JP3323542B2 - 吸気温度予測方法 - Google Patents

吸気温度予測方法

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JP3323542B2 JP21207492A JP21207492A JP3323542B2 JP 3323542 B2 JP3323542 B2 JP 3323542B2 JP 21207492 A JP21207492 A JP 21207492A JP 21207492 A JP21207492 A JP 21207492A JP 3323542 B2 JP3323542 B2 JP 3323542B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用エンジンにおい
て、エンジン運転状態に基づき吸気温度を時々刻々予測
する吸気温度予測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばターボ過給機付エンジンで空冷式
インタークーラを備えたシステムが提案されており、こ
のシステムではターボ過給機による圧縮空気がインター
クーラにより強制的に冷却されて、充填効率を向上する
ことが可能になる。ところで空冷式インタークーラの場
合は、吸気温度が車速に大きく影響される。またインタ
ークーラの能力が、外気温度、インタークーラ自体の経
時変化、ゴミ等の付着により変化し、このため同一の運
転状態、走行状態でも吸気温度が時々刻々変化すること
が予想される。そして吸気温度が上昇すると、燃焼温度
が高くなってノックを生じ易くなり、排気温度も上昇し
て触媒に悪影響を与える。そこでこの種のエンジンで
は、吸気温度を時々刻々検出して、ノックや触媒に対す
る悪影響を防止するように制御することが望まれる。
【0003】ここで吸気温度を検出する方法として、一
般には吸気温度センサを用いて直接吸入空気の吸気温度
を計測することが考えられる。しかしこの吸気温度セン
サは出力信号の時定数が大きくて応答性が悪いため、タ
ーボ過給機付エンジンのように吸気温度が時々刻々変化
するものには不向きである。従って、エンジン運転時の
種々のパラメータを用いて吸気温度を迅速に予測するこ
とが要求される。
【0004】従来、上記吸気温度の予測に関しては、例
えば特開昭63−32145号公報の先行技術がある。
ここでエンジン始動時の水温が外気温度と等しいことか
ら、この水温により基本温度係数を定める。また基本空
気流量に対する負荷係数を定め、これらの両者により吸
気温係数を算出して、空気流量を補正することが示され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先行技
術のものにあっては、エンジン運転時の外気温度と運転
状態により1つの吸気温係数を求め、この吸気温係数に
より一律に補正する方法である。従って、エンジン運転
中の吸気温度を時々刻々予測することはできず、このた
め運転、走行条件が変化する場合の吸気温度に対する種
々の制御を高い精度で行うことができない。
【0006】本発明は、この点に鑑みてなされたもの
で、エンジン運転中の吸気温度を時々刻々予測して、吸
気温度に対する種々の制御を最適に行うことを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、エンジン回転数とスロットル開度とをパ
ラメータとして、単位サイクル当たりの吸入空気体積に
比例して吸気効率を示す吸気効率定数を格納したマップ
と、エンジン回転数とスロットル開度とをパラメータと
して、シリンダに新気が吸入すると共にその一部が排気
系を吹き抜けて更に吹き返しガスが存在する場合に、吸
気温度を補正するための温度補正定数を格納したマップ
とを備え、エンジン回転数とスロットル開度とに基づい
て上記各マップを参照して上記吸気効率定数と上記温度
補正係数とをそれぞれ設定し、吸入空気重量とエンジン
回転数とにより単位サイクル当たりの空気重量を算出
し、吸気管絶対圧力を上記単位サイクル当たりの空気重
量で除算した計算パラメータを、上記吸気効率定数及び
上記温度補正定数により補正することで吸気温度を算出
して予測することを特徴とする。
【0008】
【作用】上記方法により、エンジン運転中にその運転状
態に応じた種々の要素で吸気効率定数と温度補正定数を
設定し、計算パラメータを求め、これらにより気体の状
態方程式に基づいて吸気温度を算出することで、吸気温
度を時々刻々高い精度で予測することが可能になる。そ
してこの予測される吸気温度に対して空燃比や点火時期
を補正することで、未然にノックや触媒に対する悪影響
が防止されるようになる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1において、水平対向式エンジンにシーケンシ
ャルターボ式過給機を装着した場合の全体の構成につい
て説明する。符号1は水平対向式エンジンのエンジン本
体であり、クランクケース2の左右のバンク3,4に、
燃焼室5、吸気ポート6、排気ポート7、点火プラグ
8、動弁機構9等が設けられている。またこのエンジン
短縮形状により左右バンク3,4の直後に、プライマリ
ターボ過給機40とセカンダリターボ過給機50がそれ
ぞれ配設されている。排気系として、左右バンク3,4
からの共通の排気管10が両ターボ過給機40,50の
タービン40a,50aに連通され、タービン40a,
50aからの排気管11が1つの排気管12に合流して
触媒コンバータ13、マフラ14に連通される。
【0010】吸気系として、エアクリーナ15から2つ
に分岐した吸気管16,17はそれぞれ両ターボ過給機
40,50のブロワ40b,50bに連通され、このブ
ロワ40b,50bからの吸気管18,19が空冷式イ
ンタークーラ20に連通される。そしてインタークーラ
20からスロットル弁21を有するスロットルボデー2
7を介してチャンバ22に連通され、チャンバ22から
吸気マニホールド23を介して左右バンク3,4の各気
筒に連通されている。またアイドル制御系として、エア
クリーナ15の直下流と吸気マニホールド23の間のバ
イパス通路24に、アイドル制御弁25、負圧で開く逆
止弁26が設けられ、アイドル時や減速時に吸入空気量
を制御するようになっている。
【0011】燃料系として、吸気マニホールド23のポ
ート近傍にインジェクタ30が配設され、燃料ポンプ3
1を有する燃料タンク32からの燃料通路33が、フィ
ルタ34、燃圧レギュレータ35を備えてインジェクタ
30に連通される。燃圧レギュレータ35は、吸気圧力
に応じて調整作用するものであり、これにより、インジ
ェクタ30に供給する燃料圧力を吸気圧力に対して常に
一定の高さに保ち、噴射信号のパルス幅により燃料噴射
制御することが可能になっている。点火系として、点火
プラグ8にイグナイタ36からの点火信号が入力するよ
うに接続されている。
【0012】プライマリターボ過給機40の作動系につ
いて説明する。プライマリターボ過給機40は、タービ
ン40aに導入する排気のエネルギによりブロワ40b
を回転駆動し、空気を吸入、加圧して常に過給するよう
に作動する。タービン側にはダイアフラム式アクチュエ
ータ42を備えたウエイストゲート弁41が設けられ
る。アクチュエータ42の圧力室にはブロワ40bの直
下流からの制御圧通路44がオリフィス48を有して連
通し、過給圧が設定値以上に上昇すると応答良くウエイ
ストゲート弁41を開くように連通される。またこの制
御圧通路44は更に過給圧をブロワ40bの上流側にリ
ークするデューティソレノイド弁43に連通し、このデ
ューティソレノイド弁43により所定の制御圧を生じて
アクチュエータ42に作用し、ウエイストゲート弁41
の開度を変化して過給圧を制御するようになっている。
ここで例えばデューティ比が大きい場合は、リーク量の
増大により制御圧を低下し、ウエイストゲート弁41の
開度を減じて過給圧を上昇する。逆にデューティ比が小
さくなると、高い制御圧で開度を増して過給圧を低下す
る。
【0013】一方、スロットル弁急閉時のブロワ回転の
低下や吸気騒音の発生を防止するため、ブロワ40bの
下流としてスロットル弁21の近くのインタークーラ2
0の出口側と、ブロワ40bの上流との間にバイパス通
路46が連通される。そしてこのバイパス通路46にエ
アバイパス弁45が、スロットル弁急閉時に通路47に
よりマニホールド負圧を導入して開き、ブロワ下流に封
じ込められる加圧空気を迅速にリークするように設けら
れる。
【0014】セカンダリターボ過給機50の作動系につ
いて説明する。セカンダリターボ過給機50は同様に排
気によりタービン50aとブロワ50bが回転駆動して
過給するものであり、タービン側にはアクチュエータ5
2を備えたウエイストゲート弁51が各別に設けられ
る。アクチュエータ52の圧力室には、ブロワ50bの
直下流からの通路67が大気にリークするデューティソ
レノイド弁53、制御圧通路54を介して連通され、過
給圧が設定値以上に上昇すると応答良くウエイストゲー
ト弁51を開き、デューティソレノイド弁53により制
御圧を生じて、同様に過給圧制御するようになってい
る。一方タービン50aの上流の排気管10には、ダイ
アフラム式アクチュエータ56を備えた排気制御弁55
が設けられ、ブロワ50bの下流には同様のアクチュエ
ータ57を備えた吸気制御弁58が設けられ、ブロワ5
0bの上、下流の間に過給圧リリーフ弁60を備えたリ
リーフ通路59が連通されている。
【0015】これらの各弁の圧力動作系について説明す
ると、吸気マニホールド23からの通路61がチェック
弁62を有してサージタンク63に連通されて、スロッ
トル弁全閉時に負圧を貯え且つ脈動圧を緩衝するように
なっている。過給圧リリーフ弁60の一方のスプリング
室には、サージタンク63からの負圧通路64と吸気制
御弁58の下流の正圧通路65が、切換用ソレノイド弁
70と通路66を介して連通される。そして電気信号に
より負圧を作用して過給圧リリーフ弁60を開き、正圧
を作用して過給圧リリーフ弁60を閉じる。吸気制御弁
58のアクチュエータ57は、一方のスプリング室に負
圧と大気圧に切換える切換用ソレノイド弁71が通路6
8を介して連通される。そして電気信号により負圧を作
用して吸気制御弁58を閉じ、大気開放でのスプリング
力で吸気制御弁58を開くように構成される。
【0016】排気制御弁55は下流開きの方式に構成さ
れ、アクチュエータ56の一方の室にスプリング56a
が排気制御弁55を閉じる方向に付勢されている。ここ
でスプリング56aのスプリング力が、中速域の予備回
転モードの排気圧による力と等しく設定される。またア
クチュエータ56のスプリング56aを有する一方の室
には、大気圧と負圧を切換える第2の切換用ソレノイド
弁74が通路69を介して連通され、他方の室には正圧
と大気圧を切換える第1の切換用ソレノイド弁73が通
路75を介して連通される。そしてシングルターボモー
ドでは電気信号による第1と第2の切換用ソレノイド弁
73,74の動作で、両方の室を大気開放してスプリン
グ力により排気制御弁55を全閉し、且つこのターボモ
ードでプライマリ側のウエイストゲート弁41が故障し
て排気圧が上昇する場合には、自動的に開弁してフェイ
ルセーフする機能を有する。また予備回転モードでもこ
の状態を所定時間保持し、排気圧とスプリング力とのバ
ランスにより微小開度だけ開いてプリコントロール弁の
機能を備える。更にツインターボモードでは、一方の室
に負圧を他方の室に正圧を作用して排気制御弁55を全
開し、且つその全開状態に保つように構成される。
【0017】各種のセンサについて説明すると、差圧セ
ンサ80が吸気制御弁58の上、下流の差圧を検出する
ように設けられ、絶対圧センサ81が切換用ソレノイド
弁76により吸気管圧力と大気圧を選択して検出するよ
うに設けられる。また、エンジン本体1にクランク角セ
ンサ82、ノックセンサ83、水温センサ84が設けら
れ、動弁機構9のカムシャフトに連設したカムロータ9
0に対向してカム角センサ85が設けられ、排気管10
にO2 センサ86が設けられ、スロットル弁21にスロ
ットル開度センサ87が設けられ、エアクリーナ15の
直下流に吸入空気量センサ88が設けられている。
【0018】更に、4気筒エンジンに適用した場合の上
記クランク角センサ82,カム角センサ85について図
2に基づき詳述すると、クランク角センサ82は電磁ピ
ックアップ等からなり、クランク軸に取付けられたクラ
ンクロータ91に対向して配設されており、このクラン
クロータ91の外周に形成された3種類の突起91a〜
91c(スリットでもよい)を電気的に検出する。クラ
ンクロータ91の突起91aは、燃料噴射開始時期やエ
ンジン回転数を検出するためのもので、圧縮上死点前
(BTDC)例えば97度のセット角θ1に定められ
る。突起91bは、点火時期の基準位置を検出するもの
で、圧縮上死点前例えば65度のセット角θ2に定めら
れる。突起91cは、固定点火時期を検出するもので、
圧縮上死点前例えば10度のセット角θ3に定められ
る。これによりエンジン運転時に、#1→#3→#2→
#4の点火順序において各気筒毎に、図12に示すよう
なクランクパルスを生じるようになる。
【0019】カム角センサ85は同様に電磁ピックアッ
プ等からなり、カム軸に取付けられたカムロータ90に
対向して配設され、このカムロータ90の外周に形成さ
れる1個ないし3個の気筒判別用の突起90a〜90c
(スリットでも可)を電気的に検出する。3個の突起9
0bは#1気筒の圧縮上死点後(ATDC)例えば5度
のセット角θ5に定められ、1個の突起90aは#3気
筒及び#4気筒の圧縮上死点後例えば20度のセット角
θ4に定められ、2個の突起90cは#2気筒の圧縮上
死点後例えば20度のセット角θ6に定められる。これ
により、エンジン運転時に、図12図に示すようにクラ
ンクパルスと重ならない位置でカムパルスを生じ、この
カムパルスの個数と発生状態から気筒判別することが可
能になる。
【0020】次に図3において、電子制御系の全体の構
成について説明する。先ず、マイクロコンピュータ等か
らなる制御ユニット100は、I/O101、CPU1
02、RAM103、バックアップRAM104、RO
M105、定電圧回路106を備えている。またイグニ
ッションスイッチ90をONすると、リレー91をON
しバッテリ92から定電圧回路106に電力を供給し
て、制御ユニット100の各種制御を実行し、駆動回路
107によりリレー93をONし燃料ポンプ31を通電
して駆動する。CPU102はROM105に格納され
ている演算プログラムに基づいて、I/O101から各
種センサ80〜88、車速センサ89の信号を入力し、
RAM103,バックアップRAM104に記憶されて
いるデータ,およびROM105に格納されているマッ
プ等の固定データに基づき演算処理する。そして、駆動
回路107から各種切換用ソレノイド弁70,71,7
3,74,76に切換信号を、デューティソレノイド弁
43,53にデューティ信号を出力してシーケンシャル
ターボ制御し、インジェクタ30に噴射信号を出力して
燃料噴射制御する。またイグナイタ36に点火信号を出
力して点火時期制御し、アイドル制御弁25に制御信号
を出力してアイドル制御する。
【0021】次いで、吸気温度予測制御について説明す
る。先ず、吸気温度予測の原理について説明すると、吸
気温度T(絶対温度;゜K)は吸気管絶対圧P、単位サイ
クル(4サイクルエンジンの場合、エンジン2回転)当
たりの吸入空気体積V、単位サイクル当たりの空気重量
m、及びガス定数Rにより、以下の気体の状態方程式で
表される。 PV=mRT (1) 従って、吸気温度Tは以下となる。 T=PV/mR (2) ここで吸気温度TがP/mの関数として、以下の式、 T=f(P/m) (3) で表すことができれば、吸気温度Tを予測することが可
能になる。
【0022】そこで実験により吸気温度Tと計算パラメ
ータP/mとの関係を計測すると、図4(a)のように
なった。これにより或るエンジン回転数(4000rp
m)を除いて、式(3)の吸気温度Tと計算パラメータ
P/mとが、一次関数になることがわかった。またエン
ジン回転数4000rpmの場合の各計測点をスロット
ル開度で整理すると、同図(b)のようになり、式
(3)は各エンジン回転数と各スロットル開度で独立に
存在することがわかった。即ち、式(3)はエンジン特
性を表す定数C1、C0を用いて、以下のように表すこ
とができる。 T=C1(P/m)+C0 (4)
【0023】ここで、C1はV/Rに対応し、単位サイ
クル当たりの吸入空気体積Vに比例して吸気効率を示す
吸気効率定数である。C0はシリンダに新気が吸入する
と共にその一部が排気系に吹抜け、更に吹き返しガスが
存在する場合に補正する温度補正定数である。そこでこ
れらの定数C1、C0をエンジン回転数とスロットル開
度の関係で実験により求めてマップにより与え、補間計
算付で設定する。また吸気管絶対圧Pは絶対圧センサ8
1の信号を計測し、単位サイクル当たりの空気重量mは
吸入空気量とエンジン回転数により算出することで、計
算パラメータP/mを求めることができる。従って、既
存センサのエンジン回転数、スロットル開度、吸入空気
量、絶対圧の信号を用い、C1、C0、P/mを求める
ことで、式(4)により吸気温度Tを時々刻々算出して
高い精度で予測することが可能になる。
【0024】次に、この実施例の作用について説明す
る。先ずエンジン運転時に例えば低負荷低中速のシング
ルターボモードでは、制御ユニット100により切換用
ソレノイド弁70に開信号を出力して過給圧リリーフ弁
60が開き、セカンダリ側のブロワ下流の過給圧をリー
クする。同時に第1、第2の切換用ソレノイド弁73,
74に閉信号を出力して排気制御弁55が閉じ、排気が
セカンダリターボ過給機50に導入することを遮断し、
且つ切換用ソレノイド弁71に閉信号を出力して吸気制
御弁58が閉じ、これによりセカンダリターボ過給機5
0が不作動となりプライマリターボ過給機40のみが作
動する。
【0025】次いで、車速等の上昇によりツインターボ
モードになると、このモードの初期に予備回転モードを
判断する。そして予備回転モードでは、先ず切換用ソレ
ノイド弁70に閉信号を出力して過給圧リリーフ弁60
が閉じ、次いで排気制御弁55が排気圧により微小開度
だけ開き、セカンダリターボ過給機50に排気が導入し
て予備回転される。その後第1、第2の切換用ソレノイ
ド弁73,74に開信号を出力して排気制御弁55が全
開されることで、セカンダリターボ過給機50が実質的
に作動し、差圧センサ80によって検出される差圧に基
づく判断により吸気制御弁58の上流圧と下流圧とが略
等しくなった時点で切換用ソレノイド弁71に開信号を
出力して吸気制御弁58が開き、これにより円滑にツイ
ンターボモードに移行する。
【0026】また各モードにおいては、目標過給圧Pt
と絶対圧センサ81による実過給圧Pbの偏差Δpを算
出し、この偏差Δpに応じた補正量を定める。そこでシ
ングルターボモードでは、この補正量に対応したデュー
ティ信号をプライマリ側のデューティソレノイド弁43
に出力し、ウエイストゲート弁41の開度によりプライ
マリターボ過給機40の過給圧が制御される。またツイ
ンターボモードでは、両ターボ過給機40,50の作動
配分に基づいたデューティ信号をプライマリとセカンダ
リのデューティソレノイド弁43,53に出力して、ウ
エイストゲート弁41,51の開度により両過給機4
0,50の過給圧が制御されるのであり、こうして実過
給圧Pbが常に目標過給圧Ptに追従するようにフィー
ドバック制御される。そしてこのプライマリターボ過給
機40、セカンダリターボ過給機50で圧縮される所定
の過給圧の空気は、空冷式インタークーラ20で冷却さ
れ、スロットル弁21で流量制御してエンジン本体1に
高い充填効率で供給されるようになる。
【0027】上記シーケンシャルターボによるエンジン
運転時に、そのターボ作動で用いたセンサ信号により吸
気温度Tが予測されるのであり、制御ユニット100に
よって実行される吸気温度予測ルーチンを図5のフロー
チャートを用いて説明する。このルーチンは所定時間毎
に実行されるものであり、ステップS1でエンジン回転
数Nとスロットル開度Thによりマップ検索して吸気効
率定数C1を設定し、ステップS2で同様にエンジン回
転数Nとスロットル開度Thによりマップ検索して温度
補正定数C0を設定する。その後ステップS3に進んで
吸入空気量Qとエンジン回転数Nにより単位サイクル当
たりの空気重量mを求め、ステップS4で絶対圧センサ
81の信号から吸気管絶対圧Pを読込む。そしてステッ
プS5でこれらの吸気効率定数C1、温度補正定数C
0、計算パラメータP/mを用いて吸気温度Tを算出す
るのであり、こうしてエンジン運転中に単位サイクル当
たりの空気重量mに対して吸気管絶対圧P、即ち過給圧
が大きい程吸気温度Tが高くなるように予測される。
【0028】次いで、上記吸気温度Tにより空燃比制御
を補正する場合について、図6のフローチャートを用い
て説明する。このルーチンは所定時間毎に実行され、ス
テップS10で吸入空気量Q、エンジン回転数N及びイ
ンジェクタ特性補正定数Kにより基本噴射量(基本燃料
噴射パルス幅)Tpを、Tp=K・Q/Nにより算出す
る。その後ステップS11でフィードバック補正係数
α、空燃比学習補正係数Kb、各種補正係数COEF、
電圧補正係数Tsを設定する。
【0029】また、ステップS12で、前記吸気温度予
測ルーチンにより設定された吸気温度Tに基づき、マッ
プを参照して吸気温度補正係数Ktを設定する。ここ
で、吸気温度Tの上昇に対してノック等を防止するに
は、増量補正して燃料冷却することが有効である。そこ
で、図7に示すように、吸気温度Tに対してその補正係
数Ktが、所定の温度以降に増大関数的に与えられるの
であり、このマップにより吸気温度補正係数Ktを設定
する。そしてステップS13でこれらの基本噴射量T
p、フィードバック補正係数α、空燃比学習補正係数K
b、各種補正係数COEF、吸気温度補正係数Kt及び
電圧補正係数Tsにより燃料噴射量(燃料噴射パルス
幅)Tiを、 Ti=Tp・α・Kb・COEF・Kt+Ts により算出する。その後ステップS14でこの燃料噴射
量Tiをセットして、インジェクタ30による燃料噴射
量を制御する。
【0030】従って、エンジン運転状態により吸気温度
Tが低い場合は、吸気温度補正係数Ktが1.0であ
り、理論空燃比付近に空燃比制御される。一方、高回転
側で過給圧が高くなり、吸気温度Tが高く予測される場
合は、吸気温度補正係数Ktにより燃料噴射量Tiが増
量補正されてリッチに空燃比制御される。そこでこの場
合の濃混合気で燃料冷却して燃焼温度を低下するように
なり、こうして未然にノッキングが抑制され且つ触媒へ
の悪影響が防止される。
【0031】また上記吸気温度Tにより点火時期制御を
補正する場合について、図8ないし図10のフローチャ
ートを用いて説明する。図8の気筒判別、エンジン回転
数算出ルーチンは、クランクパルスとカムパルス入力に
より割込み実行される。そこでステップS20でカムパ
ルスにより点火対象気筒#iを判別して、ステップS2
1でクランクパルスを識別する。またステップS22で
は、クランク角センサ82において燃料噴射開始時期や
エンジン回転数を検出するため上死点前(BTDC)例
えば97度のセット角θ1に定められるθ1パルスと、
点火時期の基準位置を検出するため上死点前例えば65
度のセット角θ2に定められるθ2パルスとの入力間隔
時間(周期)Tθ12を求める。そしてステップS23
でこのパルス周期Tθ12に基づいてエンジン回転数N
を算出する。
【0032】図9の点火時期設定ルーチンは、所定時間
毎に実行されるものであり、先ずステップS30で基本
噴射量Tpとエンジン回転数Nとに基づいて基本点火時
期マップを補間計算付きで参照してエンジン運転状態に
応じた角度データの基本点火時期ADVbを設定し、ス
テップS31でノック発生の有無に応じたノック修正値
ADVnを設定し、その後ステップS32に進んでマッ
プを参照して吸気温度遅角補正値ADVtを設定する。
ここで吸気温度Tの上昇に対してノック等を防止するに
は、点火時期を遅角補正することが有効である。そこで
図11に示すように吸気温度Tに対してその遅角補正値
ADVtが、所定の温度以降に増大関数的に与えられる
のであり、このマップにより吸気温度遅角補正値ADV
tを設定する。
【0033】そしてステップS33で、これらの基本点
火時期ADVb、ノック修正値ADVn、吸気温度遅角
補正値ADVtにより角度データとしての制御進角量A
DVを、ADV=ADVb+ADVn−ADVt、によ
り算出する。その後、ステップS34で、制御進角量A
DVをθ2パルスを基準とした時間データの点火タイミ
ングTadvに変換する。即ち、パルス入力間隔時間T
θ12と両者のセット角の差θ12により1度当たりの
時間を算出し、これとθ2パルスのセット角から制御進
角量ADVを減算したものにより点火タイミングTad
vの時間を求める。そしてステップS35でバッテリ電
圧に基づきデーブルを補間計算付で参照して基本通電時
間Dwbを設定して、ステップS36でエンジン回転数
Nに対しても回転補正係数Kdを設定し、ステップS3
7でこれらにより通電時間Dwを算出する。その後ステ
ップS38に進んで、θ2パルスを基準とした通電開始
時刻の通電(ドエル)開始タイミングTdwを、点火タ
イミングTadvから通電時間Dwを減算して求める。
【0034】図10の通電、点火ルーチンは、θ2クラ
ンクパルスの入力毎に割込んで実行される。先ず、ステ
ップS40で通電セットタイマTIM1と点火セットタ
イマTIM2のカウントを開始して、ステップS41で
θ2クランクパルス入力後に通電開始タイミングTdw
を経過したかを判断し、そのタイミングTdwを経過す
るとステップS42に進んで点火対象気筒#iの通電を
開始し、ステップS43で通電セットタイマTIM1を
リセットする。その後ステップS44で点火セットタイ
マTIM2のカウント値が点火タイミングTadvを経
過したかを判断し、そのタイミングTadvを経過する
とステップS45で通電をカットし、ステップS46で
点火セットタイマTIM2をリセットする。
【0035】これにより、図12に示すように点火信号
がイグナイタ36に出力し、点火コイル等による高電圧
が、該当気筒#iの点火プラグ8に所定のタイミングで
印加して点火するようになる。そしてエンジン運転状態
により吸気温度Tが低い場合は、吸気温度遅角補正値A
DVtが0であり、このため(制御進角量)点火時期A
DVがエンジン運転状態やノック発生の有無に応じて適
正に進角制御される。一方、高回転側で過給圧が高くな
り、吸気温度Tが高く予測される場合は、吸気温度遅角
補正値ADVtにより点火時期ADVが遅角補正されて
燃焼温度を低下するようになり、こうして同様にノッキ
ングが抑制され且つ触媒への悪影響が防止される。
【0036】以上、本発明の実施例について説明した
が、シーケンシャルターボ以外のエンジンにも全く同様
に適用できる。また予測される吸気温度により他の種々
の制御も行うことができるのは勿論である。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
車両用エンジンにおいて、エンジン運転中にその運転状
態のエンジン回転数、スロットル開度、吸入空気量、吸
気管絶対圧の各要素を用いて吸気温度を算出する方法で
あるから、吸気温度センサ、外気温度センサを用いずに
吸気温度を時々刻々予測することが可能になる。吸気効
率定数と温度補正定数を設定し、吸気管絶対圧と単位サ
イクル当たりの空気重量により計算パラメータを求め、
これらにより気体の状態方程式に基づいて吸気温度を算
出するので、エンジン運転状態に応じた吸気温度を高い
精度で予測することができる。
【0038】空燃比制御では、吸気温度の上昇に対し燃
料を増量するように補正するので、燃料冷却により有効
にノッキングや触媒に対する悪影響を防止することがで
きる。点火時期制御では、吸気温度の上昇に対して遅角
するように補正するので、同様の効果を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸気温度予測方法が適応されるシーケ
ンシャルターボエンジンを示す全体の構成図である。
【図2】クランク角センサとカム角センサを示す図であ
る。
【図3】制御系の全体の回路図である。
【図4】吸気温度予測の実験結果を示す線図である。
【図5】吸気温度予測ルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図6】空燃比制御ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図7】吸気温度補正係数のマップを示す図である。
【図8】気筒判別、エンジン回転数算出ルーチンを示す
フローチャートである。
【図9】点火時期設定ルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図10】通電、点火ルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図11】吸気温度遅角補正値のマップを示す図であ
る。
【図12】点火時期制御の状態を示すタイムチャートで
ある。
【符号の説明】
1 エンジン本体 20 空冷式インタークーラ 40 プライマリターボ過給機 50 セカンダリターボ過給機 81 絶対圧センサ 82 クランク角センサ 87 スロットル開度センサ 88 吸入空気量センサ 100 制御ユニット

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン回転数とスロットル開度とをパ
    ラメータとして、単位サイクル当たりの吸入空気体積に
    比例して吸気効率を示す吸気効率定数を格納したマップ
    と、 エンジン回転数とスロットル開度とをパラメータとし
    て、シリンダに新気が吸入すると共にその一部が排気系
    を吹き抜けて更に吹き返しガスが存在する場合に、吸気
    温度を補正するための温度補正定数を格納したマップと
    を備え、 エンジン回転数とスロットル開度とに基づいて上記各マ
    ップを参照して上記吸気効率定数と上記温度補正係数と
    をそれぞれ設定し、 吸入空気重量とエンジン回転数とにより単位サイクル当
    たりの空気重量を算出し、 吸気管絶対圧力を上記単位サイクル当たりの空気重量で
    除算した計算パラメータを、上記吸気効率定数及び上記
    温度補正定数により補正することで 吸気温度を算出して
    予測することを特徴とする吸気温度予測方法。
  2. 【請求項2】 空燃比制御では予測される吸気温度に対
    してその補正係数を増大関数的に定め予測される吸気温
    度が高温になるに従い空燃比をリッチ側に増大し、点火
    時期制御では予測される吸気温度に対してその遅角補正
    値を増大関数的に定めることを特徴とする請求項1記載
    の吸気温度予測方法。
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