθ2パルスが出力される。
【0029】後述する電子制御装置(ECU;図8参
照)40では、上記クランク角センサ25から出力され
るθ1パルスの入力間隔時間に基づいてエンジン回転数
NE を算出し、また、θ2パルスの入力によって次に圧
縮上死点を迎える#3気筒を判別し、各気筒の燃焼行程
順(#1気筒→#3気筒→#4気筒→#2気筒)に基づ
いて燃料噴射対象気筒を判別する。
【0030】一方、上記ディストリビュータ23には、
各気筒の点火プラグ14が接続されており、イグニッシ
ョンスイッチ(図6においてはIGで示す)のONによ
って電源リレー26がONすることにより上記電子制御
装置40が起動し、点火時期が演算されて対応する点火
信号が上記電子制御装置40からイグナイタ27に出力
されると、イグナイタ27によって点火コイル28の一
次側がON,OFFされ、二次側に誘起された高電圧が
上記ディストリビュータ23を介し点火対象気筒の点火
プラグ14に配電され、該当気筒の点火プラグ14が点
火される。
【0031】次に上記エンジン1の電子制御を行う電子
制御装置(ECU)40について説明する。上記ECU
40は、図8に示すように、CPU41、ROM42、
RAM43、バックアップRAM44、カウンタ・タイ
マ群45、及びI/Oインターフェイス46がバスライ
ン47を介して互いに接続されたマイクロコンピュータ
を中心として構成され、各部に安定化電圧を供給する定
電圧回路48、上記I/Oインターフェイス46の出力
ポートからの信号によりアクチュエータ類を駆動する駆
動回路49、及びセンサ類からのアナログ信号をデジタ
ル変換するA/D変換器50等の周辺回路が内蔵されて
いる。
【0032】尚、上記カウンタ・タイマ群45は、フリ
ーランカウンタ、各種カウンタ、燃料噴射用タイマ、点
火用タイマ、定期割込みを発生させるための定期割込み
用タイマ、クランク角センサ信号の入力間隔計時用タイ
マ、及び、システム異常監視用のウオッチドッグタイマ
等の各種タイマを便宜上総称するものであり、その他、
各種のソフトウエアカウンタ・タイマが用いられる。
【0033】上記定電圧回路48は、2回路のリレー接
点を有する上記電源リレー26の第1のリレー接点を介
してバッテリ51に接続され、このバッテリ51に、イ
グニッションスイッチ52を介して上記電源リレー26
のリレーコイルの一端が接続され、このリレーコイルの
他端が上記I/Oインターフェイス46に接続されてい
る。
【0034】また、上記定電圧回路48は、上記電源リ
レー26の第1リレー接点を介して上記バッテリ51に
接続されるのみでなく、直接、上記バッテリ51に接続
されており、上記イグニッションスイッチ52がONさ
れて上記電源リレー26のリレー接点が閉となったと
き、上記定電圧回路48から各部へ制御電源を供給する
一方、上記イグニッションスイッチ52のON,OFF
に拘らず、常時、上記バックアップRAM44にバック
アップ用の電源を供給する。
【0035】尚、上記電源リレー26の第2のリレー接
点からは、各アクチュエータへの電源線が延出されてい
る。
【0036】上記ECU40では、I/Oインターフェ
イス46の入力ポートに、アイドルスイッチ8b、ノッ
クセンサ15、クランク角センサ25、車速センサ30
等が接続されており、さらに、A/D変換器50を介し
て、スロットル開度センサ8a、吸気温センサ11、吸
気管圧力センサ12、冷却水温センサ17、O2 センサ
21等が接続されると共に、バッテリ電圧VB が入力さ
れてモニタされる。また、上記I/Oインターフェイス
46の出力ポートには、イグナイタ27が接続されると
共に、ISCバルブ10及びインジェクタ13が上記駆
動回路49を介して接続されている。
【0037】そして、上記CPU41で上記ROM42
に記憶されている制御プログラムに従って、I/Oイン
ターフェイス46を介して入力されるセンサ・スイッチ
類からの検出信号、及びバッテリ電圧等を処理し、RA
M43及びバックアップRAM44に格納される各種デ
ータ、及びROM42に記憶されている固定データ等に
基づき、燃料噴射量を定める燃料噴射パルス幅、点火時
期、ISCバルブ10に対する駆動信号のデュ−ティ比
等の各種制御量を演算し、各種アクチュエータ類を駆動
して燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回転数制御
等の各種制御を行う。
【0038】この場合、アイドル回転数制御において
は、運転状態パラメータとしてエンジン回転数を用い、
ラジエータファン,ヘッドランプ,リヤデフォッガ等の
電気負荷投入、解除による発電機(オルタネータ)駆動
負荷急変、エアコン作動開始時、解除時のエアコンコン
プレッサ駆動負荷急変、ステアリング転舵時、ステアリ
ングを戻した際のパワーステアリングポンプ駆動負荷急
変等、補機駆動によるエンジン負荷変動に伴うエンジン
回転数変化に応じて直ちにISCバルブ10の開度変化
速度を対応させて、アイドル回転数の低下、或いは上昇
を防止しアイドル回転数の収束性及び安定化を図るた
め、エンジン回転数変化速度に応じてISCバルブ10
に対する駆動信号のデュ−ティ比を補正し、ISCバル
ブ10の開度変化速度を制御している。ここで、エンジ
ン回転数の変化速度にはエンジン1の燃焼変動や気筒間
の発生トルクのばらつき等に起因する定常的な回転変化
分を含んでいるため、この定常的な回転変化分を取り除
く必要があり、上記ECU40によって実現される本発
明に係わるエンジン回転数変化速度算出手段、判定手
段、記憶手段、メンバーシップ関数値算出手段、比較手
段、補正エンジン回転数変化速度算出手段、アイドル回
転数制御弁制御手段の機能により、アイドル回転数制御
の制御性を向上するようにしている。以下、ECU40
おいて実行されるその処理について、図2〜図4に示す
フローチャートに従って説明する。
【0039】イグニッションスイッチ52がONされて
ECU40に電源が投入されると、システムイニシャラ
イズにより各フラグ、各カウンタ類等がイニシャライズ
され(但し、バックアップRAM44にストアされてい
るデータは除く)、その後、各ルーチンが所定周期毎に
実行される。
【0040】図2は、エンジン1の運転に伴いカムシャ
フトに連設するシグナルロータ24が回転することで、
シグナルロータ24の各突起24a,24bが上記クラ
ンク角センサ25により検出されクランク角センサ25
から出力されるクランクパルス(θ1パルス,θ2パル
ス)入力毎に実行されるエンジン回転数算出ルーチンで
あり、先ず、ステップS1で、今回入力されたクランク
パルスがクランク角検出のためのθ1パルスか気筒判別
のためのθ2パルスかを識別する。すなわち、気筒判別
用の突起24bによるθ2パルス入力時には、図9のタ
イミングチャートに示すように前回クランクパルス(θ
1パルス)入力からの時間、すなわちクランクパルス入
力間隔時間がθ1パルス同士の入力間隔時間よりも極端
に短くなる。従って、クランクパルス入力毎に実行され
る本ルーチンの実行周期をタイマによって計時し、前回
と今回のルーチン実行周期とを比較することで、θ1パ
ルス入力かθ2パルス入力かを識別するのである。そし
て、θ2パルスと識別したときには、これから圧縮上死
点を迎える気筒は#3気筒と判別することができ、燃焼
行程順により次の気筒以降も判別することができる。
【0041】続くステップS2では、上記タイマによっ
て計時された本ルーチンの実行周期、すなわち、前回の
クランクパルス入力から今回のクランクパルス入力まで
の時間を読み出し、パルス入力間隔時間Tθ1を検出す
る。
【0042】次いで、ステップS3へ進み、今回識別し
たクランクパルスに対応するクランクパルス間角度を読
み出し、このクランクパルス間角度と上記パルス入力間
隔時間Tθ1とに基づき現在のエンジン回転数NEnを算
出しRAM43の所定アドレスにストアして、ルーチン
を抜ける。尚、上記クランクパルス間角度は既知であり
予めROM42に固定データとして記憶されているもの
であり、本実施の形態においてはθ1パルス間の角度は
180°CAであり、θ1パルスからθ2パルス間の角
度は30°CA、θ2パルスからθ1パルス間の角度は
150°CAである。
【0043】そして、このエンジン回転数算出ルーチン
によって算出されたエンジン回転数NEnが、図3に示す
ISCバルブ制御ルーチンにおいて読み出され、アイド
ル回転数制御に用いられる。
【0044】図3に示すISCバルブ制御ルーチンは、
一定時間(本形態では、100msec)毎に実行さ
れ、先ず、ステップS11で、冷却水温センサ17によ
る冷却水温Twに基づきテーブル参照により目標アイド
ル回転数NSET を設定する。
【0045】上記目標アイドル回転数NSET は、アイド
ル時のエンジン回転数の目標値であり、エンジン暖機状
態に応じて設定され、ステップS11中に示すように、
冷却水温Twが低くエンジン冷態時には燃焼性が悪くア
イドル回転数の安定化及び暖機促進を図るため、エンジ
ン暖機完了時よりも高く設定されており、冷却水温Tw
の上昇、すなわち、エンジン温度の上昇に伴い低下され
る。
【0046】次いで、ステップS12へ進み、RAM4
3から現在のエンジン回転数NEnを読み出し、上記目標
アイドル回転数NSET からエンジン回転数NEnを減算し
て目標アイドル回転数NSET に対する現在のエンジン回
転数NEnの偏差Iを算出する。
【0047】続くステップS13では、前回のルーチン
実行時(100msec前)におけるエンジン回転数N
En-1を読み出し、上記現在のエンジン回転数NEnから減
算してエンジン回転数変化速度dNEn(単位;rpm/100
msec )を算出し、ステップS14で、図4に示すファ
ジー推論サブルーチンを実行して、ファジー推論により
上述の定常的な回転変動分を取り除いた補正エンジン回
転数変化速度DNを得る。
【0048】このファジー推論サブルーチンでは、ステ
ップS31で、前回ルーチン実行時(100msec
前)のエンジン回転数変化速度dNEn-1を読み出し、今
回算出したエンジン回転数変化速度dNEnと前回のエン
ジン回転数変化速度dNEn-1とが共に0よりも大きく、
エンジン回転数変化速度の変化が加速状態に有るか否か
を判断する。
【0049】そして、dNEn>0且つdNEn-1>0の時
は、加速状態と判断してステップS32へ進む。
【0050】オルタネータ,エアコンコンプレッサ,パ
ワーステアリングポンプ等の補機駆動に伴うエンジン負
荷が減少すれば、これに伴いエンジン回転数が上昇し、
エンジン回転数変化速度はプラス値を取る。上記ステッ
プS31における判断は、エンジン回転数の変化速度か
らラジエータファン,ヘッドランプ,リヤデフォッガ等
の電気負荷の解除によるエンジン1のオルタネータ駆動
負荷急減、或いはエアコン解除時のエアコンコンプレッ
サ駆動負荷急減、ステアリングを戻した際のパワーステ
アリングポンプ駆動負荷急減等によるエンジン負荷変動
に伴う回転数変化を抽出するためのものである。すなわ
ち、本ルーチンの実行周期により定まる一定時間前(1
00msec前)のエンジン回転数変化速度dNEn-1が
加速(dNEn-1>0)、且つ現在のエンジン回転数変化
速度dNEnが加速(dNEn>0)の時は、エンジン回転
数の変化が加速状態と推論するものであり、言い換えれ
ば2回続けて加速なら加速状態と推論するルールであ
り、電気負荷の解除によるオルタネータ駆動負荷急減、
或いはエアコン解除時のエアコンコンプレッサ駆動負荷
急減、ステアリングを戻した際のパワーステアリングポ
ンプ駆動負荷急減等、エンジン1の補機駆動負荷の減少
に伴うエンジン回転数の変化(エンジン回転数上昇の加
速状態)と判断する。
【0051】そして、ステップS32では、上記ルール
の適合具合、すなわちエンジン負荷変動によるエンジン
回転数変化の度合いをメンバーシップ関数によって表現
する。
【0052】このメンバーシップ関数は、予め実験等に
より図5(a)に示すように定常アイドル運転時におけ
るエンジン回転数変化速度の分布(発生率)を求め、図
5(b)に示すように、この近似データを上下反転して
定常である度合いから回転変動である度合いに変換した
ものである。すなわち、図5(a)に示す定常アイドル
運転時におけるエンジン回転数変化速度の分布は、エン
ジン1の燃焼変動や気筒間の発生トルクのばらつき等に
起因する定常的な回転変化によるものであり、発生率
(%)が高いほど、燃焼変動や気筒間の発生トルクのば
らつき等に起因する定常的な回転変化である確率が高
い。従って、この近似データを反転することにより得た
メンバーシップ関数F(図5(b))は、値が大きくF
=1に近いほどラジエータファン,ヘッドランプ,リヤ
デフォッガ等の電気負荷投入,解除によるオルタネータ
駆動負荷急変、或いはエアコン作動開始時,解除時のエ
アコンコンプレッサ駆動負荷急変、ステアリング転舵
時,ステアリングを戻した際のパワーステアリングポン
プ駆動負荷急変等によるエンジン負荷変動に伴う回転数
変化である度合いが高いことを表すことになる。
【0053】また、エンジン回転数の変化には、エンジ
ン回転数の上昇による加速側とエンジン回転数の低下に
よる減速側とがあるため、上記メンバーシップ関数も加
速側と減速側とにそれぞれ分けて設定する必要がある。
図5(b)においては、実線が加速側のメンバーシップ
関数であり、破線が減速側のメンバーシップ関数であ
る。さらに、エンジン回転数の上昇する加速側において
は、エンジン回転数変化速度がマイナス値を取ることは
有り得ないので、このときはメンバーシップ関数FをF
=0とする。また、減速側については、エンジン回転数
変化速度がプラス値を取りことは有り得ないので、この
ときはメンバーシップ関数Fを、F=0とする。
【0054】そして、これら加速側及び減速側のメンバ
ーシップ関数を、関数式による固定データ、或いはエン
ジン回転数変化速度をパラメータとするテーブルデータ
として予めROM42に格納しておく。
【0055】上記ステップ32では、上記関数式或いは
テーブル参照による加速側のメンバーシップ関数によ
り、前回(100msec前)のエンジン回転数変化速
度dNEn-1に対するファジー量F(dNEn-1)、及び現
在のエンジン回転数変化速度dNEnに対するファジー量
F(dNEn)を算出する。
【0056】そして、ステップS33へ進み、両ファジ
ー量F(dNEn-1),F(dNEn)の大小関係を比較
し、小さい方の値をファジー推論の結果として採用す
る。
【0057】すなわち、F(dNEn)≦F(dNEn-1)
のときには、ステップS34へ進み、現在のエンジン回
転数変化速度dNEn及び現在のエンジン回転数変化速度
dNEnに対する加速側のメンバーシップ関数値であるフ
ァジー量F(dNEn)により補正エンジン回転数変化速
度DNを算出し(DN←dNEn×F(dNEn))、IS
Vバルブ制御ルーチンのステップS15へ戻り、また、
F(dNEn)>F(dNEn-1)のときには、ステップS
35へ進み、前回(100msec前)のエンジン回転
数変化速度dNEn-1及び前回(100msec前)のエ
ンジン回転数変化速度dNEn-1に対する加速側のメンバ
ーシップ関数値であるファジー量F(dNEn-1)により
補正エンジン回転数変化速度DNを算出し(DN←dN
En-1×F(dNEn-1))、ISVバルブ制御ルーチンの
ステップS15へ戻る。
【0058】一方、上記ステップS31で、現在のエン
ジン回転数変化速度dNEnと前回(100msec前)
のエンジン回転数変化速度dNEn-1との少なくとも一方
が0以下のときにはステップS36へ進み、現在のエン
ジン回転数変化速度dNEnと前回のエンジン回転数変化
速度dNEn-1とが共に0よりも小さいマイナス値であ
り、エンジン回転数変化がエンジン回転数低下の減速状
態に有るか否かを判断する。
【0059】そして、dNEn<0且つdNEn-1<0の時
は、減速状態と判断してステップS37へ進む。
【0060】電気負荷投入によるオルタネータ駆動負
荷、或いはエアコンコンプレッサ作動開始、ステアリン
グ転舵によるパワーステアリングポンプ駆動負荷増大
等、エンジン1の補機駆動負荷が増加すれば、これに対
応してエンジン回転数が低下し、エンジン回転数変化速
度はマイナス値となる。上記ステップS36における判
断は、エンジン回転数の変化速度からラジエータファ
ン,ヘッドランプ,リヤデフォッガ等の電気負荷投入に
よるエンジン1のオルタネータ駆動負荷増大、或いはエ
アコン作動開始時のエアコンコンプレッサ駆動負荷増
加、ステアリング転舵時のパワーステアリングポンプ駆
動負荷増大等によるエンジン負荷変動に伴う回転数変化
を抽出するためのものである。すなわち、前回(100
msec前)のエンジン回転数変化速度dNEn-1が減速
(dNEn-1<0)、且つ現在のエンジン回転数変化速度
dNEnが減速(dNEn<0)の時は、エンジン回転数の
変化が減速状態と推論するものであり、言い換えれば2
回続けて減速なら減速状態と推論するルールであり、電
気負荷の投入によるエンジン1のオルタネータ駆動負荷
増大、或いはエアコン作動開始時のエアコンコンプレッ
サ駆動負荷増加、ステアリング転舵時のパワーステアリ
ングポンプ駆動負荷増大等によるエンジン負荷変動に伴
うエンジン回転数の変化と判断する。
【0061】そして、ステップS37では、上記ルール
の適合具合、すなわちエンジン負荷変動によるエンジン
回転数変化の度合いを上述の減速側のメンバーシップ関
数(図5(b)に破線で示す)によって表現する。すな
わち、上述のように、定常アイドル運転時におけるエン
ジン回転数変化速度の分布(図5(a))は、エンジン
1の燃焼変動や気筒間の発生トルクのばらつき等に起因
する定常的な回転変化によるものであり、発生率(%)
が高いほど、燃焼変動や気筒間の発生トルクのばらつき
等に起因する定常的な回転変化である確立が高い。従っ
て、この近似データを反転することにより得た図5
(b)に破線で示す減速側のメンバーシップ関数Fは、
値が大きくF=1に近いほどラジエータファン,ヘッド
ランプ,リヤデフォッガ等の電気負荷投入によるエンジ
ン1のオルタネータ駆動負荷増大、或いはエアコン作動
開始時のエアコンコンプレッサ駆動負荷増大、ステアリ
ング転舵時のパワーステアリングポンプ駆動負荷増大等
によるエンジン負荷変動に伴う回転数変化である度合い
が高いことを表す。
【0062】そして、前記関数式或いはテーブル参照に
よる減速側のメンバーシップ関数により、前回(100
msec前)のエンジン回転数変化速度dNEn-1に対す
るファジー量F(dNEn-1)、及び現在のエンジン回転
数変化速度dNEnに対するファジー量F(dNEn)を算
出し、前記ステップS33へ進み、両ファジー量F(d
NEn-1),F(dNEn)の大小関係を比較し、加速状態
時と同様に、小さい方の値をファジー推論の結果として
採用する。
【0063】ここで、本形態における推論ルールは、エ
ンジン回転数変化速度の中からエンジン負荷変動を抽出
するものであり、2つのルール、すなわち、エンジン回
転数の変化が2回続けて加速であれば加速状態、エンジ
ン回転数の変化が2回続けて減速であれば減速状態と推
論する。そして、各ルールにおいて前回と今回のエンジ
ン回転数変化速度をメンバーシップ関数値に置換してメ
ンバーシップ関数値により大小関係を比較し、小さい方
の値を各ルールの適合結果とし、2つのルールの適合結
果のうち大きい値を採用することを基本とする。上記推
論ルールとメンバーシップ関数の適用例として、前回
(100msec前)のエンジン回転数変化速度dNEn
-1が6rpm/100 msec 、現在のエンジン回転数変化速度
dNEnが13rpm/100 msec の時について、図5
(b),(c)に基づいて説明する。
【0064】両エンジン回転数変化速度dNEn-1,dN
Enは共にプラス値のため加速状態と推論され、加速側の
メンバーシップ関数により前回(100msec前)の
エンジン回転数変化速度dNEn-1に対するメンバーシッ
プ関数値としてのファジー量F(dNEn-1)は0.3、
現在のエンジン回転数変化速度dNEnに対するファジー
量F(dNEn)は0.83となる。そして、これらファ
ジー量のうち小さい方の値、すなわち前回(100ms
ec前)のエンジン回転数変化速度dNEn-1に対するフ
ァジー量F(dNEn-1)=0.3を適合結果とする。さ
らに、減速側については共に0であり適合結果は0であ
る。
【0065】そして、減速側と加速側との値のうち大き
い方の値、すなわち、加速側の前回(100msec
前)のエンジン回転数変化速度dNEn-1に対するファジ
ー量F(dNEn-1)=0.3を採用し、これに対応する
前回のエンジン回転数変化速度dNEn-1=6rpm/100 ms
ec にファジー量を乗算して補正エンジン回転数変化速
度DNを算出する。
【0066】DN=6[rpm/100 msec] ×0.3=1.
8[rpm/100 msec] そして、この補正エンジン回転数変化速度DN=1.8
[rpm/100 msec] がエンジン負荷変動による回転数変化
による値として採用される。
【0067】尚、本形態におけるファジー推論サブルー
チンにおいては、加速状態と判断されたときには、当
然、減速側の適合結果は0であるため、減速側について
は判断せず、また、減速状態のときには、同様に加速側
については判断せず、必要最低限の判断を行うようにし
ている。
【0068】従って、以上の推論ルール及びメンバーシ
ップ関数とを用いたファジー推論により求めたファジー
量によりエンジン回転数変化速度を補正した補正エンジ
ン回転数変化速度DNは、定常的な回転変化を取り除い
たエンジン負荷変動による回転変化のみによるものとな
り、この補正エンジン回転数変化速度DNに基づいてI
SCバルブ10の開度変化速度を補正することで、定常
的な回転数変化を取り除いたエンジン負荷変動に伴う回
転変化のみに対応してISCバルブ10を制御すること
が可能となり、燃焼変動や気筒間の発生トルクのばらつ
き等による定常的な回転変化によりISCバルブ10の
開度変化速度が変わることが抑制されてアイドル回転数
の安定化が図れ、且つ、電気負荷投入によるオルタネー
タ駆動負荷増大、或いはエアコン作動開始時のエアコン
コンプレッサの駆動負荷増大、ステアリング転舵時のパ
ワーステアリングポンプ駆動負荷増大等によるエンジン
負荷変動に伴うエンジン回転数変化に応じて直ちにIS
Cバルブの開度変化速度を対応させることが可能となっ
て、エンジン負荷増大直後のエンジン回転数の低下が防
止され、また、電気負荷解除時のオルタネータ駆動負荷
減少、或いはエアコン解除時のエアコンコンプレッサ駆
動負荷の急減、ステアリングを戻した際のパワーステア
リングポンプ駆動負荷の減少等によるエンジン負荷変動
に伴うエンジン回転数変化に応じてISCバルブの変化
速度を対応させることが可能となり、エンジン負荷急減
直後のエンジン回転数の吹き上がりを防止することがで
き、アイドル回転数制御における制御性を著しく向上す
ることが可能となる。
【0069】一方、前記ステップS36の条件非成立時
には、推論ルールが適合しないため、ステップS38へ
進み、補正エンジン回転数変化速度DNをクリアし(D
N←0)、ISVバルブ制御ルーチンのステップS15
へ戻る。このときには、DN=0のため、ISCバルブ
10の開度変化速度補正は行われないことになる。
【0070】そして、ISCバルブ制御ルーチンのステ
ップS15では、アイドルスイッチ8bがONのスロッ
トル弁7が全閉のアイドル時か否かを判断し、アイドル
スイッチONのアイドル時には、ステップS16へ進
み、前記ステップS12で算出した目標アイドル回転数
NSET に対する現在のエンジン回転数NEnの偏差Iに定
数K1を乗算して算出したフードバック補正値から、フ
ァジー推論サブルーチンにおいて算出した上記補正エン
ジン回転数変化速度DNに定数K2を乗算して算出した
開度変化速度補正値を減算し、この値を、前回ルーチン
実行時において算出したISCバルブ10に対する制御
量としてのデュ−ティ比DISCn-1 に加算して今回の
デュ−ティ比DISCn を算出する(DISCn ←K1
×I−K2×DN+DISCn-1 )。
【0071】次いで、ステップS17で、今回のデュ−
ティ比DISCn を上限値MAXと比較し、DISCn
≦MAXのときには、そのままステップS19へ進み、
DISCn >MAXのときには、ステップS18で、今
回のデュ−ティ比DISCnを上限値MAXにより制限
して(DISCn ←MAX)、ステップS19へ進む。
【0072】ステップS19では、今回のデュ−ティ比
DISCn を、ISCバルブ10の弁開度を制御する制
御信号のデュ−ティ比DISCとし、ステップS20
で、制御信号のデュ−ティ比DISCをセットする。そ
の結果、ECU40のI/Oインターフェイス46の所
定出力ポートから駆動回路49を介してISCバルブ1
0へ上記デュ−ティ比DISCの駆動信号が出力され
て、ISCバルブ10の弁開度が上記デュ−ティ比DI
SCに対応して制御される。
【0073】ここで、本実施の形態においては、上記デ
ュ−ティ比DISCの値が大きいほど、ISCバルブ1
0の弁開度が増大され、バイパス空気量の増大によりエ
ンジン回転数が上昇される。上記補正エンジン回転数変
化速度DNに定数K2を乗算して算出した開度変化速度
補正値は、エンジン回転数の変化が減速状態のときマイ
ナス値を示し、エンジン回転数の変化速度がマイナス側
に大きいほどよりマイナス方向に大きい値となる。ま
た、上記開度変化速度補正値(K2×DN)はマイナス
項であるため、エンジン回転数の変化が減速状態のとき
にはプラス値となり、また、エンジン回転数の低下度合
いが大きいほどより大きい値となり、前回ルーチン実行
時(100msec前)におけるデュ−ティ比DISC
n-1 と今回のデュ−ティ比DISCn との差、すなわち
デュ−ティ比の変化速度が増大され、これに伴いISC
バルブ10の開弁方向への開度変化速度が増大され、こ
れによって、エンジン回転数の低下が防止され、目標ア
イドル回転数への収束性の向上が図られる。
【0074】また、逆に、エンジン回転数の変化が加速
状態(エンジン回転数が上昇)のときには、上記開度変
化速度補正値(K2×DN)はマイナス項であるため、
マイナス値となり、エンジン回転数の上昇度合いが大き
いほどよりマイナス側の値となり、前回ルーチン実行時
(100msec前)におけるデュ−ティ比DISCn-
1 と今回のデュ−ティ比DISCn との差、すなわちデ
ュ−ティ比の変化速度がマイナス側に増大され、これに
伴いISCバルブ10の閉弁方向への開度変化速度が増
大され、これによって、エンジン回転数の上昇が防止さ
れ、これによっても目標アイドル回転数への収束性の向
上が図られる。
【0075】そして、ステップS21で、今回のデュ−
ティ比DISCn により前回のデュ−ティ比DISCn-
1 を更新し、現在のエンジン回転数変化速度dNEnによ
り前回のエンジン回転数変化速度dNEn-1を更新し、更
に、現在のエンジン回転数NEnにより前回のエンジン回
転数NEn-1を更新して次回に備え、ルーチンを抜ける。
【0076】また、前記ステップS15で、アイドルス
イッチOFFによる非アイドル時には、ステップS22
へ進み、前回ルーチン実行時において算出したISCバ
ルブ10に対する制御量としてのデュ−ティ比DISC
n-1 に定数K3を加算して今回のデュ−ティ比DISC
n を算出し(DISCn ←DISCn-1 +K3)、前記
ステップS17へ進む。従って、非アイドル時には、オ
ープンループ制御となり、デュ−ティ比DISCが定数
K3づつルーチン実行毎(100msec毎)に大きく
なり、やがて上限値MAXに達すると、デュ−ティ比は
上限値MAXに保持される。
【0077】次に、図10〜図14に基づき本発明の実
施の第2形態を説明する。図10は吸気管圧力算出ルー
チンのフローチャート、図11は非同期燃料噴射量設定
ルーチンのフローチャート、図12はファジー推論サブ
ルーチンのフローチャート、図13はスロットル開度変
化と吸気管圧力変化との関係を示す説明図、図14はメ
ンバーシップ関数の説明図である。
【0078】尚、エンジンの構成、及び電子制御系の回
路構成は上記実施の第1形態と同様であり、説明を省略
する。
【0079】本形態では、運転状態パラメータとして吸
気管圧力を用い、スロットル弁7を急開した直後の空燃
比のリーン化を防止するため、スロットル弁7下流の吸
気管圧力の変化速度が予め設定された判定値以上のと
き、割り込みによる燃料噴射(非同期噴射)を行うもの
において、上記吸気管圧力変化速度をファジー推論によ
り補正し、定常的な吸気脈動による吸気管圧力の変化の
影響を上記吸気管圧力変化速度から排除し、加速時にお
ける非同期噴射を確実に行い、スロットル弁が比較的緩
やかに開かれる緩加速時においても、空燃比のリーン
化、及びこれに伴う息付きを防止することを可能とす
る。
【0080】すなわち、前記ECU40によって実現さ
れる本発明に係わる吸気管圧力変化速度算出手段、判定
手段、記憶手段、メンバーシップ関数値算出手段、比較
手段、補正吸気管圧力変化速度算出手段、非同期噴射制
御手段の機能によりスロットル開弁による加速時の非同
期噴射を確実に行う。
【0081】以下、ECU40おいて実行されるその処
理について図10〜図12のフローチャートに基づき説
明する。
【0082】図10に示す吸気管圧力算出ルーチンは、
θ1パルス入力毎に実行され、ステップS41で吸気管
圧力センサ12からの出力信号に基づき吸気管圧力Pn
を算出しRAM43の所定アドレスにストアして、ルー
チンを抜ける。
【0083】そして、この吸気管圧力算出ルーチンによ
って算出された吸気管圧力Pn が、図11に示す非同期
燃料噴射量設定ルーチンにおいて読み出され、非同期燃
料噴射の必要性の有無が判断される。
【0084】図11に示す非同期燃料噴射量設定ルーチ
ンは、一定時間(本形態では、5msec)毎に実行さ
れ、先ず、ステップS51で、RAM43から現在の吸
気管圧力Pn 及び前回のルーチン実行時(5msec
前)における吸気管圧力Pn-1を読み出し、現在の吸気
管圧力Pn から前回ルーチン実行時の吸気管圧力Pn-1
を減算して吸気管圧力変化速度dPn (単位;KPa/5 ms
ec )を算出し、ステップS52で、図12に示すファ
ジー推論サブルーチンを実行して、ファジー推論により
上述の定常的な吸気脈動による吸気管圧力変化分を取り
除いた補正吸気管圧力変化速度DPを得る。
【0085】このファジー推論サブルーチンでは、ステ
ップS61で、前回ルーチン実行時(5msec前)の
吸気管圧力変化速度dPn-1 を読み出し、今回算出した
吸気管圧力変化速度dPn と前回の吸気管圧力変化速度
dPn-1 とが共に0よりも大きく、吸気管圧力変化速度
の変化が加速状態、すなわち、吸気管圧力の変化がスロ
ットル弁7の開弁による上昇状態に有るか否かを判断す
る。
【0086】そして、dPn >0且つdPn-1 >0の時
は、吸気管圧力の変化がスロットル弁7の開弁による上
昇状態と判断してステップS62へ進む。
【0087】図13に示すように、加速時や車両発進時
等、アクセルペダルの踏み込みによりスロットル弁7が
開弁すると、スロットル開度THVの増大に伴い吸気管
圧力Pも上昇し、その吸気管圧力Pの上昇速度は、スロ
ットル弁の開弁速度が早いほど、すなわちスロットル弁
7が急速に開かれるほど大きくなる。上記ステップS6
1における判断は、吸気管圧力の変化速度からスロット
ル開弁に伴う吸気管圧力変化を抽出するためのものであ
る。すなわち、本ルーチンの実行周期により定まる一定
時間前(5msec前)の吸気管圧力変化速度dPn-1
が加速(dPn-1 >0)、且つ現在の吸気管圧力変化速
度dPn が加速(dPn >0)の時は、スロットル弁7
の開弁による吸気管圧力の上昇と推論するものであり、
言い換えれば2回続けて吸気管圧力の変化が加速ならス
ロットル弁7の開弁に伴う吸気管圧力の上昇と推論する
ルールである。
【0088】そして、ステップS62では、上記ルール
の適合具合、すなわちスロットル弁7の開弁に伴う吸気
管圧力変化の度合いをメンバーシップ関数によって表現
する。
【0089】このメンバーシップ関数は、前記第1形態
と同様に、予め実験等により定常運転時における吸気管
圧力変化速度の分布(発生率)を求め、図14に示すよ
うに、この近似データを上下反転して得たものである。
【0090】すなわち、定常運転時における吸気管圧力
の変化速度の分布は、エンジン1の吸気脈動等に起因す
る定常的な吸気管圧力変化によるものであり、発生率
(%)が高いほど、吸気脈動等に起因する定常的な吸気
管圧力変化である確率が高い。従って、この近似データ
を反転することにより得たメンバーシップ関数F(図1
4)は、値が大きくF=1に近いほどスロットル弁7の
開弁に伴う吸気管圧力変化である度合いが高いことを表
すことになる。
【0091】尚、本形態においてはスロットル弁7の開
弁に伴う吸気管圧力の上昇のみ判断すれば良いので、吸
気管圧力の低下による吸気管圧力変化速度の減速側につ
いては必要としない。また、吸気管圧力の上昇時には、
吸気管圧力変化速度がマイナス値を取ることは有り得な
いので、このときはメンバーシップ関数FをF=0とす
る。
【0092】そして、このメンバーシップ関数を、関数
式による固定データ、或いは吸気管圧力変化速度をパラ
メータとするテーブルデータとして予めROM42に格
納しておく。
【0093】上記ステップS62では、上記関数式或い
はテーブル参照による加速側のメンバーシップ関数によ
り、前回(5msec前)の吸気管圧力変化速度dPn-
1 に対するファジー量F(dPn-1 )、及び現在の吸気
管圧力変化速度dPn に対するファジー量F(dPn )
を算出する。
【0094】そして、ステップS63へ進み、両ファジ
ー量F(dPn-1 ),F(dPn )の大小関係を比較
し、小さい方の値をファジー推論の結果として採用す
る。
【0095】F(dPn )≦F(dPn-1 )のときに
は、ステップS64へ進み、現在の吸気管圧力変化速度
dPn 及び現在の吸気管圧力変化速度dPn に対するメ
ンバーシップ関数値であるファジー量F(dPn )によ
り補正吸気管圧力変化速度DPを算出し(DP←dPn
×F(dPn ))、非同期燃料噴射量設定ルーチンのS
53へ戻り、また、F(dPn )>F(dPn-1 )のと
きには、ステップS65へ進み、前回(5msec前)
の吸気管圧力変化速度dPn-1 及び前回(5msec
前)の吸気管圧力変化速度dPn-1 に対するメンバーシ
ップ関数値であるファジー量F(dPn-1 )により補正
吸気管圧力変化速度DPを算出し(DP←dPn-1 ×F
(dPn-1 ))、非同期燃料噴射量設定ルーチンのステ
ップS53へ戻る。
【0096】一方、前記ステップS61の条件非成立時
には、推論ルールが適合しないため、ステップS66へ
進み、補正吸気管圧力変化速度DPをクリアし(DP←
0)、非同期燃料噴射量設定ルーチンのステップS53
へ戻る。このときには、DP=0のため、非同期噴射は
行われないことになる。
【0097】そして、非同期燃料噴射量設定ルーチンの
ステップS53では、補正吸気管圧力変化速度DPと、
スロットル弁7の開弁(スロットル弁の急開)に伴う吸
気管圧力変動を判定するための予め設定された判定値d
PS とを比較し、DP≧dPS で非同期噴射の必要があ
ると判断されるときは、ステップS54へ進み、現在の
エンジン回転数NE 及び冷却水温Twに基づいて必要と
する非同期燃料噴射量を定める非同期噴射パルス幅Ti
N を設定し、ステップS55で、上記非同期噴射パルス
幅TiN をセットして、ステップS57へ進む。
【0098】その結果、ECU40のI/Oインターフ
ェイス46の所定出力ポートから駆動回路49を介して
インジェクタ13へ上記非同期噴射パルス幅TiN の駆
動信号が出力され、インジェクタ13から非同期噴射パ
ルス幅TiN に相応する量の燃料が噴射されて非同期噴
射が行われる。
【0099】一方、上記ステップS53においてDP<
dPS のときには非同期噴射の必要がなく、ステップS
56で、非同期噴射パルス幅TiN をクリアし(TiN
←0)、ステップS57へ進む。
【0100】そして、ステップS57で、現在の吸気管
圧力変化速度dPn により前回の吸気管圧力変化速度d
Pn-1 を更新すると共に、現在の吸気管圧力Pn により
前回の吸気管圧力Pn-1 を更新して次回に備え、ルーチ
ンを抜ける。
【0101】従って、本形態においては、スロットル弁
7の開弁(スロットル弁急開)を、吸気管圧力変化速度
により判断して割り込みによる燃料噴射、すなわち非同
期噴射を行うに際し、上記吸気管圧力変化速度をファジ
ー推論により補正し、定常的な吸気脈動による吸気管圧
力の変化の影響を上記吸気管圧力変化速度から排除した
補正吸気管圧力変化速度DPを得、この補正吸気管圧力
変化速度DPと判定値dPS とを比較して非同期噴射の
必要性を判断するので、上記判定値dPS は吸気脈動を
考慮することなく、その分小さい値に設定することがで
き、これによりスロットル弁が比較的緩やかに開かれる
緩加速時においてもこれを検出することが可能となり、
空燃比のリーン化、及びこれに伴う息付きを防止するこ
とが可能となる。
【0102】次に、図15〜図18に基づき本発明の実
施の第3形態を説明する。図15は燃料カット制御ルー
チンのフローチャート、図16はファジー推論サブルー
チンのフローチャート、図17は燃料噴射量設定ルーチ
ンのフローチャート、図18は燃料カット車速判定値と
燃料リカバ車速判定値とのヒステリシスを示す説明図で
ある。
【0103】尚、エンジンの構成、及び電子制御系の回
路構成は前記実施の第1形態と同様であり、説明を省略
する。
【0104】本形態では、運転状態パラメータとして車
速を用い、最高車速制限のため、車速が燃料カットを開
始する燃料カット車速判定値以上のとき燃料カットを行
い、車速が上記燃料カット車速判定値よりも低い燃料リ
カバ車速判定値以下に低下したとき燃料リカバを行うも
のにおいて、車速変化速度をファジー推論により補正
し、この補正後の車速変化速度に基づいて車速を求める
ことで、車速センサを構成するリードスイッチのケーブ
ルの捩じれ等に起因する車速検出のばらつきを排除し、
燃料カットを開始する燃料カット車速判定値と該燃料カ
ット車速判定値より低い値で燃料リカバを開始する燃料
リカバ車速判定値とのヒステリシスを狭めることを可能
とし、高車速による燃料カット時の車速変化幅が大きく
なることによる走行フィーリングの悪化を防ぎ、燃料リ
カバ時のトルク変化を縮小することを可能としてドライ
バビリティの悪化を防止する。
【0105】すなわち、前記ECU40によって実現さ
れる本発明に係わる車速変化速度算出手段、判定手段、
記憶手段、メンバーシップ関数値算出手段、比較手段、
車速変化量算出手段、補正車速算出手段、燃料カット制
御手段の機能により車速センサを構成するリードスイッ
チのケーブルの捩じれ等に起因する車速検出のばらつき
を排除し、燃料カット車速判定値と燃料リカバ車速判定
値とのヒステリシスを狭めることを可能とし、走行フィ
ーリングの悪化を防ぎ、燃料リカバ時のトルク変化を縮
小することを可能としてドライバビリティの悪化を防止
する。
【0106】以下、ECU40おいて実行されるその処
理について図15〜図17のフローチャートに基づき説
明する。
【0107】図15に示す燃料カット制御ルーチンは、
一定時間(本形態では、320msec)毎に実行さ
れ、先ず、ステップS71で、車速センサ30による現
在の車速Vn 及びRAM43から前回のルーチン実行時
(320msec前)における車速Vn-1 を読み出し、
現在の車速Pn から前回ルーチン実行時の車速Vn-1 を
減算して車速変化速度dVn (単位;Km/h/320 msec)
を算出し、ステップS72で、図16に示すファジー推
論サブルーチンを実行して、ファジー推論により上述の
定常的に生じる車速センサ30を構成するリードスイッ
チのケーブルの捩じれ等に起因する車速検出のばらつき
を排除した補正車速変化速度DVを得る。
【0108】このファジー推論サブルーチンでは、ステ
ップS81で、前回ルーチン実行時(320msec
前)の車速変化速度dVn-1 を読み出し、今回算出した
車速変化速度dVn と前回の車速変化速度dVn-1 とが
共に0よりも大きく、車速の変化が加速状態、すなわ
ち、車速の変化が上昇状態に有るか否かを判断する。
【0109】そして、dVn >0且つdVn-1 >0の時
は、車速の変化が上昇状態、すなわち加速状態と判断し
てステップS82へ進む。
【0110】上記ステップS81における判断は、真の
車速の変化を抽出するためのものである。すなわち、本
ルーチンの実行周期により定まる一定時間前(320m
sec前)の車速変化速度dVn-1 が加速(dVn-1 >
0)、且つ現在の車速変化速度dVn が加速(dVn >
0)の時は、真の車速の上昇と推論するものであり、言
い換えれば2回続けて車速変化速度が0よりも大きく加
速なら車速の上昇と推論するルールである。
【0111】そして、ステップS82では、上記ルール
の適合具合、すなわち真の車速変化の度合いをメンバー
シップ関数によって表現する。
【0112】このメンバーシップ関数は、前記第1形態
と同様に、予め実験等により定常運転時における車速変
化速度の分布(発生率)を求め、この近似データを上下
反転して得たものである。
【0113】すなわち、定常運転時における車速の変化
速度の分布は、車速センサ30を構成するリードスイッ
チのケーブルの捩じれ等に起因する車速検出のばらつき
によるものであり、発生率(%)が高いほど、その確率
が高い。従って、この近似データを反転することにより
得たメンバーシップ関数F(前記実施の第1形態におけ
る図5(b)とほぼ同様の傾向となる)は、値が大きく
F=1に近いほど真の車速変化である度合いが高いこと
を表す。
【0114】また、車速の変化には、車速の上昇による
加速側と車速の低下による減速側とがあるため、上記メ
ンバーシップ関数も加速側と減速側とにそれぞれ分けて
設定する必要がある。さらに、車速の上昇する加速側に
おいては、車速変化速度がマイナス値を取ることは有り
得ないので、このときはメンバーシップ関数FをF=0
とする。また、減速側については、車速変化速度がプラ
ス値を取りことは有り得ないので、このときはメンバー
シップ関数Fを、F=0とする。
【0115】そして、これら加速側及び減速側のメンバ
ーシップ関数を、関数式による固定データ、或いは車速
変化速度をパラメータとするテーブルデータとして予め
ROM42に格納しておく。
【0116】上記ステップ82では、上記関数式或いは
テーブル参照による加速側のメンバーシップ関数によ
り、前回(320msec前)の車速変化速度dVn-1
に対するファジー量F(dVn-1 )、及び現在の車速変
化速度dVn に対するファジー量F(dVn )を算出す
る。
【0117】そして、ステップS83へ進み、両ファジ
ー量F(dVn-1 ),F(dVn )の大小関係を比較
し、小さい方の値をファジー推論の結果として採用す
る。
【0118】F(dVn )≦F(dVn-1 )のときに
は、ステップS84へ進み、現在の車速変化速度dVn
及び現在の車速変化速度dVn に対するメンバーシップ
関数値であるファジー量F(dVn )により補正車速変
化速度DVを算出し(DV←dVn ×F(dVn ))、
また、F(dVn )>F(dVn-1 )のときには、ステ
ップS85へ進み、前回(320msec前)の車速変
化速度dVn-1 及び前回(320msec前)の車速変
化速度dVn-1 に対するメンバーシップ関数値であるフ
ァジー量F(dVn-1 )により補正車速変化速度DVを
算出し(DV←dVn-1 ×F(dVn-1 ))、ステップ
S86へ進む。
【0119】ここで、上記補正車速変化速度DVは、車
速変化量を表していることになり、ステップS86で、
上記補正車速変化速度DV(車速変化量)を前回ルーチ
ン実行時に算出した補正車速VCORn-1に加算して、補正
車速VCOR を算出し、燃料カット制御ルーチンのステッ
プS73へ戻る。すなわち、この補正車速VCOR は、上
述のファジー推論による補正車速変化速度(車速変化
量)に基づいて算出され、車速センサ30を構成するリ
ードスイッチのケーブルの捩じれ等に起因する車速検出
のばらつきを取り除いた現在の真の車速を表すことにな
る。
【0120】一方、上記ステップS81で、現在の車速
変化速度dVn と前回(320msec前)の車速変化
速度dVn-1 との少なくとも一方が0以下のときにはス
テップS87へ進み、現在の車速変化速度dVn と前回
の車速変化速度dVn-1 とが共に0よりも小さいマイナ
ス値であり、車速の変化が減速状態、すなわち、車速の
変化が低下状態に有るか否かを判断する。
【0121】そして、dVn <0且つdVn-1 <0の時
は、車速の変化が低下状態、すなわち減速状状態と判断
してステップS88へ進む。
【0122】上記ステップS87における判断は、真の
車速の低下を抽出するためのものである。すなわち、前
回(320msec前)の車速変化速度dVn-1 と今回
の車速変化速度dVn との2回続けて車速変化速度が0
よりも小さく減速なら車速の低下と推論するルールであ
る。
【0123】そして、ステップS88で、上記ルールの
適合具合、すなわち真の車速変化の度合いを上述の減速
側のメンバーシップ関数によって表現する。ステップS
88では、前記関数式或いはテーブル参照による減速側
のメンバーシップ関数により、前回(320msec
前)の車速変化速度dVn-1 に対するファジー量状dV
n-1 )、及び現在の車速変化速度dVn に対するファジ
ー量F(dVn )を算出する。
【0124】そして、前記ステップS83へ進み、両フ
ァジー量F(dVn-1 ),F(dVn )の大小関係を比
較し、小さい方の値をファジー推論の結果として採用
し、前記ステップS84或いはステップS85を介して
ステップS86へ進み、補正車速変化速度DV(車速変
化量)を前回ルーチン実行時に算出した補正車速VCORn
-1に加算して、補正車速VCOR を算出し、燃料カット制
御ルーチンのステップS73へ戻る。
【0125】一方、前記ステップS87の条件非成立時
には、推論ルールが適合しないため、ステップS89へ
進み、前回のルーチン実行時における補正車速VCORn-1
を、現在の補正車速VCORnとして採用し(VCORn←VCO
Rn-1)、燃料カット制御ルーチンのステップS73へ戻
る。すなわち、上述の推論ルールが適合しないときに
は、車速の変化がないものとする。
【0126】そして、燃料カット制御ルーチンのステッ
プS73では、燃料カットを指示する燃料カットフラグ
FCUT の値を参照し、FCUT =0で燃料カットが指示さ
れておらず、燃料噴射が行われているときには、ステッ
プS74へ進み、上記補正車速VCORnと最高車速に対応
する燃料カット車速判定値VS1とを比較し、VCORn<V
S1のときには、補正車速VCORn、すなわち現在の真の車
速が最高制限車速に達していないと判断し、ステップS
75で、燃料カットフラグFCUT をクリアして(FCUT
←0)、ステップS78へ進む。
【0127】また、上記ステップS74で、補正車速V
CORn、すなわち現在の真の車速が燃料カットを開始する
燃料カット車速判定値VS1以上で最高車速制限のために
燃料カットを行うときには、ステップS77へ進み、燃
料カットフラグFCUT をセットして(FCUT ←1)燃料
カットを指示し、ステップS78へ進む。
【0128】一方、上記ステップS73においてFCUT
=1で最高車速制限のために燃料カット中のときには、
ステップS76へ進み、現在の補正車速VCORnと車速低
下により燃料リカバを行うかを判断するための燃料リカ
バ車速判定値VS2とを比較する。この燃料リカバ車速判
定値VS2は、最高車速制限時の燃料カットと燃料リカバ
とのハンチングを防ぐため、図18に示すように、上記
燃料カット車速判定値VS1よりも小さい値に設定されて
いる。
【0129】そして、VCORn>VS2で車速が燃料リカバ
車速判定値VS2に未だ低下していないときには、ステッ
プS77へ進み、燃料カットフラグFCUT をセット状態
のままとし、VCORn≦VS2で、補正車速VCORn、すなわ
ち現在の真の車速が燃料カットにより低下し、燃料リカ
バする燃料リカバ車速判定値VS2以下となったときは、
前記ステップS75へ進み、燃料カットフラグFCUT を
クリアして、燃料噴射を再開させる。
【0130】そして、ステップS78で、前回の補正車
速VCORn-1を今回の補正車速VCORnにより更新し、前回
の車速変化速度dVn-1 を今回の車速変化速度dVn に
より更新すると共に、前回の車速Vn-1 を今回の車速V
n により更新して次回に備え、ルーチンを抜ける。
【0131】この燃料カット制御ルーチンによって設定
された燃料カットフラグFCUT が、図17に示す燃料噴
射量設定ルーチンにおいて読み出され、最高車速制限の
ための燃料カットの必要性の有無が判断される。
【0132】図17に示す燃料噴射量設定ルーチンは、
一定周期(本形態では、θ1パルスによる180°C
A)毎に実行され、ステップS91で、燃料カットフラ
グFCUT を参照し、最高車速制限のために燃料カットが
指示されているか否かを判断する。
【0133】そして、FCUT =0で燃料カットが指示さ
れていないときには、ステップS92へ進み、現在のエ
ンジン回転数NEnと吸入空気量に係わるパラメータとし
ての現在の吸気管圧力Pn とに基づき、マップを参照し
て基本燃料噴射量を定める基本燃料噴射パルス幅Tpを
設定し、続くステップS93で、吸気温センサ11によ
る吸気温度に基づく吸気温補正係数、冷却水温センサ1
7による水温Twに基づく水温増量係数、スロットル開
度センサ8aの出力値に基づく加減速補正係数、及びO
2 センサ21の出力電圧に基づき空燃比を目標空燃比に
近付けるための空燃比フィードバック補正係数等の各種
増量係数Kを設定し、ステップS94で、バッテリ電圧
VB に基づきインジェクタ13の無効噴射時間を補償す
る無効噴射パルス幅TVを設定し、ステップS95へ進
む。
【0134】ステップS95では、上記ステップS92
で設定した基本燃料噴射パルス幅Tpに、上記各種増量
係数Kを乗算して空燃比補正を行うと共に、上記ステッ
プS94で設定した無効噴射パルス幅TVを加算して、
最終的な燃料噴射量を定める燃料噴射パルス幅TAUを
算出し(TAU←Tp×K+TV)、ステップS96
で、上記燃料噴射パルス幅TAUをセットしてルーチン
を抜ける。
【0135】従って、FCUT =0の最高車速制限による
燃料カットが指示されていないときには、通常通り燃料
噴射パルス幅TAUが算出され、この燃料噴射パルス幅
TAUによる駆動信号が、ECU40のI/Oインター
フェイス46の所定出力ポートから駆動回路49を介し
てインジェクタ13へ出力され、インジェクタ13から
上記燃料噴射パルス幅TAUに相応する量の燃料が噴射
され、通常通り燃料噴射が行われる。
【0136】一方、上記ステップS91においてFCUT
=1で最高車速制限のために燃料カットが指示されてい
るときには、ステップS97へ進み、燃料噴射パルス幅
TAUをゼロに設定して、ステップS96で、この燃料
噴射パルス幅TAU(=0)をセットしてルーチンを抜
ける。
【0137】従って、FCUT =1の最高車速制限時に
は、TAU=0により燃料噴射が行われず、燃料カット
によって最高車速が制限される。
【0138】ここで、上述のように、最高車速制限を行
うか否かを判断する基となる車速として、上記推論ルー
ル及びメンバーシップ関数によるファジー推論によって
求め、車速センサ30を構成するリードスイッチのケー
ブルの捩じれ等に起因する車速検出のばらつきを取り除
いた補正車速変化速度DV、すなわち真の車速変化量
を、前回ルーチン実行時に算出した補正車速VCORn-1に
加算して算出した補正車速VCORnが用いられる。この補
正車速VCORnは、上述のファジー推論による補正車速変
化速度(車速変化量)に基づいて算出され、車速センサ
30を構成するリードスイッチのケーブルの捩じれ等に
起因する車速検出のばらつきを取り除いた現在の真の車
速を表すことになる。従って、車速センサを構成するリ
ードスイッチのケーブルの捩じれにより生じる車速検出
のばらつきを補償するために最高車速制限により燃料カ
ットを開始する燃料カット車速判定値と該燃料カット車
速判定値より低い値で燃料リカバを開始する燃料リカバ
車速判定値とにヒステリシスを十分に取る必要がなく、
これら燃料カット車速判定値と燃料リカバ車速判定値と
のヒステリシスを狭めることが可能となり、高車速によ
る燃料カット時の車速変化幅が大きくなることによる走
行フィーリングの悪化が防止され、また、燃料リカバ時
のトルク変化が縮小し、ドライバビリティの悪化が防止
される。
【0139】尚、本実施の形態においては、燃料噴射制
御方式としてDジェトロニック方式を用いた例につき説
明したが、Lジェトロニック方式にも適用できることは
勿論である。
【0140】また、本発明は、運転状態パラメータの変
化速度を用いて制御量を設定するものであれば良く、上
記各実施の形態に限定されない。さらに、エンジンのみ
ならず、例えば自動変速機制御において油圧の変化速度
に応じて油圧回路におけるバルブの制御量を定めるもの
においても適用可能である。
【0141】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、一定時間
毎に運転状態パラメータの変化速度を算出し、現在の運
転状態パラメータ変化速度と前回算出した運転状態パラ
メータ変化速度とが共に運転状態パラメータ値が上昇す
ることを示す加速状態にあるかを判断し、加速状態と判
断されるとき、上記各運転状態パラメータ変化速度に対
するメンバーシップ関数値を、記憶手段に記憶されてい
る定常運転時における運転状態パラメータ変化速度の分
布率の近似データを上下反転して得たメンバーシップ関
数によりそれぞれ算出して両メンバーシップ関数値の大
小関係を比較し、そして、小さい方のメンバーシップ関
数値と該メンバーシップ関数値に対応する運転状態パラ
メータ変化速度とに基づいて補正運転状態パラメータ変
化速度を算出し、この補正運転状態パラメータ変化速度
に基づいて制御対象に対する制御量を設定するので、定
常運転時における運転状態パラメータ変化速度の分布率
が高いほど定常的な変化によるものであり、この運転状
態パラメータ変化速度の分布率の近似データを上下反転
して得たメンバーシップ関数は、逆に値が大きいほど定
常的な変化を含まないことになり、現在の運転状態パラ
メータ変化速度と前回の運転状態パラメータ変化速度と
により2回連続して加速のとき加速状態と推論し、この
運転状態パラメータ変化速度は定常的な運転状態パラメ
ータの変化によるものではないとして、このルールの適
合具合を上記メンバーシップ関数によって検証し、現在
と前回との各運転状態量変化速度に対するメンバーシッ
プ関数値によるファジー量のうち、小さい方をルールの
適合結果として採用するため、上記補正運転状態パラメ
ータ変化速度は定常的な変化分を取り除いたデータとな
り、ファジー推論により定常的な変化を含んだデータか
ら定常的な変化分を取り除き、この定常的な変化分を取
り除いたデータにより制御対象を制御することが可能と
なり、制御性を著しく向上することができる。
【0142】請求項2記載の発明では、一定時間毎にエ
ンジン回転数の変化速度を算出し、現在のエンジン回転
数変化速度と前回算出したエンジン回転数変化速度とが
共にプラス値の加速状態にあるか共にマイナス値の減速
状態にあるかを判断し、加速状態と判断されるときに
は、両エンジン回転数変化速度に対するメンバーシップ
関数値を、記憶手段に記憶されている定常アイドル運転
時におけるエンジン回転数変化速度の分布率の近似デー
タを上下反転して得た加速側のメンバーシップ関数によ
りそれぞれ算出し、また、減速状態と判断されるときに
は、両エンジン回転数変化速度に対するメンバーシップ
関数値を記憶手段に記憶されている減速側のメンバーシ
ップ関数によりそれぞれ算出して、両メンバーシップ関
数値の大小関係を比較し、小さい方のメンバーシップ関
数値と該メンバーシップ関数値に対応するエンジン回転
数変化速度とに基づいて補正エンジン回転数変化速度を
算出し、アイドル時に、該補正エンジン回転数変化速度
に基づいてアイドル回転数制御弁に対する開度変化速度
を制御するので、定常アイドル運転時におけるエンジン
回転数変化速度の分布率が高いほど燃焼変動や気筒間の
発生トルクのばらつき等による定常的な回転変化による
ものであり、定常アイドル運転時のエンジン回転数変化
速度の分布率の近似データを上下反転して得たメンバー
シップ関数は、逆に値が大きいほど定常的な回転変化を
含まないエンジン負荷変動によるエンジン回転数変化の
確率が高いことを表すことになり、現在のエンジン回転
数変化速度と前回のエンジン回転数変化速度とが2回連
続してプラス値のとき加速状態と推論し、このエンジン
回転数変化速度は定常的な回転変化によるものではなく
補機駆動に対するエンジン負荷急減によるものとして、
このルールの適合具合を上記加速側のメンバーシップ関
数によって検証し、現在と前回との各エンジン回転数変
化速度に対するメンバーシップ関数値によるファジー量
のうち、小さい方をルールの適合結果として採用するた
め、上記補正エンジン回転数変化速度は定常的な燃焼変
動や気筒間の発生トルクのばらつき等の変化分を取り除
いたデータとなり、ファジー推論により定常的な変化を
含んだデータから定常的な変化分を取り除き、この定常
的な変化分を取り除いたデータによりアイドル時におけ
るアイドル回転数制御弁に対する開度変化速度を制御す
ることが可能となり、エンジン負荷の急減に対応して応
答遅れを生じることなくアイドル回転数制御弁に対する
開度変化速度を補正することが可能となり、エンジン回
転数の吹き上がりを防止することができる。
【0143】また、現在のエンジン回転数変化速度と前
回のエンジン回転数変化速度とが2回連続してマイナス
値のとき減速状態と推論し、このエンジン回転数変化速
度は定常的な回転変化によるものではなく補機駆動負荷
増大に伴うエンジン負荷急増によるものとして、このル
ールの適合具合を上記減速側のメンバーシップ関数によ
って検証し、同様に、現在と前回との各エンジン回転数
変化速度に対するメンバーシップ関数値によるファジー
量のうち、小さい方をルールの適合結果として採用する
ため、上記補正エンジン回転数変化速度は定常的な燃焼
変動や気筒間の発生トルクのばらつき等の変化分を取り
除いたデータとなり、ファジー推論により定常的な変化
を含んだデータから定常的な変化分を取り除き、この定
常的な変化分を取り除いたデータによりアイドル時にお
けるアイドル回転数制御弁に対する開度変化速度を制御
することが可能となり、エンジン負荷の急増に対応して
応答遅れを生じることなくアイドル回転数制御弁に対す
る開度変化速度を補正することが可能となり、アイドル
時における補機駆動によるエンジン負荷の急増直後のエ
ンジン回転数の低下を防止することができ、これらによ
りアイドル回転数制御性を著しく向上することができ
る。
【0144】請求項3記載の発明では、一定時間毎にス
ロットル弁下流の吸気管圧力の変化速度を算出し、現在
の吸気管圧力変化速度と前回算出した吸気管圧力変化速
度とが共にプラス値の加速状態にあるかを判断し、加速
状態と判断されるとき、両吸気管圧力変化速度に対する
メンバーシップ関数値を、記憶手段に記憶されている定
常運転時における吸気管圧力変化速度の分布率の近似デ
ータを上下反転して得たメンバーシップ関数によりそれ
ぞれ算出して、両メンバーシップ関数値の大小関係を比
較し、そして、小さい方のメンバーシップ関数値と該メ
ンバーシップ関数値に対応する吸気管圧力変化速度とに
基づいて補正吸気管圧力変化速度を算出して、該補正吸
気管圧力変化速度とスロットル弁の開弁に伴う吸気管圧
力変動を判定するための判定値とを比較し、補正吸気管
圧力変化速度が判定値以上のとき、非同期燃料噴射を実
行させるので、定常運転時における吸気管圧力変化速度
の分布率が高いほど吸気脈動による定常的な吸気管圧力
変化によるものであり、定常運転時の吸気管圧力の分布
率の近似データを上下反転して得たメンバーシップ関数
は、逆に値が大きいほど定常的な吸気管圧力変化を含ま
ないスロットル弁の開度増加による吸気管圧力変化の確
率が高いことを表すことになり、現在の吸気管圧力変化
速度と前回の吸気管圧力変化速度とが2回連続してプラ
ス値のとき加速状態と推論し、この吸気管圧力変化速度
は定常的な吸気脈動によるものではなくスロットル弁の
開度増加によるものとして、このルールの適合具合を上
記メンバーシップ関数によって検証し、現在と前回との
各吸気管圧力変化速度に対するメンバーシップ関数値に
よるファジー量のうち、小さい方をルールの適合結果と
して採用するため、上記補正吸気管圧力変化速度は定常
的な吸気脈動による変化分を取り除いたデータとなり、
この定常的な吸気脈動による変化分を取り除いた補正吸
気管圧力変化速度と判定値とを比較して非同期噴射の必
要性を判断するため、上記判定値は吸気脈動を考慮する
ことなく、その分小さい値に設定することができ、これ
によりスロットル弁が比較的緩やかに開かれる緩加速時
においてもこれを検出することが可能となり、空燃比の
リーン化、及びこれに伴う息付きを防止することができ
る。
【0145】請求項4記載の発明では、一定時間毎に車
速の変化速度を算出し、現在の車速変化速度と前回算出
した車速変化速度とが共にプラス値の加速状態にあるか
共にマイナス値の減速状態にあるかを判断し、加速状態
と判断されるときには、両車速変化速度に対するメンバ
ーシップ関数値を、記憶手段に記憶されている定常運転
時における車速変化速度の分布率の近似データを上下反
転して得た加速側のメンバーシップ関数によりそれぞれ
算出し、また、減速状態と判断されるときには、両車速
変化速度に対するメンバーシップ関数値を記憶手段に記
憶されている減速側のメンバーシップ関数によりそれぞ
れ算出して、両メンバーシップ関数値の大小関係を比較
し、そして、小さい方のメンバーシップ関数値と該メン
バーシップ関数値に対応する車速変化速度とに基づいて
車速変化量を算出し、この車速変化量を前回算出した補
正車速に加算して現在の補正車速を算出し、現在の補正
車速と最高車速に対応する燃料カット車速判定値とを比
較し補正車速が燃料カット車速判定値以上のとき燃料カ
ットを実行し、燃料カット中のときには、現在の補正車
速と車速低下により燃料リカバを行うかを判断するため
の燃料リカバ車速判定値とを比較し補正車速が燃料リカ
バ車速判定値以下のとき燃料リカバさせるので、定常運
転時における車速変化速度の分布率が高いほど車速セン
サを構成するリードスイッチのケーブルの捩じれ等に起
因する車速検出のばらつきであり、定常運転時の車速変
化速度の分布率の近似データを上下反転して得たメンバ
ーシップ関数は、逆に値が大きいほど真の車速変化であ
る度合いが高いことを表すことになり、現在の車速変化
速度と前回の車速変化速度とが2回連続してプラス値の
とき加速状態と推論し、この車速変化は真の車速上昇に
よるものとして、このルールの適合具合を上記加速側の
メンバーシップ関数によって検証し、現在と前回との各
車速変化速度に対するメンバーシップ関数値によるファ
ジー量のうち、小さい方をルールの適合結果として採用
し、また、現在の車速変化速度と前回の車速変化速度と
が2回連続してマイナス値のとき減速状態と推論し、こ
の車速変化は真の車速低下によるものとし、このルール
の適合具合を減速側のメンバーシップ関数によって検証
し、同様に、現在と前回との各車速変化速度に対するメ
ンバーシップ関数値によるファジー量のうち、小さい方
をルールの適合結果として採用し、この適合結果に基づ
いて算出された車速変化量により算出され、且つ最高車
速制限を行うか否かを判断する基となる上記補正車速
は、車速センサを構成するリードスイッチのケーブルの
捩じれ等に起因する車速検出のばらつきを取り除いた現
在の真の車速を表すことになる。従って、車速センサを
構成するリードスイッチのケーブルの捩じれにより生じ
る車速検出のばらつきを補償するために最高車速制限に
より燃料カットを開始する燃料カット車速判定値と該燃
料カット車速判定値より低い値で燃料リカバを開始する
燃料リカバ車速判定値とにヒステリシスを十分に取る必
要がなく、これら燃料カット車速判定値と燃料リカバ車
速判定値とのヒステリシスを狭めることが可能となり、
高車速による燃料カット時の車速変化幅が大きくなるこ
とによる走行フィーリングの悪化を防止することがで
き、また、燃料リカバ時のトルク変化を縮小することが
可能となって、ドライバビリティの悪化を防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図
【図2】発明の実施の第1形態に係わり、エンジン回転
数算出ルーチンのフローチャート
【図3】同上、ISCバルブ制御ルーチンのフローチャ
ート
【図4】同上、ファジー推論サブルーチンのフローチャ
ート
【図5】同上、回転数変化速度の分布、メンバーシップ
関数、及びファジー推論の説明図
【図6】同上、エンジン制御系の概略構成図
【図7】同上、クランク角センサとシグナルロータの正
面図
【図8】同上、電子制御系の回路構成図
【図9】同上、クランク角センサからの出力パルスのタ
イミングチャート
【図10】本発明の実施の第2形態に係わり、吸気管圧
力算出ルーチンのフローチャート
【図11】同上、非同期燃料噴射量設定ルーチンのフロ
ーチャート
【図12】同上、ファジー推論サブルーチンのフローチ
ャート
【図13】同上、スロットル開度変化と吸気管圧力変化
との関係を示す説明図
【図14】同上、メンバーシップ関数の説明図
【図15】本発明の実施の第3形態に係わり、燃料カッ
ト制御ルーチンのフローチャート
【図16】同上、ファジー推論サブルーチンのフローチ
ャート
【図17】同上、燃料噴射量設定ルーチンのフローチャ
ート
【図18】同上、燃料カット車速判定値と燃料リカバ車
速判定値とのヒステリシスを示す説明図
【符号の説明】
1 エンジン 10 アイドル回転数制御弁(ISCバルブ) 12 吸気管圧力センサ 13 インジェクタ 25 クランク角センサ 30 車速センサ 40 電子制御装置 NEn,NEn-1 エンジン回転数(運転状態パラメータ) dNEn,dNEn-1 エンジン回転数変化速度(運転状態
パラメータ変化速度) F(dNEn),F(dNEn-1) エンジン回転数変化速
度に対するメンバーシップ関数値 DN 補正エンジン回転数変化速度(補正運転状態パラ
メータ変化速度) K2×DN 開度変化速度補正値 DISCn デュ−ティ比(アイドル回転数制御弁に対
する制御量) Pn ,Pn-1 吸気管圧力(運転状態パラメータ) dPn ,dPn-1 吸気管圧力変化速度(運転状態パラ
メータ変化速度) F(dPn ),F(dPn-1 ) 吸気管圧力変化速度に
対するメンバーシップ関数値 DP 補正吸気管圧力変化速度(補正運転状態パラメー
タ変化速度) dPS 判定値 TiN 非同期噴射パルス幅(非同期燃料噴射量) Vn ,Vn-1 車速(運転状態パラメータ) dVn ,dVn-1 車速変化速度(運転状態パラメータ
変化速度) F(dVn ),F(dVn-1 ) 車速変化速度に対する
メンバーシップ関数値 DV 補正車速変化速度(車速変化量) VCORn,VCORn-1 補正車速 VS1 燃料カット車速判定値 VS2 燃料リカバ車速判定値 TAU 燃料噴射パルス幅(燃料噴射量)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 45/00 362 F02D 45/00 362Q 370 370B 376 376B G05B 13/02 G05B 13/02 N

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一定時間毎に運転状態パラメータの変化速
    度を算出する運転状態パラメータ変化速度算出手段と、 現在の運転状態パラメータ変化速度と前回算出した運転
    状態パラメータ変化速度とが共に加速状態にあるか否か
    を判断する判定手段と、 定常運転時における運転状態パラメータ変化速度の分布
    率の近似データを上下反転して得たメンバーシップ関数
    を記憶する記憶手段と、 加速状態と判断されるとき、上記各運転状態パラメータ
    変化速度に対するメンバーシップ関数値を上記メンバー
    シップ関数によりそれぞれ算出するメンバーシップ関数
    値算出手段と、 両メンバーシップ関数値の大小関係を比較する比較手段
    と、 小さい方のメンバーシップ関数値と該メンバーシップ関
    数値に対応する運転状態パラメータ変化速度とに基づい
    て補正運転状態パラメータ変化速度を算出する補正運転
    状態パラメータ変化速度算出手段と、 上記補正運転状態パラメータ変化速度に基づいて制御対
    象に対する制御量を設定する制御量設定手段とを備えた
    ことを特徴とする制御装置。
  2. 【請求項2】一定時間毎にエンジン回転数の変化速度を
    算出するエンジン回転数変化速度算出手段と、 現在のエンジン回転数変化速度と前回算出したエンジン
    回転数変化速度とが共にプラス値の加速状態にあるか共
    にマイナス値の減速状態にあるかを判断する判定手段
    と、 定常アイドル運転時におけるエンジン回転数変化速度の
    分布率の近似データを上下反転して得たメンバーシップ
    関数をそれぞれ加速側と減速側とに対応して記憶した記
    憶手段と、 加速状態と判断されるとき、上記両エンジン回転数変化
    速度に対するメンバーシップ関数値を上記加速側のメン
    バーシップ関数によりそれぞれ算出し、減速状態と判断
    されるときには、両エンジン回転数変化速度に対するメ
    ンバーシップ関数値を上記減速側のメンバーシップ関数
    によりそれぞれ算出するメンバーシップ関数値算出手段
    と、 算出した両メンバーシップ関数値の大小関係を比較する
    比較手段と、 小さい方のメンバーシップ関数値と該メンバーシップ関
    数値に対応するエンジン回転数変化速度とに基づいて補
    正エンジン回転数変化速度を算出する補正エンジン回転
    数変化速度算出手段と、 アイドル時に、上記補正エンジン回転数変化速度に基づ
    いてアイドル回転数制御弁に対する開度変化速度を制御
    するアイドル回転数制御弁制御手段とを備えたことを特
    徴とする車両用エンジンの制御装置。
  3. 【請求項3】一定時間毎にスロットル弁下流の吸気管圧
    力の変化速度を算出する吸気管圧力変化速度算出手段
    と、 現在の吸気管圧力変化速度と前回算出した吸気管圧力変
    化速度とが共にプラス値の加速状態にあるか否かを判断
    する判定手段と、 定常運転時における吸気管圧力変化速度の分布率の近似
    データを上下反転して得たメンバーシップ関数を記憶し
    た記憶手段と、 加速状態と判断されるとき、上記両吸気管圧力変化速度
    に対するメンバーシップ関数値を上記メンバーシップ関
    数によりそれぞれ算出するメンバーシップ関数値算出手
    段と、 算出した両メンバーシップ関数値の大小関係を比較する
    比較手段と、 小さい方のメンバーシップ関数値と該メンバーシップ関
    数値に対応する吸気管圧力変化速度とに基づいて補正吸
    気管圧力変化速度を算出する補正吸気管圧力変化速度算
    出手段と、 上記補正吸気管圧力変化速度とスロットル弁の開弁に伴
    う吸気管圧力変動を判定するための判定値とを比較し、
    補正吸気管圧力変化速度が判定値以上のとき、非同期燃
    料噴射を実行させる非同期噴射制御手段とを備えたこと
    を特徴とする車両用エンジンの制御装置。
  4. 【請求項4】一定時間毎に車速の変化速度を算出する車
    速変化速度算出手段と、 現在の車速変化速度と前回算出した車速変化速度とが共
    にプラス値の加速状態にあるか共にマイナス値の減速状
    態にあるかを判断する判定手段と、 定常運転時における車速変化速度の分布率の近似データ
    を上下反転して得たメンバーシップ関数をそれぞれ加速
    側と減速側とに対応して記憶した記憶手段と、 加速状態と判断されるとき、上記両車速変化速度に対す
    るメンバーシップ関数値を上記加速側のメンバーシップ
    関数によりそれぞれ算出し、減速状態と判断されるとき
    には、両車速変化速度に対するメンバーシップ関数値を
    上記減速側のメンバーシップ関数によりそれぞれ算出す
    るメンバーシップ関数値算出手段と、 算出した両メンバーシップ関数値の大小関係を比較する
    比較手段と、 小さい方のメンバーシップ関数値と該メンバーシップ関
    数値に対応する車速変化速度とに基づいて車速変化量を
    算出する車速変化量算出手段と、 前回算出した補正車速に上記車速変化量を加算して現在
    の補正車速を算出する補正車速算出手段と、 現在の上記補正車速と最高車速に対応する燃料カット車
    速判定値とを比較し補正車速が燃料カット車速判定値以
    上のとき燃料カットを実行し、燃料カット中のときに
    は、現在の補正車速と車速低下により燃料リカバを行う
    かを判断するための燃料リカバ車速判定値とを比較し補
    正車速が燃料リカバ車速判定値以下のとき燃料リカバす
    る燃料カット制御手段とを備えたことを特徴とする車両
    用エンジンの制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010519636A (ja) * 2007-02-27 2010-06-03 エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー 連続工業プロセスでの異常事象検出のために推論計測を使用する方法およびシステム
WO2014103698A1 (ja) * 2012-12-25 2014-07-03 株式会社ミクニ スロットルバルブ装置
CN110222183A (zh) * 2019-06-12 2019-09-10 云南电网有限责任公司大理供电局 一种供电客户满意度评价模型的构建方法

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