JPH10213055A - エンジンの点火時期制御装置 - Google Patents

エンジンの点火時期制御装置

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Publication number
JPH10213055A
JPH10213055A JP9017006A JP1700697A JPH10213055A JP H10213055 A JPH10213055 A JP H10213055A JP 9017006 A JP9017006 A JP 9017006A JP 1700697 A JP1700697 A JP 1700697A JP H10213055 A JPH10213055 A JP H10213055A
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JP
Japan
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engine
ignition timing
speed
idle
rotation speed
Prior art date
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Pending
Application number
JP9017006A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaharu Tayama
隆治 田山
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP9017006A priority Critical patent/JPH10213055A/ja
Publication of JPH10213055A publication Critical patent/JPH10213055A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】単一の目標回転数テーブルを備えたアイドル回
転数制御を採用する場合は勿論のこと、特性の異なる複
数の目標回転数テーブルを備えたアイドル回転数制御を
採用する場合であっても、アイドル時において適正な点
火時期を得る。 【解決手段】アイドル時か否かを判断し(S76)、アイ
ドル時には、アイドル回転数制御における目標回転数R
PMSETに基づいて補正進角値テーブルを参照し、補
正進角値ADVKを設定する(S77)。上記補正進角値テ
ーブルには、目標回転数RPMSETが高いほど、基本
点火時期に対する進角補正量を増加する補正進角値AD
VKが格納されている。そして、この補正進角値ADVK
によってアイドル時の基本点火時期に相当するアイドル
時基本進角値ADVBASEIDLを補正し、点火時期を定め
る制御進角ADVを設定する(S78)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アイドル時におい
て適正な点火時期を得るエンジンの点火時期制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、エンジンのスロットル弁をバ
イパスするバイパス通路にアイドル回転数制御弁(IS
C弁)を設け、電子制御装置によりエンジン冷却水温度
に応じた目標回転数を設定し、アイドル時のエンジン回
転数(アイドル回転数)を目標回転数に収束するようI
SC弁の弁開度を制御するようにしている。また、自動
車等の車輌においては、エンジン冷却水を車輌室内の暖
房にも使用しており、低水温時には、暖房効果が悪化す
る。
【0003】ここで、上記目標回転数はエンジン冷却水
温度をパラメータとしたテーブルとして与えられ、低水
温域では、冷却水温度の上昇を早めエンジンの暖機及び
暖房性能を促進すべく比較的高い値の目標回転数を設定
すると共に、エンジン暖機完了の常温域ではエンジン騒
音の低減による静粛性、及び燃費の向上を図るため比較
的低い値の目標回転数を設定し、また、低水温域から常
温域に至るまでのエンジン暖機途上においては、エンジ
ン冷却水温度の上昇に応じて目標回転数の値を順次減少
するようにしている。
【0004】そして、この種のエンジンでは、アイドル
安定性を確保するため、アイドル時には点火時期を補正
制御するようにしており、且つ、このときには、この補
正制御を有効に作用させるために点火時期をそのエンジ
ンの得ることのできる最大トルクを得る点火時期、いわ
ゆるMBT点火時期よりもリタード(遅角)して設定し
ている。
【0005】すなわち、エンジン低温域(エンジン冷却
水の低温域)では、エンジンの暖機を促進するためアイ
ドル回転数を上昇させているが、アイドル回転数の上昇
に伴いエンジンの要求点火時期が変わることや、エンジ
ン温度が低いほど増大するエンジンフリクションに打ち
勝つエンジン出力を得るためには、点火時期を進角する
必要があり、従来は、特開昭60−17268号公報等
に示されるように、点火時期をエンジン冷却水温度に応
じて補正するようにしていた。
【0006】上述のように、アイドル時には、エンジン
冷却水温度に応じて目標回転数を設定し、フィードバッ
ク制御によりアイドル回転数を制御しており、従って、
エンジン冷却水温度に基づいてアイドル時の基本点火時
期に対する進角補正量を決定することで、そのアイドル
回転数、及び、そのときのエンジンフリクションに適合
する点火時期を得ることが可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
アイドル回転数制御においては、エンジン暖機性能や暖
房性能と、静粛性との両立を図るため、特性の異なる複
数の目標回転数テーブルを備え、運転状態に応じて目標
回転数テーブルを選択して、この目標回転数テーブルに
より冷却水温度をパラメータとして目標回転数を設定す
るようにしており、同一冷却水温度であっても運転状態
に応じて目標回転数が相違する。
【0008】例えば、特開平5−171975号公報等
に開示されているように、アイドル時の目標回転数をエ
ンジン暖機促進を向上するための放置暖機用目標回転数
FBNE1と静粛性を重視した走行暖機用目標回転数F
BNE2との2種類に分けて設定し(図19参照)、放
置暖機用目標回転数FBNE1に対し走行暖機用目標回
転数FBNE2は、暖機途上の値が低く設定されてい
る。そして、エンジン始動後一度も車輌走行状態を検出
していない場合は、放置暖機と判定し、上記放置暖機用
目標回転数FBNE1により高い目標回転数を設定し、
走行状態を検出した場合には、走行暖機と判定し、以
後、上記走行暖機用目標回転数FBNE2によって低い
目標回転数を設定し、アイドル時のエンジン回転数(ア
イドル回転数)を、この目標回転数に収束するようIS
C弁に対する制御量を設定してISC弁の弁開度を制御
し、エンジン暖機特性と静粛性とを両立するようにして
いる。
【0009】従って、特性の異なる複数の目標回転数テ
ーブルを備え、運転状態に応じて目標回転数テーブルを
選択して、該目標回転数テーブルにより目標回転数を設
定する場合においては、同一冷却水温度であっても、運
転状態に応じて、目標回転数すなわち該目標回転数に対
応するアイドル回転数が変化するため、従来例のよう
に、エンジン冷却水温度に基づいてアイドル時の基本点
火時期に対する進角補正量を設定したとしても、そのと
きの目標回転数に対応するアイドル回転数、及びエンジ
ンフリクションに適合する点火時期を得ることはできな
い。
【0010】本発明は、上記事情に鑑み、単一の目標回
転数テーブルを備えたアイドル回転数制御を採用する場
合は勿論のこと、特性の異なる複数の目標回転数テーブ
ルを備えたアイドル回転数制御を採用する場合であって
も、アイドル時において適正な点火時期を得ることが可
能なエンジンの点火時期制御装置を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、アイドル時にエンジン状態
に基づいて目標回転数を設定し、該目標回転数とエンジ
ン回転数との比較結果に応じてアイドル回転数制御弁に
対する制御量を設定しアイドル回転数を制御するエンジ
ンの点火時期制御装置において、図1の基本構成図に示
すように、アイドル時に、上記目標回転数或いはアイド
ル回転数制御弁に対する制御量に基づいて補正進角値を
設定する補正進角値設定手段と、アイドル時には、基本
点火時期を上記補正進角値により補正して点火時期を設
定する点火時期設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記補正進角値設定手段は、上記目標回転
数が高いほど、上記基本点火時期に対する進角補正量を
増加する補正進角値を設定することを特徴とする。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記補正進角値設定手段は、上記アイドル
回転数制御弁に対する制御量が該アイドル回転数制御弁
の弁開度を増加させる値であるほど、上記基本点火時期
に対する進角補正量を増加する補正進角値を設定するこ
とを特徴とする。
【0014】すなわち、請求項1記載の発明では、アイ
ドル時に、アイドル回転数制御における目標回転数、或
いはアイドル回転数制御弁に対する制御量に基づいて補
正進角値を設定し、この補正進角値により基本点火時期
を補正して点火時期を設定する。ここで、アイドル回転
数制御において最終パラメータとなる目標回転数、或い
は該目標回転数に対応するアイドル回転数制御弁に対す
る制御量に基づいて基本点火時期を補正するための補正
進角値を設定するので、アイドル時において、その目標
回転数に対応するアイドル回転数を得るに適正な補正進
角値を設定することができ、単一の目標回転数テーブル
を備えたアイドル回転数制御を採用する場合は勿論のこ
と、特性の異なる複数の目標回転数テーブルを備えたア
イドル回転数制御を採用する場合であっても、そのとき
の目標回転数に対応するアイドル回転数、及びエンジン
フリクションに適合する点火時期を得ることが可能とな
る。
【0015】その際、請求項2記載の発明では、目標回
転数が高いほど、補正進角値により基本点火時期に対す
る進角補正量を増加する。また、請求項3記載の発明で
は、アイドル回転数制御弁に対する制御量が該アイドル
回転数制御弁の弁開度を増加させる値であるほど、基本
点火時期に対する進角補正量を増加する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図2〜図18に基づいて本
発明の実施の一形態を説明する。
【0017】先ず、図16に基づいて本実施の形態で採
用するエンジンの概略構成について説明する。同図にお
いて、符号1は自動車等の車輌用のエンジン(図におい
ては、直列多気筒エンジン)であり、シリンダヘッド2
に各気筒に対応してそれぞれ吸気ポート2aと排気ポー
ト2bが形成されている。
【0018】このエンジン1の吸気系は、各吸気ポート
2aにインテークマニホルド3が連通され、このインテ
ークマニホルド3に各気筒の吸気通路が集合するエアチ
ャンバ4を介してスロットルチャンバ5が連通され、更
に、このスロットルチャンバ5の上流側に吸気管6を介
してエアクリーナ7が取り付けられ、このエアクリーナ
7がエアインテークチャンバ8に連通されている。
【0019】また、上記スロットルチャンバ5には、ア
クセルペダルに連動するスロットル弁5aが設けられて
いる。上記吸気管6には、スロットル弁5aをバイパス
するバイパス通路9が接続され、このバイパス通路9
に、その弁開度により該バイパス通路9を流れるバイパ
ス空気量を調整することでアイドル回転数を制御するア
イドル回転数制御弁(ISC弁)10が介装されてい
る。
【0020】上記ISC弁10は、電子制御装置(EC
U)40により制御され、本形態においては、ECU4
0から出力される駆動信号のデューティ比が大きいほど
弁開度が増加して、バイパス空気量を増し、アイドル回
転数を上昇させ、デューティ比が小さいほど弁開度が減
少してバイパス空気量の減少によりアイドル回転数を低
下する。
【0021】また、このエンジン1の排気系としては、
上記シリンダヘッド2の各排気ポート2bに連通するエ
キゾーストマニホルド11の集合部に排気管12が連通
され、この排気管12に触媒コンバータ13が介装され
てマフラ14に連通されている。
【0022】一方、上記インテークマニホールド3の各
吸気ポート2aの直上流にはインジェクタ15が臨まさ
れている。さらに、上記シリンダヘッド2の各気筒毎
に、先端の放電電極を燃焼室に露呈する点火プラグ16
が取り付けられており、この点火プラグ16がエンジン
1のカムシャフトに連設するディストリビュータ17を
介して点火コイル18の二次側に接続され、この点火コ
イル18の一次側がイグナイタ19に接続されている。
そして、イグニッションスイッチ(図16においてはI
Gで示す)のONによって電源リレー20がONするこ
とで、ECU40が起動し、このECU40によりエン
ジン運転状態に応じて点火時期が演算され、この点火時
期に対応する点火信号が上記ECU40からイグナイタ
19に出力されると、イグナイタ19によって点火コイ
ル18の一次側がON,OFFされ、点火コイル18の
二次側に誘起された高電圧がディストリビュータ17を
介し点火対象気筒の点火プラグ16に配電され、該当気
筒の点火プラグ16が点火される。
【0023】さらに、エンジン1には、エンジン運転状
態を検出するための各種センサ類が配設されており、こ
れらセンサ類について説明すると、上記スロットル弁5
aにスロットル開度センサ21aとスロットル弁5aの
全閉でONするアイドルスイッチ21bとを内蔵したス
ロットルセンサ21が連設されている。また、上記エア
チャンバ4に吸気温センサ22が臨まされると共に、ス
ロットル弁5a下流の吸気管圧力を絶対圧で検出する吸
気管圧力センサ23が取付けられている。
【0024】また、エンジン1のシリンダブロック1a
にノックセンサ24が取付けられ、上記シリンダヘッド
2に形成された冷却水通路2cに冷却水温センサ25が
臨まされ、更に、上記触媒コンバータ13の上流にO2
センサ26が配設されている。
【0025】また、上記ディストリビュータ17内に、
カムシャフトに連設するシグナルロータ27と、このシ
グナルロータ27に対設するクランク角検出及び気筒判
別用のクランク角センサ28とが内蔵されている。
【0026】上記シグナルロータ27は、図17に示す
ように、その外周にクランク角度を判別するための角度
判別用突起27aが、#1,#3,#4,#2気筒の圧
縮上死点前(BTDC)θ1の位置に90度間隔で形成
されており、さらに、気筒判別用突起27bが、#1気
筒の圧縮上死点後(ATDC)θ2の位置に形成されて
いる。本形態では、θ1=BTDC10°CAであり、
θ2=ATDC20°CAである。
【0027】そして、エンジン1の運転に伴いカムシャ
フトが回転し、これに伴い上記シグナルロータ27が回
転して、このシグナルロータ27の各突起が磁気センサ
(電磁ピックアップ等)からなる上記クランク角センサ
28によって検出されると、クランク角センサ28から
ECU40に、図11のタイムチャートに示すように、
角度判別用突起27aによるθ1パルスがエンジン1/
2回転毎(180°CA毎)に出力され、#1気筒のθ
1パルスと#3気筒のθ1パルスとの間で気筒判別用突
起27bによるθ2パルスが出力される。
【0028】後述するように、ECU40では、上記ク
ランク角センサ28から出力される各パルスの入力間隔
時間Tθに基づいてエンジン回転数NEを算出し、ま
た、θ2パルスの入力によって次に圧縮上死点を迎える
#3気筒を判別し、各気筒の燃焼行程順(#1気筒→#
3気筒→#4気筒→#2気筒)に基づいて燃料噴射対象
気筒等の気筒判別を行う。そして、ECU40は、上記
ISC弁10、インジェクタ15、イグナイタ19等の
アクチュエータ類に対する制御量の演算、この制御量に
対応する駆動信号の出力、すなわち、アイドル回転数制
御、燃料噴射制御、点火時期制御等のエンジン制御を行
う。尚、本形態においては、燃料噴射量はスピードデン
シティ方式(Dジェトロニック方式)によって設定され
る。
【0029】上記ECU40は、図18に示すように、
CPU41、ROM42、RAM43、バックアップR
AM44、カウンタ・タイマ群45、及びI/Oインタ
ーフェイス46がバスラインを介して互いに接続された
マイクロコンピュータを中心として構成され、その他、
各部に安定化電源を供給する定電圧回路47、上記I/
Oインターフェイス46に接続される駆動回路48、及
びA/D変換器49等の周辺回路が内蔵されている。
【0030】なお、上記カウンタ・タイマ群45は、フ
リーランカウンタ等の各種カウンタ、燃料噴射用タイ
マ、点火用タイマ、定期割込みを発生させるための定期
割込み用タイマ、クランク角センサ28から入力される
パルス信号(クランクパルス)の入力間隔時間計時用タ
イマ、及びシステム異常監視用のウオッチドッグタイマ
等の各種タイマを便宜上総称するものであり、その他、
各種のソフトウエアカウンタ・タイマが用いられる。
【0031】上記定電圧回路47は、2回路のリレー接
点を有する上記電源リレー20の第1のリレー接点を介
してバッテリ50に接続され、このバッテリ50に、イ
グニッションスイッチ51を介して上記電源リレー20
のリレーコイルの一端が接続され、このリレーコイルの
他端が上記A/D変換器49に接続されている。
【0032】また、上記定電圧回路47は、上記電源リ
レー20の第1のリレー接点を介して上記バッテリ50
に接続されているのみならず、直接、上記バッテリ50
に接続されており、上記イグニッションスイッチ51が
ONされて上記電源リレー20のリレー接点が閉となる
とECU40内の各部に電源を供給する一方、上記イグ
ニッションスイッチ51のON,OFFに拘らず、常
時、上記バックアップRAM44にバックアップ用の電
源を供給する。なお、上記電源リレー20の第2のリレ
ー接点からは、各アクチュエータへの電源線が延出され
ている。
【0033】上記I/Oインターフェイス46の入力ポ
ートには、上記アイドルスイッチ21b、ノックセンサ
24、クランク角センサ28、車速センサ29、及び、
エンジン始動状態、エアコン作動状態、暖房操作による
ヒータブロワ作動状態を各々検出するためにスタータス
イッチ30、エアコンスイッチ31、ヒータブロワスイ
ッチ32が接続されており、更に、上記A/D変換器4
9を介して、スロットル開度センサ21a、吸気温セン
サ22、吸気管圧力センサ23、冷却水温センサ25、
及びO2センサ26が接続されると共に、上記イグニッ
ションスイッチ51、電源リレー20を介してのバッテ
リ電圧VBが入力されてモニタされる。
【0034】一方、上記I/Oインターフェイス46の
出力ポートには、ISC弁10、インジェクタ15が上
記駆動回路48を介して接続されると共に、イグナイタ
19が接続されている。
【0035】上記CPU41では、ROM42に記憶さ
れている制御プログラムに従って、I/Oインターフェ
イス46を介して入力されるセンサ・スイッチ類からの
検出信号、及びバッテリ電圧等を処理し、RAM43に
格納される各種データ、バックアップRAM44に格納
されている各種学習値データ、及び、ROM42に記憶
されている固定データ等に基づき、ISC弁10に対す
る駆動信号のデューティ比、燃料噴射量、点火時期等を
演算し、アイドル回転数制御、燃料噴射制御、点火時期
制御等のエンジン制御を行う。
【0036】この場合、本実施の形態におけるアイドル
回転数制御においては、エンジン温度を表すエンジン冷
却水温度TWをそれぞれパラメータとする3つの目標回
転数テーブルを備える。ここで、自動車等の車輌におい
ては、エンジン冷却水をヒータに導きヒータによって熱
交換された温風をヒータブロワによって車輌室内に送風
し、エンジン冷却水を車輌室内の暖房に使用している。
従って、具体的には、図12及び図13に示すように、
ヒータブロワスイッチ32のONにより図示しないヒー
タブロワを作動しヒータによってエンジン冷却水と熱交
換された温風を送風する暖房選択時に、暖房性能の確保
を目的としてエンジン暖機を促進して早期にエンジン冷
却水温度を上昇させるための放置暖機用目標回転数FB
NE1を設定する放置暖機用目標回転数テーブルTBL
FBNE1を備える。さらに、ヒータブロワスイッチ32が
OFF、或いは、エンジン始動後、1度でも走行状態が
検出された状況下において、エアコンスイッチ31がO
FFの時に選択され、静粛性を重視し上記放置暖機用目
標回転数FBNE1よりも暖機途上の値が低いエアコン
OFF時走行暖機用目標回転数FBNE2ACOFFを設定
するエアコンOFF時走行暖機用目標回転数テーブルT
BLFBNE2ACOFFと、エアコンスイッチ31がONの時に
選択され、エアコンコンプレッサによる駆動負荷の増大
に対処するため上記エアコンOFF時走行暖機用目標回
転数FBNE2ACOFFに対し、エンジン暖機完了状態に
おいてアイドルアップを図るためのエアコンON時走行
暖機用目標回転数FBNE2ACONを設定するエアコンO
N時走行暖機用目標回転数テーブルTBLFBNE2ACONと
を備える。
【0037】そして、上記各目標回転数は、それぞれエ
ンジン冷却水温度TWをパラメータとしたテーブルとし
て与えられ、低水温域では、冷却水温度TWの上昇を早
めエンジンの暖機及び暖房性能を促進すべく比較的高い
値の目標回転数を設定すると共に、エンジン暖機完了の
常温域ではエンジン騒音の低減による静粛性、及び燃費
の向上を図るため比較的低い値の目標回転数を設定し、
また、低水温域から常温域に至るまでのエンジン暖機途
上においては、エンジン冷却水温度TWの上昇に応じて
目標回転数の値を順次減少するようにしている。
【0038】そして、アイドル時、運転状態に応じて各
目標回転数テーブルの何れかを選択し、該目標回転数テ
ーブルを検索して得た放置暖機用目標回転数FBNE
1、エアコンOFF時走行暖機用目標回転数FBNE2
ACOFF、エアコンON時走行暖機用目標回転数FBNE
2ACONの何れかを目標回転数RPMSETとして設定
し、この目標回転数RPMSETと実際のエンジン回転
数NEとの比較結果に応じてISC弁10に対する制御
量としてデューティ比DUTYを設定し、該デューティ
比DUTYの駆動信号をISC弁10に出力すること
で、アイドル時のエンジン回転数(アイドル回転数)
を、この目標回転数に収束するようISC弁10に対す
るデューティ比DUTYを設定してISC弁10の弁開
度を制御し、暖房性能及びエンジン暖機性の確保と、静
粛性とを両立するようにしている。
【0039】従って、特性の異なる複数の目標回転数テ
ーブルを備え、運転状態に応じて目標回転数テーブルを
選択して、該目標回転数テーブルにより目標回転数RP
MSETを設定するため、図13に示すように、同一冷
却水温度TWであっても、運転状態に応じて、目標回転
数RPMSETが、放置暖機用目標回転数FBNE1、
エアコンOFF時走行暖機用目標回転数FBNE2ACOF
F、エアコンON時走行暖機用目標回転数FBNE2ACO
Nの何れかにより設定される。すなわち、特性の異なる
複数の目標回転数テーブルを備えたアイドル回転数制御
を採用する場合にあっては、同一冷却水温であっても運
転状態により目標回転数RPMSETが変化し、該目標
回転数RPMSETに対応するアイドル回転数が変化す
るため、従来例のように、エンジン冷却水温度TWに基
づいてアイドル時の基本点火時期に対する進角補正量を
設定したとしても、そのときの目標回転数RPMSET
に対応するアイドル回転数、及びエンジンフリクション
に適合する点火時期を得ることはできない。
【0040】このため、点火時期制御においては、アイ
ドル時に、アイドル回転数制御における目標回転数RP
MSET、或いはISC弁10に対する制御量としての
デューティ比DUTYに基づいて基本点火時期に対する
進角補正量を定める補正進角値ADVKを設定し、この
補正進角値ADVKによって、アイドル時の基本点火時
期に対応するアイドル時基本進角値ADVBASEIDLを補
正して点火時期を設定する。すなわち、アイドル回転数
制御において最終パラメータとなる目標回転数RPMS
ET、或いは該目標回転数RPMSETに対応するIS
C弁10に対するデューティ比DUTYに基づいてアイ
ドル時の基本点火時期を進角補正するための補正進角値
ADVKを設定するので、アイドル時において、その目
標回転数RPMSETに対応するアイドル回転数を得る
に適正な補正進角値ADVKを設定することができ、単
一の目標回転数テーブルを備えたアイドル回転数制御を
採用する場合は勿論のこと、特性の異なる複数の目標回
転数テーブルを備えたアイドル回転数制御を採用する場
合であっても、そのときの目標回転数RPMSETに対
応するアイドル回転数、及びエンジンフリクションに適
合する点火時期を得ることが可能となる。
【0041】すなわち、ECU40によって、本発明に
係る補正進角値設定手段、点火時期設定手段の各機能が
実現される。
【0042】以下、上記ECU40によって実行される
本発明に係る具体的な制御処理について、図2〜図10
に示すフローチャートに従って説明する。
【0043】イグニッションスイッチ51がONされ、
ECU40に電源が投入されると、システムがイニシャ
ライズされ、バックアップRAM44に格納されている
各種学習値等のデータを除く、各フラグ、各カウンタ類
が初期化される。そして、スタータスイッチ30がON
されてエンジン1が起動すると、カムシャフトの回転に
伴いシグナルロータ27が回転して、このシグナルロー
タ27の各突起27a,27bがクランク角センサ28
によって検出され、ECU40では、クランク角センサ
28からのクランクパルス(θ1パルス,θ2パルス)
入力毎に、図2に示すエンジン回転数算出ルーチンを実
行し、パルス入力間隔時間に基づきエンジン回転数NE
を算出すると共に、気筒判別を行う。
【0044】このエンジン回転数算出ルーチンでは、先
ず、ステップS1で、上記カウンタ・タイマ群45におけ
るクランクパルス入力間隔時間計時用タイマによって計
時された前回のクランクパルス入力から今回のクランク
パルス入力までの時間を読み出し、パルス入力間隔時間
Tθを検出する。
【0045】続くステップS2では、今回入力したクラン
クパルスがクランク角検出のためのθ1パルスか気筒判
別のためのθ2パルスかを識別する。すなわち、上記気
筒判別用突起27bによるθ2パルス入力時には、図1
1のタイムチャートに示すように、前回のクランクパル
ス(θ1パルス)入力からの時間、すなわちパルス入力
間隔時間Tθ(Tθ12)がθ1パルス同士の入力間隔時
間Tθ(Tθ11)よりも極端に短くなる。従って、上記
クランクパルス入力間隔時間計時用タイマによって計時
されたクランクパルス入力間の時間、すなわちクランク
パルス入力間隔時間Tθを記憶し、前回と今回とのクラ
ンクパルス入力間隔時間Tθを比較することで、クラン
クパルスを識別する。そして、θ2パルスと識別したと
きには、次回入力されるクランクパルスは#3気筒のB
TDCθ1パルスであり、これから圧縮上死点を迎える
気筒は#3気筒と判別することができ、燃焼行程順(本
形態では、#1気筒→#3気筒→#4気筒→#2気筒)
により次の気筒以降も識別することができる。なお、こ
の気筒判別結果は、ここでは詳述しないが、燃料噴射制
御等に反映される。
【0046】次いでステップS3へ進み、今回識別したク
ランクパルスに対応するクランクパルス間角度を読み出
し、このクランクパルス間角度と上記パルス入力間隔時
間Tθとに基づいて現在のエンジン回転数NEを算出し
RAM43の所定アドレスにストアして、ルーチンを抜
ける。なお、上記クランクパルス間角度は既知であり、
予めROM42に固定データとして記憶されているもの
であり、本形態においては、各θ1パルス間の角度θ11
は180°CAであり、θ1パルスからθ2パルス間の
角度θ12は30°CA、θ2パルスからθ1パルス間の
角度θ21は150°CAである。
【0047】そして、上記エンジン回転数算出ルーチン
によって算出されたエンジン回転数NEが、図3に示す
アイドル回転数制御ルーチンにおいて読み出され、IS
C弁10に対する制御量の設定、すなわちアイドル回転
数制御に用いられる。
【0048】図3に示すアイドル回転数制御ルーチン
は、システムイニシャライズ後、所定時間(例えば、1
0ms)毎に実行され、先ず、ステップS11〜S12で、始動
判定を行う。
【0049】すなわち、ステップS11でスタータスイッ
チ30の作動状態を判断して、ステップS12で現在のエ
ンジン回転数NEを判断し、スタータスイッチ30がO
Nのエンジン始動時、或いはNE=0のエンスト時に
は、ステップS13へ進み、エンスト或いはエンジン始動
に対応した始動時制御を行う。
【0050】ステップS13では、エンジン始動或いはエ
ンストにより始動時判別フラグFSTRをセットし(FSTR
←1)、続くステップS14で、冷却水温センサ25によ
るエンジン冷却水温度TWに基づいて始動時特性値テー
ブルを参照し、エンスト或いは始動時におけるISC弁
10に対する制御量を定める始動時特性値DUTYSTR
を設定する。
【0051】上記始動時特性値テーブルは、エンジン運
転に備えISC弁10の適正弁開度を得るISC弁10
に対する駆動信号のデューティ比を冷却水温度TW毎に
予め実験等により求め、このデューティ比を始動時特性
値DUTYSTRとして冷却水温度TWをパラメータとする
テーブルとして設定し、ROM42の一連のアドレスに
メモリされているものであり、この始動時特性値テーブ
ルの一例をステップS14中に示す。ステップS14中に示す
ように、冷却水温度TWの低いエンジン冷態時には、I
SC弁10の弁開度を増加し、エンジン運転に移行後、
直ちにバイパス空気量を増してアイドル回転数を高め、
燃焼性の悪化を防止すると共にエンジン1の暖機を促進
すべく高い値の始動時特性値DUTYSTRが格納されて
おり、冷却水温度TWが上昇するに従いISC弁10の
弁開度を減少してエンジン運転に移行後のアイドル回転
数を減少し、エンジン暖機完了の常温域ではエンジン騒
音の低減および燃費の向上を目的として低いアイドル回
転数を得る始動時特性値DUTYSTRが格納されてい
る。
【0052】そして、ステップS15で、上記始動時特性
値DUTYSTRをISC弁10に対する制御量を定める
デューティ比DUTYとして設定し(DUTY←DUT
YSTR)、このデューティ比DUTYを、ステップS16で
セットして、ルーチンを抜ける。
【0053】その結果、上記デューティ比DUTYの駆
動信号がECU40からISC弁10に出力されて、エ
ンジン運転に備え、エンジン始動時或いはエンスト時の
ISC弁10の弁開度がエンジン冷却水温度TWに応じ
適正値に保持される。
【0054】一方、ステップS11,S12で、スタータスイ
ッチ30がOFF、且つNE≠0のエンジン始動後のと
きには、ステップS17へ進み、上記始動時判別フラグFS
TRをクリアして(FSTR←0)、続くステップS18で、図
4〜図5に示す目標アイドル回転数算出サブルーチンを
実行して、アイドル時のエンジン回転数(アイドル回転
数)の目標値となる目標回転数RPMSETを算出す
る。
【0055】この目標アイドル回転数算出サブルーチン
においては、ステップS31で、先ず、車速条件フラグFS
PDFBを参照する。この車速条件フラグFSPDFBは、シス
テムイニシャライズ後、車輌走行状態を検出したときに
セットされるもので、FSPDFB=0でシステムイニシャ
ライズ後、一度も車輌走行状態が検出されていないとき
には、ステップS32へ進む。
【0056】ステップS32では、車速センサ29による
現在の車速VSPを読み込み、この車速VSPを車輌走
行状態を判断するために予め設定された走行判定車速K
SPDFB(例えば、10km/h)と比較し、車両走行状態か
否かを判断する。
【0057】そして、VSP<KSPDFBで車両走行状態
の非確定時には、ステップS33へ進み、エンジン始動後
の時間を設定値STCT(例えば、30sec相当値)と
比較し、エンジン始動後時間<STCTで、エンジン始
動後の時間が設定値STCTにより定まる設定時間(3
0sec)を経過していないときには、ステップS34へ進
み、初回判別フラグFINIを参照する。この初回判別フ
ラグFINIは、本ルーチンの初回実行を判断するための
もので、FINI=0のときには、初回ルーチン実行と判
断してステップS35へ進み、初回判別フラグFINIをセッ
トし(FINI←1)、続くステップS36で、エアコンスイ
ッチ31の操作状態を判断する。
【0058】そして、エアコンスイッチ31がOFF
で、エアコンの非作動時には、ステップS37へ進んで、
冷却水温センサ25による冷却水温度TWを読み出し、
この冷却水温度TWに基づいてエアコンOFF時走行暖
機用目標回転数テーブルTBLFBNE2ACOFFを検索し、補
間計算によりエアコンOFF時走行暖機用目標回転数F
BNE2ACOFFを設定する。このエアコンOFF時走行
暖機用目標回転数FBNE2ACOFFは、エンジン極低温
時においては、エンジン暖機を促進し、また、暖機途上
においては、アイドル時における静粛性、及び燃費を重
視したものである。
【0059】すなわち、上記エアコンOFF時走行暖機
用目標回転数テーブルTBLFBNE2ACOFFは、エンジン低
温時においてエンジン暖機を促進すると共に、ヒータブ
ロワスイッチ32がOFFで暖房を必要としないアイド
ル時、或いは、走行後のアイドル時において、エンジン
の静粛性、及び燃費を重視したアイドル回転数の適正値
を、エンジン1の暖機状態を表すエンジン冷却水温度T
Wに対応して予め実験等により求め、この値をエアコン
OFF時走行暖機用目標回転数FBNE2ACOFFとし
て、冷却水温度TWをパラメータとするテーブルとして
設定し、ROM42の一連のアドレスにメモリされてい
るものであり、このエアコンOFF時走行暖機用目標回
転数テーブルの一例、及びエアコンOFF時走行暖機用
目標回転数テーブルをグラフ化した特性図をそれぞれ図
12、図13に示す。
【0060】同図に示すように、エアコンOFF時走行
暖機用目標回転数テーブルTBLFBNE2ACOFFには、エン
ジン冷態状態の低水温域ではエンジン冷却水温度TWの
上昇を早めエンジン1の暖機を促進すべく比較的高い値
の目標回転数FBNE2ACOFFが格納されており、ま
た、低水温域からエンジン暖機完了の常温域(図におい
ては、80°C以上)に至るまでのエンジン暖機途上に
おいては、エンジン冷却水温度TWの上昇に応じて目標
回転数FBNE2ACOFFの値が順次減少され、暖房性能
の確保を目的とする後述の放置暖機用目標回転数FBN
E1に対し、エンジン騒音の低減による静粛性、及び燃
費の向上を図るため比較的低い値のエアコンOFF時走
行暖機用目標回転数FBNE2ACOFFが格納されてい
る。
【0061】そして、ステップS38へ進み、上記ステッ
プS37において設定したエアコンOFF時走行暖機用目
標回転数FBNE2ACOFFによって目標回転数RPMS
ETを設定し(RPMSET←FBNE2ACOFF)、ス
テップS39で、上記目標回転数RPMSETを目標回転
数初期設定値RPMSETINIとし(RPMSET←R
PMSETINI)、目標アイドル回転数算出サブルーチ
ンを終了して、アイドル回転数制御ルーチンのステップ
S19へ進む。
【0062】また、上記ステップS36において、エアコ
ンスイッチ31がONのエアコン作動時には、ステップ
S40へ進み、冷却水温度TWに基づいてエアコンON時走
行暖機用目標回転数テーブルTBLFBNE2ACONを検索
し、補間計算によりエアコンON時走行暖機用目標回転
数FBNE2ACONを設定する。このエアコンON時走行
暖機用目標回転数FBNE2ACONは、エアコンコンプレ
ッサの駆動に伴うエンジン負荷の増大に対応して、アイ
ドル回転数を上昇させる、いわゆるアイドルアップを行
うためのものである。
【0063】すなわち、上記エアコンON時走行暖機用
目標回転数テーブルTBLFBNE2ACONは、上記エアコン
OFF時走行暖機用目標回転数FBNE2ACOFFに対
し、エアコン作動に伴うエンジン負荷の増大を補償する
に適正なアイドル回転数の最適値を、エンジン1の暖機
状態を表すエンジン冷却水温度TWに対応して予め実験
等により求め、この値をエアコンON時走行暖機用目標
回転数FBNE2ACONとして、冷却水温度TWをパラメ
ータとするテーブルとして設定し、ROM42の一連の
アドレスにメモリされているものであり、図12及び図
13の破線に示すように、エアコンON時走行暖機用目
標回転数テーブルTBLFBNE2ACONには、上記エアコン
OFF時走行暖機用目標回転数FBNE2ACOFFに対
し、エンジン暖機完了状態(図においては、60°C以
上)においてアイドルアップを図るため、高い目標回転
数値が格納されている。
【0064】次いで、ステップS41へ進み、上記ステッ
プS40で設定したエアコンON時走行暖機用目標回転数
FBNE2ACONによって目標回転数RPMSETを設定
し(RPMSET←FBNE2ACON)、ステップS39
で、この目標回転数RPMSET(=FBNE2ACON)
を目標回転数初期設定値RPMSETINIとし、目標ア
イドル回転数算出サブルーチンを終了して、アイドル回
転数制御ルーチンのステップS19へ進む。
【0065】また、上記ステップS34において、FINI=
1で2回目以降の本ルーチン実行時には、そのまま目標
アイドル回転数算出サブルーチンを終了して、アイドル
回転数制御ルーチンのステップS19へ進む。
【0066】従って、エンジン始動後、1度も車輌走行
状態が検出されていないときには、エンジン始動後の経
過時間が設定値STCTによる設定時間(本形態におい
ては、30sec)に達するまでの間、目標回転数RPM
SETは、ルーチン初回実行時に冷却水温度TWに基づ
いてエアコンOFF時走行暖機用目標回転数テーブルT
BLFBNE2ACOFF、或いはエアコンON時走行暖機用目標
回転数テーブルTBLFBNE2ACONによって設定された初
期値に保持される。これにより、エンジン始動直後にお
けるアイドル回転数の制御性の安定化が図られる。
【0067】一方、上記ステップS33において、始動後
時間≧STCTでエンジン始動後の時間が設定時間(3
0sec)以上経過したときには、ステップS42へ進み、ヒ
ータブロワスイッチ32の操作状態を判断する。
【0068】そして、ヒータブロワスイッチ32がON
で、図示しないヒータブロワを作動しヒータによってエ
ンジン冷却水と熱交換された温風を送風する暖房選択時
には、ステップS43へ進み、冷却水温度TWに基づいて放
置暖機用目標回転数テーブルTBLFBNE1を検索し、補
間計算により放置暖機用目標回転数FBNE1を設定す
る。この放置暖機用目標回転数FBNE1は、エンジン
暖機をより促進して早期に冷却水温度を上昇させること
で、早期に暖房性能を確保することを目的としたもので
ある。
【0069】すなわち、放置暖機用目標回転数テーブル
TBLFBNE1は、エンジン極低温時のエンジン暖機性を
確保すると共に、エンジン1の暖機を促進して早期に暖
房性能を確保するアイドル回転数の最適値を、エンジン
1の暖機状態を表すエンジン冷却水温度TWに対応して
予め実験等により求め、この値を放置暖機用目標回転数
FBNE1として、冷却水温度TWをパラメータとする
テーブルとして設定し、ROM42の一連のアドレスに
メモリされているものであり、図12、図13に示すよ
うに、上記エアコンOFF時走行暖機用目標回転数FB
NE2ACOFF及びエアコンON時走行暖機用目標回転数
FBNE2ACONに対し、暖機途上において高い目標回転
数値が格納されている。
【0070】次いで、ステップS44へ進み、上記目標回
転数初期設定値RPMSETINIと上記ステップS43で設
定した放置暖機用目標回転数FBNE1とを比較し、R
PMSETINI<FBNE1のときには、ステップS45
で、目標回転数RPMSETを上記目標回転数初期設定
値RPMSETINIにより設定し(RPMSET←RP
MSETINI)、また、RPMSETINI≧FBNE1の
ときには、ステップS46へ進んで、目標回転数RPMS
ETを上記放置暖機用目標回転数FBNE1により設定
し(RPMSET←FBNE1)、暖機目標アイドル回
転数算出サブルーチンを終了して、アイドル回転数制御
ルーチンのステップS19へ進む。
【0071】すなわち、エンジン始動後、1度も車両走
行状態が検出されておらず、エンジン始動後の経過時間
が設定値STCTによる設定時間(本形態においては、
30sec)を経過した後であって、ヒータブロワスイッ
チ32のONによる暖房選択時には、目標回転数RPM
SETが、エンジン始動時の冷却水温度TWに基づいて
設定された上記エアコンOFF時走行暖機用目標回転数
FBNE2ACOFF、或いはエアコンON時走行暖機用目
標回転数FBNE2ACONによる目標回転数初期設定値R
PMSETINIによって設定される(例えば、図13の
点A)。そして、これと同時に放置暖機用目標回転数F
BNE1も演算し、目標回転数初期設定値RPMSET
INIに対し放置暖機用目標回転数FBNE1が等しくな
った時点で(図13の点B)、以後、放置暖機用目標回
転数RPMSET1により目標回転数RPMSETを設
定する。
【0072】従って、ヒータブロワスイッチ32のON
による暖房選択時には、ヒータブロワスイッチ32がO
FFで暖房を必要としないアイドル時に対し、相対的に
目標回転数RPMSETが高く設定され、後述するアイ
ドル回転数制御フィードバック補正サブルーチンによっ
てアイドル時のエンジン回転数(アイドル回転数)がこ
の目標回転数RPMSETに収束するようISC弁10
に対する駆動信号のデューティ比DUTYが設定されて
ISC弁10の弁開度が制御され、アイドル回転数の上
昇によりエンジン暖機がより促進される。その結果、エ
ンジン冷却水温度TWが早期に上昇し、従って、暖房性
能が早期に確保される。
【0073】一方、上記ステップS32においてVSP≧
KSPDFBで車輌走行状態と判断されるときには、ステッ
プS47へ進み、車輌走行状態の検出により上記車速条件
フラグFSPDFBをセットする(FSPDFB←1)。
【0074】そして、上記ステップS31においてFSPDFB
=1でエンジン始動後1度でも車輌走行状態が検出され
ているとき、或いは、上記ステップS47において車速条
件フラグFSPDFBをセットした後、或いは、エンジン始
動後1度も車輌走行状態を検出していないときであって
も上記ステップS42においてヒータブロワスイッチ32
がOFFの時には、ステップS48へ進み、ステップS48以
降の処理によって、エアコンスイッチ31のON,OF
Fに応じてエアコンOFF時走行暖機用目標回転数テー
ブルTBLFBNE2ACOFFとエアコンON時走行暖機用目標
回転数テーブルTBLFBNE2ACONの一方を選択し、この
目標回転数テーブルを現在の冷却水温度TWをパラメー
タとして検索し目標回転数RPMSETを設定する。
【0075】すなわち、ステップS48で、エアコンスイ
ッチ31の操作状態を判断し、エアコンスイッチ31が
OFFでエアコンの非作動時には、ステップS49へ進ん
で、冷却水温センサ25による現在の冷却水温度TWを
読み出し、この冷却水温度TWに基づいて上記エアコン
OFF時走行暖機用目標回転数テーブルTBLFBNE2ACO
FFを検索し、補間計算によりエアコンOFF時走行暖機
用目標回転数FBNE2ACOFFを設定し、ステップS50
で、上記ステップS49によるエアコンOFF時走行暖機
用目標回転数FBNE2ACOFFによって目標回転数RP
MSETを設定する(RPMSET←FBNE2ACOF
F)。
【0076】また、上記ステップS48において、エアコ
ンスイッチ31がONのエアコン作動時には、ステップ
S51へ進み、現在の冷却水温度TWに基づいてエアコンO
N時走行暖機用目標回転数テーブルTBLFBNE2ACONを
検索し、補間計算によりエアコンON時走行暖機用目標
回転数FBNE2ACONを設定し、続くステップS52で、
上記ステップS51によるエアコンON時走行暖機用目標
回転数FBNE2ACONによって目標回転数RPMSET
を設定し(RPMSET←FBNE2ACON)、目標アイ
ドル回転数算出サブルーチンを終了して、アイドル回転
数制御ルーチンのステップS19へ進む。
【0077】従って、このときには、上記放置暖機用目
標回転数FBNE1よりも暖機途上の値が低いエアコン
OFF時走行暖機用目標回転数FBNE2ACOFF及びエ
アコンON時走行暖機用目標回転数FBNE2ACONの何
れかが選択され、暖機途上におけるアイドル回転数を低
く制御して静粛性を向上し、エンジン暖機特性と静粛性
とが両立される。
【0078】また、エアコンスイッチ31のON時に
は、エアコンコンプレッサの駆動に伴うエンジン負荷の
増加に対応して、エアコンON時走行暖機用目標回転数
FBNE2ACONによってアイドルアップが行われ、エア
コン作動によるエンジン負荷の増加が補償される。
【0079】以上の目標回転数RPMSETの設定によ
り目標アイドル回転数算出サブルーチンを終了すると、
アイドル回転数制御ルーチンのステップS19へ進み(図
3参照)、アイドル判定を行う。
【0080】すなわち、ステップS19ではアイドルスイ
ッチ21bの作動状態を判断し、アイドルスイッチ21
bがOFF(スロットル弁5aが開弁状態)の非アイド
ル時には、そのままルーチンを抜ける。従って、非アイ
ドル時には、ISC弁10の弁開度がそのまま保持され
る。
【0081】一方、アイドルスイッチ21bがON(ス
ロットル弁全閉)のアイドル時には、ステップS20へ進
み、図6に示すアイドル回転数制御フィードバック補正
サブルーチンを実行し、現在のエンジン回転数NEから
上記目標回転数RPMSETを減算して算出した差回転
DELTANに基づいてフィードバック補正量DFBを設
定し、このフィードバック補正量DFBにより前回設定し
たデューティ比DUTYを補正してISC弁10に対す
る駆動信号のデューティ比DUTYを設定し、アイドル
時のエンジン回転数NEすなわちアイドル回転数が目標
回転数RPMSETに収束するようフィードバック制御
する。
【0082】次に、このアイドル回転数制御フィードバ
ック補正サブルーチンについて説明すると、ステップS6
1では、現在のエンジン回転数NEを読み出して、この現
在のエンジン回転数NEから上記目標アイドル回転数算
出サブルーチンにおいて設定された目標回転数RPMS
ETを減算して差回転DELTANを算出し(DELT
AN←NE−RPMSET)、ステップS62で、この差回
転DELTANと現在のエンジン回転数NEとに基づい
てテーブル参照によりフィードバック補正量DFBを設定
する。
【0083】このフィードバック補正量DFBは、アイド
ル時のエンジン回転数NEを目標回転数RPMSETへ
フィードバック制御する際のデューティ比DUTYの補
正値[%]であり、予め実験等によってアイドル時のエ
ンジン回転数NE及び上記差回転DELTANによる領
域毎にフィードバック補正量DFBの最適値を求め、この
フィードバック補正量DFBを、エンジン回転数NE及び
差回転DELTANをパラメータとするテーブルとして
設定し、ROM42の一連のアドレスにメモリされてい
るものである。このテーブルの一例をステップS62中に
示す。
【0084】ステップS62中に示すように、上記テーブ
ルには、差回転DELTANが負の値のとき、すなわ
ち、現在のエンジン回転数NEが目標回転数RPMSE
Tよりも低いときには、差回転の絶対値が大きく且つエ
ンジン回転数NEが高い程、デューティ比DUTYをよ
り増加補正してISC弁10の弁開度を増量補正し、バ
イパス空気量の増大によってエンジン1の吸入空気量を
増加してエンジン回転数NEを高めるべく大きい値のフ
ィードバック補正量DFBが格納されており、また、差回
転DELTANが正の値のとき、すなわち、現在のエン
ジン回転数NEが目標回転数RPMSETよりも高いと
きには、差回転DELTANが大きく且つエンジン回転
数NEが高い程、デューティ比DUTYをより減少補正
してISC弁10の弁開度を減量補正することで、バイ
パス空気量の減少により吸入空気量を減少しエンジン回
転数NEを低下させるべく、よりマイナス側のフィード
バック補正量DFBが格納されている。
【0085】そして、上記ステップS62からステップS63
へ進み、前回ルーチン実行時に設定したデューティ比D
UTYに、上記ステップS62で設定したフィードバック
補正量DFBを加算して今回のデューティ比DUTYを設
定し(DUTY←DUTY+DFB)、続くステップS64
で、このデューティ比DUTYを制御下限を定める下限
値DUTYMIN(例えば、15%)と比較し、DUTY
<DUTYMINのときには、ステップS65で、今回のデュ
ーティ比DUTYを下限値DUTYMINによって再設定
し(DUTY←DUTYMIN)、また、DUTY≧DU
TYMINのときには、ステップS66へ進んで、今回のデュ
ーティ比DUTYを制御上限を定める上限値DUTYMA
X(例えば、100%)と比較する。そして、DUTY
>DUTYMAXのときには、ステップS67で、今回のデュ
ーティ比DUTYを上記上限値DUTYMAXによって再
設定し(DUTY←DUTYMAX)、また、DUTY≦
DUTYMAXすなわちDUTYMIN≦DUTY≦DUTY
MAXで、上記ステップS63で設定した今回のデューティ比
DUTYが制御可能領域にあるときには、そのままルー
チンを抜ける。
【0086】以上のデューティ比DUTYの設定により
アイドル回転数制御フィードバック補正サブルーチンを
終了すると、アイドル回転数制御ルーチン(図3参照)
のステップS16へ進み、上記アイドル回転数制御フィー
ドバック補正サブルーチンにおいて設定した今回のデュ
ーティ比DUTYをセットして、ルーチンを抜ける。そ
の結果、上記デューティ比DUTYの駆動信号がECU
40からISC弁10に出力されて、アイドル時のエン
ジン回転数NEが上記目標回転数PRMSETに収束す
るようフィードバック制御される。
【0087】以上のアイドル回転数制御によるアイドル
回転数の挙動例を図13に基づいて説明する。
【0088】例えば、図13におけるA点、すなわち、
寒冷地使用等の外気温低温時でエンジン冷却水温度TWN
の低温状態(図においては、−12°C)でエンジンを
始動すると、エンジン始動時には各フラグがクリア状態
であり、先ず、始動時特性値DUTYSTRによって設定
されたデューティ比DUTYの駆動信号がISC弁10
に出力され(ステップS13〜S16)、エンジン運転に備
え、ISC弁10の弁開度がエンジン冷却水温度TWに
応じ適正値に保持されてエンジン始動性が確保される。
【0089】そして、始動終了後、エアコンスイッチ3
1のON、OFFに応じてエアコンON時走行暖機用目
標回転数FBNE2ACONとエアコンOFF時走行暖機用
目標回転数FBNE2ACOFFの何れかによって目標回転
数RPMSETが初期設定され、車輌走行状態が検出さ
れていない状況下において、エンジン始動後の経過時間
が設定値STCTによる設定時間(30sec)に達する
までの間(ステップS33)、目標回転数RPMSETが
初期値RPMSETINIに保持され、エンジン始動直後
におけるアイドル回転数の制御性の安定化が図られる
(ステップS34〜S41)。このときは、冷却水温度TWの
低温域のため比較的高い値で目標回転数RPMSETが
設定されて、アイドル時においてフィードバック制御に
よりエンジン回転数NEすなわちアイドル回転数が高く
制御され、エンジン暖機促進が向上される。尚、本実施
の形態においては、エンジン冷却水温度TWが約55°
Cに達するまでは、エアコンON時走行暖機用目標回転
数FBNE2ACONとエアコンOFF時走行暖機用目標回
転数FBNE2ACOFFとは同一値に設定されている(図
12,図13参照)。
【0090】そして、エンジン始動後1度も車輌走行状
態が検出されておらず、エンジン始動後の経過時間が設
定時間(30sec)に達した後は、ヒータブロワスイッ
チ32の作動状態を判断し、ヒータブロワスイッチ32
がONで暖房が選択されている時には(ステップS4
2)、冷却水温度の上昇すなわちエンジン暖機の促進を
目的とする放置暖機用目標回転数RPMSET1をエン
ジン冷却水温度TWに基づいて設定し、上記初期値RP
MSETINIに対し放置暖機用目標回転数FBNE1が
等しくなった時点で(図13の点B)、以後、放置暖機
用目標回転数RPMSET1により目標回転数RPMS
ETを設定する(ステップS43〜S46)。従って、初期値
RPMSETINIが放置暖機用目標回転数FBNE1に
等しくなるまでは、エンジン冷却水温度TWの変化に拘
わらず、目標回転数RPMSETが上記初期値RPMS
ETINIによって高い値に保持され、その後、目標回転
数RPMSETが暖機途上の値が高い放置暖機用目標回
転数FBNE1により設定されることで、相対的に目標
回転数が高く設定され、フィードバック制御によりアイ
ドル回転数が高く維持されて、エンジン暖機が促進され
エンジン冷却水温度TWが早期に上昇し、暖房性能が早
期に確保される。
【0091】一方、ヒータブロワスイッチ32のOFF
時、或いは、エンジン始動後1度でも車輌走行状態が検
出された後は、エアコンスイッチ31のON,OFFに
応じ、静粛性、燃費を重視した暖機途上の値が低い走行
暖機用目標回転数FBNE2ACON,FBNE2ACOFFに
より目標回転数RPMSETが設定され(ステップS48
〜S52)、フィードバック制御により走行暖機用目標回
転数RPMST2による目標回転数RPMSETに収束
するようアイドル回転数が低く制御されて、これによっ
て静粛性、燃費が向上する。そして、エンジン冷却水温
度TWNの上昇に応じて、走行暖機用目標回転数FBNE
2ACON,FBNE2ACOFFにより目標回転数RPMSE
Tが漸次減少設定され、フィードバック制御によりこれ
に対応してアイドル回転数も低下する。
【0092】また、冷却水温度TWが上昇したエンジン
暖機完了状態(TW>55°C)においては、エアコン
スイッチ31のONによるエアコン作動時、図13に破
線で示すように、上記エアコンON時走行暖機用目標回
転数FBNE2ACONにより目標回転数が設定されること
で、アイドルアップが行われ、エアコン作動によるエン
ジン負荷の増加が補償される。
【0093】従って、エンジン冷却水温度TWが同一の
状況下においても、ヒータブロワスイッチ32のON,
OFFによる暖房の選択或いは非選択により目標回転数
RPMSETが相違し、また、エンジン始動後における
車輌走行の有無により、更に、エアコンスイッチ31の
ON,OFFによるエアコン作動,非作動により目標回
転数RPMSETが相違する。
【0094】このため、アイドル時において、エンジン
冷却水温度TWに基づいて基本点火時期に対する進角補
正量を設定したとしても、そのときの目標回転数RPM
SETに対応するアイドル回転数、及びエンジンフリク
ションに適合する点火時期を得ることはできない。
【0095】従って、点火時期制御においては、図7に
示す点火時期設定ルーチンにより、アイドル時に、アイ
ドル回転数制御における上記目標回転数RPMSET、
或いはISC弁10に対する制御量としてのデューティ
比DUTYに基づいて補正進角値ADVKを設定し、こ
の補正進角値ADVKによってアイドル時の基本点火時
期を定めるアイドル時基本進角値ADVBASEIDLを補正
して点火時期を設定することで、そのときの目標回転数
RPMSETに対応するアイドル回転数、及びエンジン
フリクションに適合する最適点火時期を得る。
【0096】次に、図7に示す点火時期設定ルーチンに
ついて説明する。
【0097】この点火時期設定ルーチンは、システムイ
ニシャライズ後、所定周期毎に実行され、先ず、ステッ
プS71で、上記始動時判別フラグFSTRを参照する。そし
て、FSTR=1でスタータスイッチ30のONによるエ
ンジン始動時、或いはエンスト時には、ステップS72へ
進み、点火コイル18に対する通電遮断タイミング、す
なわち点火タイミングTADVを設定する。
【0098】本実施の形態では、時間制御方式によって
点火時期を制御する。すなわち、点火コイル18に対す
る通電開始タイミング(ドエルセット)TDWL、及び通
電遮断タイミング(点火タイミング;ドエルカット)を
θ1クランクパルス入力を基準とした時間により設定す
る。ここで、始動時においては、図11に示すように、
θ1クランクパルス入力、すなわち各気筒毎BTDC1
0°CAに同期して点火を行うため、このときには上記
点火タイミングTADVを直接用いる必要はないが、θ1
クランクパルス入力後、何msec後にドエルセットを行う
かを定める通電開始タイミングTDWLを算出する際に点
火タイミングTADVが必要となる。このため、始動時に
おいてもステップS72で点火タイミングTADVを設定す
る。
【0099】すなわち、始動時においては、θ1クラン
クパルス入力後の次回の点火タイミングTADVは、前記
θ1クランクパルス入力間隔時間Tθ11によって与えら
れる。従って、ステップS72では、最新のθ1クランク
パルス入力間隔時間Tθ11を読み出し、このθ1クラン
クパルス入力間隔時間Tθ11により点火タイミングTAD
Vを設定する。
【0100】そして、ステップS73で、バッテリ電圧VB
に基づきテーブルを補間計算付きで参照して点火コイル
18に対する通電時間(ドエル時間)DWLを設定す
る。この通電時間DWLは、バッテリ電圧VBに依存す
るコイル一次電流の最適通電時間を定めるもので、ステ
ップS73中に、このテーブルの一例を示す。すなわち、
バッテリ電圧VBの低下時には、通電時間DWLを長く
して点火エネルギーを確保し、バッテリ電圧VBの上昇
時には、通電時間DWLを短くしてエネルギーロスや点
火コイル18の発熱を防止する。
【0101】次いでステップS74へ進み、上記点火タイ
ミングTADVから通電時間DWLを減算してθ1クラン
クパルスを基準とする通電開始タイミングTDWLを設定
し(TDWL←TADV−DWL)、ステップS75で、この通
電開始タイミングTDWLを通電開始タイミングタイマに
セットしてルーチンを抜ける。
【0102】尚、始動時においては、後述するθ1クラ
ンクパルス割り込みルーチンによって、図11(a)に
示すように、θ1クランクパルス入力に同期して、ドエ
ルカットを行い、イグナイタ19を介し点火コイル18
に対する通電が遮断されると共に、上記通電開始タイミ
ングタイマがスタートされ、通電開始タイミングTDWL
に達した時点でドエルセットを行い、点火コイル18に
対する通電が開始される。そして、θ1クランクパルス
入力すなわちBTDC10°CAに同期して、ドエルカ
ットにより点火コイル18の二次側に誘起された高電圧
がディストリビュータ17を介し点火対象気筒の点火プ
ラグ16に配電され、該当気筒の点火プラグ16が点火
される。
【0103】一方、上記ステップS71においてFSTR=0
のエンジン始動後は、ステップS76へ進み、アイドルス
イッチ21bの作動状態に基づいてアイドル時か非アイ
ドル時かを判断する。
【0104】そして、アイドルスイッチ21bがON
(スロットル弁5aが全閉)のアイドル時には、ステッ
プS77へ進み、上記目標アイドル回転数算出サブルーチ
ンにより設定されたアイドル回転数制御による現在の目
標回転数RPMSETを読み出し、この目標回転数RP
MSETに基づいてROM42に格納されている補正進
角値テーブルを補間計算付きで参照して補正進角値AD
VK[単位;°CA]を設定する。
【0105】上記補正進角値テーブルは、アイドル時に
おいて上記目標回転数RPMSETによる領域毎に、該
目標回転数RPMSETに対応するアイドル回転数、及
びエンジンフリクションに適合する最適点火時期を、予
め実験やシミュレーション等により求め、この最適点火
時期を、アイドル時の基本点火時期すなわちアイドル時
基本進角値ADVBASEIDL(本実施の形態においては、
ADVBASEIDL=BTDC10°CA)に対する進角補
正量を定める補正進角値ADVKとして、上記目標回転
数RPMSETをパラメータとするテーブルとして設定
し、ROM42の一連のアドレスにストアされているも
のであり、この補正進角値テーブルの一例を図14に示
す。
【0106】同図に示すように上記補正進角値テーブル
には、目標回転数RPMSETが高いほど、アイドル時
の基本点火時期に対する進角補正量を増加すべく大きい
値の補正進角値ADVKが格納されている。
【0107】次いで、ステップS78で、ROM42の所
定アドレスに固定データとしてメモリされているアイド
ル時の基本点火時期として基本進角値を定めるアイドル
時基本進角値ADVBASEIDLを読み出して、このアイド
ル時基本進角値ADVBASEIDLに上記補正進角値ADVK
を加算して進角補正し、点火時期を定める制御進角AD
Vを設定して(ADV←ADVBASEIDL+ADVK)、ス
テップS79へ進む。
【0108】従って、アイドル時には、アイドル回転数
制御における目標回転数RPMSETが高いほど、補正
進角値ADVKによりアイドル時基本進角値ADVBASEI
DLに対する進角補正量が増加される。
【0109】すなわち、アイドル回転数の上昇に伴いエ
ンジンの要求点火時期が変わることや、エンジン温度が
低いほど増大するエンジンフリクションに打ち勝つエン
ジン出力を得るためには、点火時期を進角する必要があ
り、これに対応して本実施の形態では、アイドル時にお
いて目標回転数RPMSETが高く、すなわち要求アイ
ドル回転数が高く、エンジンフリクションが大きい程、
補正進角値ADVKによりアイドル時基本進角値ADVB
ASEIDLに対する進角補正量が増加される。
【0110】また、目標回転数RPMSETの低下に伴
い、アイドル回転数が低く、エンジンフリクションが小
さいときには、これに対応して補正進角値ADVKが減
少設定されて、この補正進角値ADVKによるアイドル
時基本進角値ADVBASEIDLに対する進角補正量が減少
され、過進角が防止される。その結果、このときには、
過進角によるエンジントルクの減少に起因する必要以上
のアイドル回転数の低下、エンジンストール等が防止さ
れる。
【0111】尚、本実施の形態においては、アイドル回
転数制御における目標回転数RPMSETに基づいて、
アイドル時の基本点火時期を補正するための補正進角値
ADVKを設定しているが、目標回転数RPMSETに
代えて、ISC弁10に対する制御量としてのデューテ
ィ比DUTYに基づいて上記補正進角値ADVKを設定
してもよい。
【0112】ここで、上記ISC弁10に対するデュー
ティ比DUTYは、目標回転数RPMSETとアイドル
回転数との比較結果に応じてフィードバック制御により
設定されるため、目標回転数RPMSETと略比例関係
にある。従って、上記デューティ比DUTYに基づいて
上記補正進角値ADVKを設定しても、同様の作用効果
を得ることができる。
【0113】この場合、上記ステップS77において、I
SC弁10に対する現在のデューティ比DUTYを読み
出して、該デューティ比DUTYに基づいてROM42
に格納されている補正進角値テーブルを補間計算付きで
参照して上記補正進角値ADVKを設定する。
【0114】このとき採用される補正進角値テーブル
は、アイドル時において上記ISC弁10に対するデュ
ーティ比DUTYによる領域毎に、該デューティ比DU
TYに対応するアイドル回転数、及びエンジンフリクシ
ョンに適合する最適点火時期を、予め実験やシミュレー
ション等により求め、この最適点火時期を、アイドル時
基本進角値ADVBASEIDLに対する進角補正量を定める
補正進角値ADVKとして、上記デューティ比DUTY
をパラメータとするテーブルとして設定し、ROM42
の一連のアドレスにストアしておくものであり、この補
正進角値テーブルの一例を図15に示す。同図に示すよ
うに、この場合の補正進角値テーブルには、ISC弁1
0に対するデューティ比DUTYが高いほど、アイドル
時の基本点火時期に対する進角補正量を増加すべく大き
い値の補正進角値ADVKが格納される。
【0115】次いで、ステップS79へ進み、上記制御進
角ADVに基づいて、θ1クランクパルス入力を基準と
した点火コイル18に対する通電遮断タイミング、すな
わち点火タイミングTADVを設定する。本実施の形態に
おける点火時期制御においては、上述のように時間制御
方式を採用しており、この点火タイミングTADVをθ1
クランクパルス入力後の時間により設定する。
【0116】すなわち、上記制御進角ADVは角度デー
タ(BTDC°CA)のため、θ1クランクパルスが入
力してから点火するまでの時間に換算する必要があり、
図11(b)に示すように、θ1クランクパルス入力間
隔時間をTθ11、θ1クランクパルス間の角度(180
°CA)をθ11とすると、本実施の形態では、θ1クラ
ンクパルス入力を基準として点火タイミングTADVを、
次式により設定する。
【0117】 TADV←(Tθ11/θ11)×(θ11−ADV) そして、ステップS80で、上記点火タイミングTADVを点
火時期タイマにセットして、上記ステップS73へ進み、
上記ステップS73〜S75で、バッテリ電圧VBに基づいて
テーブル参照により通電時間DWLを設定し、上記点火
タイミングTADVから通電時間DWLを減算して設定し
た通電開始タイミングTDWLを通電開始タイミングタイ
マにセットして、ルーチンを抜ける。
【0118】一方、上記ステップS76においてアイドル
スイッチ21bがOFFの非アイドル時には、ステップ
S81へ進み、吸気管圧力センサ23によるスロットル弁
下流の現在の吸気管圧力PMと上記エンジン回転数算出
ルーチンによる現在のエンジン回転数NEとを読み出
し、この吸気管圧力PMとエンジン回転数NEとに基づい
てROM42に格納されている基本進角値テーブルを補
間計算付きで参照し、基本点火時期としての基本進角値
ADVBASEを設定する。
【0119】上記基本進角値テーブルは、エンジン負荷
を表すスロットル弁5a下流の吸気管圧力PMとエンジ
ン回転数NEとによるエンジン運転領域毎に最適点火時
期を予め実験或いはシミュレーション等により求め、こ
の最適点火時期をBTDC何°CAにおいて点火するの
かを定める基本進角値ADVBASEとして、吸気管圧力P
M及びエンジン回転数NEをパラメータとするテーブルと
して設定し、ROM42の一連のアドレスにストアされ
ているものである。
【0120】次いでステップS82で、ノックセンサ24
により検出されるノックの有無に応じて運転領域毎に遅
角或いは進角量が学習される点火時期学習補正値ADV
KRを、吸気管圧力PMとエンジン回転数NEとに基づいて
バックアップRAM44にストアされている点火時期学
習補正値テーブルを補間計算付きで参照して設定する。
【0121】続くステップS83では、現在のエンジン冷
却水温度TWに基づいてテーブル参照により水温補正進
角ADVTWを設定する。
【0122】この水温補正進角ADVTWは、エンジン冷
却水温度TWすなわちエンジン温度に応じ、低温時に点
火時期を進角させることで、運転性を向上するためのも
ので、ステップS83中に示すように、上記テーブルに
は、エンジン冷却水温度TWの低温時には、進角量の大
きい水温補正進角ADVTWがストアされており、エンジ
ン冷却水温度TWの上昇に応じ水温補正進角ADVTWが
減少され、エンジン暖機完了状態で水温補正進角ADV
TWがゼロ(ADVTW=0)となり、水温補正進角ADV
TWによる進角補正無しの状態となる。
【0123】そして、ステップS84へ進み、上記基本進
角遅ADVBASEに上記点火時期学習補正値ADVKRを加
算して学習補正すると共に、上記水温補正進角ADVTW
を加算して水温補正し、点火時期を定める制御進角を設
定して(ADV←ADVBASE+ADVKR+ADVTW)、
上記ステップS79へ進む。そして、上記ステップS79,S8
0で、この角度データによる制御進角ADVをθ1クラ
ンクパルス入力を基準とした点火タイミングTADVに時
間換算して、この点火タイミングTADVを点火時期タイ
マにセットし、更に、上記ステップS73〜S75で、バッテ
リ電圧VBに基づいてテーブル参照により通電時間DW
Lを設定し、上記点火タイミングTADVから通電時間D
WLを減算して設定した通電開始タイミングTDWLを通
電開始タイミングタイマにセットして、ルーチンを抜け
る。
【0124】以上の結果、θ1クランクパルス入力に同
期して起動する図8のθ1クランクパルス割り込みルー
チンにより上記各タイマがスタートされ、点火が行われ
る。
【0125】このθ1クランクパルス割り込みルーチン
について説明すると、θ1クランクパルス入力に同期し
てルーチンが起動し、先ず、ステップS91で、上記始動
時判別フラグFSTRを参照する。そして、FSTR=1でス
タータスイッチ30のONによるエンジン始動時には、
ステップS92へ進み、ECU40からイグナイタ19へ
の通電信号がOFFされ(図11(a)参照)、イグナ
イタ19により点火コイル18に対する通電が遮断され
る(ドエルカット)。その結果、点火コイル18に誘起
された高圧の二次電圧がデイストリビュータ17を介し
て、点火対象気筒の点火プラグ16に配電され、θ1ク
ランクパルス入力に同期して点火対象気筒の点火プラグ
16の放電電極が放電してスパークし、燃焼室内の混合
気が着火燃焼される。
【0126】次いでステップS93で、通電開始タイミン
グタイマをスタートして、ルーチンを抜ける。
【0127】そして、通電開始タイミングタイマの計時
により通電開始タイミングTDWLに達すると、図9に示
すルーチンが割り込み起動し、ステップS101で、ドエル
セットによりECU40からイグナイタ19へ通電信号
が出力され(図11(a)参照)、点火コイル18に対
する通電(ドエル)が開始される。
【0128】すなわち、スタータスイッチ30のONに
よるクランキング時或いは極低回転時には、エンジン回
転が不安定であり、時間制御により点火時期すなわち点
火タイミングTADVを設定すると、適切な点火時期を得
ることができず、点火時期のばらつきを生じ燃焼性の悪
化を招く。このため始動時においては、図11(a)に
示すように、一義的にθ1クランクパルス入力(BTD
C10°CA)に同期してドエルカットにより点火させ
ることで、点火時期のばらつきを防ぎ燃焼性の悪化を防
止する。
【0129】尚、エンスト時には、クランクシャフトが
回転せず、従ってθ1クランクパルスが入力しないた
め、本ルーチンは実行されない。
【0130】一方、上記ステップS91においてFSTR=0
のエンジン始動後は、ステップS94へ進み、上記点火時
期タイマをスタートすると共に、ステップS93で、通電
開始タイミングタイマをスタートして、ルーチンを抜け
る。
【0131】そして、エンジン始動後においては、上記
通電開始タイミングタイマの計時により通電開始タイミ
ングTDWLに達すると、図9に示すルーチンが割り込み
起動し、ステップS101で、ドエルセットによりECU4
0からイグナイタ19へ通電信号が出力され(図11
(b)参照)、点火コイル18に対する通電が開始され
る。
【0132】その後、上記点火時期タイマの計時により
点火タイミングTADVに達すると、図10に示すルーチ
ンが割り込み起動し、ステップS111で、ドエルがカット
されて、点火コイル18に高圧の二次電圧が誘起され、
この二次電圧がデイストリビュータ17を介して点火対
象気筒の点火プラグ16に配電され、点火対象気筒の点
火プラグ16がスパークし、燃焼室内の混合気が着火燃
焼される。
【0133】ここで、本実施の形態では、エンジン冷却
水温度TWを用いずに、アイドル回転数制御において最
終パラメータとなる目標回転数RPMSET、或いは該
目標回転数RPMSETに対応するISC弁10に対す
るデューティ比DUTYに基づいて補正進角値ADVK
を設定し、該補正進角値ADVKによりアイドル時の基
本点火時期を定めるアイドル時基本進角値ADVBASEID
Lを補正して点火時期を設定するので、アイドル時にお
いて、その目標回転数RPMSETに対応するアイドル
回転数を得るに適正な補正進角値ADVKを設定するこ
とができ、単一の目標回転数テーブルを備えたアイドル
回転数制御を採用する場合は勿論のこと、特性の異なる
複数の目標回転数テーブルを備えたアイドル回転数制御
を採用する場合であっても、そのときの目標回転数RP
MSETに対応するアイドル回転数、及びエンジンフリ
クションに適合する点火時期を得ることが可能となる。
【0134】また、アイドル回転数の上昇に伴いエンジ
ンの要求点火時期が変わることや、エンジン温度が低い
ほど増大するエンジンフリクションに打ち勝つエンジン
出力を得るためには、点火時期を進角する必要がある。
これに対応して本実施の形態では、アイドル時には、ア
イドル回転数制御における目標回転数RPMSET、或
いは、ISC弁10に対する制御量としてのデューティ
比DUTYが高いほど、補正進角値ADVKによりアイ
ドル時基本進角値ADVBASEIDLに対する進角補正量が
増加されるので、アイドル時において目標回転数RPM
SETが高く、すなわち、この目標回転数RPMSET
に対応してフィードバック制御されるアイドル回転数が
高く、エンジンフリクションが大きい程、補正進角値A
DVKによりアイドル時基本進角値ADVBASEIDLに対す
る進角補正量が増加され、同一冷却水温度TWの状況下
においてアイドル回転数制御における目標回転数RPM
SETが異なっても、アイドル時において常に最適な点
火時期を得ることができる。
【0135】さらに、目標回転数RPMSETの低下に
伴い、アイドル回転数が低く、エンジンフリクションが
小さいときには、これに対応して補正進角値ADVKが
減少設定されて、この補正進角値ADVKによるアイド
ル時基本進角値ADVBASEIDLに対する進角補正量が減
少され、過進角が防止されるため、過進角によるエンジ
ントルクの減少に起因する必要以上のアイドル回転数の
低下、エンジンストール等を有効に防止することが可能
となる。
【0136】尚、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、Lジェトロニック方式のエンジンにも適用可能であ
り、また、単一の目標回転数テーブルによってアイドル
回転数制御を行うものにおいても適用することができ
る。また、目標回転数テーブルは、本実施の形態による
テーブルに限定されず、適宜、各種目的に応じて目標回
転数テーブルを複数備えたものであってもよい。すなわ
ち、目標回転数とアイドル回転数との比較結果に応じア
イドル回転数制御弁を制御するものであれば、本発明を
適用し得る。
【0137】更に、本実施の形態では、駆動信号のデュ
ーティ比DUTYが高いほど弁開度を増加するISC弁
を用いているが、逆に、デューティ比DUTYが高いほ
ど、ISC弁の弁開度を減少するものであってもよく、
この場合には、デューティ比DUTYが減少するほど、
上記補正進角値ADVKを増加するようにする。すなわ
ち、本発明は上記実施の形態に限定されず、ISC弁に
対する制御量が該ISC弁の弁開度を増加させる値であ
るほど、補正進角値ADVKにより基本点火時期に対す
る進角補正量を増加するものであれば、本発明は適用さ
れ得る。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、アイドル時に、アイドル回転数制御における
目標回転数、或いはアイドル回転数制御弁に対する制御
量に基づいて基本点火時期を補正するための補正進角値
を設定するので、アイドル時において、常に、その目標
回転数に対応するアイドル回転数を得るに適正な補正進
角値を設定することができる。そして、アイドル時に
は、アイドル回転数制御において最終パラメータとなる
目標回転数、或いはアイドル回転数制御弁に対する制御
量に基づいて設定した補正進角値により基本点火時期を
補正し点火時期を設定するので、単一の目標回転数テー
ブルを備えたアイドル回転数制御を採用する場合は勿論
のこと、特性の異なる複数の目標回転数テーブルを備え
たアイドル回転数制御を採用する場合であっても、常
に、そのときの目標回転数に対応するアイドル回転数、
及びエンジンフリクションに適合する点火時期を得るこ
とができる。
【0139】その際、請求項2或いは請求項3記載の発
明によれば、上記目標回転数が高いほど、或いは、アイ
ドル回転数制御弁に対する制御量が該アイドル回転数制
御弁の弁開度を増加させる値であるほど、補正進角値に
より基本点火時期に対する進角補正量を増加するので、
上記請求項1記載の発明の効果に加え、アイドル回転数
の上昇に伴いエンジンの要求点火時期が変化しても、こ
れに対応する点火時期を得ることができ、また、エンジ
ン温度が低いほど増大するエンジンフリクションに打ち
勝つエンジン出力を得るに適正な点火時期を得ることが
できる。また、目標回転数の低下に伴い、アイドル回転
数が低く、エンジンフリクションが小さいときには、こ
れに対応して補正進角値が減少設定されて、この補正進
角値による基本点火時期に対する進角補正量が減少さ
れ、過進角が防止されるので、過進角によるエンジント
ルクの減少に起因するアイドル回転数の必要以上の低
下、エンジンストール等を有効に防止することができる
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図
【図2】エンジン回転数算出ルーチンのフローチャート
【図3】アイドル回転数制御ルーチンのフローチャート
【図4】目標アイドル回転数算出サブルーチンのフロー
チャート
【図5】目標アイドル回転数算出サブルーチンのフロー
チャート(続き)
【図6】アイドル回転数制御フィードバック補正サブル
ーチンのフローチャート
【図7】点火時期設定ルーチンのフローチャート
【図8】θ1クランクパルス割り込みルーチンのフロー
チャート
【図9】TDWL割り込みルーチンのフローチャート
【図10】TADV割り込みルーチンのフローチャート
【図11】クランク角センサ出力パルス、始動時におけ
る点火信号、及び通常時における点火信号の関係を示す
タイムチャート
【図12】各目標回転数テーブルの説明図
【図13】各目標回転数の特性図
【図14】補正進角値テーブルの説明図
【図15】他の形態の補正進角値テーブルの説明図
【図16】エンジンの全体概略図
【図17】クランク角センサとシグナルロータの正面図
【図18】電子制御系の回路構成図
【図19】従来例に係り、各目標回転数テーブルの説明
【符号の説明】
1 エンジン 10 ISC弁(アイドル回転数制御弁) 21b アイドルスイッチ 25 冷却水温センサ 28 クランク角センサ 40 電子制御装置(補正進角値設定手段、点火時期設
定手段) TW エンジン冷却水温度 RPMSET 目標回転数 NE エンジン回転数 DUTY デューティ比(アイドル回転数制御弁に対す
る制御量) ADVK 補正進角値 ADVBASEIDL アイドル時基本進角値(アイドル時の
基本点火時期) ADV 制御進角(点火時期)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アイドル時にエンジン状態に基づいて目標
    回転数を設定し、該目標回転数とエンジン回転数との比
    較結果に応じてアイドル回転数制御弁に対する制御量を
    設定しアイドル回転数を制御するエンジンの点火時期制
    御装置において、 アイドル時に、上記目標回転数或いはアイドル回転数制
    御弁に対する制御量に基づいて補正進角値を設定する補
    正進角値設定手段と、 アイドル時には、基本点火時期を上記補正進角値により
    補正して点火時期を設定する点火時期設定手段とを備え
    たことを特徴とするエンジンの点火時期制御装置。
  2. 【請求項2】上記補正進角値設定手段は、上記目標回転
    数が高いほど、上記基本点火時期に対する進角補正量を
    増加する補正進角値を設定することを特徴とする請求項
    1記載のエンジンの点火時期制御装置。
  3. 【請求項3】上記補正進角値設定手段は、上記アイドル
    回転数制御弁に対する制御量が該アイドル回転数制御弁
    の弁開度を増加させる値であるほど、上記基本点火時期
    に対する進角補正量を増加する補正進角値を設定するこ
    とを特徴とする請求項1記載のエンジンの点火時期制御
    装置。
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